説明

臭気吸着ユニット、空気浄化方法および空気浄化装置

【課題】臭気成分を含む室内空気(被処理空気)に対して臭気成分の吸着と分解をおこなう系内処理を時系列的に連携し高性能化を図る。
【解決手段】空気浄化装置Xは、導入口1から排気口5に至る系内での被処理空気の流向に沿って、ヒータ15を内蔵した臭気吸着ユニット10、光源を収容して光触媒を担持した臭気分解ユニット20、および排気ファン4を離隔配置している。ヒータ15電源を停止し、排気ファン4を回転駆動しながら臭気吸着ユニット10に被処理空気を高風速で導き、臭気成分を吸着除去して系外に浄化空気を放出する臭気吸着処理をおこなう第1浄化運転手段(10)と、ヒータ15電源を投入し、臭気吸着ユニット10を通電加熱することにより、吸着した臭気成分を放出させ、かつ、排気ファン4を回転駆動しながら臭気分解ユニット20に低風速で導き、臭気成分を分解して系外に浄化空気を放出する臭気分解処理をおこなう第2浄化運転手段(20)を機能構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中の臭気成分を浄化する臭気吸着ユニット、空気浄化方法および空気浄化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の空気浄化装置は、(1)活性炭等の吸着剤を充填した層に臭気含有空気を通過させ、臭気成分を吸着する吸着方式〔例えば特許文献1を参照〕、(2)光触媒などの触媒層に臭気含有成分を通過させ、臭気成分を分解する分解方式〔例えば、特許文献2を参照〕、(3)光触媒担持吸着剤層に臭気含有空気を通過させ、臭気成分を吸着すると共に、これと並行してあるいは間歇的に紫外線を照射して臭気成分を分解するハイブリッド光触媒方式〔例えば、特許文献3、4を参照〕があった。
【特許文献1】特開2002−233727号公報
【特許文献2】特開2005−007303号公報
【特許文献3】特開2002−233735号公報
【特許文献4】特開2004−313885号公報
【0003】
しかしながら、上記(1)に示す吸着方式では、高風速で臭気成分を処理できるものの、吸着剤の有効使用期間が短く頻繁な交換が必要という問題があった。また、上記(2)に示す分解方式では、有効試用期間は長いものの、臭気成分の分解に時間がかかり、少量の臭気成分しか分解できない問題があった。また、上記(3)に示すハイブリッド光触媒方式においても、光触媒による分解時間がかかるため、大容量の臭気を処理する場合には吸着が飽和し、少量の臭気成分しか処理できないという問題があった。なお、吸着剤により臭気成分を吸・脱着させ、吸着能力を維持しようとするものがある〔例えば、特許文献5を参照〕。
【特許文献5】特開平9−309329号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、臭気成分を含む室内空気(被処理空気)に対して臭気成分の吸着と分解に係る2系統の系内処理(処理工程、処理手段)を時系列的に連携して協働的な脱臭・浄化をおこなう点にある。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、まず、臭気成分を含む室内空気(被処理空気)を接触させて臭気成分を吸着することにより脱臭・浄化をおこなう処理系において用いられ、複数の板状吸着要素を対向列設した吸着フィン群を備えて、系内に導入した被処理空気の流向に対し横断方向に流路を細分割するように配置してなる臭気吸着ユニットを提供するものである。
【0006】
つぎに、処理系内に機器的手段を配置し、臭気成分を含む室内空気(被処理空気)に対して臭気成分の吸着と分解に係る2系統の処理工程を時系列的に連携して協働的な脱臭・浄化をおこなうようにした空気浄化方法および空気浄化装置を提供するものである。
【0007】
より具体的には、導入口から排気口に至る系内での被処理空気の流向に沿って、少なくともヒータを内蔵した上記臭気吸着ユニット、光源を収容して光触媒を担持した臭気分解ユニット、および排気ファンを離隔配置し、第1浄化運転時に、室内空気を通電加熱が可能な基材に吸着剤を添着して成る吸着ユニットに臭気成分を高風速で導いて吸着して装置外に浄化空気を放出することで多量に臭気成分を処理し、第2浄化運転時に、前記基材を通電加熱することにより吸着ユニットから放出された臭気成分を、光触媒と紫外線光源から成る分解ユニットに低風速で導いて長時間かけて分解したのち装置外に浄化空気を放出することによって、既存空気浄化装置が抱えていた問題点を効率的に解決するようにした空気浄化方法および空気浄化装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
