自発光表示装置及び自発光表示装置の駆動方法
【課題】映像信号の持っている色解像度を落とさずに明るさを制御することが可能な自発光表示装置及び自発光表示装置の駆動方法を提供すること。
【解決手段】自発光表示パネル120と、ユーザによる設定などに基づいて自発光表示パネルの発光に必要な必要最大輝度を算出する必要輝度算出部108と、必要最大輝度に応じて自発光表示パネルに供給する最大電圧を変更する必要輝度算出部108と、自発光表示パネルの発光量と、パネルドライバが自発光表示パネルに供給する電圧との間のガンマ特性に対する逆ガンマ特性に関するデータを保持する記憶部104と、自発光表示パネルが表示可能な最大輝度で発光するときと同一の階調数を維持しながら、必要最大輝度に応じて逆ガンマ特性の適用範囲を変更し、逆ガンマ特性に基づいて出力信号を生成するパネルガンマ生成部106を備え、パネルドライバは出力信号に基づいて自発光表示パネルを駆動する。
【解決手段】自発光表示パネル120と、ユーザによる設定などに基づいて自発光表示パネルの発光に必要な必要最大輝度を算出する必要輝度算出部108と、必要最大輝度に応じて自発光表示パネルに供給する最大電圧を変更する必要輝度算出部108と、自発光表示パネルの発光量と、パネルドライバが自発光表示パネルに供給する電圧との間のガンマ特性に対する逆ガンマ特性に関するデータを保持する記憶部104と、自発光表示パネルが表示可能な最大輝度で発光するときと同一の階調数を維持しながら、必要最大輝度に応じて逆ガンマ特性の適用範囲を変更し、逆ガンマ特性に基づいて出力信号を生成するパネルガンマ生成部106を備え、パネルドライバは出力信号に基づいて自発光表示パネルを駆動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自発光表示装置及び自発光表示装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ(表示装置)は、家庭用ディスプレイとして使用される場合、家庭の利用環境に合わせて、デバイスが表示する画面の明るさを高く設定している。一方、スタジオモニターやマスターモニター、写真を確認するための写真用モニター等は、映像の明るさよりも再現性を重視するため、画面の明るさを抑えて設定する。
【0003】
有機ELディスプレイ等の自発光型ディスプレイにおいて、画面の明るさを抑えて設定して映像を表示する方法を、家庭用ディスプレイで実現しようとした場合、デバイスの基準となる明るさを高めに設定しておき、暗い環境下においては映像信号に対して一定のゲインを設定して実現する。例えば、最大1の入力に対して明るさが半分でよい場合は0.5に設定する。しかし、その場合、入力信号の色解像度を半分にしてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−208241号公報
【特許文献2】特開2008−151946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液晶ディスプレイでは、明るさを制御するためにはバックライトをコントロールすればよく、入力信号にゲインを掛ける必要はなかった。しかし、有機ELディスプレイ等の自発光表示装置では、画面の明るさを変えるためには入力信号にゲインを掛ける必要がある。その結果、入力信号にゲインを掛けることで、映像が持っている色解像度を低下させるという問題がある。
【0006】
また、特許文献1では、独立でR,G,Bをコントロールすることで、ビット深度を損なわずに明るさだけを制御できることが開示されている。しかし、特許文献1の技術では、ディスプレイ固有のガンマを持っているデバイスにおいて、中間階調の表現能力に問題が発生する。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、映像信号の持っている色解像度(ビット深度)を落とさずに、更に色を崩すことなく明るさを制御することが可能な、新規かつ改良された自発光表示装置及び自発光表示装置の駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、アクティブマトリクス駆動型の自発光表示パネルと、ユーザによる設定、周囲環境又は映像信号に基づいて自発光表示パネルの発光に必要な必要最大輝度を算出する必要輝度算出部と、必要最大輝度に応じて自発光表示パネルに供給する最大電圧を変更し、自発光表示パネルを駆動するパネルドライバと、自発光表示パネルの発光量と、パネルドライバが自発光表示パネルに供給する電圧との間のガンマ特性に対する逆ガンマ特性に関するデータを保持する記憶部と、自発光表示パネルが表示可能な最大輝度で発光するときと同一の階調数を維持しながら、必要最大輝度に応じて逆ガンマ特性の適用範囲を変更し、逆ガンマ特性に基づいてパネルドライバへの出力信号を生成するパネルガンマ生成部とを備え、パネルドライバは、出力信号に基づいて自発光表示パネルを駆動する自発光表示装置が提供される。
【0009】
上記パネルガンマ生成部において、逆ガンマ特性の適用範囲内に入力される信号の階調数は、必要最大輝度の値に関わらず、自発光表示パネルが表示可能な最大輝度で発光するときと同一であってもよい。
【0010】
上記必要最大輝度に応じて変更される逆ガンマ特性の適用範囲は、最大電圧に基づいて決定されてもよい。
【0011】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、必要輝度算出部が、ユーザによる設定、周囲環境又は映像信号に基づいてアクティブマトリクス駆動型の自発光表示パネルの発光に必要な必要最大輝度を算出するステップと、パネルドライバが、必要最大輝度に応じて自発光表示パネルに供給する最大電圧を変更し、自発光表示パネルを駆動するステップと、記憶部が、自発光表示パネルの発光量と、パネルドライバが自発光表示パネルに供給する電圧との間のガンマ特性に対する逆ガンマ特性に関するデータを保持するステップと、パネルガンマ生成部が、自発光表示パネルが表示可能な最大輝度で発光するときと同一の階調数を維持しながら、必要最大輝度に応じて逆ガンマ特性の適用範囲を変更し、逆ガンマ特性に基づいてパネルドライバへの出力信号を生成するステップと、パネルドライバが、出力信号に基づいて自発光表示パネルを駆動するステップとを備える自発光表示装置の駆動方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、映像信号の持っている色解像度(ビット深度)を落とさずに、更に色を崩すことなく明るさを制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る有機ELディスプレイ装置100を示すブロック図である。
【図2】光の強度と有機ELディスプレイ装置100に入力される映像入力信号の関係を示すグラフである。
【図3】映像入力信号と信号Aの関係を示すグラフである。
【図4】光の強度とパネルガンマ生成部106に入力される信号Aの関係を示すグラフである。
【図5】OLEDパネル120が発光する発光量と入力電圧の関係を示すグラフである。
