説明

自己加熱型家庭用スパ製品及びその適用製品

以下の説明は、一般に、人体の一部に熱を加える種々の治療及び/又はスパ用途のため、長時間の発熱化学反応によって加熱される自己加熱型家庭用スパ製品に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2009年7月26日提出の米国仮特許出願第61/228,590号「Exothermic Therapeutic Massage Implements(発熱反応治療用マッサージ器具)」、2009年7月26日提出の米国仮特許出願第61/228,593号「Exothermically Heated Body Strips(発熱反応加熱式身体用ベルト)」、2009年7月26日提出の米国仮特許出願第61/228,595号「Self-Heating Hair Treatment Strips and Bonnet(自己加熱型ヘアトリートメントバンド及び帽子)」、及び、2009年7月26日提出の米国仮特許出願第61/228,596号「Exothermically Heated Mitts and Booties(発熱反応加熱型ミトン(指なし手袋)及びブーティ(短めのブーツ))」による優先権を主張する。これらの米国仮特許出願の内容は、本願において、すべてその記載どおりに参照することにより援用する。
【0002】
以下の説明は、一般に、人体の一部に熱を加える種々の治療及び/又はスパ用途のため、長時間の発熱化学反応によって加熱される自己加熱型家庭用スパ製品に関する。
【背景技術】
【0003】
長年、スパ市場における個人用スキンケア商品を暖めたり加熱したりする方法は、外部熱源を用いるものだけであった。一般に、この熱源は、ポットの熱湯又は湯や、電気加熱装置、あるいは、他の基本的な加熱源であった。いずれの場合も、その温熱を確実に利用できるが、スパ利用客の近くに加熱装置を設けることは、重大な危険があった。例えば、スパ利用客が湯でやけどをしやすいうえに、スパのような環境で電気器具を使用することの危険性は広く知られている。
【0004】
さらに、長年、スパ、サロンや美容産業では、処置領域に熱を加えることが必要な染色剤やヘアトリートメントが普及している。一般に、髪又は頭皮の特定部分に熱反応性の製品を塗布し、個々の箇所又は全体に熱を加える。例えば、感熱性化学薬品を用いて髪にハイライトを入れる場合、その化学薬品(予熱済みの場合もある)を髪の一部分(通常、箔によって他の髪部分から隔離した部分)に塗布し、処置した髪に箔を巻き、長時間、髪に熱風のヘアドライヤーをあてるか、あるいは、熱風のかぶり型ヘアドライヤーを利用者の頭にかぶせることにより、化学薬品を活性化させる。また、髪を活性化させたり強化したりする場合、塗布する化学薬品又はオイルとして、加熱すると効果が高まることが知られているものがある。例えば、ケラチン蛋白質やアミノ酸は、溶解や結合や髪の強化を行うのに熱が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
容易にわかることであるが、加熱には時間がかかり、利用客が種々のスパ製品や化学薬品の予熱の際に待たなければならないことが多い。もちろん、これらの製品が加熱により温度が高くなりすぎて、処置を受ける人が非常に不快感を覚える場合があり、やけどを負うことさえある。このため、制御された方法で加熱を行うことが重要な課題である。
【0006】
他の多くの用途では、人体の一部に与えるための熱を発生させる必要がある。例えば、衣類及び/又は着用可能製品の温度上昇と温度維持は、サバイバル用品のほか、運動選手や、スパ、美容、医療関係者等、多くの場合において今もなお存在する課題である。従来、人体を温めるためには、保温用衣料品(毛布、マフラー、ひざかけ等、体に巻いたり、掛けたりするもの)、蓄熱体、電気抵抗加熱、化学発生熱、湯煎等があった。しかし、発生した熱は非常に不安定で危険になることもある。また、熱の持続時間は非常に限られており、使用者が新たな加熱済み製品を「着けなおす」ことが必要になる(元の製品を取り外して、新たな製品を用意する手間もかかる)。このように、これは著しく不都合であり、生命にかかわるミスの原因となることもある。
【0007】
さらに、このような用品の多くは、使い捨てや使用回数限定の製品ではなく、多かれ少なかれ複数回使用するものとして構成されている。このため、重量が大きな問題となっている。こうした製品が人気や普及を欠いているのは、適切な携帯性、費用効果、軽量、融通性、長時間にわたって人体又は人体の一部を温めるための安全な加熱機構が得られないことを示している。
【0008】
また、他の一般的なスパ処置として、天然石又はセラミック器具を加熱し、これらを用いて利用客の体の種々の部分をマッサージするという人気の治療マッサージ法があるが。一般に、マッサージ器具は、湯の入った容器や電気ヒータ等、外部熱源により加熱される。しかし、この手法にはいくつかの問題がある。第一に、マッサージ施術者は、器具を加熱しすぎて利用客にやけどを負わせないように注意しなければならないが、同時に、治療目的を達成できるように確実に器具を温めなければならない。第二に、器具は、外部熱源から離れた途端に冷え始める。器具を最初に使用するときに所望温度にしてあっても、器具は冷え続け、外部熱源のところに戻さなければならなくなる。したがって、マッサージ施術者の手間の多くは、マッサージを行うことに専念するのではなく、熱源と利用客との間で器具を往復させることに取られてしまう。
【0009】
装置駆動型ではない熱源を用いた発熱方法について、自己加熱型製品の種々の用途とともに以下に説明する。ここで説明する製品はすべて、人体の一部に対する種々の治療及び/又はスパ処置において発熱反応を利用し、温度を安全かつ快適なレベルに維持しなければならない。また、温度を上昇させて行う処置に用いる装置は、長時間にわたって安全な温度に熱を管理するように特別に設計しなければならない。
【0010】
したがって、当該分野においては、長時間の発熱反応を発生させて人体の一部に熱を与えるのに用いる種々の自己充足型加熱装置であって、皮膚に対して安全、かつ、使いやすい装置を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(要旨)
特許請求の範囲の主題のいくつかの側面を基本的に理解するために、以下、簡単に要旨を説明する。この要旨は広範囲にわたる概要ではなく、また、重要又は不可欠な構成要素を示すものでもなく、特許請求の範囲の主題の範囲を示すものでもない。この要旨の目的は、後述する、より詳細な説明の導入部として、いくつかの概念を簡単な形態で示すことである。
【0012】
本開示の実施形態の一側面によれば、発熱反応加熱型装置は、手又は足の受け入れが可能な開放端を有する囲み部を構成する外層と、囲み部の内部の加熱層と、内層とを備える。加熱層は、第1の外部布層と、活性化液に接触すると活性化可能な発熱反応層と、第2の外部布層とを有する。また、内層は、少なくとも1つの局所処置組成物を有してもよい。
【0013】
他の実施形態において、局所処置組成物は、少なくとも1つのワックスと、少なくとも1つの治療成分を含み、ワックスは、体温では固体であり、発熱反応成分が活性化されると液体になることで治療成分と混合され、治療成分の分散を促進する。
【0014】
本開示の他の実施形態として、自己加熱型で使い捨ての多層加工シートがある。このシートは、可撓性を有する第1の層と、少なくとも第1の層の周囲に結合されて第1の層との間にポケットを形成する、可撓性及び透水性を有する第2の層と、ポケットの全域に配置され、活性化液との接触により活性化されて、非毒性副生成物を伴ってやけどを生じない熱を発生させる発熱反応物質とを備え、透水性の第2の層が、吸収動作により、発熱反応物質への液体活性剤の導入を可能にする。本発明の加工シートは、シート状、パッチ状、着用可能「スリーブ(袖)型」等、都合の良いいずれの形状でも構成することができる。
【0015】
