説明

航空機の飛行経路を最適化する方法およびシステム、大気中の環境条件を観測する方法およびシステム、ならびに航空機の飛行経路における擾乱大気条件を予測する方法およびシステム

【課題】航空機システムの計算能力およびデータ保存の問題を克服した、飛行経路14における擾乱大気の条件を予測する方法およびシステムを提供する。
【解決手段】本発明は、航空機の飛行経路を最適化する方法およびシステム、環境条件を観測する方法およびシステム、航空機の飛行経路における擾乱大気条件を予測する方法およびシステムに関する。航空機10のセンサ12により、大気情報が収集され、この情報が、外部の情報源(衛星18、大気情報収集設備16)により収集、処理された大気情報と一緒に処理されて、パイロットに表示される。これにより、リアルタイムで予測される前方の乱気流パターン、および予め設定された現在の飛行経路(t0)の変更の提案がパイロットに警告される。航空機10は、飛行経路14を調整するため、かつデータを共有するために、データを他の航空機17や船舶19に中継する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大気条件を予測する方法およびシステムに関し、特に、大気条件を観測する方法およびシステム、乱れた(擾乱)大気の条件を予測する方法およびシステム、ならびに航空機の飛行経路を最適化する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機のエンジンの性能や効率は、環境条件および大気条件など多くの要因によって影響を受けている。対流圏(通常、民間の航空機や旅客機が飛行する)および成層圏(通常、軍用機が飛行する)において生じる大気条件により、タービンエンジンの燃料効率および機械的作動にさえも影響が及ぶ。しかし、そのような大気条件は、地球の大気圏においてのみ生じるものではない。
例えば、宇宙天気(つまり太陽で生じる太陽の気象)によって、地球の気象パターンは影響を受けている。太陽観測衛星(SOHO、アメリカ合衆国メリーランド州グリーンベルト)により、太陽の気象パターンが観測され、モニターされている。そのような情報は、Intriligatorらの特許文献1において意図されているように、太陽の気象が地球の気象に及ぼす影響を予測するために用いられる。特許文献1に記載されているように、太陽フレアおよび他の宇宙で生じた気象の乱れ(擾乱)により、宇宙船、高空飛行の航空機および地上の対象物の通信が妨害されてしまう。
地球の大気中において、航空機が遭遇する最も一般的な気象条件の1つとして乱気流が挙げられる。乱気流は、基本的に、通常目には見えない不規則に運動する気流であり、突然生じる場合が多い。いくつもの異なった条件により乱気流が生じる。最も一般的なケースとしては、雷雨の付近を飛行する際に乱気流に遭遇する場合が多い。実際は、飛行機が雲の境目を飛行する際に激しく揺れることが多い。また、乱気流に遭遇する別の主要原因の1つとしては、卓越した横風を伴って山岳地帯上空を飛行することが挙げられる。さらに他の原因としては、前線系において、あるいは気温の変化が上空の気団で生じる領域において、高い高度でジェット気流付近を飛行する場合が挙げられる。
乱気流は、上空に雲がない場合でも生じ得る。これは、晴天乱流(晴天擾乱)として知られている。その名が示す通り、晴天乱流は、晴天時に生じ、レーダーで探知することができない。晴天乱流に遭遇する可能性としては、約10〜20ノットの低速の気団から、100ノットを優に超える速度のジェット気流内またはその付近を飛行する場合である。晴天乱流を視覚的に捕らえることはできないが、飛行経路において予測される乱気流の要因や天気図を綿密に調査することにより、パイロットは影響を受ける可能性のある領域を認識することができる。そのような乱気流パターンの予測は、最初の飛行経路が決定される際に行われる。しかし、乱気流パターンは大気条件の変化に応じて変わるが、これらのリアルタイムの気象変化が最初の飛行経路に反映されない場合がある。
【0003】
現在は、大気条件の変化に対処する種々の手段を用いながら、全ての航空機に搭載された全デジタル式制御装置(FADEC)により、飛行中のタービンエンジン性能がモニターされている。例えば、予測アルゴリズムが現在用いられており、ニューラルネットワークおよび遺伝的アルゴリズムが、航空機のエンジン性能およびセーフティクリティカル(safe−critical)なアプリケーションをモニターするために形成され、テストされている。そのようなニューラルネットワークおよび遺伝的アルゴリズムは、“Hybird Neural Network/Genetic Algorithm Techniques for Aircraft Engine Performance Diagnostics”(Donald L. Simon著、AIAA−2001−3763、2001年)、“Verification and Validation of Neural Networks Safety−Critical Applications”(Jason HullおよびDavid Ward共著、Proc.of American Control Conference、米国アラスカ州アンカレッジ、2002年5月8日〜10日)などの論文、ならびにマクダネルダグラス社に譲渡されたUrnesによる特許文献2に詳細に記載されている。