【図6】パネルガンマ生成部106における出力信号(信号B)と入力信号(信号A)の関係を示すグラフである。
【図7】OLEDパネル120のガンマ特性と反対の特性を持つデータのルックアップテーブル(LUT)を示す説明図である。
【図8】OLEDパネル120の発光量と信号Aの関係を示すグラフである。
【図9】OLEDパネル120のガンマ特性と反対の特性を持つデータのルックアップテーブル(LUT)を示す説明図である。
【図10】パネルガンマ生成部106における出力信号(信号B)と入力信号(信号A)の関係を示すグラフである。
【図11】パネルガンマ生成部106における出力信号(信号B)と入力信号(信号A)の関係を示すグラフである。
【図12】パネルガンマ生成部106における出力信号(信号B)と入力信号(信号A)の関係を示すグラフである。
【図13】従来の有機ELディスプレイ装置10の構成及び動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態の構成
2.第1の実施形態の動作
【0016】
<1.第1の実施形態の構成>
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る有機ELディスプレイ装置100の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る有機ELディスプレイ装置100を示すブロック図である。
【0017】
有機ELディスプレイ装置100は、図1に示すように、CPU102と、メモリ104と、リニアガンマ生成部105と、パネルガンマ生成部106と、必要輝度算出部108と、パネルドライバ110と、OLEDパネル120を有する。有機ELディスプレイ装置100は、映像入力信号が入力されて、映像入力信号に基づいて映像をOLEDパネル120に表示する。
【0018】
CPU102は、有機ELディスプレイ装置100に含まれる各機能ブロックを制御する。メモリ104は、例えば有機ELディスプレイ装置100が表現できる表示可能最大輝度に関する輝度情報を保持する。
【0019】
リニアガンマ生成部105は、映像入力信号が入力され、映像入力信号を変換して、信号Aを出力する。
【0020】
光の強度と有機ELディスプレイ装置100に入力される映像入力信号は、図2に示すようなガンマ特性の関係を有する。図2は、光の強度と有機ELディスプレイ装置100に入力される映像入力信号の関係を示すグラフである。
【0021】
メモリ104は、有機ELディスプレイ装置100に入力される映像入力信号と光の強度の関係が有するガンマ特性と反対の特性を持つデータを、例えばルックアップテーブル(LUT)として保持する。メモリ104が保持するルックアップテーブルのデータ量は、曲線の特性などに応じて任意に決定できる。
【0022】
そして、リニアガンマ生成部105は、LUTを読み出し、補間処理をして、図3に示すような、有機ELディスプレイ装置100に入力される映像入力信号と光の強度の関係が有するガンマ特性と反対の特性を持つ曲線データを生成する。図3は、映像入力信号と信号Aの関係を示すグラフである。
【0023】
リニアガンマ生成部105は、図3に示す曲線データを使用して、映像入力信号を変換し、信号Aを出力する。これにより、光の強度と信号Aは、図4に示すように線形(リニア)関係を有する。図4は、光の強度とパネルガンマ生成部106に入力される信号Aの関係を示すグラフである。リニアガンマ生成部105から出力された信号Aは、パネルガンマ生成部106に入力される。
【0024】
パネルガンマ生成部106は、信号Aを変換して、パネル駆動電圧値に関する信号Bを出力する。
【0025】
メモリ104は、記憶部の一例であり、OLEDパネル120のガンマ特性と反対の特性(逆ガンマ特性)を持つデータをルックアップテーブル(LUT)として保持する。
【0026】
OLED(Organic light-emitting diode)パネル120は、アクティブマトリクス駆動型の自発光表示パネルの一例である。OLEDパネル120は、例えば、図5に示すようなガンマ特性を有する。図5は、OLEDパネル120が発光する発光量と入力電圧の関係を示すグラフである。OLEDパネル120のガンマ特性は、OLEDパネル120が発光する明るさ(発光量)と、パネルドライバ110からOLEDパネル120に入力されるパネル駆動電圧との関係で表される。
【0027】
OLEDパネル120のガンマ特性と反対の特性を持つデータは、図6に示すような曲線で表される。パネルガンマ生成部106は、LUTを読み出し、補間処理をして、図6に示すような、OLEDパネル120のガンマ特性と反対の特性を持つデータを生成する。図6は、パネルガンマ生成部106における出力信号(信号B)と入力信号(信号A)の関係を示すグラフである。
【0028】
パネルガンマ生成部106は、図6に示す曲線データを使用して、入力された信号Aを変換し、電圧値に関する信号Bを出力する。なお、本実施形態では、OLEDパネル120が発光する必要最大輝度を変更するとき、その必要最大輝度に応じて、パネルガンマ生成部106が信号変換時に使用する曲線データを変更する。曲線データの変更方法については、後述する。
【0029】
メモリ104が保持するルックアップテーブルのデータ量は、曲線の特性などに応じて任意に決定できる。即ち、メモリ104は、図6の曲線上の点で示されるような任意の点のデータを図7に示されるテーブルデータとして保持している。図7は、OLEDパネル120のガンマ特性と反対の特性を持つデータのルックアップテーブル(LUT)を示す説明図である。パネルガンマ生成部106が信号を変換する場合は、LUTを補間し、テーブルデータに存在しない値が入力された場合でも、適切な値を出力できる。LUTの補間は、線形補間など通常使用される方法によって行う。
【0030】
パネルガンマ生成部106から出力された信号Bは、パネルドライバ110に入力される。これにより、パネルガンマ生成部106に入力される信号Aと、OLEDパネル120が発光する明るさ(発光量)は、図8に示すように線形(リニア)関係を有する。図8は、OLEDパネル120の発光量と信号Aの関係を示すグラフである。
【0031】
必要輝度算出部108は、ユーザによる設定、周囲環境の検出結果、映像信号の解析結果などに基づいて、OLEDパネル120の発光に必要な最大輝度を算出する。例えば、有機ELディスプレイ装置100が、家庭用ディスプレイとして使用できる場合、家庭の利用環境に合わせて、有機ELディスプレイ装置100が表示する画面の明るさは高く設定される。一方、有機ELディスプレイ装置100がスタジオモニターや写真用モニター等の用途として使用される場合は、家庭用用途に比べて映像の明るさを大きく抑えて利用する場合が多い。
【0032】
OLEDパネル120の発光に必要な最大輝度は、ユーザによる設定、周囲環境、映像信号などに応じて算出される。ユーザによる設定は、画面に表示されるユーザーインターフェース、装置本体の操作部やリモートコントローラなどを介して行われ、設定内容に応じて必要最大輝度が算出される。周囲環境は、有機ELディスプレイ装置100が設置されている環境における光の強度などを検知して判断され、周囲環境に応じて必要最大輝度が算出される。映像信号は、コンテンツデータや、コンテンツデータに付随するメタデータ(番組情報など)等であり、データ内容によって必要最大輝度が算出される。
