説明

航空管制システム、航空管制情報記憶方法及び航空管制情報記憶プログラム

【課題】航空管制システムが備える管制装置100間での変換用テーブル160が記憶する航空機情報の整合性を維持することを目的とする。また、素早く管制装置100間で正しい情報を共有することを目的とする。
【解決手段】航空管制システムは、全ての航空機の航空機情報を一元管理する航空機情報処理センター装置200を備える。また、航空機を管制処理している管制装置100がその航空機の情報(航空機情報)のみを変更することができるとともに、いずれの管制装置100でも管制処理されていない航空機の航空機情報は、航空機情報処理センター装置200のみが更新できるという航空管制システムの特性に合わせた排他制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、航空機を管制する複数の管制装置を備える航空管制システムに関する。本発明は、特に、複数の管制装置間での航空機情報の共有技術に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機から送信されたモードSアドレスを航空機の登録記号に変換する技術がある。この技術では、管制装置毎に、モードSアドレスから航空機の登録記号(航空機情報の一例)へ変換する変換用テーブルを保持している。
各管制装置は、航空機からモードSアドレスを受信すると、変換用テーブルを用いて航空機の登録記号へ変換する。そして、各管制装置は、変換して得た航空機の登録記号と、飛行計画(フライトプラン)にある登録記号とで相関を取り、表示用データを生成して表示装置に表示する。
【特許文献1】特開平9−5431号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、管制装置毎に変換用テーブルを保持しているため、管制装置毎に変換用テーブルのデータの新規入力・変更・削除といったメンテナンス操作が必要となる。また、管制装置毎にメンテナンス操作を行う為、管制装置間での変換用テーブルのデータの齟齬が発生する虞がある。管制装置間での変換用テーブルのデータの齟齬が発生すると航空機の管制処理に悪影響を与える虞がある。
本発明は、例えば、管制装置間での変換用テーブルのデータの整合性を維持することを目的とする。また、素早く管制装置間で正しい情報を共有することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る航空管制システムは、例えば、航空機を管制する複数の管制装置と、航空管制情報記憶装置とを備える航空管制システムであり、
上記複数の管制装置の各管制装置は、
航空機を特定可能な制御信号を航空機から通信装置を介して受信する制御信号受信部と、
上記制御信号受信部が受信した制御信号により特定される航空機を管制中であるか否かを処理装置により判定する管制装置判定部と、
上記航空機を管制中であると上記管制装置判定部が判定した場合に、上記航空機に関連する航空機情報を入力装置により入力する管制装置入力部と、
上記管制装置入力部が入力した航空機情報を通信装置を介して上記航空管制情報記憶装置へ送信する管制装置送信部とを備え、
上記航空管制情報記憶装置は、
上記管制装置送信部が送信した航空機情報を通信装置を介して受信する航空機情報受信部と、
上記航空機情報受信部が受信した航空機情報を記憶装置に記憶する全航空機情報記憶部と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係る航空管制システムによれば、各管制装置で受信した航空機情報を航空管制情報記憶装置で一括管理することができる。その結果、管制装置間で正しい情報を共有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
実施の形態1.
まず、図1に基づき、航空管制システムの概要について説明する。図1は、航空管制システムの概要図である。図1は、航空機αがA空港を出発してB空港へ到着するまでの管制処理の様子を簡易的に示している。
航空機αは、A空港を出発してB空港へ到着するまでモードSアドレス等を含んだ制御信号を所定の間隔で発信し続ける。なおモードSアドレスは、24bitの正数値である。
各管制装置100は、航空機αが送信した制御信号を受信して管制処理を行う。各管制装置100は、航空機αが送信した制御信号が届く範囲であれば制御信号を受信するが、管制処理を行うのはいずれか1つの管制装置100だけである。
【0007】
例えば、航空機αがA空港を出発する際は、A空港に備えられた管制装置100が管制処理を行う。他の管制装置100は、航空機αが送信した制御信号を受信している場合であっても管制処理は行わない。
航空機αがA空港を飛び立ち出発した後、所定のタイミングで、A空港に備えられた管制装置100から航空路に備えられた管制装置100へ管制処理が引き継がれる。つまり、航空路では、航空路に備えられた管制装置100が管制処理を行う。
航空機αがB空港へ到着する際、所定のタイミングで、航空路に備えられた管制装置100からB空港に備えられた管制装置100へ管制処理が引き継がれる。つまり、航空機αがB空港に到着する際は、B空港に備えられた管制装置100が管制処理を行う。
このように、航空機αが移動すると、管制処理を行う管制装置100が順次切り替わっていく。
管制処理の引き継ぎは、例えば、管制処理を行っている管制装置100を使用している管制官が、次に管制処理を行う管制装置100を使用する管制官へ無線通信、電話等で連絡をすることで行われる。あるいは、管制処理している管制装置100から次に管制処理を行う予定の管制装置100へ所定の情報を送信することにより管制処理の引き継ぎをおこなっても構わない。