【特許文献1】米国特許第6,816,786号明細書
【特許文献2】米国特許第5,919,267号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの予測アルゴリズム、ニューラルネットワークおよび遺伝的アルゴリズムにより、エンジン性能診断が飛行中に瞬時にモニターされ、その時点におけるリアルタイムのデータをもとに大気条件などが予測される。ついで、タービンエンジンの設定が、その時点におけるリアルタイムの大気条件に対処するように較正される。そのような予測に用いられるデータは、収集されて航空機に保存されるが、航空機のオンボード(機上の)コンピュータシステムに関するデータ保存の問題のため、収集されたデータの一部分しか使用されない。その結果、大気条件の変化が同時に生じた場合に、航空機が未来の状態に達するとき、あるいは予測された状態以降の時点に達するときには、再較正されたタービンエンジン設定が有効でない恐れがある。
【0005】
したがって、少なくとも航空機の飛行経路における擾乱(乱れた)大気の条件を予測する方法およびシステムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、航空機の飛行経路を最適化する方法には、概して、航空機に取付けられた1つまたは複数のセンサから大気情報データを収集すること、該大気情報を処理すること、航空機の飛行経路における大気条件を予測すること、大気条件を見越して飛行経路を修正すること、が含まれる。
大気中の環境条件を観測する方法には、概して、航空機に取付けられた1つまたは複数のセンサから大気情報データを収集すること、該大気情報を処理すること、航空機付近の複数の大気条件を判断すること、複数の大気条件を1つまたは複数の大気観測設備に報告すること、が含まれる。
航空機の飛行経路における擾乱大気の条件を予測する方法には、概して、航空機に取付けられた1つまたは複数のセンサから大気情報データを収集すること、該大気情報を処理すること、航空機の飛行経路における複数の大気条件を予測すること、が含まれる。
【0007】
本発明によると、航空機の飛行経路を最適化するシステムは、概して、1つまたは複数の大気情報の情報源と通信するとともに、コンピュータネットワークと、航空機の飛行経路を最適化する手段と、からなる大気データ処理ネットワークを備える。
大気中の環境条件を観測するシステムは、概して、1つまたは複数の大気情報の情報源と通信するとともに、コンピュータネットワークと、航空機付近の大気中の環境条件を観測する手段と、からなる大気データ処理ネットワークを備える。
航空機の飛行経路における擾乱大気条件を予測するシステムは、概して、1つまたは複数の大気情報の情報源と通信するとともに、コンピュータネットワークと、航空機の飛行経路における擾乱大気条件を予測する手段と、からなる大気データ処理ネットワークを備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書においては、本発明である航空機の飛行経路を最適化する方法およびシステム、環境条件を観測する方法およびシステム、ならびに航空機の飛行経路における乱れた(擾乱)大気条件を予測する方法およびシステムに関して記載されている。本発明の方法およびシステムは、航空機に搭載された1つまたは複数のマイクロサーバおよびインフライトエンタテイメントシステムを用いる分散処理ネットワーク、あるいは航空機と別体のスーパーコンピュータおよびコンピュータネットワークに依存している並列処理ネットワークを形成することにより、航空機におけるデータ保存の欠如の問題を克服する。どちらの実施態様においても、航空機に取付けられた1つまたは複数のセンサにより、航空機付近の大気情報が収集される。この大気情報は、外部の情報源から収集された大気情報と一緒に処理され、パイロットに対して視覚的に表示される。この視覚的表示により、リアルタイムで予測される前方の乱気流パターン、および電子式エンジン制御装置(EEC)や全デジタル電子式制御装置(FADEC)により予め設定された現在の飛行経路の変更の提案が、パイロットに警告される。さらに、リアルタイムの大気情報により、各航空機は、気象や汚染に関する大気の情報を大気情報収集サイトに提供することができる探測機(プローブ)として機能し得る。
【0009】
通常、マイクロサーバは、いくつかの機能を提供するオンボード(機上の)コンピュータであってもよい。その機能としては、ルータとして機能する;他のネットワークコンピュータをサポートする;データを収集し、取出し、送信する;航空機のみで利用でき、運航搭乗員がアクセス可能なワールドワイドウェブのポータルのホストとして機能することなどが挙げられるが、この限りではない。本明細書において意図される分散処理ネットワークおよび並列処理ネットワークは、航空機自体に限定(つまり単独で航空機内に備えられる)されていてもよく、外部の情報源(国内/国際気象サービス、人工衛星、大気情報収集設備、他の航空機など)とつながっていても、外部の情報源によりホストされてもよい。
【0010】
