説明

舗装機械の搬送装置

【課題】 従来のコンベヤチェーンの張り調整機構は、取付プレートにテイクアップボルトを溶接等して固定する複雑な構造となり、また、揺動フレームが設けられた舗装機械に設けると、コンベヤチェーンの張り調整を簡単に行えなくなる。
【解決手段】 シャフト支持フレーム47は、長孔47aにより、アイドラシャフト46をコンベヤチェーン43の張り方向に移動自在に支持する。テイクアップボルト48はアイドラシャフト46に貫通して設けられ、頭部が駆動スプロケット41と反対側のアイドラシャフト46に位置し、軸部が、コンベヤチェーン43の張り方向に移動自在に治具支持フレーム50に溶接された溶接ナット49cに螺合している。テイクアップボルト48の頭部はロックナット49a,49bによってアイドラシャフト46に止められており、フロントフレーム28の後方に所定間隔をあけて位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動スプロケットおよび従動スプロケット間に張られたコンベヤチェーンの回転に伴うバーの走行によって舗装材を搬送する舗装機械の搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の舗装機械の搬送装置としては、例えば、図1(a)に平面図、同図(b)に側面図を示す、アスファルトフィニッシャに備えられたチェーンコンベヤがある。このチェーンコンベヤは、駆動スプロケット1および従動スプロケットであるフィーダアイドラ2間に、コンベヤチェーン3が張られて構成されている。フィーダアイドラ2はアイドラシャフト4に回転自在に設けられ、アイドラシャフト4は、その両端が、コンベヤチェーン3の張り方向に移動自在にシャフト支持フレーム5によって支持されている。コンベヤチェーン3には、コンベヤチェーン3に直交して所定間隔をあけて複数のバー6が設けられている。これらバー6は、コンベヤチェーン3の回転に伴ってコンベヤプレート7上を走行し、コンベヤプレート7上に運搬トラックから補給される舗装材をアスファルトフィニッシャの後方へ搬送して、舗装面上に投下する。
【0003】
このようなチェーンコンベヤにおけるコンベヤチェーン3の張りは、一般的に、プッシュローラ8が設けられているフロントフレーム9の前側から、フロントフレーム9に取り付けられているヨーク10の頭部を回転させることで行われる。ヨーク10の頭部を回転させることにより、ヨーク10の端部に螺合している雄ネジ状のテイクアップボルト11が前後する。テイクアップボルト11の端部は、アイドラシャフト4の両端に設けられた取付プレート12に溶接等されて固定されているので、ヨーク10の頭部を回転させてテイクアップボルト11を前後させることで、テイクアップボルト11につながるアイドラシャフト4が前後し、駆動スプロケット1およびフィーダアイドラ2間に張られたコンベヤチェーン3の張りが調整される。ヨーク10、テイクアップボルト11、および取付プレート12は、コンベヤチェーン3の張りを調整する張り調整機構を構成する。
【0004】
また、フロントフレーム9の前方に設けられているプッシュローラ8は、舗装材を運搬するトラックのタイヤを押すのに用いられる。アスファルトフィニッシャは、舗装作業中にプッシュローラ8によって運搬トラックを押しながら、運搬トラックから舗装材の供給をコンベヤプレート7上に受ける。このようなプッシュローラ8は、運搬トラックの左右後輪を均等に押すため、従来、フロントフレーム9に対して揺動自在に設けられたものがある。例えば、特許文献1に開示されたアスファルトフィニッシャでは、フロントフレーム9に相当する本体フレームの前方中央に突設されたブラケットに、揺動フレームに相当する取付部材が軸ピンによって揺動自在に設けられている。取付部材の両側方には、一対のプッシュローラが回転可能に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−161399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図1に示す上記従来のチェーンコンベヤでは、コンベヤチェーン3に直交して複数設けられたバー6と、フィーダアイドラ2が取り付けられたアイドラシャフト4を引くテイクアップボルト11とが干渉しないよう、テイクアップボルト11を、バー6の走行軌跡から外れたシャフト支持フレーム5の外側に設ける必要がある。このため、図1に示す上記従来のチェーンコンベヤにおけるコンベヤチェーン3の張り調整機構は、アイドラシャフト4の両端をシャフト支持フレーム5の外側で支持する取付プレート12を設け、この取付プレート12にテイクアップボルト11の端部を溶接等して固定する複雑な構造となり、取付プレート12といった部品が必要となり、また、手間のかかる溶接作業等が必要とされる。
