自律破壊ビークルによる多数の破壊ビークル(MKV)の迎撃装置
本発明は、大きな脅威範囲で動作するための自律管理能力および運動範囲を有する多数の破壊ビークル16を含んでいるMKV迎撃装置10を提供する。各KVはその固有のKV配備と指定されたマスターKVにより割当てられた決定されたターゲット体積に対するターゲット交戦を自己管理することができる。少なくとも1つのKVはミッションプランの分離後における更新を必要とせずに全てのKVの分離後を管理することができるマスターである。自律能力および増加された運動範囲はブースタのより効率的な使用と脅威のより効率的な交戦を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はミサイル防衛システムに関し、特に運動エネルギ破壊ビークルを使用して大気圏外のミサイルを迎撃し破壊するためのシステムに関するが、それに限定されない。
【背景技術】
【0002】
本出願は米国暫定特許出願第60/777,880号明細書(発明の名称“Interceptor System and Method Using Multiple Unitary-Capable Kill Vehicles on a Single Booster”、2006年3月1日出願)の優先権の特典を主張しており、この特許文献の内容はここで参考文献として含まれている。
【0003】
通常の爆発物、化学的、生物的又は核弾頭を備えた弾道ミサイルは以前のソビエト連邦およびテロリスト国およびテロリストグループからの米国に対する脅威が実際問題化し、増加していることを表している。大量破壊兵器(WMD)の製造とそれらの数百から数千マイルの飛翔の両者に必要とされる技術は米国の敵によって利用可能であり、積極的に模索されている。
【0004】
幾つかの新型のミサイル防衛システムは米国国防総省の支部により開発中である。これらのシステムは入来する(ターゲット)ミサイル、弾頭、再突入ビークル等を破壊するために(迎撃)ミサイルを使用する。爆破破砕システムはターゲットと迎撃装置との衝突の直ぐ前に高パワーの爆発物を爆発させる。運動エネルギシステムはターゲットを破壊するための迎撃装置の運動エネルギのみに依存する。両システムはターゲットを捕捉し追跡するために非常に精密な誘導システムを必要とする。特に運動エネルギシステムは非常に良好な正確度でターゲットに衝突しなければならない。
【0005】
Ahlstromによる米国特許第4,738,411号および第4,796,834号明細書はターゲット方向へ爆発物発射体を誘導するための技術を開示している。4,738,411号明細書では、弾倉には電磁放射によりターゲットを照射する手段を備えた送信発射体と、受動的又は純粋に受信ホーミング装置を備えた爆発発射体が搭載されている。その飛行の最終段階の期間中、送信発射体は電磁エネルギによりターゲット区域を照射する。好ましい波長範囲はいわゆるミリメートル波長範囲であり、3−8mmが適切である。ターゲット区域内の任意のターゲットから反射されたエネルギは爆発発射体により受信され、ターゲット方向へ発射体を誘導するために使用される。先頭の発射体はターゲットを受動的に検出し、その後照射する。後方の発射体は照射されたターゲットからの反射エネルギを検出し、それにしたがってその軌道を補正する。先頭の発射体が地面に衝突するとき、後方の発射体は妨害を感知し、それ自体を受動検出へリセットする。ターゲット自身の放射が検出されるとき、受動シグナチャは最終的な誘導のために使用される。照射源を付勢する検出装置はターゲット追跡装置中に含まれているものと同じ検出器であることが好ましい。
【0006】
レイセオン社は弾道ミサイルの位置の決定、追跡、衝突のために設計された運動エネルギシステムの最新技術を表している単一の破壊ビークルシステムの分野に参入している。単一の迎撃装置は単一の破壊ビークル(KV)を含んでいる。迎撃装置は多段ロケットブースター上で発射される。破壊ビークルの現在のバージョンはターゲット複合体の捕捉、目標の解像度、確かな目標の追跡、ターゲット物体の弁別、ターゲット弾頭への誘導を含んでいるエンドゲーム機能をサポートするための大きい開口の光学センサを有する。
【0007】
多数の独立して目標を定める再突入ビークル(MIRV)と進歩したおとり手段を備えたミサイルの配備は多数の破壊ビークルを展開することができる迎撃装置を開発させる一因となる。多数の破壊ビークル(MKV)の迎撃装置はキャリアビークル(CV)と多数のKVを含んでいる。MKVを配備し既存のコマンド、制御、通信インフラストラクチャおよび組込み試験(BIT)手順との適合を維持するためにブースタ段の既存のベースを使用することが強く要望されている。MKV迎撃装置の開発は単一の迎撃装置により遭遇する全ての問題に加えて、多数のターゲットを捕捉し、追跡し、迎撃するため重量、最小化、制御帯域幅の特有の問題を提示する。したがって効率的なMKV迎撃装置はまだ開発されておらず、配備されていない。
【0008】
追求している1つの概念は、既存の単一の迎撃装置を単に最小化することである。この方法では、各KVはターゲットを弁別し衝突するように誘導を行うために必要とされる全てのインテリジェンスを含んでいる。CVは発射から解放までKVを輸送するための単なるバスである。残念ながら、全ての機能を小型で軽量のKVへ「最小化する」能力は最新技術を超えており、基本的な物理的制約のために実現可能ではない。例えば双方向の空対地データリンクはKVと地上局との間の距離により定められ、センサが適切な検出距離と解像度をもつ能力は開口の寸法に比例し、焦点面アセンブリ(FPA)クライオ冷却システムは比較的固定されている。これらの決定的なサブシステムの質量/電力/体積の要求は実質的な性能のペナルティなしには単により小さく作られることができない。
【0009】
別の概念は、全てのKVが衝突するようにCVから「コマンド誘導する」ことである。この方法では、ターゲットを弁別し衝突するように誘導を行うために必要な全てのインテリジェンスがCVに設けられる。KVは最小の機能、典型的にはCVにより送信される飛行方向コマンドに応答する受信機及びアクチュエイタのみを含んでいる。米国特許第4,925,129号明細書には多数のサブ発射体を含む誘導発射体を含んだミサイル防衛システムについて記載されている。レーダ追跡装置が比較的長距離のターゲットの方向へ発射体を誘導するために使用される。発射体上の光学的追跡装置は比較的短距離のターゲットを追跡し、ターゲットを迎撃するようにサブ発射体を誘導するための誘導コマンドを発生するために使用される。概念的には魅力的であるが、コマンド誘導は全てのターゲットを光学的追跡装置の光視野内に維持するためのCVの離隔距離に関連される貧弱なターゲット解像度と潜在性を受ける。さらに、CVは全てのターゲットを同時に追跡するのに十分な帯域幅をもたなければならない。
【発明の開示】
【発明の要約】
【0010】
本発明はそれぞれが大きな脅威クラウド範囲を実行するための運動範囲を有している多数の自律破壊ビークル(A−MKV)を含んでいるMKV迎撃装置を提供する。増加された運動範囲はブースタのより効率的な使用と脅威のより効率的な交戦を可能にする。多数の自律KVにより与えられる冗長性は単一点の故障の発生を減少させる。
【0011】
十分に冗長な構造では、各自律KVには、ターゲットクラウドに交戦するためにKVクラウド全体を展開して配備するのを管理する能力と、ターゲットクラウド全体に到達するための捕捉およびダイバート能力と、ターゲットクラウドの決定された体積と交戦しミッションプランからのターゲットの明白な割当てをサポートするためにその割当てられたミッションを自己管理する弁別および追跡能力とが適切に与えられる。クラウドを管理できるKV数またはクラウド全体に到達できるKV数を制限することによって与えられる冗長を少なくすることができる。ミッションプランの実行はターゲットクラウドの位置とターゲット弁別におけるミッションの更新によって強化されるが、これらの更新の受信の故障は完全なミッションの故障ではなく性能の大きな劣化を招く。
【0012】
既存のブースタ能力によりサポートされる有効な質量/電力/体積の予算、即ち許容予定範囲内で大きな運動範囲をMKV迎撃装置に与えるために、システムおよび個々のKV機能の革新的な再割当ておよびそれらの質量/電力/体積要求を必要とする。KVは分離されないアダプタから配備される。通常アダプタの質量は挿入エラーをなくすためにセンサまたは推進能力のいずれかをアダプタに与えないことによってCVに関して減少される。単一の双方向の空対地データリンクはKVと地上との間の通信に使用され、局部的な空対空データリンクはKV間での通信に使用される。分離前に行われたクライオ冷却、電力およびプロセッサ動作はアダプタで中央化されそれによって各KVの質量要求を減少させる。これらの能力は通常のKVと特定のブースタとの間でインターフェースするように設計されているアダプタにおいて適切に与えられる。最後に、各KVの弁別要求は簡単なおとりまたは塵に限定され、KVは精密な弁別を行うことを要求されず、それはセンサおよび処理要求を減少させる。単一のKVとは異なって多数のKVは本物のターゲットのように見える任意のオブジェクトを破壊することにより曖昧さを減少できる。
【0013】
本発明の第1の特徴では、少なくとも1つの、適切には多数の、好ましくは全てのKVがミッションプランを実行するための分離後のKVの配備とターゲットの交戦を管理することのできる誘導システムを有している。初期のミッションプランがアップロードされると、KVは自律的に機能することができ、何等の外部コマンドおよび制御もなしにミッションプランを実行することができる。ミッションプランの実行はターゲットクラウドの位置またはターゲットの弁別に関して更新された情報から恩恵を得ることができるが、このような情報の受信に失敗することは完全なミッションの失敗ではなく大きな劣化を生じるだけである。指定されたマスターKVは各KVをターゲットクラウドの決定されたターゲット体積に割当て、位置、ターゲット弁別等の任意の関連する情報をKVへ送信する。各KVはその後迎撃装置の挿入エラーを補正するのに必要な任意のダイバート操作を行い、決定されたターゲット体積を捕捉し、そのミッションプランを実行する。多数のKVは同じターゲット体積に割り当てられることができ、KVは新しい情報が地上から受信されるとき、またはマスターが個々のKVにより集められたターゲットクラウドについての情報を統合するときに再度タスクが与えられることができる。この「ネットワーク中心化」方法は効率的にターゲットクラウドを迎撃するためにマスターKVがKVクラウドを展開させて配備することを可能にする。
【0014】
本発明の第2の特徴では、単一のKVに存在する空対地データリンクは多数の各KVで複製されない。その代わりに単一のトランシーバがKVまたはアダプタの一方に配置され、それによって迎撃装置と全ての個々のKVではなくても大部分のKVの質量/電力/体積の要求を減少させる。トランシーバがアダプタ上に配置されるならば、そのアダプタには更新されたミッションプランを少なくとも指定されたマスターKVへ送信しミッション情報を受信するための空対空データリンクも設けられる。トランシーバが1つのKV上に位置されるならば、そのKVは適切に最初に指定されたマスターKVである。増加された質量/電力/体積を補償するため、そのKVに与えられる推進材料は少なくてもよく、ターゲットクラウドの最も近い部分を割当てられることができる。
【0015】
本発明の第3の特徴では、センサクライオ冷却システムの大部分が各KVからアダプタへ移動される。クライオ冷却は各KVに搭載された赤外線受動センサの性能を保持するために必要とされる。アダプタには加圧される気体ボトル、弁等が設けられ、これらは迎撃装置の上昇段期間中に各KV上に固体−気体アイスブロックを生成するように構成されている。アイスブロックはKVの分離後も存在し、ミッション期間中にセンサ温度を維持する。これは各KVの質量/電力/体積の要求を減少する。
【0016】
本発明の第4の特徴では、アダプタに搭載されたバッテリは迎撃装置の発射および上昇段階中にKVを付勢するために使用される。アダプタ上に大きなバッテリを設けることは各KV上のバッテリが小さくなることを可能にする。
【0017】
本発明の第5の特徴では、アダプタに搭載されたプロセッサはアップロードされたミッションプランおよび任意の早期の更新または付加的な情報を受信し、上昇期間中に指定されたマスターKVまたは全てのKVへ分配するように情報を処理する。結果として、KVは分離に近い上昇段階で後に付勢されることができ、したがって電力を保存し、ヒートシンクの質量を減少させることができる。
【0018】
本発明の第6の特徴では、単一のKVよりも小さい開口を有する受動センサが設けられる。検出距離および解像度は開口の寸法によって大体定められる。検出距離はセンサにより捕捉された多数のフレームを整列し、その後時間的に平均することにより強化される。時間的な平均化はセンサの雑音を減少し、それによって効率的な信号対雑音比を増加し、それによって検出距離を増加する。KVに搭載された慣性計器は画像の既存のターゲット追跡との相関をサポートするためにターゲット画像のフレーム毎の整列を行う。この既存の追跡データは時間的な積分のために画像フレームを整列するための必要な運動補償を行うために使用される。減少された解像度の受動センサは精密なおとりを弁別する能力を保持しないが、多数のKVが全体的に改良された破壊性能を可能にするために配備される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のこれら及び他の特徴と利点は添付図面を伴った好ましい実施形態の以下の詳細な説明から当業者に明白であろう。
本発明は大きな脅威範囲を動作するための自律管理能力および運動範囲を有する多数の破壊ビークルを含んでいるA−MKV迎撃装置を提供する。各KVはその固有のKV配備と指定されたマスターKVにより割当てられた決定されたターゲット体積に対するターゲット交戦を自己管理することができる。少なくとも1つのKVはミッションプラン分離後に対する更新を必要とせずに全てのKVの分離後を管理することができるマスターである。自律能力および増加された運動距離範囲はブースタのより効率的な使用と脅威に対する効率的な交戦を行う。多数の自律KVにより与えられる冗長性は単一点の故障の発生を減少させる。
【0020】
迎撃装置システムはターゲットクラウドの捕捉、オブジェクトの解像度、確かなオブジェクトの追跡、ターゲットオブジェクトの弁別およびターゲットの弾頭のホーミングを含めたエンドゲーム機能を実行しなければならない。特定の脅威、あるいは好ましくは迎撃装置と個々のKVの質量/体積/電力(“MVP”)予算における制約を受ける脅威の範囲に対するこれらのエンドゲーム機能を確実に実行することができる迎撃システムを提供する試みが行われている。MVP予算は既存のインフラストラクチャおよびブースト段を使用するための物理学的、経済学的、要望により決定される。迎撃装置を発射するブースト能力とKVを迎撃ターゲットにダイバートする推進能力は質量に正比例する。ブーストおよび推進能力が制約されないならば、多数の単一のKVは非常に大きいリフト段により運搬されることができるが、これは実現可能ではない。したがって迎撃装置システムを通してエンドゲーム機能を割当てる方法とそれに対応したMVP予算を割当てる方法についての挑戦が行われている。