【0033】
必要輝度算出部108は、ユーザ設定、周囲環境、映像信号などに応じて、有機ELディスプレイ装置100が表示する画面の明るさ(必要最大輝度)を算出する。必要輝度算出部108は、必要最大輝度を算出する際、有機ELディスプレイ装置100が表現できる表示可能最大輝度を参照する。
【0034】
パネルドライバ110は、OLEDパネル120で映像を表示するための信号を出力する。パネルドライバ110にはD/A変換器が含まれており、D/A変換器はデジタル信号をアナログ信号に変換して出力する。パネルドライバ110は、データ信号Vsgを供給してデータ線を駆動制御するデータ線ドライバと、走査線を駆動制御する走査線ドライバを有する。なお、パネルドライバ110は、データ線ドライバと走査線ドライバに駆動タイミングを与えるタイミングジェネレータも更に備える。
【0035】
OLEDパネル120は、画素がパネル解像度に応じてマトリクス状に配置される。OLEDパネル120は例えばカラー表示用であって、画素は発光色別に配置される。ただし、画素が複数色の発光層を積層した構造の有機EL素子の場合には、1つの画素が複数の発光色に対応する。
【0036】
<2.第1の実施形態の動作>
[必要最大輝度の変更方法]
本実施形態に係る有機ELディスプレイ装置100において、OLEDパネル120の発光に必要な最大輝度の変更方法について説明する。
【0037】
OLEDパネル120の発光に必要な最大輝度は、上述した通り、ユーザによる設定、周囲環境、映像信号などに応じて算出される。例えば、有機ELディスプレイ装置100が、家庭用ディスプレイとして使用できる場合、家庭の利用環境に合わせて、有機ELディスプレイ装置100が表示する画面の明るさは高く設定される。一方、有機ELディスプレイ装置100がスタジオモニターや写真用モニター等の用途として使用される場合は、画面の明るさを抑えて利用されるケースが多い。例えば、有機ELディスプレイ装置100が表現できる表示可能最大輝度を1としたとき、明るさが半分で良い場合、必要最大輝度は0.5に設定される。
【0038】
上記設定によって、画面の最大の明るさを変化させるとき、本実施形態の有機ELディスプレイ装置100では、OLEDパネル120に印加する最大電圧を制御する。例えば、図5に示すように、信号Bによって入力される最大電圧をΔV低減することによって、OLEDパネル120の最大発光量をΔL抑制できる。図5に示す例では、表示可能最大輝度を1としたとき、必要最大輝度を0.5に変更する場合は、最大電圧をVB1に低減し、必要最大輝度を0.75に変更する場合は、最大電圧をVB2に低減する。
【0039】
本実施形態の有機ELディスプレイ装置100において、パネルドライバ110がOLEDパネル120に印加する最大電圧を変更するためには、パネルドライバ110に印加される電圧を供給する電源130を制御する。電源130がパネルドライバ110に供給する最大電圧値は、表示可能最大輝度又は必要最大輝度によって決定される。なお、OLEDパネル120に印加する最大電圧を変更するため、パネルドライバ110を制御して、パネルドライバ110が印加可能な最大電圧を変更する方式を採用してもよい。このとき、パネルドライバ110がOLEDパネル120に印加可能な最大電圧値は、表示可能最大輝度又は必要最大輝度によって決定される。
【0040】
また、OLEDパネル120に印加する最大電圧を制御する場合、設定する必要最大輝度に応じて、パネルガンマ生成部106で使用するOLEDパネル120のガンマ特性と反対の特性(逆ガンマ特性)を持つガンマ曲線の適用範囲を変更する必要がある。図8に示すように、パネルガンマ生成部106に入力される信号Aと、OLEDパネル120が発光する明るさ(発光量)の関係について、線形(リニア)関係を維持させるためである。以下、本実施形態に係る有機ELディスプレイ装置100のパネルガンマ生成部106において、必要最大輝度に応じてガンマ曲線の適用範囲を変更する方法について説明する。
【0041】
例えば、画面の最大の明るさを表示可能最大輝度に設定する場合、パネルガンマ生成部106で使用するガンマ曲線は、図6に示す0〜VBMA[V]及び0〜AMAの範囲で使用される。また、最大電圧をVB1に低減する場合、パネルガンマ生成部106で使用するガンマ曲線は、図6に示す0〜VB1[V]及び0〜A1の範囲で使用される。最大電圧をVB2に低減する場合、パネルガンマ生成部106で使用するガンマ曲線は、図6に示す0〜VB2[V]及び0〜A2の範囲で使用される。
【0042】
これにより、信号Aがパネルガンマ生成部106に入力されたとき、信号Aと、OLEDパネル120が発光する明るさ(発光量)は、図8に示すように線形(リニア)関係を維持できる。
【0043】
さらに、図6に示すガンマ曲線の入出力値は、信号A及び信号Bの階調数(色解像度)に応じて、等分割して決定する。例えば、信号A及び信号Bの色解像度が256階調であるときについて説明する。画面の最大の明るさを表示可能最大輝度に設定する場合、入力値は0〜AMAの範囲で255分割されて決定される値をとり、入力値に対応して出力値も0〜VBMA[V]の範囲で255分割されて決定される値となる。
【0044】
最大電圧をVB1に低減し必要最大輝度を0.5にする場合、入力値は0〜A1の範囲で255分割されて決定される値をとり、入力値に対応して出力値も0〜VB1[V]の範囲で255分割されて決定される値とする。最大電圧をVB2に低減し必要最大輝度を0.75にする場合、入力値は0〜A2の範囲で255分割されて決定される値をとり、入力値に対応して出力値も0〜VB2[V]の範囲で255分割されて決定される値とする。
【0045】
このように入出力値を決定することで、色解像度を変更する(低下させる)ことなく、必要最大輝度を変更することができる。
【0046】
上記の必要最大輝度に応じてガンマ曲線の適用範囲を変更する方法について、上記と異なる観点からさらに説明する。
【0047】
最大電圧をVB1に低減する場合、上述した通り、パネルガンマ生成部106で使用するガンマ曲線は、図6に示す0〜VB1[V]及び0〜A1の範囲で使用される。この範囲を抽出してグラフに示すと図10の実線部分のようになる。図10は、パネルガンマ生成部106における出力信号(信号B)と入力信号(信号A)の関係を示すグラフである。
【0048】
図10の実線部分の元となるLUTは、図7で示したLUTの一部であり、図9(A)で示したLUTの破線で囲まれた部分に該当する。図9は、OLEDパネル120のガンマ特性と反対の特性を持つデータのルックアップテーブル(LUT)を示す説明図である。
【0049】
画面の最大の明るさを表示可能最大輝度に設定する場合、即ち、パネルガンマ生成部106で使用するガンマ曲線が、図6に示す0〜VBMA[V]及び0〜AMAの範囲で使用されるときは、ガンマ曲線の入力値は0〜AMAの範囲で255分割されて決定される値をとる。これに対して、最大電圧をVB1に低減する場合、入力値が0〜AMAの範囲で255分割されるように、下記の式(1)を用いて、図9(A)で示されるLUTを変換する。