【0007】
また、図1に示す上記従来のチェーンコンベヤの張り調整機構を、プッシュローラが揺動自在に設けられた特許文献1に開示されたようなアスファルトフィニッシャに設けると、プッシュローラが取り付けられている揺動フレームがヨーク10と重なってしまって揺動フレームが邪魔になり、ヨーク10の頭部を回転させてコンベヤチェーン3の張り調整を簡単に行えなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、
回転駆動される駆動スプロケットと、この駆動スプロケットによる回転駆動力を伝達するコンベヤチェーンと、このコンベヤチェーンによって伝達される回転駆動力によって回転する従動スプロケットと、駆動スプロケットおよび従動スプロケット間に張られたコンベヤチェーンの張りを調整する張り調整機構と、コンベヤチェーンに直交して所定間隔をあけて複数設けられたバーとを備え、コンベヤチェーンの回転に伴うバーの走行によって舗装材を搬送する舗装機械の搬送装置において、
張り調整機構が、
従動スプロケットを回転自在に支持するシャフトと、このシャフトをコンベヤチェーンの張り方向に移動自在に支持するシャフト支持フレームと、シャフトに貫通して設けられ、駆動スプロケットと反対側のシャフトに調整操作部が位置する張り調整治具と、この張り調整治具をシャフトに止める固定手段と、シャフトの駆動スプロケット側に位置し、コンベヤチェーンの張り方向に移動自在に張り調整治具の軸部と螺合する治具支持フレームと
から構成されることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、駆動スプロケットと反対側のシャフトに位置する張り調整治具の調整操作部を回転操作することで、張り調整治具の軸部の治具支持フレームに対する螺合位置が変化し、張り調整治具は、コンベヤチェーンの張り方向に移動する。張り調整治具は、従動スプロケットを回転自在に支持するシャフトに固定手段によって止められているため、コンベヤチェーンの張り方向に移動することで、シャフトもコンベヤチェーンの張り方向に移動し、従動スプロケットにかけられるコンベヤチェーンの張りが調整される。
【0010】
この構成では、コンベヤチェーンは、駆動スプロケットおよび従動スプロケットの外周に沿って案内されて駆動スプロケットおよび従動スプロケット間を回転し、張り調整治具が、コンベヤチェーンの回転によりバーが描くループの内側に位置するので、コンベヤチェーンの回転に伴うバーの走行軌跡と干渉することはない。このため、従来の張り調整機構のように、張り調整治具に相当するテイクアップボルトを、バーの走行軌跡から外れたシャフト支持フレームの外側に設ける必要はない。このため、コンベヤチェーンの張り調整機構は、従来の取付プレートといった部品が不要となり、また、手間のかかる溶接作業等も不要になって、簡単な構造となる。
【0011】
また、本発明は、
シャフトが、調整操作部がフロントフレームの後方に所定間隔をあけて位置するように設けられ、
舗装機械が、フロントフレームの前方にフロントフレームに揺動自在に設けられた揺動フレームと、この揺動フレームの前方に回転自在に設けられ、舗装材を運搬する車両のタイヤを押すプッシュローラとを備える
ことを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、張り調整治具の調整操作部は、フロントフレームの後方に所定間隔をあけて位置するため、プッシュローラが回転自在に設けられた揺動フレームを舗装機械がフロントフレームの前方に備えていても、フロントフレームとシャフトとの間において、張り調整治具の調整操作部を操作する空間が確保される。このため、揺動フレームを舗装機械がフロントフレームの前方に備えていても、この空間において張り調整治具の調整操作部を回転操作することで、揺動フレームが邪魔になることなく、コンベヤチェーンの張り調整を容易に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、上記のように、コンベヤチェーンの張り調整機構は、従来の取付プレートといった部品が不要となり、また、手間のかかる溶接作業等も不要になって、簡単な構造となる。また、揺動フレームを舗装機械がフロントフレームの前方に備えていても、揺動フレームが邪魔になることなく、コンベヤチェーンの張り調整を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)は従来の舗装機械の搬送装置の平面図、(b)はその側面図である。
