船首バルブ装置
【課題】排水量型の船舶において、船速の変化、喫水の変化、波浪、風、潮流などの海象条件の変化などによる船体の造波特性の変化に対応して、造波抵抗の低減効果を高めること。また、造波抵抗の低減効果を高めた状態で、船体の運動コントロールに関わる装置の揚力発生効果を高めること。
【解決手段】船首バルブ30の全体を動かすことにより、船首バルブの大きさと外側の形状を変更出来ることを特徴としている。この船首バルブに、フィン37,38を装備し、船首バルブと一緒にフィンを動かせることを特徴としている。
【解決手段】船首バルブ30の全体を動かすことにより、船首バルブの大きさと外側の形状を変更出来ることを特徴としている。この船首バルブに、フィン37,38を装備し、船首バルブと一緒にフィンを動かせることを特徴としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船体に働く造波抵抗を低減させるための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
船体に働く造波抵抗は船型と船速に依存して大きく変化し、船型を設計する上で重要な着目点の一つである。造波抵抗は、船体の長手方向の圧力分布に依存して変化するため、
船速の変化に伴い、造波抵抗曲線に山谷を生じるともに、船速に応じた最適な船型から外れると造波抵抗が大きくなる。このため、設計速力に応じて最適な船型を設計するのが船型設計の重要なポイントとなる。一般に船体の長手方向の圧力分布は船体横断面積の長手方向の分布に依存する。船体横断面積の長手方向の分布は、CPカーブと呼ばれ、CPカーブの最適化が造波抵抗の極小化を果たす上で大きな役割を果たす。
【0003】
造波抵抗を低減する上で船首バルブが広く用いられている。CPカーブの上ではバルブの横断面積が船首部でのCPカーブの特徴を形作る。船首バルブの大きさは造波抵抗を低減するために、船速に応じて決定される。一方、設計速力と異なる船速では、最適バルブサイズが異なるため、何らかの理由で船速が変わる場合、造波抵抗の極小化が為されない状況も発生していた。また、喫水が変わったときには、バルブの形状も位置関係も設計時の条件と変わるため、喫水の変化に応じた造波抵抗の極小化が為されない状況も発生していた。
【0004】
船首バルブに装備されたフィンは、船体に直接装備された場合に比べ、フィンに流入する流れの均一化が得やすく、フィンの揚力の発生効果は一般に高い。ただし、海象条件によって斜行する場合、積荷の条件によって船体トリムに変化が生じる場合など、想定する状態と異なった状態の流れ場が生じ、十分な揚力の発生効果が得られない場合もある。
【0005】
喫水変化に対応して造波抵抗の低減を図るための船首形状としては、例えば、特許文献1で喫水が浅くなった場合に対応可能な形状を提案している。こうした船首形状を固定した形状の変更は、海象、積荷などの多様な条件の変化に対応した造波低減効果は期待できない。
【0006】
バルブを上下方向に動かし喫水の変化に対応する装置としては、特許文献2で提案されたものがある。特許文献2で提案されたものは、ストラットの下部にバルブを取り付け、ストラットを上下させることにより対応しようとするもので、船体外部にストラットが存在することによる問題としてストラット自体の抵抗が増加することなどの問題が生じる。また、バルブを動かす方向は上下方向に限定され、多様な条件の変化への対応は期待出来ない。
【0007】
バルブに装備した複数の水中翼により造波抵抗を低減させると共に動揺を低減させようとする装置は、特許文献3で提案されている。特許文献3で提案されたものは、バルブに装備した水中翼を動かすことによる造波効果の変化を利用したもので、バルブそのものの造波特性の変化は上下方向へのバルブの移動によるものに限定される。また、バルブサイズやバルブ形状の変更による造波特性の変化による造波抵抗の低減効果を利用していないので、低減効果は限定されると共に、多用な条件の変化への対応は期待できない。
【0008】
バルブに装備した水中翼をバルブと共に動かして動揺低減を図ろうとする装置は、特許文献4で提案されている。特許文献4で提案されたものは、バルブの上下角を変更するように動かし、フィンへ流入する流れに対する迎角を変えようとするものである。ここで示されたバルブの動きは限定され、造波抵抗を低減させるような造波特性の変化をこの装置には期待出来ない。また、装備されたフィンはアンチピッチング用に限定された動きに限定され、垂直フィンと水平フィンを利用しての複合した運動コントロールによる動揺低減は期待できない。
【0009】
排水量型の船舶において、船首バルブに装備する複数のフィンが発生する揚力を用いて複数自由度の船体運動をコントロールする装置は、特許文献5で提案されているが、船首バルブ全体を6自由度を持って動かすことで、揚力の発生効果を高めようとする特許文献や造波特性をアクティブに変更しようとする特許文献は見当たらないのが現状である。
【特許文献1】特開2005−238909号公報
【特許文献2】特開平10−59267号公報
【特許文献3】特開2002−316687号公報
【特許文献4】特開平6−16172号公報
【特許文献5】特開2002−087381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