変換後入力値 = LUT(A)×255/A1 ……(1)
【0050】
ここで、LUT(A)は、図9(A)のLUTが有する入力値である。変換後のLUTは、図9(B)で示される。これに対応するグラフは、図11に示すようになる。図11は、パネルガンマ生成部106における出力信号(信号B)と入力信号(信号A)の関係を示すグラフである。
【0051】
更に、出力値を0〜1の範囲で表す場合、下記の式(2)を用いて、図9(B)で示されるLUTを変換する。
変換後出力値 = LUT(B)×1/VB1 ……(2)
【0052】
ここで、LUT(B)は、図9(B)のLUTが有する出力値である。変換後のLUTは、図9(C)で示される。これに対応するグラフは、図12に示すようになる。図12は、パネルガンマ生成部106における出力信号(信号B)と入力信号(信号A)の関係を示すグラフである。
【0053】
上述した通り、必要最大輝度に応じてLUTを変換し、変換後のLUTを補間することで、図12に示すような、必要最大輝度に対応したOLEDパネル120のガンマ特性と反対の特性を持つデータが得られる。パネルガンマ生成部106は、この得られたデータを用いることで、色解像度を変更する(低下させる)ことなく、即ち入力値が変更されることなく、必要最大輝度を変更することができる。
【0054】
[映像表示処理]
図1を参照して、本実施形態に係る有機ELディスプレイ装置100における映像入力信号に基づく映像の表示処理に関する動作について説明する。
【0055】
まず、ユーザ設定、周囲環境、映像信号などに応じて、必要輝度算出部108が、有機ELディスプレイ装置100が表示する画面の明るさ(必要最大輝度)を算出する。そして、上述したOLEDパネル120の発光に必要な最大輝度の変更方法によって、必要最大輝度に応じて、パネルドライバ110がOLEDパネル120に印加する最大電圧を変更する。また、必要最大輝度に応じて、パネルガンマ生成部106で使用するOLEDパネル120のガンマ特性と反対の特性を持つガンマ曲線の適用範囲を変更する。
【0056】
算出された必要最大輝度に応じて、OLEDパネル120に印加される最大電圧やパネルガンマ生成部106で使用するガンマ曲線が変更された状態で、有機ELディスプレイ装置100において、映像入力信号が入力される。映像入力信号がリニアガンマ生成部105に入力されると、リニアガンマ生成部105は、映像入力信号を変換して信号Aを生成し、信号Aをパネルガンマ生成部106に出力する。光の強度と信号Aは、図4に示すように線形(リニア)関係を有する。
【0057】
パネルガンマ生成部106は、信号Aを変換して信号Bを生成し、信号Bをパネルドライバ110に出力する。そして、パネルドライバ110は、信号Bに基づいてパネル駆動電圧をOLEDパネル120に印加する。パネルガンマ生成部106に入力される信号Aと、OLEDパネル120が発光する明るさ(発光量)は、図8に示すように線形(リニア)関係を有する。
【0058】
以上、本実施形態によれば、必要最大輝度をOLEDパネル120の表示可能最大輝度よりも低減させつつ、色解像度を変更する(低下させる)ことがない。例えば、画面の明るさを変更した場合でも、有機ELディスプレイ装置100が表現できる階調は256階調を維持できる。即ち、本実施形態は、階調表現を低下させず、更に色を崩すことがなく、明るさを制御できる。
【0059】
一方、従来の有機ELディスプレイ装置10について説明する。従来の有機ELディスプレイ装置10は、図13に示すように、リニアガンマ生成部12と、明るさ制御用ゲインコントローラ14と、パネルドライバ16と、OLEDパネル18などを有する。パネルドライバ16は、固定した値でパネルドライバ16に電圧を供給する電源と接続される。図13は、従来の有機ELディスプレイ装置10の構成及び動作を示す説明図である。
【0060】
従来、自発光型ディスプレイである有機ELディスプレイ装置10の画面の明るさを抑えて表示しようとしたとき、明るさ制御用コントローラ14が、リニアガンマ生成部12から出力された信号Aに対してゲインを掛ける必要があった。しかし、明るさ制御用ゲインコントローラ14には、256階調の信号が入力されるが、例えば200階調の信号が出力されることになる。
【0061】
そして、パネル駆動ドライブ16は、OLEDパネル18にパネル駆動電圧を出力する。このとき、有機ELディスプレイ装置10のOLEDパネル18が表現できる階調は200階調である。この場合、明るさを制御することはできるが、階調表現に問題が発生していた。
【0062】
一方、本実施形態によれば、映像信号のビット深度(解像度)を変えることなく、様々な利用環境に合わせた発光輝度を設定できる。そして、どのような発光輝度領域においても、ビット誤差によるひずみを発生させることなく良好な画像を再現できる。
【0063】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0064】
100 有機ELディスプレイ装置
102 CPU
104 メモリ
105 リニアガンマ生成部
106 パネルガンマ生成部
108 必要輝度算出部
110 パネルドライバ
120 OLEDパネル
130 電源
【技術分野】
【0001】
本発明は、自発光表示装置及び自発光表示装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ(表示装置)は、家庭用ディスプレイとして使用される場合、家庭の利用環境に合わせて、デバイスが表示する画面の明るさを高く設定している。一方、スタジオモニターやマスターモニター、写真を確認するための写真用モニター等は、映像の明るさよりも再現性を重視するため、画面の明るさを抑えて設定する。
【0003】
有機ELディスプレイ等の自発光型ディスプレイにおいて、画面の明るさを抑えて設定して映像を表示する方法を、家庭用ディスプレイで実現しようとした場合、デバイスの基準となる明るさを高めに設定しておき、暗い環境下においては映像信号に対して一定のゲインを設定して実現する。例えば、最大1の入力に対して明るさが半分でよい場合は0.5に設定する。しかし、その場合、入力信号の色解像度を半分にしてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−208241号公報
【特許文献2】特開2008−151946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液晶ディスプレイでは、明るさを制御するためにはバックライトをコントロールすればよく、入力信号にゲインを掛ける必要はなかった。しかし、有機ELディスプレイ等の自発光表示装置では、画面の明るさを変えるためには入力信号にゲインを掛ける必要がある。その結果、入力信号にゲインを掛けることで、映像が持っている色解像度を低下させるという問題がある。
【0006】