図1を参照すると、航空機10は、通常、飛行経路14が予めプログラムされており、フライト中、少なくとも一カ所の地上の航空機監視ステーションとのコンタクトを常に維持している。本明細書に記載された方法およびシステムの実施においては、航空機10は、航空機10付近の大気情報(つまり航空機10周囲の運転環境)を収集するように較正された1つまたは複数のセンサ12を備える。好ましくは、航空機10は、湿気、湿度、風、横風、風速、ウインドシヤー、高度、温度、塩度(塩分)、乱気流、エアポケット、エレクトリカルストーム(雷雨)、降水量、汚染物質含有量など(この限りではない)の大気情報を収集するように較正された複数のセンサを備える。汚染物質含有量に関する情報には、窒素酸化物、二酸化炭素、オゾン、エアロゾル、すす、硫黄酸化物、タービンエンジンの排気などが含まれるが、この限りではない。センサ12は、排気をモニターするためにタービンエンジンに近接する位置など(この限りではない)の外側において、またはエンジン性能をモニターするためにタービンエンジンなどの内側において、航空機10に取付けられている。そのようなセンサ12は、受動センサ、能動センサあるいは組込式のインテリジェンスセンサからなっていてもよい。例えば、受動センサは、運航搭乗員の要求に応じて、あるいは30秒毎、2分毎など内部クロックで、データを収集して、データを航空機のオンボードシステムに伝送してもよい。能動センサは、センサが機械的、操作上あるいは環境的な問題を特定するように、独立してデータを収集して、データを伝送してもよく、受動センサに対する冗長つまりバックアップとして機能してもよい。また、組込式のインテリジェンスを有するセンサは、独立的に機能する(能動センサについて説明したように)だけでなく、システムの欠陥を修正または補償するために、指示、コマンドおよびシーケンスを実行してもよい。
【0011】
航空機10は、航空機10内に蓄積するデータとして大気情報を永続的または一時的に保存する。これについては、さらに以下で説明する。別の実施例としては、航空機10は、データの全体または一部を、処理または収集のために、地球の軌道を回る1つまたは複数の人工衛星18や地上の大気情報収集設備16に転送してもよい。図1において矢印で示されているように、航空機10が大気情報収集設備16からデータを受信することができるように、航空機10および大気情報収集設備16はフライト中に大気情報データを通信している。また、航空機10により、そのような大気情報データが衛星18に中継される。衛星18もまた、大気情報収集設備16と通信している。さらに、航空機10は、飛行経路や位置を調整するため、かつ大気情報データを共有するために、そのようなデータを1機または複数の他の航空機17に中継する場合もあるし、大気情報収集設備16および衛星18と通信している海上の船舶19にそのようなデータを同様に中継する場合もある。航空機10、大気情報収集設備16、別の航空機17、衛星18および海上の船舶19の間の連続的かつ同時発生的な中継により、全運航搭乗員がアクセス可能な大気データネットワークが部分的に構成されている。次に、図2を参照すると、大気データネットワークが図示されている。本明細書において意図されたシステムおよび方法を備えるとともに操作する航空機は、国際気象サービス23、米国海洋大気庁25、国内軍事気象サービス27、国際軍事気象サービス29、機上の装置およびセンサ31、国内気象サービス33などの種々の情報源と大気情報データを通信(すなわち、受信、処理、伝送、中継など)する場合がある。
【0012】
本明細書に記載された方法およびシステムによると、航空機10は、フライト中のある時間的な時点において、第1の地点つまり過去の地点(t-1)に位置する。センサ12により、前述の大気情報が収集され、データ処理が開始される。すなわち、飛行経路14に亘る大気条件が、どこで、どのように変化しているかを判断するために、全てのデータまたはデータの一部が大気情報収集設備16および衛星18に転送される。そのような処理された大気情報が航空機10に受信されると、航空機10のシステム(以下に詳述する)により、飛行経路14に亘る予測大気条件の変化に応じて航空機のエンジンが調整される。例えば、航空機10は、乱気流、エアポケット、暴風雨や他の大気の擾乱を避けるために、航空機10が第2の地点つまり現在の地点(t0)に近づくにつれて高度を上げる。その間、全てのセンサ12により、航空機を取巻く運転環境に関する大気情報が収集され、そのような情報がデータとして大気情報収集設備16および衛星18に中継される。大気情報収集設備16および衛星18により、航空機10前方の地点における気象パターンおよび大気条件に関する新たな情報が中継されて戻される。ここで再び、大気情報収集設備16および衛星18と共に航空機10の機上で収集、処理されている情報に基づいた航空機10のシステムにより、飛行経路14における大気条件が予測され、それに応じて航空機のエンジンが調整される。航空機のエンジンが調整されると、大気の擾乱を避けるために航空機10が第3の地点つまり未来の地点(t1)に向かって下降するように、飛行経路14が変更される。これらの予測された大気の擾乱および航空機の飛行経路の変更は、航空機のコックピット内の1つまたは複数のディスプレイによりパイロットおよび他の必要な全運航搭乗員に対して視覚的に表示される。必要な運航搭乗員には、該航空機に搭乗している人だけでなく、航空機のフライトの監視に関連する人々、機上、地上または海上にいる人々、ならびに本明細書に記載された方法の実施に関与している人々が含まれる。
【0013】