【図2】本発明の一実施の形態による舗装機械の搬送装置を備えたアスファルトフィニッシャの側面図である。
【図3】(a)は、図2に示すアスファルトフィニッシャを図2のIII線に沿って破断して得られる一実施の形態による舗装機械の搬送装置の平面図、同図(b)はその側面図である。
【図4】(a)は、図3に示す舗装機械の搬送装置が備えるコンベヤチェーンの張り調整機構を一部拡大した平面図、同図(b)はその側面図、同図(c)はその正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明による舗装機械の搬送装置をアスファルトフィニッシャのチェーンコンベヤに適用した、本発明を実施するための一形態について説明する。
【0016】
図2は、この一実施の形態によるチェーンコンベヤを備えたアスファルトフィニッシャ21の側面図である。
【0017】
舗装機械であるアスファルトフィニッシャ21は、アスファルト加熱混合物である舗装材が積み込まれるホッパ22が車体の前部に設けられている。ホッパ22の車体下部には、ホッパ22に積み込まれた舗装材を搬送する搬送装置であるチェーンコンベヤが設けられており、チェーンコンベヤの後方の車体下部にはスクリュスプレッダが設けられている。スクリュスプレッダは、スクリュ軸の外周にスクリュ羽根が形成されて構成されており、スクリュ軸が定速回転するのに伴いスクリュ羽根が旋回し、チェーンコンベヤから路面R上に投下された舗装材を路面Rの幅方向に撒き拡げる。車体の後方には、撒き拡げた舗装材を敷き均して舗装面を平滑に仕上げるスクリード装置23が設けられている。アスファルトフィニッシャ21は、車体の前方および後方の各左右に設けられた一対の前輪24および一対の後輪25によって進行方向である同図左方に走行し、スクリード装置23を牽引する。車体上部の運転席26には操作部27が設けられており、操作部27には、アスファルトフィニッシャ21の走行を操作する走行スイッチや、スクリード装置23を操作する操作レバーや操作スイッチなどが設けられている。
【0018】
また、アスファルトフィニッシャ21は、ホッパ22下方のフロントフレーム28の前方に揺動フレーム29が設けられている。この揺動フレーム29の前方左右には、一対のプッシュローラ30がブラケット31に回転自在に設けられている。プッシュローラ30は、舗装材を運搬するトラックの左右の後輪を押すのに用いられ、アスファルトフィニッシャ21は、舗装作業中にプッシュローラ30によって運搬トラックを押しながら、運搬トラックから舗装材の供給をホッパ22に受ける。
【0019】
図3は、舗装材を搬送する上記のチェーンコンベヤの構成を示す図である。同図(a)は図2のIII線に沿ってアスファルトフィニッシャ21を破断して得られるチェーンコンベヤの平面図、同図(b)は同図(a)に示すチェーンコンベヤの側面図である。なお、同図において図2と同一部分には同一符号を付してある。
【0020】
アスファルトフィニッシャ21に設けられたチェーンコンベヤは、左右で一対の駆動スプロケット41およびフィーダアイドラ42間に一対のコンベヤチェーン43が張られて構成されている。駆動スプロケット41は油圧モータによって回転駆動され、この駆動スプロケット41による回転駆動力はコンベヤチェーン43によって従動スプロケットであるフィーダアイドラ42に伝達される。フィーダアイドラ42は、コンベヤチェーン43によって伝達される回転駆動力によって回転する。2本のコンベヤチェーン43間には、コンベヤチェーン43に直交して所定間隔をあけて複数のバー44が設けられている。これらバー44は、コンベヤチェーン43の回転に伴ってコンベヤプレート45上を走行する。運搬トラックからホッパ22に補給される舗装材は、コンベヤプレート45上に受けられ、コンベヤプレート45上を走行するバー44によってアスファルトフィニッシャ21の後方へ搬送される。搬送される舗装材は路面R上に投下され、スクリュスプレッダによって路面Rの幅方向に撒き拡げられて、スクリード装置23で敷き均される。
【0021】
一対の駆動スプロケット41およびフィーダアイドラ42間に一対のコンベヤチェーン43が張られて上記のように構成されるチェーンコンベヤは、同図(a)に示すように、アスファルトフィニッシャ21の機械中心Cを中心に左右対称に2条構成されている。
【0022】
チェーンコンベヤは、駆動スプロケット41およびフィーダアイドラ42間に張られたコンベヤチェーン43の張りを調整する張り調整機構を備えている。この張り調整機構の構成は図4の一部拡大図に示され、同図(a)は張り調整機構の平面図、同図(b)は側面図、同図(c)は正面図を示す。なお、同図において図3と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。張り調整機構は、アイドラシャフト46、シャフト支持フレーム47、テイクアップボルト48、ロックナット49a,49b、溶接ナット49c、および治具支持フレーム50から構成される。
