説明

自動車タイヤ用エアバルブ

金属ハウジング1と金属ハウジング1を取囲む弾性ハウジング2が含まれる自動車タイヤのエアバルブであって、金属ハウジング1は、リム穴201に対応する円柱部13を有し、円柱部13の上方にリング状フランジ6を有し、円柱部13の下方に下リング状フランジ12を有する。弾性ハウジング2は、円柱部13の外側に第一弾性円柱部21を有し、リング状フランジ6の外側に円柱部22を有し、弾性ハウジング2の下端が下リング状フランジ12を取囲む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車タイヤ用エアバルブに関わるものである。
【背景技術】
【0002】
エアバルブ用の金属ハウジング及び金属ハウジングを取り囲む弾性ハウジングが含まれる自動車タイヤのエアバルブであって、金属ハウジングのヘッドのネジ部には保護キャップが連結され、金属ハウジングの内部にバルブコアが設置され、エアバルブはリムに取り付けられ、その末端がタイヤの中に置かれている。エアバルブをリムに取付ける技術要求において、主に3つの受け力に関わる指標がある。即ち、取付ける際に装着力が上限を超えてはいけないか、取付け後の取り外し力及び抜出力が下限値以下ではいけない等である。現在、一部の自動車より、走行中タイヤの空気圧が監視できることを要求され、それに応じてタイヤ空気圧監視システムの電子装置がエアバルブの末端に付けられ、タイヤの中に置かれることにより、いつでも検知できる様になっているが、電子装置を取付けたことにより、エアバルブの末端の重量が非常に重くなり、タイヤが高速回転中のエアバルブの受け力の状態を完全に変えてしまうため、エアバルブの構造により、取り外し力の要求と装着力の要求の間で、バランスを取ることが非常に難しくなっている。
【発明の概要】
【0003】
本発明において、解決しようとしている技術問題は、簡単にリムに引き込まれると同時に十分な取り外し力を有するエアバルブを提供することにより、タイヤが高速回転中でもエアバルブの取り付け状態が依然と信頼できる様になるのである。そのために、本発明では下記の技術案を採用している。エアバルブの金属ハウジング及び金属ハウジングを取り囲む弾性ハウジングが含まれ、前記金属ハウジングはリム穴に対応する第一円柱部を有し、第一円柱部の上方金属ハウジング上に、エアバルブの取り外し力増強用リング状フランジがあり、第一円柱部の下方金属ハウジング上に、弾性ハウジングの下端に対応する部分に、下リング状フランジが設けられ、前記弾性ハウジングにおいて、第一円柱部の外側に第一弾性円柱部を有し、取り外し力増強用リング状フランジの外側に円錐部を有し、前期弾性ハウジングの下端が、下リング状フランジ外を取り囲むのである。前記第一円柱部の外径は5.9〜6.5mmで、取り外し力増強用リング状フランジの外径が8.6〜9.2mmで、取り外し力増強用リング状フランジの外径と第一円柱部の外径の差額が2.7mmより大きいのである。前記弾性ハウジングの円錐部の最大外径が13.8〜14.2mmで、第一弾性円柱部分の外径が13〜13.5mmである。本発明の技術案において、金属ハウジング上の取り外し力増強用リング状フランジおよび関連寸法を合わせることにより、エアバルブが要求に合致する装着力及び取り外し力、抜出力を有することになり、簡単にリムに付けられると同時に、タイヤ空気圧監視システムの電子装置を取付けてタイヤが高速回転する際、エアバルブの取り付け状態が依然と信頼できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】本発明で提供している実施例とタイヤ空気圧監視システムの電子装置の接続示し図である。
【図2】図1に示す実施例における半分断面の示し図である。
【図3】図1に示す実施例における保護キャップを取り外した後の全体の断面示し図である。
【図4】装着力の方向と状態の示し図で、添付図のNRマークは引入れ方向を示す。
【図5】抜出力の方向と状態の示し図で、添付図のNTマークは引外し方向を示す。
【図6】取り外し力の方向と状態の示し図で、添付図のNCマークは退出方向を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