【0021】
性能上の理由で、MKV迎撃装置の各KVにおける単一のKVの自律管理および運動範囲能力を維持することが望ましい。「自律」はミッションプランに対する更新または付加的な情報或いは外部待ち行列分離後であることを必要とせずに、ミッションプランを実行する単一のKVの能力を指している。MKVの文脈では、自律はミッションプランを実行するための配備を管理するMKVの集合的な能力と、決定されたターゲット体積を遂行する個々の能力を指している。このような更新または付加的な情報は役立つ可能性があるが、必要とされるわけではなく、それがなくても完全なミッションの故障を招かないが、性能能力の大きな劣化を生じる可能性がある。自律管理は単一のKVを必要とし、したがって各MKVはその位置および方位を決定し、決定されたターゲット体積を捕捉し、挿入エラーを除去し、「運動範囲」と共に割当てられたターゲットを解像し、迎撃のためにダイバートする能力を有する。
【0022】
前述したように、単一のKVは実質的に性能のペナルティなく多数のKVのMVP予算を満たすために単に最小化されることができない。同時係属出願の米国特許出願第11/286,760号明細書(発明の名称“Multiple Kill Vehicle (MKV) Interceptor and Method for Intercepting Exo and Endo-Atmospheric Targets”2005年11月23日)ではターゲット捕捉、初期追跡、CVにおける弁別のエンドゲーム機能を中央化し、各KVへのターミナルホーミングの機能を分配する。CVはLWIR受動センサとE/Oアクチブセンサとを搭載する。各KVにはSWIRまたはMWIR受動センサが設けられている。この方法は単一のKVの自律管理能力を保有せず、CVがターミナルホーミングのために最終的なハンドオーバーをする前に失われたならば、KVはその割当てられたミッションを完了できない。さらにCVはアクチブに各KVに合図を送る程度に十分近くに存在している間にターゲットスペース全体を撮像できなければならないので、KVクラウドの運動範囲は限定される。
【0023】
本発明は各KVが単一のKV迎撃装置の自律管理能力と運動範囲(検出距離およびダイバート操作)を維持するA−MKV迎撃装置を提供する。これはより大きな開口の光学系の実効距離を与えることができる各KVにおけるビデオ処理を行うことにより、クライオ冷却、空対地通信、分離前電力、アダプタ上での処理、受動センサ体積の減少のような機能を中央化することによって各KVの質量を減少することにより実現される。各KVは指定されたマスターにより割当てられた決定されたターゲット体積を実行するためにその配備を自己管理できる。少なくとも1つ、好ましくは全てのKVがミッションプランを実行するために全てのKVの配備を管理する「マスターケパブル」である。さらにより多くの破壊がブースタ毎に行われるので、各KVが単一のKVの精密な弁別を行うことは現在必要とされていない。これはセンサおよび処理の要求、したがって体積を減少させる。最低でも、各KVは割当てられたターゲットを選択し迎撃するために決定されたターゲット体積中のオブジェクトを解像できなければならない。各KVは脅威を与える弾道軌跡にはないオブジェクトを識別し排除する能力ももたなければならない。さらに各KVは簡単なおとりおよび塵を弁別できることが好ましい。
【0024】
減少された弁別要求は発展する脅威の評価から生じる。単一のKVおよび前記同時係属出願中のMKV迎撃装置のような開発中の現在のミサイル防衛システムは多弾頭各個誘導弾道弾(MIRV)と高い精度のおとりを有する多くのミサイルを同時に発射できる敵と交戦するように構成されている。可能性のあるターゲットの完全な数とおとりの精密さは同数のKVにより反撃されることができない。その結果として迎撃装置システムは選択されたターゲットを管理可能な数まで減少させるためにターゲットクラウドから実際のターゲットを選択する精密な弁別能力を必要とする。進化する脅威の評価は、MIRVにより少数のミサイルしか発射できない限定された能力を有する敵が初歩的なおとり能力しかもたないことについて行われる。このシナリオでは、ミサイル防衛システムは全ての可能なターゲットまたはターゲットと思われる少なくとも任意の目標を迎撃できる。これは性能の要求、したがってセンサ能力の大部分を減少させる。脅威が再度さらに増加した弁別能力を必要とするように発展するならば、本発明は各KVに搭載されたセンサ能力を増加し、センサの進歩と質量を増加させずに必要な弁別を行うためのおよび処理技術を使用して適合するための他の機能を割当てることによりまたは弁別情報を別のソースから受信することによりこれらの要求に適合することができる。
【0025】
MKV迎撃装置は本発明の技術的範囲外の多くの機能を含んでいる非常に複雑なシステムである。したがって、アダプタ、KV、捕捉および誘導方法の図および説明は明瞭さと簡潔にする目的で本発明の主題に限定されている。他の機能は運動エネルギ迎撃装置を使用するミサイル防衛システムの当業者によく知られている。
【0026】
[A−MKV迎撃装置およびアダプタ]
図1および2に示されているように、例示的なMKV迎撃装置10は多段ブースタ12を含んでおり、そのうちの第3段だけがこの実施形態に示され、さらに非分離のアダプタ14、最初にキャリアビークルおよびシュラウド18中に保管されている複数の自律KV16を含んでいる。ブースタの第3段12は迎撃装置を弾道迎撃軌跡へ操作する。迎撃装置が地球の大気圏を出るならば、発射期間中に迎撃装置を汚染、周囲の空気力学的圧力、加熱から保護するシュラウドが放棄される。第3段のブースタ12もアダプタ14も挿入エラーを除去するダイバート能力或いはターゲットを捕捉または弁別する任意のセンサ能力を含んでいない。第3段のブースタとアダプタは基本的にKVを任意の迎撃装置のパス上に発射し、上昇分離前の期間中にある機能を行うための単なる輸送手段(バス)である。
【0027】
迎撃装置の第3段のブースタは、姿勢制御システム20と、慣性測定装置(IMU)22と、弾道迎撃軌跡に沿って飛行するときに迎撃装置を適切な方向に向けた状態を維持するためのミッションプロセッサ24とを含んでいる。ミッションプロセッサはまた予め発射されたアダプタと通信し、組込み試験(BIT)を行い、初期ミッションプランと上昇期間中に受信された任意の更新とを通信リンク26を介してアダプタへアップロードする。初期ミッションプランは衛星、レーダ、その他のセンサからの入力により地上で公式化され、ターゲットクラウドの位置および方向を最小にする。初期プランまたはそのプランに対する更新は位置および飛行方向情報を精巧にし続け、ターゲットの数、ターゲットの弁別、ターゲットの優先順位に関する情報を提供する。バッテリ28と電力調節装置30は電力をミッションプロセッサ24とアダプタへ供給する。ブースタはまた運動追跡アルゴリズムを開始するための第1の運動を含んでいる複数のエネーブルメントコマンド、同期された時間クロック、分離の準備を行うためKVを付勢するためのセーフを提供し、ブースタは燃焼され、安全に分離する。ブースタはまたアダプタに結合されたアンテナ32を含んでいる。
【0028】
アダプタ14は発射および上昇期間中にKV16をサポートする機械的サポート構造33を含み、ターゲットクラウドと交戦するために挿入点でミッションプランによりそれらを配備する。典型的な単一KV CVはミッションプランをアップロードしBITを行うために連結手段35を介してKVへまたはKVからのデータを通過するための信号調整装置(SCU)34と、KVが上昇期間中に地上と通信することを可能にするアンテナ36と、アクチュエイタ駆動装置38と、配備のためにKVを物理的に解放する解放機構40と、連結手段35が破壊されてKVが分離されるときを検出する解放センサ44とを含んでいる。
【0029】
本発明では、上昇中の分離前の期間中に行われることができる付加的な機能はアダプタ14で中央化されている。SCU34にはBIT、発射、上昇期間中にKVの付勢に使用されるバッテリ45が設けられている。これは配備されるとミッションを完了することを必要とされる各KV上のバッテリの寸法を減少させる。SCU34には初期ミッションプランと、ターゲットクラウドの決定されたターゲット体積に特別なKVを割当てるため任意の更新分離前処理をするプロセッサ46が設けられる。このプロセッサはまた最も最近のミッションプランを少なくとも1つの指定されたマスターKVと適切に全てのマスターケパブルKVに分離前に転送する。結果として分離において各KVはそれが遂行することができるその固有のミッションプランを有する。この方法はKVが上昇期間中に付勢を遅延することを可能にし、それによって電力とヒートシンク質量とを節減する。
【0030】
ミッションプランの発射後および分離後の更新を継続し、KVの状態情報とミッションの遂行を受信するために、迎撃装置には双方向の空対地データリンク(Tx/Rx)が設けられなければならない。標準的な単一のKVでは、1つのKVにTx/Rxが設けられ、地上局との直接的な双方向リンクを維持する。Tx/Rxは約4kgの質量を有し、これは単一のKVで管理可能であるが、多数のKVがMVP予算の制約を満たすための重さではない。したがって本発明は単一の双方向の空対地通信ノードを使用する。図2に示されているように、このノードはアダプタまたはブースタの第3段上にTx/Rx48とアンテナ50を具備することができる。この場合、アダプタはアンテナ36により与えられた双方向の空対空データリンクを介して指定されたマスターKVと通信する。アンテナ36はTx/Rx48を介して地上リンクへ変換するためSCUに接続される。KVははるかに少ない質量を有する局部的な空対空データリンクを介して相互に通信する。後述するようにノードは代わりにKVの1つに置かれてもよい。単一のノードの使用は必要な全ての通信帯域幅を提供するが、単一点の故障を生じる。このような故障の結果は各KVの自律能力と、現在のミッションプランを遂行するKVの能力により改善される。ノードの損失は完全なミッションの故障を生じないが、性能における大きな劣化を生じる。
【0031】
図2乃至4に示されているように、別の変化が受動センサクライオ冷却システムの大部分をKVからアダプタへ移動している。クライオ冷却システム52は上昇期間中に各KV上の固体−気体のアイスブロックを生成し、これは分離するときKVと共に存在し、ミッション期間中にセンサ温度を維持する。クライオ冷却システム52はガスボトル54、アクチュエイタ駆動装置38およびアクチュエイタ58を介してSCU34により制御される1対の冗長弁56、冷却材を気体マニホルド62へ運ぶ冷却材ライン60を含み、この気体マニホルド62はアイスブロックを形成するためにアダプタおよび解放機構40を通って多数のKVまで延在する。アイスブロックが形成されると、KV配備の前にSCUは冷却材ライン64を切断するためにアクチュエイタ駆動装置38とアクチュエイタ66によってラインカッター68を付勢する。図3の(a)にも示されているように、SCU、バッテリ、Tx/Rxは電子装置70中に含まれている。
【0032】
現在考慮されている通常のKVは既存の多段または恐らく単一段のブースタを有する多くの異なる迎撃装置構造で使用されるために構築されている。これに適合するためにアダプタはKVへ通常のインターフェースを与えるために各タイプのブースタ用に特別に設計されることができる。その代わりに、第3の段はアダプタの機能を含むように再設計されることができるが、ブースタの大きな設定されたベースが存在する。
【0033】
[自律KV]
自律KV16の1実施形態が図5−6に示されている。標準的な単一のKVの質量の半分未満、その体積の半分未満であるが、自律KVは管理能力と、最低でも割当てられたターゲットを解像し迎撃し、適切に単なるおとりを排除するためのミッションおよび弁別能力を遂行するための単一のKVの運動範囲を提供する。結果として、現在の多段ブースタは約7個のKVを運搬しより大きなターゲットスペースを遂行しより多くのターゲットと交戦するのに十分なリフト能力を有する。これは単一のKV迎撃装置および従来のMKV概念よりも優れた多大な動作、価格および性能の利点を与える。
【0034】
自律破壊ビークル(KV)16は他のKVと通信するための双方向の空対空のデータリンクを提供する通信システム100と、KVの位置および方位を決定するための随意選択的な(KVの位置の改良された位置確認を行う)IMU102およびGPS103とを含んでいる慣性測定システム101と、ターゲットクラウドの決定されたターゲット体積を撮像しミッションプランからのターゲットの明白な割当てをサポートするための弁別を行うように構成されている受動センサシステム104と、挿入エラーを除去し、決定されたターゲット体積を遂行するため運動範囲を有するダイバート姿勢制御システム(DACS)106と、指定されたマスターKVとして分離後のKV配備およびターゲットの交戦を管理し、その固有のKV配備と指定されたマスターKVにより割当てられた決定されたターゲット体積のためのターゲット交戦を自己管理するように構成されている誘導装置108とを含んでいる。KVはKVを付勢するためのバッテリ109も含んでいる。現在考慮されているように、各KVの誘導装置はKVクラウドの配備を管理する「マスターケパブル」であり、ミッションの適切な遂行のための冗長を与える。しかしながら最小の要求は少なくとも1つのKVがマスターケパブルであることである。
【0035】
さらに現在考えられているように、通信システム100はパッチアンテナ105を介して他のKVおよびアダプタとの局部的な空対空通信だけを行う。しかしながら、前述したように空対地通信ノードはKVの1つに位置されることができる。図7の(a)に示されているように受動センサシステム104は除去され、双方向の空対地データリンク110と置換される。KVは自律KVとほぼ同じ体積および質量を有するが、センサ能力を持たない。このKVはKVクラウドを管理するための指定されたマスターとして使用されることができるがターゲットの迎撃はできない。KVは他のKVから伝送されたセンサ情報に基づいてターゲットクラウドへ飛行することができる。図7の(b)に示されているように、双方向の空対地データリンク111はキャリアビークルの背後に付加される。推進システム専用の質量および体積は通信ノードの付加的な質量を補償するために減少されることができる。このKVは少ないダイバート要求でターゲットを迎撃するために使用されることができる。
【0036】
[受動センサシステム]
受動センサシステム104は受動LWIRセンサを提供する1または2色の焦点面アレイFPAを含んでいる。単色のFPAはオブジェクトを解像し割当てられたターゲットを迎撃するのに適している。第2の色はKVが簡単なおとりを不確かであるとして除去することを可能にする。第2のFPAはさらに弁別を改良するために含まれることができる。受動LWIR捕捉およびターゲットクラウドからの本物のターゲットの弁別のための特別な方法は技術で知られており、本発明の技術的範囲外の技術である。しかしながら本発明の特徴は効率的な信号対雑音比をブーストするために感知された画像を処理することである(図8参照)。FPAの小さい開口は単一のKV上の大きな開口と同じターゲットを捕捉するための運動範囲を与えることができる。
【0037】
