説明

自走式作業機械を用いた台車走行方法及び装置

【課題】 台車側に専用の油圧源を搭載することなく、当該台車に作業機械を載せながら当該台車を走行させることを可能にして、コスト及び台車総重量を抑えながら効率良く作業機械を移送する。
【解決手段】 台車走行用油圧モータ18を有する台車12の上に、油圧源を搭載したクローラクレーン24等の自走式作業機械を載せる。この自走式作業機械の油圧源に前記台車走行用油圧モータ18を接続することにより、専用の油圧源を設けることなく前記台車走行用油圧モータ18を作動させて台車12を走行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クローラクレーン等の自走式作業機械を載せた台車を走行させるための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、クローラクレーン等の自走式作業機械は、現場で自走することにより適宜移動しながら作業を進めることが可能であるが、当該現場が自走に適さない状況にある場合(例えば砂浜等の長距離悪路や、水上・斜面等に設置された仮桟橋である場合)、当該作業機械とともにかなりの重量物を移送しなければならない場合、移動距離が長い場合、等においては、当該現場に台車走行用の軌道を敷いてこの台車上に前記作業機械を載せて移送する方法が有効となる。
【0003】
例えば下記特許文献1には、海上ステージを構築するに際し、既設の結構材上で走行可能なクレーン台車を備え、このクレーン台車上にクローラクレーンを載せて当該クレーン台車を走行させることにより、前記クローラクレーンを海上で移動させることができるようにしたものが開示されている。
【特許文献1】特開平10−280376号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1には、クレーン台車を移動させる動力としてジャッキ手段が開示されているが(同文献の段落0018)、かかるジャッキ手段では移動距離がきわめて限られているのに加え、当該ジャッキ手段を作動させるために油圧ポンプやこの油圧ポンプを作動させるための原動機を用意しなければならず、設備が大掛かりになる。
【0005】
その代替手段として、前記台車に走行用油圧モータを取付けるとともに、この油圧モータに油圧を供給するための油圧ポンプ及びエンジンを前記台車に搭載することが考えられるが、この場合も、台車走行用の油圧ポンプ及びエンジンを必要とするために大幅なコストアップは免れ得ず、また、これらを搭載するために台車の総重量が大きくなって前記油圧ポンプ及びエンジンに求められる動力がさらに大きくなるという不都合が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、台車走行用油圧モータを有する台車の上に、油圧源を搭載した自走式作業機械を載せ、この自走式作業機械の油圧源に前記台車走行用油圧モータを接続することにより当該台車走行用油圧モータを作動させて前記台車を走行させる自走式作業機械を用いた台車走行方法である。
【0007】
この方法によれば、台車の上に載せられる自走式作業機械に搭載された油圧源を利用して当該台車を走行させることができるので、台車走行専用の油圧ポンプやエンジンを改めて搭載する必要がない。よって、台車総重量及びコストを低く抑えながら台車による自走式作業機械の移送を行うことができる。
【0008】
ここで、前記自走式作業機械は、前記油圧源を用いて走行体を駆動する走行用油圧回路と、その走行状態を操作するための走行操作部材を有するものである場合、この走行操作部材の操作に追従して前記台車走行用油圧モータが作動するように当該走行用油圧モータと前記自走式作業機械の走行用油圧回路とを接続することにより、前記台車の運転を作業機械側で行うことが可能となり、台車に専用の運転席を設ける必要もなくなる。
【0009】
また本発明は、台車走行用油圧モータを有する台車の上に搭載可能な自走式作業機械であって、油圧源を含む油圧回路と、その油圧源を前記台車走行用油圧モータに接続するための接続部とを有するものである。
【0010】
この作業機械によれば、当該作業機械を前記台車の上に載せた状態で当該作業機械の有する油圧源を前記接続部によって前記台車走行用油圧モータに接続することにより、新たな油圧源を用いることなく台車を走行させて前記作業機械を移送することが可能となる。
【0011】
ここで、少なくとも一部が前記作業機械の外部に露出するフレキシブル配管の端部に前記接続部が設けられている構成とすれば、その接続状態を維持したまま、前記フレキシブル配管の撓みを利用して台車上で自走式作業機械を若干移動させることができ、これによって当該台車上での作業機械の位置調整を行うことが可能になる。