発明が解決しようとする課題は、排水量型の船舶において、船速の変化、喫水の変化、波浪、風、潮流などの海象条件の変化などによる船体の造波特性の変化に対応して、造波抵抗の低減効果を高めることである。また、造波抵抗の低減効果を高めた状態で、船体の運動コントロールに関わる装置の揚力発生効果を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。請求項1に記載の船首バルブ装置は、船首バルブの全体を動かすことにより、船首バルブの大きさと外側の形状を変更出来ることを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の船首バルブ装置は、船首バルブの外形を構成する部分の一部を動かすことにより、船首バルブの大きさと外側の形状を変更出来ることを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の船首バルブ装置は、全体を動かせる船首バルブにフィンを装備し、船首バルブの大きさと外側の形状を変更出来ると共に、船首バルブと一緒にフィンを動かせることを特徴としている。
【0014】
請求項4に記載の船首バルブ装置は、全体を動かせる船首バルブにフィンとフィンを動かすための装置を装備し、船首バルブの大きさと外側の形状を変更出来、船首バルブと一緒にフィンを動かせると共に、フィンを船首バルブとは別に動かせることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、船首バルブの大きさと外側の形状を変更出来ることから、船体の航行条件が変化した状態においても、造波抵抗を低減するための最適バルブサイズに変更することが出来、船体に働く造波抵抗を低減する効果を高めることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、船首バルブの大きさと外側の形状を変更出来ることから、船体の航行条件が変化した状態においても、造波抵抗を低減するための最適バルブサイズに変更することが出来、船体に働く造波抵抗を低減する効果を高めることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、船首バルブの大きさと外側の形状を変更出来ることから、船体の航行条件が変化した状態においても、造波抵抗を低減するための最適バルブサイズに変更することが出来、船体に働く造波抵抗を低減する効果を高めることができる。
その上で、フィンを船首バルブと一緒に動かすことが出来ることから、フィンへ流入する流れに対する迎角を設定でき、揚力発生効果を高めることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、船首バルブの大きさと外側の形状を変更出来ることから、船体の航行条件が変化した状態においても、造波抵抗を低減するための最適バルブサイズに変更することができ、船体に働く造波抵抗を低減する効果を高めることができる。その上で、フィンを船首バルブと一緒に動かすことが出来ることから、フィンへ流入する流れに対する迎角を設定できると共に、船首バルブとは別にフィンを動かすことができ、航行条件の変化に応じたより詳細なフィンの設定が可能となり、多様な条件での揚力発生効果を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。図1、図2、図3および図4は、請求項1の発明の一実施の形態にかかり、図1は船首バルブ装置の初期状態での概略構成図である。図2はバルブ本体部の位置を船体長手方向に動かした時の概略構成図、図3はバルブ本体部の位置を上下方向に動かした時の概略構成図、図4はバルブ本体部の先端部の上下方向の角度を変更した時の概略構成図である。
【0020】
図1を参照して請求項1の発明の構成を説明する。船体の船首部の外形は、バルブ本体部1および船体船首部外板2によって形作られる。バルブ本体部1は、バルブ長手方向駆動部6により、バルブ長手方向リンク機構部7を介して、船体船首外板2および船体船底底板3に対する相対位置を船体長手方向に変更可能となる。バルブ本体部1の上下方向の位置の変更は、バルブ上下方向駆動部9により、バルブ上下方向リンク機構部10を介して可能となる。バルブ本体部1の船体に対する上下角の変更は、バルブ上下角駆動部12により、バルブ上下角リンク機構部13を介して可能となる。
【0021】
図1で示す船首バルブ装置は、船首バルブ装置室壁板4、船体船首外板2および船体船底外板3で囲まれる船首バルブ装置室に装備され、船体内底板5を介して、船体に固定されている。
【0022】
図1で示す船首バルブ装置は、バルブ本体部の複数方向の相対位置の変更と相対角度の変更が同時に可能なように、バルブ長手方向接続中間部8およびバルブ上下方向接続中間部11を装備している。
【0023】
