説明

自然にエアバルブを開く気体密封シート

【課題】自然にエアバルブを開く気体密封シートの提供。
【解決手段】2枚の内フィルム間のあらかじめ定めた区域に耐熱材料を塗布し2枚の外フィルムの間に重ね合わせて熱融着してエア注入チャネル9と複数のエアカラム6を形成し、内フィルムの耐熱材料塗布箇所にヒートシールでエア進入口を形成し、エア注入チャネル内に熱融着して複数のヒートシール区域5を形成し、複数のヒートシール区域が第1横方向ヒートシール線3a近くの一側から他側に向かい徐々に窄まっており、空気充填時、エア注入チャネルの外フィルムが縦方向上において外側に向かい引っ張られて開き、エア注入チャネルが横方向においてヒートシール区域が落差を形成するため緊縮し、複数のヒートシール区域が内フィルムを押して縦方向上において外側に向かい引っ張り開かせ、エア進入口を開き、気体がエアカラムに進入した後内フィルムが圧迫されてエアカラムが封鎖される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は気体密封シート及びその製造方法に関し、特に自然にエアバルブを開く気体密封シート及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
気体密封シートは樹脂フィルムを材料として、ヒートシールで密封状態としたエアカラムを形成し、且つ空気充填に用いる空気充填口を備え、気体を空気充填口からエアカラムに注入した後、気体密封シートを梱包内部の緩衝材料として用いることができる。
【0003】
従来の気体密封シートの構造は、例えば日本の実用新案公報実開平第5−95851号「流体用密封袋」案があるが、これは各密封袋に相互に独立した逆止弁を設置し、且つ各逆止弁の上端部の流入口とヒートシール線をそろえて一緒に融着し、気体をエア注入チャネルに注入すると、エア注入チャネルが膨張して逆止弁を開き、気体を密封袋内に導入することができるものである。しかしながら、このような構造は各逆止弁が相互に独立しているため、各密封袋にそれぞれ空気を充填する必要があり、同時に複数の密封袋に対して空気を充填することができず、さらに、その製造時非常に手間がかかり、各逆止弁を一つ一つ密封袋内のあらかじめ定めた位置に配置し、さらにヒートシールで融着しなければならず、逆止弁の配置位置またはヒートシールの融着位置がずれると、逆止弁を密封袋内に固定することができなくなったり、上端部の流入口がヒートシールで融着されるヒートシール線を超えてしまい、気体をエア注入チャネルに注入したとき、エア注入チャネルは膨張するものの、逆止弁がエア注入チャネルの膨張に伴って開かなくなり、気体を密封袋内に導入することができなくなったりする。
【0004】
別の気体密封シートの構造は、台湾特許第00587049号「密封シートの開閉弁の取り付け構造及び開閉弁を備えた密封シートの製造装置」があるが、そのうち空気が進入する密封シートの開閉は2枚の内フィルムと一側の外フィルムを相互に接着して形成した開閉弁の通路を採用しており、空気を充填すると、密封シートが膨張して通路を遮断するようにしたものであり、この開閉弁はいかに密封シートの空気を遮断して漏れ出さないようにするかのみを描写しているが、空気導入チャネルに気体を注入して膨張させると、2枚の外フィルムが気体により押され外側に向かって引っ張られて開いても、開閉弁は2枚の外フィルムの作動に伴い外側に向かって引っ張られて開かないため、開閉弁の2枚の内フィルムが相互に貼り付き、空気通路の入口を開くことができず、その設計どおりに従った場合、空気を自動的に密封シート内に導入させることはできない。
【0005】