【0012】
前記油圧回路としては、前記油圧源と、この油圧源からの油圧の供給を受けて走行体を駆動する自走用油圧モータと、この自走用油圧モータと前記油圧源との間に介在する走行切換弁とを含む自走式油圧回路を備え、かつ、その走行切換弁が前記油圧源と前記接続部との間にも介在しており、当該接続部に前記台車走行用油圧モータが接続された状態で前記走行切換弁を切換操作することにより前記台車走行用油圧モータの操作ができるように前記自走用油圧回路が構成されているものが、好適である。
【0013】
この構成によれば、作業機械側に設けられている走行切換弁の切換操作によって、前記台車走行用油圧モータの操作ができるため、作業機械側で台車の運転が可能となり、当該台車側に専用の運転席を設ける必要がなくなる。
【0014】
その場合、前記油圧源から前記自走式油圧モータ及び前記接続部の双方に対する油圧供給を許容する第1の状態と、前記油圧源から前記自走式油圧モータへの油圧供給のみ許容して前記油圧源から前記接続部への油圧供給は遮断する第2の状態とに切換えられる油圧供給切換手段を備えるようにすれば、この油圧供給切換手段を第1の状態に切換えることにより、前記油圧源を利用した台車走行が可能となる一方、当該油圧供給切換手段を第2の状態に切換えることにより、前記油圧源からの作動油を前記接続部側に漏らすことなく確実に前記自走式油圧モータ側に供給することが可能になる。
【0015】
また本発明は、前記の自走式作業機械と、この自走式作業機械を搭載することが可能な台車とを備え、この台車は、当該台車を走行させるための台車走行用油圧モータと、この台車走行用油圧モータに接続され、かつ、前記自走式作業機械の接続部に結合可能な結合部とを有し、この結合部を前記接続部に結合した状態で前記台車走行用油圧モータが前記接続部及び結合部を介して前記作業機械の油圧源に接続されるように構成されている台車である。
【0016】
この構成によれば、前記接続部と結合部とを結合するだけの簡単な作業で、前記自走式作業機械側の油圧源を前記台車走行用油圧モータに接続して台車走行を実現することができる。
【0017】
ここで、前記台車走行用油圧モータは、この台車走行用油圧モータに供給される油圧が一定以下の場合に作動するブレーキを有するものが、好適である。この構成によれば、前記作業機械側から台車走行用油圧モータへの油圧供給を止めるだけで自動的にブレーキが作動するので、当該作業機械側の操作でブレーキをかけることが可能になる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、台車側に専用の油圧源を搭載することなく、当該台車に作業機械を載せながら当該台車を走行させることができる。従って、コスト及び台車総重量を抑えながら効率良く作業機械を移送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の好ましい実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1〜図3において、作業現場に軌道を構成するレール10が敷かれており、このレール10に沿って走行可能となるように台車が設置されている。この台車は、原動台車12と従動台車14とがリンク16を介して連結されたものであり、両台車12,14の下部に前記レール10上を転動する車輪18が取付けられるとともに、原動台車12にのみ台車走行用の油圧モータ20が取付けられている。この油圧モータ20は、図5(a)(b)に示す減速機19を介して特定の車輪18の回転軸に連結されている。
【0021】
前記両台車12,14のうち、従動台車14上には、図示のテトラポット22等の運搬対象物が載せられる一方、原動台車12上には自走式作業機械であるクローラクレーン24が載せられ、かつ、このクローラクレーン24に搭載される油圧源を利用して前記台車走行用油圧モータ20を作動させることにより、台車12,14を走行させることが可能となっている。
【0022】
図4(a)(b)にも示すように、前記クローラクレーン24は、下部走行体26と、その上に旋回可能に設置される上部旋回体28とを備えている。下部走行体26には、左右一対のクローラ30と、左右のクローラ30をそれぞれ個別に駆動(すなわち走行駆動)するための自走用の左側油圧モータ32L及び右側油圧モータ32Rとが設けられ、両油圧モータ32L,32Rはそれぞれ図5(a)(b)に示すように減速機52を介して左右のクローラ用駆動輪54L,54Rに連結されている。また、上部旋回体28には、運転室34、起伏可能なブーム36、カウンタウエイト38等が設けられている。