ここでは、簡単のため、A空港、航空路、B空港に備えられた3つの管制装置100を用いて説明したが、実際にはより多くの管制装置100により管制処理が引き継ぎされる。
【0008】
次に、管制処理について説明する。
図1に示すように、管制装置100は、航空機αが発信した制御信号を受信する。管制装置100は、例えば、受信した制御信号に含まれたモードSアドレスから登録記号を得る。ここで、管制装置100は、変換用テーブル160に記憶した航空機αについての変換規則に基づき、モードSアドレスから登録記号を得る。管制装置100は、登録記号と、制御信号に含まれるその他の情報とに基づき、表示用データを生成して表示装置に表示する。
管制官は、表示装置に表示された表示用データを参照して、管制装置100により、あるいはその他の方法により、航空機αへ指示を出す。
【0009】
図2と図3とに基づき、より詳しく管制処理について説明する。図2は、変換用テーブル160の一例を示す図である。図3は、管制装置100の処理概要図である。
【0010】
まず、図2に示す変換用テーブル160について説明する。変換用テーブル160に記憶された内容が航空機の変換規則である。図2に示す変換用テーブル160は、管制処理前にモードSアドレスと登録記号とを1対1に対応付けして記憶している。つまり、ここでの航空機の変換規則は、単純にモードSアドレスを検索することで、そのモードSアドレスに対応する登録記号を得るというものである。なお図2に示した登録記号は、一例であり、航空機を一意に示す記号(番号)であればよい。
【0011】
次に、図3に示す管制処理について説明する。
航空機は、制御信号を所定の間隔で発信する。制御信号は、モードSアドレスと航空機の位置を示す位置情報とを含んでいる。
管制装置100の近傍に備えられたレーダー300は、航空機が発信した制御信号を受信する。そして、レーダー300は、受信した制御信号を管制装置100へ送信する。
管制装置100は、レーダー300から制御信号を受信する。
まず、管制装置100は、図2に示す変換用テーブル160に基づき、受信した制御信号に含まれるモードSアドレスを航空機の登録記号へ変換する(処理1)。
次に、管制装置100は、登録記号と飛行計画との相関をとる(処理2)。登録記号と飛行計画との相関をとるとは、制御信号に基づき得た登録記号を飛行計画から検索することである。管制装置100は、例えば、飛行計画上、上記登録記号の航空機の管制処理を行う予定であるか否かを判定する。また、管制装置100は、例えば、登録記号を飛行計画から検索して飛行計画から上記登録記号に対応する航空機の便名を取得する。
そして、管制装置100は、便名と位置情報とから表示用データを生成する。管制装置100は、例えば、位置情報が示す位置を地図上に示すとともに、その付近に便名を表示する表示用データを生成する。そして、管制装置100は、生成した表示用データを表示装置に表示する。
管制官は、表示された表示用データを参照して、管制装置100により、あるいはその他の方法により、航空機へ指示を出す。
また、管制装置100は、変換用テーブル160に記憶した情報をメンテナンスする機能を有する。変換用テーブル160に記憶した情報に追加・修正・削除等が必要であれば、メンテナンス機能を用いて行うことができる。
【0012】
ここで、変換用テーブル160は、各管制装置100により保持される。そして、各管制装置100の間では情報のやり取りはされていない。つまり、ある管制装置100で変換用テーブル160の情報を変更したとしても、他の管制装置100の変換用テーブル160の情報は変更されない。すなわち、ある管制装置100が変換用テーブル160の情報を正しく修正しても、他の管制装置100の変換用テーブル160の情報は修正されない。
【0013】
例えば、図1において、A空港、航空路、B空港のそれぞれに備えられた管制装置100の変換用テーブル160は同一の情報を記憶しているとする。
A空港に備えられた管制装置100が航空機αを管制処理する場合に、受信した制御信号から登録記号が得られない場合がある。つまり、変換用テーブル160には、航空機αのモードSアドレスが登録されていないような場合である。これは、例えば、航空機αから発信されるモードSアドレスが変更されている場合等に発生する。つまり、変換用テーブル160には、従来航空機αから発信されていたモードSアドレスが登録されているが、実際には、航空機αからは変更された新しいモードSアドレスが発信されている場合がある。このような場合には、新たなモードSアドレスが変換用テーブル160に登録されておらず、管制装置100ではモードSアドレスから登録記号を得ることができない。
このような場合には、A空港に備えられた管制装置100は、航空機αから情報を得て、変換用テーブル160の航空機αのデータを訂正する。訂正後は、A空港に備えられた管制装置100では、登録記号を得ることができ、正しい表示用データを表示装置に表示できる。
しかし、A空港に備えられた管制装置100から航空路に備えられた管制装置100へ管制処理が引き継がれた場合、航空路に備えられた管制装置100の変換用テーブル160のデータは変更前の従来のデータである。そのため、航空路に備えられた管制装置100では、登録記号を得ることができず、正しい表示用データを表示装置に表示できない。そこで、航空路に備えられた管制装置100は、A空港に備えられた管制装置100と同様に、変換用テーブル160のデータを訂正する必要がある。また、変換用テーブル160のデータを訂正するまでの間、正しい表示用データを表示装置に表示できず、航空機αへ正しい指示を出すことが困難になってしまう。