このため、いかに密封シートを設計し、自動的にエア進入口を開かせ、連続して空気を充填できるようにし、空気充填の時間を節約すると共に、空気充填時に自動的に空気充填を止め、且つ止めた後に自動的に空気を封鎖し、長時間空気が外部に漏れ出ないよう保持でき、且つ製造工程を簡略化し、歩留まりを向上するかが、本発明の発明者及び関連産業の技術分野に従事する者が直面している技術的課題である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平5−95851号公報
【特許文献2】台湾特許第00587049号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これに鑑みて、本発明の目的は、自然にエアバルブを開く気体密封シートとその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の自然にエアバルブを開く気体密封シートは、上下に重ね合わされた2枚の外フィルムと、2枚の外フィルムの間に介在された2枚の内フィルムと、2枚の内フィルムの間に塗布された少なくとも1つの耐熱材料と、2枚の内フィルムと2枚の外フィルムを融着する第1横方向ヒートシール線と、2枚の外フィルムの二端に位置し、2枚の外フィルムを融着する複数の第2横方向ヒートシール線と、第1横方向ヒートシール線といずれか1つの第2横方向ヒートシール線の間の2枚の外フィルム内に位置し、かつ気体の注入に用いる空気充填口を備えたエア注入チャネルと、2枚の外フィルムと2枚の内フィルムを融着する複数の縦方向ヒートシール線と、第1横方向ヒートシール線、別の第2横方向ヒートシール線及び複数の縦方向ヒートシール線の間の2枚の外フィルム内に位置する複数のエアカラムと、ヒートシール手段で2枚の外フィルムと2枚の内フィルムを融着し、2枚の内フィルムの耐熱材料を塗布した箇所と第1横方向ヒートシール線が重なり合う箇所に形成され、エア注入チャネルと複数のエアカラムを連通する複数のエア進入口と、少なくとも一部がエア注入チャネル内に位置し、2枚の外フィルムと2枚の内フィルムを融着しており、第1横方向ヒートシール線近くの一側から他側に向かって徐々に窄まっている複数のヒートシール区域とを含み、そのうち、空気充填口に進入した気体がエア注入チャネルを膨張させると、2枚の外フィルムが縦方向上で外側に向かって引っ張られて開き、横方向上で緊縮され、複数のヒートシール区域が移動されて2枚の内フィルムを圧迫し、2枚の内フィルムの耐熱材料を塗布した箇所が縦方向上において外側に向かって引っ張られて開き、エア進入口が開かれて、気体がエアカラムに進入した後2枚の内フィルムを圧迫し、エアカラムが封鎖される。
【0009】
本発明の自然にエアバルブを開く気体密封シートの製造方法は、2枚の内フィルムを用意し、2枚の内フィルムの間に少なくとも1つの耐熱材料を塗布する工程と、2枚の外フィルムを重ね合わせ、2枚の内フィルムを2枚の外フィルムの間に介在させる工程と、第1横方向ヒートシール線で2枚の内フィルムと2枚の外フィルムを融着し、複数の第2横方向ヒートシール線で2枚の外フィルムを融着し、そのうち、複数の第2横方向ヒートシール線が2枚の外フィルムの二端に位置し、第1横方向ヒートシール線といずれかの第2横方向ヒートシール線の間の2枚の外フィルム内にエア注入チャネルが形成され、エア注入チャネルが気体の注入に用いる空気充填口を備え、かつ2枚の内フィルムの耐熱材料を塗布した箇所と第1横方向ヒートシール線が重なり合う箇所に複数のエア進入口が形成される工程と、複数の縦方向ヒートシール線で2枚の外フィルムと2枚の内フィルムを融着し、第1横方向ヒートシール線、別の第2横方向ヒートシール線及び複数の縦方向ヒートシール線の間の2枚の外フィルム内に複数のエアカラムが形成され、複数のエアカラムが複数のエア進入口によりエア注入チャネルに連通される工程と、2枚の外フィルムと2枚の内フィルムを融着し、複数のヒートシール区域を形成し、そのうち複数のヒートシール区域の少なくとも一部がエア注入チャネル内に位置し、かつ第1横方向ヒートシール線に近い一側から他側に向かって徐々に窄まっている工程と、を含む。