課題を解決するために、第1の発明は、臭気成分を含む室内空気(以下、被処理空気。)を接触させて臭気成分を吸着することにより脱臭・浄化をおこなう処理系において用いられ、複数の板状吸着要素を対向列設した吸着フィン群を備えて、系内に導入した被処理空気の流向に対し横断方向に流路を細分割するように配置してなる臭気吸着ユニットであって、
一又は複数のヒータと、複数の金属製板状基材からなる吸着板およびスペーサを有し、
前記吸着板が、板面内に前記ヒータの内蔵孔および前記スペーサとの締結孔を形成した基材連結部を設け、かつ、該基材連結部を除く板面に吸着剤を添着して被処理空気との接触面(臭気吸着面に同じ。)を形成したものであり、
前記スペーサが、前記基材連結部に当接する板状離隔要素からなり、板面内に前記ヒータの内蔵孔および前記基材連結部との締結孔を設け、かつ、板面の少なくとも片側に被処理空気の流向に沿う臭気通過溝を形設したものであり、
前記スペーサを介して前記吸着板を連設し、かつ、臭気吸着面を対向列設して吸着フィン群を形設するとともに、その連設方向に前記内蔵孔を連通させて前記ヒータを貫入してなることを特徴とするものである。〔請求項1〕
【0009】
第2の発明は、処理系内に機器的手段を配置し、臭気成分を含む室内空気(以下、被処理空気。)に対して臭気成分の吸着と分解に係る2系統の処理工程を時系列的に連携して協働的な脱臭・浄化をおこなうようにした空気浄化方法であって、
導入口から排気口に至る系内での被処理空気の流向に沿って、少なくともヒータを内蔵した臭気吸着ユニット、光源を収容して光触媒を担持した臭気分解ユニット、および排気ファンを離隔配置し、
前記ヒータ電源を停止しておこなう第1浄化運転時に、前記排気ファンを回転駆動しながら前記臭気吸着ユニットに被処理空気を高風速で導き、臭気成分を吸着除去して系外に浄化空気を放出する臭気吸着処理工程と、
前記ヒータ電源を投入しておこなう第2浄化運転時に、前記臭気吸着ユニットを通電加熱することにより、吸着した臭気成分を放出させ、かつ、前記排気ファンを回転駆動しながら前記臭気分解ユニットに低風速で導き、臭気成分を分解して系外に浄化空気を放出する臭気分解処理工程
を包含することを特徴とするものである。〔請求項3〕
【0010】
第3の発明は、上記方法を実施するための空気浄化装置であって、
導入口から排気口に至る系内での被処理空気の流向に沿って、少なくともヒータを内蔵した臭気吸着ユニット、光源を収容して光触媒を担持した臭気分解ユニット、および排気ファンを離隔配置し、
前記ヒータ電源を停止し、前記排気ファンを回転駆動しながら前記臭気吸着ユニットに被処理空気を高風速で導き、臭気成分を吸着除去して系外に浄化空気を放出する臭気吸着処理をおこなう第1浄化運転手段と、
前記ヒータ電源を投入し、前記臭気吸着ユニットを通電加熱することにより、吸着した臭気成分を放出させ、かつ、前記排気ファンを回転駆動しながら前記臭気分解ユニットに低風速で導き、臭気成分を分解して系外に浄化空気を放出する臭気分解処理をおこなう第2浄化運転手段
を具備してなることを特徴とするものである。〔請求項5〕
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高風速でかつ簡易な空気浄化方式である吸着方式と、低風速ではあるが同じく簡易にあらゆる臭気成分を分解する光触媒分解方式を組み合わせることによって、多量の臭気成分を処理することが可能で、吸着剤を交換することなく長期間使用することができる。また、臭気吸着ユニットと臭気分解ユニットを分離しているため紫外線光源からの紫外線が妨げられることなく光触媒層に照射される。また、吸着剤を選ぶことによって、多様な臭気成分の除去が可能となる。
【0012】
また、吸着板を数mmの間隙をあけて等間隔で多数並列配置することができるため臭気成分を含んだ空気を、十分な面積の吸着剤にむら無く接触させることができ、これによって十分な吸着容量と単位時間当たりの臭気成分の処理量を確保することができる。同時に、吸着板が金属製であり、かつ内蔵ヒータに直結しているため、吸着板の微細な温度制御を行うことも可能で、それにより臭気成分の脱着濃度制御もでき、効率の良い加熱脱着により臭気吸着ユニットを再生することが可能となる。また、臭気通過溝を有するヒータ内蔵のスペーサを中央または中央より臭気入口側に配置することにより、吸着板の温度の差を小さくすることができる。
【0013】
また、セラミックス系微粒子およびアクリル共重合体系ラテックスにより、活性炭微粒子の吸着サイトを塞ぐことなく吸着板に添着することが可能であり、かつ 150℃以上の高い脱着温度によっても剥離脱落などの損傷を受けない臭気吸着ユニットを作製することが可能となる。
【0014】