【0023】
アイドラシャフト46は、その両端部でフィーダアイドラ42を回転自在に支持する。シャフト支持フレーム47は、コンベヤチェーン43の両外脇に沿って延設され、その側面には、アスファルトフィニッシャ21の車体前後方向に切り欠いて形成された、アイドラシャフト46の両端が挿入される長孔47aが設けられている。シャフト支持フレーム47は、この長孔47aにより、アイドラシャフト46をアスファルトフィニッシャ21の車体前後方向、つまり、コンベヤチェーン43の張り方向に移動自在に支持する。
【0024】
テイクアップボルト48は張り調整治具を構成し、アイドラシャフト46に設けられた穴に貫通して設けられている。このテイクアップボルト48は、頭部の調整操作部が駆動スプロケット41と反対側のアイドラシャフト46に位置し、軸部が、治具支持フレーム50にあけられた下穴50aに挿入されて、治具支持フレーム50に溶接された溶接ナット49cに、コンベヤチェーン43の張り方向に移動自在に螺合している。治具支持フレーム50はアイドラシャフト46の駆動スプロケット41側に位置する。テイクアップボルト48は、アイドラシャフト46に設けられた穴に貫通された後、アイドラシャフト46との間に少しの隙間をあけた状態でロックナット49a,49b同士が締め付けられることで、アイドラシャフト46に設けられた穴から抜け出るのがロックナット49a,49bによって防止されている。すなわち、テイクアップボルト48の頭部側は固定手段を構成するロックナット49a,49bによってアイドラシャフト46に止められている。なお、治具支持フレーム50に溶接ナット49cを溶接することなく、治具支持フレーム50の下穴50aにタップを切り、下穴50aに雌ねじを形成して、テイクアップボルト48の軸部と螺合させるように構成してもよい。この場合、ナット49cによってテイクアップボルト48の軸部を治具支持フレーム50に固定することが出来る。また、テイクアップボルト48は頭部に周り止めプレート51が嵌合しており、頭部の回転が周り止めプレート51によって阻止されている。周り止めプレート51はボルト52によってアイドラシャフト46に着脱自在に固定されている。
【0025】
アイドラシャフト46は、テイクアップボルト48の頭部がフロントフレーム28の後方に所定間隔をあけて位置するように、シャフト支持フレーム47に設けられている。フロントフレーム28は、後方にシャフト支持フレーム47の前端部が固定されており、前方に揺動フレーム29が設けられている。フロントフレーム28の前方中央には上下にブラケット53が設けられ、このブラケット53間にはピン54が立設されている。揺動フレーム29はその中央部に設けられた穴にピン54が挿入されて、フロントフレーム28に揺動自在に設けられており、プッシュローラ30および揺動フレーム29は、図3(a)に二点鎖線で示すようにピン54を中心に揺動する。従って、アスファルトフィニッシャ21は、プッシュローラ30によって運搬トラックの左右後輪を均等に押すことが出来る。
【0026】
このような本実施形態によるチェーンコンベヤによれば、ボルト52を緩めて周り止めプレート51を取り外して、テイクアップボルト48の頭部を回転操作することで、テイクアップボルト48の軸部の治具支持フレーム50に対する螺合位置が変化し、テイクアップボルト48は、治具支持フレーム50に対する位置がコンベヤチェーン43の張り方向つまり車体の前後方向に移動する。テイクアップボルト48は、図4(a)に示すように、フィーダアイドラ42を回転自在に支持するアイドラシャフト46に頭部側がロックナット49a,49bによって止められている。このため、治具支持フレーム50に対するテイクアップボルト48の頭部の位置がコンベヤチェーン43の張り方向に移動することで、アイドラシャフト46もコンベヤチェーン43の張り方向に移動し、フィーダアイドラ42にかけられるコンベヤチェーン43の張りが調整される。
【0027】
このチェーンコンベヤの構成では、コンベヤチェーン43は、駆動スプロケット41およびフィーダアイドラ42の外周に沿って案内されて駆動スプロケット41およびフィーダアイドラ42間を回転し、テイクアップボルト48が、コンベヤチェーン43の回転によりバー44が描くループの内側に位置するので、コンベヤチェーン43の回転に伴うバー44の走行軌跡とテイクアップボルト48が干渉することはない。このため、図1に示す従来の張り調整機構のように、テイクアップボルト11を、バー6の走行軌跡から外れたシャフト支持フレーム7の外側に設ける必要はない。このため、本実施形態によるコンベヤチェーン43の張り調整機構は、従来の取付プレート12といった部品が不要となり、また、手間のかかる溶接作業等も不要になって、簡単な構造となる。