FPA112は固体−気体アイスブロックが上昇期間中に形成される貯蔵器114の前面に配置される。クライオ冷却材はアダプタからクライオライン116を介してアイスブロックを形成する熱交換器118へ運ばれる。クライオ冷却はこの応用では有用な赤外線センサの性能のために必要とされている。KV上のクライオシステムの重量は4.5Kgから約400グラムに減少される。アダプタ上のガスボトルおよび他のコンポーネントを中央化することは顕著に質量を節約する。
【0038】
ターゲットクラウドをFPA112に投影する光学システムは例えば直径6インチのミラーである1次ミラー122および2次ミラー124を支持する第1の望遠鏡構造120と、3次ミラー128および4次ミラー130を支持し第1の望遠鏡構造の内部の第2の望遠鏡構造126と、4次ミラーの前方に「視野絞り」を形成する4次ミラー130の穴132と、ウィンドウ134およびコールドバッフル136とを具備する。1次ミラー122は第2の望遠鏡構造が延在する環状形状を有し、3次ミラー128はコールドバッフルが延在する環状形状を有している。光学系のカバー138は光学システムをカバーしている。
【0039】
光は左から右へ入り、1次ミラー122へ入射し、その光は1次ミラー122で反射されて左へ戻され、2次ミラー124へ集中され、この2次ミラー124はさらに光を反射して右へフィールドストップ132へ戻される。フィールドストップおよびバッフルはセンサが指向されているところ、例えばターゲットクラウドから発しない全ての外光を遮断するように動作する。フィールドストップを通過する光は3次ミラー128まで拡大し、3次ミラー128で光は反射されて左へ戻され、フィールドストップ周辺の4次ミラー130に集中され、この4次ミラー130はさらに光を右へ反射し、ウィンドウ134へ集中させる。光はコールドバッフル136を通ってFPA112へ進む。
【0040】
FPAはセンサ電子装置140と、ビデオセンサデータを誘導装置へ返送するデジタルビデオケーブル142へ結合される。センサ電子装置140はクロックおよびバイアス信号をFPAへ提供し、FPAからのアナログビデオを誘導装置により使用されるデジタルビデオ信号へ変換する。
【0041】
[DACS]
推進システムすなわちDAC106は挿入エラーを除去してターゲットクラウドの少なくとも決定されたターゲット体積および必要ならばクラウドの適切な任意の部分を実行するために姿勢制御およびダイバート操作能力の両者を与えられる。ダイバートシステムはそれぞれ燃料タンク150および酸化剤タンク152を含む双推進システムである。4つのヘリウムタンク154は燃料/酸化剤をタンクからスラスタ156へ押出し、微細姿勢スラスタ158を点火するために使用される。ダイバートスラスタは挿入エラーを除去するダイバート操作と、ターゲットに衝突するための高速度のダイバートを与える。姿勢スラスタはダイバートスラスタが点火されるときに姿勢を維持するために使用される高レベルのスラスタ160を含んでいる。微細姿勢スラスタ158はダイバートスラスタが発火されていないときの姿勢に微細な修正を行うために使用される。自律KVは単一のKVよりも非常に小さい質量を有するが、これはKV質量に対する燃料および酸化剤の質量を調節することにより同じダイバート能力を維持する。したがって7−8MKV迎撃装置が非常に大きいターゲットクラウドをアドレスすることができる。
【0042】
[誘導装置]
誘導装置108はヒートシンク174により分離されている第1および第2のカード170と172を含んでいる。第1のカードはビデオプロセッサおよび一般的プロセッサを含むことができる。第2のカードは電力調節と、起爆管および推進制御のための高電流駆動装置を含むことができる。一般的プロセッサはIMU測定およびセンサビデオからの追跡処理とDACの通信および制御を行う。一般的プロセッサはまたKV配備を管理し、決定されたターゲット体積を遂行するためにKVを自己管理するために指定されたマスターとして動作する能力を提供する。一般的プロセッサは各KVのBITを内部で処理することができ、単一のKVと同じインターフェースを維持するために単一の全般的な健康状態を地上局へ報告する。
【0043】
ビデオプロセッサはセンサ電子装置からデジタルビデオを受信し、ビデオの各画素の特有のオフセットおよびスケールファクタ補正を適用することによりビデオを補正する。ビデオプロセッサはさらに、動作可能ではない画素からの信号を除去し、追跡される潜在的なオブジェクトを識別するために残りの動作可能な画素をしきい値処理する。ビデオプロセッサは特有の潜在的なオブジェクトを識別するために各しきい値の交差を局部化する。ビデオプロセッサはさらに各潜在的なオブジェクトの位置および放射強度を一般的プロセッサへ伝達する。
【0044】
一般的プロセッサは潜在的なオブジェクトと記録上の既存の追跡と比較し、不変のオブジェクトの既存の追跡情報を更新する。一般的プロセッサはいずれのオブジェクトが潜在的な脅威であるかを決定するために各不変のオブジェクトの追跡ファイルの情報についての特徴を計算する。一般的プロセッサはその後、KVが所望のオブジェクトを迎撃することを可能にするKV軌跡を評価し、所望のオブジェクトを迎撃するようにその軌跡を変更するためダイバートスラスタを点火する。
【0045】
図8は感知されたビデオの効率的なSNRをブーストし、したがってセンサの効率的な検出距離または「範囲」を増加するために本発明により変更されたオブジェクトを検出し追跡するようにビデオおよび一般的プロセッサにより実行される標準的なビデオ追跡アルゴリズムを示している。重要なステップはオブジェクトを捕捉し、解像し、弁別し、優先順位を定め、最終的に追跡する「オブジェクト検出」である。開口サイズは単一のKVのものよりも小さいので、少数の光子が集められ、検出範囲は減少される。効率的な開口寸法はセンサ雑音を減少させ、したがってSNRを増加させるために一時的にビデオフレームを平均することにより増加されることができる。これを効率的に行うため、フレームはフレームからフレームへセンサとオブジェクトの相対運動のために補償されなければならない。弾道軌跡上の2つのオブジェクト(ターゲットとKV)の相互への接近速度では、これは通常は難しい挑戦である。しかしながら、オブジェクトを「追跡」するために、誘導システムは新しい観察を既存の不変のオブジェクトトラックに相関するためにそれぞれの捕捉されたフレームにおける必要とされる運動補償データを生成しなければならない。このデータはしたがって標準的なビデオ追跡アルゴリズムから取出され、本体からセンサへ、その後ビデオ座標へ変換される。標準的なアルゴリズムに対する変更は破線で示されている。この簡単なx、y変換(長距離のターゲットは点放射源として現れ、したがって回転/スケーリングは必要とされない)はその後フレーム積分器に与えられる。結果として、フレームのSNRは連続的なフレームをシフトおよび付加するためにKV上に付加的なハードウェアおよび最小の処理なしに約2−3倍に顕著に改良される。
【0046】
ベースラインビデオ追跡アルゴリズムは本体追跡チャンネル(線200の上部)とセンサチャンネル(線200の下部)を含んでいる。一般的プロセッサは本体追跡チャンネルに対するデータおよびアルゴリズムを処理し、ビデオプロセッサはセンサチャンネルに対するセンサデータおよびアルゴリズムを処理する。
【0047】
本体追跡チャンネルは慣性測定202をIMUから受信し、それを温度、湿度、非直交性等について補償し(ステップ204)、KVナビゲーションアルゴリズムへ入力し(ステップ206)、それは初期KV状態208(位置および方位と発射時間)と、その現在位置および方位を与えるようにKVの軌跡を積分するため更新されたIMU測定とを使用する。それと並行して、初期ターゲット状態212が迎撃装置へアップロードされたならば、ターゲット状態伝播アルゴリズム(ステップ210)は例えばターゲットパスを予測するためのカルマンフィルタと、その後のトラック更新236を使用する。KVナビゲーションおよびターゲット状態伝播アルゴリズムの出力はKVおよびターゲット214の相対的な慣性状態を与える。この相対的な慣性状態はその後中心視線(LOS)座標系に変換される(ステップ216)。この変換は「経歴」フレームを変換し、それによってこれらは現在のフレームと一致し、同じオブジェクトは同じ場所に現れ、追跡を可能にし、新しいオブジェクトならば新しい追跡が開始されることを可能にする。
【0048】
示されているようにセンサチャンネルはデジタルビデオ222aと222bの2つのチャンネルを発生する2色の電子光学センサ220を含んでいる。各チャンネルはその後利得、オフセット等について補償される(ステップ224aと224b)。ベースラインアルゴリズムでは、オブジェクト検出(ステップ226aと226b)は各ビデオフレームについてフレーム中の明るい点を検出するために行われ、オブジェクト数、オブジェクトの寸法、フレームの各オブジェクトの位置を決定しようとする。各フレームにはオブジェクト情報がタグ付けされる。フレームはそのビデオ座標スペースからセンサ座標スペースへ変換され(ステップ228aと228b)、その後本体の中心座標スペースへ変換される(ステップ230)。2(以上の)チャンネルからの情報は融合され(ステップ232)、既存のオブジェクトトラックとの相関のために追跡装置へ送られる。追跡装置は追跡アルゴリズムを実行するために現在のフレームと運動補償された経歴フレームのオブジェクト検出情報を使用し(ステップ234)、1以上のオブジェクトトラック236を更新する。一般的プロセッサはその後追跡された各オブジェクトの特性を抽出するためにターゲット弁別アルゴリズムを実行し、最も可能性のある、または最高の優先順位のターゲットを選択する(ステップ240)。本発明の特徴では、弁別決定およびターゲット選択を増加するかまたはオーバーライドする可能性がある情報が空対地通信ノードを介して地上局から、またはマスターKVから与えられることができる(ステップ242)。例えば地上局は他のセンサからの付加的および良好な情報を有することができる。マスターKVは他の配備されたKVからの情報を有することができ、情報を合成して全てのKVのターゲット選択と優先順位を調整する。ターゲット選択および優先順位決定はその後、選択されたターゲットを遂行するために誘導装置へ移行される。
【0049】
本発明によれば、ステップ216で1以上(典型的に3乃至30フレーム)の(各色に対する)運動補償された経歴フレームが、ステップ230とステップ228aおよび228bの変換を通して戻されることにより本体中心座標システムからビデオ座標システムへ返送される(ステップ244)。現在および経歴フレームはフレームのSNRを改良するために積分され(ステップ246aと246b)、オブジェクト検出アルゴリズムへ送られる。フレームの積分は各ビデオフレームに対する積分されたフレームを出力するスライディングウィンドウであってもよく、または全システム設計に応じて各N個のビデオフレームの積分されたフレームを出力できる。SNRの改良はセンサとKVの効率的な捕捉範囲を増加することによって非常に確実にオブジェクトを検出するオブジェクト検出アルゴリズム能力を強化する。
【0050】
[質量予算]
図5に示されている自律KVと本発明による図1に示されている迎撃装置(“A−MKV”)を標準的な単一のKV(“UKV”)の単一のKVと同時係属出願の別のMKV迎撃装置(“CV−KV”)に対して比較した質量予算が図9の表300に示されている。表の上部は単一のKVの比較を示し、下部はCVまたはアダプタと(ブースタ段を除く)1以上のKVを含めた全体的な迎撃装置ペイロードの比較を示している。
【0051】
A−MKVの開発において、比較可能な自律能力と運動範囲を維持し、簡単なおとりの弁別能力を保有しながら、UKVの質量は66.23kgから29.16kgまで減少されている。A−MKVは、クライオガス供給においてアダプタについての機能を中央化することにより4kg、受動EOセンサで3.4kg(3の代わりに1FPAと8インチの代わりに6インチの開口)、誘導装置で3kg(処理するFPAを少なくし、上昇期間中の手段のオン切換えを遅延し、熱負荷を少なくする)、電池で0.40kg(上昇期間中にアダプタ電池を使用して)、通信で2kg(空対地システムの代わりに局部的な空対空通信システムで置換する)減少される。付加的な質量節約はハーネス、IMU、遠隔測定、およびバラストで実現されている。GPS能力の付加は0.23kg付加する。最大の質量節約はこれらの変更を推進システムを通して縦続させることにより得られる。表に示されているように、UKV推進システムは33.46kgであり、一方A−MKV推進システムは16.05kgに過ぎず、その質量は約半分である。クライオガス供給の顕著な例外によって、総KV重量の割合としての質量はほぼA−MKVおよびUKVで同じである。A−MKV迎撃装置はこの例では7つのKVを発射して配備するので、A−MKVの迎撃装置の全質量(303.82kg)はUKV(96.73)よりもかなり大きい。結果として、実行可能な体積はUKVの体積の約7倍である。さらに迎撃装置の質量は非常に大きいが、これは既存のブースタ段の350kg容量内である。
【0052】
A−MKVを、捕捉および弁別センサ能力をCVに中央化したCV−KVと比較すると、CV−KVは11.65kgに過ぎないことが注目される。しかしながらCV−KVはミッションプランの分離後に自律して動作できず、限定された運動範囲を有するという性能ペナルティを有する。ブースタは2倍多くのKVを発射することができるが、実行可能な体積は各KVの運動範囲が限定されているためにA−MKVよりも非常に少ない。さらに個々のCV−KVで見られる質量の節約はCVセンサとターゲット指示子に関連される大きい体積と、挿入エラーを軽減するために必要とされる推進により相殺される。
【0053】
[既存のインフラストラクチャおよび組込み試験(BIT)との適合性]
迎撃装置アーキテクチャのこのような変化は、既存の発射サイロおよび飛行中の通信アーキテクチャおよび単一のKV用に設計されたインターフェースで確認されるように考えられる。しかしながら多数の自律KVを有する提案されたMKV迎撃装置は完全な適合能力を与えることができる。インフラストラクチャはMKV迎撃装置設計によりサポートされる付加的な能力を与えるように更新されることができる。
【0054】
サイロでは、発射インターフェース装置は迎撃装置上の1つの単一のKVに連絡するように構成される。これに適合するために、アダプタは発射インターフェース装置と、発射前および上昇相期間中に他のKVまたは全てのKVへ連絡する指定されたマスターKVに連絡するように構成される。分離後では、指定されたマスターはアダプタまたはマスターKVのいずれかに位置される空対地ノードを介して地上と連絡する。単一のマスターは全ての地上通信を調整し、異なるKVから受信されたデータを融合し、決定されたターゲット体積および特別なターゲットにKVを割当てる。最初に指定されたKVが失われるならば、多数から全てのKVはマスターケパブルであるように構成される。宇宙通信ノードがアダプタ上に存在するならば、代わりのマスターKVは同じ能力を保持する。宇宙通信ノードが最初に指定されたKVに位置されるならば、ミッションプランへの更新を受信する能力は失われるが、マスターKVは既存のミッションプランを実行するために全てのKVを依然として配備することができる。宇宙通信ノードに関連される単一点の故障は他のKV上の冗長スペース通信ノードを提供することにより改善されることができる。しかしながら図7の(a)および(b)で前述されているように、現在の構造では、宇宙通信ノードを含めることはセンサシステムを除去し、KVの運動範囲を減少するかまたは通信KVの質量を増加させる。
