説明

航空機酸素系統制御デバイスの試験方法

本発明は、航空機酸素系統制御デバイス30の試験を行うための試験装置40,42,44,46を提供する。制御デバイスは、航空機酸素ガス系統の1つ以上の状態を表す検出器信号を受信するための1つ以上の検出器信号入力部を有し、受信した1つ以上の検出器信号に基づいて1つ以上の酸素系統状態指示器をコントロールするために、1つ以上の制御信号を生成するように構成される。試験装置は、1つ以上の検出器信号入力部に試験信号を提供するための1つ以上の試験信号出力部を有した試験信号切換モジュール40を具備する。切換モジュール40は、試験信号をオン/オフに切換えるための切換手段48,50,52をさらに具備する。また、本発明は、試験装置を用いた制御デバイス30の試験方法を提供する。本方法の好適な実施形態では、切換手段は、制御デバイスの異なる検出器信号入力部に与えられる試験信号を連続的にオン/オフに切換えるよう動作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機酸素系統制御デバイスの試験を行うための試験装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の旅客機は、客室の気圧が低下した際、乗客及び/又は乗員に酸素供給を行うために、非常用酸素系統を備えている。非常用酸素系統に用いられる酸素源としては、2つのタイプのものが広く知られている。一方のタイプでは、酸素ガスを充填した圧力シリンダが用いられる。他方のタイプでは、適切な反応剤を用いた化学反応によって酸素が生成される。航空機の非常用酸素系統は、そのようなタイプの酸素源のうちのいずれか一方又はそれら両方に頼っている。化学反応による機上での酸素生成は、多くの場合、要求される供給時間が短い場合を想定している。長時間の酸素供給が要求される場合には、重量の観点から、酸素ガスを充填した圧力シリンダが有利となる。本発明では、特に、圧力シリンダを用いるガス式非常用酸素系統を対象とする。しかしながら、これは、本発明をそのようなガス系統に限定することを意図しない。つまり、化学式非常用酸素系統への本発明の適用も同様に検討され得る。
【0003】
ガス式非常用酸素系統において、酸素分配系統は、いくつかの圧力シリンダ(典型的に複数のシリンダが用いられるが、1つのシリンダだけを用いることも本発明の範囲に包含される)から複数の酸素マスクへ酸素を分配する。酸素マスクは、酸素補給を行うために、乗客及び/又は乗員によって彼ら自身の顔に装着されるものである。分配系統に設けられた1つ以上の調整バルブは、乗客及び乗員の健康を損なうおそれがないように、マスクによって確保される平均気管酸素分圧などの要件に従って、マスクに供給される酸素の量を調整するために用いられる。調整バルブは、酸素系統制御デバイスによってコントロールされる。
【0004】
慣習的に、酸素系統制御デバイスは、非常用酸素系統の動作状態を検出するさまざまな検出器から検出器信号を受信する。航空機の操縦室及び/又は客室には、乗員が非常用酸素系統の異常状態を知り、必要かつ可能であれば、適切な対処を行うことができるように、酸素系統状態指示器が備えられている。酸素系統状態指示器は、異常な状況においてのみ動作する指示器であり、例えば、警告灯又は警告音である。あるいは、又は、さらに、非常用酸素系統の特定の動作パラメータを継続して示す指示器があり、指示器の監視及び異常状況発生の判断を乗員に委ねる。酸素系統制御デバイスは、受信した検出器信号を処理するとともに、適切な中間回路を介して直接的又は間接的に指示器をコントロールするための制御信号を出力する。
【0005】
検出器信号は、酸素分配系統圧力センサ、酸素シリンダ圧力変換器、酸素シリンダ温度センサなどの検出器から送信される。酸素分配系統圧力センサは、酸素分配系統の圧力に反応し、酸素分配系統の圧力がある値を越えた(下回った)場合にハイ信号を提供し、酸素分配系統の圧力がある値を下回った(越えた)場合にロー信号を提供するオン/オフ検出器となる。酸素シリンダ圧力変換器は、酸素シリンダの圧力を示す信号を提供する。2つ以上のシリンダが設けられている場合、酸素シリンダ圧力変換器は、各シリンダに関連付けられる。酸素系統制御デバイスは、いくつかの酸素シリンダ圧力変換器の複数の信号から平均シリンダ圧力を算出する。酸素シリンダ温度センサは、1つ以上の圧力シリンダの周囲温度を検出する。酸素系統制御デバイスは、測定した温度を用いて、温度補償後の平均シリンダ圧力を算出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記の一般的なタイプの航空機酸素系統制御デバイスを容易かつ確実に試験できるようにする試験装置を提供することにある。