説明

自動音声応答サーバ

【課題】ガイダンス音声による自動音声応答を行うに際して、利用者の満足度を向上させ且つ自動音声応答により効率的に応答処理することができる自動音声応答サーバを提供する。
【解決手段】複数の音声データファイルを保持し、PB電話端末からの応答信号の応答時間に応じて当該複数の音声データファイルのうちから1つの音声データファイルを選択して再生する自動音声応答サーバ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PB(プッシュボタン)電話端末からの着信信号に応答して、ガイダンス音声を選択的に再生する自動音声応答サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コールセンタ等において音声による自動応答を行う自動音声応答システムが利用されている。自動音声応答システムが有するIVR(Interactive Voice Response)機能は電話端末からの着信信号に応じて、予め定められたガイダンス音声信号を送信するものである。たとえば、特許文献1(特開2006−22603号公報)には、電話番号と送信するガイダンス音声信号とを対応させ、送信するガイダンス音声信号を電話番号ごとに選択する音声自動応答システムが開示されている。
【特許文献1】特開2006−222603号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の自動音声応答サーバがプッシュボタン(以下、PBと称する)入力に応じて提供するガイダンス音声は、ガイダンス音声の説明についての利用者の理解度に差異があるにもかかわらず一律に同じである。したがって、理解度の高い利用者にとっては、ガイダンス音声の説明が迂遠な場合がある。一方、理解度の低い利用者にとっては、ガイダンス音声の説明は詳細である方が適切な場合がある。このような場合、コールセンタに対する利用者の満足度の低下を招いてしまうという問題点があった。
【0004】
また、ガイダンス音声の説明を一律に簡略なものとした場合、理解度の低い利用者は、その説明に従って操作を行うことができず、オペレータへ問い合わせすることになる。結果としてコールセンタへ転送される呼の件数が増加するので、自動音声応答により効率的に応答処理することができないという問題点があった。
【0005】
本発明は上記した問題点に鑑みてなされたものであり、ガイダンス音声による自動音声応答を行うに際して、利用者の満足度を向上させ且つ自動音声応答により効率的に応答処理することができる自動音声応答サーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による自動音声応答サーバは、PB電話端末からの着信信号に応答して、ガイダンス音声を選択的に再生する自動音声応答サーバであって、複数のガイダンス音声データファイルを格納する格納部と、PB応答信号の送信を要求するガイダンス音声信号を前記PB電話端末に送信するとともに、前記ガイダンス音声信号の送信時刻を要求時刻として記憶する音声再生部と、前記PB電話端末からの前記PB応答信号の受信時刻を記憶するPB信号受信部と、前記要求時刻と前記受信時刻との時間差を応答時間として記憶する応答管理部と、を有し、前記音声再生部は、前記応答時間に応じて前記格納部からガイダンス音声データファイルを選択して再生することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明による自動音声応答サーバによれば、自動音声応答システムの個々の利用者に応じた最適なガイダンス音声の選択がなされ、顧客満足度の向上が可能である。さらに、最適なガイダンス音声の選択がなされることにより、コールセンタへの呼の転送数を減少させ、自動音声応答により効率的に応答処理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明に係る実施例について添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0009】
図1は、本実施例による自動音声応答サーバ10をコールセンタ40などと共に表すブロック図である。自動音声応答サーバ10は、電話通信網30を介して到来した、PB電話端末20−1〜20−m(mは1以上の整数)のいずれかからの着信信号に応答して、ガイダンス音声を選択的に再生する装置である。自動音声応答サーバ10は、必要に応じて着信信号をコールセンタ40へ転送する機能を有する。コールセンタ40は、オペレータ端末41−1〜41−n(nは1以上の整数)を含み、自動音声応答サーバ10から転送された着信信号をオペレータ端末41−1〜41−nのいずれか1つへ転送する転送機能を有する。以下、自動音声応答サーバ10が荷物の再配達受付システムに用いられる場合について説明する。
【0010】