また、特許文献1では、独立でR,G,Bをコントロールすることで、ビット深度を損なわずに明るさだけを制御できることが開示されている。しかし、特許文献1の技術では、ディスプレイ固有のガンマを持っているデバイスにおいて、中間階調の表現能力に問題が発生する。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、映像信号の持っている色解像度(ビット深度)を落とさずに、更に色を崩すことなく明るさを制御することが可能な、新規かつ改良された自発光表示装置及び自発光表示装置の駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、アクティブマトリクス駆動型の自発光表示パネルと、ユーザによる設定、周囲環境又は映像信号に基づいて自発光表示パネルの発光に必要な必要最大輝度を算出する必要輝度算出部と、必要最大輝度に応じて自発光表示パネルに供給する最大電圧を変更し、自発光表示パネルを駆動するパネルドライバと、自発光表示パネルの発光量と、パネルドライバが自発光表示パネルに供給する電圧との間のガンマ特性に対する逆ガンマ特性に関するデータを保持する記憶部と、自発光表示パネルが表示可能な最大輝度で発光するときと同一の階調数を維持しながら、必要最大輝度に応じて逆ガンマ特性の適用範囲を変更し、逆ガンマ特性に基づいてパネルドライバへの出力信号を生成するパネルガンマ生成部とを備え、パネルドライバは、出力信号に基づいて自発光表示パネルを駆動する自発光表示装置が提供される。
【0009】
上記パネルガンマ生成部において、逆ガンマ特性の適用範囲内に入力される信号の階調数は、必要最大輝度の値に関わらず、自発光表示パネルが表示可能な最大輝度で発光するときと同一であってもよい。
【0010】
上記必要最大輝度に応じて変更される逆ガンマ特性の適用範囲は、最大電圧に基づいて決定されてもよい。
【0011】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、必要輝度算出部が、ユーザによる設定、周囲環境又は映像信号に基づいてアクティブマトリクス駆動型の自発光表示パネルの発光に必要な必要最大輝度を算出するステップと、パネルドライバが、必要最大輝度に応じて自発光表示パネルに供給する最大電圧を変更し、自発光表示パネルを駆動するステップと、記憶部が、自発光表示パネルの発光量と、パネルドライバが自発光表示パネルに供給する電圧との間のガンマ特性に対する逆ガンマ特性に関するデータを保持するステップと、パネルガンマ生成部が、自発光表示パネルが表示可能な最大輝度で発光するときと同一の階調数を維持しながら、必要最大輝度に応じて逆ガンマ特性の適用範囲を変更し、逆ガンマ特性に基づいてパネルドライバへの出力信号を生成するステップと、パネルドライバが、出力信号に基づいて自発光表示パネルを駆動するステップとを備える自発光表示装置の駆動方法が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、映像信号の持っている色解像度(ビット深度)を落とさずに、更に色を崩すことなく明るさを制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る有機ELディスプレイ装置100を示すブロック図である。
【図2】光の強度と有機ELディスプレイ装置100に入力される映像入力信号の関係を示すグラフである。
【図3】映像入力信号と信号Aの関係を示すグラフである。
【図4】光の強度とパネルガンマ生成部106に入力される信号Aの関係を示すグラフである。
【図5】OLEDパネル120が発光する発光量と入力電圧の関係を示すグラフである。
【図6】パネルガンマ生成部106における出力信号(信号B)と入力信号(信号A)の関係を示すグラフである。
【図7】OLEDパネル120のガンマ特性と反対の特性を持つデータのルックアップテーブル(LUT)を示す説明図である。
【図8】OLEDパネル120の発光量と信号Aの関係を示すグラフである。
【図9】OLEDパネル120のガンマ特性と反対の特性を持つデータのルックアップテーブル(LUT)を示す説明図である。
【図10】パネルガンマ生成部106における出力信号(信号B)と入力信号(信号A)の関係を示すグラフである。
【図11】パネルガンマ生成部106における出力信号(信号B)と入力信号(信号A)の関係を示すグラフである。
【図12】パネルガンマ生成部106における出力信号(信号B)と入力信号(信号A)の関係を示すグラフである。
【図13】従来の有機ELディスプレイ装置10の構成及び動作を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態の構成
2.第1の実施形態の動作
【0016】
<1.第1の実施形態の構成>
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る有機ELディスプレイ装置100の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る有機ELディスプレイ装置100を示すブロック図である。
【0017】
有機ELディスプレイ装置100は、図1に示すように、CPU102と、メモリ104と、リニアガンマ生成部105と、パネルガンマ生成部106と、必要輝度算出部108と、パネルドライバ110と、OLEDパネル120を有する。有機ELディスプレイ装置100は、映像入力信号が入力されて、映像入力信号に基づいて映像をOLEDパネル120に表示する。
【0018】
CPU102は、有機ELディスプレイ装置100に含まれる各機能ブロックを制御する。メモリ104は、例えば有機ELディスプレイ装置100が表現できる表示可能最大輝度に関する輝度情報を保持する。
【0019】
リニアガンマ生成部105は、映像入力信号が入力され、映像入力信号を変換して、信号Aを出力する。
【0020】
光の強度と有機ELディスプレイ装置100に入力される映像入力信号は、図2に示すようなガンマ特性の関係を有する。図2は、光の強度と有機ELディスプレイ装置100に入力される映像入力信号の関係を示すグラフである。
【0021】
メモリ104は、有機ELディスプレイ装置100に入力される映像入力信号と光の強度の関係が有するガンマ特性と反対の特性を持つデータを、例えばルックアップテーブル(LUT)として保持する。メモリ104が保持するルックアップテーブルのデータ量は、曲線の特性などに応じて任意に決定できる。
【0022】
そして、リニアガンマ生成部105は、LUTを読み出し、補間処理をして、図3に示すような、有機ELディスプレイ装置100に入力される映像入力信号と光の強度の関係が有するガンマ特性と反対の特性を持つ曲線データを生成する。図3は、映像入力信号と信号Aの関係を示すグラフである。
【0023】
リニアガンマ生成部105は、図3に示す曲線データを使用して、映像入力信号を変換し、信号Aを出力する。これにより、光の強度と信号Aは、図4に示すように線形(リニア)関係を有する。図4は、光の強度とパネルガンマ生成部106に入力される信号Aの関係を示すグラフである。リニアガンマ生成部105から出力された信号Aは、パネルガンマ生成部106に入力される。
【0024】