図2で示す船首バルブ装置は、バルブ長手方向駆動部6により、バルブ長手方向リンク機構部7を介して、バルブ本体部1が船体長手方向に動かされた状態を示している。図2の状態では、バルブサイズが小さくなり、バルブの外形も変更されている。図5で船速の変化に対応した最適バルブサイズの変化の一例を示す。横軸はフルード数Fnで船速を無次元化したもの、縦軸はバルブの横断面積のミッドシップ横断面積の比である。図5で見られるように、船速の変化によって最適バルブサイズが変わるため、海象条件が変化し、小さなバルブサイズに適した船速に変化した場合は、図2で示した状態に変更することにより、造波抵抗の低減効果を高めることが出来る。
【0024】
図3で示す船首バルブ装置は、バルブ上下方向駆動部9により、バルブ上下方向リンク機構部10を介して、バルブ本体部1が船体上下方向に動かされた状態を示している。喫水が変更された場合、バルブが水面上に現れ、造波抵抗を増加させることがある。こうした場合、図3で示すような状態に変更することにより、造波抵抗の低減に有効となる。
【0025】
図4で示す船首バルブ装置は、バルブ上下角度駆動部12により、バルブ上下角リンク機構部13を介して、バルブ本体部1の上下角が変更された状態を示している。積荷の状態により船体のトリムに変化が生じた場合など、図4の状態にすることで、造波抵抗の低減が期待できる。
【0026】
図6および図7は、請求項2の発明の一実施の形態にかかり、図6は船首バルブ装置の初期状態での概略構成図である。図7はバルブ外形部の可動部を動かした時の概略構成図である。
【0027】
図6を参照して請求項2の発明の構成を説明する。船体の船首部の外形は、バルブ外形部の固定部14、バルブ外形部の可動部15および船体船首部外板16によって形作られる。バルブ外形部の可動部15は、バルブ外形部駆動部25により、バルブ外形部リンク機構部26を介して、バルブの外形を変更可能となる。
【0028】
図6で示す船首バルブ装置は、船首バルブ装置全体が構造部材18により船体に固定されている。
【0029】
図6で示す船首バルブ装置では、バルブ外形部15へ作用するバルブ外形部駆動部25からの力は、バルブ外形部リンク機構部26と共に、バルブ外形部可動用軸27バルブバルブ外形部支持部28で介して伝達される。バルブ外形部の可動部と固定部、可動部と可動部のつなぎ目にはヒンジ機構部29が装備され、滑らかな外形の変更を可能にしている。図6では、バルブ外形部の可動部が2つある場合を示しているが、可動部の数を増すことにより、より滑らかな外形が得られる。
【0030】
図6で示す船首バルブ装置は、バルブ外形部15を動かした後の船体船首部外板16との段差を補正するため、外板補正板24を用いる。外板補正板24は、外板補正板駆動部20により、外板補正板リンク機構部21、外板補正板可動用軸22および外板補正板支持部23を介して可動であり、外板の補正が可能となる。
【0031】
図7で示す船首バルブ装置は、バルブ外形部駆動部25により、バルブ外形部の可動部15が動かされた状態を示している。図7の状態では、バルブサイズが小さくなり、バルブの外形も変更されている。船速の変化に対応した最適バルブサイズの変化の一例を示した図5で見られるように、船速の変化によって最適バルブサイズが変わるため、海象条件が変化し、小さなバルブサイズに適した船速に変化した場合でも、図7で示した状態に変更することにより、造波抵抗の低減効果を高めることが出来る。
【0032】
図7で示す船首バルブ装置は、外板補正板24を用いて、船首外板の形状を補正している状態も併せて示している。
【0033】
図8および図10は、請求項3の発明の一実施の形態にかかり、図8はフィン付き船首バルブ装置の初期状態での概略構成図である。図10はバルブ本体部を動かした時の概略構成図である。
【0034】
図8を参照して請求項3の発明の構成を説明する。船体の船首部の外形は、バルブ本体部30および船体船首部外板31によって形作られる。バルブ本体部30は、バルブ駆動部34により、リンク機構部35を介して可動であり、ここまでの基本的な構成は、請求項1で示したものと一致する。
【0035】
図8で示す船首バルブ装置は、船首バルブ装置全体が船体内底板36で船体に固定されている。
【0036】
図8で示す船首バルブ装置では、バルブ本体部に垂直フィン37と水平フィン38が装備されている。
【0037】
図10で示す船首バルブ装置は、バルブ駆動部34により、バルブ本体部が動かされた状態を示している。図10の状態では、バルブの外形が右方向に首を振った状態に変更された結果を示している。海象条件の変化により船体が斜行する場合など、図10の状態に変更することで、バルブに流入する流れを整え、バルブの造派低減効果を高めることが出来る。同時に、バルブ本体部に装備されたフィンの揚力発生効果も高めることが可能になる。
【0038】
図9および図11は、請求項4の発明の一実施の形態にかかり、図9はフィンをバルブ本体部とは別に可動可能なフィン付き船首バルブ装置の初期状態での概略構成図である。図11はバルブ本体部とバルブ本体部に装備されたフィンを同時に動かした時の概略構成図である。
【0039】
図9を参照して請求項4の発明の構成を説明する。船体の船首部の外形は、バルブ本体部30および船体船首部外板31によって形作られる。バルブ本体部30は、バルブ駆動部34により、リンク機構部35を介して可動であり、ここまでの基本的な構成は、請求項1で示したものと一致する。
【0040】
図9で示す船首バルブ装置は、船首バルブ装置全体が船体内底板36で船体に固定されている。