さらに他の実施形態として、自己加熱型の使い捨てヘアトリートメント器具がある。この器具は、髪の一部分の周りに配置されて、その位置をほぼ維持することができ、移動可能に堅固で不透過性を有する第1の層と、少なくとも第1の層の周囲に結合されて第1の層との間にポケットを形成する可撓性及び透水性を有する第2の層であり、第2の層の一部が第1の層の周囲をほぼ超えて延在し、その第2の層の一部を第1層側に露出させる第2の層と、ポケットの全域に配置され、非毒性溶液との接触により活性化されて、非毒性副生成物を伴ってやけどを生じない熱を発生させる発熱反応物質とを備え、透水性の第2の層が、吸収動作により、発熱反応物質への非毒性溶液の導入を可能にする。
【0016】
本開示の他の側面によれば、自己加熱型の使い捨て帽子を提供する。この帽子は、人の頭皮周りに合う大きさで可撓性を有する第1の層と、少なくとも第1の層の周囲に結合されて第1の層との間に複数のポケットを形成する可撓性及び透水性を有する第2の層と、複数のポケットの全域に配置され、非毒性活性剤との接触により活性化されて、非毒性副生成物を伴ってやけどを生じない熱を発生させる発熱反応物質とを備え、透水性の第2の層が吸収動作により、発熱反応物質への非毒性活性剤の導入を可能にする。
【0017】
種々の他の実施形態において、人工石、貝殻、又は、天然竹竿等の発熱反応式マッサージ器具は、内面及び外面を有する壁に囲まれた内室を有する熱伝導容器を備える。熱伝導容器の内室内には反応物質がある。反応物質を活性剤と混合することにより、発熱反応が生じ、これが壁を加熱して、所定時間ほぼ一定の高温に壁を維持する。
【0018】
また、壁には少なくとも1つの開口部があってもよい。この開口部は、この開口部に係合するキャップで被覆されてもよい。キャップは、混合した反応物質と活性剤とをマッサージ器具の内室内に閉じ込める。さらに、キャップは、マッサージ器具の内室からガスを流出させる通気口を備える。
【0019】
混合物を内室に収容する熱伝導容器は、セラミックであってもよい。壁の外面には、粗い質感の部分と滑らかな質感の部分とを備えていてもよい。
【0020】
また、熱伝導容器の内室内の粉末混合物は、塩化ナトリウム粒子を含んでいてもよく、活性剤は水でもよい。粉末混合物は、内室内の透水性パウチ(袋)内に収容してもよい。熱伝導容器はセラミックであってもよい。また、熱伝導容器は、中空芯部を有する、のし棒の形状であってもよい。また、これに代えて、あるいは、これに加えて、人間工学属性又は機能、あるいは、審美的デザインを有する他の形状を用いてもよい。
【0021】
他の実施形態において、発熱反応式マッサージ器具は、内面及び外面を有する壁に囲まれた内室を有する熱伝導性人工石を備える。この人工石の内室内には粉末混合物が収容される。この粉末混合物は少なくとも反応物質粒子を含む。粉末混合物が活性剤と混合されると、発熱反応ゲルを生成する。この発熱反応ゲルは、人工石の壁を加熱し、所定時間ほぼ一定の高温に人工石の壁を維持する。
【0022】
また、壁の外面には、曲率半径と質感が異なる部分を有し、使用者が同じ熱伝導容器を用いて種々の異なる処置モードを行えるようにしてもよい。
【0023】
さらに他の実施形態において、発熱反応式マッサージ器具は、通気口を有するストッパと、熱伝導容器の一端に添付されるキャップとをさらに備えてもよい。種々の実施形態において、発熱反応式マッサージ器具は、竹により構成されてもよい。
【0024】
他の実施形態において、シートに反応物質を添付し、管状に巻いてから、熱伝導容器の内室内に配置してもよい。また、使用前に管状シートを水溶性包装紙で密封してもよい。さらに、水溶性包装紙で密封した管状シートを、さらに水溶性プラスチックフィルム包装材で密封してもよい。
【0025】
上述の目的及び関連する目的を達成するために、以下の説明及び添付図面を用いて、いくつかの例示的な側面について説明する。なお、これらの側面は、特許請求の範囲の主題の原理を採用する種々の方法のうち、いくつかの例のみを示すものであり、特許請求の範囲の主題は、そのような側面とそれらの同等物をすべて含むものである。他の利点や新規の特徴については、図面とともに以下の詳細な説明により明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】発熱反応により加熱されたミトン(指なし手袋)の一実施形態を示す上平面図である。
【図2】発熱反応加熱型装置の断面図である。
【図3】図2の断面図の拡大図である。
【図4】発熱反応により加熱されたブーティ(短めのブーツ)の一実施形態を示す上平面図である。
【図5】例示的な自己加熱型の加工シートの斜視図である。
【図6A】自己加熱型の加工シートからなる例示的なバンドを示す図である。
【図6B】例示的な自己加熱型スリーブの図である。
【図6C】他の例示的な自己加熱型スリーブの図である。
【図7A】例示的な使い捨てヘアバンドの斜視図である。
【図7B】例示的なバンドシートの例示的な一実施形態を示す上面図である。
【図8】他の例示的な帽子の斜視図である。
【図9】発熱反応型マッサージ器具の斜視図である。
【図10】少なくとも反応物質粒子を含む粉末混合物を収容したパウチ(袋)の正面図である。
【図11】のし棒状の発熱反応型マッサージ器具の斜視図である。
【図12】他の発熱反応型マッサージ器具の斜視図である。
【図13A】反応物質を含んだシートの斜視図である。
【図13B】一回分の管状加熱剤の斜視図である。
【図13C】一回分の密封加熱剤の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の説明は、一般に、人体の一部に熱を加える種々の治療及び/又はスパ用途のため、長時間の発熱化学反応によって加熱される自己加熱型家庭用スパ製品に関する。
【0028】
さらに、本開示は、一般に、人体の所定部分に局所処置を行うための発熱反応型装置に関する。図面において種々の実施形態を示すが、これらは本発明の原理を例示するものであって、本明細書で説明する主題の趣旨、及び/又は、例示の実施形態の請求範囲を限定するものではない。
【0029】
以下に説明する種々の実施形態において、熱を発生させるための機構は、活性剤による活性化で発熱する発熱反応組成物である。発熱反応組成物は、この発熱反応組成物用に設計されたバンド、パッチ、又は、スリーブの周囲又は内側に設けられる。使用可能な発熱反応組成物の例として、水と強酸の組み合わせ、アルカリと酸の組み合わせ、重合、テルミット反応、アルミニウム系反応、マグネシウム−鉄系反応、無水物反応等から得られるものがある。特に好適な非毒性発熱反応化合物は、Lava Gel(ラヴァ・ゲル、登録商標、フォーエバーヤングインターナショナル社(所在地:アメリカ、カリフォルニア州エスコンディド)製)である。この製品は、水や食塩水等の電解液を(活性剤として)加えるだけで、長時間にわたり温度を非常によく制御調整できることで知られている。なお、設計の都合に応じて、2以上の活性剤や、他の組成物や成分による活性化又は加減を必要とする組成物等、他の発熱反応組成物を用いてもよい。
【0030】
ここで説明する実施形態は、非電気的又は非化石燃料加熱源を用いることで、携帯可能で、環境への影響が最小限又は皆無である使い捨ての自己充足型装置であると考えることができる。発熱反応が調整制御されているので、過熱を回避できるとともに、そのような過熱によるやけどの発生を回避できる。すなわち、熱を発生させやすく、その熱を維持しやすいことから、治療用、緊急用、ヒーリング用、凍傷の回復用等の加熱を行いやすくなる。上述のような自己充足型製品は、スポーツ愛好家、医療チーム、個人利用者、野外活動家等、多くの人にとって利点がある。原則として、軽量で、可撓性があり、人体又は人体の一部を長時間温めるための安全な加熱機構について以下に説明する。
【0031】
なお、上述の説明及び本明細書の各所で用いる「a」、「an」(=1つの)という用語は、列挙した構成要素のうちの「1以上」を意味する。特別の記載がない限り、単数として記載されている用語に複数も含まれることは、当該分野の通常の技術者にとっては明らかであろう。したがって、本願において「a」、「an」(=1つの)、「at least one」(=少なくとも1つの)という用語は、相互に置き換えて使うことができる。
【0032】