パネルガンマ生成部106は、信号Aを変換して、パネル駆動電圧値に関する信号Bを出力する。
【0025】
メモリ104は、記憶部の一例であり、OLEDパネル120のガンマ特性と反対の特性(逆ガンマ特性)を持つデータをルックアップテーブル(LUT)として保持する。
【0026】
OLED(Organic light-emitting diode)パネル120は、アクティブマトリクス駆動型の自発光表示パネルの一例である。OLEDパネル120は、例えば、図5に示すようなガンマ特性を有する。図5は、OLEDパネル120が発光する発光量と入力電圧の関係を示すグラフである。OLEDパネル120のガンマ特性は、OLEDパネル120が発光する明るさ(発光量)と、パネルドライバ110からOLEDパネル120に入力されるパネル駆動電圧との関係で表される。
【0027】
OLEDパネル120のガンマ特性と反対の特性を持つデータは、図6に示すような曲線で表される。パネルガンマ生成部106は、LUTを読み出し、補間処理をして、図6に示すような、OLEDパネル120のガンマ特性と反対の特性を持つデータを生成する。図6は、パネルガンマ生成部106における出力信号(信号B)と入力信号(信号A)の関係を示すグラフである。
【0028】
パネルガンマ生成部106は、図6に示す曲線データを使用して、入力された信号Aを変換し、電圧値に関する信号Bを出力する。なお、本実施形態では、OLEDパネル120が発光する必要最大輝度を変更するとき、その必要最大輝度に応じて、パネルガンマ生成部106が信号変換時に使用する曲線データを変更する。曲線データの変更方法については、後述する。
【0029】
メモリ104が保持するルックアップテーブルのデータ量は、曲線の特性などに応じて任意に決定できる。即ち、メモリ104は、図6の曲線上の点で示されるような任意の点のデータを図7に示されるテーブルデータとして保持している。図7は、OLEDパネル120のガンマ特性と反対の特性を持つデータのルックアップテーブル(LUT)を示す説明図である。パネルガンマ生成部106が信号を変換する場合は、LUTを補間し、テーブルデータに存在しない値が入力された場合でも、適切な値を出力できる。LUTの補間は、線形補間など通常使用される方法によって行う。
【0030】
パネルガンマ生成部106から出力された信号Bは、パネルドライバ110に入力される。これにより、パネルガンマ生成部106に入力される信号Aと、OLEDパネル120が発光する明るさ(発光量)は、図8に示すように線形(リニア)関係を有する。図8は、OLEDパネル120の発光量と信号Aの関係を示すグラフである。
【0031】
必要輝度算出部108は、ユーザによる設定、周囲環境の検出結果、映像信号の解析結果などに基づいて、OLEDパネル120の発光に必要な最大輝度を算出する。例えば、有機ELディスプレイ装置100が、家庭用ディスプレイとして使用できる場合、家庭の利用環境に合わせて、有機ELディスプレイ装置100が表示する画面の明るさは高く設定される。一方、有機ELディスプレイ装置100がスタジオモニターや写真用モニター等の用途として使用される場合は、家庭用用途に比べて映像の明るさを大きく抑えて利用する場合が多い。
【0032】
OLEDパネル120の発光に必要な最大輝度は、ユーザによる設定、周囲環境、映像信号などに応じて算出される。ユーザによる設定は、画面に表示されるユーザーインターフェース、装置本体の操作部やリモートコントローラなどを介して行われ、設定内容に応じて必要最大輝度が算出される。周囲環境は、有機ELディスプレイ装置100が設置されている環境における光の強度などを検知して判断され、周囲環境に応じて必要最大輝度が算出される。映像信号は、コンテンツデータや、コンテンツデータに付随するメタデータ(番組情報など)等であり、データ内容によって必要最大輝度が算出される。
【0033】
必要輝度算出部108は、ユーザ設定、周囲環境、映像信号などに応じて、有機ELディスプレイ装置100が表示する画面の明るさ(必要最大輝度)を算出する。必要輝度算出部108は、必要最大輝度を算出する際、有機ELディスプレイ装置100が表現できる表示可能最大輝度を参照する。
【0034】
パネルドライバ110は、OLEDパネル120で映像を表示するための信号を出力する。パネルドライバ110にはD/A変換器が含まれており、D/A変換器はデジタル信号をアナログ信号に変換して出力する。パネルドライバ110は、データ信号Vsgを供給してデータ線を駆動制御するデータ線ドライバと、走査線を駆動制御する走査線ドライバを有する。なお、パネルドライバ110は、データ線ドライバと走査線ドライバに駆動タイミングを与えるタイミングジェネレータも更に備える。
【0035】
OLEDパネル120は、画素がパネル解像度に応じてマトリクス状に配置される。OLEDパネル120は例えばカラー表示用であって、画素は発光色別に配置される。ただし、画素が複数色の発光層を積層した構造の有機EL素子の場合には、1つの画素が複数の発光色に対応する。
【0036】
<2.第1の実施形態の動作>
[必要最大輝度の変更方法]
本実施形態に係る有機ELディスプレイ装置100において、OLEDパネル120の発光に必要な最大輝度の変更方法について説明する。
【0037】
OLEDパネル120の発光に必要な最大輝度は、上述した通り、ユーザによる設定、周囲環境、映像信号などに応じて算出される。例えば、有機ELディスプレイ装置100が、家庭用ディスプレイとして使用できる場合、家庭の利用環境に合わせて、有機ELディスプレイ装置100が表示する画面の明るさは高く設定される。一方、有機ELディスプレイ装置100がスタジオモニターや写真用モニター等の用途として使用される場合は、画面の明るさを抑えて利用されるケースが多い。例えば、有機ELディスプレイ装置100が表現できる表示可能最大輝度を1としたとき、明るさが半分で良い場合、必要最大輝度は0.5に設定される。
【0038】
上記設定によって、画面の最大の明るさを変化させるとき、本実施形態の有機ELディスプレイ装置100では、OLEDパネル120に印加する最大電圧を制御する。例えば、図5に示すように、信号Bによって入力される最大電圧をΔV低減することによって、OLEDパネル120の最大発光量をΔL抑制できる。図5に示す例では、表示可能最大輝度を1としたとき、必要最大輝度を0.5に変更する場合は、最大電圧をVB1に低減し、必要最大輝度を0.75に変更する場合は、最大電圧をVB2に低減する。
【0039】
本実施形態の有機ELディスプレイ装置100において、パネルドライバ110がOLEDパネル120に印加する最大電圧を変更するためには、パネルドライバ110に印加される電圧を供給する電源130を制御する。電源130がパネルドライバ110に供給する最大電圧値は、表示可能最大輝度又は必要最大輝度によって決定される。なお、OLEDパネル120に印加する最大電圧を変更するため、パネルドライバ110を制御して、パネルドライバ110が印加可能な最大電圧を変更する方式を採用してもよい。このとき、パネルドライバ110がOLEDパネル120に印加可能な最大電圧値は、表示可能最大輝度又は必要最大輝度によって決定される。
