説明

色変換方法、及び色変換装置

【課題】色変換回数を削減するため、ブロック内の平均値で色変換し、平均値との差分を色変換後の平均値に加えてブロック内の各画素の値を求めると、細線やエッジのボケや強調が発生する場合がある。
【解決手段】映像信号を複数のブロックに分割し、当該ブロックに対して代表値を設定し、当該代表値を色変換し、色変換前後の代表値から比率を算出する動作となる。さらに、ブロックに含まれる画素が有する信号値を、上記比率を基に異なる色空間の信号値に変換することが可能となる。このように、入力される映像信号が有する色空間から、異なる色空間に変換を行う際、ブロックに分割して計算量を減らす構成にしても、変換前後の代表値から算出した比率を基に、異なる色空間の信号値を算出するため、細線やエッジのボケ若しくは、強調を抑制し、画質劣化を抑制する効果を奏する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラズマディスプレイや液晶ディスプレイ等の表示デバイスでの色変換、及びプリンタ、複写機などの色変換を行う色変換方法、及び色変換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
TVやプリンタなどで色変換を行う場合、3次元Look Up Table(以下、3D−LUTと称す)を用いると、複雑な色変換を行うことができる。しかしながら、高速で処理を行いたい場合、3D−LUTへのアクセス時間が問題になる場合がある。特に、3D−LUTとしてのメモリをLSIの外部に接続する場合や、ソフトウェアで処理を行う場合に処理時間が増大する場合がある。この場合、3D−LUTへのアクセス回数を減らすことができれば、高速な処理を実現することができる。
【0003】
従来の色変換方法、及び色変換装置は、画像を複数のブロックに分割し、分割したブロックごとに平均値を求め、その平均値のみを3D−LUTを用いて色変換し、色変換した平均値を用いてブロック内の各画素の色変換後の近似値を求めている(例えば、特許文献1参照)。図8は、前記特許文献1に記載された従来の色変換方法のフローチャート(表色系変換方法及び装置)を示すものである。
【0004】
図8において、入力されたRGB表色系のカラー画像データは、図9に示されるようにその画像データを複数の色データで構成されるm×n画素のブロックに分割され(SP1)、各ブロック内で各パラメータR,G,Bの平均値Ra,Ga,Baが算出される(SP2)。この平均値についてのみ色変換処理を行い、CMY表色系でのパラメータCa,Ma,Yaを得る(SP3)。個々の画素の色データに対しては、図10に示すように平均値Ra,Ga,Baとの差(ΔR1,ΔG1,ΔB1等)に基づいて、変換後のパラメータをC1=Ca+ΔR1,M1=Ma+ΔG1,Y1=Ya+ΔB1等のように算出することにより求める(SP4,SP5)。なお、ここで大文字のRはレッド、Gはグリーン、Bはブルー、Cはシアン、Mはマゼンタ、Yはイエローを意味しており、以降の説明でも同様である。さらに、画像データ内に未処理のブロックがあるかを判定する。未処理ブロックがある場合は、SP1に戻り、未処理ブロックに関してSP1からSP5を繰り替えす。未処理ブロックがない場合は、そのまま動作を終了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平09−149273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の方法では、ブロックの平均値とそのブロック内の各画素との差分値を保存し、変換後の平均値にその差分値を加えて、ブロック内の各画素の変換後の値を求める動作となっている。従って、変換前の平均値と、変換後の平均値との比率が大きい場合、変換前におけるブロックの平均値と、当該ブロック内の各画素との差分値を、変換後の平均値に単純に加算したとしても、変換後の画素が有する信号値を適切に復元することが出来ない。また、入力される画像データ内に細線や画像のエッジなどがある場合、当該細線や画像のエッジがボケてしまう課題を有していた。