さらに、特別の記載がない限り、本明細書で用いる用語はすべて、本発明が属する分野の技術者が一般に理解しているのと同じ意味である。本開示にて参照する特許、特許出願、その他文献については、すべて、それらの全体を参照することにより援用する。
【0033】
ミトン(指なし手袋)及びブーティ(短めのブーツ
以下、図面を詳細に参照するが、図1は、発熱反応加熱型装置1100を示す。発熱反応加熱型装置1100は、開放端を有する囲み部1104を構成する外層1102を備える。図1に示す例示的な実施形態において、外層1102は、その周囲にシール1106を有する表カバー及び裏カバーを設けることにより構成されてもよい。また、他の実施形態においては、外層1102は、単一で一体的な構成であってもよい。本発明の一実施形態において、外層1102は、ポリエチレン(PE)フィルムにより構成されてもよい。なお、当該分野の技術者にとって周知の透水性材料であれば、いずれのものでも、外層1102を構成するのに好適であろう。図1に示すように、開放端を有する囲み部1104は、手を受け入れることが可能なミトン(指なし手袋)又はグラブ(指が分かれている手袋)の形状である。当該分野の技術者であれば、本発明の他の実施形態において、開放端を有する囲み部1104を、足を受け入れることが可能なブーティ(短めのブーツ)の形状等、種々の形状に形成できることがわかるであろう。さらに、図1は、人の手首又は足首の周りに、開放端を有するカフ部1110を固定するためのタブ1112を示す。タブ1112は、粘着バンド、ボタン、あるいは、開放端を有するカフ部1110を固定する他の好適な手段であってもよい。
【0034】
発熱反応加熱型装置1100内には加熱層1108が固定されており、開放端を有するカフ部1110を介して接近することができる。図2に示すように、加熱層1108は、開放端を有する囲み部1104の内部に配置するように設けられ、シール1106で接続される2層の対称的な加熱板を設けることにより構成されてもよい。また、加熱層1108は、単一の一体構成であってもよい。以下にさらに詳細に説明するが、加熱層1108とライナ114との間には隙間1134又は空間が設けられている。
【0035】
次に図3を参照するが、同図は発熱反応加熱型装置1100の一部を示す拡大斜視図であり、発熱反応加熱型装置1100の外側に外層1102が設けられている。外層1102内側の開放端を有する囲み部1104の内部に加熱層1108が配置されている。加熱層1108は、第1の外部布層1120と、発熱反応層1124と、第2の外部布層1128とを備えている。例示的な実施形態において、第1の外部布層1120は、薄葉紙又は同様の材料により構成されてもよい。
【0036】
発熱反応層1124は、不織布等のポリマー層1136を備えることができる。例示的な実施形態において、ポリマー層1136は、医療パッド等に用いるような、きめが粗く、かつ、柔軟なポリマー不織布である。さらに、発熱反応層1124は、発熱反応組成物1138を備えることができ、これは、ポリマー層1136上又はポリマー層1136内に含浸させて設けてもよい。発熱反応組成物1138は、カルシウム(例えば、生石灰)とマグネシウム−鉄合金の還元反応を利用するもの等、発熱反応を示す無機物により構成されてもよい。
【0037】
このような例示的な発熱反応組成物により発生する発熱反応は、一般に、水又は食塩水等の電解液を用いて開始される。例示的な実施形態において、発熱反応は、発熱反応層1124を水や電解液等の活性化液に接触させることにより活性化することができる。したがって、加熱層1108とライナ1114との間に設けられた隙間1134に活性化液を注入することにより、発熱反応の活性化を達成できる。
【0038】
第2の外部布層1128は、発熱反応層1124の下に設けられ、1以上の布地材料により構成されてもよい。例えば、図3に示すように、第2の外部布層1128は、薄葉紙層と、ポリプロピレンのスパンレース等の不織布層とにより構成されてもよい。
【0039】
上述のように、図1及び図2は、加熱層1108内部に配置されたライナ1114を示す。例示的な実施形態において、隙間1134は、加熱層1108とライナ1114とを分離する。ライナ1114は透水性材料からなり、手又は足が加熱層1108に直接触れないように保護する。透水性材料としては、天然ゴム、合成ゴム、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、アクリル酸重合体、ポリアミド等があるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
例示的な実施形態において、ライナ1114には、局所処置組成物1118が設けられる。処置組成物1118は、少なくとも1つのワックス、オイル、皮膚処置組成物、又は、皮膚に浸透すると全身治療効果がある他の種類の治療成分により構成されてもよい。一実施形態において、局所処置組成物1118は、1つのワックスと、1つのオイルキャリアと、1つの皮膚処置組成物とにより構成されてもよい。なお、局所処置組成物1118は、ワックス、オイル、皮膚処置組成物化合物のいずれか単独で構成されてもよく、また、これらの組み合わせでもよい。
【0041】
処置組成物1118に使用できる好適な種々のワックスの例として、パラフィン、みつろう、Soyaffin漿水(ソヤフィン、登録商標、フォーエバーヤングインターナショナル社(所在地:アメリカ、カリフォルニア州エスコンディド)製))がある。さらに、オイルの例としては、エッセンシャルオイルや純油がある。スパ及び治療産業においては一般的であるが、オイルによっては、必要に応じてオイルキャリアをオイルに混合してもよい。なお、種々のワックスやオイルが、処置組成物1118として使用に好適である。
【0042】
さらに、処置組成物1118において多数の皮膚処置組成物を設けてもよい。例示的な実施形態において、美容成分又は治療成分、あるいは、「コスメシューティカル」と呼ばれる美容成分と治療成分の組み合わせは、ライナ1114内の局所処置組成物1118としての使用に好適である。また、他の実施形態において、温熱効果を高める局所投与組成物も考えられる。温熱効果を高める組成物の例として、Venuceane(ヴェニュセアンヌ、登録商標、セダーマ社(所在地:フランス、イヴリーヌ、ル・ペレ=アン、特別配達企業郵便物宛て)製)、サーマス・サーモフィルス菌から抽出したもの等の生物活性酵素、パルミトイルペンタペプチド−4等のアンチエイジングペプチドなど、熱活性化スキンケア製品がある。他の熱活性化製品としては、カンフル、メントール、カプサイシン、アメリカマンサク等の鎮痛用治療化合物がある。緑茶、グレープフルーツシード、ユッカルート等のハーブ製品も、局所用として好適である。
【0043】
当該分野の通常の技術者であれば、治療又は美容処置を行うために上述のようなライナ1114に設けられた局所処置組成物1118において、多数の局所投与用原料とワックス及びオイルとの組み合わせが可能であることがわかるであろう。例示的な実施形態において、図1に示すような処置組成物1118において、ワックスとオイルと局所剤とを組み合わせる。他の実施形態においては、処置組成物1118の各成分を、ライナ1114内の異なる位置に設けてもよい。例えば、発熱反応が活性化されたときに、ワックスとオイルの固体混合物が液化して局所剤と組み合わさるように、ワックスとオイルの固体混合物をライナ1114内の局所剤とは異なる位置に設けてもよい。
【0044】
図4は、図1に示すのと同様の他の実施形態であり、発熱反応加熱型装置1100を、人の足を受け入れることが可能なブーティ(短めのブーツ)の形状に形成した例を示す。また、本実施形態において、処置組成物1118は、ライナ1114内の複数の位置に設けられる。上述のように、処置組成物1118は、ワックスとオイルと局所剤との組み合わせ、あるいは、ワックスとオイルの組み合わせ等、これらの材料を用いたいずれの組み合わせであってもよい。さらに、処置組成物1118は、ライナ1114内のそれぞれ離れた位置に種々の組み合わせの成分を有していてもよい。例えば、ブーティ形状に形成された発熱反応加熱型装置1100の上面のライナ1114内にワックスとオイルの固体混合物を設け、ブーティの下面のライナ1114内にVenuceane(ヴェニュセアンヌ、登録商標)等の熱活性化局所剤を設けてもよい。