【0010】
本発明のエア注入チャネルはあらかじめ定めた位置にヒートシールでヒートシール区域をあらかじめ形成し、気体を充填して膨張すると、2枚の外フィルムが気体の押圧を受け外側に向かって引っ張られて開き、ヒートシール区域を設置していないところがあるため空気の充填で落差が生じ、このため空気充填で2枚の外フィルムが縦方向上において外側に向かって引っ張られて開き、かつ横方向上において緊縮し、2枚の外フィルムが横方向上において緊縮するとき、複数のヒートシール区域が2枚の内フィルムを押して、2枚の内フィルムの耐熱材料を塗布した箇所が縦方向上において押圧を受けて収縮を形成し、これにより自然にエア進入口が開いて、エア注入チャネル内の気体が複数のエア進入口から各エアカラムに導入される。
【0011】
本発明の最良の実施例及びその効果について、図面を組み合わせて以下で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例1の空気充填後の立体概略図である。
【図2A】本発明の実施例1の空気充填前の平面図1である。
【図2B】本発明の実施例1の空気充填前の平面図2である。
【図3】本発明の実施例1の空気充填後の断面図である。
【図4】本発明の実施例1に異なるエア注入チャネルを設置した概略図である。
【図5】本発明の実施例2の概略図である。
【図6】本発明の実施例2の空気充填後の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[実施例1]
図1、図2A、図2B、図3、図4に本発明の自然にエアバルブを開く気体密封シートの実施例1を示す。
【0014】
本発明の自然にエアバルブを開く気体密封シート1は、2枚の外フィルム2aと2b、2枚の内フィルム1aと1b、耐熱材料1c、エア注入チャネル9、複数のエアカラム6、複数のヒートシール区域5を含む。
【0015】
2枚の外フィルム2aと2bは上下に重ね合わされる。
【0016】
2枚の内フィルム1aと1bは2枚の外フィルム2aと2bの間に介在され、且つ2枚の外フィルム2aと2b内の上端部のやや低い箇所に配置され、2枚の内フィルム1aと1bの幅は2枚の外フィルム2aと2bと同じであり、長さは外フィルム2aと2bより短く、各内フィルムは相対する第1側辺11と第2側辺12を備えている。このほか、2枚の内フィルム1aと1bは第1側辺11の間に複数の耐熱材料1c(図2A参照)が塗布され、耐熱材料1cを空気が流通できる通路として利用するが、本発明はまた2枚の内フィルム1aと1bの間に第1側辺11と等しい長さのストリップ状の耐熱材料1c(図2B参照)を塗布してもよい。
【0017】
第1横方向ヒートシール線3a、第2横方向ヒートシール線3bに沿ってヒートシール手段でヒートシールを行い、2枚の外フィルム2aと2b及び2枚の内フィルム1aと1bを融着し、2枚の外フィルム2aと2bに気体が流通できるエア注入チャネル9を形成し、且つエア注入チャネル9の一端に空気充填口9aを形成する。第2横方向ヒートシール線3cに沿ってヒートシール手段でヒートシールを行い、2枚の外フィルム2aと2bを融着し、かつ複数の縦方向ヒートシール線3dに沿って外フィルム2aと2b及び2枚の内フィルム1aと1bを融着し、2枚の外フィルム2aと2bの間に複数のエアカラム6を形成する。2枚の内フィルム1aと1bの間に耐熱材料1cを塗布した後、ヒートシール手段で融着し、第1横方向ヒートシール線3aが重なり合う箇所に複数のエア進入口2eを形成し、且つ各エア進入口2eが各エアカラム6に対応し、2枚の内フィルム1aと1bにより同時に複数のエアカラム6に対して空気を充填できる連続性エアバルブを構成する。