図3を参照すると、センサ12を備える航空機10は、予測を行うため、かつ性能を最適化するようにエンジンおよび飛行経路を調整するために大気情報を収集、処理、転送するだけではない。本明細書に記載の方法およびシステムにより、航空機が、航空機近辺の大気条件を観測および報告することが可能な環境探測機(プローブ)として機能する場合がある。図3において航空機のアイコンで図示しているように、約50,000機の航空機が、ある日の米国およびその周辺領域の上空を飛行している。これらの航空機の各々、またはある台数の航空機に前述のセンサ、および本発明の方法やシステムが搭載されている場合、各航空機により現在の大気条件が報告されるだけでなく、航空機前方およびそれぞれの飛行経路に亘る気象条件が予測されて、インターネットにアクセス可能なワールドワイドウェブサイトを通じて表示するためにそのような情報が中継される。
【0014】
前述のように、現在の航空機システムでは、本明細書において意図された大気情報を収集、処理および実行を行うために必要なオンボード(機上)のデータの記憶容量、処理能力および計算能力が欠如している。この欠点を克服するために、本明細書では、分散処理ネットワークおよび並列処理ネットワークについて説明している。これらの処理ネットワークにより、航空機の飛行経路を最適化する方法およびシステム、大気条件や環境条件を観測する方法およびシステム、ならびに航空機の飛行経路における擾乱大気条件を予測する方法およびシステムを実施するのに必要な記憶容量および計算能力が付与される。図4に図示されているように、航空機10の典型的なローカルネットワーク31には、通常、本明細書に記載された受動、能動および組込式のセンサ12、入力および出力アンテナ37、オンボードデータ39、ならびに本明細書に意図される分散処理ネットワークまたは並列処理ネットワークが備えられている。これらの装置により、大気情報データが、航空機10と通信している1つまたは複数のマイクロサーバに伝送され、次いで、マイクロサーバにより、結果として得られた出力(本明細書に記載)が航空機10の種々のオンボード(機上の)診断システムに伝送される。さらに図5において、これらの典型的なネットワークの計算処理の構造が図示されている。ここでは、データを処理するとともに結果として得られた出力(本明細書に記載)を航空機10の種々のオンボード診断システムに伝送する航空機のマイクロサーバに入力が与えられるように、オンボード(機上)の計算能力と地上の計算能力とが合わされる(接続される)。
【0015】
次に図6および図7を参照すると、本発明の分散処理ネットワーク21が図示されている。通常、航空機10は、第1のマイクロサーバ20を備える。第1のマイクロサーバ20は、電子エンジン制御装置や全デジタル電子式制御装置(EEC/FADEC)22と共に(矢印24で示されたように)、航空機10全体(タービンエンジンの性能、他の全てのシステムおよびハードウエアなど)をモニターするように設計されたプログノスティックヘルスメンテナンス(prognostic health maintenance)プログラムを備える。プログノスティックヘルスメンテナンスマイクロサーバ20には、早期故障検出システム26、マルチプルハーモニック分析システム28、状態機械(ステートマシン)30(例えば、有限状態遷移機械)、ファジィ論理34および遺伝的アルゴリズム36を作動させるニューラルネットワーク32などのハードウエアやソフトウエアが含まれるが、これに限定されない。ニューラルネットワーク32は、ファジィ論理34および遺伝的アルゴリズム36と共にファジィニューラル論理ネットワークと呼ばれ、状態機械(ステートマシン)30と一緒に、航空機の飛行経路に亘る今後の大気条件や擾乱に関する予測を公式化する計算能力を提供する。そのような予測を行うことに応じて、収集、処理かつ生成されるデータは、インフライトエンタテイメントシステムを備える第2のマイクロサーバ38に配信される。本明細書に記載のインフライトエンタテイメントシステムは、ほぼ全ての民間航空機において見られるが、本明細書に記載のマイクロサーバを介して実施される形態は、新規の概念であり、現在は用いられていない。インフライトエンタテイメントシステムマイクロサーバ38は、矢印41で示されたように、プログノスティックヘルスメンテナンスマイクロサーバ20およびFADEC22からの転送によってデータを受信する。図7に図示されているように、インフライトエンタテイメントシステムマイクロサーバ38は、予め設定された(pre−configured)エンタテイメントシステム42(図6参照)を備える。このエンタテイメントシステム42には、視覚表示装置43を備えたマイクロプロセッサ40(すなわち、複数のマイクロプロセッサ40)にロードされた映画、ネットサーフィン用インターネットサービスポータル、電子メールプログラム、ワードプロセッシングプログラム、ビデオゲームプログラムなどが含まれる。各マイクロプロセッサおよび表示装置は、通常、シート47の背もたれ45に取付けられている。乗客が座席に着いた状態で視覚表示装置43を見ることができるように、視覚表示装置43は各シート47の背もたれ45に位置している。任意選択で、フライト中に乗客が表示装置43を膝の上に乗せることができるように、視覚表示装置43およびマイクロプロセッサ40をシートから取外すことが許容されてもよい。マイクロプロセッサ40は、乗客が電子データを入力または受信することができるように、入力装置49および出力装置51を有する。