【0028】
また、本実施形態によれば、テイクアップボルト48の頭部は、フロントフレーム28の後方に所定間隔をあけて位置するため、プッシュローラ30が回転自在に設けられた揺動フレーム29をアスファルトフィニッシャ21がフロントフレーム28の前方に備えていても、フロントフレーム28とアイドラシャフト46との間において、テイクアップボルト48の頭部を工具を用いて操作する空間が確保される。このため、揺動フレーム29をアスファルトフィニッシャ21がフロントフレーム28の前方に備えていても、この空間においてテイクアップボルト48の頭部を回転操作することで、揺動フレーム29が邪魔になることなく、コンベヤチェーン43の張り調整を容易に行うことが可能となる。また、テイクアップボルト48の頭部がフロントフレーム28の前方に飛び出していないため、揺動フレーム29およびプッシュローラ30の揺動が邪魔されることはない。
【産業上の利用可能性】
【0029】
上記実施形態においては、本発明による舗装機械の搬送装置をアスファルトフィニッシャに適用した場合について説明したが、駆動スプロケットおよびフィーダアイドラ間に張られたコンベヤチェーンを使って舗装材を搬送する搬送装置を備えたリミキサといった他の舗装機械の搬送装置に本発明を適用することも可能である。このような舗装機械の搬送装置に本発明を適用した場合においても、上記実施形態と同様な作用効果が奏される。
【符号の説明】
【0030】
21…アスファルトフィニッシャ
28…フロントフレーム
29…揺動フレーム
30…プッシュローラ
41…駆動スプロケット
42…フィーダアイドラ(従動スプロケット)
43…コンベヤチェーン
44…バー
45…コンベヤプレート
46…アイドラシャフト
47…シャフト支持フレーム
48…テイクアップボルト(張り調整治具)
49a,49b…ロックナット(固定手段)
49c…溶接ナット
50…治具支持フレーム
51…周り止めプレート
52…ボルト
31、53…ブラケット
54…ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動される駆動スプロケットと、この駆動スプロケットによる回転駆動力を伝達するコンベヤチェーンと、このコンベヤチェーンによって伝達される回転駆動力によって回転する従動スプロケットと、前記駆動スプロケットおよび前記従動スプロケット間に張られた前記コンベヤチェーンの張りを調整する張り調整機構と、前記コンベヤチェーンに直交して所定間隔をあけて複数設けられたバーとを備え、前記コンベヤチェーンの回転に伴う前記バーの走行によって舗装材を搬送する舗装機械の搬送装置において、
前記張り調整機構は、
前記従動スプロケットを回転自在に支持するシャフトと、このシャフトを前記コンベヤチェーンの張り方向に移動自在に支持するシャフト支持フレームと、前記シャフトに貫通して設けられ、前記駆動スプロケットと反対側の前記シャフトに調整操作部が位置する張り調整治具と、この張り調整治具を前記シャフトに止める固定手段と、前記シャフトの前記駆動スプロケット側に位置し、前記コンベヤチェーンの張り方向に移動自在に前記張り調整治具の軸部と螺合する治具支持フレームと
から構成されることを特徴とする舗装機械の搬送装置。
【請求項2】
前記シャフトは前記調整操作部がフロントフレームの後方に所定間隔をあけて位置するように設けられ、
前記舗装機械は、前記フロントフレームの前方に前記フロントフレームに揺動自在に設けられた揺動フレームと、この揺動フレームの前方に回転自在に設けられ、舗装材を運搬する車両のタイヤを押すプッシュローラとを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の舗装機械の搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−241372(P2012−241372A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110857(P2011−110857)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(502246528)住友建機株式会社 (346)
【出願人】(000235163)範多機械株式会社 (26)
【Fターム(参考)】