【0045】
ワックス、オイル、トリートメント(組成物)、軟膏、局所剤等のうちの1以上を、例えば、成分1195として示すように、ライナ1114内に分散させてもよい。また、ワックス又はオイルの固体混合物は、成分1195とは無関係のもの、又は、成分1195とは異なるものであってもよい。すなわち、異なる反応特性を有する異なる組成物、化学薬品、物質等を、ライナ1114内の特定位置に配置することができる。例えば、手のひら用の軟膏等は、手の甲用の軟膏等とは異なる組成物であってもよい。したがって、ライナ1114内に配置する材料の種類と位置については、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができる。
【0046】
ボディバンド
種々の他の実施形態において、外層と内層を収容し、発熱反応物質からなる中間層を備えた使い捨て多層材料を用いる(例えば、加工シート)。発熱反応を起こさせて所望の熱を発生させるための電解液や水等の活性化液を、例示的な実施形態の装置に塗布する、又は、活性化液に装置を浸すことにより、発熱反応物質の活性化を行う。
【0047】
種々の例示的な実施形態において、使い捨て多層材料は、プラスチック、防水紙、織布、箔、天然繊維等により製造することができるような設計である。使い捨て多層材料における一層は、その層に埋め込まれた又は挟み込まれた発熱反応材料に活性化液を進入させる半透過性又は透過性材料により構成されてもよい。この半透過性又は透過性の層の一部には、操作や固定がしやすいように接着バンドや留め部が設けられてもよい。
【0048】
使い捨て多層材料の反対側にある外層は、水又は活性化液の出入りを制限する不透過性又は半透過性材料により構成されてもよい。この不透過性又は半透過性の層は、水又は活性化液に対するバリアとして動作し、使用者の皮膚や体の一部を隔離して、例示的な実施形態の装置の内部に保持される水分との接触を防ぐことができる。また、不透過性又は半透過性側の一部には、操作や固定がしやすいように接着バンドや留め部が設けられてもよい。
【0049】
図面を詳細に参照するが、図5は、発熱反応自己加熱型の多層加工シート2100を示す。発熱反応自己加熱型の多層加工シート2100は、外層2102と、発熱反応物質2104と、内層2106とを備えている。外層2102は、電解液(例えば、食塩水)等の活性化液の導入により活性化することができる材料であって、着用者にやけどを負わせないように制御された熱放出を行い、長時間にわたってその熱を維持することが可能な材料であれば、いずれのものでもよい。上述のように、Lava Gel(ラヴァ・ゲル、登録商標)は、上述の特性を有するとともに非毒性でもある好適な発熱反応物質であると考えられる。内層2106は、外層2102に導入された液体が内層2106内に漏れないような不透過性材料であればよい。
【0050】
自己加熱型多層加工シート2100を活性化させるには、使用者は、活性化液(Lava Gel(ラヴァ・ゲル、登録商標)を使用する場合、活性化液として水を使用できる)に、このシートを(透過側を向けて)浸し、内層及び外層に隣接する発熱反応物質に活性化液を浸透させるだけでよい。活性化液をより良好に分散させるために、場合によっては、ある程度振る必要がある。数分後、自己加熱型多層加工シート2100は、所望温度又は設計温度に上昇し、長時間にわたってその温度を維持する。Lava Gel(ラヴァ・ゲル、登録商標)を用いれば、1時間超の長い加熱時間を達成することができる。
【0051】
Lava Gel(ラヴァ・ゲル、登録商標)は、活性化する際に内層と外層内で「ふくらむ」又は膨張することがわかっているので、多層加工シート2100を人体や物品の周りに巻きつけて、その「ふくらみ」により、適用領域に圧力を与えることができる。また、ふくらみ特性により、適用領域における空洞部や屈曲部や窪みに、そのふくらみを充填することができる。これにより、他のふくらまない発熱反応物質は、このような領域にほとんど接触することはないと思われるが、本例の発熱反応物質では、このように接触して充填した領域に熱を与えることができる。
【0052】
いくつかの実施形態において、内層2106と外層2102の両方を不透過層とし、各層において発熱反応活性化液導入口又は導入路を用いることが望ましい。これらの実施形態において、活性化液は、自己加熱型多層加工シート2100に塗布した後に各成分に接触する(又は滴下する)必要がない。また、透過膜又は層を用いる場合には、透過膜から熱が逃げ、加熱持続期間が短くなってしまうおそれがある。
【0053】
なお、上述の説明から、上述の各層や材料については、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で変更や変形が可能である。例えば、各層を(横方向に交互の)帯状に形成することにより、外層2102における一帯状部又は一部を不透過性とし、隣接する一帯状部又は一部が透過性とすることができる。したがって、自己加熱型多層加工シート2100のうちの異なる領域が加熱される。一例として、その一部のみが自己加熱する保温用衣料品を、局所加熱(例えば、ひざ、ふくらはぎ、肩等)に利用する。他の実施形態において、透過層は不透過性の切り取り式カバーを有していてもよく、適切な不透過性切り取り式カバーを切り取ることにより、自己加熱型多層加工シート2100のうちの選択された部分が加熱される。
【0054】
上述のことから、追加布地層又は追加材料層を用いて、自己加熱型多層加工シート2100の性能と用途を向上できることは明らかである。いくつかの例において、設計目的に応じて、発熱反応物質2104をいくつかの布地層の間に層状に配置するか、あるいは、中間層として埋め込むことができる。したがって、ここでの説明を理解すれば、自己加熱型多層加工シート2100における、例えば、層状配置、構成、種類等の変更は、当該分野の通常の技術者には理解できる範囲である。
【0055】
図6Aは、表面2210と、裏面2220と、任意の装着片2230とを有する例示的な多層バンド2200の正面図である。図示は省略するが、例示的なバンド2200の表面2210と裏面2220の間には、例えばLava Gel(ラヴァ・ゲル、登録商標)等の発熱反応物質が配置されている。表面2210は不透過性材料により構成し、裏面2220は、活性化液(図示せず)を吸収するとともに、発熱反応物質が活性化されたときに排気ガスを排出させることができる透過性又は半透過性材料により構成すればよい。本例では、発熱反応物質としてLava Gel(ラヴァ・ゲル、登録商標)を用いる場合、活性化液は水又は食塩水とすればよい。
【0056】
例示的なバンド2200の端部は接着又は密閉され、例示的な多層バンド2200の右側部と左側部は、任意の装着片2230を介して、裏面2220に接すればよい。もちろん、左、右、上、下といった用語は相対的な用語であり、設計の都合に応じて置き換えればよい。例示的な多層バンド2200の一部には、固定のために接着剤が含まれていてもよい。
【0057】
一適用様式において、例示的な多層バンド2200の使用者は、装着前に水又は活性化液を加えることにより例示的な多層バンド2200の「予熱」を行うか、あるいは、装着後に水又は活性化液を加えることにより例示的な多層バンド2200の「後熱」を行えばよい。
【0058】
例示的な多層バンド2200は幅が狭いので、人体の各部又は物品(例えば、野外の水道の蛇口)に巻きつけることができる。このバンドは、従来の手段により、又は、任意の装着片2230により固定することができる。所望の使用時間後、例示的な多層バンド2200は、使い捨て又は使用回数が限定されていることから、取り外して廃棄する。したがって、加熱装置の再使用による衛生上の問題を心配する必要がない。
【0059】
なお、例示的な多層バンド2200は矩形として示されているが、例示的な多層帯体2200について他の形態や形状も考えられる。例えば、設計の都合に応じて、卵形、円形、S字形、その他の種々の形状、形態、設計、外形等が考えられる。したがって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、図示のバンド形状を望ましい適切な方法で変更することができる。