【0055】
発射インターフェース装置との適合能力を維持するために、MKV迎撃装置の1実施形態は発射前のBIT中に全てのKVを含めない。典型的に、この試験はシステムの全ての素子が発射前に動作順序になっていることを確実にする。試験をKVのサブセットに限定することは発射前のシーケンスのこの段階の期間中にブースタに与えられる外部パワーを制限することにより強く要求される。KVのサブセットだけを試験する効果は最小である。第1に、全てのシステムレベルの単一点の故障は依然としてチェックされる。チェックされない素子はこれらが多数のKV上にあるので本質的に冗長である。これらの素子中の故障は減少されたシステム能力を生むが故障を完了しない。さらに、全てのKVは通常の発射前BITに加えて規則的なスケジュールでサブセットのKVを回転することにより試験されることができる。その代わりに、アダプタプロセッサは各KVでBITを実行し全てのKVの全般的な健全な状態を報告するように構成されることができる。
【0056】
[MHV迎撃装置ミッションシーケンス]
前述のMKV迎撃装置を使用して大気圏外のターゲットを迎撃するためのMHV迎撃装置ミッションシーケンスは図10乃至13に示されている。
【0057】
図10に示されているように、敵のミサイル400は弾頭軌跡402上で味方のターゲットに向けて発射される。MIRV弾頭404はブースト段406と、通常は弾道軌跡をたどるターゲットクラウド412の多数の再突入ビークルRV(ターゲット)408と精密でないおとり、チャフ(chaff;妨害片)等から分離する。ターゲットは大気中に再突入する時に偶然に、またはミサイル防衛システムに対抗するために意図的にこの軌跡から偏差することができる。
【0058】
ミサイル防衛システムは多数の外部システム、例えばミサイルの発射を検出し、その脅威を評価し、外部のターゲットキュー(弾道軌跡、捕捉のための時間、RV数等)を決定する衛星414、レーダ装置416、その他のセンサプラットフォーム等を含んでいる。防衛システムは発射前にパワーアップと迎撃装置のBITを開始するためにサイロ(または複数のサイロ)418に結合(engage)する。サイロの発射インターフェース装置はパワーアップし、ブースタ、アダプタ、KVに対して連続してBITを行い(ステップ420、422、424)、その一方で並行して各素子が迎撃装置432についてのBITをパスしたときブースタ、アダプタ、KVミッションデータをロードする(ステップ426、428、430)。KVミッションデータのロードは、決定されたターゲット体積に対応するために各KVで、およびミッションプラン全体を遂行するため少なくとも1つのマスターKVでアダプタプロセッサにより行われる割当てを含んでいる。サイロは外部ターゲットキューに基づいて初期迎撃装置軌道436に沿って迎撃装置432を発射するように第1段のブースタを点火する(ステップ434)。迎撃装置は地上ベースのレーダ装置438により適切に追跡され、そのダイバートおよびACSシステムと結合し、初期迎撃軌道上に迎撃装置を位置させる。飛び立つと、迎撃装置は第1のブースタ段を落とし、次に第2のブースタ段を落とし、シュラウドを放棄する。
【0059】
地上局440はターゲットクラウドの位置についての最新情報、ターゲット弁別情報等、およびブースタ、アダプタ、KVに対する迎撃装置へのアップリンク更新されたミッションプランを得るために衛星414、レーダ装置416および438、およびその他のセンサプラットフォームから情報を集め続ける(ステップ442、444、446)。上昇期間中、アダプタのクライオ冷却システムは各KVの固体−気体アイスブロックを形成するために付勢される(ステップ448)。第3段のブースタの燃焼が終了すると(ステップ450)、アダプタはKV452を解放し(ステップ454)、これらをアダプタおよび相互から安全に離して展開するために分離のための燃焼を行う(ステップ456)。
【0060】
展開されると、地上局440はアダプタ458上の宇宙通信ノードを介して別の更新をマスターKV460へ送信する(ステップ462)。現在指定されたマスターKVが認識されず、またはその存在が確認されないならば、次のマスターケパブルKVがそのようにして指定される。マスターKV460は配備プランを公式化し、それを各他のKV452へ送信する(ステップ464)。各KVおよびKVクラウドの「自律」能力の重要な特徴は、ミッションプランを最も効率的に遂行するための配備プランの公式化である。KVクラウドおよび個々のKVの展開は地上局またはアダプタにより制御されるのではなく、KV自体により制御される。アップロードされたミッションプランはターゲットクラウドを捕捉するためにKVに対する十分な情報を提供するためにのみ必要とされる。マスターKVはクラウドの最も重要なメンバーを破壊するためにKVを最適に配備する方法を決定する。
【0061】
このローカルネットワークの中央管理は変化する状況および新しい情報に適合し、ミッションの遂行を最適化するようにKVの能力を強化する。各KVの展開配備のプランは単に決定されたターゲット体積の座標であることができ、または地上からアップリンクされマスターで利用可能な情報にしたがって定められたターゲット体積内に特別なターゲット情報を含むことができる。
【0062】
図12に示されているように、各KVはターゲットクラウド412の任意の部分を処理するための運動範囲を有する。これはより多くのまたはより高い優先順位のターゲットを有するクラウドの一部分により多くのKVを割当て、または付加的な情報が集められるときKVに再度タスクを与えるためにより大きなフレキシブル性をマスターKVに与える。さらに、マスターKVはターゲットの局部化および特にターゲットの弁別を改良するために個々のKVからのセンサ情報を合成することができる。各KVは大きい単一のKVよりも弁別能力が劣っていてもよいが、KVクラウドはより良好な能力を有することができる。このタイプの「連携交戦」は脅威を処理するためにKVを効率的に配備するのに非常に強力である。
【0063】
KVの配備プランが受信されると、各KVは迎撃装置の任意の挿入エラーを緩和するために挿入バーンを行う(ステップ466)。KVはそれ自体をそれらの決定されたターゲット体積を捕捉するために方位を与えられ(ステップ468)、割当てられたターゲットを捕捉するためにデータを集める(ステップ470)。KVはそれぞれのターゲット体積についてのトラックおよび弁別情報をマスターKVへ返送し(ステップ472)、マスターKVは配備プランを更新し(ステップ474)、それをKVへ送信する(ステップ476)。このプロセスは時間が許す限り、1回以上反復されることができる。マスターKVが失われたならば、次の指定されたマスターKVがその役目を行う。任意のマスターとの接触が失われたならば、KVはそれらの最後に更新された配備プランを実行する。この点で、図13に示されているように各KVはそのターゲット478をその決定されたターゲット体積480から選択し(ステップ482)、迎撃装置483へのターミナルホーミングを行う(ステップ484)。特定のターゲットはマスターにより割当てられることができ、それによってスレーブKVはオブジェクトを解像し、それが割当てられ他オブジェクトに衝突しなければならないだけである。反対に、KVは体積において最良のターゲットを迎撃するように命令されることができ、この場合KVは幾らかの弁別を行わなければならない。地上局により与えられおよび/またはマスターKVにより合成されたターゲットの局部化情報が十分に良好であるならば、決定されたターゲット体積はターゲットだけが含まれるように十分小さくてもよい。
【0064】
本発明の幾つかの例示的な実施形態を示し説明したが、変形及び別の実施形態が当業者により行われるであろう。このような変形及び代わりの実施形態が考慮され、特許請求の範囲で規定されているように本発明の技術的範囲から逸脱せずに行われることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】ブースタ段、ブースタにより打ち上げられるキャリアビークル、解放されるようにキャリアビークルにより支持される複数の自律KVを含んでいるMKV迎撃装置の概略図。
【図2】KVとインターフェースするアダプタの概略的なブロック図。
【図3】アダプタの概略図。
【図4】分離前のKVの上にアイスブロックを形成するためのアダプタクライオシステムの概略図。
【図5】KVの1実施形態を示す図。
【図6】KV上のコンポーネントを示す図。
【図7】空対地データリンクを含むように変形されたKVの別の実施形態の概略図。
【図8】感知された画像の運動を補償し一時的に平均するために既存の追跡情報を使用するビデオ処理システムのブロック図。
【図9】単一のKV、CV上の捕捉/弁別センサを有するMKV、本発明のA−MKVの特別な総予算を比較している図表。
【図10】A−MKV迎撃装置のミッションシーケンスを示す図。
【図11】A−MKV迎撃装置のミッションシーケンスのフローチャート。
【図12】KVクラウドおよび個々のKVの運動距離を示す図。
【図13】ターゲットクラウドのその決定されたターゲット体積で交戦するためにダイバートする単一のKVを示す図。
【技術分野】
【0001】
本発明はミサイル防衛システムに関し、特に運動エネルギ破壊ビークルを使用して大気圏外のミサイルを迎撃し破壊するためのシステムに関するが、それに限定されない。
【背景技術】
【0002】
本出願は米国暫定特許出願第60/777,880号明細書(発明の名称“Interceptor System and Method Using Multiple Unitary-Capable Kill Vehicles on a Single Booster”、2006年3月1日出願)の優先権の特典を主張しており、この特許文献の内容はここで参考文献として含まれている。
【0003】
通常の爆発物、化学的、生物的又は核弾頭を備えた弾道ミサイルは以前のソビエト連邦およびテロリスト国およびテロリストグループからの米国に対する脅威が実際問題化し、増加していることを表している。大量破壊兵器(WMD)の製造とそれらの数百から数千マイルの飛翔の両者に必要とされる技術は米国の敵によって利用可能であり、積極的に模索されている。
【0004】
幾つかの新型のミサイル防衛システムは米国国防総省の支部により開発中である。これらのシステムは入来する(ターゲット)ミサイル、弾頭、再突入ビークル等を破壊するために(迎撃)ミサイルを使用する。爆破破砕システムはターゲットと迎撃装置との衝突の直ぐ前に高パワーの爆発物を爆発させる。運動エネルギシステムはターゲットを破壊するための迎撃装置の運動エネルギのみに依存する。両システムはターゲットを捕捉し追跡するために非常に精密な誘導システムを必要とする。特に運動エネルギシステムは非常に良好な正確度でターゲットに衝突しなければならない。
【0005】
Ahlstromによる米国特許第4,738,411号および第4,796,834号明細書はターゲット方向へ爆発物発射体を誘導するための技術を開示している。4,738,411号明細書では、弾倉には電磁放射によりターゲットを照射する手段を備えた送信発射体と、受動的又は純粋に受信ホーミング装置を備えた爆発発射体が搭載されている。その飛行の最終段階の期間中、送信発射体は電磁エネルギによりターゲット区域を照射する。好ましい波長範囲はいわゆるミリメートル波長範囲であり、3−8mmが適切である。ターゲット区域内の任意のターゲットから反射されたエネルギは爆発発射体により受信され、ターゲット方向へ発射体を誘導するために使用される。先頭の発射体はターゲットを受動的に検出し、その後照射する。後方の発射体は照射されたターゲットからの反射エネルギを検出し、それにしたがってその軌道を補正する。先頭の発射体が地面に衝突するとき、後方の発射体は妨害を感知し、それ自体を受動検出へリセットする。ターゲット自身の放射が検出されるとき、受動シグナチャは最終的な誘導のために使用される。照射源を付勢する検出装置はターゲット追跡装置中に含まれているものと同じ検出器であることが好ましい。
【0006】
レイセオン社は弾道ミサイルの位置の決定、追跡、衝突のために設計された運動エネルギシステムの最新技術を表している単一の破壊ビークルシステムの分野に参入している。単一の迎撃装置は単一の破壊ビークル(KV)を含んでいる。迎撃装置は多段ロケットブースター上で発射される。破壊ビークルの現在のバージョンはターゲット複合体の捕捉、目標の解像度、確かな目標の追跡、ターゲット物体の弁別、ターゲット弾頭への誘導を含んでいるエンドゲーム機能をサポートするための大きい開口の光学センサを有する。
【0007】
多数の独立して目標を定める再突入ビークル(MIRV)と進歩したおとり手段を備えたミサイルの配備は多数の破壊ビークルを展開することができる迎撃装置を開発させる一因となる。多数の破壊ビークル(MKV)の迎撃装置はキャリアビークル(CV)と多数のKVを含んでいる。MKVを配備し既存のコマンド、制御、通信インフラストラクチャおよび組込み試験(BIT)手順との適合を維持するためにブースタ段の既存のベースを使用することが強く要望されている。MKV迎撃装置の開発は単一の迎撃装置により遭遇する全ての問題に加えて、多数のターゲットを捕捉し、追跡し、迎撃するため重量、最小化、制御帯域幅の特有の問題を提示する。したがって効率的なMKV迎撃装置はまだ開発されておらず、配備されていない。
【0008】
追求している1つの概念は、既存の単一の迎撃装置を単に最小化することである。この方法では、各KVはターゲットを弁別し衝突するように誘導を行うために必要とされる全てのインテリジェンスを含んでいる。CVは発射から解放までKVを輸送するための単なるバスである。残念ながら、全ての機能を小型で軽量のKVへ「最小化する」能力は最新技術を超えており、基本的な物理的制約のために実現可能ではない。例えば双方向の空対地データリンクはKVと地上局との間の距離により定められ、センサが適切な検出距離と解像度をもつ能力は開口の寸法に比例し、焦点面アセンブリ(FPA)クライオ冷却システムは比較的固定されている。これらの決定的なサブシステムの質量/電力/体積の要求は実質的な性能のペナルティなしには単により小さく作られることができない。
【0009】
別の概念は、全てのKVが衝突するようにCVから「コマンド誘導する」ことである。この方法では、ターゲットを弁別し衝突するように誘導を行うために必要な全てのインテリジェンスがCVに設けられる。KVは最小の機能、典型的にはCVにより送信される飛行方向コマンドに応答する受信機及びアクチュエイタのみを含んでいる。米国特許第4,925,129号明細書には多数のサブ発射体を含む誘導発射体を含んだミサイル防衛システムについて記載されている。レーダ追跡装置が比較的長距離のターゲットの方向へ発射体を誘導するために使用される。発射体上の光学的追跡装置は比較的短距離のターゲットを追跡し、ターゲットを迎撃するようにサブ発射体を誘導するための誘導コマンドを発生するために使用される。概念的には魅力的であるが、コマンド誘導は全てのターゲットを光学的追跡装置の光視野内に維持するためのCVの離隔距離に関連される貧弱なターゲット解像度と潜在性を受ける。さらに、CVは全てのターゲットを同時に追跡するのに十分な帯域幅をもたなければならない。