本発明のさらなる目的は、そのような試験装置を用いた簡単な試験方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、航空機酸素系統制御デバイスの試験を行う試験装置が提供される。航空機酸素系統制御デバイスは、航空機酸素ガス系統の1つ以上の状態を表す検出器信号を受信するための1つ以上の検出器信号入力部を具備し、受信した1つ以上の検出器信号に基づいて1つ以上の酸素系統状態指示器をコントロールするために、1つ以上の制御信号を生成するように構成されている。試験装置は、試験信号切換モジュールを具備する。試験信号切換モジュールは、試験信号を提供するための1つ以上の試験信号出力部と、試験信号のオン/オフ状態を切換えるための切換手段とを具備する。
【0008】
試験信号のオン/オフ状態を切換えることによって、ハイ及び/又はロー検出器信号状態が、酸素系統制御デバイスの検出器信号入力部においてシミュレートされ、制御デバイスの信号処理の試験が行われる。
【0009】
切換手段は、それぞれ異なる試験信号出力部に関連付けられた個々に動作可能な複数の切換器を具備してよい。好適な実施態様において、切換手段は、各試験信号出力部に対して個別に動作可能な1つの切換器を具備してもよい。
【0010】
有利には、切換手段は、手動操作可能である。同様に、所定の切換え手法に従って切換手段を自動的に動作させるために効果的なソフトウェアプログラムモジュールの提供が想定できる。
【0011】
試験信号切換モジュールは、航空機酸素系統制御デバイスの酸素分配系統圧力信号入力部に接続するための試験信号出力部を具備してよい。あるいは、又は、さらに、切換モジュールは、航空機酸素系統制御デバイスの酸素シリンダ圧力信号入力部に接続するための少なくとも1つの試験信号出力部を具備してもよい。さらに、又は、上記の試験信号出力部のどちらかの代わりに、切換モジュールは、航空機酸素系統制御デバイスの酸素シリンダ温度信号入力部に接続するための試験信号出力部を具備してもよい。当然ながら、切換モジュールは、制御デバイスの上記の信号入力部に接続するための試験信号出力部を具備した態様に限定されない。切換モジュールには、制御デバイスのその他の信号入力部に接続するための1つ以上の試験信号出力部が同様に設けられてよい。
【0012】
一実施態様において、試験信号切換モジュールは、各試験信号入力部で外部試験信号を受信するための1つ以上の試験信号入力部を具備してよく、このとき、試験信号切換モジュールは、受信した各試験信号を切換手段を介して少なくとも1つの試験信号出力部にルーティングするように構成される。あるいは、又は、さらに、切換モジュールは、1つ以上の試験信号を内部的に生成するように構成されてもよい。
【0013】
有利には、試験装置は、試験信号切換モジュールの1つ以上の試験信号出力部を航空機酸素系統制御デバイスの1つ以上の検出器信号入力部に接続するため、及び/又は、試験信号切換モジュールの1つ以上の試験信号入力部を航空機酸素系統制御デバイスの1つ以上の試験信号出力部に接続するための接続ケーブル手段をさらに具備する。
【0014】
本発明は、航空機酸素系統制御デバイスの試験方法をさらに提供する。航空機酸素系統制御デバイスは、航空機酸素ガス系統の1つ以上の状態を表す検出器信号を受信するための1つ以上の検出器信号入力部を具備し、受信した1つ以上の検出器信号に基づいて1つ以上の酸素系統状態指示器をコントロールするために、1つ以上の制御信号を生成するように構成されている。本方法は、上記のタイプの試験装置を提供する段階と、試験信号切換モジュールの少なくとも1つの試験信号出力部から少なくとも1つの検出器信号入力部に試験信号を与える段階と、試験信号切換モジュールの切換手段を動作させて、試験信号のオン/オフ状態を変化させる段階と、1つ以上の酸素系統状態指示器のうちの少なくとも1つを監視する段階とを有する。
【0015】
本発明の方法の好適な実施態様において、試験信号は、航空機酸素系統制御デバイスの複数の検出器信号入力部のそれぞれに、同時に与えられる。次いで、試験信号切換モジュールの切換手段が動作して、異なる検出器信号入力部に与えられる複数の試験信号がオン/オフ状態に連続的に切換わる。オフ状態に切換えられた試験信号は、次の試験信号がオフ状態に切換えられる前に、オン状態に復帰するように切換えられる。このようにして、制御デバイスは、不意の信号降下に適切に反応することについて、又は、検出器信号入力部のいずれか1つの信号エラーについて、試験を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】航空機の非常用酸素系統の概略的な配置図を示す。
【図2】図1の非常用酸素系統の酸素系統制御デバイスに接続された切換ボックスを概略的に示す。