【0018】
続いてヒートシール手段で2枚の外フィルム2aと2b及び2枚の内フィルム1aと1bを融着し、複数のエア進入口2eの側辺のあらかじめ定めた位置に複数のヒートシール区域5を形成する。ここで、ヒートシール区域5はエア注入チャネル9内に位置し、かつ第1横方向ヒートシール線3a近くの一側から他側(第1横方向ヒートシール線3aから離れた一側)に向かって徐々に窄まっている。このほか、2つの相隣するヒートシール区域5の間にエア導入路4が形成され、且つエア導入路4は2枚の内フィルム1aと1bの間に位置し、エア進入口2eに連接される。全体を見ると、2つの相隣するヒートシール区域5は概ね山状を呈し、エア導入路4は概ね谷状を呈する。
【0019】
空気充填口9aに進入した気体がエア注入チャネル9を膨張させた後、2枚の外フィルム2aと2bが縦方向上において外側に向かって引っ張られて開き、2枚の外フィルム2aと2bが平面状態から膨張して弧度を有する立体状になり、ヒートシール区域5を設置していない箇所は空気の充填を受けて膨張し、ヒートシール区域5を設置した箇所は空気が充填されて膨張することがないため、エア注入チャネル9は空気充填時に自然の落差で横方向上において緊縮を形成し、エア注入チャネル9を形成する2枚の外フィルム2aと2bが緊縮して、横方向上において位置移動を発生し、ヒートシール区域5を利用して2枚の内フィルム1aと1bを押し、2枚の内フィルム1aと1bを縦方向上において外側に向かって引っ張り開かせ、自動的にエア進入口2eを開かせる。即ち、概ね山状を呈するヒートシール区域5が谷状を呈するエア導入路4を押し、エア導入路4の2枚の内フィルム1aと1bを外側に向かって引っ張り開かせ、2枚の内フィルム1aと1bのあらかじめ耐熱材料1cを塗布した後にヒートシールで形成した開口を自然に開かせる。
【0020】
エア進入口2eが自動的に開くため、1つのエア注入チャネル9で同時に複数のエアカラム6に対して空気を充填でき、各エア進入口2eに対し位置を合わせて空気を充填する必要がなく、空気充填の時間を節約でき、且つ各エアカラム6が相互に独立しているため、一部のエアカラム6が破損しても気体密封シート1の全体の緩衝効果には影響しない。
【0021】
充填された空気はエア導入路4及びエア進入口2eからエアカラム6に進入した後、エアカラム6の気体の内部圧力が2枚の内フィルム1aと1bの第2側辺12を圧迫し、2枚の内フィルム1aと1bを相互に貼付させ、エアカラム6を封閉し、気体が外部に漏れ出ないようにして空気封鎖の効果を達する。ここで、2枚の内フィルム1aと1bは気体の圧迫を受けてエアカラム6内に懸垂されるか、或いは2枚の内フィルム1aと1bはいずれかの外フィルム2aまたは2bと相互に融着し、気体がエアカラム6に進入した後、2枚の内フィルム1aと1bを圧迫し、外フィルム2aまたは2bに貼付させてエアカラム6を封鎖してもよい。
【0022】
このほか、2枚の内フィルム1aと1bを2枚の外フィルム2aと2bの間に重ね合わせて配置する前に、2枚の内フィルム1aと1bをヒートシール手段で融着し、エアチャネル14を形成してもよい。エアチャネル14はエア進入口2eに連接され、且つエア進入口2eに連接された一端の幅が他端の幅より大きく、エア進入口2eの気体が進入しやすく、出にくくさせる。ここで、エアチャネル14はエア進入口2eから徐々に窄まらせてもよく、エアカラム6内部の圧力が増大するとエアチャネル14の曲線部分を圧迫して空気の封鎖効果を達することができるが、本発明のエアチャネル14は曲線状に限定されず、点状や曲線状にしてもよく(図5参照)、または実際の設計の必要に応じてその構造を変えることができる。このほか、2枚の内フィルム1aと1bの間に同じ構造の複数のエアチャネル14を設置してもよく、または異なる構造の複数のエアチャネル14を混在させてもよい。