【発明の開示】
【発明の要約】
【0010】
本発明はそれぞれが大きな脅威クラウド範囲を実行するための運動範囲を有している多数の自律破壊ビークル(A−MKV)を含んでいるMKV迎撃装置を提供する。増加された運動範囲はブースタのより効率的な使用と脅威のより効率的な交戦を可能にする。多数の自律KVにより与えられる冗長性は単一点の故障の発生を減少させる。
【0011】
十分に冗長な構造では、各自律KVには、ターゲットクラウドに交戦するためにKVクラウド全体を展開して配備するのを管理する能力と、ターゲットクラウド全体に到達するための捕捉およびダイバート能力と、ターゲットクラウドの決定された体積と交戦しミッションプランからのターゲットの明白な割当てをサポートするためにその割当てられたミッションを自己管理する弁別および追跡能力とが適切に与えられる。クラウドを管理できるKV数またはクラウド全体に到達できるKV数を制限することによって与えられる冗長を少なくすることができる。ミッションプランの実行はターゲットクラウドの位置とターゲット弁別におけるミッションの更新によって強化されるが、これらの更新の受信の故障は完全なミッションの故障ではなく性能の大きな劣化を招く。
【0012】
既存のブースタ能力によりサポートされる有効な質量/電力/体積の予算、即ち許容予定範囲内で大きな運動範囲をMKV迎撃装置に与えるために、システムおよび個々のKV機能の革新的な再割当ておよびそれらの質量/電力/体積要求を必要とする。KVは分離されないアダプタから配備される。通常アダプタの質量は挿入エラーをなくすためにセンサまたは推進能力のいずれかをアダプタに与えないことによってCVに関して減少される。単一の双方向の空対地データリンクはKVと地上との間の通信に使用され、局部的な空対空データリンクはKV間での通信に使用される。分離前に行われたクライオ冷却、電力およびプロセッサ動作はアダプタで中央化されそれによって各KVの質量要求を減少させる。これらの能力は通常のKVと特定のブースタとの間でインターフェースするように設計されているアダプタにおいて適切に与えられる。最後に、各KVの弁別要求は簡単なおとりまたは塵に限定され、KVは精密な弁別を行うことを要求されず、それはセンサおよび処理要求を減少させる。単一のKVとは異なって多数のKVは本物のターゲットのように見える任意のオブジェクトを破壊することにより曖昧さを減少できる。
【0013】
本発明の第1の特徴では、少なくとも1つの、適切には多数の、好ましくは全てのKVがミッションプランを実行するための分離後のKVの配備とターゲットの交戦を管理することのできる誘導システムを有している。初期のミッションプランがアップロードされると、KVは自律的に機能することができ、何等の外部コマンドおよび制御もなしにミッションプランを実行することができる。ミッションプランの実行はターゲットクラウドの位置またはターゲットの弁別に関して更新された情報から恩恵を得ることができるが、このような情報の受信に失敗することは完全なミッションの失敗ではなく大きな劣化を生じるだけである。指定されたマスターKVは各KVをターゲットクラウドの決定されたターゲット体積に割当て、位置、ターゲット弁別等の任意の関連する情報をKVへ送信する。各KVはその後迎撃装置の挿入エラーを補正するのに必要な任意のダイバート操作を行い、決定されたターゲット体積を捕捉し、そのミッションプランを実行する。多数のKVは同じターゲット体積に割り当てられることができ、KVは新しい情報が地上から受信されるとき、またはマスターが個々のKVにより集められたターゲットクラウドについての情報を統合するときに再度タスクが与えられることができる。この「ネットワーク中心化」方法は効率的にターゲットクラウドを迎撃するためにマスターKVがKVクラウドを展開させて配備することを可能にする。
【0014】
本発明の第2の特徴では、単一のKVに存在する空対地データリンクは多数の各KVで複製されない。その代わりに単一のトランシーバがKVまたはアダプタの一方に配置され、それによって迎撃装置と全ての個々のKVではなくても大部分のKVの質量/電力/体積の要求を減少させる。トランシーバがアダプタ上に配置されるならば、そのアダプタには更新されたミッションプランを少なくとも指定されたマスターKVへ送信しミッション情報を受信するための空対空データリンクも設けられる。トランシーバが1つのKV上に位置されるならば、そのKVは適切に最初に指定されたマスターKVである。増加された質量/電力/体積を補償するため、そのKVに与えられる推進材料は少なくてもよく、ターゲットクラウドの最も近い部分を割当てられることができる。
【0015】
本発明の第3の特徴では、センサクライオ冷却システムの大部分が各KVからアダプタへ移動される。クライオ冷却は各KVに搭載された赤外線受動センサの性能を保持するために必要とされる。アダプタには加圧される気体ボトル、弁等が設けられ、これらは迎撃装置の上昇段期間中に各KV上に固体−気体アイスブロックを生成するように構成されている。アイスブロックはKVの分離後も存在し、ミッション期間中にセンサ温度を維持する。これは各KVの質量/電力/体積の要求を減少する。
【0016】
本発明の第4の特徴では、アダプタに搭載されたバッテリは迎撃装置の発射および上昇段階中にKVを付勢するために使用される。アダプタ上に大きなバッテリを設けることは各KV上のバッテリが小さくなることを可能にする。
【0017】
本発明の第5の特徴では、アダプタに搭載されたプロセッサはアップロードされたミッションプランおよび任意の早期の更新または付加的な情報を受信し、上昇期間中に指定されたマスターKVまたは全てのKVへ分配するように情報を処理する。結果として、KVは分離に近い上昇段階で後に付勢されることができ、したがって電力を保存し、ヒートシンクの質量を減少させることができる。
【0018】
本発明の第6の特徴では、単一のKVよりも小さい開口を有する受動センサが設けられる。検出距離および解像度は開口の寸法によって大体定められる。検出距離はセンサにより捕捉された多数のフレームを整列し、その後時間的に平均することにより強化される。時間的な平均化はセンサの雑音を減少し、それによって効率的な信号対雑音比を増加し、それによって検出距離を増加する。KVに搭載された慣性計器は画像の既存のターゲット追跡との相関をサポートするためにターゲット画像のフレーム毎の整列を行う。この既存の追跡データは時間的な積分のために画像フレームを整列するための必要な運動補償を行うために使用される。減少された解像度の受動センサは精密なおとりを弁別する能力を保持しないが、多数のKVが全体的に改良された破壊性能を可能にするために配備される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のこれら及び他の特徴と利点は添付図面を伴った好ましい実施形態の以下の詳細な説明から当業者に明白であろう。
本発明は大きな脅威範囲を動作するための自律管理能力および運動範囲を有する多数の破壊ビークルを含んでいるA−MKV迎撃装置を提供する。各KVはその固有のKV配備と指定されたマスターKVにより割当てられた決定されたターゲット体積に対するターゲット交戦を自己管理することができる。少なくとも1つのKVはミッションプラン分離後に対する更新を必要とせずに全てのKVの分離後を管理することができるマスターである。自律能力および増加された運動距離範囲はブースタのより効率的な使用と脅威に対する効率的な交戦を行う。多数の自律KVにより与えられる冗長性は単一点の故障の発生を減少させる。
【0020】
迎撃装置システムはターゲットクラウドの捕捉、オブジェクトの解像度、確かなオブジェクトの追跡、ターゲットオブジェクトの弁別およびターゲットの弾頭のホーミングを含めたエンドゲーム機能を実行しなければならない。特定の脅威、あるいは好ましくは迎撃装置と個々のKVの質量/体積/電力(“MVP”)予算における制約を受ける脅威の範囲に対するこれらのエンドゲーム機能を確実に実行することができる迎撃システムを提供する試みが行われている。MVP予算は既存のインフラストラクチャおよびブースト段を使用するための物理学的、経済学的、要望により決定される。迎撃装置を発射するブースト能力とKVを迎撃ターゲットにダイバートする推進能力は質量に正比例する。ブーストおよび推進能力が制約されないならば、多数の単一のKVは非常に大きいリフト段により運搬されることができるが、これは実現可能ではない。したがって迎撃装置システムを通してエンドゲーム機能を割当てる方法とそれに対応したMVP予算を割当てる方法についての挑戦が行われている。
【0021】
性能上の理由で、MKV迎撃装置の各KVにおける単一のKVの自律管理および運動範囲能力を維持することが望ましい。「自律」はミッションプランに対する更新または付加的な情報或いは外部待ち行列分離後であることを必要とせずに、ミッションプランを実行する単一のKVの能力を指している。MKVの文脈では、自律はミッションプランを実行するための配備を管理するMKVの集合的な能力と、決定されたターゲット体積を遂行する個々の能力を指している。このような更新または付加的な情報は役立つ可能性があるが、必要とされるわけではなく、それがなくても完全なミッションの故障を招かないが、性能能力の大きな劣化を生じる可能性がある。自律管理は単一のKVを必要とし、したがって各MKVはその位置および方位を決定し、決定されたターゲット体積を捕捉し、挿入エラーを除去し、「運動範囲」と共に割当てられたターゲットを解像し、迎撃のためにダイバートする能力を有する。
【0022】
前述したように、単一のKVは実質的に性能のペナルティなく多数のKVのMVP予算を満たすために単に最小化されることができない。同時係属出願の米国特許出願第11/286,760号明細書(発明の名称“Multiple Kill Vehicle (MKV) Interceptor and Method for Intercepting Exo and Endo-Atmospheric Targets”2005年11月23日)ではターゲット捕捉、初期追跡、CVにおける弁別のエンドゲーム機能を中央化し、各KVへのターミナルホーミングの機能を分配する。CVはLWIR受動センサとE/Oアクチブセンサとを搭載する。各KVにはSWIRまたはMWIR受動センサが設けられている。この方法は単一のKVの自律管理能力を保有せず、CVがターミナルホーミングのために最終的なハンドオーバーをする前に失われたならば、KVはその割当てられたミッションを完了できない。さらにCVはアクチブに各KVに合図を送る程度に十分近くに存在している間にターゲットスペース全体を撮像できなければならないので、KVクラウドの運動範囲は限定される。
【0023】
本発明は各KVが単一のKV迎撃装置の自律管理能力と運動範囲(検出距離およびダイバート操作)を維持するA−MKV迎撃装置を提供する。これはより大きな開口の光学系の実効距離を与えることができる各KVにおけるビデオ処理を行うことにより、クライオ冷却、空対地通信、分離前電力、アダプタ上での処理、受動センサ体積の減少のような機能を中央化することによって各KVの質量を減少することにより実現される。各KVは指定されたマスターにより割当てられた決定されたターゲット体積を実行するためにその配備を自己管理できる。少なくとも1つ、好ましくは全てのKVがミッションプランを実行するために全てのKVの配備を管理する「マスターケパブル」である。さらにより多くの破壊がブースタ毎に行われるので、各KVが単一のKVの精密な弁別を行うことは現在必要とされていない。これはセンサおよび処理の要求、したがって体積を減少させる。最低でも、各KVは割当てられたターゲットを選択し迎撃するために決定されたターゲット体積中のオブジェクトを解像できなければならない。各KVは脅威を与える弾道軌跡にはないオブジェクトを識別し排除する能力ももたなければならない。さらに各KVは簡単なおとりおよび塵を弁別できることが好ましい。
【0024】
減少された弁別要求は発展する脅威の評価から生じる。単一のKVおよび前記同時係属出願中のMKV迎撃装置のような開発中の現在のミサイル防衛システムは多弾頭各個誘導弾道弾(MIRV)と高い精度のおとりを有する多くのミサイルを同時に発射できる敵と交戦するように構成されている。可能性のあるターゲットの完全な数とおとりの精密さは同数のKVにより反撃されることができない。その結果として迎撃装置システムは選択されたターゲットを管理可能な数まで減少させるためにターゲットクラウドから実際のターゲットを選択する精密な弁別能力を必要とする。進化する脅威の評価は、MIRVにより少数のミサイルしか発射できない限定された能力を有する敵が初歩的なおとり能力しかもたないことについて行われる。このシナリオでは、ミサイル防衛システムは全ての可能なターゲットまたはターゲットと思われる少なくとも任意の目標を迎撃できる。これは性能の要求、したがってセンサ能力の大部分を減少させる。脅威が再度さらに増加した弁別能力を必要とするように発展するならば、本発明は各KVに搭載されたセンサ能力を増加し、センサの進歩と質量を増加させずに必要な弁別を行うためのおよび処理技術を使用して適合するための他の機能を割当てることによりまたは弁別情報を別のソースから受信することによりこれらの要求に適合することができる。
【0025】
MKV迎撃装置は本発明の技術的範囲外の多くの機能を含んでいる非常に複雑なシステムである。したがって、アダプタ、KV、捕捉および誘導方法の図および説明は明瞭さと簡潔にする目的で本発明の主題に限定されている。他の機能は運動エネルギ迎撃装置を使用するミサイル防衛システムの当業者によく知られている。
【0026】
[A−MKV迎撃装置およびアダプタ]
図1および2に示されているように、例示的なMKV迎撃装置10は多段ブースタ12を含んでおり、そのうちの第3段だけがこの実施形態に示され、さらに非分離のアダプタ14、最初にキャリアビークルおよびシュラウド18中に保管されている複数の自律KV16を含んでいる。ブースタの第3段12は迎撃装置を弾道迎撃軌跡へ操作する。迎撃装置が地球の大気圏を出るならば、発射期間中に迎撃装置を汚染、周囲の空気力学的圧力、加熱から保護するシュラウドが放棄される。第3段のブースタ12もアダプタ14も挿入エラーを除去するダイバート能力或いはターゲットを捕捉または弁別する任意のセンサ能力を含んでいない。第3段のブースタとアダプタは基本的にKVを任意の迎撃装置のパス上に発射し、上昇分離前の期間中にある機能を行うための単なる輸送手段(バス)である。
【0027】
迎撃装置の第3段のブースタは、姿勢制御システム20と、慣性測定装置(IMU)22と、弾道迎撃軌跡に沿って飛行するときに迎撃装置を適切な方向に向けた状態を維持するためのミッションプロセッサ24とを含んでいる。ミッションプロセッサはまた予め発射されたアダプタと通信し、組込み試験(BIT)を行い、初期ミッションプランと上昇期間中に受信された任意の更新とを通信リンク26を介してアダプタへアップロードする。初期ミッションプランは衛星、レーダ、その他のセンサからの入力により地上で公式化され、ターゲットクラウドの位置および方向を最小にする。初期プランまたはそのプランに対する更新は位置および飛行方向情報を精巧にし続け、ターゲットの数、ターゲットの弁別、ターゲットの優先順位に関する情報を提供する。バッテリ28と電力調節装置30は電力をミッションプロセッサ24とアダプタへ供給する。ブースタはまた運動追跡アルゴリズムを開始するための第1の運動を含んでいる複数のエネーブルメントコマンド、同期された時間クロック、分離の準備を行うためKVを付勢するためのセーフを提供し、ブースタは燃焼され、安全に分離する。ブースタはまたアダプタに結合されたアンテナ32を含んでいる。