【図3】図2の切換ボックスの回路構成図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
これより、添付の図面を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。
【0018】
図1に示された例示的な実施形態では、非常用酸素系統は、酸素ガスが充填された複数の圧力シリンダ10を具備する。図1には、全部で4つの圧力シリンダ10が示されている。当然ながら、圧力シリンダの数は発明に関係が無く、航空機の乗客収容力やシリンダのサイズなどに応じて、4つより多くても少なくてもよい。圧力シリンダ10は、参照符号12で大まかに示された酸素分配系統に接続される。酸素分配系統12は、シリンダ10から、航空機の乗客座席上のマスク格納部16に格納された複数の酸素マスク14に、酸素を分配する。非常時には、酸素マスク14は、格納部16から降下し、乗客によって彼ら自身の顔に装着される。酸素分配系統12は、分配系統12内を流れる酸素量を調整する1つ以上(図示した実施形態では2つ)の酸素調整バルブ18を具備する。バルブ18は、高度スイッチ20によって自動的に作動するか、又は、航空機の操縦室26内の頭上制御盤24に設けられた起動スイッチ22によって手動で操作される。
【0019】
各シリンダ10のシリンダ圧力は、シリンダの圧力を示す電気圧力信号を生成する一体化型圧力変換器を備えた減圧バルブ28によって引き下げられる。減圧バルブ28の圧力信号は、酸素系統制御デバイス30に提供される。酸素系統制御デバイス30は、受信した圧力信号を処理して、シリンダ10の圧力の算術平均値を算出する。温度センサ32は、圧力シリンダ10の設置場所の周囲温度を表す温度信号を生成する。制御デバイス30は、温度信号を受信して、シリンダ10の圧力の温度依存変化量の補償を行う。そうして、温度補償後の平均シリンダ圧力が制御デバイス30によって算出される。
【0020】
圧力低下スイッチ34は、酸素分配系統12の圧力低下状態を検出する。圧力スイッチ34は、非常用酸素系統の通常の動作状態で、すなわち、酸素分配系統の圧力が一定レベルを越えている場合に、オン状態となるようなオン/オフスイッチである。分配系統12の圧力がそのようなレベルを下回ったとき、圧力スイッチ34は開放となって、切換状態をオフに変化させる。圧力スイッチ34は、自身の切換状態に基づいて、制御デバイス30にハイ/ロー信号を提供する。
【0021】
減圧バルブ28、温度センサ32、及び圧力スイッチ34は、いずれも、非常用酸素系統の動作状態を検出する検出器である。検出された状態のいずれかが非常用酸素系統の異常状況を示した場合、航空機の乗員に警報が発せられなければならない。そのために、制御デバイス30は、受信したさまざまな検出器信号を処理して、航空機の操縦室26に設けられた1つ以上の酸素系統状態指示器をコントロールするための1つ以上の制御信号を生成する。酸素系統状態指示器の一例としては、制御盤24に設けられた警告灯36がある。警告灯36は、圧力スイッチ34が開放となった場合、及び/又は、温度補償後の平均シリンダ圧力が所定のしきい値を下回った場合に起動される。あるいは、又は、さらに、警告指示器36は、温度センサ32、及び/又は、複数の減圧バルブ28のいずれかが制御デバイス10に信号を提供しなくなった場合、すなわち、それらの故障時に起動されなければならない。そのような異常状況においては、制御デバイス10は、電子式集中化航空機モニタ(ECAM)ユニット38に適切な制御信号を出力して、同様に指示器36の起動をトリガする。
【0022】
これより、さらに図2及び図3を参照する。これらの図には、試験信号切換ボックス40が示されている。切換ボックス40は、検出器28,32,34の代わりに、試験用として制御デバイス30に接続される。図2に詳細に示されたように、切換ボックス40は、接続ケーブル一式42,44,46によって制御デバイス30に接続される。当然ながら、切換ボックス40と制御デバイス30との間のすべての接続ラインは、例えば、1本の接続ケーブルにまとめられてもよい。必要となる接続ケーブルの数は、例えば、制御デバイス30及び切換ボックス40の接続インタフェースの位置などの要因によって決まる。
【0023】
切換ボックス40は、ボックス40のユーザ操作盤上に複数のスイッチ動作素子48,50,52を備える。図2の例示的な実施形態では、合計10個のスイッチ動作素子48が切換ボックス40に設けられると同時に、1つのスイッチ動作素子50及び1つのスイッチ動作素子52が設けられている。スイッチ動作素子48,50,52は、例えば、回転ノブ又は押しボタンの形をとってよい。各スイッチ動作素子48,50,52は、それら自身に関連したスイッチ54,56,58を切換ボックス40内にそれぞれ備える。具体的には、スイッチ54は、各スイッチ動作素子48に関連付けられ、スイッチ56は、スイッチ動作素子50に関連付けられ、かつスイッチ58は、スイッチ動作素子52に関連付けられる。