【0060】
図6Bは、例示的な多層加工シート2100から形成されたスリーブ2300の例示的な実施形態である。例示的なスリーブ2300は、肩側開口部2310と、手首側開口部2320と、内層2330と、外層2340と、任意の継ぎ目2350と、任意の保護領域2360とを有して構成される。内層2330と外層2340は、上述のように、透過性又は不透過性材料のいずれの組み合わせであってもよい。また、他の実施形態において、例示的な多層加工シート2100から形成されたスリーブ2300は、脚の一部の周りに合うように構成されてもよい。
【0061】
一実施形態において、内層2330は不透過性であり(このため、着用者の腕が濡れるのを軽減する)、外層2340は透過性であることから、透過性外層2340を介して、活性化液の入口と、活性化による排気ガスの出口が得られる。例示的なスリーブ2300は、上述の工程にしたがって、装着前又は装着後に活性化すればよい。保護領域2360は任意に設けられ、所望の場合には、着用者の顔に排気ガスが近付かないようにする。任意の継ぎ目2350は、活性化液及び/又は発熱反応物質の「搬送」手段として設けられる。いくつかの実施形態において、開口部(図示せず)を設けて、活性化液の進入の中心部とすることができる。また、想像できるだろうが、例示的なスリープに透過層と不透過層がある場合、それらの構成により、着用者は例示的なスリーブ2300を反転させるだけで、「乾」熱(不透過層側)か「湿」熱(透過層側)を選ぶことができる。
【0062】
図6Cは、例示的な多層加工シート2100により形成され、外層2440に沿って通気口2450が分布しているスリープ2400の例示的な実施形態である。図6Cの実施形態により、内層2430と外層2440の両方を不透過性材料により構成することができる。もちろん、いくつかの例において、所望の場合、半透過性材料を用いて外層2440を設計してもよい。
【0063】
なお、ここで説明した各実施形態は、他の可能な実施形態をも示している。例えば、図6B、図6Cの実施形態は、脚、ふくらはぎ、あるいは、体の他の部分に合うように変更してもよい。また、図6Aの実施形態を、図6B、図6Cの実施形態と組み合わせて用いてもよい。上述のように、これらの発熱反応設計は、一般に人に使用する場合について説明したが、人以外(例えば、動物)、植物、物体のほか、非毒性で、使い捨ての、安定した、巻きつけ可能(又は装着可能)の自己加熱源の利点を利用できる物や物質についても、これらの発熱反応設計を用いることができる。
【0064】
帽子
種々の他の実施形態において、外層と内層とを有し、発熱反応物質からなる中間層を有する使い捨て多層材料(例えば、「加工シート」)が用いられる。発熱反応を引き起こして所望の熱を発生させるための電解液又は水等の活性化液を例示的な実施形態の製品に塗布する、あるいは、活性化液に例示的な実施形態の製品を浸すことにより、発熱反応物質の活性化を行う。
【0065】
種々の例示的な実施形態において、使い捨て多層材料は、プラスチック、防水紙、織布、箔、天然繊維等を用いて製造できるような設計である。使い捨て多層材料における一層は、そこに埋め込まれた又は挟まれた発熱反応物質に活性化液を進入させる半透過性又は透過性材料により構成されてもよい。この半透過性又は透過性の層の一部には、操作や固定がしやすいように接着バンドや留め部が設けられてもよい。
【0066】
以下に説明する種々の実施形態は、種々の熱活性化化学組成物とともに用いると好適である。例えば、ケラチン蛋白質や他のアミノ酸は、熱による活性化後に、より効果的になることが知られている。
【0067】
図面を詳細に参照するが、図7Aは、表面310と、裏面320と、箔312とを有する例示的な使い捨てヘアバンド3100の正面図である。図示は省略するが、例示的なバンド3100の表面310と裏面320の間には、例えば、Lava Gel(ラヴァ・ゲル、登録商標)等の発熱反応物質が配置されている。表面310上には箔312が設けられているが、裏面320は、活性化液350を吸収するとともに、発熱反応物質が活性化されたときに排気ガス(例えば、非毒性水蒸気又は蒸気)を排出させることができる透過性又は半透過性材料により構成される。本例では、Lava Gel(ラヴァ・ゲル、登録商標)を発熱反応物質として用いる場合、活性化液350は、水又は食塩水とすればよい。
【0068】
例示的なバンド3100の端部は、接着又は密閉330して、発熱反応物質を保持すればよく、例示的なバンド3100の右側部及び左側部は、非箔状の延長部324を有して、露出していてもよい。すなわち、透過性又は半透過性材料を有する裏面320は、非箔状延長部324に沿った剥離可能又は取り外し可能なシール(図示せず)を取り外すことにより露出し、活性化液350が塗布されたときに活性化液350を「運ぶ」ことができるようにする。また、露出した非箔状延長部324は、表面310の箔側に感熱化学物質が既に塗布されている場合、留め部としても動作することができる。さらに、例示的なバンド3100の一部は、固定のために接着剤を備えていてもよい。また、箔312構造を、髪(の一部)の周囲にて波形にちぢれさせて折り曲げてもよい。いくつかの実施形態においては、非箔状延長部324を備えないことが望ましい場合もある。すなわち、所望の場合、裏面320の全面を箔312で被覆してもよい。
【0069】
なお、ここで用いる箔という用語は一般用語であり、いくつかの実施形態において、例えば、半剛体膜を用いてもよい。ヘア産業においては、折り曲げる、波形にちぢれさせる、付着させる、曲げる等ができることは、髪の専門家が望む属性である。したがって、ここでは種々の説明において箔という用語を用いるが、金属的性質があるか否かにかかわらず、同様の特性(髪又は頭皮を扱う業界において適切な特性)のいくつか又はすべてを持つ他の材料を、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で使用することができる。
【0070】
一適用形態において、例示的なバンド3100の使用者は、装着前に水又は活性化液を加えることにより例示的なバンド3100の「予熱」を行うか、あるいは、装着後に水又は活性化液を加えることにより例示的なバンド3100の「後熱」を行えばよい。後者の手法は、箔構成部品を対象に固定した後で「熱」を加えるので、従来の処置法として受け入れられやすい。後者の手法は、活性化液350を非箔状延長部324に加えることにより、あるいは、密閉されていない裏面320を介して行うことができる。
【0071】
図7Bは、複数の例示的なバンド3100が「切り取り」線でつながったシート3200の例示的な実施形態である。例示的なシート3200により、多数のバンド3100を大量に製造して、同様に大量に出荷して消費者に届けることができる。側端部(非箔状延長部324)は、取り外し可能な膜(例えば、シール)又はカバーにより被覆され、埋め込まれた発熱反応物質への水分進入が早すぎてしまう事態を防ぐことができる。また、裏面320も同様の理由によりシールで被覆されてもよい。取り外し可能な膜又はシールは、例示的なバンド3100の使用準備をするときに取り外すことができる。周知のことであるが、切り取り式シートやバンドの製造方法及び手段は、布地及び材料産業では一般的であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0072】
なお、例示的なバンド3100は矩形状であるとして示したが、例示的なバンド3100やシート3200について他の形態や形状も考えられる。例えば、設計の都合に応じて、卵形、円形、S字形、その他の種々の形状、形態、設計、外形等が考えられる。したがって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、図示のバンド形状を望ましい適切な方法で変更することができる。
【0073】