また、臭気分解ユニットは紫外線光源を中心として紫外線透過性内管および外管から成る二重管構造になっているため、酸化チタン担持粒状シリカゲルあるいは酸化チタン担持不織布など、光吸収と臭気通過性のバランスの最も良い光触媒分解剤を充填できる。さらに、二重管内に臭気含有空気を通ずる配管と分解ガスを排気する配管を付してその他を密閉することにより、臭気含有空気を確実に光触媒に接触させることができると同時に、臭気成分の完全分解を図ることができる。また、加熱空気の通路が限定されているので紫外線光源ソケット部あるいは装置全体を不必要に高温空気および臭気成分に接触させなくて済む。
【0015】
さらに、濃度センサによって臭気吸着ユニットから加熱脱着された臭気成分の濃度を計測し、濃度が高い場合は内蔵ヒータの出力を下げて吸着板の温度を下げる方法およびファンの出力を上げる方法の少なくともひとつ以上を用いて臭気成分の濃度を低下させ、濃度が低い場合は内蔵ヒータの出力を上げて吸着板の温度を上げる方法およびファンの出力を下げる方法の少なくともひとつを用いて臭気成分の濃度を上昇させて、臭気分解ユニットが最も効率的に分解可能な濃度で臭気成分を臭気分解ユニットに導くことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
請求項1記載の発明(臭気吸着ユニット)を実施するための最良の形態は、上記構成の臭気吸着ユニットにおいて、吸着剤を添着し、臭気流通方向に対して中央または中央より臭気入口側にヒータ内蔵孔を形成した複数の吸着板と、臭気流通方向において吸着板より小さい板面形状を有しかつ臭気通過溝および吸着板(基材連結部)のヒータ内蔵孔と一致する位置にヒータ内蔵孔を有する金属製スペーサを交互に複数積層配置し、さらに積層された上記基材連結部のヒータ内蔵孔、およびそれと一致した上記スペーサのヒータ内蔵孔を貫通してヒータを密着挿入して成る吸着ユニットを技術的特徴としている。
【0017】
この構成によれば、吸着板を数mmの間隙をあけて等間隔で多数並列配置するため臭気成分を含んだ空気を、十分な量の吸着剤に十分な面積でむら無く接触させることができ、これによって十分な吸着容量と吸着速度を確保することができる。同時に、吸着板(基材連結部を含む)が金属製であり、かつ内蔵ヒータに直結しているため、吸着板の微細な温度制御を行うことも可能で、それにより臭気成分の脱着濃度制御も可能である。また、ヒータを内蔵しかつ臭気通過溝を有するスペーサを通過した空気が臭気出口側の吸着板を加熱する作用があるため、ヒータ加熱時に吸着板の温度分布むらを小さくすることができる。特に、臭気流通方向に対して、吸着板の中央または中央より臭気入口側に基材連結部を形設し、スペーサを取り付けることにより、この効果は一層高められる。
【0018】
好適な吸着剤は、活性炭微粒子、セラミック系微粒子およびアクリル共重合体系ラテックスから成る混合物である。〔請求項2〕
【0019】
活性炭にセラミックス系微粒子およびアクリル共重合体系ラテックスを混合することにより、活性炭微粒子の吸着サイトを塞ぐことなく吸着板に添着することが可能である。ラテックス系バインダは粒子径がおよそ 0.1μm以上、分子量がおよそ10万以上と大きいため、マイクロポア(2nm以下)、メソポア(2〜50nm)のみでなく、マクロポア(50nm以上)も塞ぐことが無いので、活性炭の性能をほとんど損なわない利点を有する。また、ラテックスとしてシリコン変性アクリル共重合体系ラテックスを用いることにより、加熱脱着時に基材連結部を 150℃以上の温度に昇温させても、板面より吸着剤が脱落することのない吸着板を形成することができる。
【0020】
請求項3記載の発明(空気浄化方法)を実施するための最良の形態は、上記構成の空気浄化方法において、第1浄化運転時に、上記構成の臭気吸着ユニットにより臭気成分を高風速で吸着除去して装置外に浄化空気を放出し、第2浄化運転時に、吸着板(基材連結部を含む)の加熱脱着により吸着ユニットから放出された臭気成分を、光触媒と紫外線光源から成る臭気分解ユニットに低風速で導きこれを長時間かけて完全に分解させたのち浄化空気を装置外へ放出することを技術的特徴としている。
【0021】
このため、臭気吸着ユニットにより臭気成分を除去するので多量の臭気含有空気を高風速で浄化することができると共に、第2浄化運転時には、臭気吸着ユニットから加熱脱着により放出された臭気成分を臭気分解ユニットにより低風速で長時間かけて分解浄化できるので、臭気吸着ユニットの吸着剤を交換することなく長期間使用することができる。
【0022】
また、第2浄化運転時の臭気分解処理工程における処理能力を維持するために、臭気吸着ユニットの後流に配置した濃度センサの制御出力に基づきヒータ出力(加熱温度)と排気ファン出力(風量)をそれぞれ増減制御し、吸着した臭気成分の放出量と放出した臭気成分の導入量を調整する。〔請求項4〕