自動音声応答サーバ10は、音声ファイル格納部11と、音声再生部12と、PB信号受信部13と、応答管理部14と、を含む。
【0011】
音声ファイル格納部11は、複数のガイダンス音声データファイル(以下、単に音声データファイルと称する)を格納する。音声データファイルは、再配達受付システムの利用者へPB応答信号の送信を要求するための音声ガイダンスを表すファイルである。図2は応答要求と音声ガイダンスとを対応づけた項目別ガイダンステーブルを表す図である。応答要求は第1応答要求から第4応答要求まで設定されており、第1応答要求は「再配達を行う荷物の受付コードの応答要求」、第2応答要求は「再配達日時の応答要求」、第3応答要求は「再配達時間帯の応答要求」、第4応答要求は「再配達内容の確認の応答要求」である。なお、図2には、第4応答要求のガイダンス内容は図示されていない。音声ガイダンスは応答要求毎に、詳細、標準及び簡略の3つのガイダンスが設定されている。
【0012】
例えば第1応答要求の場合、以下のように設定されている。詳細ガイダンスは、「受付センターです。はじめに、再配達を希望するお荷物の受付コードを入力してください。お荷物の受付コードはハイフンを除く12桁の数字で入力してください」という内容であり、PB応答信号による自動音声応答サービスに不慣れな利用者向けのガイダンスである。標準ガイダンスは、「受付センターです。はじめに、再配達を希望するお荷物の受付コードを12桁の数字で入力してください」という内容であり、標準的な利用者向けのガイダンスである。簡略ガイダンスは、「受付センターです。再配達を希望するお荷物の受付コードを入力してください。」という内容であり、PB応答信号による自動音声応答サービスに慣れている利用者向けのガイダンスである。
【0013】
これらのガイダンスは全て、利用者に対して応答を要求するガイダンスであって、具体的にはPB入力を促すものつまりPB応答信号の送信を要求するものである。また、同一の応答要求に対して詳細度が互いに異なる複数の音声ガイダンス(簡略、標準及び詳細ガイダンス)が対応付けられている。通常、利用者はこれらのガイダンスに応じて、PB電話端末20−1に備えられているプッシュボタン(図示せず)の押下により、PB応答信号を自動音声応答サーバ10へ送信する。
【0014】
第2〜第4応答要求も上記したのと同様に音声ガイダンスが設定されている。音声ファイル格納部11は、項目別ガイダンステーブルに示されるように、応答要求毎に複数の音声ガイダンスを対応付け、音声ガイダンス毎に音声データファイルとして格納している。
【0015】
音声再生部12は、音声ファイル格納部11に格納されている複数の音声データファイルのうちの1つを選択して再生する。音声再生部12は、第1応答要求から第4応答要求の順に、それぞれ対応する音声データファイルを選択及び再生する。
【0016】
音声再生部12は、第1応答要求に対応付けられている複数の音声データファイルのうちから1つの音声データファイルを選択するときは、PB応答信号を送信したPB電話端末との過去の通信履歴情報を応答管理部14が保持している場合には、当該通信履歴に基づいて1つの音声データファイルを選択する。音声再生部12は、応答管理部14が通信履歴を保持していない場合には、詳細ガイダンスを表す音声データファイルを選択する。
【0017】
音声再生部12は、第2応答要求に対応付けられている複数の音声データファイルのうちから1つの音声データファイルを選択するときは、応答管理部14によって算出された応答時間に応じて音声データファイルを選択する。第3及び第4応答要求についても同様である。
【0018】
音声再生部12には、音声データファイルを選択するための基準時間(以下、選択基準時間と称する)が予め設定されている。選択基準時間は、例えば、音声データファイルの再生終了時を基点として0〜2秒の範囲などである。
【0019】
この場合、音声再生部12は、応答管理部14によって算出された応答時間が2秒よりも長いと判別した場合、詳細ガイダンスを表す音声データファイルを選択する。応答時間が比較的長いことから、利用者が自動音声応答サービスに不慣れであると判断して詳細なガイダンスを提供しようとするものである。音声再生部12は、当該応答時間が0〜2秒の範囲内であると判別した場合、標準ガイダンスを表す音声データファイルを選択する。また、音声再生部12は、応答管理部14によって算出された応答時間が0秒よりも短いと判別した場合、すなわち、音声データファイルの再生が終了する前にPB入力がなされた場合、簡略ガイダンスを表す音声データファイルを選択する。応答時間が比較的短いことから、利用者が自動音声応答サービスに慣れていると判断して簡略なガイダンスを提供しようとするものである。
【0020】