B空港に備えられた管制装置100へ管制処理が引き継がれた場合にも、航空路に備えられた管制装置100へ管制処理が引き継がれた場合と同様のことが起こる。
航空管制の性格上、上記のような現象が起こることにより、短時間であっても管制処理が滞る事態を起こすべきではない。
【0014】
そこで、この実施の形態に係る航空管制システムでは、素早く管制装置100間で正しい情報を共有することにより、管制処理を滞りなく実施可能とする。
以下の説明では、変換用テーブル160が記憶する情報を航空機情報と呼ぶ。
【0015】
次に、図4から図6までに基づき、この実施の形態に係る航空管制システムの機能の概要を説明する。
【0016】
まず、図4に基づき、この実施の形態に係る航空管制システムの情報共有機能の概要について説明する。図4は、この実施の形態に係る航空管制システムの情報共有機能の概要を示す図である。
この実施の形態に係る航空管制システムは、複数の管制装置100の他に、航空機情報管理センター装置200(航空管制情報記憶装置)を備える。
航空機情報管理センター装置200は、航空機αを含めた複数の航空機(航空機情報管理センター装置200に接続された、管制装置100が管制する可能性がある航空機)の変換規則等を含んだ航空機情報を記憶する航空機情報記憶部240を備える。
航空機情報管理センター装置200は、航空機情報記憶部240が記憶した航空機情報の内、各管制装置100が必要とする航空機情報のみを各管制装置100へ送信する。管制装置100が必要とする航空機情報とは、管制装置100が管制処理する予定になっている航空機の航空機情報である。各管制装置100が管制処理する予定になっている航空機については、飛行計画の情報から得ることができる。
各管制装置100は、配信された航空機情報を記憶する。つまり、各管制装置100の変換用テーブル160が配信された航空機情報により更新される。
すなわち、航空機情報記憶部240が記憶する航空機情報を訂正すれば、それを必要とする全ての管制装置100の航空機情報が更新される。
例えば、飛行計画の情報が更新される毎に、その飛行計画に関連する航空機の変換規則を、その航空機の変換規則を必要とする管制装置100へ配信することで、各管制装置100の変換用テーブル160は原則として最新の状態を維持できる。また、ある管制装置100が変換用テーブル160のデータを訂正する場合に、航空機情報記憶部240が記憶する航空機情報を訂正すれば、他の管制装置100の変換用テーブル160のデータも訂正される。
【0017】
次に、図5と図6とに基づき、この実施の形態に係る航空管制システムの排他制御の概要について説明する。図5と図6とは、この実施の形態に係る航空管制システムの排他制御の概要を示す図である。
上述したように、航空機情報記憶部240の航空機情報をある管制装置100が訂正すれば、他の管制装置100の変換用テーブル160のデータも訂正される。しかし、どの管制装置100からも航空機情報記憶部240の航空機情報の変更を受け付けてしまうと、航空機情報の正確さを保つことができない。そこで、この実施の形態に係る航空管制システムでは、航空機情報の正確さを保つため、航空管制システムの特性に合わせた排他制御を行う。
この実施の形態に係る航空管制システムは、原則として航空機を管制処理している管制装置100がその航空機の情報(航空機情報)のみを変更することができる。また、いずれの管制装置100でも管制処理されていない航空機の航空機情報は、航空機情報管理センター装置200のみが更新できる。
【0018】
図5は、A空港に備えられた管制装置100が航空機αを管制処理している場合の処理を示す図である。
A空港に備えられた管制装置100が航空機αを管制処理している場合、航空機αの航空機情報を更新・修正できるのは、A空港に備えられた管制装置100のみである。つまり、図5に示す、航空路に備えられた管制装置100、B空港に備えられた管制装置100及び航空機情報管理センター装置200は航空機αの航空機情報を更新・修正することはできない。
A空港に備えられた管制装置100は航空機αの航空機情報を更新・修正すると、その航空機情報を航空機情報管理センター装置200へ送信する。航空機情報管理センター装置200は、A空港に備えられた管制装置100が送信した航空機情報を受信すると、受信した航空機情報に基づき、航空機情報記憶部240の航空機情報を更新する。そして、航空機情報管理センター装置200は、受信した航空機情報を必要とする各管制装置100のみへ、受信した航空機情報を配信する。ここでは、航空路に備えられた管制装置100と、B空港に備えられた管制装置100とへ配信する。各管制装置100は、配信された航空機αの航空機情報を記憶する。
【0019】
図6は、B空港に備えられた管制装置100が航空機αを管制処理している場合の処理を示す図である。つまり、A空港に備えられた管制装置100から航空路に備えられた管制装置100へ管制処理が引き継がれた場合の処理を示す図である。
A空港に備えられた管制装置100から航空路に備えられた管制装置100へ管制処理が引き継がれた場合、航空機αの航空機情報を更新・修正できるのは、航空路に備えられた管制装置100のみである。つまり、図5に示す、A空港に備えられた管制装置100、B空港に備えられた管制装置100及び航空機情報管理センター装置200は航空機αの航空機情報を更新・修正することはできない。