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するもので、色変換の回数を減らすために、複数の画素をまとめたブロックごとの代表値を用いて色変換を行ったとしても、エッジや細線のボケや強調が抑制される色変換方法、及び色変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施の形態における色空間変換装置は、第1の色空間で表現される第1の画像信号を、第2の色空間で表現される第2の画像信号に色変換する色空間変換装置であって、前記第1の画像信号を、当該第1の画像信号が有する画素が複数含まれるブロック単位に論理的に分割するブロック分割部と、前記ブロック内に含まれる複数の画素が有する信号値を代表する代表値を、当該ブロック単位ごとかつ、当該画素に含まれる信号値の種類ごとに算出する代表値算出部と、前記代表値を、前記第2の色空間で表現される代表値に変換する色空間変換部と、色空間の変換対象となっている信号値である対象信号値を有する画素が属する対象ブロックの代表値である第1の代表値を少なくとも用いて生成される第1の値に対する、当該第1の値を前記第2の色空間で表現した第2の値の比率を算出する比率算出部と、前記比率と、前記代表値算出部で算出される代表値と当該代表値を前記色空間変換部で変換して得られる代表値と前記対象信号値とのうち少なくとも当該対象信号値と、を基に、前記第2の色空間で表現される対象信号値を生成する変換部と、を備える。
【0009】
また、本実施の形態における色空間変換装置は、第1の色空間で表現される第1の画像信号を、第2の色空間で表現される第2の画像信号に変換する色空間変換装置であって、前記第1の画像信号を、当該第1の画像信号が有する画素が複数含まれるブロック単位に論理的に分割するブロック分割部と、前記ブロック内に含まれる複数の画素が有する信号値を代表する代表値を、当該ブロック単位ごとかつ、当該画素に含まれる信号値の種類ごとに算出する代表値算出部と、前記代表値を、前記第2の色空間で表現される代表値に変換する色空間変換部と、前記第1の色空間で表現した対象信号値を有する画素が属する対象ブロックの代表値である第1の代表値を少なくとも用いて生成される第1の値と、当該第1の値を前記第2の色空間で表現した第2の値と、を用いて当該対象信号値を前記第2の色空間で表現される信号値に変換する変換部と、を備え、前記変換部は、前記第1の代表値と、前記対象信号値と、の第1の比率、前記対象信号値及び、前記第1の代表値の差分値と、前記当該対象信号値と、の第2の比率、前記第1の代表値と、前記対象信号値及び、前記第1の代表値の差分値と、の第3の比率及び、前記対象信号値及び、前記第1の代表値と、前記対象信号値及び、前記対象ブロックに隣接するブロックで算出された代表値を基に生成される第1の隣接代表値の差分値と、の第4の比率のうち、少なくとも一つが色変換後も同じであるように、前記対象信号値を前記第2の色空間で表現される信号値に変換する特徴を有する。
【0010】
また本実施の形態における色空間変換方法は、第1の色空間で表現される第1の画像信号を、第2の色空間で表現される第2の画像信号に色変換する色空間変換方法であって、前記第1の画像信号を、当該第1の画像信号が有する画素が複数含まれるブロック単位に論理的に分割するブロック分割ステップと、前記ブロック内に含まれる複数の画素が有する信号値を代表する代表値を、当該ブロック単位ごとかつ、当該画素に含まれる信号値の種類ごとに算出する代表値算出ステップと、前記代表値を、前記第2の色空間で表現される代表値に変換する色空間変換ステップと、色空間の変換対象となっている信号値である対象信号値を有する画素が属する対象ブロックの代表値である第1の代表値を少なくとも用いて生成される第1の値に対する、当該第1の値を前記第2の色空間で表現した第2の値の比率を算出する比率算出ステップと、前記比率と、前記代表値算出部で算出される代表値と当該代表値を前記色空間変換部で変換して得られる代表値と前記対象信号値とのうち少なくとも当該対象信号値と、を基に、前記第2の色空間で表現される対象信号値を生成する変換ステップと、を備える。
【発明の効果】
【0011】
上記の色変換方法、及び色変換装置によれば、色変換の回数を減らすために、複数の画素をまとめたブロックごとの代表値を用いて色変換を行ったとしても隣接ブロックの平均値に対する注目ブロックの各画素の値の比率を色変換の前後で保つことができるようになるので、細線やエッジのボケや強調を抑制できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施の形態1における色変換装置のブロック図
【図2】画像信号をブロック単位ごとに分割する動作を説明するための模式図
【図3】本実施の形態1における色変換装置の具体的な動作フローチャート
【図4】本実施の形態1における色変換装置の処理中における信号値を示す図
【図5】本実施の形態2における変換部を示すブロック図
【図6】本実施の形態2における色変換装置の動作フローチャート
【図7】本実施の形態2における色変換装置の処理中における信号値を示す図
【図8】従来の色変換方法のフローチャート
【図9】ブロック分割の説明図