【0023】
次に、このクローラクレーン24に設けられる自走用油圧回路について図5(a)(b)を参照しながら説明する。
【0024】
前記上部旋回体28には、原動機40と、油圧ポンプ42と、この油圧ポンプ42と前記各自走用油圧モータ32L,32Rとの間にそれぞれ介在する左側走行切換弁46L及び右側走行切換弁46Rと、作動油タンク50とが搭載され、この上部旋回体28と前記下部走行体26との間にはスイベルジョイント44が介在している。
【0025】
前記原動機40は、前記油圧ポンプ42を駆動して前記作動油タンク50内の作動油を吐出させるものであり、これら原動機40及び油圧ポンプ42によって油圧源が構成されている。
【0026】
前記両走行切換弁46L,46Rは、この実施の形態では、図6(a)(b)に示すような手動式の3位置方向切換弁で構成され、それぞれ位置切換用の操作レバー48L,48Rを有していてこれらの操作レバー48L,48Rが前記運転室34内に操作可能に設けられている。
【0027】
同図(a)(b)に示すように、各走行切換弁46L,46Rは、それぞれ前進切換位置イ、中立位置ロ、及び後進切換位置ハを有している。前進切換位置イは、油圧ポンプ42から自走用油圧モータ32L(32R)に対して同モータを正転方向(クローラ30を前進させる方向)に回転させる向きに油圧を導く位置であり、逆に後進切換位置ハは油圧ポンプ42から自走用油圧モータ32L(32R)に対して同モータを逆転方向(クローラ30を後進させる方向)に回転させる向きに油圧を導く位置である。また中立位置ロは、前記油圧ポンプ42と自走用油圧モータ32L(32R)との間を遮断して同モータを停止させる位置である。
【0028】
さらに、このクローラクレーン24の特徴として、その底部から外側にゴムホース等からなるフレキシブル配管56が導出されており、このフレキシブル配管56の一端が前記右側走行切換弁46Rの二次側に接続されるとともに、同配管56の他端に、互い結合可能なカップリング58A,58Bのうちの一方のカップリング58Aが接続部として固定されている。換言すれば、このカップリング58Aと前記油圧ポンプ42との間に前記右側走行切換弁46Rが介在している。
【0029】
ここで、前記左側走行切換弁46Lの二次側と前記左側自走用油圧モータ32Lとは常時接続される状態にある一方、前記右側走行切換弁46Rと右側自走用油圧モータ32Rとの間には切換弁60A,60Bが直列状態で介在している。このうち、切換弁60Aは、前記フレキシブル配管56の途中に設けられており、切換弁60Bは左側走行切換弁46Lの二次側と右側自走用油圧モータ32Rとの間に介在している。
【0030】
これらの切換弁60A,60Bは、互いに協働して図5(a)に示す第1の状態と同図(b)に示す第2の状態とに切換えられる。
【0031】
第1の状態は、油圧ポンプ42から出力される油圧が左右の自走用油圧モータ32L,32Rと台車走行用油圧モータ20との双方に供給されるのを許容する状態であり、この第1の状態では、前記切換弁60Aが前記カップリング58Aを前記右側走行切換弁46Rの二次側に接続するとともに、前記切換弁60Bが右側自走用油圧モータ32Rを左側走行切換弁46Lの二次側に接続する。また、第2の状態は、前記油圧ポンプ42から前記両自走式油圧モータ32L,32Rへの油圧供給のみ許容して前記油圧ポンプ42から前記カップリング58Aへの油圧供給は遮断する状態であり、この第2の状態では、前記切換弁60Aが前記右側走行切換弁46Rを前記カップリング58Aから切り離して切換弁60Bの一次側に接続するとともに、前記切換弁60Bが前記切換弁60Aの二次側を右側自走用油圧モータ32Rに接続する。
【0032】
なお、前記切換弁60A,60Bは、外部操作が容易となるようにクローラクレーン24の底面に固定されているが、その設置場所は問わない。また、これら切換弁60A,60Bを電磁切換弁等で構成して運転室34内で切換操作できるようにしてもよい。
【0033】
一方、原動台車12側では、図4(a)にも示すように、前後左右の各車輪18について設けられた台車走行用油圧モータ20がフレキシブル配管62を介して前記カップリング58A,58Bのうちの他方のカップリング58Bに接続されており、このカップリング58Bと前記カップリング58Aとを結合することにより、前記各台車走行用油圧モータ20が両カップリング58A,58B、前記切換弁60A、及び右側走行切換弁46Rを介して前記油圧ポンプ42に接続可能となるように構成されている。