音声再生部12は、当該選択及び再生により、PB応答信号の送信を要求するガイダンス音声信号を、PB応答信号を送信したPB電話端末に送信する。このとき、音声再生部12は、ガイダンス音声信号の送信時刻を要求時刻として記憶する。
【0021】
PB信号受信部13は、音声再生部12による音声データファイルの再生によって送信されたガイダンス音声信号に応じたPB電話端末20−1からのPB応答信号を受信し、その受信時刻を記憶する。また、PB信号受信部13は、PB応答信号の内容を応答管理部14へ与える。
【0022】
応答管理部14は、音声再生部12が再生した音声ファイルの項目が最終応答要求でない場合に、音声再生部12に記憶された要求時刻と、PB信号受信部13に記憶された受信時刻との時間差を応答時間として算出し、これを記憶する。応答管理部14は、当該応答時間を利用者毎に通信履歴テーブルとして保持するようにしても良い。図3は通信履歴テーブルを表す図である。通信履歴テーブルには、利用者毎にPB電話端末の電話番号と詳細度とが対応付けられて記憶されている。例えば、利用者Aの場合、電話番号123−4567−8901と詳細度「詳細」が対応付けられている。これは、自動音声応答システムに慣れていない利用者Aに、先ずは詳細なガイダンスを提供することを表している。
【0023】
図4は自動応答処理ルーチンを表すフローチャートである。以下、図4を参照しつつ、PB電話端末20−1からの着信信号を受信した場合の自動音声応答サーバ1における自動応答処理について説明する。音声再生部12には、音声データファイルの再生終了時を基点として選択基準時間0〜2秒が設定されている。また、自動音声応答サーバ10は、PB電話端末20−1と呼接続して通信を行うものとして説明する。
【0024】
最初に再配達受付システムの利用者(以下、単に利用者と称する)が、荷物の再配達を依頼するためにPB電話端末20−1から自動音声応答サーバ10へ発呼する。
【0025】
音声再生部12は、PB電話端末20−1からの着信信号を受信し(ステップS101)、当該着信信号に含まれる電話番号123−4567−8901を取得する。音声再生部12は、応答管理部14が保持している通信履歴テーブルを参照し、電話番号123−4567−8901を検索する。
【0026】
音声再生部12は、電話番号を検索できた場合、音声ファイル格納部11に記憶されている項目別ガイダンステーブルにおいて第1応答要求に対応付けられている複数の音声ガイダンスのうちから、その電話番号に対応付けられている詳細度の音声ガイダンスを選択する(ステップS102)。ここでは、音声再生部12は、電話番号123−4567−8901に対応付けられている詳細度「詳細」に応じて詳細ガイダンスを選択する。
【0027】
なお、音声再生部12は、電話番号を検索できなかった場合、項目別ガイダンステーブルにおいて第1応答要求に対応付けられている複数の音声ガイダンスのうちから、詳細ガイダンスを選択する。
【0028】
音声再生部12は、当該詳細ガイダンスを表す音声ファイルを再生し(ステップS103)、PB応答信号の送信を要求するガイダンス音声信号すなわち、「受付センターです。はじめに、再配達を希望するお荷物の受付コードを入力してください。お荷物の受付コードはハイフンを除く12桁の数字で入力してください」という内容を表す信号を、PB電話端末20−1に送信する。このとき、音声再生部12は、音声ファイルの再生終了時刻10時10分10秒を要求時刻として記憶する。
【0029】
例えば荷物の受付コードが「123−456−789−012」である場合、利用者はこのガイダンスに応じて、PB電話端末20−1に備えられているプッシュボタン(図示せず)により、「123456789012」と入力する。PB電話端末20−1は、「123456789012」を表すPB応答信号を自動音声応答サーバ10へ送信する。
【0030】
PB信号受信部13は、PB電話端末20−1からのPB応答信号を受信する(ステップS104)。このとき、PB信号受信部13は、その受信時刻10時10分11秒を記憶する。
【0031】
応答管理部14は、音声再生部12が再生した音声ファイルの項目が最終応答要求であるか否かを判別する(ステップS105)。音声再生部12が再生した音声ファイルの応答要求は第1応答要求であって、最終応答要求すなわち第4応答要求ではないので、応答管理部14は応答時間を算出する(ステップS106)。ここでの応答管理部14は、音声再生部12に記憶された要求時刻10時10分10秒とPB信号受信部13に記憶された受信時刻10時10分11秒との時間差である1秒を応答時間として算出し、これを記憶する。
【0032】
続いて、音声再生部12は、応答管理部14によって算出された応答時間1秒に応じて、第2応答要求に対応付けられている複数の音声データファイルのうちから1つの音声データファイルを選択する(ステップS102)。ここでの音声再生部12は、応答時間である1秒が選択基準時間0〜2秒の範囲内であると判別し、第2応答要求に対応付けられている複数の音声データファイルのうち、標準ガイダンスを選択する。第1応答要求のガイダンスに対する利用者の応答時間が標準的な時間であったので、第2応答要求のガイダンスとして詳細度が標準的なガイダンスを選択したものである。