【0040】
また、OLEDパネル120に印加する最大電圧を制御する場合、設定する必要最大輝度に応じて、パネルガンマ生成部106で使用するOLEDパネル120のガンマ特性と反対の特性(逆ガンマ特性)を持つガンマ曲線の適用範囲を変更する必要がある。図8に示すように、パネルガンマ生成部106に入力される信号Aと、OLEDパネル120が発光する明るさ(発光量)の関係について、線形(リニア)関係を維持させるためである。以下、本実施形態に係る有機ELディスプレイ装置100のパネルガンマ生成部106において、必要最大輝度に応じてガンマ曲線の適用範囲を変更する方法について説明する。
【0041】
例えば、画面の最大の明るさを表示可能最大輝度に設定する場合、パネルガンマ生成部106で使用するガンマ曲線は、図6に示す0〜VBMA[V]及び0〜AMAの範囲で使用される。また、最大電圧をVB1に低減する場合、パネルガンマ生成部106で使用するガンマ曲線は、図6に示す0〜VB1[V]及び0〜A1の範囲で使用される。最大電圧をVB2に低減する場合、パネルガンマ生成部106で使用するガンマ曲線は、図6に示す0〜VB2[V]及び0〜A2の範囲で使用される。
【0042】
これにより、信号Aがパネルガンマ生成部106に入力されたとき、信号Aと、OLEDパネル120が発光する明るさ(発光量)は、図8に示すように線形(リニア)関係を維持できる。
【0043】
さらに、図6に示すガンマ曲線の入出力値は、信号A及び信号Bの階調数(色解像度)に応じて、等分割して決定する。例えば、信号A及び信号Bの色解像度が256階調であるときについて説明する。画面の最大の明るさを表示可能最大輝度に設定する場合、入力値は0〜AMAの範囲で255分割されて決定される値をとり、入力値に対応して出力値も0〜VBMA[V]の範囲で255分割されて決定される値となる。
【0044】
最大電圧をVB1に低減し必要最大輝度を0.5にする場合、入力値は0〜A1の範囲で255分割されて決定される値をとり、入力値に対応して出力値も0〜VB1[V]の範囲で255分割されて決定される値とする。最大電圧をVB2に低減し必要最大輝度を0.75にする場合、入力値は0〜A2の範囲で255分割されて決定される値をとり、入力値に対応して出力値も0〜VB2[V]の範囲で255分割されて決定される値とする。
【0045】
このように入出力値を決定することで、色解像度を変更する(低下させる)ことなく、必要最大輝度を変更することができる。
【0046】
上記の必要最大輝度に応じてガンマ曲線の適用範囲を変更する方法について、上記と異なる観点からさらに説明する。
【0047】
最大電圧をVB1に低減する場合、上述した通り、パネルガンマ生成部106で使用するガンマ曲線は、図6に示す0〜VB1[V]及び0〜A1の範囲で使用される。この範囲を抽出してグラフに示すと図10の実線部分のようになる。図10は、パネルガンマ生成部106における出力信号(信号B)と入力信号(信号A)の関係を示すグラフである。
【0048】
図10の実線部分の元となるLUTは、図7で示したLUTの一部であり、図9(A)で示したLUTの破線で囲まれた部分に該当する。図9は、OLEDパネル120のガンマ特性と反対の特性を持つデータのルックアップテーブル(LUT)を示す説明図である。
【0049】
画面の最大の明るさを表示可能最大輝度に設定する場合、即ち、パネルガンマ生成部106で使用するガンマ曲線が、図6に示す0〜VBMA[V]及び0〜AMAの範囲で使用されるときは、ガンマ曲線の入力値は0〜AMAの範囲で255分割されて決定される値をとる。これに対して、最大電圧をVB1に低減する場合、入力値が0〜AMAの範囲で255分割されるように、下記の式(1)を用いて、図9(A)で示されるLUTを変換する。
変換後入力値 = LUT(A)×255/A1 ……(1)
【0050】
ここで、LUT(A)は、図9(A)のLUTが有する入力値である。変換後のLUTは、図9(B)で示される。これに対応するグラフは、図11に示すようになる。図11は、パネルガンマ生成部106における出力信号(信号B)と入力信号(信号A)の関係を示すグラフである。
【0051】
更に、出力値を0〜1の範囲で表す場合、下記の式(2)を用いて、図9(B)で示されるLUTを変換する。
変換後出力値 = LUT(B)×1/VB1 ……(2)
【0052】
ここで、LUT(B)は、図9(B)のLUTが有する出力値である。変換後のLUTは、図9(C)で示される。これに対応するグラフは、図12に示すようになる。図12は、パネルガンマ生成部106における出力信号(信号B)と入力信号(信号A)の関係を示すグラフである。
【0053】
上述した通り、必要最大輝度に応じてLUTを変換し、変換後のLUTを補間することで、図12に示すような、必要最大輝度に対応したOLEDパネル120のガンマ特性と反対の特性を持つデータが得られる。パネルガンマ生成部106は、この得られたデータを用いることで、色解像度を変更する(低下させる)ことなく、即ち入力値が変更されることなく、必要最大輝度を変更することができる。
【0054】
[映像表示処理]
図1を参照して、本実施形態に係る有機ELディスプレイ装置100における映像入力信号に基づく映像の表示処理に関する動作について説明する。
【0055】
まず、ユーザ設定、周囲環境、映像信号などに応じて、必要輝度算出部108が、有機ELディスプレイ装置100が表示する画面の明るさ(必要最大輝度)を算出する。そして、上述したOLEDパネル120の発光に必要な最大輝度の変更方法によって、必要最大輝度に応じて、パネルドライバ110がOLEDパネル120に印加する最大電圧を変更する。また、必要最大輝度に応じて、パネルガンマ生成部106で使用するOLEDパネル120のガンマ特性と反対の特性を持つガンマ曲線の適用範囲を変更する。
【0056】
算出された必要最大輝度に応じて、OLEDパネル120に印加される最大電圧やパネルガンマ生成部106で使用するガンマ曲線が変更された状態で、有機ELディスプレイ装置100において、映像入力信号が入力される。映像入力信号がリニアガンマ生成部105に入力されると、リニアガンマ生成部105は、映像入力信号を変換して信号Aを生成し、信号Aをパネルガンマ生成部106に出力する。光の強度と信号Aは、図4に示すように線形(リニア)関係を有する。
【0057】
パネルガンマ生成部106は、信号Aを変換して信号Bを生成し、信号Bをパネルドライバ110に出力する。そして、パネルドライバ110は、信号Bに基づいてパネル駆動電圧をOLEDパネル120に印加する。パネルガンマ生成部106に入力される信号Aと、OLEDパネル120が発光する明るさ(発光量)は、図8に示すように線形(リニア)関係を有する。
【0058】
以上、本実施形態によれば、必要最大輝度をOLEDパネル120の表示可能最大輝度よりも低減させつつ、色解像度を変更する(低下させる)ことがない。例えば、画面の明るさを変更した場合でも、有機ELディスプレイ装置100が表現できる階調は256階調を維持できる。即ち、本実施形態は、階調表現を低下させず、更に色を崩すことがなく、明るさを制御できる。