【0023】
すなわち、第1浄化運転時には、臭気吸着ユニットから装置外に放出される臭気成分の濃度を計測し、第2浄化運転時に臭気吸着ユニットから加熱脱着により放出される臭気成分の濃度を濃度センサで計測し、排気ファンおよび臭気吸着ユニット内蔵の複数のヒータの少なくともひとつ以上を連動させて臭気成分の濃度を制御するようにしている。
【0024】
このため、濃度センサによって臭気吸着ユニットから加熱脱着された臭気成分の濃度を計測し、濃度が高い場合は内蔵ヒータの出力を下げて吸着板の温度を下げる方法および排気ファンの出力を上げる方法の少なくともひとつ以上を用いて臭気成分の濃度を低下させ、濃度が低い場合は内蔵ヒータの出力を上げて吸着板の温度を上げる方法および排気ファンの出力を下げる方法の少なくともひとつを用いて臭気成分の濃度を上昇させて、分解ユニットが最も効率的に分解可能な濃度で臭気成分を臭気分解ユニットに導くことが可能になる。
【0025】
請求項5記載の発明(空気浄化装置)を実施するための最良の形態は、上記構成の空気浄化装置において、上記構成の臭気吸着ユニット〔請求項1記載の発明構成に同じ〕と、吸着基材の加熱脱着により吸着ユニットから放出された臭気成分を分解するための光触媒と紫外線光源から成る分解ユニットを共に装備し、臭気吸着ユニット、ヒータ、紫外線光源、排気ファンおよびダンパを連動制御することによって、第1浄化運転時には室内空気を臭気吸着ユニットに通し、第2浄化運転時には臭気吸着ユニットの加熱脱着により放出された臭気成分を、紫外線光源を点灯した光触媒を利用する臭気分解ユニットに通過させるように構成することを技術的特徴としている。〔請求項7〕
【0026】
このため、臭気吸着ユニットにより臭気成分を除去するので多量の臭気含有空気を高風速に浄化することができると共に、第2浄化運転時には、臭気吸着ユニットから加熱脱着により放出された臭気成分を分解ユニットにより低風速で長時間かけて分解浄化できる。臭気吸着ユニットは加熱脱着が可能なため、吸着能力の再生が可能である。さらに本装置には光触媒と紫外線光源を備えた臭気分解ユニットを備えているため、第2浄化運転時に臭気吸着ユニットから脱着放出された臭気成分を長時間かけて分解浄化することができる。
【0027】
ここで、第2浄化運転手段の処理能力を維持するために、臭気吸着ユニットの後流に濃度センサを配置し、その制御出力に基づきヒータ出力(加熱温度)と排気ファン出力(風量)をそれぞれ増減制御し、吸着した臭気成分の放出量と放出した臭気成分の導入量を調整する。〔請求項6〕
【0028】
すなわち、第1浄化運転時には臭気吸着ユニットから装置外に放出される臭気成分の濃度を計測し、第2浄化運転時には臭気吸着ユニットから加熱脱着により放出される臭気成分の濃度を濃度センサで計測し、排気ファンおよび臭気吸着ユニット内蔵の複数のヒータの少なくともひとつ以上を連動させて臭気成分の濃度を制御するようにしている。
【0029】
このため、濃度センサによって臭気吸着ユニットから加熱脱着された臭気成分の濃度を計測し、濃度が高い場合は内蔵ヒータの出力を下げて吸着板の温度を下げる方法およびファンの出力を上げる方法の少なくともひとつ以上を用いて臭気成分の濃度を低下させ、濃度が低い場合は内蔵ヒータの出力を上げて吸着板の温度を上げる方法および排気ファンの出力を下げる方法の少なくともひとつを用いて臭気成分の濃度を上昇させて、分解ユニットが最も効率的に分解可能な濃度で臭気成分を臭気分解ユニットに導くことが可能になる。
【0030】
このように両ユニットを時系列的に使い分けることにより、臭気吸着ユニットの吸着剤を交換することなく、数年にわたって連続的に室内空気浄化運転することができると共に、紫外線光源からの紫外線が妨げられることなく光触媒層に照射される。
【0031】
なお、臭気分解ユニットは、中心に紫外線光源を配置した紫外線透過性の材質から成る内管と、内管より大きな管径を有する外管の間に、光触媒を担持した通気可能な臭気成分分解剤を充填し、この分解処理層のみに臭気成分を通過させ、電源部、紫外線光源が臭気成分に接触しないよう構成される。
【0032】
ここで、好適な臭気分解ユニットの具体的構成の一例は、内管と外管からなる二重管構造を有し、紫外線透過性の材質から成る内管の中空部に紫外線光源を収設するとともに、内外管壁間には光触媒を担持した通気性の臭気成分分解剤を充填して分解処理層を形成し、かつ、臭気成分の層内流路を確保するものであり、
被処理空気の流向に長手方向を沿わせて臭気吸着ユニットの後流に離隔設置し、設置始端から前記分解処理層のみに臭気成分を導入して層内流路を通過させ、設置終端から浄化空気を系外放出するようにしたものである。〔請求項8〕
【0033】
