説明

自動車用フロアーマット

【課題】フロアマットのズレ防止について、マット裏面に多数のズレ防止用突起の設置では、該突起がズレ防止効果は確実でなく、ファーストカーペットに損害を与え、マット裏面のフックの引っ掛けでは、マットに加わる力の大きさや方向によっては左右や斜めにズレることがあり、新しいフロアマットを取り換えるときに、加工しなければ取り換えできず、不便なことになる。前述のフロアマットのズレ防止の欠点を改善する自動車用フロアーマットを提供する。
【解決手段】フロアーマット10は、少なくとも1つのバッキング層20と、1つのずれ止め層30と、で構成され、前記ずれ止め層30は、合成繊維糸と、基礎繊維糸と、の編み込みで形成され、前記合成繊維糸が、合成繊維糸と基礎繊維糸で構成された基布層Aの外部に、特定の高さで延伸して、且つ一定の剛性を持ち、前記バッキング層20とずれ止め層30とが、粘着剤で粘着し、或いは熱で融合粘着で結合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動車用フロアーマットに関し、詳細には、車両の床面に敷設されるパイルカーペットの上に、使用するフロアマットのズレ防止構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両の床面にはカット形態のパイルが所定のボリュームとなるように基布にタフトされたのタフテッドカーペット(Tufted Carpet)、編みされたのニットカーペット(Needle Punched Carpet)、などのファーストカーペットが敷設されている。
このファーストカーペットは、一般に車内の床面全面にそのままで或いは接着剤などを介して敷設されるため、埃やゴミなどで汚れた場合でも、簡単に取り外して清掃することができない。このため、車両床面には、埃やゴミが直接パイルカーペットに付かないようにするため、ファーストカーペット上面に取り外し自在なフロアマットが載置される。
この車両床面の上面に載置されるフロアマットはズレやすく、そのズレが交通事故にも繋がる可能性があるため、従来よりそのズレ防止対策がなされていた。
従来よりそのズレ防止対策は、マット裏面に多数のズレ防止用突起が設けられていて、この突起がファーストカーペットのタフトされたパイル間に入り込み、これにより、当該フロアマットのズレを防止するようになっていた。
或いは、マット縁部に貫通孔が設けられていて、この貫通孔に床面に突設されたフックを引っかけることで、当該マットのズレ防止性を高めていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述公知のフロアマットのズレ防止について、マット裏面に多数のズレ防止用突起を設置では、該突起がズレ防止効果は確実でなくの上、高級なファーストカーペットに損害を与え、マット裏面のフックの引っ掛けでは、マットに加わる力の大きさや方向によっては左右や斜めにズレたりすることがあり、まして、新しいフロアマットを取り換えるときに、加工しなければ取り換えることもできなくて、不便なことになる。
本発明の目的は、前述公知のフロアマットのズレ防止の欠点を改善する自動車用フロアーマットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
フロアーマットは、少なくとも、1つのバッキング層と、1つのずれ止め層と、で構成され、前記ずれ止め層は、合成繊維糸と、基礎繊維糸と、の編み込みで形成られ、前記合成繊維糸が、合成繊維糸と基礎繊維糸で構成された基布層の外部に、特定の高さで延伸して、且つ一定の剛性を持ち、前記バッキング層とずれ止め層とが、粘着剤で粘着し、或いは熱で融合粘着で結合する。
前述バッキング層は、発泡材質からなる場合には、発泡材質が、混合ポリエチレン(XPE)と、ポリエチレン(PE)と、エチレン酢ビコポリマー(EVA)と、ポリウレタン(PU)と、どれか1つで造られても良い。
また、前述バッキング層は、熱可塑性エラストマー(TPE)と、熱可塑性ゴム(TPR)と、塩化ビニル樹脂(PVC)と、どれか1つで造られても良い。
前述ずれ止め層は、複数の合成繊維糸と、柔軟な基礎繊維糸と、からなり、前記各合成繊維糸を、U形に撓め、環部と、2つの延伸されたパイル糸22と、を形成され、各自の環部が、まえの環部を絡み、末端が延伸してパイル糸となり、基布層の外部まで延伸し、該基布層は、合成繊維糸と、基礎繊維糸と、の編み込みで形成られ、各自の基礎繊維糸が、まえの合成繊維糸と、基礎繊維糸と、を絡み、強固な基布層と構成され、合成繊維糸は、ナイロンと、ポリエステルと、ポリプロピレン(PP)と、ポリエチレン(PE)と、どれか1つで造られても良い。
【発明の効果】
【0005】
本発明により、フロアーマットは、柔軟さと軽さを有し、通気性と弾力性を具備し、ずれ止め効果高く、カーペットの上に、繰り返して貼り付けと取り外すことをしても、カーペットに損害を与えない。詳しいのは、下記のようである。
1.重量は低いので省エネの利点がある。
2.ずれ止め効果高くが、カーペットに損害を与えない。
3.製造コストは低いので、市場に競争力が高める。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1,2に示すように、本発明のフロアーマット10の構造は、少なくとも、1つのバッキング層20と、1つのずれ止め層30と、で構成され、該バッキング層20は、発泡材質と、絨毯と、熱可塑性エラストマー(TPE)と、熱可塑性ゴム(TPR)と、塩化ビニル樹脂(PVC)と、どれか1つで造られ、または、これらを複数種混合した混合物などからなれ、各層部材を粘着剤で粘着し、或いは熱で融合粘着し、ずれ止め効果を具備するフロアーマットになるとともに、製造コスト削減もできる。
図3,4に、本発明の第2実施例を開示する。フロアーマット10の構造は、1つのバッキング層20と、1つのずれ止め層30と、1つの表面層40と、で構成され、表面層40は、絨毯と、熱可塑性エラストマー(TPE)と、熱可塑性ゴム(TPR)と、塩化ビニル樹脂(PVC)と、どれか1つで造られても良い(図3を参照)。