【0033】
音声再生部12は、当該標準ガイダンスを表す音声ファイルを再生し(ステップS103)、PB応答信号の送信を要求するガイダンス音声信号すなわち、「ご希望の再配達の日付の入力を4桁の数字で入力して下さい。」という内容を表す信号を、PB電話端末20−1に送信する。このとき、音声再生部12は、音声ファイルの再生終了時刻10時12分10秒を要求時刻として記憶する。
【0034】
例えば希望の再配達の日付が「12月12日」である場合、利用者はこのガイダンスに応じて、PB電話端末20−1に備えられているプッシュボタン(図示せず)により、「1212」と入力する。PB電話端末20−1は、「1212」を表すPB応答信号を自動音声応答サーバ10へ送信する。
【0035】
PB信号受信部13は、PB電話端末20−1からのPB応答信号を受信する(ステップS104)。このとき、PB信号受信部13は、その受信時刻10時12分08秒を記憶する。
【0036】
応答管理部14は、音声再生部12が再生した音声ファイルの応答要求は第2応答要求であり最終の第4応答要求ではないと判別し(ステップS105)、応答時間を算出する(ステップS106)。ここでの応答管理部14は、音声再生部12に記憶された要求時刻10時12分10秒とPB信号受信部13に記憶された受信時刻10時12分08秒との時間差である−2秒を応答時間として算出し、これを記憶する。
【0037】
音声再生部12は、ここでの応答時間である−2秒が、選択基準時間0〜2秒の下限である0秒よりも短いと判別し、第3応答要求に対応付けられている複数の音声データファイルのうち、簡略ガイダンスを選択する(ステップS102)。第2応答要求のガイダンスに対する利用者の応答時間が比較的短かったので、第3応答要求のガイダンスとして詳細度が簡略なガイダンスを選択したものである。
【0038】
音声再生部12は、当該簡略ガイダンスを表す音声ファイルを再生し(ステップS103)、PB応答信号の送信を要求するガイダンス音声信号すなわち、「再配達の時間帯を入力して下さい。」という内容を表す信号を、PB電話端末20−1に送信する。このとき、音声再生部12は、音声ファイルの再生終了時刻10時13分10秒を要求時刻として記憶する。
【0039】
例えば希望の再配達の時間帯が「午前9時〜午後12時の間」である場合、利用者はこのガイダンスに応じて、PB電話端末20−1に備えられているプッシュボタン(図示せず)により、「1」と入力する。PB電話端末20−1は、「1」を表すPB応答信号を自動音声応答サーバ10へ送信する。
【0040】
PB信号受信部13は、PB電話端末20−1からのPB応答信号を受信する(ステップS104)。このとき、PB信号受信部13は、その受信時刻10時13分09秒を記憶する。
【0041】
応答管理部14は、音声再生部12が再生した音声ファイルの応答要求は第3応答要求であり最終の第4応答要求ではないと判別し(ステップS105)、応答時間を算出する(ステップS106)。ここでの応答管理部14は、音声再生部12に記憶された要求時刻10時12分10秒とPB信号受信部13に記憶された受信時刻10時12分09秒との時間差である−1秒を応答時間として算出し、これを記憶する。
【0042】
音声再生部12は、ここでの応答時間である−1秒が、選択基準時間0〜2秒の下限である0秒よりも短いと判別し、第4応答要求に対応付けられている複数の音声データファイルのうち、簡略ガイダンスを選択する(ステップS102)。第3応答要求のガイダンスに対する利用者の応答時間が比較的短かったので、第4応答要求のガイダンスとして詳細度が簡略なガイダンスを選択したものである。なお、応答管理部14は、例えば第1〜第3応答要求のガイダンスの各々に対しての応答時間の平均値と選択基準時間との比較に基づいて第4応答要求に対する音声データファイルを選択するようにしても良い。
【0043】
音声再生部12は、当該簡略ガイダンスを表す音声ファイルを再生し(ステップS103)、PB応答信号の送信を要求するガイダンス音声信号すなわち、「電話番号123−4567−8901のお客様、ご利用ありがとうございます。お荷物の受付コード123−456−789−012のお荷物を12月12日、午前9時〜午後12時に配達させて頂いてもよろしいでしょうか?OKの場合には「1」を、NGの場合には「2」を、キャンセルの場合には「3」を入力してください。」という内容を表す信号を、PB電話端末20−1に送信する。
【0044】