【0023】
上述のエアカラム6には1つのエア進入口2eを連接するか、または複数のエア進入口2eを連接してもよく、且つ各エア進入口2eにはさらに1つのエアチャネル14を連接するか、または複数のエアチャネル14を連接してもよく、各エアカラム6の間は相通され、且つさらに1つのエアチャネル14を共用するか、或いは複数のエアチャネル14を共用してもよい。
【0024】
[実施例2]
図5と図6に本発明の自然にエアバルブを開く気体密封シートの実施例2を示す。本実施例と実施例1の最大の違いはヒートシール点2cの構造にある。本実施例において、エア注入チャネル9内にヒートシール手段でヒートシール点2cを形成し、それにより外フィルム2aと内フィルム1a、外フィルム2bと内フィルム1bを融着する。気体がエア注入チャネル9に進入した後、2枚の外フィルム2aと2bが平面状態から膨張して弧度を備えた立体状になり、外側に向かって引っ張られて開かれるため、ヒートシール点2cによって2枚の内フィルム1aと1bを動かして外側に向かって開かせ、エア進入口2eを開く効果を強化することができる。
【0025】
自然にエアバルブを開く気体密封シートの製造方法は次の工程を含む。
【0026】
工程101:2枚の内フィルム1aと1bを用意する。
本工程において、各内フィルム1aまたは1bは相対する第1側辺11と第2側辺12を含み、かつ2枚の内フィルム1aと1bの第1側辺11の間に少なくとも1つの耐熱材料1cを塗布し、そのうち2枚の内フィルム1aと1bは第1側辺11の間に複数の耐熱材料1cを塗布してもよく、耐熱材料1cを利用して空気が流通できる通路とするか、または2枚の内フィルム1aと1bの間に第1側辺11と等しい長さのストリップ状の耐熱材料1cを塗布してもよい。このほか、あらかじめ2枚の内フィルム1aと1bをヒートシール手段で融着し、エアチャネル14を形成してもよい。
【0027】
工程102:2枚の外フィルム2aと2bを重ね合わせ、2枚の内フィルム1aと1bを2枚の外フィルム2aと2bの間に介在させる。
2枚の内フィルム1aと1bは2枚の外フィルム2aと2bの間に介在され、かつ2枚の外フィルム2aと2b内の上端部のやや低い箇所に配置される。
【0028】
この工程の後、エア注入チャネル9内にヒートシール手段でヒートシール点2cを形成し、それにより外フィルム2aと内フィルム1a、外フィルム2bと内フィルム1bを融着してもよい。
【0029】
工程103:第1横方向ヒートシール線3aで2枚の内フィルム1aと1b及び2枚の外フィルム2aと2bを融着し、かつ複数の第2横方向ヒートシール線3bと3cで2枚の内フィルム1aと1bを融着する。そのうち、複数の第2横方向ヒートシール線3bは2枚の内フィルム1aと1bの二端に位置し、第1横方向ヒートシール線3aといずれか1つの第2横方向ヒートシール線3bの間の2枚の外フィルム2aと2b内にエア注入チャネル9が形成され、エア注入チャネル9は気体の注入に用いる空気充填口9aを備え、かつ2枚の内フィルム1aと1bの耐熱材料1cを塗布した箇所と第1横方向ヒートシール線3aが重なり合う箇所に複数のエア進入口2eが形成される。
【0030】
第1横方向ヒートシール線3a、第2横方向ヒートシール線3bに沿ってヒートシール手段でヒートシールを行い、それにより2枚の外フィルム2aと2b及び2枚の内フィルム1aと1bが融着され、2枚の外フィルム2aと2bに気体を流通させることができるエア注入チャネル9が形成されると共に、エア注入チャネル9の一端に空気充填口9aが形成される。2枚の内フィルム1aと1bの間に耐熱材料1cを塗布した後、ヒートシール手段で融着し、第1横方向ヒートシール線3aが重なり合う箇所に複数のエア進入口2eが形成される。