【0016】
使用中または使用中でない時でも、マイクロプロセッサ40は、センサ12、プログノスティックヘルスメンテナンスマイクロサーバ20およびFADEC22により収集かつ処理される大気データを一時的または永続的に保存可能なネットワークを形成する。データは、矢印44で示されたように複数のマイクロプロセッサ40に亘って配信される場合もあるし、あるいは同様に必要な際には取出される場合もある。データを保存することに加えて、利用頻度が低い、あるいは不使用のマイクロプロセッサとして(当業者に理解されるように)認識されたこれらの複数のマイクロプロセッサ40は、さらなる計算能力を本明細書に記載の方法の実施に充てるために、バックグラウンドの「ジョブ」またはルーチンを実行するように用いられることが意図されている。
【0017】
次に図8を参照すると、本発明の並列処理ネットワーク50が図示されている。本発明の航空機システムを取り巻く計算能力およびデータ保存の問題を解決する継続的な取り組みにおいては、並列処理ネットワーク50により、ニューラルファジィ論理ネットワークおよび遺伝的アルゴリズム36(前述)を組入れているフィードバック制御システム54と、予測環境システム58と、を備えたスーパーコンピュータ52を組み込むことが企図されている。スーパーコンピュータ52は、旅客機、民間機または軍用機用に合わせて調整され、実装できうるいかなる周知のスーパーコンピュータであってもよい。代表的なスーパーコンピュータとしては、Cray X1E(登録商標)、Cray XT3(登録商標)、Cray XD1(登録商標)およびCray SX−6(登録商標)など(これに限定されない)があり、いずれも米国ワシントン州シアトルのCray社より市販されている。スーパーコンピュータ52は、プログノスティックヘルスメンテナンスマイクロサーバ60(矢印62で示したように)ならびにEEC/FADEC64(矢印66,68を介して)とともに、前述の大気情報および結果として得られたデータを受信、処理、転送かつ共有する。同様に、プログノスティックヘルスメンテナンスマイクロサーバ60は、EEC/FADEC64(矢印70で示したように)および第1のマイクロサーバ74(矢印72で示したように)とともに、結果として得られたデータを転送かつ共有する。プログノスティックヘルスメンテナンスマイクロサーバ60は、通常、センサからの大気情報を収集するように機能する専用のマイクロサーバから構成されてもよく、この情報をスーパーコンピュータ52とともに処理してもよい。次いで、第1のマイクロサーバ74は、図1に図示されたように1つまたは複数の衛星18、地上大気情報収集設備16、他の航空機17および海上の船舶19と通信する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】過去の位置から現在の位置、さらに本発明による方法およびシステムに基づいて予測された未来の位置に亘った航空機の飛行経路を示す図。
【図2】本発明のローカルネットワークと連動して用いられる大気データネットワークを示す図。
【図3】ある日のアメリカおよび周辺領域の空域を占める約50,000機の航空機を示した航空交通状況図。
【図4】本発明のローカルネットワークを示す図。
【図5】図4のローカルネットワークの種々の計算構造の図。
【図6】本発明の分散処理ネットワークの図。
【図7】航空機において実施される図6の分散処理ネットワークの図。
【図8】本発明の並列処理ネットワークの図。
【符号の説明】
【0019】
10…航空機
12…センサ
14…飛行経路
16…地上の大気情報収集設備
17…他の航空機
18…人工衛星
19…海上の船舶
20…プログノスティックヘルスメンテナンスマイクロサーバ
21…分散処理ネットワーク
22…FADEC
26…早期故障検出システム
28…マルチプルハーモニクス分析システム
30…ステートマシン
32…ニューラルネットワーク
34…ファジィ論理
36…遺伝的アルゴリズム
38…インフライトエンタテイメントシステムマイクロサーバ
40…マイクロプロセッサ
43…視覚表示装置
45…背もたれ
47…シート
49…入力装置
50…並列処理ネットワーク
51…出力装置
52…スーパーコンピュータ
54…フィードバック制御システム
60…プログノスティックヘルスメンテナンスマイクロサーバ
74…マイクロサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機の飛行経路を最適化する方法であって、
航空機に取付けられた1つまたは複数のセンサから大気情報を収集することと、
前記大気情報を処理することと、
前記航空機の飛行経路における大気条件を予測することと、
前記大気条件を見越して前記飛行経路を修正することと、
を含む飛行経路最適化方法。
【請求項2】
1つまたは複数の大気情報の情報源から前記大気情報のデータを収集することをさらに含む請求項1に記載の飛行経路最適化方法。
【請求項3】
前記大気情報データを処理することが、分散処理ネットワークを用いて前記大気情報データを処理することからなることを特徴とする請求項1に記載の飛行経路最適化方法。
【請求項4】