また、好適な臭気分解ユニットの具体的構成の他例は、臭気分解ユニットが、ケーシング内に紫外線透過性の管壁からなる複数の管路を有し、前記管路に紫外線光源を収設するとともに、該管路を除く前記ケーシング内には光触媒を担持した通気性の臭気成分分解剤を充填して分解処理層を形成し、かつ、臭気成分の層内流路を確保するものであり、
臭気吸着ユニットの後流に流路の一部を塞ぐように離隔設置し、設置始端から前記分解処理層のみに臭気成分を導入して層内流路を通過させ、設置終端から浄化空気を系外放出するようにしたものである。〔請求項9〕
【0034】
このように、臭気分解ユニットは紫外線光源を中心として紫外線透過性内管および外管から成る二重管構造になっているため、酸化チタン担持粒状シリカゲルあるいは酸化チタン担持不織布など、光吸収と臭気通過性のバランスの最も良い光触媒分解剤を充填できる。さらに、二重管内に臭気含有空気を通ずる配管と分解ガスを排気する配管を付してその他を密閉することにより、臭気含有空気を確実に光触媒に接触させることができると同時に、臭気成分の完全分解を図ることができる。
【0035】
また、加熱された臭気成分の通路が限定されているので紫外線光源ソケット部あるいは装置全体を不必要に高温および臭気成分にさらさなくて済む。
【実施例1】
【0036】
本発明の臭気吸着ユニットに関する一実施例(以下、実施例臭気吸着ユニット。)について添付図面を参照して以下説明する。
【0037】
図1は、実施例臭気吸着ユニットの構成説明図である。
【0038】
図2は、吸着板の構成を示す(A)正面視説明図、および(B)側面視説明図である。
【0039】
図3は、スペーサの構成を示す(A)断面視説明図、および(B)正面視説明図である。
【0040】
図示するように、実施例臭気吸着ユニット10はヒータ15を内蔵する熱良導性の金属製板状基材からなる吸着板11の両面に、基材連結部12を除き吸着剤13を練りつけて添着又は被覆している。また、臭気通過溝19およびヒータ15を貫通内蔵するスペーサ17は、臭気流通方向に対して直交する方向で、かつ、吸着板11に形設した基材連結部12に取り付ける。そして、複数の吸着板を対向列設した吸着フィン群を構成し、系内に導入した被処理空気の流向に対し横断方向に流路を細分割するように配置される。
【0041】
ここで、温度安定後の吸着板11(基材連結部12を含む)の温度分布を表1に示す。表中、スペーサ17の位置(ヒータ15の位置に同じ)を吸着板11の臭気出口側端末、臭気入口側端末または中央にそれぞれ形設した基材連結部12に取り付けた場合、また本発明構成からは逸脱するが、臭気吸着ユニット10の側面から臭気を送り、臭気通過溝19を通過しないように配設した場合とを対比している。試験条件は、吸着板11の寸法が50mm×220mm ×0.5mm(スペーサ幅20mm)であり、内蔵ヒータ温度が約 200℃である。なお、臭気通過溝19を通過しないように配設した場合の寸法は50mm×50mm×0.5mm(スペーサ幅20mm)である。なお、スペーサ17は臭気流通方向と直交する方向に取り付けている。
【0042】
【表1】

【0043】
表1に示す試験結果から理解されるように、臭気が臭気通過溝19を通過しない場合、基材連結部12の端から30mmの位置で80℃程度の温度差があり、ヒータ15から離れた部分では十分に加熱することが出来ない。また、臭気が臭気通過溝19を通過する場合でも、吸着板11の臭気出口側端末に取り付けると吸着板11の端と端で70℃以上の温度差が発生している。これに対して、吸着板11の臭気入口側端末に取り付けると、温度差は55℃程度に抑えることができる。また、スペーサ17を吸着板11の中央に取り付けると温度差を40℃程度に抑えることができる。したがって、スペーサ17を吸着板11の中央から臭気入口側端末の間に取り付けると、吸着板11全体を効率的に加熱することができる。
【0044】
次に、吸着剤の組成と性能について説明する。吸着剤の好適組成は、活性炭微粒子、ケイソウ土、およびアクリル共重合体系ラテックスを、重量比でそれぞれ25部、25部、50部を配合し、活性炭微粒子、セラミックス系微粒子としてケイソウ土、および希釈率を変えながら結合剤としてアクリル共重合体系ラテックスまたはフェノール樹脂を用いた。試験方法は、乾燥・粉砕した混合物をBET1点法により測定した比表面積試験である。試験結果を表2に示す。
【0045】
【表2】

【0046】
表2の試験結果から理解されるように、粒子径の大きいアクリル共重合体系ラテックスでは、混合物の比表面積は 400m2/g程度であるが、水溶性のフェノール樹脂では多くても10m2/g程度である。したがって、好適な結合剤はアクリル共重合体系ラテックスである。
【0047】