【0059】
一方、従来の有機ELディスプレイ装置10について説明する。従来の有機ELディスプレイ装置10は、図13に示すように、リニアガンマ生成部12と、明るさ制御用ゲインコントローラ14と、パネルドライバ16と、OLEDパネル18などを有する。パネルドライバ16は、固定した値でパネルドライバ16に電圧を供給する電源と接続される。図13は、従来の有機ELディスプレイ装置10の構成及び動作を示す説明図である。
【0060】
従来、自発光型ディスプレイである有機ELディスプレイ装置10の画面の明るさを抑えて表示しようとしたとき、明るさ制御用コントローラ14が、リニアガンマ生成部12から出力された信号Aに対してゲインを掛ける必要があった。しかし、明るさ制御用ゲインコントローラ14には、256階調の信号が入力されるが、例えば200階調の信号が出力されることになる。
【0061】
そして、パネル駆動ドライブ16は、OLEDパネル18にパネル駆動電圧を出力する。このとき、有機ELディスプレイ装置10のOLEDパネル18が表現できる階調は200階調である。この場合、明るさを制御することはできるが、階調表現に問題が発生していた。
【0062】
一方、本実施形態によれば、映像信号のビット深度(解像度)を変えることなく、様々な利用環境に合わせた発光輝度を設定できる。そして、どのような発光輝度領域においても、ビット誤差によるひずみを発生させることなく良好な画像を再現できる。
【0063】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0064】
100 有機ELディスプレイ装置
102 CPU
104 メモリ
105 リニアガンマ生成部
106 パネルガンマ生成部
108 必要輝度算出部
110 パネルドライバ
120 OLEDパネル
130 電源
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクティブマトリクス駆動型の自発光表示パネルと、
ユーザによる設定、周囲環境又は映像信号に基づいて前記自発光表示パネルの発光に必要な必要最大輝度を算出する必要輝度算出部と、
前記必要最大輝度に応じて前記自発光表示パネルに供給する最大電圧を変更し、前記自発光表示パネルを駆動するパネルドライバと、
前記自発光表示パネルの発光量と、前記パネルドライバが前記自発光表示パネルに供給する電圧との間のガンマ特性に対する逆ガンマ特性に関するデータを保持する記憶部と、
前記自発光表示パネルが表示可能な最大輝度で発光するときと同一の階調数を維持しながら、前記必要最大輝度に応じて前記逆ガンマ特性の適用範囲を変更し、前記逆ガンマ特性に基づいて前記パネルドライバへの出力信号を生成するパネルガンマ生成部と、
を備え、
前記パネルドライバは、前記出力信号に基づいて前記自発光表示パネルを駆動する、自発光表示装置。
【請求項2】
前記パネルガンマ生成部において、前記逆ガンマ特性の適用範囲内に入力される信号の階調数は、前記必要最大輝度の値に関わらず、前記自発光表示パネルが表示可能な最大輝度で発光するときと同一である、請求項1に記載の自発光表示装置。
【請求項3】
前記必要最大輝度に応じて変更される前記逆ガンマ特性の適用範囲は、前記最大電圧に基づいて決定される、請求項1又は2に記載の自発光表示装置。
【請求項4】
必要輝度算出部が、ユーザによる設定、周囲環境又は映像信号に基づいてアクティブマトリクス駆動型の自発光表示パネルの発光に必要な必要最大輝度を算出するステップと、
パネルドライバが、前記必要最大輝度に応じて前記自発光表示パネルに供給する最大電圧を変更し、前記自発光表示パネルを駆動するステップと、
記憶部が、前記自発光表示パネルの発光量と、前記パネルドライバが前記自発光表示パネルに供給する電圧との間のガンマ特性に対する逆ガンマ特性に関するデータを保持するステップと、
パネルガンマ生成部が、前記自発光表示パネルが表示可能な最大輝度で発光するときと同一の階調数を維持しながら、前記必要最大輝度に応じて前記逆ガンマ特性の適用範囲を変更し、前記逆ガンマ特性に基づいて前記パネルドライバへの出力信号を生成するステップと、
前記パネルドライバが、前記出力信号に基づいて前記自発光表示パネルを駆動するステップと、
を備える、自発光表示装置の駆動方法。
【請求項1】
アクティブマトリクス駆動型の自発光表示パネルと、
ユーザによる設定、周囲環境又は映像信号に基づいて前記自発光表示パネルの発光に必要な必要最大輝度を算出する必要輝度算出部と、
前記必要最大輝度に応じて前記自発光表示パネルに供給する最大電圧を変更し、前記自発光表示パネルを駆動するパネルドライバと、
前記自発光表示パネルの発光量と、前記パネルドライバが前記自発光表示パネルに供給する電圧との間のガンマ特性に対する逆ガンマ特性に関するデータを保持する記憶部と、
前記自発光表示パネルが表示可能な最大輝度で発光するときと同一の階調数を維持しながら、前記必要最大輝度に応じて前記逆ガンマ特性の適用範囲を変更し、前記逆ガンマ特性に基づいて前記パネルドライバへの出力信号を生成するパネルガンマ生成部と、
を備え、
前記パネルドライバは、前記出力信号に基づいて前記自発光表示パネルを駆動する、自発光表示装置。
【請求項2】
前記パネルガンマ生成部において、前記逆ガンマ特性の適用範囲内に入力される信号の階調数は、前記必要最大輝度の値に関わらず、前記自発光表示パネルが表示可能な最大輝度で発光するときと同一である、請求項1に記載の自発光表示装置。
【請求項3】
前記必要最大輝度に応じて変更される前記逆ガンマ特性の適用範囲は、前記最大電圧に基づいて決定される、請求項1又は2に記載の自発光表示装置。
【請求項4】
必要輝度算出部が、ユーザによる設定、周囲環境又は映像信号に基づいてアクティブマトリクス駆動型の自発光表示パネルの発光に必要な必要最大輝度を算出するステップと、
パネルドライバが、前記必要最大輝度に応じて前記自発光表示パネルに供給する最大電圧を変更し、前記自発光表示パネルを駆動するステップと、
記憶部が、前記自発光表示パネルの発光量と、前記パネルドライバが前記自発光表示パネルに供給する電圧との間のガンマ特性に対する逆ガンマ特性に関するデータを保持するステップと、
パネルガンマ生成部が、前記自発光表示パネルが表示可能な最大輝度で発光するときと同一の階調数を維持しながら、前記必要最大輝度に応じて前記逆ガンマ特性の適用範囲を変更し、前記逆ガンマ特性に基づいて前記パネルドライバへの出力信号を生成するステップと、
前記パネルドライバが、前記出力信号に基づいて前記自発光表示パネルを駆動するステップと、
を備える、自発光表示装置の駆動方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−17997(P2011−17997A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−164051(P2009−164051)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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