【0028】
アダプタ14は発射および上昇期間中にKV16をサポートする機械的サポート構造33を含み、ターゲットクラウドと交戦するために挿入点でミッションプランによりそれらを配備する。典型的な単一KV CVはミッションプランをアップロードしBITを行うために連結手段35を介してKVへまたはKVからのデータを通過するための信号調整装置(SCU)34と、KVが上昇期間中に地上と通信することを可能にするアンテナ36と、アクチュエイタ駆動装置38と、配備のためにKVを物理的に解放する解放機構40と、連結手段35が破壊されてKVが分離されるときを検出する解放センサ44とを含んでいる。
【0029】
本発明では、上昇中の分離前の期間中に行われることができる付加的な機能はアダプタ14で中央化されている。SCU34にはBIT、発射、上昇期間中にKVの付勢に使用されるバッテリ45が設けられている。これは配備されるとミッションを完了することを必要とされる各KV上のバッテリの寸法を減少させる。SCU34には初期ミッションプランと、ターゲットクラウドの決定されたターゲット体積に特別なKVを割当てるため任意の更新分離前処理をするプロセッサ46が設けられる。このプロセッサはまた最も最近のミッションプランを少なくとも1つの指定されたマスターKVと適切に全てのマスターケパブルKVに分離前に転送する。結果として分離において各KVはそれが遂行することができるその固有のミッションプランを有する。この方法はKVが上昇期間中に付勢を遅延することを可能にし、それによって電力とヒートシンク質量とを節減する。
【0030】
ミッションプランの発射後および分離後の更新を継続し、KVの状態情報とミッションの遂行を受信するために、迎撃装置には双方向の空対地データリンク(Tx/Rx)が設けられなければならない。標準的な単一のKVでは、1つのKVにTx/Rxが設けられ、地上局との直接的な双方向リンクを維持する。Tx/Rxは約4kgの質量を有し、これは単一のKVで管理可能であるが、多数のKVがMVP予算の制約を満たすための重さではない。したがって本発明は単一の双方向の空対地通信ノードを使用する。図2に示されているように、このノードはアダプタまたはブースタの第3段上にTx/Rx48とアンテナ50を具備することができる。この場合、アダプタはアンテナ36により与えられた双方向の空対空データリンクを介して指定されたマスターKVと通信する。アンテナ36はTx/Rx48を介して地上リンクへ変換するためSCUに接続される。KVははるかに少ない質量を有する局部的な空対空データリンクを介して相互に通信する。後述するようにノードは代わりにKVの1つに置かれてもよい。単一のノードの使用は必要な全ての通信帯域幅を提供するが、単一点の故障を生じる。このような故障の結果は各KVの自律能力と、現在のミッションプランを遂行するKVの能力により改善される。ノードの損失は完全なミッションの故障を生じないが、性能における大きな劣化を生じる。
【0031】
図2乃至4に示されているように、別の変化が受動センサクライオ冷却システムの大部分をKVからアダプタへ移動している。クライオ冷却システム52は上昇期間中に各KV上の固体−気体のアイスブロックを生成し、これは分離するときKVと共に存在し、ミッション期間中にセンサ温度を維持する。クライオ冷却システム52はガスボトル54、アクチュエイタ駆動装置38およびアクチュエイタ58を介してSCU34により制御される1対の冗長弁56、冷却材を気体マニホルド62へ運ぶ冷却材ライン60を含み、この気体マニホルド62はアイスブロックを形成するためにアダプタおよび解放機構40を通って多数のKVまで延在する。アイスブロックが形成されると、KV配備の前にSCUは冷却材ライン64を切断するためにアクチュエイタ駆動装置38とアクチュエイタ66によってラインカッター68を付勢する。図3の(a)にも示されているように、SCU、バッテリ、Tx/Rxは電子装置70中に含まれている。
【0032】
現在考慮されている通常のKVは既存の多段または恐らく単一段のブースタを有する多くの異なる迎撃装置構造で使用されるために構築されている。これに適合するためにアダプタはKVへ通常のインターフェースを与えるために各タイプのブースタ用に特別に設計されることができる。その代わりに、第3の段はアダプタの機能を含むように再設計されることができるが、ブースタの大きな設定されたベースが存在する。
【0033】
[自律KV]
自律KV16の1実施形態が図5−6に示されている。標準的な単一のKVの質量の半分未満、その体積の半分未満であるが、自律KVは管理能力と、最低でも割当てられたターゲットを解像し迎撃し、適切に単なるおとりを排除するためのミッションおよび弁別能力を遂行するための単一のKVの運動範囲を提供する。結果として、現在の多段ブースタは約7個のKVを運搬しより大きなターゲットスペースを遂行しより多くのターゲットと交戦するのに十分なリフト能力を有する。これは単一のKV迎撃装置および従来のMKV概念よりも優れた多大な動作、価格および性能の利点を与える。
【0034】
自律破壊ビークル(KV)16は他のKVと通信するための双方向の空対空のデータリンクを提供する通信システム100と、KVの位置および方位を決定するための随意選択的な(KVの位置の改良された位置確認を行う)IMU102およびGPS103とを含んでいる慣性測定システム101と、ターゲットクラウドの決定されたターゲット体積を撮像しミッションプランからのターゲットの明白な割当てをサポートするための弁別を行うように構成されている受動センサシステム104と、挿入エラーを除去し、決定されたターゲット体積を遂行するため運動範囲を有するダイバート姿勢制御システム(DACS)106と、指定されたマスターKVとして分離後のKV配備およびターゲットの交戦を管理し、その固有のKV配備と指定されたマスターKVにより割当てられた決定されたターゲット体積のためのターゲット交戦を自己管理するように構成されている誘導装置108とを含んでいる。KVはKVを付勢するためのバッテリ109も含んでいる。現在考慮されているように、各KVの誘導装置はKVクラウドの配備を管理する「マスターケパブル」であり、ミッションの適切な遂行のための冗長を与える。しかしながら最小の要求は少なくとも1つのKVがマスターケパブルであることである。
【0035】
さらに現在考えられているように、通信システム100はパッチアンテナ105を介して他のKVおよびアダプタとの局部的な空対空通信だけを行う。しかしながら、前述したように空対地通信ノードはKVの1つに位置されることができる。図7の(a)に示されているように受動センサシステム104は除去され、双方向の空対地データリンク110と置換される。KVは自律KVとほぼ同じ体積および質量を有するが、センサ能力を持たない。このKVはKVクラウドを管理するための指定されたマスターとして使用されることができるがターゲットの迎撃はできない。KVは他のKVから伝送されたセンサ情報に基づいてターゲットクラウドへ飛行することができる。図7の(b)に示されているように、双方向の空対地データリンク111はキャリアビークルの背後に付加される。推進システム専用の質量および体積は通信ノードの付加的な質量を補償するために減少されることができる。このKVは少ないダイバート要求でターゲットを迎撃するために使用されることができる。
【0036】
[受動センサシステム]
受動センサシステム104は受動LWIRセンサを提供する1または2色の焦点面アレイFPAを含んでいる。単色のFPAはオブジェクトを解像し割当てられたターゲットを迎撃するのに適している。第2の色はKVが簡単なおとりを不確かであるとして除去することを可能にする。第2のFPAはさらに弁別を改良するために含まれることができる。受動LWIR捕捉およびターゲットクラウドからの本物のターゲットの弁別のための特別な方法は技術で知られており、本発明の技術的範囲外の技術である。しかしながら本発明の特徴は効率的な信号対雑音比をブーストするために感知された画像を処理することである(図8参照)。FPAの小さい開口は単一のKV上の大きな開口と同じターゲットを捕捉するための運動範囲を与えることができる。
【0037】
FPA112は固体−気体アイスブロックが上昇期間中に形成される貯蔵器114の前面に配置される。クライオ冷却材はアダプタからクライオライン116を介してアイスブロックを形成する熱交換器118へ運ばれる。クライオ冷却はこの応用では有用な赤外線センサの性能のために必要とされている。KV上のクライオシステムの重量は4.5Kgから約400グラムに減少される。アダプタ上のガスボトルおよび他のコンポーネントを中央化することは顕著に質量を節約する。
【0038】
ターゲットクラウドをFPA112に投影する光学システムは例えば直径6インチのミラーである1次ミラー122および2次ミラー124を支持する第1の望遠鏡構造120と、3次ミラー128および4次ミラー130を支持し第1の望遠鏡構造の内部の第2の望遠鏡構造126と、4次ミラーの前方に「視野絞り」を形成する4次ミラー130の穴132と、ウィンドウ134およびコールドバッフル136とを具備する。1次ミラー122は第2の望遠鏡構造が延在する環状形状を有し、3次ミラー128はコールドバッフルが延在する環状形状を有している。光学系のカバー138は光学システムをカバーしている。
【0039】
光は左から右へ入り、1次ミラー122へ入射し、その光は1次ミラー122で反射されて左へ戻され、2次ミラー124へ集中され、この2次ミラー124はさらに光を反射して右へフィールドストップ132へ戻される。フィールドストップおよびバッフルはセンサが指向されているところ、例えばターゲットクラウドから発しない全ての外光を遮断するように動作する。フィールドストップを通過する光は3次ミラー128まで拡大し、3次ミラー128で光は反射されて左へ戻され、フィールドストップ周辺の4次ミラー130に集中され、この4次ミラー130はさらに光を右へ反射し、ウィンドウ134へ集中させる。光はコールドバッフル136を通ってFPA112へ進む。
【0040】
FPAはセンサ電子装置140と、ビデオセンサデータを誘導装置へ返送するデジタルビデオケーブル142へ結合される。センサ電子装置140はクロックおよびバイアス信号をFPAへ提供し、FPAからのアナログビデオを誘導装置により使用されるデジタルビデオ信号へ変換する。
【0041】
[DACS]
推進システムすなわちDAC106は挿入エラーを除去してターゲットクラウドの少なくとも決定されたターゲット体積および必要ならばクラウドの適切な任意の部分を実行するために姿勢制御およびダイバート操作能力の両者を与えられる。ダイバートシステムはそれぞれ燃料タンク150および酸化剤タンク152を含む双推進システムである。4つのヘリウムタンク154は燃料/酸化剤をタンクからスラスタ156へ押出し、微細姿勢スラスタ158を点火するために使用される。ダイバートスラスタは挿入エラーを除去するダイバート操作と、ターゲットに衝突するための高速度のダイバートを与える。姿勢スラスタはダイバートスラスタが点火されるときに姿勢を維持するために使用される高レベルのスラスタ160を含んでいる。微細姿勢スラスタ158はダイバートスラスタが発火されていないときの姿勢に微細な修正を行うために使用される。自律KVは単一のKVよりも非常に小さい質量を有するが、これはKV質量に対する燃料および酸化剤の質量を調節することにより同じダイバート能力を維持する。したがって7−8MKV迎撃装置が非常に大きいターゲットクラウドをアドレスすることができる。
【0042】
[誘導装置]
誘導装置108はヒートシンク174により分離されている第1および第2のカード170と172を含んでいる。第1のカードはビデオプロセッサおよび一般的プロセッサを含むことができる。第2のカードは電力調節と、起爆管および推進制御のための高電流駆動装置を含むことができる。一般的プロセッサはIMU測定およびセンサビデオからの追跡処理とDACの通信および制御を行う。一般的プロセッサはまたKV配備を管理し、決定されたターゲット体積を遂行するためにKVを自己管理するために指定されたマスターとして動作する能力を提供する。一般的プロセッサは各KVのBITを内部で処理することができ、単一のKVと同じインターフェースを維持するために単一の全般的な健康状態を地上局へ報告する。
【0043】
ビデオプロセッサはセンサ電子装置からデジタルビデオを受信し、ビデオの各画素の特有のオフセットおよびスケールファクタ補正を適用することによりビデオを補正する。ビデオプロセッサはさらに、動作可能ではない画素からの信号を除去し、追跡される潜在的なオブジェクトを識別するために残りの動作可能な画素をしきい値処理する。ビデオプロセッサは特有の潜在的なオブジェクトを識別するために各しきい値の交差を局部化する。ビデオプロセッサはさらに各潜在的なオブジェクトの位置および放射強度を一般的プロセッサへ伝達する。
【0044】
一般的プロセッサは潜在的なオブジェクトと記録上の既存の追跡と比較し、不変のオブジェクトの既存の追跡情報を更新する。一般的プロセッサはいずれのオブジェクトが潜在的な脅威であるかを決定するために各不変のオブジェクトの追跡ファイルの情報についての特徴を計算する。一般的プロセッサはその後、KVが所望のオブジェクトを迎撃することを可能にするKV軌跡を評価し、所望のオブジェクトを迎撃するようにその軌跡を変更するためダイバートスラスタを点火する。
【0045】
図8は感知されたビデオの効率的なSNRをブーストし、したがってセンサの効率的な検出距離または「範囲」を増加するために本発明により変更されたオブジェクトを検出し追跡するようにビデオおよび一般的プロセッサにより実行される標準的なビデオ追跡アルゴリズムを示している。重要なステップはオブジェクトを捕捉し、解像し、弁別し、優先順位を定め、最終的に追跡する「オブジェクト検出」である。開口サイズは単一のKVのものよりも小さいので、少数の光子が集められ、検出範囲は減少される。効率的な開口寸法はセンサ雑音を減少させ、したがってSNRを増加させるために一時的にビデオフレームを平均することにより増加されることができる。これを効率的に行うため、フレームはフレームからフレームへセンサとオブジェクトの相対運動のために補償されなければならない。弾道軌跡上の2つのオブジェクト(ターゲットとKV)の相互への接近速度では、これは通常は難しい挑戦である。しかしながら、オブジェクトを「追跡」するために、誘導システムは新しい観察を既存の不変のオブジェクトトラックに相関するためにそれぞれの捕捉されたフレームにおける必要とされる運動補償データを生成しなければならない。このデータはしたがって標準的なビデオ追跡アルゴリズムから取出され、本体からセンサへ、その後ビデオ座標へ変換される。標準的なアルゴリズムに対する変更は破線で示されている。この簡単なx、y変換(長距離のターゲットは点放射源として現れ、したがって回転/スケーリングは必要とされない)はその後フレーム積分器に与えられる。結果として、フレームのSNRは連続的なフレームをシフトおよび付加するためにKV上に付加的なハードウェアおよび最小の処理なしに約2−3倍に顕著に改良される。