前述表面層40は、絨毯からなる場合には、絨毯の材質が、ポリプロピレン繊維と、ポリエステル繊維からなり、或いは、ナイロンと、塩化ビニル樹脂(PVC)からなるでも良い。
前述バッキング層20は、発泡材質からなる場合には、発泡材質が、混合ポリエチレン(XPE)と、ポリエチレン(PE)と、エチレン酢ビコポリマー(EVA)と、ポリウレタン(PU)と、どれか1つで造られても良い、発泡材質のバッキング層20が、遮音性を有する。
また、前述バッキング層20は、熱可塑性エラストマー(TPE)と、熱可塑性ゴム(TPR)と、塩化ビニル樹脂(PVC)と、どれか1つで造られても良い。
図7〜9に示すように、本発明のずれ止め層30は、複数の合成繊維糸20a,20bと、柔軟な基礎繊維糸30a,30bと、からなる。前記各合成繊維糸20a,20bを、U形に撓め、環部21と(図8に参照)、2つの延伸されたパイル糸22(図9に参照)と、を形成され、各自の環部21が、まえの環部21を絡み、末端が延伸してパイル糸22となり、基布層Aの外部まで延伸する。該基布層Aは、合成繊維糸20a,20bと、基礎繊維糸30a,30bと、の編み込みで形成られ、各自の基礎繊維糸30a,30bが、まえの合成繊維糸20a,20bと、基礎繊維糸30a,30bと、を絡み、強固な基布層Aと構成される。合成繊維糸20a,20bは、ナイロンと、ポリエステルと、ポリプロピレン(PP)と、ポリエチレン(PE)と、どれか1つで造られても良い。
従って、本発明のフロアーマットは、柔軟さと軽さを有し、通気性と弾力性を具備し、ずれ止め効果高く、カーペットの上に、繰り返して貼り付けと取り外すことをしても、カーペットに損害を与えない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1実施例の分離斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例の断面図である。
【図3】本発明の第2実施例の分離斜視図である。
【図4】本発明の第2実施例の断面図である。
【図5】本発明の底面斜視図である。
【図6】本発明のもう1つの底面斜視図である。
【図7】本発明のずれ止め材料の部分拡大図である。
【図8】本発明の基布層と繊維糸の編み込みの説明図である。
【図9】本発明のずれ止め材料の部分断面図である。
【符号の説明】
【0008】
A 基布層
10 フロアマット
20 バッキング層
20a 合成繊維糸
20b 合成繊維糸
21 環部
22 パイル糸
30 ずれ止め層
30a 基礎繊維糸
30b 基礎繊維糸
40 表面層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用フロアーマットであって、前記フロアーマットは、少なくとも、1つのバッキング層と、1つのずれ止め層と、で構成され、
前記ずれ止め層は、合成繊維糸と、基礎繊維糸と、の編み込みで形成られ、前記合成繊維糸が、合成繊維糸と基礎繊維糸で構成された基布層の外部に、特定の高さで延伸して、且つ一定の剛性を持ち、
前記バッキング層とずれ止め層とが、粘着剤で粘着し、或いは熱で融合粘着で結合することを特徴とする自動車用フロアーマット。
【請求項2】
前記バッキング層は、混合ポリエチレン(XPE)の発泡材質を含む、単一の発泡材質で造られることを特徴とする請求項1に記載の自動車用フロアーマット。
【請求項3】
前記バッキング層は、ポリエチレン(PE)の発泡材質を含む、単一の発泡材質で造られることを特徴とする請求項1に記載の自動車用フロアーマット。
【請求項4】
前記バッキング層は、エチレン酢ビコポリマー(EVA)の発泡材質を含む、単一の発泡材質で造られることを特徴とする請求項1に記載の自動車用フロアーマット。
【請求項5】
前記バッキング層は、ポリウレタン(PU)の発泡材質を含む、単一の発泡材質で造られることを特徴とする請求項1に記載の自動車用フロアーマット。
【請求項6】
前記バッキング層は、絨毯材質で造られることを特徴とする請求項1に記載の自動車用フロアーマット。
【請求項7】
前記バッキング層は、熱可塑性エラストマー(TPE)材質で造られることを特徴とする請求項1に記載の自動車用フロアーマット。
【請求項8】
前記バッキング層は、熱可塑性ゴム(TPR)材質で造られることを特徴とする請求項1に記載の自動車用フロアーマット。
【請求項9】
前記バッキング層は、塩化ビニル樹脂(PVC)材質で造られることを特徴とする請求項1に記載の自動車用フロアーマット。
【請求項10】
前記バッキング層の上に、もう1つの表面層を設置られることを特徴とする請求項1に記載の自動車用フロアーマット。
【請求項11】
前記ずれ止め層は、複数の合成繊維糸と、柔軟な基礎繊維糸と、からなり、各合成繊維糸が、U形に撓め、環部と、2つの延伸されたパイル糸と、を形成し、各自の環部が、まえの環部を絡み、末端が延伸して、特定長さのパイル糸となり、基布層の外部まで延伸することを特徴とする請求項1に記載の自動車用フロアーマット。
【請求項12】
前記合成繊維糸は、ポリプロピレン(PP)で造られることことを特徴とする請求項11に記載の自動車用フロアーマット。
【請求項13】
前記合成繊維糸は、ポリエチレン(PE)で造られることことを特徴とする請求項11に記載の自動車用フロアーマット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−111053(P2011−111053A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−269506(P2009−269506)
【出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(505241452)聖州企業股▲分▼有限公司 (8)
【Fターム(参考)】