前記分散処理ネットワークが、1つまたは複数の大気情報の情報源と通信している前記航空機において、全デジタル電子式制御装置と通信するとともにプログノスティックヘルスメンテナンスシステムを備える第1のマイクロサーバと、インフライトエンタテイメントシステムを備える第2のマイクロサーバと、複数のマイクロプロセッサと、を備えるマイクロサーバネットワークからなることを特徴とする請求項3に記載の飛行経路最適化方法。
【請求項5】
前記1つまたは複数の大気情報データの情報源が、地球の軌道を回っている1つまたは複数の人工衛星と、1つまたは複数の地球上の大気情報収集設備と、1つまたは複数の飛行中の航空機と、1つまたは複数の海上の船舶と、からなることを特徴とする請求項4に記載の飛行経路最適化方法。
【請求項6】
前記大気情報データを処理することが、並列処理ネットワークを用いて前記大気情報データを処理することからなることを特徴とする請求項1に記載の飛行経路最適化方法。
【請求項7】
前記並列処理ネットワークが、大気情報の1つまたは複数の情報源と通信している前記航空機において、全デジタル電子式制御装置と並列通信しているスーパーコンピュータと、プログノスティックヘルスメンテナンスシステムを備える第1のマイクロサーバと、前記1つまたは複数の大気情報の情報源と通信している第2のマイクロサーバと、を備えるスーパーコンピュータネットワークからなることを特徴とする請求項6に記載の飛行経路最適化方法。
【請求項8】
前記1つまたは複数の大気情報データの情報源が、地球の軌道を回っている1つまたは複数の人工衛星と、1つまたは複数の地球上の大気情報収集設備と、1つまたは複数の飛行中の航空機と、1つまたは複数の海上の船舶と、からなることを特徴とする請求項7に記載の飛行経路最適化方法。
【請求項9】
前記大気条件を予測することが、前記第1のマイクロサーバに取入れられるとともにファジィ論理および遺伝的アルゴリズムを作動させるニューラルネットワークを用いることにより前記大気情報データを処理することを含むことを特徴とする請求項1に記載の飛行経路最適化方法。
【請求項10】
前記大気条件を予測することが、前記航空機の現在地点より先の前記飛行経路の地点における前記大気条件を予測することを含むことを特徴とする請求項1に記載の飛行経路最適化方法。
【請求項11】
前記飛行経路を修正することが、前記航空機の現在地点より先の前記飛行経路の地点における前記予測された大気条件に応じて前記飛行経路を変更することを含むことを特徴とする請求項1に記載の飛行経路最適化方法。
【請求項12】
前記修正された飛行経路を1人または複数の運航搭乗員に視覚的に表示することをさらに含む請求項1に記載の飛行経路最適化方法。
【請求項13】
大気中の環境条件を観測する方法であって、
航空機に取付けられた1つまたは複数のセンサから大気情報のデータを収集することと、
前記大気情報を処理することと、
前記航空機付近の複数の大気条件を判断することと、
前記複数の大気条件を1つまたは複数の大気観測設備に報告することと、
を含む環境条件観測方法。
【請求項14】
前記大気情報データを処理することが、分散処理ネットワークを用いて前記大気情報データを処理することからなることを特徴とする請求項13に記載の環境条件観測方法。
【請求項15】
前記分散処理ネットワークが、大気情報の1つまたは複数の情報源と通信している前記航空機において、電子式エンジン制御装置および全デジタル電子式制御装置と通信するとともにプログノスティックヘルスメンテナンスシステムを備える第1のマイクロサーバと、インフライトエンタテイメントシステムを備える第2のマイクロサーバと、複数のマイクロプロセッサと、を備えるマイクロサーバネットワークからなることを特徴とする請求項13に記載の環境条件観測方法。
【請求項16】
前記1つまたは複数の大気情報データの情報源が、地球の軌道を回っている1つまたは複数の人工衛星と、1つまたは複数の地球上の大気情報収集設備と、1つまたは複数の飛行中の航空機と、1つまたは複数の海上の船舶と、からなることを特徴とする請求項13に記載の環境条件観測方法。
【請求項17】
前記大気情報データを処理することが、並列処理ネットワークを用いて前記大気情報データを処理することからなることを特徴とする請求項13に記載の環境条件観測方法。
【請求項18】
前記並列処理ネットワークが、大気情報の1つまたは複数の情報源と通信している前記航空機において、電子式エンジン制御装置および全デジタル電子式制御装置と並列通信しているスーパーコンピュータと、プログノスティックヘルスメンテナンスシステムを備える第1のマイクロサーバと、前記1つまたは複数の大気情報の情報源と通信している第2のマイクロサーバと、を備えるスーパーコンピュータネットワークからなることを特徴とする請求項17に記載の環境条件観測方法。
【請求項19】
前記報告された大気条件を1人または複数の運航搭乗員に視覚的に表示することをさらに含む請求項13に記載の環境条件観測方法。
【請求項20】
航空機の飛行経路における擾乱大気条件を予測する方法であって、
航空機に取付けられた1つまたは複数のセンサから大気情報のデータを収集することと、
前記大気情報を処理することと、
前記航空機の飛行経路における複数の大気条件を予測することと、
を含む擾乱大気条件予測方法。
【請求項21】
1つまたは複数の大気情報の情報源から前記大気情報のデータを収集することをさらに含む請求項20に記載の擾乱大気条件予測方法。