【0046】
ベースラインビデオ追跡アルゴリズムは本体追跡チャンネル(線200の上部)とセンサチャンネル(線200の下部)を含んでいる。一般的プロセッサは本体追跡チャンネルに対するデータおよびアルゴリズムを処理し、ビデオプロセッサはセンサチャンネルに対するセンサデータおよびアルゴリズムを処理する。
【0047】
本体追跡チャンネルは慣性測定202をIMUから受信し、それを温度、湿度、非直交性等について補償し(ステップ204)、KVナビゲーションアルゴリズムへ入力し(ステップ206)、それは初期KV状態208(位置および方位と発射時間)と、その現在位置および方位を与えるようにKVの軌跡を積分するため更新されたIMU測定とを使用する。それと並行して、初期ターゲット状態212が迎撃装置へアップロードされたならば、ターゲット状態伝播アルゴリズム(ステップ210)は例えばターゲットパスを予測するためのカルマンフィルタと、その後のトラック更新236を使用する。KVナビゲーションおよびターゲット状態伝播アルゴリズムの出力はKVおよびターゲット214の相対的な慣性状態を与える。この相対的な慣性状態はその後中心視線(LOS)座標系に変換される(ステップ216)。この変換は「経歴」フレームを変換し、それによってこれらは現在のフレームと一致し、同じオブジェクトは同じ場所に現れ、追跡を可能にし、新しいオブジェクトならば新しい追跡が開始されることを可能にする。
【0048】
示されているようにセンサチャンネルはデジタルビデオ222aと222bの2つのチャンネルを発生する2色の電子光学センサ220を含んでいる。各チャンネルはその後利得、オフセット等について補償される(ステップ224aと224b)。ベースラインアルゴリズムでは、オブジェクト検出(ステップ226aと226b)は各ビデオフレームについてフレーム中の明るい点を検出するために行われ、オブジェクト数、オブジェクトの寸法、フレームの各オブジェクトの位置を決定しようとする。各フレームにはオブジェクト情報がタグ付けされる。フレームはそのビデオ座標スペースからセンサ座標スペースへ変換され(ステップ228aと228b)、その後本体の中心座標スペースへ変換される(ステップ230)。2(以上の)チャンネルからの情報は融合され(ステップ232)、既存のオブジェクトトラックとの相関のために追跡装置へ送られる。追跡装置は追跡アルゴリズムを実行するために現在のフレームと運動補償された経歴フレームのオブジェクト検出情報を使用し(ステップ234)、1以上のオブジェクトトラック236を更新する。一般的プロセッサはその後追跡された各オブジェクトの特性を抽出するためにターゲット弁別アルゴリズムを実行し、最も可能性のある、または最高の優先順位のターゲットを選択する(ステップ240)。本発明の特徴では、弁別決定およびターゲット選択を増加するかまたはオーバーライドする可能性がある情報が空対地通信ノードを介して地上局から、またはマスターKVから与えられることができる(ステップ242)。例えば地上局は他のセンサからの付加的および良好な情報を有することができる。マスターKVは他の配備されたKVからの情報を有することができ、情報を合成して全てのKVのターゲット選択と優先順位を調整する。ターゲット選択および優先順位決定はその後、選択されたターゲットを遂行するために誘導装置へ移行される。
【0049】
本発明によれば、ステップ216で1以上(典型的に3乃至30フレーム)の(各色に対する)運動補償された経歴フレームが、ステップ230とステップ228aおよび228bの変換を通して戻されることにより本体中心座標システムからビデオ座標システムへ返送される(ステップ244)。現在および経歴フレームはフレームのSNRを改良するために積分され(ステップ246aと246b)、オブジェクト検出アルゴリズムへ送られる。フレームの積分は各ビデオフレームに対する積分されたフレームを出力するスライディングウィンドウであってもよく、または全システム設計に応じて各N個のビデオフレームの積分されたフレームを出力できる。SNRの改良はセンサとKVの効率的な捕捉範囲を増加することによって非常に確実にオブジェクトを検出するオブジェクト検出アルゴリズム能力を強化する。
【0050】
[質量予算]
図5に示されている自律KVと本発明による図1に示されている迎撃装置(“A−MKV”)を標準的な単一のKV(“UKV”)の単一のKVと同時係属出願の別のMKV迎撃装置(“CV−KV”)に対して比較した質量予算が図9の表300に示されている。表の上部は単一のKVの比較を示し、下部はCVまたはアダプタと(ブースタ段を除く)1以上のKVを含めた全体的な迎撃装置ペイロードの比較を示している。
【0051】
A−MKVの開発において、比較可能な自律能力と運動範囲を維持し、簡単なおとりの弁別能力を保有しながら、UKVの質量は66.23kgから29.16kgまで減少されている。A−MKVは、クライオガス供給においてアダプタについての機能を中央化することにより4kg、受動EOセンサで3.4kg(3の代わりに1FPAと8インチの代わりに6インチの開口)、誘導装置で3kg(処理するFPAを少なくし、上昇期間中の手段のオン切換えを遅延し、熱負荷を少なくする)、電池で0.40kg(上昇期間中にアダプタ電池を使用して)、通信で2kg(空対地システムの代わりに局部的な空対空通信システムで置換する)減少される。付加的な質量節約はハーネス、IMU、遠隔測定、およびバラストで実現されている。GPS能力の付加は0.23kg付加する。最大の質量節約はこれらの変更を推進システムを通して縦続させることにより得られる。表に示されているように、UKV推進システムは33.46kgであり、一方A−MKV推進システムは16.05kgに過ぎず、その質量は約半分である。クライオガス供給の顕著な例外によって、総KV重量の割合としての質量はほぼA−MKVおよびUKVで同じである。A−MKV迎撃装置はこの例では7つのKVを発射して配備するので、A−MKVの迎撃装置の全質量(303.82kg)はUKV(96.73)よりもかなり大きい。結果として、実行可能な体積はUKVの体積の約7倍である。さらに迎撃装置の質量は非常に大きいが、これは既存のブースタ段の350kg容量内である。
【0052】
A−MKVを、捕捉および弁別センサ能力をCVに中央化したCV−KVと比較すると、CV−KVは11.65kgに過ぎないことが注目される。しかしながらCV−KVはミッションプランの分離後に自律して動作できず、限定された運動範囲を有するという性能ペナルティを有する。ブースタは2倍多くのKVを発射することができるが、実行可能な体積は各KVの運動範囲が限定されているためにA−MKVよりも非常に少ない。さらに個々のCV−KVで見られる質量の節約はCVセンサとターゲット指示子に関連される大きい体積と、挿入エラーを軽減するために必要とされる推進により相殺される。
【0053】
[既存のインフラストラクチャおよび組込み試験(BIT)との適合性]
迎撃装置アーキテクチャのこのような変化は、既存の発射サイロおよび飛行中の通信アーキテクチャおよび単一のKV用に設計されたインターフェースで確認されるように考えられる。しかしながら多数の自律KVを有する提案されたMKV迎撃装置は完全な適合能力を与えることができる。インフラストラクチャはMKV迎撃装置設計によりサポートされる付加的な能力を与えるように更新されることができる。
【0054】
サイロでは、発射インターフェース装置は迎撃装置上の1つの単一のKVに連絡するように構成される。これに適合するために、アダプタは発射インターフェース装置と、発射前および上昇相期間中に他のKVまたは全てのKVへ連絡する指定されたマスターKVに連絡するように構成される。分離後では、指定されたマスターはアダプタまたはマスターKVのいずれかに位置される空対地ノードを介して地上と連絡する。単一のマスターは全ての地上通信を調整し、異なるKVから受信されたデータを融合し、決定されたターゲット体積および特別なターゲットにKVを割当てる。最初に指定されたKVが失われるならば、多数から全てのKVはマスターケパブルであるように構成される。宇宙通信ノードがアダプタ上に存在するならば、代わりのマスターKVは同じ能力を保持する。宇宙通信ノードが最初に指定されたKVに位置されるならば、ミッションプランへの更新を受信する能力は失われるが、マスターKVは既存のミッションプランを実行するために全てのKVを依然として配備することができる。宇宙通信ノードに関連される単一点の故障は他のKV上の冗長スペース通信ノードを提供することにより改善されることができる。しかしながら図7の(a)および(b)で前述されているように、現在の構造では、宇宙通信ノードを含めることはセンサシステムを除去し、KVの運動範囲を減少するかまたは通信KVの質量を増加させる。
【0055】
発射インターフェース装置との適合能力を維持するために、MKV迎撃装置の1実施形態は発射前のBIT中に全てのKVを含めない。典型的に、この試験はシステムの全ての素子が発射前に動作順序になっていることを確実にする。試験をKVのサブセットに限定することは発射前のシーケンスのこの段階の期間中にブースタに与えられる外部パワーを制限することにより強く要求される。KVのサブセットだけを試験する効果は最小である。第1に、全てのシステムレベルの単一点の故障は依然としてチェックされる。チェックされない素子はこれらが多数のKV上にあるので本質的に冗長である。これらの素子中の故障は減少されたシステム能力を生むが故障を完了しない。さらに、全てのKVは通常の発射前BITに加えて規則的なスケジュールでサブセットのKVを回転することにより試験されることができる。その代わりに、アダプタプロセッサは各KVでBITを実行し全てのKVの全般的な健全な状態を報告するように構成されることができる。
【0056】
[MHV迎撃装置ミッションシーケンス]
前述のMKV迎撃装置を使用して大気圏外のターゲットを迎撃するためのMHV迎撃装置ミッションシーケンスは図10乃至13に示されている。
【0057】
図10に示されているように、敵のミサイル400は弾頭軌跡402上で味方のターゲットに向けて発射される。MIRV弾頭404はブースト段406と、通常は弾道軌跡をたどるターゲットクラウド412の多数の再突入ビークルRV(ターゲット)408と精密でないおとり、チャフ(chaff;妨害片)等から分離する。ターゲットは大気中に再突入する時に偶然に、またはミサイル防衛システムに対抗するために意図的にこの軌跡から偏差することができる。
【0058】
ミサイル防衛システムは多数の外部システム、例えばミサイルの発射を検出し、その脅威を評価し、外部のターゲットキュー(弾道軌跡、捕捉のための時間、RV数等)を決定する衛星414、レーダ装置416、その他のセンサプラットフォーム等を含んでいる。防衛システムは発射前にパワーアップと迎撃装置のBITを開始するためにサイロ(または複数のサイロ)418に結合(engage)する。サイロの発射インターフェース装置はパワーアップし、ブースタ、アダプタ、KVに対して連続してBITを行い(ステップ420、422、424)、その一方で並行して各素子が迎撃装置432についてのBITをパスしたときブースタ、アダプタ、KVミッションデータをロードする(ステップ426、428、430)。KVミッションデータのロードは、決定されたターゲット体積に対応するために各KVで、およびミッションプラン全体を遂行するため少なくとも1つのマスターKVでアダプタプロセッサにより行われる割当てを含んでいる。サイロは外部ターゲットキューに基づいて初期迎撃装置軌道436に沿って迎撃装置432を発射するように第1段のブースタを点火する(ステップ434)。迎撃装置は地上ベースのレーダ装置438により適切に追跡され、そのダイバートおよびACSシステムと結合し、初期迎撃軌道上に迎撃装置を位置させる。飛び立つと、迎撃装置は第1のブースタ段を落とし、次に第2のブースタ段を落とし、シュラウドを放棄する。
【0059】
地上局440はターゲットクラウドの位置についての最新情報、ターゲット弁別情報等、およびブースタ、アダプタ、KVに対する迎撃装置へのアップリンク更新されたミッションプランを得るために衛星414、レーダ装置416および438、およびその他のセンサプラットフォームから情報を集め続ける(ステップ442、444、446)。上昇期間中、アダプタのクライオ冷却システムは各KVの固体−気体アイスブロックを形成するために付勢される(ステップ448)。第3段のブースタの燃焼が終了すると(ステップ450)、アダプタはKV452を解放し(ステップ454)、これらをアダプタおよび相互から安全に離して展開するために分離のための燃焼を行う(ステップ456)。
【0060】
展開されると、地上局440はアダプタ458上の宇宙通信ノードを介して別の更新をマスターKV460へ送信する(ステップ462)。現在指定されたマスターKVが認識されず、またはその存在が確認されないならば、次のマスターケパブルKVがそのようにして指定される。マスターKV460は配備プランを公式化し、それを各他のKV452へ送信する(ステップ464)。各KVおよびKVクラウドの「自律」能力の重要な特徴は、ミッションプランを最も効率的に遂行するための配備プランの公式化である。KVクラウドおよび個々のKVの展開は地上局またはアダプタにより制御されるのではなく、KV自体により制御される。アップロードされたミッションプランはターゲットクラウドを捕捉するためにKVに対する十分な情報を提供するためにのみ必要とされる。マスターKVはクラウドの最も重要なメンバーを破壊するためにKVを最適に配備する方法を決定する。
【0061】
このローカルネットワークの中央管理は変化する状況および新しい情報に適合し、ミッションの遂行を最適化するようにKVの能力を強化する。各KVの展開配備のプランは単に決定されたターゲット体積の座標であることができ、または地上からアップリンクされマスターで利用可能な情報にしたがって定められたターゲット体積内に特別なターゲット情報を含むことができる。
【0062】
図12に示されているように、各KVはターゲットクラウド412の任意の部分を処理するための運動範囲を有する。これはより多くのまたはより高い優先順位のターゲットを有するクラウドの一部分により多くのKVを割当て、または付加的な情報が集められるときKVに再度タスクを与えるためにより大きなフレキシブル性をマスターKVに与える。さらに、マスターKVはターゲットの局部化および特にターゲットの弁別を改良するために個々のKVからのセンサ情報を合成することができる。各KVは大きい単一のKVよりも弁別能力が劣っていてもよいが、KVクラウドはより良好な能力を有することができる。このタイプの「連携交戦」は脅威を処理するためにKVを効率的に配備するのに非常に強力である。
【0063】