添付図を参照すること。本発明において、エアバルブの金属ハウジング1及び金属ハウジングを取り囲む弾性ハウジング2が含まれ、弾性ハウジング2にゴム硬度が75Aである硫化ゴムを採用することができる。前記金属ハウジングは、リム穴201に対応する第一円柱部13を有し、第一円柱部の上方金属ハウジング上に、エアバルブの取り外し力増強用リング状フランジ6を有し、第一円柱部の下方金属ハウジング上に、弾性ハウジングの下端に対応する部分に下リング状フランジ12が設けられている。前記弾性ハウジングにおいて、第一円柱部の外側に第一弾性円柱部21を有し、取り外し力増強用リング状フランジの外側に円錐部22を有し、前期弾性ハウジングの下端が下リング状フランジ外を取り囲む様になっている。下リング状フランジ12により、弾性フランジと金属フランジの間の気密性を確保するだけでなく、弾性フランジ2のゴムの硫化にも便利である。前記第一円柱部の外径Eは5.9〜6.5mmで、取り外し力増強用リング状フランジの外径Dが8.6〜9.2mmで、取り外し力増強用リング状フランジの外径Dと第一円柱部の外径Eの差額が2.7mm以上のである。前記弾性ハウジングの円錐部22の最大外径Aが13.8〜14.2mmで、第一弾性円柱部分の外径Bが13〜13.5mmである。添付図の中で200がリムで、リム穴201の直径が11.5±0.2mmである。
【0006】
図面に示す様に、前記の取り外し力増強用リング状フランジ6の上下側は傾斜面になっていて、その下側の段差が上側より大きい。即ち、取り外し力増強用リング状フランジ6の最大直径と第一円柱部13の直径の差額が、取り外し力増強用リング状フランジ6の最大直径とその上方の金属円柱部14の直径の差額より大きい。これにより、同時にエアバルブの取り外し力と装着力の要求を満たすことができる。
【0007】
前記金属ハウジング1には給排気ホール4が設けられ、金属ハウジングの尻側にはタイヤ空気圧監視システムの電子装置100を接続するのに用いるおねじ支柱5が設けられ、前記給排気ホール4がおねじ支柱の上方に設けられている。本発明において、おねじを採用してタイヤ空気圧監視システムの電子装置を取り付けているが、めねじ方式と比べると、色々な手段で接続を強化することができる。例えば、電子装置の接続構造をおねじの上に被せるようにし、金属ハウジング上の段差部分或いは表面に近寄せて、多層ナットにておねじ支柱と締め付けることにより、自動車が高速走行中に、タイヤ空気圧監視システムの電子装置とエアバルブの接続が緩まないようにする。添付図において53がおねじ支柱5と合わせる締め付けナットである。
【0008】
前記金属ハウジングにおいて、おねじ支柱と給排気ホールの間には、電子装置のリミット段差51が設けられている。前記金属ハウジングにおいて、電子装置のリミット段差とおねじ支柱の間には、回転防止平面52が設けられ、更に電子装置100が緩まない様にしている。
【0009】
金属ハウジングのヘッド部のねじには保護キャップ3が連結され、前記弾性ハウジングの上端と保護キャップの間に間隔を有して、エアバルブをリムに取付ける工具を入れる空間32を形成している。エアバルブを取付ける際には力を入れてエアバルブを挟める必要がなく、工具を弾性ハウジングの上端と保護キャップの間に挿入して引き上げるだけで、保護キャップの下端と配合されエアバルブが引き上げられる様にして、簡単にエアバルブをリム穴の中に取付けることができる。
【0010】
前記エアバルブの金属ハウジング1において、弾性ハウジングに対応する上端に、上リング状段差11を有して、弾性ハウジング2のゴムの硫化に便利を図っている。前記リング状段差の下側の面110は傾斜面である。
【0011】
取り外し力の要求、装着力の要求、抜出力の要求を満足させることは相互対立するものであるが、金属ハウジングの末端にタイヤ空気圧監視システムの電子装置100を装着すると、更に質的変化を与えるのである。本発明の開発中、大量的な実践により、取り外し力増強用リング状フランジ6を設けないと、上記の対立現象を解決しかねないことが証されている。然し、力を増やすリング状フランジ6を設けるとしても、力を増やすリング状フランジ6の直径、その外側の弾性フランジの直径、第一円柱部13の直径、第一円柱部13の外側の弾性フランジの直径が、依然と相互影響するため、それを選ぶのが極に難しい。大量的な試験をかけて、本発明では以下の数値範囲の場合、タイヤ空気圧監視システムの電子装置100を接続するエアバルブにおいて、理想的な取り外し力、抜出力と装着力が同時に得られることが得られた。前記第一円柱部の外径Eは5.9〜6.5mmで、取り外し力増強用リング状フランジの外径Dが8.6〜9.2mmで、取り外し力増強用リング状フランジの外径Dと第一円柱部の外径Eの差額が2.7mmより大きいのである。前記弾性ハウジングの円錐部22の最大外径Aが13.8〜14.2mmで、第一弾性円柱部分の外径Bが13〜13.5mmで、弾性ハウジングのゴムの硬度が75Aである。