【0041】
図9で示す船首バルブ装置では、バルブ本体部に垂直フィン37と水平フィン38が装備されている。垂直フィン37は、垂直フィンリンク機構部40を介して伝達される垂直フィン駆動部39にからの駆動力により、流れに対する迎角の設定が可能となる。水平フィン38は、水平フィンリンク機構部42を介して伝達される水平フィン駆動部41からの駆動力により、流れに対する迎角の設定が可能となる。
【0042】
図11で示す船首バルブ装置は、バルブ駆動部34の駆動力により、バルブ本体部30が上方向に位置を動かされ、同時にバルブ本体部30の首を下に振った状態に動かされている。さらに、水平フィン駆動部41の駆動力により、水平フィン38が前縁を持ち上げる方向で角度変更されている。 海象条件の変化や積荷条件の変化により船体姿勢が変化して船体が斜行する場合など、図11の状態に変更することで、バルブに流入する流れを整え、バルブの造派低減効果を高めることが出来ると同時に、バルブ本体部に装備されたフィンの揚力発生効果を、バルブと一緒に動かして高めるより、さらに高い効果を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】請求項1の発明の一実施形態例を示す船首バルブ装置の概略構成図である。バルブ位置および角度は、初期設定状態である。
【図2】請求項1の発明の一実施形態例を示す船首バルブ装置の概略構成図である。バルブ位置は、船体長手方向に引き込んだ状態である。
【図3】請求項1の発明の一実施形態例を示す船首バルブ装置の概略構成図である。バルブ位置は、深さ方向に深くした状態である。
【図4】請求項1の発明の一実施形態例を示す船首バルブ装置の概略構成図である。バルブ角度は、バルブ先端を上向きにした状態である。
【図5】船速の変化に応じての最適な船首バルブサイズの変化の傾向を示す図である。
【図6】請求項2の発明の一実施形態例を示す船首バルブ装置の概略構成図である。バルブの外側形状は、初期設定状態である。
【図7】請求項2発明の一実施形態例を示す船首バルブ装置の概略構成図である。バルブの外側形状は、バルブサイズを小さくする方向での設定状態である。
【図8】請求項3の発明の一実施形態例で、フィン付き船首バルブ装置の概略構成図である。
【図9】請求項4の発明の一実施形態例で、フィンをバルブとは別に動かすことが出来るフィン付き船首バルブ装置の概略構成図である。
【図10】請求項3発明の一実施形態例で、フィン付き船首バルブ装置の概略構成図である。バルブ角度は、バルブ先端を右向きにした状態である。
【図11】請求項4の発明の一実施形態例で、フィンをバルブとは別に動かすことが出来るフィン付き船首バルブ装置の概略構成図である。バルブ位置は深さ方向に浅くし、バルブ角度はバルブ先端を下向きにし、水平フィン角度は前縁側を上向きにした状態である。
【符号の説明】
【0044】
1:バルブ本体部
2:船体船首部外板
3:船体船底部外板
4:船首バルブ装置室壁板
5:船体内底板
6:バルブ長手方向駆動部
7:バルブ長手方向リンク機構部
8:バルブ長手方向接続中間部
9:バルブ上下方向駆動部
10:バルブ上下方向リンク機構部
11:バルブ上下方向接続中間部
12:バルブ上下角駆動部
13:バルブ上下角リンク機構部
14:バルブ外形部(固定部)
15:バルブ外形部(可動部)
16:船体船首部外板
17:船体船底部外板
18:構造部材
19:船体内底板
20:外板補正板駆動部
21:外板補正板リンク機構部
22:外板補正板可動用軸
23:外板補正板支持部
24:外板補正板
25:バルブ外形部駆動部
26:バルブ外形部リンク機構部
27:バルブ外形部可動用軸
28:バルブ外形部支持部
29:ヒンジ機構部
30:バルブ本体部
31:船体船首部外板
32:船体船底部外板
33:船体船側部外板
34:バルブ駆動部
35:リンク機構部
36:船体内底板
37:垂直フィン
38:水平フィン
39:垂直フィン駆動部
40:垂直フィンリンク機構部
41:水平フィン駆動部
42:水平フィンリンク機構部
【技術分野】
【0001】
本発明は、船体に働く造波抵抗を低減させるための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
船体に働く造波抵抗は船型と船速に依存して大きく変化し、船型を設計する上で重要な着目点の一つである。造波抵抗は、船体の長手方向の圧力分布に依存して変化するため、
船速の変化に伴い、造波抵抗曲線に山谷を生じるともに、船速に応じた最適な船型から外れると造波抵抗が大きくなる。このため、設計速力に応じて最適な船型を設計するのが船型設計の重要なポイントとなる。一般に船体の長手方向の圧力分布は船体横断面積の長手方向の分布に依存する。船体横断面積の長手方向の分布は、CPカーブと呼ばれ、CPカーブの最適化が造波抵抗の極小化を果たす上で大きな役割を果たす。
【0003】
造波抵抗を低減する上で船首バルブが広く用いられている。CPカーブの上ではバルブの横断面積が船首部でのCPカーブの特徴を形作る。船首バルブの大きさは造波抵抗を低減するために、船速に応じて決定される。一方、設計速力と異なる船速では、最適バルブサイズが異なるため、何らかの理由で船速が変わる場合、造波抵抗の極小化が為されない状況も発生していた。また、喫水が変わったときには、バルブの形状も位置関係も設計時の条件と変わるため、喫水の変化に応じた造波抵抗の極小化が為されない状況も発生していた。