【0034】
すなわち、前記カップリング58Aは、前記油圧ポンプ42を前記各台車走行用油圧モータ20に接続するための接続部を構成し、前記カップリング58Bは前記カップリング58Aと結合可能な結合部を構成している。
【0035】
次に、この設備の使用例を説明する。
【0036】
まず、図5(b)に示すように両カップリング58A,58Bが切り離されている状態、すなわち、クローラクレーン24が原動台車12から切り離されている状態では、同図(b)に示すように切換弁60A,60Bを第2の状態にする。すなわち、油圧ポンプ42から吐出される作動油がカップリング58A側に供給されるのを阻止し、当該作動油が左側走行切換弁46Lを経由して左側自走用油圧モータ32Lに供給されるとともに、右側走行切換弁46R、切換弁60A、及び切換弁60Bを順に経由して右側自走用油圧モータ32Rに供給される状態にする。
【0037】
これにより、前記作動油が前記カップリング58Aから漏れるのを確実に防ぎながら、各走行切換弁46L,46Rの操作レバー48L,48Rを用いて左右のクローラを個別に前後進操作することにより、クローラクレーン24を通常通り自走運転することができる。例えば両走行切換弁46L,46Rを図6(a)(b)に示す前進切換位置イに切換えることにより、左右の自走用油圧モータ32L,32Rを正転させてクローラクレーン24全体を前進させることが可能であり、左側走行切換弁46Lを前進切換位置イ、右側走行切換弁46Rを後進切換位置ハにそれぞれ切換えることにより、左側自走用油圧モータ32Lは正転させ、かつ、右側自走用油圧モータ32Rは逆転させてクローラクレーン24全体を右旋回させることが可能になる。
【0038】
このような自走を利用して前記クローラクレーン24を原動台車12に載せた後は、図5(a)に示すようにカップリング58A,58Bを結合し、かつ、同図(a)に示すように切換弁60A,60Bを第1の状態にする。これにより、油圧ポンプ42から吐出される作動油が右側走行切換弁46R、フレキシブル配管56、カップリング58A,58B、及びフレキシブル配管62を経由して台車走行用油圧モータ20に供給されるとともに、当該作動油が左側走行切換弁46Lを経由して左側自走用油圧モータ32Lと右側自走用油圧モータ32Rとに分配される状態となる。
【0039】
この状態では、右側走行切換弁46Rの操作レバー48Rを操作することにより、台車走行用油圧モータ20を正逆転させて原動台車12及びこれに連結される従動台車14を前後進させることができる。従って、これらの台車12,14に専用の油圧源や運転席を設けることなく、クローラクレーン24側の操作で台車運転が可能になる。また、左側走行切換弁46Lの操作レバー48Lを操作することにより、左右自走用油圧モータ32L,32Rを同時に正転または逆転させることができるので、前記カップリング58A,58Bを結合した状態のまま、フレキシブル配管56の撓みを伴いながら原動台車12上でクローラクレーン24を若干前後進させることが可能であり、これにより当該台車12に対するクローラクレーン24の位置調整を容易に行うことが可能である。
【0040】
さらに、前記台車走行用油圧モータ20として、同モータ20に供給される油圧が一定以下の場合に作動するブレーキを有するものを具備するようにすれば、前記右側走行切換弁46Rを中立位置ロに切換えて油圧ポンプ42から台車走行用油圧モータ20への油圧供給を止めるだけで自動的にブレーキが作動するため、クローラクレーン42側の操作レバー48Rを用いてブレーキ操作もすることが可能になる。
【0041】
なお、これら切換弁60A,60Bは適宜省略可能である。また、当該切換弁60A,60Bの切換機能を走行切換弁46L,46R側に付加するようにしてもよい。
【0042】
また、走行切換弁は必ずしも左右個別に設ける必要はなく、例えばステアリング装置を具備するホイールクレーンの場合には、前輪、後輪の少なくとも一方を正逆転させるための単一の走行切換弁のみ設けるようにしてもよい。走行切換弁の操作方式も図示のような完全手動式のものに限らず、例えばリモコン弁を用いた油圧パイロット式の切換弁や電磁切換弁の適用も可能である。
【0043】
また、本発明に係る作業機械はクレーンに限らず、例えば油圧ショベルやブルドーザといった他の自走式作業機械の移送にも有効に適用が可能である。
【0044】