航空路に備えられた管制装置100は航空機αの航空機情報を更新・修正すると、その航空機情報を航空機情報管理センター装置200へ送信する。航空機情報管理センター装置200は、航空路に備えられた管制装置100が送信した航空機情報を受信すると、受信した航空機情報で航空機情報記憶部240の航空機情報を更新する。そして、航空機情報管理センター装置200は、受信した航空機情報を必要とする各管制装置100のみへ、受信した航空機情報を配信する。ここでは、B空港に備えられた管制装置100へ配信する。管制装置100は、配信された航空機αの航空機情報を記憶する。
【0020】
なお、A空港に備えられた管制装置100は、航空路の管制装置100へ管制処理を引き継ぐと、航空機αの航空機情報を削除(破棄)する。また、航空路に備えられた管制装置100は、B空港の管制装置100へ管制処理を引き継ぐと、航空機αの航空機情報を不要と判断し、不要と判断した情報は適宜削除可能となる。
【0021】
次に、図7に基づき、この実施の形態に係る航空管制システムが備える管制装置100と航空機情報管理センター装置200との機能について説明する。図7は、航空管制システムが備える管制装置100と航空機情報管理センター装置200との機能を示す機能ブロック図の一例である。
航空管制システムは、複数の管制装置100と、航空機情報管理センター装置200と、複数のレーダー300とを備える。
【0022】
各管制装置100は、配信情報受信部110、制御信号受信部120、管制装置判定部130、管制装置入力部140、管制装置送信部150、変換用テーブル160を備える。
配信情報受信部110は、後述する航空機情報管理センター装置200の情報配信部250が配信した航空機情報を通信装置を介して受信する。
制御信号受信部120は、航空機が発信した、航空機を特定可能な情報を含む制御信号をレーダー300を介して受信する。ここで、航空機を特定可能な情報とは、例えば、モードSアドレスである。
管制装置判定部130は、制御信号受信部120が受信した制御信号により特定される航空機を管制処理中であるか否かを処理装置により判定する。管制処理中であるか否かを判定する方法はどのようなものであっても構わないが、管制装置判定部130は、例えば、記憶装置に所定のフラグを記憶しておき、管制処理が開始された時点でフラグを‘1’とし、管制処理が終了した時点でフラグを‘0’とし、このフラグに基づき判定するとしても構わない。また、管制装置判定部130は、管制処理中の航空機の航空機情報を修正する必要があるか否かを判定する。管制装置判定部130は、例えば、制御信号に含まれる情報と、変換用テーブル160が記憶したその航空機の航空機情報とを照合(突合せ)して、不一致があるか否かを判定し、不一致がある場合には航空機情報を修正する必要があると判定するとしても構わない。
管制装置入力部140は、航空機に関連する航空機情報を入力装置により入力する。管制装置入力部140は、例えば、管制装置判定部130が管制処理中の航空機の航空機情報を修正する必要があると判定した場合に、航空機情報を修正する情報を入力する。
管制装置送信部150は、管制装置入力部140が入力した航空機情報を通信装置を介して航空機情報管理センター装置200へ送信する。
変換用テーブル160は、管制装置入力部140が入力した航空機情報を記憶装置に記憶する。
【0023】
航空機情報管理センター装置200は、配信情報入力部210、記憶装置判定部220、航空機情報受信部230、航空機情報記憶部240、情報配信部250、管制予定情報取得部260を備える。
配信情報入力部210は、航空機情報を入力装置により入力する。
記憶装置判定部220は、配信情報入力部210が入力した航空機情報から特定される航空機がいずれかの管制装置100により管制処理されているかを判定する。例えば、管制装置100は管制処理を開始及び終了する場合に、航空機情報管理センター装置200へどの航空機の管制処理を開始又は終了するかを示す管制開始終了情報を送信し、航空機情報管理センター装置200は管制開始終了情報を記憶装置に記憶しておくとする。記憶装置判定部220は、管制開始終了情報に基づき、航空機がいずれかの管制装置100により管制処理されているか否かを判定することができる。
航空機情報受信部230は、管制装置送信部150が送信した航空機情報を通信装置を介して受信する。
航空機情報記憶部240は、航空機情報受信部230が受信した航空機情報を記憶装置に記憶する。
情報配信部250は、航空機情報記憶部240が記憶した航空機情報を送信元の管制装置100以外の管制装置100へ通信装置を介して配信する。情報配信部250は、特に、航空機情報から特定される航空機を管制処理する予定である管制装置100のみへ航空機情報を配信する。管制装置100がどの航空機を管制処理する予定であるかは、後述する管制予定情報に基づき判断できる。
管制予定情報取得部260は、いずれの管制装置100が航空機を管制処理する予定であるかを示す管制予定情報を取得する。管制予定情報とは、例えば、飛行計画の一部の情報である。管制予定情報取得部260は、例えば、飛行計画の情報を管理するサーバから飛行計画情報を取得する。
【0024】
次に、図8と図9とに基づき、この実施の形態に係る航空管制システムの動作について説明する。
図8は、航空管制システムのデータ配信処理の動作を示すフローチャートである。データ配信処理とは、航空機情報管理センター装置200が航空機情報を各管制装置100へ配信する処理である。
まず、(S101)では、航空機情報管理センター装置200の航空機情報記憶部240は、航空機情報を記憶装置に記憶する。航空機情報記憶部240は、配信情報入力部210が入力した航空機情報、あるいは、航空機情報受信部230が受信した航空機情報を記憶装置に記憶する。