【0031】
工程104:複数の縦方向ヒートシール線3dで2枚の外フィルム2aと2b及び2枚の内フィルム1aと1bを融着し、第1横方向ヒートシール線3a、別の第2横方向ヒートシール線3c及び複数の縦方向ヒートシール線3dの間の2枚の外フィルム2aと2b内に複数のエアカラム6が形成され、複数のエアカラム6は複数のエア進入口2eによりエア注入チャネル9に連通される。
【0032】
第2横方向ヒートシール線3cに沿ってヒートシール手段でヒートシールを行い、それにより2枚の外フィルム2aと2bを融着し、かつ複数の縦方向ヒートシール線3dに沿って2枚の外フィルム2aと2b及び2枚の内フィルム1aと1bを融着して、2枚の外フィルム2aと2bの間に複数のエアカラム6が形成される。ここで、各エア進入口2eが各エアカラム6に対応し、且つエア進入口2eがエアチャネル14に連接され、2枚の内フィルム1aと1bにより同時に複数のエアカラム6に対して空気を充填できる連続性エアバルブを構成することができる。
【0033】
工程105:2枚の外フィルム2aと2b及び2枚の内フィルム1aと1bを融着して複数のヒートシール区域5を形成する。そのうち、複数のヒートシール区域5は少なくとも一部がエア注入チャネル9内に位置し、かつ第1横方向ヒートシール線3a近くの一側から他側に向かって徐々に窄まっている。
【0034】
ヒートシール手段で2枚の外フィルム2aと2b及び2枚の内フィルム1aと1bを融着し、複数のエア進入口2eの側辺のあらかじめ定めた位置に複数のヒートシール区域5を形成する。ここで、ヒートシール区域5はエア注入チャネル9内に位置し、かつ第1横方向ヒートシール線3a近くの一側から他側(第1横方向ヒートシール線3aから離れた一側)に向かって徐々に窄まっており、このほか、2つの相隣するヒートシール区域5の間にエア導入路4が形成され、且つエア導入路4は2枚の内フィルム1aと1bの間に位置し、かつエア進入口2eに連接される。全体を見ると、2つの相隣するヒートシール区域5は概ね山状を呈し、エア導入路4は概ね谷状を呈する。
【0035】
空気充填口9aに進入した気体がエア注入チャネル9を膨張させると、2枚の外フィルム2aと2bが縦方向上において外側に向かって引っ張られて開き、2枚の外フィルム2aと2bが平面状態から膨張して弧度を有する立体状になるため、横方向上において緊縮が生じる。
【0036】
エア注入チャネル9の2枚の外フィルム2aと2bはあらかじめ定めた位置にあらかじめヒートシールでヒートシール区域5を設置しているため、エア注入チャネル9に空気を注入すると、ヒートシール区域5を設置したところは膨張せず、ヒートシール区域5を設置していないところは膨張し、両者が自然の落差のため横方向上において緊縮を形成し、複数のヒートシール区域5が2枚の外フィルム2aと2bの緊縮に伴い、横方向上において位置移動を発生し、概ね山状を呈するヒートシール区域5が谷状のエア導入路4を押し、エア導入路4の2枚の内フィルム1aと1bを外側に向かって引っ張り開かせ、これにより2枚の内フィルム1aと1bの耐熱材料1cを塗布した箇所を押し、縦方向上において外側に向かって引っ張り開かせ、自然にエア進入口2e、即ち2枚の内フィルム1aと1bのあらかじめ耐熱材料1cを塗布した後ヒートシールで形成した開口を自然に開かせる。エア進入口2eが開かれた後、気体はエア進入口2eに進入し、エアチャネル14に沿ってエアカラム6に流入すると共に、エアチャネル14により気体が封鎖され、気体の逆流を防ぎ、これにより1つのエア注入チャネル9で同時に複数のエアカラム6に対して空気を充填することができる。
【0037】