本発明に係る油圧源の用途も必ずしも自走に限らず、例えば図示のブーム36のような作業部材の駆動のみを目的として油圧源が搭載された自走式作業機械であっても、その油圧源を利用して台車を走行させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態に係るクローラクレーン及び同クレーンが載せられる台車を示す正面図である。
【図2】前記クローラクレーン及び台車を示す平面図である。
【図3】前記クローラクレーン及び台車を示す側面図である。
【図4】(a)は前記クローラクレーン及び台車内の配管構造を示す平面図、(b)は同構造を示す正面図である。
【図5】(a)(b)は前記クローラクレーン及び台車に設けられる油圧回路を示す図であり、(a)は第1の状態を示す回路図、(b)は第2の状態を示す回路図である。
【図6】(a)は前記クローラクレーンに設けられる左側走行切換弁を示す回路図、(b)は同クローラクレーンに設けられる右側走行切換弁を示す回路図である。
【符号の説明】
【0046】
10 レール
12 原動台車
14 従動台車
18 車輪
20 台車走行用油圧モータ
24 クローラクレーン(自走式作業機械)
26 下部走行体
30 クローラ
32L,32R 自走用油圧モータ
40 原動機(油圧源)
42 油圧ポンプ(油圧源)
46L,46R 走行切換弁
48L,48R 操作レバー(走行操作部材)
56 フレキシブル配管
58A カップリング(接続部)
58B カップリング(結合部)
60A,60B 切換弁(油圧供給切換手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
台車走行用油圧モータを有する台車の上に、油圧源を搭載した自走式作業機械を載せ、この自走式作業機械の油圧源に前記台車走行用油圧モータを接続することにより当該台車走行用油圧モータを作動させて前記台車を走行させることを特徴とする自走式作業機械を用いた台車走行方法。
【請求項2】
請求項1記載の自走式作業機械を用いた台車走行方法において、前記自走式作業機械は、前記油圧源を用いて走行体を駆動する走行用油圧回路と、その走行状態を操作するための走行操作部材を有するものであり、この走行操作部材の操作に追従して前記台車走行用油圧モータが作動するように当該走行用油圧モータと前記自走式作業機械の走行用油圧回路とを接続することを特徴とする自走式作業機械を用いた台車走行方法。
【請求項3】
台車走行用油圧モータを有する台車の上に搭載可能な自走式作業機械であって、油圧源を含む油圧回路と、その油圧源を前記台車走行用油圧モータに接続するための接続部とを有することを特徴とする自走式作業機械。
【請求項4】
請求項3記載の自走式作業機械において、少なくとも一部が機械外部に露出するフレキシブル配管の端部に前記接続部が設けられていることを特徴とする自走式作業機械。
【請求項5】
請求項3または4記載の自走式作業機械において、前記油圧源と、この油圧源からの油圧の供給を受けて走行体を駆動する自走用油圧モータと、この自走用油圧モータと前記油圧源との間に介在する走行切換弁とを含む自走式油圧回路を備え、かつ、その走行切換弁が前記油圧源と前記接続部との間にも介在しており、当該接続部に前記台車走行用油圧モータが接続された状態で前記走行切換弁を切換操作することにより前記台車走行用油圧モータの操作ができるように前記自走用油圧回路が構成されていることを特徴とする自走式作業機械。
【請求項6】
請求項5記載の自走式作業機械において、前記油圧源から前記自走式油圧モータ及び前記接続部の双方に対する油圧供給を許容する第1の状態と、前記油圧源から前記自走式油圧モータへの油圧供給のみ許容して前記油圧源から前記接続部への油圧供給は遮断する第2の状態とに切換えられる油圧供給切換手段を備えたことを特徴とする自走式作業機械。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれかに記載の自走式作業機械と、この自走式作業機械を搭載することが可能な台車とを備え、この台車は、当該台車を走行させるための台車走行用油圧モータと、この台車走行用油圧モータに接続され、かつ、前記自走式作業機械の接続部に結合可能な結合部とを有し、この結合部を前記接続部に結合した状態で前記台車走行用油圧モータが前記接続部及び結合部を介して前記作業機械の油圧源に接続されるように構成されていることを特徴とする台車走行装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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