説明

自閉症を診断及び治療する方法

本発明は、乳酸脱水素酵素(LDH)、グアニン脱アミノ酵素(GDA)、コラプシン反応媒介タンパク質1(CRMP1)、ストレス誘導性リンタンパク質1(STIP1)、有棘末端アクチン結合タンパク質Cap Z(CAPZA2)のアルファサブユニット、Yボックス結合タンパク質1(YBX1)、真核生物翻訳及び伸長因子1A1(EEF1A1)、微小管結合タンパク質Tau(MAPT)、ジヒドロピリミジナーゼタンパク質2(DPYSL2)、ダイナミン1様タンパク質(DNM1L)、ラディキシン(RDX)、モエシン(MSN)、及びエジリン(EZR)からなる群から選択される1以上のバイオマーカーに結合する母親抗体を生物試料中で検出することによって、胎児又は子供における自閉症スペクトラム障害(ASD)を発症する危険性を決定する診断方法を提供する。さらに、本発明は、上記で列挙した1以上の胎児バイオマーカーに対する母親由来抗体の結合をブロックする薬剤を母親に投与することによって、又は1以上の胎児バイオマーカーに結合する母親抗体を除去することによって、ASDを発症する胎児又は子供の危険性を予防又は低減する方法を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
自閉症スペクトラム障害(ASD)を発症する子供の危険性を決定する方法であって、子供の母親からの生物試料において、乳酸脱水素酵素(LDH)、グアニン脱アミノ酵素(GDA)、コラプシン反応媒介タンパク質1(CRMP1)、及びストレス誘導性リンタンパク質1(STIP1)からなる群から選択される1以上のバイオマーカーに結合する母親由来抗体の存在を特定することを含み、ここで、バイオマーカーの1以上に結合する該母親由来抗体の存在がASDを発症する子供の危険性の増大を指示する方法。
【請求項2】
母親からの生物試料を得る工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
生物試料が、血液、血清、血漿、羊水、乳、及び唾液からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
乳酸脱水素酵素がLDH−A(LDH−A)である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
乳酸脱水素酵素がLDH−B(LDH−B)である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
乳酸脱水素酵素がLDH−A及びLDH−Bの両方である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
LDH、GDA、CRMP1、及びSTIP1からなる群から選択される1以上のバイオマーカーに結合する母親由来抗体の存在が検出される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
LDH、CRMP1、及びSTIP1からなる群から選択される1以上のバイオマーカーに結合する母親由来抗体の存在が検出される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
LDH及びCRMP1からなる群から選択される1以上のバイオマーカーに結合する母親由来抗体の存在が検出される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
LDH及びSTIP1からなる群から選択される1以上のバイオマーカーに結合する母親由来抗体の存在が検出される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
GDA、CRMP1、及びSTIP1からなる群から選択される1以上のバイオマーカーに結合する母親由来抗体の存在が検出され、さらに、多動性障害及び/又はコミュニケーション障害の危険性の増大を指示する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
GDA及びCRMP1からなる群から選択される1以上のバイオマーカーに結合する母親由来抗体の存在が検出され、さらに、多動性障害及び/又はコミュニケーション障害の危険性の増大を指示する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
GDA及びSTIP1からなる群から選択される1以上のバイオマーカーに結合する母親由来抗体の存在が検出され、さらに、多動性障害及び/又はコミュニケーション障害の危険性の増大を指示する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
有棘末端アクチン結合タンパク質Cap Z(CAPZA2)のαサブユニット、Yボックス結合タンパク質1(YBX1)、真核生物翻訳及び伸長因子1A1(EEF1A1)、微小管結合タンパク質Tau(MAPT)、ジヒドロピリミジナーゼタンパク質2(DPYSL2)、ダイナミン1様タンパク質(DNM1L)、ラディキシン(RDX)、モエシン(MSN)、及びエジリン(EZR)に結合する母親由来抗体の存在を検出することをさらに含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
子供が新生児である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
子供が胎児である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
胎児が母親に在胎している、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
胎児がまだ受胎されていない、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
母親がヒトである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
母親がASDの子供をもつ、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
をもつ、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
ASDを発症する胎児の危険性を予防又は低減する方法であって、乳酸脱水素酵素(LDH)、グアニン脱アミノ酵素(GDA)、コラプシン反応媒介タンパク質1(CRMP1)、及びストレス誘導性リンタンパク質1(STIP1)からなる群から選択される1以上の胎児バイオマーカーに対する母親由来抗体の結合をブロックする1以上の薬剤を胎児の母親に投与することを含み、母親由来抗体による1以上の胎児バイオマーカーへの結合のブロックがASD発症の危険性を予防又は低減する方法。
【請求項23】
1以上の抗原が1以上の胎児バイオマーカー又はその抗原性断片のポリペプチドである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
1以上の抗原が1以上の胎児バイオマーカーのポリペプチドのミモトープである、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
抗原が静脈内投与される、請求項22〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
母親由来抗体がLDH−A及びLDH−Bの少なくとも1つと結合する、請求項22〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
母親由来抗体が、LDH、GDA、CRMP1、及びSTIP1からなる群から選択される1以上のバイオマーカーに結合し、LDH、GDA、CRMP1、及びSTIP1に対する母親由来抗体の結合をブロックする母親抗原に対して投与する、請求項22〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