非バンド形状に形成された例示的なバンド3100の一例を図8に示す。ここでは、使用者の頭部を覆うベレー帽又はキャップといった帽子3300が形成されている。例示的な帽子3300は、使用者の頭を覆うように形成されている。例示的な帽子3300は、例示的なバンド3100を帽子のスリーブ部に配置することにより使用することができる。また、例示的な帽子3300は、所望の熱及び加熱時間を得るための安定した発熱反応物質を用いて構成しておけばよい。帽子3300の有効性として、例示的なバンド3100を用いて必要な熱を発生させるのではなく、発熱型帽子3300を着用して所望の効果を達成することができる。このような帽子3300により、使用者は、温風ヘアドライヤーの下に座る必要がなく、動いたり、歩き回ったり、雑用を行う等ができるようになる。これは望ましい属性となる。温風ヘアドライヤーは騒音が大きく、会話の邪魔になるうえ、高価で、場合によっては故障もしやすいからである。
【0074】
図8に示すように、例示的な帽子3300は、外層3310と、内層3320と、室部3330と、(任意の)活性化液入口3340とを備えている。所望の用途に応じて、外層3310は、例示的なバンド3100の裏面330と同様の構成であってもよい。内層3320は、防水性であるか、透過性が制限されており、箔のような構成であってもよい。種々の実施形態において、室部3330は、活性化液350(任意の入口3340を介して加えられたとき)を帽子3300内の発熱反応物質全体に行き渡らせるように縦長とすればよい。なお、設計の都合によって、室部3330はどのような構成であってもよい。また、弾性バンド3350を用いて、使用者の頭に帽子3300を固定してもよい。
【0075】
なお、外層3310と内層3320は、上述の材料とは逆の材料で構成されてもよい。すなわち、いくつかの実施形態において、外層3310を防水層又は透過性制限層とし、内層3320を透過性材料とすることが望ましい。いくつかの適用例において、使用者が、処置の途中で乾熱処置(不透過層が内層)から湿熱処置(不透過層が外層)に、あるいは、その逆といった具合に、帽子3300の着用を裏返す場合が考えられる。したがって、使用者は、所望の場合、いずれを選択することもできる。
【0076】
上述のことから明らかなように、内層と外層の両方を不透過層(乾熱)とし、発熱反応による排気ガスを、液入口3340又は通気のための他の穴(図示)を介して送ることができる帽子3300を構成することが可能である。一方、内層と外層の両方を透過層(湿熱)とする帽子3300を構成することも可能である。このような帽子3300の可能な変形例としては、内層と外層の透過率を異ならせて、使用者の頭又は髪に与える湿熱のレベルを異ならせることができる。
【0077】
他の変形例としては、室部間のシール3330を防水性又は防液性にして、使用者が
望むように、異なる室部を選択的に活性化させることができる。
【0078】
マッサージ器具
以下に開示するさらなる実施形態は、かなり長時間にわたって比較的な一定の高温に維持されるマッサージ器具についてである。一実施形態において、発熱反応式マッサージ器具は、内面と外面とを有する壁により周囲を覆われた内室を有する熱伝導容器により構成される。容器の内室内には反応物質がある。反応物質と活性剤を混合することにより、発熱反応が生じて壁を加熱し、所定時間にわたってほぼ一定の高温に壁を維持する。
【0079】
他の実施形態において、発熱反応式マッサージ器具は、内面と外面とを有する壁により周囲を覆われた内室を有する熱伝導性人工石により構成される。容器の内室内には粉末混合物が含まれている。この粉末混合物は、少なくとも反応物質粒子を含んでいる。粉末混合物が活性剤と混合されると、発熱反応ゲルが生成される。この発熱反応ゲルは壁を加熱し、所定時間にわたってほぼ一定の高温に壁を維持する。
【0080】
非電気又は非化石燃料加熱源を使用することにより、ここで説明する実施形態は、携帯可能で、環境への影響が最小限又は皆無の使い捨ての自己充足型装置であると考えられる。発熱反応を調節制御することにより、過熱を避けることができるとともに、そのような過熱によるやけども避けることができる。多くの使い捨て製品と同様に、本実施形態は使用回数が限定されているか、使い切りであるため、再使用により生じる問題を防ぐことができる。また、使用回数が限定されている又は使い切り製品であることから、一般的な製品よりも小型である。したがって、例示的な実施形態の製品は、出荷が容易で、保管も容易であり(例えば、スーツケースやハンドバック等)、個人使用者が購入しやすい。
【0081】
発熱反応治療マッサージ器具を図9に示す。マッサージ器具4100は中空の容器であり、周囲を容器壁4102で覆われた内室4110を備えている。容器壁4102は外面4104と内面4106とを有している。開口部4108により、内室4110と周囲環境とが連通する。開口部4108は、キャップ又はプラグ4120により被覆されてもよい。キャップ4120は、キャップ4120における小さい開口部であるバルブ4122を有している。いくつかの実施形態において、マッサージ器具4100は、天然石に似た審美的設計である。
【0082】
マッサージ器具4100は、石に似た設計であるか否かにかかわらず、種々の形状で製造することができる。好ましくは、マッサージ器具4100は、多数の異なる外形で滑らかな曲面を有することで、マッサージ施術者が、この器具4100を用いて、異なる圧力レベルで、マッサージ利用客に対して処置を行うことができるようにする。例えば、マッサージ器具4100は、一面が比較的小径の曲面であり、他面が大径の曲面であるようにしてもよい。マッサージ器具4100における、これらの異なる面を、マッサージ利用客の体に押し付けることにより、マッサージ利用客に種々の感覚を与えることができる。
【0083】
図10は、内室内に収容されているか、あるいは、開口部4108を介してマッサージ器具4100の内室4110内に挿入されるパウチ(袋)4130を示す。パウチ4130は、周囲4132が密封された内部容器4134を備えている。内部容器4134内には粉末混合物4136が収容されている。粉末混合物4136は、少なくとも反応物質粒子を含んでいる。反応物質粒子が活性剤と混合されると、発熱反応が起こり、熱を放出する。パウチ4130は、反応物質粒子と反応する活性剤に対して透過性である。活性剤は液体又は気体であればよい。活性剤が水又は水溶液である場合、パウチ4130は透水性である。発熱反応については本明細書の他の箇所でさらに詳細に説明する。
【0084】
図11は、発熱反応治療マッサージ器具の他の実施形態を示す。発熱反応マッサージ用のし棒4250は、中空の容器であり、周囲を容器壁4252で覆われた内室4254を備えている。容器壁4252は円筒状に形成され、この円筒の各端に平坦端部4260を有している。端部4260には任意にハンドル4258が取り付けられている。ハンドル4258は端部4260に対して固定されていてもよく、また、端部4260と容器壁4252が、ハンドル4258に対して回転可能であってもよい。容器壁4252又は端部4260は、図11に示す開口部4262のような開口部を備えていてもよい。上述の実施形態と同様に、内室4254内にパウチ4130が収容されている。
【0085】
図12は、竹により構成することができる発熱反応治療マッサージ器具の他の実施形態を示す。発熱反応式マッサージ器具4350は、中空の容器であり、周囲を容器壁4352で覆われた内室4354を備えている。容器壁4352は自然に円筒状に形成されており、この円筒の各端に、天然の仕切り4362と穿孔による仕切り4364とを有している。円筒の一端に、通気口4375付きのストッパ4360を固定してもよい。ストッパ4360は、竹、プラスチック、あるいは、地中海オーク等の木材など、種々の材料により構成することができる。また、円筒の一端に任意にキャップ4385が取り付けられてもよい。キャップ4385は、竹、その他の木材、あるいは、種々のプラスチック材料により構成することができ、所望の治療法に応じて、丸みのある形状や平坦等、種々の形状をとることができる。発熱反応式マッサージ器具4350には、図13a〜13cに示すような管状加熱剤としての粉末混合物が充填されていてもよい。
【0086】