KVの配備プランが受信されると、各KVは迎撃装置の任意の挿入エラーを緩和するために挿入バーンを行う(ステップ466)。KVはそれ自体をそれらの決定されたターゲット体積を捕捉するために方位を与えられ(ステップ468)、割当てられたターゲットを捕捉するためにデータを集める(ステップ470)。KVはそれぞれのターゲット体積についてのトラックおよび弁別情報をマスターKVへ返送し(ステップ472)、マスターKVは配備プランを更新し(ステップ474)、それをKVへ送信する(ステップ476)。このプロセスは時間が許す限り、1回以上反復されることができる。マスターKVが失われたならば、次の指定されたマスターKVがその役目を行う。任意のマスターとの接触が失われたならば、KVはそれらの最後に更新された配備プランを実行する。この点で、図13に示されているように各KVはそのターゲット478をその決定されたターゲット体積480から選択し(ステップ482)、迎撃装置483へのターミナルホーミングを行う(ステップ484)。特定のターゲットはマスターにより割当てられることができ、それによってスレーブKVはオブジェクトを解像し、それが割当てられ他オブジェクトに衝突しなければならないだけである。反対に、KVは体積において最良のターゲットを迎撃するように命令されることができ、この場合KVは幾らかの弁別を行わなければならない。地上局により与えられおよび/またはマスターKVにより合成されたターゲットの局部化情報が十分に良好であるならば、決定されたターゲット体積はターゲットだけが含まれるように十分小さくてもよい。
【0064】
本発明の幾つかの例示的な実施形態を示し説明したが、変形及び別の実施形態が当業者により行われるであろう。このような変形及び代わりの実施形態が考慮され、特許請求の範囲で規定されているように本発明の技術的範囲から逸脱せずに行われることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】ブースタ段、ブースタにより打ち上げられるキャリアビークル、解放されるようにキャリアビークルにより支持される複数の自律KVを含んでいるMKV迎撃装置の概略図。
【図2】KVとインターフェースするアダプタの概略的なブロック図。
【図3】アダプタの概略図。
【図4】分離前のKVの上にアイスブロックを形成するためのアダプタクライオシステムの概略図。
【図5】KVの1実施形態を示す図。
【図6】KV上のコンポーネントを示す図。
【図7】空対地データリンクを含むように変形されたKVの別の実施形態の概略図。
【図8】感知された画像の運動を補償し一時的に平均するために既存の追跡情報を使用するビデオ処理システムのブロック図。
【図9】単一のKV、CV上の捕捉/弁別センサを有するMKV、本発明のA−MKVの特別な総予算を比較している図表。
【図10】A−MKV迎撃装置のミッションシーケンスを示す図。
【図11】A−MKV迎撃装置のミッションシーケンスのフローチャート。
【図12】KVクラウドおよび個々のKVの運動距離を示す図。
【図13】ターゲットクラウドのその決定されたターゲット体積で交戦するためにダイバートする単一のKVを示す図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットを迎撃するための多弾頭破壊ビークル(MKV)迎撃装置(10)において、
弾頭軌跡上に迎撃装置を発射するためブーストおよび姿勢制御を行うように構成されたブースタ段(12)と、
複数の自律破壊ビークル(KV)(16)と、
ターゲットクラウドと交戦するためのミッションプランを有するKVを発射し展開して配備する期間中にKVをサポートするように構成されるキャリアビークル(CV)アダプタ(14)と、
ミッションプランの更新を受信し、KVの配備およびターゲット交戦についてのミッション情報を送信するためにCVまたは1つの指定されたマスターKV上の双方向の空対地データリンク(48、50、110、111)とを具備し、前記各自律KVは、
他のKVと通信するための双方向の空対地データリンク(100)と、
KVの位置および方位を決定するように構成された慣性測定サブシステム(101)と、
ミッションプランからの明白なターゲット割当てをサポートするためにターゲットクラウドの決定されたターゲット体積を画像化し弁別を行うように構成された受動センササブシステム(104)と、
挿入エラーを除去し、決定されたターゲット体積を追求するための運動範囲を有するダイバート姿勢制御システム(DACS)(106)と、
その固有のKV配備と、指定されたマスターKVにより割当てられた決定されたターゲット体積に対するターゲット交戦を自己管理することができる誘導装置(108)とを具備し、
少なくとも1つの前記KV誘導装置(108)はターゲットクラウドを迎撃するミッションプランを実行するために前記指定されたマスターKVとして分離後のKV配備とターゲット交戦とを管理するように構成されているMKV迎撃装置。
【請求項2】
前記アダプタはKV上の受動センサ(112)を冷却するために、KVの分離後の残留する上昇期間中に前記各KV上にアイスブロックを形成するように構成されたクライオ冷却システム(52)を支持している請求項1記載のMKV迎撃装置。
【請求項3】
前記アダプタはさらに上昇期間中に電力をKVへ供給する信号調整装置(34)と、
ターゲットクラウドと交戦するためのミッションプランを受信し処理し、ターゲットクラウドの指定されたターゲット体積を各KVに割当て、少なくとも1つの指定されたマスターKVの分離前のミッションプラン全体を送るプロセッサ(46)をサポートする請求項1および2記載のMKV迎撃装置。
【請求項4】
前記慣性測定システムはターゲット画像のフレーム毎に追跡するデータを提供し、各KVはさらに、
雑音を減少されたターゲット画像を生成し前記雑音の減少されたターゲット画像中のオブジェクトを検出するために受動センサシステムにより捕捉された多数のターゲット画像を運動補償し時間的に平均するために既存のフレーム毎に追跡するデータを使用するビデオプロセッサ(170)と、
雑音の減少されたターゲットを既存のターゲット追跡と相関するためにフレーム毎に追跡データを使用する追跡装置(170)とを具備している請求項1記載のMKV迎撃装置。
【請求項5】
各KVの誘導装置は指定されたマスターKVとして分離後のKVの配備およびターゲット交戦を管理するように構成されている請求項1および2記載のMKV迎撃装置。
【請求項6】
前記双方向の空対地リンクはCVアダプタ(14)上に設けられている請求項1記載のMKV迎撃装置。
【請求項7】
ターゲットを迎撃するための多弾頭破壊ビークル(MKV)迎撃装置において、
弾頭軌跡上に迎撃装置を発射するためにブーストおよび姿勢制御を行うように構成されたブースタ段(12)と、
複数の自律破壊ビークル(KV)(16)と、
ターゲットクラウドと交戦するためのミッションプランを有するKVを発射し展開して配備する期間中にKVをサポートするように構成されているキャリアビークル(CV)(14)とを具備し、
前記各KVは運動範囲を与える推進システムと、指定されたマスターKVとしてミッションプランにしたがって分離後のKV配備およびターゲット交戦を自律的に管理し、ミッションプランの分離後における更新を必要とせずに指定されたマスターKVにより割当てられた決定されたターゲット体積についてのその固有のKV配備およびターゲット交戦を自己管理するための誘導システムを有する多弾頭破壊ビークル(MKV)迎撃装置。
【請求項8】
前記CV(14)は推進および、挿入エラーを除去する感知能力を含んでいない請求項7記載のMKV迎撃装置。
【請求項9】
前記CVは、
KV上の受動センサを冷却するために、分離後にKVと共に残留する上昇期間中に前記各KV上にアイスブロックを形成するように構成されたクライオ冷却システム(52)と、
上昇期間中に電力をKVへ供給する信号調整装置(34)と、
ターゲットクラウドと交戦するためのミッションプランを受信して処理し、ターゲットクラウドの指定されたターゲット体積を各KVに割当て、ミッションプラン全体を少なくとも1つの指定されたマスターKVに分離前に送るプロセッサ(46)とを具備している請求項7記載のMKV迎撃装置。
【請求項10】
分離後、前記指定されたマスターKV(16)はCVを介してミッションプランに対する任意の更新を受信し、KV配備を更新して他のKVへ送信し、他のKVは挿入エラーを軽減し決定されたターゲット体積を捕捉するために挿入燃焼を行う請求項7記載のMKV迎撃装置。
【請求項11】
前記指定されたマスターKV(16)は決定されたターゲット体積についてのデータを配備されたKVから受信し、KV配備を更新して、それを他のKVへ送信し、他のKVはその後決定されたターゲット体積の最終的な交戦を自己管理する請求項10記載のMKV迎撃装置。
【請求項1】
ターゲットを迎撃するための多弾頭破壊ビークル(MKV)迎撃装置(10)において、
弾頭軌跡上に迎撃装置を発射するためブーストおよび姿勢制御を行うように構成されたブースタ段(12)と、
複数の自律破壊ビークル(KV)(16)と、
ターゲットクラウドと交戦するためのミッションプランを有するKVを発射し展開して配備する期間中にKVをサポートするように構成されるキャリアビークル(CV)アダプタ(14)と、
ミッションプランの更新を受信し、KVの配備およびターゲット交戦についてのミッション情報を送信するためにCVまたは1つの指定されたマスターKV上の双方向の空対地データリンク(48、50、110、111)とを具備し、前記各自律KVは、
他のKVと通信するための双方向の空対地データリンク(100)と、
KVの位置および方位を決定するように構成された慣性測定サブシステム(101)と、
ミッションプランからの明白なターゲット割当てをサポートするためにターゲットクラウドの決定されたターゲット体積を画像化し弁別を行うように構成された受動センササブシステム(104)と、
挿入エラーを除去し、決定されたターゲット体積を追求するための運動範囲を有するダイバート姿勢制御システム(DACS)(106)と、
その固有のKV配備と、指定されたマスターKVにより割当てられた決定されたターゲット体積に対するターゲット交戦を自己管理することができる誘導装置(108)とを具備し、
少なくとも1つの前記KV誘導装置(108)はターゲットクラウドを迎撃するミッションプランを実行するために前記指定されたマスターKVとして分離後のKV配備とターゲット交戦とを管理するように構成されているMKV迎撃装置。
【請求項2】
前記アダプタはKV上の受動センサ(112)を冷却するために、KVの分離後の残留する上昇期間中に前記各KV上にアイスブロックを形成するように構成されたクライオ冷却システム(52)を支持している請求項1記載のMKV迎撃装置。
【請求項3】
前記アダプタはさらに上昇期間中に電力をKVへ供給する信号調整装置(34)と、
ターゲットクラウドと交戦するためのミッションプランを受信し処理し、ターゲットクラウドの指定されたターゲット体積を各KVに割当て、少なくとも1つの指定されたマスターKVの分離前のミッションプラン全体を送るプロセッサ(46)をサポートする請求項1および2記載のMKV迎撃装置。
【請求項4】
前記慣性測定システムはターゲット画像のフレーム毎に追跡するデータを提供し、各KVはさらに、
雑音を減少されたターゲット画像を生成し前記雑音の減少されたターゲット画像中のオブジェクトを検出するために受動センサシステムにより捕捉された多数のターゲット画像を運動補償し時間的に平均するために既存のフレーム毎に追跡するデータを使用するビデオプロセッサ(170)と、
雑音の減少されたターゲットを既存のターゲット追跡と相関するためにフレーム毎に追跡データを使用する追跡装置(170)とを具備している請求項1記載のMKV迎撃装置。
【請求項5】
各KVの誘導装置は指定されたマスターKVとして分離後のKVの配備およびターゲット交戦を管理するように構成されている請求項1および2記載のMKV迎撃装置。
【請求項6】
前記双方向の空対地リンクはCVアダプタ(14)上に設けられている請求項1記載のMKV迎撃装置。
【請求項7】
ターゲットを迎撃するための多弾頭破壊ビークル(MKV)迎撃装置において、
弾頭軌跡上に迎撃装置を発射するためにブーストおよび姿勢制御を行うように構成されたブースタ段(12)と、
複数の自律破壊ビークル(KV)(16)と、
ターゲットクラウドと交戦するためのミッションプランを有するKVを発射し展開して配備する期間中にKVをサポートするように構成されているキャリアビークル(CV)(14)とを具備し、
前記各KVは運動範囲を与える推進システムと、指定されたマスターKVとしてミッションプランにしたがって分離後のKV配備およびターゲット交戦を自律的に管理し、ミッションプランの分離後における更新を必要とせずに指定されたマスターKVにより割当てられた決定されたターゲット体積についてのその固有のKV配備およびターゲット交戦を自己管理するための誘導システムを有する多弾頭破壊ビークル(MKV)迎撃装置。
【請求項8】
前記CV(14)は推進および、挿入エラーを除去する感知能力を含んでいない請求項7記載のMKV迎撃装置。
【請求項9】
前記CVは、
KV上の受動センサを冷却するために、分離後にKVと共に残留する上昇期間中に前記各KV上にアイスブロックを形成するように構成されたクライオ冷却システム(52)と、
上昇期間中に電力をKVへ供給する信号調整装置(34)と、
ターゲットクラウドと交戦するためのミッションプランを受信して処理し、ターゲットクラウドの指定されたターゲット体積を各KVに割当て、ミッションプラン全体を少なくとも1つの指定されたマスターKVに分離前に送るプロセッサ(46)とを具備している請求項7記載のMKV迎撃装置。
【請求項10】
分離後、前記指定されたマスターKV(16)はCVを介してミッションプランに対する任意の更新を受信し、KV配備を更新して他のKVへ送信し、他のKVは挿入エラーを軽減し決定されたターゲット体積を捕捉するために挿入燃焼を行う請求項7記載のMKV迎撃装置。
【請求項11】
前記指定されたマスターKV(16)は決定されたターゲット体積についてのデータを配備されたKVから受信し、KV配備を更新して、それを他のKVへ送信し、他のKVはその後決定されたターゲット体積の最終的な交戦を自己管理する請求項10記載のMKV迎撃装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2009−535595(P2009−535595A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557478(P2008−557478)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2007/062939
【国際公開番号】WO2008/066938
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(503455363)レイセオン カンパニー (244)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2007/062939
【国際公開番号】WO2008/066938
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(503455363)レイセオン カンパニー (244)
【Fターム(参考)】
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