ガイダンスの内容で問題ない場合、利用者はPB電話端末20−1に備えられているプッシュボタン(図示せず)により、「1」と入力する。PB電話端末20−1は、「1」を表すPB応答信号を自動音声応答サーバ10へ送信する。PB信号受信部13は、PB電話端末20−1からのPB応答信号を受信する(ステップS104)。
【0045】
応答管理部14は、音声再生部12が再生した音声ファイルの応答要求は最終応答要求である第4応答要求であると判別し(ステップS105)、応答時間を算出せず、音声再生部12へ通話終了音声ファイルの再生指示を発する。
【0046】
音声再生部12は、応答管理部14からの通話終了音声ファイルの再生指示に応じて、例えば「ご利用ありがとうございました。」などの内容の通話終了音声ファイルを再生して(ステップS107)、自動応答処理を終了する。
【0047】
上記したように本実施例による自動音声応答サーバによれば、1つの自動音声応答サービスにおいて提供する音声ガイダンスの内容を利用者の応答時間に応じて適宜、選択することができる。つまり、自動音声応答サービスに慣れており応答時間の短い利用者には冗長な説明を除いた簡略なガイダンスを提供するとともに、自動音声応答サービスに不慣れであり応答時間の長い利用者には詳細な説明を含むガイダンスを提供する。提供すべきガイダンス音声を直前の応答時間に応じて選択するので、1つの自動音声応答サービスにおいても一律ではなく柔軟にガイダンス音声を選択できる。それによって、自動音声応答システムの個々の利用者に応じた最適なガイダンス音声の選択がなされ、顧客満足度を向上させることができる。さらに、最適なガイダンス音声の選択がなされることにより、コールセンタへの呼の転送数を減少させ、自動音声応答による効率的な応答処理が可能となる。
【0048】
本実施例は、自動音声応答サーバ10を再配達受付システムに適用した場合の例であるが、これに限定されず、例えば商品の注文システムやチケットの予約システムなど他のシステムにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本実施例による自動音声応答サーバをコールセンタなどと共に表すブロック図である。
【図2】項目別ガイダンステーブルを表す図である。
【図3】通信履歴テーブルを表す図である。
【図4】自動応答処理ルーチンを表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
10 自動音声応答サーバ
11 音声ファイル格納部
12 音声再生部
13 PB信号受信部
14 応答管理部
20−1〜20−m PB電話端末
30 電話通信網
40 コールセンタ
41−1〜41−n オペレータ端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PB電話端末からの着信信号に応答してガイダンス音声を選択的に再生する自動音声応答サーバであって、
複数のガイダンス音声データファイルを格納する格納部と、
PB応答信号の送信を要求するガイダンス音声信号を前記PB電話端末に送信するとともに、前記ガイダンス音声信号の送信時刻を要求時刻として記憶する音声再生部と、
前記PB電話端末からの前記PB応答信号の受信時刻を記憶するPB信号受信部と、
前記要求時刻と前記受信時刻との時間差を応答時間として記憶する応答管理部と、を有し、
前記音声再生部は、前記応答時間に応じて前記格納部からガイダンス音声データファイルを選択して再生することを特徴とする自動音声応答サーバ。
【請求項2】
前記音声再生部は、同一の応答要求を表し且つ前記応答要求の詳細度が互いに異なる複数のガイダンス音声データファイルのうちから1つのガイダンス音声データファイルを選択することを特徴とする請求項1に記載の自動音声応答サーバ。
【請求項3】
前記音声再生部は、前記応答時間と所定の選択基準時間との比較に基づいて前記ガイダンス音声データファイルを選択することを特徴とする請求項2に記載の自動音声応答サーバ。
【請求項4】
前記音声再生部は、前記応答時間が前記選択基準時間よりも短い場合に簡略ガイダンスを表すガイダンス音声データファイルを選択し、且つ、前記応答時間が前記選択基準時間の範囲内にある場合に標準ガイダンスを表すガイダンス音声データファイルを選択し、且つ、前記応答時間が前記選択基準時間よりも長い場合に詳細ガイダンスを表すガイダンス音声データファイルを選択することを特徴とする請求項3に記載の自動音声応答サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−34868(P2010−34868A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−195182(P2008−195182)
【出願日】平成20年7月29日(2008.7.29)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】