図13Aは、Lava Gel(ラヴァ・ゲル、登録商標)等の発熱反応組成物4465を含む、不織プラスチック又は他の好適な材料により構成されるシート4470を示す。発熱反応組成物4465は、超音波シール又は当該分野にて周知の好適な方法により、シート4470に添付されてもよい。図13Bは、シート4470を管状に丸めることにより形成される管状加熱剤4485を示す。管状加熱剤4485の直径は、マッサージ器具の直径によって変わる。図13Cは、管状加熱剤4485を包装材4483で包むことにより形成される密封加熱剤4445を示す。包装材は水溶性の紙により構成されていてもよい。管状加熱剤4485は、さらに、任意に水溶性のプラスチックフィルム包装材4484により密閉されていてもよい。使用前に、密封加熱剤4445の包装を開けて、図12に示すようなマッサージ器具の内室4354内に管状加熱剤4485を配置すればよい。
【0087】
使用するマッサージ器具にかかわらず、粉末混合物4136は、直接、内室内に配置されるか、あるいは、パウチ4130に入れて内室内に配置される。マッサージ器具の使用前は、反応物質粒子が活性剤から隔離されたままである。マッサージ器具の内室内の反応物質粒子に活性剤が加えられると、発熱反応が起こり、熱が放出され、主に伝導により容器壁に熱が伝わる。このように、この発熱反応によって、マッサージ器具は高温に加熱され、発熱反応の熱放出段階が終わるまで、ほぼこの温度に維持される。
【0088】
また、粉末混合物4136は塩粒子を含んでいてもよい。塩粒子は塩化ナトリウムでもよいが、塩化マグネシウム等、他の塩類を用いてもよい。また、粉末混合物4136は塩粒子を含んでいなくてもよい。この場合、粉末混合物4136と混合される水に塩類が溶解されていればよい。また、図示は省略するが、粉末混合物4136は、水と混合したときに心地よい香りを放つ芳香粒子を含んでいてもよい。
【0089】
発熱反応治療用マッサージ器具4100を使用する際、使用者は、粉末混合物4136(透水性パウチ4130内に入れたものでもよい)をマッサージ器具4100の内室4110内に投入する。そして、使用者は、マッサージ器具4100の内室4110内の粉末混合物に、所定量の活性剤を加える。粉末混合物4136を内室4110に挿入した際の開口部4108がマッサージ器具にある場合、開口部4108を介して活性剤を内室4110に加える。活性剤を加えた後、開口部4108にキャップ4120を被せ、粉末混合物4136(パウチ4130に入っていた)が内室4110から逃げないようにしつつ、バルブ4122を介してガスを逃がすようにすることで、内室4100内の圧力上昇を防ぐ。
【0090】
そして、使用者は、反応物質粒子と活性剤との発熱反応を起こさせ、容器壁4102に熱が伝わるようにする。マッサージ器具4100が所望の高温(華氏98.6度から、マッサージ利用客が望む高温までの範囲のいずれの温度でもよく、例えば、華氏115〜120度)に達したら、使用者は、マッサージ利用客にマッサージ器具4100を接触させる。使用者は、一般的な熱石マッサージの手法を用いて、マッサージ利用客の体にマッサージ器具4100をこすりつける。なお、従来の熱石マッサージと異なり、マッサージ器具4100は、15分から1時間以上といった長時間にわたり、比較的一定の高温に維持される。のし棒型マッサージ器具4250を用いてマッサージを行う場合、使用者は、マッサージ利用客の体に沿って、加熱したのし棒型マッサージ器具4250を転がす。
【0091】
上述のマッサージ器具は、いずれも、セラミックス、熱可塑性樹脂、ガラス、陶器、竹等の木材、その他の成形可能な熱伝導材料等、種々の材料により構成することができる。同様に、粉末混合物を収容するパウチも、織布又は不織布材料、紙、セルロース、天然繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン等、種々の材料により構成することができる。上述のマッサージ器具とパウチの形状及び大きさは、使用者の設計の好みによって大きく異なる。
【0092】
上述の説明に関して、大きさ、材料、形状、形態、機能、及び、動作、組立、使用方法についての変更を含み、例示的な実施形態の各部の最適な寸法関係は、当該分野の技術者にとっては容易に明らかで自明であると考えられる。また、図面に示し、明細書にて説明したものと同等の関係はすべて、本発明に含まれるものである。なお、本発明の発熱反応加熱型装置は、種々の局所用製品に用いて好適であり、スキンケア製品や痛み緩和製品として使用に限定されるものではない。
【0093】
さらに、本発明については他の実施形態も可能であり、種々の方法で実施、実行できることがわかる。また、本発明は、その利用において上述の詳細な構成に限定されるものではなく、本明細書で説明した事項や添付図面に示す事項はすべて例示的であり、限定的ではないことがわかる。
【0094】
上述の説明には、1以上の実施形態の各例が含まれている。もちろん、上述の実施形態を説明するための、可能な構成要素や方法の組み合わせをすべて説明するのは不可能であるが、種々の実施形態について多数のさらなる組み合わせや変更が可能であることは、当該分野の通常の技術者であれば理解できる。したがって、上述の実施形態は、添付の特許請求の範囲の趣旨の範囲内で、そのような変更、変形、変動をすべて含むものである。さらに、詳細な説明と特許請求の範囲のいずれにおいても、「include」(=〜を含む)という用語を用いる場合、このような用語は、請求項において「comprising」(=〜を備える、〜により構成される)という用語が解釈されるのと同様に包括的な意味である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の局所領域に熱を加える発熱反応加熱型装置であって、
手又は足の受け入れが可能な開放端を有する囲み部を構成する透水性外層と、
第1の外部布層と、発熱反応層と、第2の外部布層とを有する前記囲み部の内部の加熱層であって、前記発熱反応層が活性化液に接触すると活性化可能な発熱反応組成物を備える加熱層と、
前記加熱層内部の内層と
を備えることを特徴とする発熱反応加熱型装置。
【請求項2】
前記発熱反応加熱型装置がミトン(指なし手袋)であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記発熱反応加熱型装置がブーティ(短めのブーツ)であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記発熱反応加熱型装置は、さらに、手又は足の周りに前記装置を固定することが可能なカフ部を備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記内層は、さらに、少なくとも1つの局所処置組成物を備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記局所処置組成物は、ワックス、オイル、又は、局所用皮膚処置化合物のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記局所処置組成物の皮膚浸透性又は治療効果は、熱と接触すると高められることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記局所処置組成物は、少なくとも1つのワックスと、少なくとも1つの治療成分を含み、前記ワックスは体温では固体であり、前記発熱反応成分が活性化されると液体になることで、前記治療成分と混合され、前記治療成分の分配を促進することを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項9】
可撓性を有する第1の層と、
少なくとも前記第1の層の周囲に結合されて前記第1の層との間にポケットを形成する、可撓性及び透水性を有する第2の層と、
前記ポケットの全域に配置され、活性化液との接触により活性化されて、非毒性副生成物を伴ってやけどを生じない熱を発生させる発熱反応物質とを備え、
前記透水性の第2の層が吸収動作により、前記発熱反応物質への前記活性剤の導入を可能にすることを特徴とする自己加熱型の使い捨て多層加工シート。
【請求項10】
前記第1の層が不透過性であることを特徴とする請求項9に記載の加工シート。