次に、(S102)では、情報配信部250は、航空機情報記憶部240が記憶した航空機情報を、航空機情報から特定される航空機を管制処理する予定である管制装置100へ配信する。
次に、(S103)では、管制装置100の配信情報受信部110は、情報配信部250が送信した航空機情報を受信する。
そして、(S104)では、変換用テーブル160は、配信情報受信部110が受信した航空機情報を記憶装置に記憶する(航空機情報を更新する)。
この後、管制装置100では、更新した航空機情報を用いて、航空機の管制処理を行う。そして、その航空機の管制処理が終了した場合、変換用テーブル160は、その航空機の航空機情報を削除する。
【0025】
図9、図10は、航空管制システムのデータ更新処理の動作の一例を示すフローチャートである。データ更新処理は、航空機情報管理センター装置200側で情報の入力を行う場合と、管制装置100側で情報の入力を行う場合とに分けられ、図9は、各管制装置100における、データ更新処理の動作を示すフローチャートであり、図10は、航空機情報管理センター装置200における、データ更新処理の動作を示すフローチャートである。
データ更新処理とは、航空機情報管理センター装置200の航空機情報記憶部240が記憶する航空機情報を更新する処理である。
まず図9を用いて、各管制装置100で情報の入力を行う場合の処理を説明する。
管制装置100で航空機情報を更新しようとするとき処理が開始され、(S201)で、管制装置100の管制装置判定部130は、航空機を管制処理中であるか否かを判定する。航空機を管制処理中であると判定した場合(S201でY)、(S202)へ進む。一方、航空機を管制処理中でないと判定した場合(S201でN)、(S203)へ進む。
(S202)では、管制装置判定部130は、変換用テーブル160に記憶された航空機情報と、管制処理中の航空機から受信した航空機情報とに齟齬がないか(一致するか)を確認することにより、変換用テーブル160の管制処理中の航空機の航空機情報を修正する必要があるか否かを判定する。航空機情報を修正する必要がないと判定した場合(S202でN)、(S203)へ進む。一方、航空機情報を修正する必要があると判定した場合(S202でY)、(S204)へ進む。
(S203)では、管制装置100は航空機情報の更新は行わず、処理をそのまま継続する。
一方、(S204)では、管制装置入力部140は該当航空機の航空機情報を修正する情報を入力し、変換用テーブル160は入力された情報を記憶して情報を更新する。
次に、(S205)では、管制装置送信部150は、航空機情報を航空機情報管理センター装置200へ送信する。
次に、(S206)では、航空機情報管理センター装置200の配信情報受信部110は、管制装置送信部150が送信した航空機情報を受信する。
(S207)では、受信した航空機情報に基づき、航空機情報記憶部240は、記憶装置に記憶された航空機情報を更新(修正)する。
次に、(S208)では、情報配信部250は、航空機情報記憶部240が記憶した航空機情報を、該当航空機を次に管制処理する予定である管制装置100へ配信し、処理を終了する。
(S201)において、航空機を管制処理中でないと管制装置判定部130が判定した場合には、管制装置入力部140が該当航空機に関連する航空機情報を入力しない。あるいは、管制装置送信部150が航空機情報を航空機情報管理センター装置200へ送信しない。すなわち、航空機を管制処理中でないと管制装置判定部130が判定した場合には、その航空機の航空機情報を訂正することができない。言い換えると、管制装置判定部130の判定結果に従い、排他制御が行われる。
【0026】
次に図10を用いて、航空機情報管理センター装置200側で情報の入力を行う場合の処理を説明する。
(S301)では、航空機情報管理センター装置200の配信情報入力部210は、航空機情報を入力する。
次に、(S302)では、記憶装置判定部220は、配信情報入力部210が入力した航空機情報により特定される航空機が、いずれかの管制装置100により管制処理されているか否かを判定する。いずれかの管制装置100により管制処理されていると判定した場合(S302でY)、(S303)へ進む。一方、いずれかの管制装置100により管制処理されていないと判定した場合(S302でN)、(S304)へ進む。
(S303)では、記憶装置判定部220は、処理を終了する。つまり、航空機情報記憶部240は、配信情報入力部210が入力した航空機情報を記憶しない。
一方、(S304)では、入力された航空機情報に基づき、航空機情報記憶部240は、記憶装置に記憶された航空機情報を更新(修正)する。
次に、(S305)では、情報配信部250は、航空機情報記憶部240が記憶した航空機情報を、該当航空機を次に管制処理する予定である管制装置100へ配信し、処理を終了する。
一方、(S306)では、配信情報受信部110は、情報配信部250が配信した航空機情報を受信し、次に、(S307)では、変換用テーブル160は受信した航空機情報を記憶して情報を更新し、処理を終了する。
つまり、航空機情報管理センター装置200は、いずれかの管制装置100によって航空機が管制処理されていると記憶装置判定部220が判定した場合には、その航空機の航空機情報を訂正することができない。言い換えると、記憶装置判定部220の判定に従い、排他制御を行う。
また、(S302)でいずれかの管制装置100により管制処理されていると判定した場合(S302でY)、(S301)で入力された航空機情報を一時的に記憶装置に記憶し、一定時間経過後、(S302)の処理から繰り返すように構成することもできる。
【0027】