【請求項22】
前記大気情報データを処理することが、分散処理ネットワークを用いて前記大気情報データを処理することからなることを特徴とする請求項20に記載の擾乱大気条件予測方法。
【請求項23】
前記分散処理ネットワークが、大気情報の1つまたは複数の情報源と通信している前記航空機において、電子式エンジン制御装置および全デジタル電子式制御装置と通信するとともにプログノスティックヘルスメンテナンスシステムを備える第1のマイクロサーバと、インフライトエンタテイメントシステムを備える第2のマイクロサーバと、複数のマイクロプロセッサと、を備えるマイクロサーバネットワークからなることを特徴とする請求項22に記載の擾乱大気条件予測方法。
【請求項24】
前記1つまたは複数の大気情報データの情報源が、地球の軌道を回っている1つまたは複数の人工衛星と、1つまたは複数の地球上の大気情報収集設備と、1つまたは複数の飛行中の航空機と、1つまたは複数の海上の船舶と、からなることを特徴とする請求項21に記載の擾乱大気条件予測方法。
【請求項25】
前記大気情報データを処理することが、並列処理ネットワークを用いて前記大気情報データを処理することからなることを特徴とする請求項20に記載の擾乱大気条件予測方法。
【請求項26】
前記並列処理ネットワークが、大気情報の1つまたは複数の情報源と通信している前記航空機において、電子式エンジン制御装置および全デジタル電子式制御装置と並列通信しているスーパーコンピュータと、プログノスティックヘルスメンテナンスシステムを備える第1のマイクロサーバと、前記1つまたは複数の大気情報の情報源と通信している第2のマイクロサーバと、を備えるスーパーコンピュータネットワークからなることを特徴とする請求項25に記載の擾乱大気条件予測方法。
【請求項27】
前記1つまたは複数の大気情報データの情報源が、地球の軌道を回っている1つまたは複数の人工衛星と、1つまたは複数の地球上の大気情報収集設備と、1つまたは複数の飛行中の航空機と、1つまたは複数の海上の船舶と、からなることを特徴とする請求項26に記載の擾乱大気条件予測方法。
【請求項28】
前記大気条件を予測することが、前記航空機のマイクロサーバ上のプログノスティックヘルスメンテナンスシステムに取入れられるとともにファジィ論理および遺伝的アルゴリズムを作動させるニューラルネットワークを用いることにより前記大気情報データを処理することを含むことを特徴とする請求項20に記載の擾乱大気条件予測方法。
【請求項29】
前記大気条件を予測することが、前記航空機の現在地点より先の前記飛行経路の地点における前記大気条件を予測することを含むことを特徴とする請求項20に記載の擾乱大気条件予測方法。
【請求項30】
前記予測された大気条件を1人または複数の運航搭乗員に視覚的に表示することをさらに含むことを特徴とする請求項20に記載の擾乱大気条件予測方法。
【請求項31】
航空機の飛行経路を最適化するシステムであって、1つまたは複数の大気情報の情報源と通信するとともに、コンピュータネットワークと、航空機の飛行経路を最適化する手段と、からなる大気データ処理ネットワークを備える飛行経路最適化システム。
【請求項32】
前記飛行経路を最適化する前記手段が、ファジィ論理プログラムおよび遺伝的アルゴリズムを作動させるニューラルネットワークからなることを特徴とする請求項31に記載の飛行経路最適化システム。
【請求項33】
前記ニューラルネットワークが、前記航空機に取付けられたセンサおよび前記1つまたは複数の大気情報データの情報源から収集された大気情報データを用いて前記航空機の現在地点より先の前記飛行経路の地点における大気条件を予測するとともに、前記予測された大気条件に応じて前記航空機の前記飛行経路を最適化することを特徴とする請求項32に記載の飛行経路最適化システム。
【請求項34】
前記コンピュータネットワークが、分散処理ネットワークであり、前記分散処理ネットワークが、電子式エンジン制御装置および全デジタル電子式制御装置と通信するとともにプログノスティックヘルスメンテナンスシステムおよび前記飛行経路を最適化する手段を備える第1のマイクロサーバと、複数のマイクロプロセッサと通信するとともにインフライトエンタテイメントシステムを備える第2のマイクロサーバと、を備えることを特徴とする請求項31に記載の飛行経路最適化システム。
【請求項35】
前記コンピュータネットワークが、並列処理ネットワークであり、前記並列処理ネットワークが、全デジタル電子式制御装置と並列通信しているスーパーコンピュータと、プログノスティックヘルスメンテナンスシステムおよび前記飛行経路を最適化する手段を備える第1のマイクロサーバと、前記1つまたは複数の大気情報の情報源と通信している第2のマイクロサーバと、を備えることを特徴とする請求項31に記載の飛行経路最適化システム。
【請求項36】
前記1つまたは複数の大気情報データの情報源が、地球の軌道を回っている1つまたは複数の人工衛星と、1つまたは複数の地球上の大気情報収集設備と、1つまたは複数の飛行中の航空機と、1つまたは複数の海上の船舶と、からなることを特徴とする請求項31に記載の飛行経路最適化システム。
【請求項37】
1人または複数の運航搭乗員に修正された飛行経路を表示する視覚表示装置をさらに備える請求項31に記載の飛行経路最適化システム。