【請求項11】
前記第1の層と前記第2の層との間の中間層に前記発熱反応物質が埋め込まれることを特徴とする請求項9に記載の加工シート。
【請求項12】
前記活性化液は水であることを特徴とする請求項9に記載の加工シート。
【請求項13】
前記活性化液は食塩水であることを特徴とする請求項9に記載の加工シート。
【請求項14】
前記第1の層及び第2の層は、対象の周囲に巻きつけることが可能なバンドを形成するように構成されることを特徴とする請求項9に記載の加工シート。
【請求項15】
前記第1の層及び第2の層は、着用可能なスリーブを形成するように構成されることを特徴とする請求項9に記載の加工シート。
【請求項16】
前記スリーブは人の腕の一部に合うような寸法であることを特徴とする請求項15に記載の加工シート。
【請求項17】
前記第1の層は穴があいているか、前記第1の層の材料に挿入される透過性材料を有していることを特徴とする請求項15に記載の加工シート。
【請求項18】
前記スリーブは人の足の一部に合うような寸法であることを特徴とする請求項15に記載の加工シート。
【請求項19】
人の頭皮の周りに配置することが可能な第1の層と、
少なくとも前記第1の層の周囲に結合されて前記第1の層との間にポケットを形成する、可撓性及び透水性を有する第2の層と、
前記ポケットの全域に配置され、非毒性活性剤との接触により活性化されて、非毒性副生成物を伴ってやけどを生じない熱を発生させる発熱反応物質とを備え、
前記透水性の第2の層が吸収動作により、前記発熱反応物質への前記非毒性溶液の導入を可能にすることを特徴とする自己加熱型の使い捨てヘアトリートメント器具。
【請求項20】
前記第1の層は、髪の一部分の周りに配置されてその位置をほぼ維持することができ、移動可能に堅固で不透過性の第1の層からなることを特徴とする請求項19に記載の使い捨てヘアトリートメント器具。
【請求項21】
少なくとも前記第1の層の周囲に結合されて前記第1の層との間にポケットを形成する、可撓性及び透水性を有する第2の層をさらに備え、前記第2の層の一部が前記第1の層の周囲をほぼ超えて延在し、前記第2の層の一部を第1層側に露出させることを特徴とする請求項20に記載の使い捨てヘアトリートメント器具。
【請求項22】
前記第1の層は金属箔であることを特徴とする請求項19に記載の使い捨てヘアトリートメント器具。
【請求項23】
前記第1の層は非金属材料であることを特徴とする請求項19に記載の使い捨てヘアトリートメント器具。
【請求項24】
前記非毒性活性剤は水であることを特徴とする請求項19に記載の使い捨てヘアトリートメント器具。
【請求項25】
前記非毒性活性剤は食塩水であることを特徴とする請求項19に記載の使い捨てヘアトリートメント器具。
【請求項26】
第2の層の一部が取り外し可能なシールで被覆されることを特徴とする請求項19に記載の使い捨てヘアトリートメント器具。
【請求項27】
前記第2の層が取り外し可能なシールで被覆されることを特徴とする請求項19に記載の使い捨てヘアトリートメント器具。
【請求項28】
前記第2の層の一部は接着剤で処理されることを特徴とする請求項19に記載の使い捨てヘアトリートメント器具。
【請求項29】
自己加熱型の使い捨て帽子をさらに備え、前記第1の層が人の頭皮周りに合う大きさであることを特徴とする請求項19に記載の使い捨てヘアトリートメント器具。
【請求項30】
前記第1の層は不透過性であることを特徴とする請求項29に記載の帽子。
【請求項31】
前記第1の層は半透過性であることを特徴とする請求項29に記載の帽子。
【請求項32】
前記可撓性及び透水性を有する第2の層は、さらに、少なくとも前記第1の層の周囲に結合されて前記第1の層との間に複数のポケットを形成することを特徴とする請求項29に記載の帽子。
【請求項33】
前記複数のポケットは縦長に配置されることを特徴とする請求項32に記載の帽子。
【請求項34】
前記縦長に配置されるポケットは開放可能であり、使用済みの発熱反応物質を個々に前記ポケットから取り出すことができることを特徴とする請求項32に記載の帽子。
【請求項35】
前記第1の層の周囲に配置される弾性バンドをさらに備えることを特徴とする請求項29に記載の帽子。
【請求項36】
前記第2の層は、前記第1の層の先端に穴を有することを特徴とする請求項29に記載の帽子。
【請求項37】
内面及び外面を有する壁に囲まれた内室を有する熱伝導容器と、
前記容器の内室内にある反応物質とを備え、
前記反応物質を活性剤と混合することにより、発熱反応が生じ、これが前記壁を加熱して、所定時間ほぼ一定の高温に前記壁を維持することを特徴とする発熱反応式マッサージ器具。
【請求項38】
さらに、前記壁に少なくとも1つの開口部を有することを特徴とする請求項37に記載の発熱反応式マッサージ器具。
【請求項39】
前記少なくとも1つの開口部に係合するキャップをさらに備え、前記キャップは、前記混合した反応物質と活性剤とを前記内室内に閉じ込め、前記キャップは、さらに前記内室からガスを流出させる通気口を備えることを特徴とする請求項38に記載の発熱反応式マッサージ器具。
【請求項40】
前記内室内の前記反応物質に水を加えることにより、前記壁に熱を伝える発熱反応ゲルを生成することを特徴とする請求項37に記載の発熱反応式マッサージ器具。
【請求項41】
前記発熱反応物質は、前記内室内の透水性パウチ(袋)内に収容されることを特徴とする請求項37に記載の発熱反応式マッサージ器具。
【請求項42】
前記容器はセラミックであることを特徴とする請求項41に記載の発熱反応式マッサージ器具。
【請求項43】
前記壁の外面の少なくとも一部は、粗い質感を有することを特徴とする請求項42に記載の発熱反応式マッサージ器具。
【請求項44】
前記壁の外表目の少なくとも一部は、滑らかな質感を有することを特徴とする請求項43に記載の発熱反応式マッサージ器具。
【請求項45】
前記容器は、中空の、のし棒であることを特徴とする請求項37に記載の発熱反応式マッサージ器具。
【請求項46】
前記容器は、人工石の形態であることを特徴とする請求項37に記載の発熱反応式マッサージ器具。
【請求項47】
前記壁の外面には、曲率半径が異なる少なくとも2つの部分を有することを特徴とする請求項37の発熱反応式マッサージ器具。
【請求項48】
前記壁の外面には、質感が異なる少なくとも2つの部分を有することを特徴とする請求項37の発熱反応式マッサージ器具。
【請求項49】
通気口を有するストッパをさらに備えることを特徴とする請求項37に記載の発熱反応式マッサージ器具。
【請求項50】
前記熱伝導容器は竹により構成されることを特徴とする請求項37に記載の発熱反応式マッサージ器具。
【請求項51】
前記熱伝導容器の一端に添付されるキャップをさらに備えることを特徴とする請求項37に記載の発熱反応式マッサージ器具。
【請求項52】
前記反応物質は、管状シートに添付され、前記熱伝導容器の前記内室内に配置されることを特徴とする請求項37に記載の発熱反応式マッサージ器具。
【請求項53】
前記管状シートは、水溶性包装紙で密封されることを特徴とする請求項52に記載の発熱反応式マッサージ器具。
【請求項54】
前記水溶性包装紙で密封される前記管状シートは、さらに水溶性プラスチックフィルム包装材で密封されることを特徴とする請求項53に記載の発熱反応式マッサージ器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【公表番号】特表2013−500139(P2013−500139A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522936(P2012−522936)
【出願日】平成22年7月26日(2010.7.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/043230
【国際公開番号】WO2011/017051
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(512020187)フォエバー ヤング インターナショナル、 インク. (3)
【Fターム(参考)】