以上のように、この実施の形態に係る航空管制システムは、航空機情報管理センター装置200が航空機情報を一元管理する。そして、各管制装置100へ必要な航空機情報を配信する。
したがって、各管制装置100の航空機情報に齟齬が生じることがない。特に、1つの管制装置100で航空機情報を修正した場合、他の管制装置100の航空機情報も更新されるため、管制処理を滞りなく行うことができる。
【0028】
また、この実施の形態に係る航空管制システムは、航空機情報管理センター装置200が航空機情報を必要としている管制装置100のみへ配信する。さらに、各管制装置100は、不要となった航空機情報を削除する。
したがって、各管制装置100の記憶装置の容量を節約することができる。
【0029】
さらに、この実施の形態に係る航空管制システムは、航空機を管制処理中であるか否かにより排他制御を行う。つまり、管制装置100は管制処理中の航空機の航空機情報のみ訂正することができ、航空機情報管理センター装置200はいずれの管制装置100によっても管制処理されていない航空機の航空機情報のみ訂正できる。
したがって、正確な航空機情報を管理することが可能となり、管制処理を滞りなく行うことが可能となる。
【0030】
なお、上記説明では、管制装置100の管制装置判定部130は、航空機を管制処理中か否かを判定し、その結果に基づき排他制御を行うと説明した。しかし、航空機を管制処理中か否かを判定するのは、航空機情報管理センター装置200の記憶装置判定部220であっても構わない。
つまり、管制装置100の管制装置入力部140は、航空機を管制処理中か否かにかかわらず航空機情報を入力し、管制装置送信部150は、航空機を管制処理中か否かにかかわらず航空機情報を航空機情報管理センター装置200へ送信する。但し、この段階では、変換用テーブル160は航空機情報を記憶しない。
航空機情報管理センター装置200の配信情報入力部210は、管制装置送信部150が送信した航空機情報により特定される航空機を、航空機情報の送信元の管制装置100が管制処理しているか否かを判定する。
そして、航空機情報記憶部240は、送信元の管制装置100が管制処理している場合には、航空機情報を記憶する。また、情報配信部250は、その航空機情報を各管制装置100へ配信する。ここでは、航空機情報の送信元の管制装置100へも配信する。そして、航空機情報の送信元の管制装置100も含めた各管制装置100は配信された航空機情報を記憶する。
一方、航空機情報記憶部240は、送信元の管制装置100が管制処理していない場合には、管制処理をしていない管制装置100から送信された航空機情報を破棄し、航空機情報記憶部240の更新は行わない。情報配信部250は、その航空機情報の配信は行わない。
ここで、例えば、管制装置100は管制処理を開始及び終了する場合に、航空機情報管理センター装置200へどの航空機の管制処理を開始又は終了するかを示す管制開始終了情報を送信し、航空機情報管理センター装置200は管制開始終了情報を記憶装置に記憶しておくとする。記憶装置判定部220は、管制開始終了情報に基づき、航空機がいずれかの管制装置100により管制処理されているか否かを判定することができる。
【0031】
また、上記説明では、航空機情報は図3に例示したモードSアドレスと登録記号とであると説明した。
しかし、航空機情報には、例えば、航空機型式、航空機の所属国籍、最大定員、製造日、所属航空会社等を含んでいても構わない。これらの情報は、受信した制御信号が正しいか否かを判断するために、飛行計画等の他の情報源との確認を取ることに利用される。または、これらの情報は、航空機の情報管理に利用される。
また、航空機情報には、例えば、変更前のモードSアドレス(あるいはモードSアドレスの変更履歴)、変更前の登録記号(あるいは登録記号の変更履歴)、モードSアドレス及び登録記号の変更理由、変更の実施者、変更を実施した官署名等を含んでいても構わない。これらの情報は、表示用データの生成の際に利用される。
【0032】
次に、上記実施の形態におけるハードウェア構成について説明する。
図11は、管制装置100及び航空機情報管理センター装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。
図11に示すように、管制装置100及び航空機情報管理センター装置200は、プログラムを実行するCPU911(Central・Processing・Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサともいう)を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、LCD(Liquid Crystal Display)901、キーボード902、マウス903、通信ボード915、磁気ディスク装置920と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置920の代わりに、光ディスク装置、メモリカード読み書き装置などの記憶装置でもよい。
【0033】
ROM913、磁気ディスク装置920は、不揮発性メモリの一例である。RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913とRAM914とは、記憶装置の一例である。通信ボード915とキーボード902とマウス903とは、入力装置の一例である。また、通信ボード915は、出力装置の一例である。さらに、通信ボード915は、通信装置の一例である。また、さらに、LCD901は、表示装置の一例である。
【0034】