エアカラム6の気体の内部圧力で2枚の内フィルム1aと1bの第2側辺12を圧迫し、2枚の内フィルム1aと1bを相互に貼付させ、エアカラム6を封鎖し、気体が外部に漏れ出ないようにして封鎖の効果を達する。ここで、2枚の内フィルム1aと1bは気体の圧迫を受けてエアカラム6内に懸垂されるか、或いは2枚の内フィルム1aと1bはいずれかの外フィルム2aまたは2bと融着し、気体がエアカラム6に進入した後2枚の内フィルム1aと1bを圧迫して外フィルム2aまたは2bに貼付させ、エアカラム6を封鎖させてもよい。
【0038】
本発明の2枚の外フィルムは空気の充填時に気体によって押されて外側に向かって引っ張られて開き、2枚の外フィルムを縦方向上において外側に向かって引っ張り開かせ、且つ横方向上において緊縮させ、同時に複数のヒートシール区域で2枚の内フィルムを押し、2枚の内フィルムを縦方向上において押して自動的にエア進入口を開かせ、エア注入チャネル内の気体を複数のエア進入口から各エアカラムに注入させることができる。本発明によればエア進入口を確実に開いて、気体をエアカラムに注入して膨張させることができ、従来技術において開閉弁の2枚の内フィルムが相互に貼り付いて空気通路の入口を開けない問題を効果的に解決することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 気体密封シート
1a/1b 内フィルム
1c 耐熱材料
11 第1側辺
12 第2側辺
14 エアチャネル
2a/2b 外フィルム
2c ヒートシール点
2e エア進入口
3a/3b/3c/3d ヒートシール線
4 エア導入路
5 ヒートシール区域
6 エアカラム
9 エア注入チャネル
9a 空気充填口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然にエアバルブを開く気体密封シートであって、
上下に重ね合わされた2枚の外フィルムと、
前記2枚の外フィルムの間に介在された2枚の内部フィルムと、
前記2枚の内フィルムの間に塗布された少なくとも1つの耐熱材料と、
前記2枚の内フィルムと前記2枚の外フィルムを融着する第1横方向ヒートシール線と、
前記2枚の外フィルムの二端に位置し、前記2枚の外フィルムを融着する複数の第2横方向ヒートシール線と、
前記第1横方向ヒートシール線といずれかの前記第2横方向ヒートシール線の間の前記2枚の外フィルム内に位置し、かつ気体の注入に用いる空気充填口を備えたエア注入チャネルと、
前記2枚の外フィルムと前記2枚の内フィルムを融着する複数の縦方向ヒートシール線と、
前記第1横方向ヒートシール線、別の前記第2横方向ヒートシール線及び前記複数の縦方向ヒートシール線の間の前記2枚の外フィルム内に位置する複数のエアカラムと、
ヒートシール手段で前記2枚の外フィルムと前記2枚の内フィルムを融着し、前記2枚の内フィルムの前記耐熱材料を塗布した箇所と前記第1横方向ヒートシール線が重なり合う箇所に形成され、前記エア注入チャネルと前記複数のエアカラムを連通する複数のエア進入口と、
少なくとも一部が前記エア注入チャネル内に位置し、前記2枚の外フィルムと前記2枚の内フィルムを融着しており、前記第1横方向ヒートシール線近くの一側から他側に向かって徐々に窄まっている複数のヒートシール区域とを含み、
そのうち、前記空気充填口に進入した気体が前記エア注入チャネルを膨張させると、前記2枚の外フィルムが縦方向上で外側に向かって引っ張られて開き、横方向上で緊縮され、前記複数のヒートシール区域が移動されて前記2枚の内フィルムを圧迫し、前記2枚の内フィルムの前記耐熱材料を塗布した箇所が縦方向上において外側に向かって引っ張られて開き、前記エア進入口が開かれて、気体が前記エアカラムに進入した後前記2枚の内フィルムを圧迫し、前記エアカラムが封鎖されることを特徴とする、自然にエアバルブを開く気体密封シート。
【請求項2】