【0004】
船首バルブに装備されたフィンは、船体に直接装備された場合に比べ、フィンに流入する流れの均一化が得やすく、フィンの揚力の発生効果は一般に高い。ただし、海象条件によって斜行する場合、積荷の条件によって船体トリムに変化が生じる場合など、想定する状態と異なった状態の流れ場が生じ、十分な揚力の発生効果が得られない場合もある。
【0005】
喫水変化に対応して造波抵抗の低減を図るための船首形状としては、例えば、特許文献1で喫水が浅くなった場合に対応可能な形状を提案している。こうした船首形状を固定した形状の変更は、海象、積荷などの多様な条件の変化に対応した造波低減効果は期待できない。
【0006】
バルブを上下方向に動かし喫水の変化に対応する装置としては、特許文献2で提案されたものがある。特許文献2で提案されたものは、ストラットの下部にバルブを取り付け、ストラットを上下させることにより対応しようとするもので、船体外部にストラットが存在することによる問題としてストラット自体の抵抗が増加することなどの問題が生じる。また、バルブを動かす方向は上下方向に限定され、多様な条件の変化への対応は期待出来ない。
【0007】
バルブに装備した複数の水中翼により造波抵抗を低減させると共に動揺を低減させようとする装置は、特許文献3で提案されている。特許文献3で提案されたものは、バルブに装備した水中翼を動かすことによる造波効果の変化を利用したもので、バルブそのものの造波特性の変化は上下方向へのバルブの移動によるものに限定される。また、バルブサイズやバルブ形状の変更による造波特性の変化による造波抵抗の低減効果を利用していないので、低減効果は限定されると共に、多用な条件の変化への対応は期待できない。
【0008】
バルブに装備した水中翼をバルブと共に動かして動揺低減を図ろうとする装置は、特許文献4で提案されている。特許文献4で提案されたものは、バルブの上下角を変更するように動かし、フィンへ流入する流れに対する迎角を変えようとするものである。ここで示されたバルブの動きは限定され、造波抵抗を低減させるような造波特性の変化をこの装置には期待出来ない。また、装備されたフィンはアンチピッチング用に限定された動きに限定され、垂直フィンと水平フィンを利用しての複合した運動コントロールによる動揺低減は期待できない。
【0009】
排水量型の船舶において、船首バルブに装備する複数のフィンが発生する揚力を用いて複数自由度の船体運動をコントロールする装置は、特許文献5で提案されているが、船首バルブ全体を6自由度を持って動かすことで、揚力の発生効果を高めようとする特許文献や造波特性をアクティブに変更しようとする特許文献は見当たらないのが現状である。
【特許文献1】特開2005−238909号公報
【特許文献2】特開平10−59267号公報
【特許文献3】特開2002−316687号公報
【特許文献4】特開平6−16172号公報
【特許文献5】特開2002−087381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
発明が解決しようとする課題は、排水量型の船舶において、船速の変化、喫水の変化、波浪、風、潮流などの海象条件の変化などによる船体の造波特性の変化に対応して、造波抵抗の低減効果を高めることである。また、造波抵抗の低減効果を高めた状態で、船体の運動コントロールに関わる装置の揚力発生効果を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。請求項1に記載の船首バルブ装置は、船首バルブの全体を動かすことにより、船首バルブの大きさと外側の形状を変更出来ることを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の船首バルブ装置は、船首バルブの外形を構成する部分の一部を動かすことにより、船首バルブの大きさと外側の形状を変更出来ることを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の船首バルブ装置は、全体を動かせる船首バルブにフィンを装備し、船首バルブの大きさと外側の形状を変更出来ると共に、船首バルブと一緒にフィンを動かせることを特徴としている。
【0014】
請求項4に記載の船首バルブ装置は、全体を動かせる船首バルブにフィンとフィンを動かすための装置を装備し、船首バルブの大きさと外側の形状を変更出来、船首バルブと一緒にフィンを動かせると共に、フィンを船首バルブとは別に動かせることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、船首バルブの大きさと外側の形状を変更出来ることから、船体の航行条件が変化した状態においても、造波抵抗を低減するための最適バルブサイズに変更することが出来、船体に働く造波抵抗を低減する効果を高めることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、船首バルブの大きさと外側の形状を変更出来ることから、船体の航行条件が変化した状態においても、造波抵抗を低減するための最適バルブサイズに変更することが出来、船体に働く造波抵抗を低減する効果を高めることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、船首バルブの大きさと外側の形状を変更出来ることから、船体の航行条件が変化した状態においても、造波抵抗を低減するための最適バルブサイズに変更することが出来、船体に働く造波抵抗を低減する効果を高めることができる。