以下の表は、10本のエアバルブを一組とした一部の試験データである。
【0012】
【表1】

【0013】
その中、平均装着力が450N以下、平均抜出力が600N以上、平均取り外し力が900N以上の場合、標準に合致するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一種の自動車タイヤ用エアバルブであって、エアバルブの金属ハウジングと金属ハウジングを取囲む弾性ハウジングが含まれ、
前記金属ハウジングは、リム穴に対応する第一円柱部を有し、第一円柱部の上方金属ハウジング上に、エアバルブの取り外し力増強用リング状フランジを有し、第一円柱部の下方金属ハウジング上に、弾性ハウジングの下端に対応する部分に下リング状フランジが設けられ、
前記弾性ハウジングにおいて、第一円柱部の外側に第一弾性円柱部を有し、取り外し力増強用リング状フランジの外側に円錐部を有し、前期弾性ハウジングの下端が下リング状フランジ外を取り囲み、
前記第一円柱部の外径が5.9〜6.5mmで、取り外し力増強用リング状フランジの外径が8.6〜9.2mmで、取り外し力増強用リング状フランジの外径と第一円柱部の外径の差が2.7mmより大きく、
前記弾性ハウジングの円錐部の最大外径が13.8〜14.2mmで、第一弾性円柱部分の外径が13〜13.5mmであることを特徴とする、
自動車タイヤ用エアバルブ。
【請求項2】
前記の取り外し力増強用リング状フランジの上下側が傾斜面で、その下側の段差が上側の段差より大きいことを特徴とする請求項1に記載の自動車タイヤ用エアバルブ。
【請求項3】
前記金属ハウジングには給排気ホールが設けられ、金属ハウジングの末端にはタイヤ空気圧監視システムの電子装置を接続するおねじ支柱が設けられ、給排気ホールがおねじ支柱と下リング状フランジの間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の自動車タイヤ用エアバルブ。
【請求項4】
前記金属ハウジングにおいて、おねじ支柱と給排気オールの間にタイヤ空気圧監視システムの電子装置のリミット段差が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の自動車タイヤ用エアバルブ。
【請求項5】
前記金属ハウジングにおいて、電子装置の位置決め段差とおねじ支柱の間に回転防止平面が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の自動車タイヤ用エアバルブ。
【請求項6】
金属ハウジングのヘッド部のネジには、保護キャップが付けられ、前記弾性ハウジングの上端と保護キャップの間には、間隔があり、エアバルブをリムに取り付ける工具を挿入する空間を形成することを特徴とする請求項1に記載の自動車タイヤ用エアバルブ。
【請求項7】
前記エアバルブの金属ハウジングが、弾性ハウジングに対応する上端に上リング状段差を有することを特徴とする請求項6に記載の自動車タイヤ用エアバルブ。
【請求項8】
前記上リング状段差の下側面が傾斜面であることを特徴とする請求項7に記載の自動車タイヤ用エアバルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−506814(P2012−506814A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533515(P2011−533515)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【国際出願番号】PCT/CN2009/071851
【国際公開番号】WO2010/054548
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(511107278)杭州万通气▲門▼嘴有限公司 (1)
【出願人】(511107289)
【Fターム(参考)】