説明

自転車のハンドルフレーム回動装置

本発明は、ハンドルフレームの回転が可能である自転車のハンドルフレーム回動装置を開示する。本発明による自転車のハンドルフレーム回動装置は、ブレーキレバー又は変速レバーの操作のために、ハンドルフレームを取っ手の回転方向及び回転角度と同一の方向及び角度で回動させるハンドルフレーム回動装置を自動車のハンドルフレームに設置することによって、道路の走行条件に応じてハンドルフレームが回動されてブレーキレバー又は変速レバーの操作が容易となり、走行道路の条件によって発生する衝撃から運転者を保護することができ、製品の利便性を一層向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車のハンドルフレーム回動装置に関し、より詳しくは、走行条件に応じてハンドルフレームが回動されてブレーキ及び変速操作が容易にできる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に自転車は、図1に示されたように、走行のための前輪11及び後輪12と、前輪11の進行方向の調整が可能なように連結されたハンドルフレーム20と、ハンドルフレーム20、後輪12、サドル40、ペダル50などを全部支持する本体フレーム30とを備えている。従って、サドル40に座った搭乗者がペダル50を回転させれば、後輪12に動力が伝えられて自転車が前方に進むようになり、ハンドルフレーム20の取っ手21を把持した状態で左右に回せば前輪11の進行方向を変化させながら運転することができる。
【0003】
一方、自転車の種類は、搭乗者の走行姿勢を勘案してデザインされた多様な形態に分類することができるが、最も普遍的な生活用自転車の他にも、BMXバイク、競輪場(velodrome)や道路などで競走用に使われる競走用自転車、山岳用のマウンテンバイク(MTB)などを代表的な形態として列挙することができる。
【0004】
自転車の取っ手21には、ブレーキとワイヤーとレバーとからなる制動装置が備えられ、自転車の制動装置は、搭乗者が取っ手21を握ったまま指を利用してレバーを引き寄せてこそ制動が可能となる。
【0005】
特に、前述した山岳用のマウンテンバイク及びBMXバイク又はオートバイに搭乗して一字状に伸びているハンドルフレームの取っ手を握れば、肘部位が外側に曲がると同時に腰も半分ぐらい曲がる。このように、腰を半分ぐらい曲げた状態が、衝撃を最もよく吸収できる姿勢である。
【0006】
しかし、自転車を利用して山を登ったり降りたりする場合、運転中の搭乗者の姿勢は、腰を半分ぐらい曲げた状態の姿勢とは異なって、走行道路の条件に応じて異なる姿勢を取ることになり、それによる搭乗者の手首位置も図2に示されたようにひどく曲がった状態で走行することになるので、手首に衝撃が発生し、このような苦しい姿勢では搭乗者が指で前記制動装置又は変速装置のレバーを作動しにくいとの問題点があった。
【0007】
従って、ハンドルフレームを走行道路の条件に応じて上下に回転可能にした装置が別途必要であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前述した事情に鑑みて案出されたものであり、その目的は、ハンドルフレームを取っ手の回転方向及び回転角度と同一の方向及び角度で回動させるハンドルフレーム回動装置を自動車のハンドルフレームに設置することによって、道路の走行条件に応じてハンドルフレームが回動されてブレーキレバー又は変速レバーの操作が容易となり、製品の利便性を一層向上させる自転車のハンドルフレーム回動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するための本発明は、自転車のハンドルフレームと、前記ハンドルフレームの両側に設けられた取っ手の回転によって前記ハンドルフレームを上下回動させるように、前記ハンドルフレームの中央に設置されるハンドルフレーム回動装置と、を含む。
【0010】
ここで、前記ハンドルフレーム回動部材は、前記ハンドルフレームを固設するためのハンドルフレーム固定部材と、前記ハンドルフレーム固定部材の中心部に設置され、前記ハンドルフレーム固定部材を回転させる回転部材と、を含む。
【0011】
前記ハンドルフレーム固定部材は、一方に半円溝が形成された2つのハウジングと、前記ハウジングのそれぞれと係合し、前記ハンドルフレームが貫通される貫通孔と、前記貫通孔に前記ハンドルフレームを挿入した後、前記ハウジングの両側を結合する固定部材と、前記ハウジングの所定の位置に設けられ、前記回転部材の回転方向によって前記ハンドルフレームを案内する突出部と、を含むことを特徴とする。
【0012】
前記回転部材は、前記ハンドルフレーム固定部材のハウジングの中心部の外側に設置されるハウジングと、前記ハンドルフレーム固定部材の前記突出部と係合するように設けられ、前記ハンドルフレーム固定部材の前記突出部を搭乗者の意志によって決定された方向及び角度に案内するガイド溝と、を含み、前記ガイド溝は、前記ハンドルフレーム固定部材の移動角度を予め定められた所定の角度以内に制限するように備えられる、ことを特徴とする。
【0013】
前記回転部材は、前記回転部材の前記ハウジングの内側と、前記ハンドルフレーム固定部材の前記ハウジングの外側とにそれぞれ固設され、前記ハンドルフレーム固定部材を元の状態に戻す弾性部材をさらに含む、ことを特徴とする
【0014】
一方、前記回転部材を前記ハンドルフレーム固定部材に固定された状態で維持させるために、前記ハンドルフレーム固定部材と前記回転部材と係合するように設けられるストッパーをさらに含む、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