その上で、フィンを船首バルブと一緒に動かすことが出来ることから、フィンへ流入する流れに対する迎角を設定でき、揚力発生効果を高めることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、船首バルブの大きさと外側の形状を変更出来ることから、船体の航行条件が変化した状態においても、造波抵抗を低減するための最適バルブサイズに変更することができ、船体に働く造波抵抗を低減する効果を高めることができる。その上で、フィンを船首バルブと一緒に動かすことが出来ることから、フィンへ流入する流れに対する迎角を設定できると共に、船首バルブとは別にフィンを動かすことができ、航行条件の変化に応じたより詳細なフィンの設定が可能となり、多様な条件での揚力発生効果を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。図1、図2、図3および図4は、請求項1の発明の一実施の形態にかかり、図1は船首バルブ装置の初期状態での概略構成図である。図2はバルブ本体部の位置を船体長手方向に動かした時の概略構成図、図3はバルブ本体部の位置を上下方向に動かした時の概略構成図、図4はバルブ本体部の先端部の上下方向の角度を変更した時の概略構成図である。
【0020】
図1を参照して請求項1の発明の構成を説明する。船体の船首部の外形は、バルブ本体部1および船体船首部外板2によって形作られる。バルブ本体部1は、バルブ長手方向駆動部6により、バルブ長手方向リンク機構部7を介して、船体船首外板2および船体船底底板3に対する相対位置を船体長手方向に変更可能となる。バルブ本体部1の上下方向の位置の変更は、バルブ上下方向駆動部9により、バルブ上下方向リンク機構部10を介して可能となる。バルブ本体部1の船体に対する上下角の変更は、バルブ上下角駆動部12により、バルブ上下角リンク機構部13を介して可能となる。
【0021】
図1で示す船首バルブ装置は、船首バルブ装置室壁板4、船体船首外板2および船体船底外板3で囲まれる船首バルブ装置室に装備され、船体内底板5を介して、船体に固定されている。
【0022】
図1で示す船首バルブ装置は、バルブ本体部の複数方向の相対位置の変更と相対角度の変更が同時に可能なように、バルブ長手方向接続中間部8およびバルブ上下方向接続中間部11を装備している。
【0023】
図2で示す船首バルブ装置は、バルブ長手方向駆動部6により、バルブ長手方向リンク機構部7を介して、バルブ本体部1が船体長手方向に動かされた状態を示している。図2の状態では、バルブサイズが小さくなり、バルブの外形も変更されている。図5で船速の変化に対応した最適バルブサイズの変化の一例を示す。横軸はフルード数Fnで船速を無次元化したもの、縦軸はバルブの横断面積のミッドシップ横断面積の比である。図5で見られるように、船速の変化によって最適バルブサイズが変わるため、海象条件が変化し、小さなバルブサイズに適した船速に変化した場合は、図2で示した状態に変更することにより、造波抵抗の低減効果を高めることが出来る。
【0024】
図3で示す船首バルブ装置は、バルブ上下方向駆動部9により、バルブ上下方向リンク機構部10を介して、バルブ本体部1が船体上下方向に動かされた状態を示している。喫水が変更された場合、バルブが水面上に現れ、造波抵抗を増加させることがある。こうした場合、図3で示すような状態に変更することにより、造波抵抗の低減に有効となる。
【0025】
図4で示す船首バルブ装置は、バルブ上下角度駆動部12により、バルブ上下角リンク機構部13を介して、バルブ本体部1の上下角が変更された状態を示している。積荷の状態により船体のトリムに変化が生じた場合など、図4の状態にすることで、造波抵抗の低減が期待できる。
【0026】
図6および図7は、請求項2の発明の一実施の形態にかかり、図6は船首バルブ装置の初期状態での概略構成図である。図7はバルブ外形部の可動部を動かした時の概略構成図である。
【0027】
図6を参照して請求項2の発明の構成を説明する。船体の船首部の外形は、バルブ外形部の固定部14、バルブ外形部の可動部15および船体船首部外板16によって形作られる。バルブ外形部の可動部15は、バルブ外形部駆動部25により、バルブ外形部リンク機構部26を介して、バルブの外形を変更可能となる。
【0028】
図6で示す船首バルブ装置は、船首バルブ装置全体が構造部材18により船体に固定されている。
【0029】
図6で示す船首バルブ装置では、バルブ外形部15へ作用するバルブ外形部駆動部25からの力は、バルブ外形部リンク機構部26と共に、バルブ外形部可動用軸27バルブバルブ外形部支持部28で介して伝達される。バルブ外形部の可動部と固定部、可動部と可動部のつなぎ目にはヒンジ機構部29が装備され、滑らかな外形の変更を可能にしている。図6では、バルブ外形部の可動部が2つある場合を示しているが、可動部の数を増すことにより、より滑らかな外形が得られる。