【0024】
スイッチ54,56,58は、切換ボックス40の個々の試験信号入力部60と個々の試験信号出力部62との間に伸びる試験信号ラインに位置している。試験信号入力部60は、試験信号を受信するようにそれぞれ機能する。そして、試験信号は、スイッチ54,56,58のうちの1つを用いてスイッチオン/オフされて、個々の試験信号出力部62における切換ボックス40からの出力となる。入力試験信号は、例えば、電源電圧信号のような定電圧信号の形をとってよい。図2及び図3に示された実施形態では、試験信号は、制御デバイス30によって生成され、接続ケーブル44,46を介して切換ボックス40に与えられる。スイッチ通過後、試験信号は、接続ケーブル42,44を介して制御デバイス30の検出器信号入力部へ送られる。このようにして、制御デバイス30は、複数の検出器信号入力部のうちのいずれか1つのロー信号(スイッチオフ試験信号に対応する信号)に適切に反応することを試験できる。
【0025】
図2に示されたように、制御デバイス30は、接続ケーブル42,44,46のケーブルコネクタ70,72,74に接続可能な複数の接続インタフェース64,66,68を具備する。接続インタフェース64は、1つの検出器信号入力部を有し、非常用酸素系統の動作時に、温度センサ32から温度信号を受信する。接続インタフェース64は、減圧バルブ28からの圧力信号を受信するためのさらなる検出器信号入力部を有する。接続インタフェース64は、そのような圧力信号毎に別個の検出器信号入力部を提供する。減圧バルブ28からの圧力信号受信のために、実際に配置された圧力格納部10の数よりも多くの検出器信号入力部が存在してよい。そのような場合、航空機の通常動作の間、いくつかの検出器信号入力部は非接続のままとされる。しかしながら、切換モジュール40は、接続インタフェース64の各検出器信号入力部に試験信号を提供するように構成される。そのために、減圧バルブ28から圧力信号を受信するために接続インタフェース64に提供される検出器信号入力部の数と同数のスイッチ54が存在する。例えば、切換モジュール40に設けられた10個のスイッチ54と、対応する10個のスイッチ動作素子48とがある。
【0026】
スイッチ56は、接続インタフェース64の温度信号入力部に繋がった試験信号ラインに関連付けられる。
【0027】
制御デバイス30の接続インタフェース66は、非常用酸素系統の動作の間に、圧力スイッチ34からの信号を受信するための入力部を有するとともに、切換モジュール40のスイッチ58への入力試験信号として機能する所定の電圧信号を提供する電圧出力をさらに有する。
【0028】
最終的に、接続インタフェース68は、スイッチ54,56に試験信号を提供するために、それらスイッチそれぞれに関する試験信号出力部を有する。当然ながら、制御デバイス30の1つの試験信号出力部で、切換モジュール40のすべての試験信号入力部60に試験信号を提供できる。
【0029】
試験動作の間、スイッチ54,56,58は、閉状態に戻って、制御デバイス30の各検出器信号入力部にハイ信号状態を生成する。その後、複数のスイッチ54,56,58のうちの1つは、関連するスイッチ動作素子48,50,52を用いてオフに切換えられ、それによって、制御デバイス30の複数の検出器信号入力部のうちの1つにロー信号状態を作り出す。制御デバイス30は、適切に機能したならば、ECAM38のトリガによるロー信号状態に応答して、警告指示器36又は他の何らかの適切な酸素系統状態指示器を起動しなければならない。それに続いて、動作したスイッチは、別のスイッチが関連するスイッチ動作素子を用いて開放されるとすぐに、閉状態をリセットする。このようにして、複数のスイッチ54,56,58を個々に連続的に動作させることによって、制御デバイス30は、自身の検出器信号入力部のそれぞれで信号状態の変化に適切に対応して試験を行うことができる。
【符号の説明】
【0030】
10 圧力シリンダ
12 酸素分配系統
14 酸素マスク
16 マスク格納部
18 酸素調整バルブ
20 高度スイッチ
22 起動スイッチ
24 制御盤
26 操縦室
28 減圧バルブ
30 酸素系統制御デバイス
32 温度センサ
34 圧力低下スイッチ
36 警告灯
38 電子式集中化航空機モニタ(ECAM)ユニット
40 試験信号切換ボックス
42,44,46 接続ケーブル
48,50,52 スイッチ動作素子
54,56,58 スイッチ
60 試験信号入力部
62 試験信号出力部
64,66,68 接続インタフェース