従って、本発明の自転車のハンドルフレーム回動装置によれば、取っ手の回転方向及び回転角度と同一の方向及び角度でハンドルフレームを回動させるハンドルフレーム回動装置をハンドルフレームに設けることによって、道路の走行条件に応じてハンドルフレームが回動されてブレーキレバー又は変速レバーの操作が容易となり、製品の利便性を一層向上でき、また、走行道路の条件に応じて発生する衝撃からの運転者保護が可能となる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】一般的な自転車の構成を示す図である。
【図2】図1における自転車の搭乗者の手首位置を示す図である。
【図3】本発明による自転車のハンドルフレーム固定部材が設けられた状態を示す図である。
【図4】図3の一方に自転車の回転部材が装着された状態を示す図である。
【図5】図4の回転部材の詳細図である。
【図6】本発明による回転部材及びハンドルフレーム固定部材の分解斜視図である。
【図7】本発明によるハンドルフレームの上方への移動時の回転部材の動作状態を示す図である。
【図8】本発明によるハンドルフレームの下方への移動時の回転部材の動作状態を示す図である。
【図9】本発明のハンドルフレーム固定部材と回転部材が装着された状態を示す図である。
【図10】本発明の装置によるハンドルフレームにおける走行中の手首の位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら本発明の望ましい実施例を説明する。本発明の実施例においては自転車を一例として説明するが、オートバイなどの二輪車にも適用可能である。
【0018】
図3は本発明による自転車にハンドルフレーム回動装置が装着された状態を示す図、図4は図3の回転部材120がハンドルフレームに固設された状態を示す斜視図、図5は図3の回転部材の構成を詳しく示す斜視図、図6は図3の回転部材120とハンドルフレーム固定部材110との装着状態を示す分解斜視図、そして、図7は図3の回転部材120がハンドルフレーム固定部材110に装着された状態を示す斜視図である。
【0019】
即ち、本発明によるハンドルフレーム回動装置は、図3に示されたように、ハンドルフレーム10とハンドルフレーム回動装置100を含み、ここで、ハンドルフレーム回動装置100は、ハンドルフレーム10が固定されるハンドルフレーム固定部材110、及びハンドルフレーム固定部材110を回転させる回転部材を含む。
【0020】
ハンドルフレーム固定部材110は、一方に半円溝が形成された二つの固定ハウジング111、113と係合して貫通孔115を形成し、貫通孔115の内部にハンドルフレーム10を挿入した後、固定ハウジング111、113の両側をボルト117で結合してハンドルフレーム10を固定する。
【0021】
また、ハンドルフレーム固定部材110は、固定ハウジング111の一方に設けられてハンドルフレーム固定部材110を回転部材120の回転によって案内する突出部119をさらに含む。
【0022】
即ち、ハンドルフレーム固定部材110を搭乗者の意志によって決定された方向及び角度で回転させる回転部材120は、図4に示されたように、ハンドルフレーム固定部材110の中心部の外側に、ハンドルフレーム固定部材110を回転させるように設置される。即ち、回転部材120は、ハンドルフレーム固定部材110のハウジング111の外側にボルトを介して結合される。
【0023】
ここで、回転部材120は、図5に示されたように、ハンドルフレーム固定部材110の固定ハウジング111の外側に設置される回転ハウジング121、122と、ハンドルフレーム固定部材110の突出部119と係合するように設けられ、ハンドルフレーム固定部材110を搭乗者の意志によって決定された方向又は角度で移動させるように突出部119を案内するガイド溝123とが設けられ、ガイド溝123は、ハンドルフレーム10が予め定められた角度以上に移動されることを制限するための固定部123Aを備える。
【0024】
また、ハンドルフレーム固定部材110と回転部材120の各所定位置に係合して設けられ、回転部材120がハンドルフレーム固定部材110に固定された状態で維持させるためのストッパーをさらに含む。
【0025】
このとき、ストッパーの固定ボール131Bが固定溝131Aから離脱する程度の駆動力でハンドルフレーム10の取っ手が上方に回転すれば、回転部材120は、回転ハウジング121の外側に設けられたガイド溝123に沿って突出部119が移動するようになり、この時の回転角度はガイド溝123の固定部123Aにより制限される。回転部材120の上方への回動によって、ハンドルフレーム固定部材110もまた上方に回動するようになる。
【0026】
また、図8及び図9に示されたように、回転部材120のハウジングの内側には、ガイド溝123に沿って移動されたハンドルフレーム10を元の状態に戻すための弾性部材125をさらに含み、弾性部材125の一方は、ハンドルフレーム固定部材110の固定ハウジング111に螺合により固定され、他方は、回転部材120の回転ハウジング121に固設される。従って、搭乗者の意志によって、ハンドルフレーム10を上方に回転させれば、図8に示されたように、弾性部材125の弾性力が発生する。
【0027】
しかし、搭乗者の意志によって、ハンドルフレーム10を下方に回転させれば、図9に示されたように、ハンドルフレーム固定部材110は、弾性部材125の復原力によって元の位置に戻る。