【0030】
図6で示す船首バルブ装置は、バルブ外形部15を動かした後の船体船首部外板16との段差を補正するため、外板補正板24を用いる。外板補正板24は、外板補正板駆動部20により、外板補正板リンク機構部21、外板補正板可動用軸22および外板補正板支持部23を介して可動であり、外板の補正が可能となる。
【0031】
図7で示す船首バルブ装置は、バルブ外形部駆動部25により、バルブ外形部の可動部15が動かされた状態を示している。図7の状態では、バルブサイズが小さくなり、バルブの外形も変更されている。船速の変化に対応した最適バルブサイズの変化の一例を示した図5で見られるように、船速の変化によって最適バルブサイズが変わるため、海象条件が変化し、小さなバルブサイズに適した船速に変化した場合でも、図7で示した状態に変更することにより、造波抵抗の低減効果を高めることが出来る。
【0032】
図7で示す船首バルブ装置は、外板補正板24を用いて、船首外板の形状を補正している状態も併せて示している。
【0033】
図8および図10は、請求項3の発明の一実施の形態にかかり、図8はフィン付き船首バルブ装置の初期状態での概略構成図である。図10はバルブ本体部を動かした時の概略構成図である。
【0034】
図8を参照して請求項3の発明の構成を説明する。船体の船首部の外形は、バルブ本体部30および船体船首部外板31によって形作られる。バルブ本体部30は、バルブ駆動部34により、リンク機構部35を介して可動であり、ここまでの基本的な構成は、請求項1で示したものと一致する。
【0035】
図8で示す船首バルブ装置は、船首バルブ装置全体が船体内底板36で船体に固定されている。
【0036】
図8で示す船首バルブ装置では、バルブ本体部に垂直フィン37と水平フィン38が装備されている。
【0037】
図10で示す船首バルブ装置は、バルブ駆動部34により、バルブ本体部が動かされた状態を示している。図10の状態では、バルブの外形が右方向に首を振った状態に変更された結果を示している。海象条件の変化により船体が斜行する場合など、図10の状態に変更することで、バルブに流入する流れを整え、バルブの造派低減効果を高めることが出来る。同時に、バルブ本体部に装備されたフィンの揚力発生効果も高めることが可能になる。
【0038】
図9および図11は、請求項4の発明の一実施の形態にかかり、図9はフィンをバルブ本体部とは別に可動可能なフィン付き船首バルブ装置の初期状態での概略構成図である。図11はバルブ本体部とバルブ本体部に装備されたフィンを同時に動かした時の概略構成図である。
【0039】
図9を参照して請求項4の発明の構成を説明する。船体の船首部の外形は、バルブ本体部30および船体船首部外板31によって形作られる。バルブ本体部30は、バルブ駆動部34により、リンク機構部35を介して可動であり、ここまでの基本的な構成は、請求項1で示したものと一致する。
【0040】
図9で示す船首バルブ装置は、船首バルブ装置全体が船体内底板36で船体に固定されている。
【0041】
図9で示す船首バルブ装置では、バルブ本体部に垂直フィン37と水平フィン38が装備されている。垂直フィン37は、垂直フィンリンク機構部40を介して伝達される垂直フィン駆動部39にからの駆動力により、流れに対する迎角の設定が可能となる。水平フィン38は、水平フィンリンク機構部42を介して伝達される水平フィン駆動部41からの駆動力により、流れに対する迎角の設定が可能となる。
【0042】
図11で示す船首バルブ装置は、バルブ駆動部34の駆動力により、バルブ本体部30が上方向に位置を動かされ、同時にバルブ本体部30の首を下に振った状態に動かされている。さらに、水平フィン駆動部41の駆動力により、水平フィン38が前縁を持ち上げる方向で角度変更されている。 海象条件の変化や積荷条件の変化により船体姿勢が変化して船体が斜行する場合など、図11の状態に変更することで、バルブに流入する流れを整え、バルブの造派低減効果を高めることが出来ると同時に、バルブ本体部に装備されたフィンの揚力発生効果を、バルブと一緒に動かして高めるより、さらに高い効果を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】請求項1の発明の一実施形態例を示す船首バルブ装置の概略構成図である。バルブ位置および角度は、初期設定状態である。
【図2】請求項1の発明の一実施形態例を示す船首バルブ装置の概略構成図である。バルブ位置は、船体長手方向に引き込んだ状態である。
【図3】請求項1の発明の一実施形態例を示す船首バルブ装置の概略構成図である。バルブ位置は、深さ方向に深くした状態である。
【図4】請求項1の発明の一実施形態例を示す船首バルブ装置の概略構成図である。バルブ角度は、バルブ先端を上向きにした状態である。
【図5】船速の変化に応じての最適な船首バルブサイズの変化の傾向を示す図である。
【図6】請求項2の発明の一実施形態例を示す船首バルブ装置の概略構成図である。バルブの外側形状は、初期設定状態である。
【図7】請求項2発明の一実施形態例を示す船首バルブ装置の概略構成図である。バルブの外側形状は、バルブサイズを小さくする方向での設定状態である。