さらに前記エア注入チャネル内に位置し、前記内フィルムの1枚と相隣する前記外フィルムの一枚を融着する複数のヒートシール点を含むことを特徴とする、請求項1に記載の自然にエアバルブを開く気体密封シート。
【請求項3】
さらに前記エア進入口に連接され、ヒートシール手段で前記2枚の内フィルムを融着して形成された空間である複数のエアチャネルを含むことを特徴とする、請求項1に記載の自然にエアバルブを開く気体密封シート。
【請求項4】
さらに前記ヒートシール区域の間に位置する複数のエア導入路を含むことを特徴とする、請求項1に記載の自然にエアバルブを開く気体密封シート。
【請求項5】
自然にエアバルブを開く気体密封シートの製造方法であって、
2枚の内フィルムを用意し、前記2枚の内フィルムの間に少なくとも1つの耐熱材料を塗布する工程と、
2枚の外フィルムを重ね合わせ、前記2枚の内フィルムを前記2枚の外フィルムの間に介在させる工程と、
第1横方向ヒートシール線で前記2枚の内フィルムと前記2枚の外フィルムを融着し、複数の第2横方向ヒートシール線で前記2枚の外フィルムを融着し、そのうち、前記複数の第2横方向ヒートシール線が前記2枚の外フィルムの二端に位置し、前記第1横方向ヒートシール線といずれかの前記第2横方向ヒートシール線の間の前記2枚の外フィルム内にエア注入チャネルが形成され、前記エア注入チャネルが気体の注入に用いる空気充填口を備え、かつ前記2枚の内フィルムの前記耐熱材料を塗布した箇所と前記第1横方向ヒートシール線が重なり合う箇所に複数のエア進入口が形成される工程と、
複数の縦方向ヒートシール線で前記2枚の外フィルムと前記2枚の内フィルムを融着し、前記第1横方向ヒートシール線、別の前記第2横方向ヒートシール線及び前記複数の縦方向ヒートシール線の間の前記2枚の外フィルム内に複数のエアカラムが形成され、前記複数のエアカラムが前記複数のエア進入口により前記エア注入チャネルに連通される工程と、
前記2枚の外フィルムと前記2枚の内フィルムを融着し、複数のヒートシール区域を形成し、そのうち前記複数のヒートシール区域の少なくとも一部が前記エア注入チャネル内に位置し、かつ前記第1横方向ヒートシール線に近い一側から他側に向かって徐々に窄まっている工程と、を含むことを特徴とする、自然にエアバルブを開く気体密封シートの製造方法。
【請求項6】
前記2枚の外フィルムを重ね合わせて前記2枚の内フィルムを前記2枚の外フィルムの間に介在させる工程の後、さらに、複数のヒートシール点で前記内フィルムの一枚と相隣する前記外フィルムの一枚を融着し、そのうち前記ヒートシール点が前記エア注入チャネル内に位置する工程を含むことを特徴とする、請求項5に記載の自然にエアバルブを開く気体密封シートの製造方法。
【請求項7】
そのうち2つの前記ヒートシール区域の間にエア導入路を形成する工程を含むことを特徴とする、請求項5に記載の自然にエアバルブを開く気体密封シートの製造方法。
【請求項8】
前記2枚の内フィルムを用意する工程の後、さらに、ヒートシール手段で前記2枚の内フィルムを融着し、前記2枚の内フィルムの間に前記エア進入口に連接する複数のエアチャネルを形成する工程を含むことを特徴とする、請求項5に記載の自然にエアバルブを開く気体密封シートの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−25488(P2012−25488A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139495(P2011−139495)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(509324687)亞比斯國際企業股▲分▼有限公司 (5)
【出願人】(506406054)
【Fターム(参考)】