【請求項38】
大気中の環境条件を観測するシステムであって、1つまたは複数の大気情報の情報源と通信するとともに、コンピュータネットワークと、航空機付近の大気中の環境条件を観測する手段と、からなる大気データ処理ネットワークを備える環境条件観測システム。
【請求項39】
前記航空機付近の前記大気中の環境条件を観測する前記手段が、ファジィ論理プログラムおよび遺伝的アルゴリズムを作動させるニューラルネットワークからなることを特徴とする請求項38に記載の環境条件観測システム。
【請求項40】
前記ニューラルネットワークが、前記航空機に取付けられた複数のセンサから大気情報データを収集することを特徴とする請求項39に記載の環境条件観測システム。
【請求項41】
前記コンピュータネットワークが、分散処理ネットワークであり、前記分散処理ネットワークが、電子式エンジン制御装置および全デジタル電子式制御装置と通信するとともにプログノスティックヘルスメンテナンスシステムおよび前記航空機付近の前記大気中の環境条件を観測する前記手段を備える第1のマイクロサーバと、複数のマイクロプロセッサと通信するとともにインフライトエンタテイメントシステムを備える第2のマイクロサーバと、を備えることを特徴とする請求項38に記載の環境条件観測システム。
【請求項42】
前記コンピュータネットワークが、並列処理ネットワークであり、前記並列処理ネットワークが、電子式エンジン制御装置および全デジタル電子式制御装置と並列通信しているスーパーコンピュータと、プログノスティックヘルスメンテナンスシステムおよび前記航空機付近の前記大気中の環境条件を観測する前記手段を備える第1のマイクロサーバと、前記1つまたは複数の大気情報の情報源と通信している第2のマイクロサーバと、を備えることを特徴とする請求項38に記載の環境条件観測システム。
【請求項43】
前記1つまたは複数の大気情報データの情報源が、地球の軌道を回っている1つまたは複数の人工衛星と、1つまたは複数の地球上の大気情報収集設備と、1つまたは複数の飛行中の航空機と、1つまたは複数の海上の船舶と、からなることを特徴とする請求項38に記載の環境条件観測システム。
【請求項44】
前記観測された環境条件を1人または複数の運航搭乗員に表示する視覚表示装置をさらに備えることを特徴とする請求項38に記載の環境条件観測システム。
【請求項45】
航空機の飛行経路における擾乱大気条件を予測するシステムであって、1つまたは複数の大気情報の情報源と通信するとともに、コンピュータネットワークと、航空機の飛行経路における擾乱大気条件を予測する手段と、からなる大気データ処理ネットワークを備える擾乱大気条件予測システム。
【請求項46】
前記飛行経路を最適化する手段が、ファジィ論理プログラムおよび遺伝的アルゴリズムを作動させるニューラルネットワークからなり、前記ニューラルネットワークが、前記航空機に取付けられたセンサおよび前記1つまたは複数の大気情報の情報源から収集された大気情報データを用いて、前記航空機の現在地点より先の前記飛行経路の地点における前記擾乱大気条件を予測することを特徴とする請求項45に記載の擾乱大気条件予測システム。
【請求項47】
前記コンピュータネットワークが、分散処理ネットワークであり、前記分散処理ネットワークが、電子式エンジン制御装置および全デジタル電子式制御装置と通信するとともにプログノスティックヘルスメンテナンスシステムおよび前記擾乱大気条件を予測する前記手段を備える第1のマイクロサーバと、複数のマイクロプロセッサと通信するとともにインフライトエンタテイメントシステムを備える第2のマイクロサーバと、を備えることを特徴とする請求項45に記載の擾乱大気条件予測システム。
【請求項48】
前記コンピュータネットワークが、並列処理ネットワークであり、前記並列処理ネットワークが、電子式エンジン制御装置および全デジタル電子式制御装置と並列通信しているスーパーコンピュータと、プログノスティックヘルスメンテナンスシステムおよび前記擾乱大気条件を予測する前記手段を備える第1のマイクロサーバと、前記1つまたは複数の大気情報の情報源と通信している第2のマイクロサーバと、を備えることを特徴とする請求項45に記載の擾乱大気条件予測システム。
【請求項49】
前記1つまたは複数の大気情報データの情報源が、地球の軌道を回っている1つまたは複数の人工衛星と、1つまたは複数の地球上の大気情報収集設備と、1つまたは複数の飛行中の航空機と、1つまたは複数の海上の船舶と、からなることを特徴とする請求項45に記載の擾乱大気条件予測システム。
【請求項50】
前記予測された擾乱大気条件を1人または複数の航空機搭乗員に表示する視覚表示装置をさらに備えることを特徴とする請求項45に記載の擾乱大気条件予測システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−321475(P2006−321475A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−127180(P2006−127180)
【出願日】平成18年5月1日(2006.5.1)
【出願人】(590005449)ユナイテッド テクノロジーズ コーポレイション (581)
【氏名又は名称原語表記】UNITED TECHNOLOGIES CORPORATION
【Fターム(参考)】