【図8】請求項3の発明の一実施形態例で、フィン付き船首バルブ装置の概略構成図である。
【図9】請求項4の発明の一実施形態例で、フィンをバルブとは別に動かすことが出来るフィン付き船首バルブ装置の概略構成図である。
【図10】請求項3発明の一実施形態例で、フィン付き船首バルブ装置の概略構成図である。バルブ角度は、バルブ先端を右向きにした状態である。
【図11】請求項4の発明の一実施形態例で、フィンをバルブとは別に動かすことが出来るフィン付き船首バルブ装置の概略構成図である。バルブ位置は深さ方向に浅くし、バルブ角度はバルブ先端を下向きにし、水平フィン角度は前縁側を上向きにした状態である。
【符号の説明】
【0044】
1:バルブ本体部
2:船体船首部外板
3:船体船底部外板
4:船首バルブ装置室壁板
5:船体内底板
6:バルブ長手方向駆動部
7:バルブ長手方向リンク機構部
8:バルブ長手方向接続中間部
9:バルブ上下方向駆動部
10:バルブ上下方向リンク機構部
11:バルブ上下方向接続中間部
12:バルブ上下角駆動部
13:バルブ上下角リンク機構部
14:バルブ外形部(固定部)
15:バルブ外形部(可動部)
16:船体船首部外板
17:船体船底部外板
18:構造部材
19:船体内底板
20:外板補正板駆動部
21:外板補正板リンク機構部
22:外板補正板可動用軸
23:外板補正板支持部
24:外板補正板
25:バルブ外形部駆動部
26:バルブ外形部リンク機構部
27:バルブ外形部可動用軸
28:バルブ外形部支持部
29:ヒンジ機構部
30:バルブ本体部
31:船体船首部外板
32:船体船底部外板
33:船体船側部外板
34:バルブ駆動部
35:リンク機構部
36:船体内底板
37:垂直フィン
38:水平フィン
39:垂直フィン駆動部
40:垂直フィンリンク機構部
41:水平フィン駆動部
42:水平フィンリンク機構部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶に装備される造波抵抗低減用の装置で、船首バルブの外側の形状を形作るバルブ本体部、バルブ本体部の船体との相対位置と相対角度を変更するためのバルブ駆動部、ならびに、バルブ本体部とバルブ駆動部とを接続するリンク機構部で構成され、船首バルブの船体との相対位置および相対角度を変更することにより、船首バルブの大きさと外形形状を変更可能とすることを特徴とする船首バルブ装置。
【請求項2】
船舶に装備される造波抵抗低減用の装置で、船首バルブの外側の形状を形作るバルブ外形部、バルブ外形部の外形形状を変更するためのバルブ外形変更駆動部、ならびに、バルブ外形部とバルブ外形変更駆動部とを接続するリンク機構部で構成され、バルブ外形部を動かすことにより、船首バルブの大きさと外形形状を変更可能とすることを特徴とする船首バルブ装置。
【請求項3】
請求項1に示した装置で、揚力発生用のフィンをバルブ本体に装備する装置。
【請求項4】
請求項1に示した装置で、揚力発生用のフィン、該フィンの流れに対する迎角を変更するためのフィン角設定駆動部、ならびに、該フィンとフィン角設定駆動部を接続するフィンリンク機構部を装備する装置。
【請求項1】
船舶に装備される造波抵抗低減用の装置で、船首バルブの外側の形状を形作るバルブ本体部、バルブ本体部の船体との相対位置と相対角度を変更するためのバルブ駆動部、ならびに、バルブ本体部とバルブ駆動部とを接続するリンク機構部で構成され、船首バルブの船体との相対位置および相対角度を変更することにより、船首バルブの大きさと外形形状を変更可能とすることを特徴とする船首バルブ装置。
【請求項2】
船舶に装備される造波抵抗低減用の装置で、船首バルブの外側の形状を形作るバルブ外形部、バルブ外形部の外形形状を変更するためのバルブ外形変更駆動部、ならびに、バルブ外形部とバルブ外形変更駆動部とを接続するリンク機構部で構成され、バルブ外形部を動かすことにより、船首バルブの大きさと外形形状を変更可能とすることを特徴とする船首バルブ装置。
【請求項3】
請求項1に示した装置で、揚力発生用のフィンをバルブ本体に装備する装置。
【請求項4】
請求項1に示した装置で、揚力発生用のフィン、該フィンの流れに対する迎角を変更するためのフィン角設定駆動部、ならびに、該フィンとフィン角設定駆動部を接続するフィンリンク機構部を装備する装置。
【図4】
【図9】
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図9】
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−137833(P2010−137833A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−319015(P2008−319015)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(300064272)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(300064272)
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