磁気ディスク装置920又はROM913などには、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムは、CPU911、オペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922により実行される。
【0035】
上記プログラム群923には、上記の説明において「配信情報受信部110」、「制御信号受信部120」、「管制装置判定部130」、「管制装置入力部140」、「管制装置送信部150」、「変換用テーブル160」、「配信情報入力部210」、「記憶装置判定部220」、「航空機情報受信部230」、「航空機情報記憶部240」、「情報配信部250」、「管制予定情報取得部260」等として説明した機能を実行するプログラムやその他のプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群924には、上記の説明において、「航空機情報」、「制御信号」等として説明した情報やデータや信号値や変数値やパラメータが、「ファイル」や「データベース」の各項目として記憶される。「ファイル」や「データベース」は、ディスクやメモリなどの記録媒体に記憶される。ディスクやメモリになどの記憶媒体に記憶された情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示などのCPU911の動作に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・処理・出力・印刷・表示のCPU911の動作の間、情報やデータや信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
また、上記の説明におけるフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号値は、RAM914のメモリ、その他光ディスク等の記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0036】
また、上記の説明において「〜部」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」、「〜手段」、「〜機能」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。また、「〜装置」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」、「〜手段」、「〜機能」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。さらに、「〜処理」として説明するものは「〜ステップ」であっても構わない。すなわち、「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、ROM913等の記録媒体に記憶される。プログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。すなわち、プログラムは、上記で述べた「〜部」としてコンピュータ等を機能させるものである。あるいは、上記で述べた「〜部」の手順や方法をコンピュータ等に実行させるものである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】航空機αがA空港を出発してB空港へ到着するまでの管制処理の様子を簡単に示している。
【図2】変換用テーブル160の一例を示す図。
【図3】管制装置100の処理概要図。
【図4】航空管制システムの情報共有機能を示す図。
【図5】A空港に備えられた管制装置100が航空機αを管制処理している場合の処理を示す図。
【図6】B空港に備えられた管制装置100が航空機αを管制処理している場合の処理を示す図。
【図7】航空管制システムが備える管制装置100と航空機情報管理センター装置200との機能を示す機能ブロック図。
【図8】航空管制システムのデータ配信処理の動作を示すフローチャートである。データ配信処理とは、航空機情報管理センター装置200が航空機情報を各管制装置100へ配信する処理である。
【図9】航空管制システムの各管制装置100における、データ更新処理の動作を示すフローチャートである。データ更新処理とは、航空機情報管理センター装置200の航空機情報記憶部240が記憶する航空機情報を更新する処理である。
【図10】航空管制システムの航空機情報管理センター装置200における、データ更新処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】管制装置100及び航空機情報管理センター装置200のハードウェア構成の一例を示す図。
【符号の説明】
【0038】
100 管制装置、110 配信情報受信部、120 制御信号受信部、130 管制装置判定部、140 管制装置入力部、150 管制装置送信部、160 変換用テーブル、200 航空機情報管理センター装置、210 配信情報入力部、220 記憶装置判定部、230 航空機情報受信部、240 航空機情報記憶部、250 情報配信部、260 管制予定情報取得部、300 レーダー、901 LCD、902 K/B、903 マウス、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、920 磁気ディスク装置、921 OS、922 ウィンドウシステム、923 プログラム群、924 ファイル群。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機を管制する複数の管制装置と、航空管制情報記憶装置とを備える航空管制システムであり、