更に、表3にアクリル共重合体系ラテックスのガラス転移点温度等の違いによる吸着剤の耐熱性の違いを示す。試験方法は、ステンレス製基板に吸着剤を添着し、所定温度に保った電気恒温器内で1時間加熱した後取り出して直ちに基板をハンマで強打し剥落しない上限温度を測定し耐熱温度とするものである。
【0048】
【表3】

【0049】
表3の試験結果から理解されるように、ガラス転移点温度の高い樹脂、例えばアクリル共重合体のように自己架橋性を有するラテックスを配合した吸着剤が耐熱性を有すること、特にシリコン変性アクリル共重合体を用いた場合 150℃以上の高い脱着温度に耐えるものであることが認められた。
【実施例2】
【0050】
本発明の空気浄化装置に関する一実施例(以下、実施例装置。)について添付図面を参照して以下説明する。なお、臭気吸着ユニットは実施例1記載のとおりであり、あわせて図1〜図3を参照されたい。
【0051】
図4は、実施例装置の全体構成を示す断面視説明図である。
【0052】
図示の実施例装置Xでは、第1浄化運転時においては、処理すべき空気はファン4の作用により、臭気含有空気取入れ口1より、粗粒子用フィルタ2および微粒子用フィルタ3を通じて臭気吸着ユニット10に導かれる。この時、吸着ダンパ6は開き、分解ダンパ7は閉じた状態にしておく。臭気吸着ユニット10を経て浄化された空気は、臭気分解ユニット20を通過することなく排気口5より装置外に排気される。
【0053】
第2浄化運転時においては、第1浄化運転終了直後、吸着ダンパ6は閉じ、分解ダンパ7が開かれ、排気ファン4により低風速で臭気分解ユニット20に通風する。次いで臭気吸着ユニット10が加熱され、臭気分解ユニット20の紫外線光源が点灯される。臭気分解ユニット20は単独または複数で分解を行い、複数の場合は並列または直列に接続する。この時、濃度センサ30によって臭気成分の濃度が計測され、臭気成分の濃度が低い場合は臭気吸着ユニット10の加熱温度を上昇もしくは、排気ファン4の出力を下げることで臭気成分の濃度を上昇させる。臭気成分の濃度が高い場合は、臭気吸着ユニット10の加熱温度を低下もしくは、排気ファン4の出力を上げることで臭気成分の濃度を低下させる。臭気成分がすべて脱着したときは、加熱を終了する。
【0054】
この条件において、臭気吸着ユニット10から脱着された高濃度臭気成分は臭気分解ユニット20を通過しながら分解され、浄化空気として通り排気口5より装置外に排気される。このようにして低風速ながら光触媒分解に最適な濃度で長時間分解することによって、臭気成分は光触媒の作用により完全に炭酸ガス、水等の無害ガスに分解される。
【0055】
臭気成分の分解が終了したのちは、紫外線光源を停止し、分解ダンパ7を閉じ、吸着ダンパ6を開き、排気ファン4により高風速で臭気吸着ユニット10に通風する。臭気成分の分解が終了しない場合は、分解ダンパ7を閉じ、吸着ダンパ6を開いた状態で、第1浄化運転時にも紫外線光源を点灯して引き続き分解剤上の吸着物の分解を行う。
【0056】
臭気吸着ユニット10は、図1、図2に示すように、吸着板11は熱良導性の金属製板状基材からなり、基材連結部12を除く両面に吸着剤13を塗布添着したもので、基材連結部12はヒータ内蔵孔14と結束ボルト孔18を有している。吸着板11は、対象とする臭気成分に応じて選んだ活性炭、ゼオライト、ベントナイト、ケイソウ土、アルミナ、シリカ等の単独微粒子またはそれらの混合微粒子を、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などのラテックス、特にはシリコン変性アクリル共重合体系ラテックスを固形分重量比で5〜30%配合して練ったものを、厚さ 0.2〜2mm程度のステンレス板、アルミニウム板、銅板、真鍮板等の熱良導性基材両面に厚さ 0.5〜5mm程度の厚さに練り付け乾燥させたものを用いる。
【0057】
そして、図3に示すように、複数枚の吸着板11をスペーサ17を介して連結し、ヒータ内蔵孔14にヒータ15(例えば、シーズヒータ)を貫通させ埋め込んだのち結束ボルト16で結束して構成する。スペーサ17は、吸着板11(基材連結部12を含む) と同じ金属板を用い、両面分の吸着剤添着厚さに通気間隙を加えた厚さで、吸着板11(基材連結部12)と同じ位置にヒータ内蔵孔14と結束ボルト孔18を形成したものを用いる。スペーサ17は、図3に示すように、臭気通過溝19を有しており、被処理空気(臭気)はスペーサ17を通過する。
【0058】
次に、図5に臭気分解ユニット20の一構成例を示すように、臭気分解ユニット20は、紫外線透過性を有する石英ガラスまたはホウ珪酸ガラス〔例えば、パイレックス(登録商標)〕から成る内管22の中心に冷陰極管あるいはブラックライトなどの紫外線光源21を挿入し、内管の外に外管23を配置して構成される。内管と外管の間隙を10〜20mm程度に保ち、その間に酸化チタン系光触媒を担持したシリカゲル、不織布などの臭気成分分解剤を充填した分解処理層24を形成している。なお、内管と外管は上下両端において通気口25を付し他は密閉して結合されている。