70,72,74 ケーブルコネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機酸素系統制御デバイスの試験方法であって、ここで、航空機酸素系統制御デバイスは、航空機酸素ガス系統の1つ以上の状態を表す検出器信号を受信するための1つ以上の検出器信号入力部を具備し、受信した1つ以上の検出器信号に基づいて1つ以上の酸素系統状態指示器をコントロールするために、1つ以上の制御信号を生成するように構成されており、
試験信号切換モジュールを具備した試験装置を提供する段階であって、試験信号切換モジュールは、試験信号を提供するための1つ以上の試験信号出力部と、試験信号のオン/オフ状態を切換えるための切換手段とを具備する、段階と、
個々の検出器の代わりに、試験信号切換モジュールの試験信号出力部を航空機酸素系統制御デバイスの検出器信号入力部に接続する段階と、
試験信号切換モジュールの少なくとも1つの試験信号出力部からの試験信号を少なくとも1つの検出器信号入力部に与える段階と、
試験信号切換モジュールの切換手段を動作させて、試験信号のオン/オフ状態を変化させる段階と、
1つ以上の酸素系統状態指示器のうちの少なくとも1つを監視する段階と
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
航空機酸素系統制御デバイスの複数の検出器信号入力部のそれぞれに、同時に試験信号を与える段階と、
試験信号切換モジュールの切換手段を動作させて、異なる検出器信号入力部に与えられる複数の試験信号をオン/オフ状態に連続的に切換える段階と
をさらに有し、
オフ状態に切換えられた試験信号は、次の試験信号がオフ状態に切換えられる前に、オン状態に復帰するように切換えられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
切換手段が、それぞれ異なる試験信号出力部に関連付けられた個々に動作可能な複数の切換器を具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
切換手段が、各試験信号出力部に対して個別に動作可能な1つの切換器を具備することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
切換手段が、手動操作可能であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
試験信号切換モジュールが、航空機酸素系統制御デバイスの酸素分配系統圧力信号入力部に接続するための試験信号出力部を具備することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
試験信号切換モジュールが、航空機酸素系統制御デバイスの酸素シリンダ圧力信号入力部に接続するための少なくとも1つの試験信号出力部を具備することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
試験信号切換モジュールが、航空機酸素系統制御デバイスの酸素シリンダ温度信号入力部に接続するための試験信号出力部を具備することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
試験信号切換モジュールが、各試験信号入力部で外部試験信号を受信するための1つ以上の試験信号入力部を具備し、受信した各試験信号を切換手段を介して少なくとも1つの試験信号出力部にルーティングするように構成されることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
接続ケーブル手段を使用して、試験信号切換モジュールの1つ以上の試験信号出力部を航空機酸素系統制御デバイスの1つ以上の検出器信号入力部に接続する、及び/又は、試験信号切換モジュールの1つ以上の試験信号入力部を航空機酸素系統制御デバイスの1つ以上の試験信号出力部に接続する段階をさらに有することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【公表番号】特表2011−504772(P2011−504772A)
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535223(P2010−535223)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際出願番号】PCT/EP2007/010372
【国際公開番号】WO2009/068058
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(504467484)エアバス・オペレーションズ・ゲーエムベーハー (268)
【Fターム(参考)】