上記管制装置は、
航空機を特定可能な制御信号を航空機から通信装置を介して受信する制御信号受信部と、
上記制御信号受信部が受信した制御信号により特定される航空機を管制中であるか否かを処理装置により判定する管制装置判定部と、
上記航空機を管制中であると上記管制装置判定部が判定した場合に、上記航空機に関連する航空機情報を入力装置により入力する管制装置入力部と、
上記管制装置入力部が入力した航空機情報を通信装置を介して上記航空管制情報記憶装置へ送信する管制装置送信部とを備え、
上記航空管制情報記憶装置は、
上記管制装置送信部が送信した航空機情報を通信装置を介して受信する航空機情報受信部と、
上記航空機情報受信部が受信した航空機情報を記憶装置に記憶する全航空機情報記憶部と
を備えることを特徴とする航空管制システム。
【請求項2】
上記航空機を管制中でないと上記管制装置判定部が判定した場合に、上記管制装置入力部が上記航空機に関連する航空機情報の入力を受け付けない、あるいは、上記管制装置送信部が航空機情報を上記航空管制情報記憶装置へ送信しない
ことを特徴とする請求項1記載の航空管制システム。
【請求項3】
上記航空管制情報記憶装置は、さらに、
上記航空機情報を、上記航空機情報を送信した管制装置以外の管制装置へ通信装置を介して配信する情報配信部
を備えることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の航空管制システム。
【請求項4】
上記航空管制情報記憶装置は、さらに、
上記管制装置の内、いずれの管制装置が航空機を管制する予定であるかを示す管制予定情報を取得する管制予定情報取得部を備え、
上記情報配信部は、上記管制予定情報取得部が取得した管制予定情報が示す上記航空機を管制する予定の管制装置のみへ上記航空機情報を配信する
ことを特徴とする請求項3に記載の航空管制システム。
【請求項5】
上記航空管制情報記憶装置は、さらに、
航空機情報を入力装置により入力する配信情報入力部と、
上記配信情報入力部が入力した航空機情報に関連する航空機を上記管制装置のいずれかの管制装置が管制しているか否かを判定する記憶装置判定部とを備え、
上記航空機情報記憶部は、上記航空機をいずれの管制装置も管制していないと上記記憶装置判定部が判定した場合に、上記航空機情報を記憶する
ことを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の航空管制システム。
【請求項6】
航空機を管制する複数の管制装置と、航空管制情報記憶装置とを備える航空管制システムであり、
上記各管制装置は、
航空機を特定可能な制御信号を航空機から通信装置を介して受信する制御信号受信部と、
上記航空機に関連する航空機情報を入力装置により入力する管制装置入力部と、
上記管制装置入力部が入力した航空機情報を通信装置を介して上記航空管制情報記憶装置へ送信する管制装置送信部とを備え、
上記航空管制情報記憶装置は、
上記管制装置送信部が送信した航空機情報を通信装置を介して受信する航空機情報受信部と、
上記航空機情報受信部が受信した航空機情報に関連した航空機を、上記航空機情報を送信した管制装置が管制中であるか否かを処理装置により判定する記憶装置判定部と、
上記航空機を上記管制装置が管制中であると上記記憶装置判定部が判定した場合に、上記航空機情報受信部が受信した航空機情報を記憶装置に記憶する全航空機情報記憶部と
を備えることを特徴とする航空管制システム。
【請求項7】
航空機を管制する複数の管制装置と、航空管制情報記憶装置とを備える航空管制システムの航空管制情報記憶方法であり、
上記いずれかの管制装置が、航空機を特定可能な制御信号を航空機から通信装置を介して受信する情報受信ステップと、
上記情報受信ステップで制御信号を受信した管制装置が、上記航空機に関連する航空機情報を入力する情報入力ステップと、
所定の装置が、上記情報入力ステップで入力した航空機情報に関連する航空機を、上記管制装置が管制しているか否かを判定する管制装置判定ステップと、
上記航空管制情報記憶装置が、上記管制装置が管制していると上記管制装置判定ステップで判定された場合、上記航空機情報を記憶する航空機情報記憶ステップと
を備えることを特徴とする航空管制情報記憶方法。
【請求項8】
航空機を管制する複数の管制装置と、航空管制情報記憶装置とを備える航空管制システムの航空管制情報記憶プログラムであり、
上記いずれかの管制装置に、航空機を特定可能な制御信号を航空機から通信装置を介して受信させる情報受信処理と、
上記情報受信処理で制御信号を受信した管制装置に、上記航空機に関連する航空機情報を入力させる情報入力処理と、
所定の装置に、上記情報入力処理で入力した航空機情報に関連する航空機を、上記管制装置が管制しているか否かを判定させる管制装置判定処理と、
上記航空管制情報記憶装置に、上記管制装置が管制していると上記管制装置判定処理で判定された場合、上記航空機情報を記憶させる航空機情報記憶処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とする航空管制情報記憶プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−42874(P2009−42874A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−205157(P2007−205157)
【出願日】平成19年8月7日(2007.8.7)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】