【0059】
被処理空気は、下方の通気口25gなどから分解処理層24に導入され、光触媒により分解後、上方の通気口25aなどから排気される。この時、上下の通気口25a;25gは臭気分解ユニット20に対して同じ側、反対側、任意の角度のいずれでも良い。
【0060】
次に、図6に臭気分解ユニット20の他の構成例を示すように、臭気分解ユニット20は、ケーシング内に紫外線透過性の管壁(22)からなる複数の管路22を有し、該管路22に紫外線光源21を収設するとともに、該管路22を除くケーシング内には光触媒を担持した通気性の臭気成分分解剤を充填して分解処理層24を形成し、かつ、臭気成分の層内流路を確保するものとしている。
【0061】
そして、臭気吸着ユニット10の後流に流路の一部を塞ぐように離隔設置し、通気口25g(設置始端)から分解処理層24のみに臭気成分を導入して層内流路を通過させ、通気口25a(設置終端)から浄化空気を系外放出するようにしている。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】実施例臭気吸着ユニットの構成説明図である。
【図2】吸着板の構成を示す(A)正面視説明図、および(B)側面視説明図である。
【図3】スペーサの構成を示す(A)断面視説明図、および(B)正面視説明図である。
【図4】実施例装置の構成を示す断面視説明図である。
【図5】実施例装置における臭気分解ユニットの一構成例を示す(A)縦断面視説明図、および(B)横断面視説明図である。
【図6】実施例装置における臭気分解ユニットの他の構成例を示す(A)縦断面視説明図、および(B)横断面視説明図である。
【符号の説明】
【0063】
1 臭気含有空気取入れ口〔導入口〕
2 粗粒子用フィルタ
3 微粒子用フィルタ
4 排気ファン
5 排気口
6 吸着ダンパ
7 分解ダンパ
10 臭気吸着ユニット〔第1浄化運転手段〕
11 吸着板〔金属製板状基材〕
11a 吸着板〔金属製板状基材〕
11n 吸着板〔金属製板状基材〕
12 基材連結部〔スペーサ取付部〕
13 吸着剤
13a 吸着剤
13b 吸着剤
14 ヒータ内蔵孔
15 ヒータ
16 結束ボルト
17 スペーサ
18 締結孔(結束ボルト孔)
19 臭気通過溝
20 臭気分解ユニット〔第2浄化運転手段〕
21 紫外線光源
22 内管又は保護管(管路)
23 外管
24 分解処理層
25 通気口
25a 通気口
25g 通気口
30 濃度センサ
X 空気浄化装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
臭気成分を含む室内空気(以下、被処理空気。)を接触させて臭気成分を吸着することにより脱臭・浄化をおこなう処理系において用いられ、複数の板状吸着要素を対向列設した吸着フィン群を備えて、系内に導入した被処理空気の流向に対し横断方向に流路を細分割するように配置してなる臭気吸着ユニットであって、
一又は複数のヒータと、複数の金属製板状基材からなる吸着板およびスペーサを有し、
前記吸着板が、板面内に前記ヒータの内蔵孔および前記スペーサとの締結孔を形成した基材連結部を設け、かつ、該基材連結部を除く板面に吸着剤を添着して被処理空気との接触面(臭気吸着面に同じ。)を形成したものであり、
前記スペーサが、前記基材連結部に当接する板状離隔要素からなり、板面内に前記ヒータの内蔵孔および前記基材連結部との締結孔を設け、かつ、板面の少なくとも片側に被処理空気の流向に沿う臭気通過溝を形設したものであり、
前記スペーサを介して前記吸着板を連設し、かつ、臭気吸着面を対向列設して吸着フィン群を形設するとともに、その連設方向に前記内蔵孔を連通させて前記ヒータを貫入してなることを特徴とする臭気吸着ユニット。
【請求項2】
吸着剤が、活性炭微粒子、セラミック系微粒子およびアクリル共重合体系ラテックスから成る混合物である請求項1記載の臭気吸着ユニット。
【請求項3】
処理系内に機器的手段を配置し、臭気成分を含む室内空気(以下、被処理空気。)に対して臭気成分の吸着と分解に係る2系統の処理工程を時系列的に連携して協働的な脱臭・浄化をおこなうようにした空気浄化方法であって、
導入口から排気口に至る系内での被処理空気の流向に沿って、少なくともヒータを内蔵した臭気吸着ユニット、光源を収容して光触媒を担持した臭気分解ユニット、および排気ファンを離隔配置し、
前記ヒータ電源を停止しておこなう第1浄化運転時に、前記排気ファンを回転駆動しながら前記臭気吸着ユニットに被処理空気を高風速で導き、臭気成分を吸着除去して系外に浄化空気を放出する臭気吸着処理工程と、