【0028】
即ち、山の傾斜路を走行する場合、搭乗者の意志によって、ハンドルフレーム10の取っ手が上方に回転されれば、ハンドルフレーム固定部材110が回転部材120のガイド溝123に沿って移動される。
【0029】
従って、ハンドルフレーム10は上方に移動され、図10に示されたように、手首の位置が平地を走行するのと同じ状態で維持されるので、指による変速レバー又はブレーキレバーの操作が容易となり、道路走行により発生した手首への衝撃を吸収して疲労感を減らすことができる。
【0030】
一方、搭乗者の意志によって、ハンドルフレーム10の取っ手を下方に回転させれば、ハンドルフレーム固定部材110は弾性部材125の復原力によって元の状態に戻る。
【0031】
以上、説明したように、本発明の自転車のハンドルフレーム回動装置は、ハンドルフレームを取っ手の回転方向及び回転角度と同一の方向及び角度で回動させるハンドルフレーム回動装置を、自動車のハンドルフレームの中央に固設することによって、道路の走行条件に応じてハンドルフレームが回動することになり、ブレーキレバー又は変速レバーの操作が容易となる。
【0032】
以上、本発明を望ましい実施例を参照しながら詳しく説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者ならば誰でも、特許請求範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない範囲内で多様な変形又は修正が可能なことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
道路の走行条件に応じてハンドルフレームが回動することからブレーキレバー又は変速レバーの操作が容易となり、製品の利便性を一層向上させるために、ハンドルフレームを取っ手の回転方向及び回転角度と同一の方向及び角度で回動させるハンドルフレーム回動装置を自動車のハンドルフレームに設置することによって、市販又は営業の可能性が充分であるだけでなく現実的に明白に実施可能な程度であるため、産業上の利用可能性を有する発明といえる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車のハンドルフレームと、
前記ハンドルフレームの両側に設けられた取っ手の回転によって前記ハンドルフレームを上下回動させるように、前記ハンドルフレームの中央に設置されるハンドルフレーム回動部材と、
を含むことを特徴とする自転車のハンドルフレーム回動装置。
【請求項2】
前記ハンドルフレーム回動部材は、
前記ハンドルフレームを固設するためのハンドルフレーム固定部材と、
前記ハンドルフレーム固定部材の中心部に設置され、前記ハンドルフレーム固定部材を回転させる回転部材と、
を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の自転車のハンドルフレーム回動装置。
【請求項3】
前記ハンドルフレーム固定部材は、
一方に半円溝が形成された固定ハウジングと、
前記固定ハウジングと係合し、前記ハンドルフレームが貫通される貫通孔と、
前記貫通孔に前記ハンドルフレームを挿入した後、前記固定ハウジングの両側を結合する固定部材と、
前記固定ハウジングの所定の位置に設けられ、前記回転部材の回転方向によって前記ハンドルフレームを案内する突出部と、
を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の自転車のハンドルフレーム回動装置。
【請求項4】
前記回転部材は、
前記固定ハウジングの中心部の外側に設置される回転ハウジングと、
前記ハンドルフレーム固定部材の前記突出部と係合するように設けられ、前記ハンドルフレーム固定部材を搭乗者の意志によって決定された方向及び角度に案内するガイド溝と、
を含み、
前記ガイド溝は、前記ハンドルフレーム固定部材の移動角度を予め定められた所定の角度以内に制限するように備えられる、
ことを特徴とする請求項3に記載の自転車のハンドルフレーム回動装置。
【請求項5】
前記回転部材は、
前記回転部材の前記回転ハウジングの内側と、前記ハンドルフレーム固定部材の前記固定ハウジングの外側とにそれぞれ固設され、
前記ハンドルフレーム固定部材を元の状態に戻す弾性部材をさらに含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の自転車のハンドルフレーム回動装置。
【請求項6】
前記ハンドルフレーム固定部材と前記回転部材のそれぞれのハウジングの所定の位置で係合するように設けられ、前記回転部材を前記ハンドルフレーム固定部材に固定された状態で維持させるストッパーをさらに含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の自転車のハンドルフレーム回動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−526862(P2011−526862A)
【公表日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517361(P2011−517361)
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【国際出願番号】PCT/KR2009/004330
【国際公開番号】WO2010/016703
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(511005538)
【Fターム(参考)】