母親由来抗体が、LDH、CRMP1、及びSTIP1からなる群から選択される1以上のバイオマーカーに結合し、1以上の該バイオマーカーに対する母親由来抗体の結合をブロックする母親抗原に対して投与する、請求項22〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
母親由来抗体が、LDH及びCRMP1からなる群から選択される1以上のバイオマーカーに結合し、1以上の該バイオマーカーに対する母親由来抗体の結合をブロックする母親抗原に対して投与する、請求項22〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
母親由来抗体が、LDH及びSTIP1からなる群から選択される1以上のバイオマーカーに結合し、1以上の該バイオマーカーに対する母親由来抗体の結合をブロックする母親抗原に対して投与する、請求項22〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
母親由来抗体が、GDA、CRMP1、及びSTIP1からなる群から選択される1以上のバイオマーカーに結合し、1以上の該バイオマーカーに対する母親由来抗体の結合をブロックする母親抗原に対して投与する、請求項22〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
母親由来抗体が、GDA及びCRMP1からなる群から選択される1以上のバイオマーカーに結合し、1以上の該バイオマーカーに対する母親由来抗体の結合をブロックする母親抗原に対して投与する、請求項22〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
母親由来抗体が、GDA及びSTIP1からなる群から選択される1以上のバイオマーカーに結合し、1以上の該バイオマーカーに対する母親由来抗体の結合をブロックする母親抗原に対して投与する、請求項22〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
有棘末端アクチン結合タンパク質Cap Z(CAPZA2)のアルファサブユニット、Yボックス結合タンパク質1(YBX1)、真核生物翻訳及び伸長因子1A1(EEF1A1)、微小管結合タンパク質Tau(MAPT)、ジヒドロピリミジナーゼタンパク質2(DPYSL2)、ダイナミン1様タンパク質(DNM1L)、ラディキシン(RDX)、モエシン(MSN)、及びエジリン(EZR)からなる群から選択される1以上の胎児バイオマーカーに対する母親由来抗体の結合をブロックする1以上の抗原を母親に対して投与することをさらに含む、請求項22〜32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
胎児が母親に在胎している、請求項22〜34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
胎児がまだ受胎されていない、請求項22〜34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
胎児の母親の血漿由来の乳酸脱水素酵素(LDH)、グアニン脱アミノ酵素(GDA)、コラプシン反応媒介タンパク質1(CRMP1)、及びストレス誘導性リンタンパク質1(STIP1)からなる群から選択される1以上の胎児バイオマーカーに結合する抗体を取り除くことを含む、ASDを発症する子供の危険性を予防又は低減する方法。
【請求項38】
1以上のバイオマーカーに結合する抗体が、血漿交換によって血漿から取り除かれる、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
母親の血漿が、固体支持体に結合した1以上のバイオマーカーのポリペプチド又はミモトープと接触される、請求項37又は38に記載の方法。
【請求項40】
LDHがLDH−A及びLDH−Bの少なくとも1つである、請求項37〜39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
LDH、GDA、CRMP1、及びSTIP1からなる群から選択される1以上のバイオマーカーに結合する抗体が取り除かれる、請求項37〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
LDH、CRMP1、及びSTIP1からなる群から選択される1以上のバイオマーカーに結合する抗体が取り除かれる、請求項37〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
LDH及びCRMP1からなる群から選択される1以上のバイオマーカーに結合する抗体が取り除かれる、請求項37〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
LDH及びSTIP1からなる群から選択される1以上のバイオマーカーに結合する抗体が取り除かれる、請求項37〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
GDA、CRMP1、及びSTIP1からなる群から選択される1以上のバイオマーカーに結合する抗体が取り除かれる、請求項37〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
GDA及びCRMP1からなる群から選択される1以上のバイオマーカーに結合する抗体が取り除かれる、請求項37〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
GDA及びSTIP1からなる群から選択される1以上のバイオマーカーに結合する抗体が取り除かれる、請求項37〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
有棘末端アクチン結合タンパク質Cap Z(CAPZA2)のアルファサブユニット、Yボックス結合タンパク質1(YBX1)、真核生物翻訳及び伸長因子1A1(EEF1A1)、微小管結合タンパク質Tau(MAPT)、ジヒドロピリミジナーゼタンパク質2(DPYSL2)、ダイナミン1様タンパク質(DNM1L)、ラディキシン(RDX)、モエシン(MSN)、及びエジリン(EZR)からなる群から選択される1以上の胎児バイオマーカーに結合する抗体を取り除くことをさらに含む、請求項37〜46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
胎児が母親に在胎している、請求項37〜48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
胎児がまだ受胎されていない、請求項37〜48のいずれか1項に記載の方法。

【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−501942(P2013−501942A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524877(P2012−524877)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際出願番号】PCT/US2010/045343
【国際公開番号】WO2011/019929
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(506115514)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア (87)
【Fターム(参考)】