前記ヒータ電源を投入しておこなう第2浄化運転時に、前記臭気吸着ユニットを通電加熱することにより、吸着した臭気成分を放出させ、かつ、前記排気ファンを回転駆動しながら前記臭気分解ユニットに低風速で導き、臭気成分を分解して系外に浄化空気を放出する臭気分解処理工程
を包含することを特徴とする空気浄化方法。
【請求項4】
第2浄化運転時の臭気分解処理工程における処理能力を維持するために、臭気吸着ユニットの後流に配置した濃度センサの制御出力に基づき加熱温度制御に係るヒータ出力と風量制御に係る排気ファン出力をそれぞれ増減制御し、吸着した臭気成分の放出量と放出した臭気成分の導入量を調整するようにした請求項3記載の空気浄化方法。
【請求項5】
処理系内に機器的手段を配置し、臭気成分を含む室内空気(以下、被処理空気。)に対して臭気成分の吸着と分解に係る2系統の処理手段を連携して協働的な脱臭・浄化をおこなうようにした空気浄化装置であって、
導入口から排気口に至る系内での被処理空気の流向に沿って、少なくともヒータを内蔵した臭気吸着ユニット、光源を収容して光触媒を担持した臭気分解ユニット、および排気ファンを離隔配置し、
前記ヒータ電源を停止し、前記排気ファンを回転駆動しながら前記臭気吸着ユニットに被処理空気を高風速で導き、臭気成分を吸着除去して系外に浄化空気を放出する臭気吸着処理をおこなう第1浄化運転手段と、
前記ヒータ電源を投入し、前記臭気吸着ユニットを通電加熱することにより、吸着した臭気成分を放出させ、かつ、前記排気ファンを回転駆動しながら前記臭気分解ユニットに低風速で導き、臭気成分を分解して系外に浄化空気を放出する臭気分解処理をおこなう第2浄化運転手段
を具備してなることを特徴とする空気浄化装置。
【請求項6】
第2浄化運転手段の処理能力を維持するために、臭気吸着ユニットの後流に濃度センサを配置し、その制御出力に基づき加熱温度制御に係るヒータ出力と風量制御に係る排気ファン出力をそれぞれ増減制御し、吸着した臭気成分の放出量と放出した臭気成分の導入量を調整するようにした請求項5記載の空気浄化装置。
【請求項7】
臭気吸着ユニットが複数の板状吸着要素を対向列設した吸着フィン群を備えて、系内に導入した被処理空気の流向に対し横断方向に流路を細分割するように配置され、
一又は複数のヒータと、複数の金属製板状基材からなる吸着板およびスペーサを有し、
前記吸着板が、板面内に前記ヒータの内蔵孔および前記スペーサとの締結孔を形成した基材連結部を設け、かつ、該基材連結部を除く板面に吸着剤を添着して被処理空気との接触面(臭気吸着面に同じ。)を形成したものであり、
前記スペーサが、前記基材連結部に当接する板状離隔要素からなり、板面内に前記ヒータの内蔵孔および前記基材連結部との締結孔を設け、かつ、板面の少なくとも片側に被処理空気の流向に沿う臭気通過溝を形設したものであり、
前記スペーサを介して前記吸着板を連設し、かつ、臭気吸着面を対向列設して吸着フィン群を形設するとともに、その連設方向に前記内蔵孔を連通させて前記ヒータを貫入してなるものである請求項5又は6記載の空気浄化装置。
【請求項8】
臭気分解ユニットが、内管と外管からなる二重管構造を有し、紫外線透過性の材質から成る内管の中空部に紫外線光源を収設するとともに、内外管壁間には光触媒を担持した通気性の臭気成分分解剤を充填して分解処理層を形成し、かつ、臭気成分の層内流路を確保するものであり、
被処理空気の流向に長手方向を沿わせて臭気吸着ユニットの後流に離隔設置し、設置始端から前記分解処理層のみに臭気成分を導入して層内流路を通過させ、設置終端から浄化空気を系外放出するようにしたものである請求項5又は6記載の空気浄化装置。
【請求項9】
臭気分解ユニットが、ケーシング内に紫外線透過性の管壁からなる複数の管路を有し、前記管路に紫外線光源を収設するとともに、該管路を除く前記ケーシング内には光触媒を担持した通気性の臭気成分分解剤を充填して分解処理層を形成し、かつ、臭気成分の層内流路を確保するものであり、
臭気吸着ユニットの後流に流路の一部を塞ぐように離隔設置し、設置始端から前記分解処理層のみに臭気成分を導入して層内流路を通過させ、設置終端から浄化空気を系外放出するようにしたものである請求項5又は6記載の空気浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−111079(P2007−111079A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−302421(P2005−302421)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【出願人】(591079487)広島県 (101)
【Fターム(参考)】