【図10】従来の色変換方法の課題の説明図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施の形態における色空間変換装置は、第1の色空間で表現される第1の画像信号を、第2の色空間で表現される第2の画像信号に色変換する色空間変換装置であって、前記第1の画像信号を、当該第1の画像信号が有する画素が複数含まれるブロック単位に論理的に分割するブロック分割部と、前記ブロック内に含まれる複数の画素が有する信号値を代表する代表値を、当該ブロック単位ごとかつ、当該画素に含まれる信号値の種類ごとに算出する代表値算出部と、前記代表値を、前記第2の色空間で表現される代表値に変換する色空間変換部と、色空間の変換対象となっている信号値である対象信号値を有する画素が属する対象ブロックの代表値である第1の代表値を少なくとも用いて生成される第1の値に対する、当該第1の値を前記第2の色空間で表現した第2の値の比率を算出する比率算出部と、前記比率と、前記代表値算出部で算出される代表値と当該代表値を前記色空間変換部で変換して得られる代表値と前記対象信号値とのうち少なくとも当該対象信号値と、を基に、前記第2の色空間で表現される対象信号値を生成する変換部と、を備える。
【0014】
また、本実施の形態における色空間変換装置は、第1の色空間で表現される第1の画像信号を、第2の色空間で表現される第2の画像信号に変換する色空間変換装置であって、前記第1の画像信号を、当該第1の画像信号が有する画素が複数含まれるブロック単位に論理的に分割するブロック分割部と、前記ブロック内に含まれる複数の画素が有する信号値を代表する代表値を、当該ブロック単位ごとかつ、当該画素に含まれる信号値の種類ごとに算出する代表値算出部と、前記代表値を、前記第2の色空間で表現される代表値に変換する色空間変換部と、前記第1の色空間で表現した対象信号値を有する画素が属する対象ブロックの代表値である第1の代表値を少なくとも用いて生成される第1の値と、当該第1の値を前記第2の色空間で表現した第2の値と、を用いて当該対象信号値を前記第2の色空間で表現される信号値に変換する変換部と、を備え、前記変換部は、前記第1の代表値と、前記対象信号値と、の第1の比率、前記対象信号値及び、前記第1の代表値の差分値と、前記当該対象信号値と、の第2の比率、前記第1の代表値と、前記対象信号値及び、前記第1の代表値の差分値と、の第3の比率及び、前記対象信号値及び、前記第1の代表値と、前記対象信号値及び、前記対象ブロックに隣接するブロックで算出された代表値を基に生成される第1の隣接代表値の差分値と、の第4の比率のうち、少なくとも一つが色変換後も同じであるように、前記対象信号値を前記第2の色空間で表現される信号値に変換する特徴を有する。
【0015】
また、前記比率算出部は、前記第1の代表値に対する当該第1の代表値を前記色空間変換部で変換した結果である第2の代表値の比率を算出する特徴を有し、前記変換部は、前記対象信号値と前記第1の代表値との差分値を、前記比率を基に補正して前記第2の色空間で表現される補正差分値を生成するとともに、当該補正差分値と前記第2の代表値とを基に、当該対象信号値を前記第2の色空間で表現される対象信号値に変換する特徴を有する構成にしても構わない。
【0016】
また、前記比率算出部は、前記第1の代表値に対する当該第1の代表値を前記色空間変換部で変換した結果である第2の代表値の比率を算出する特徴を有し、前記変換部は、前記対象信号値に前記比率を乗算し、前記第2の色空間で表現される対象信号値に変換する特徴を有する構成にしても構わない。
【0017】
また、前記比率算出部は、前記第1の代表値を算出したブロックに隣接するブロックで算出された代表値を基に生成される第1の隣接代表値と当該第1の代表値との差分値に対する、当該第1の隣接代表値を前記色空間変換部において変換して得られる第2の隣接代表値と前記第2の代表値との差分値の比率を算出する特徴とを有し、前記変換部は、前記対象信号値と前記第1の隣接代表値との差分値を、前記比率を基に補正して前記第2の色空間で表現される補正差分値を生成するとともに、当該補正差分値と前記第2の隣接代表値とを基に、前記対象信号値を前記第2の色空間で表現される対象信号値に変換する第1の変換モードを有する構成にしても構わない。
【0018】
また、前記変換部は、前記比率と、前記第1の隣接代表値と前記第1の代表値との第1の差分値と、前記第2の隣接代表値と前記第2の代表値との第2の差分値と、のうち少なくとも1つの値の大きさに応じて、前記第1の変換モードと、前記対象信号値と前記第1の隣接代表値との差分値と、前記第2の隣接代表値と、を基に、前記対象信号値を前記第2の色空間で表現される対象信号値に変換する第2の変換モードと、を切り替えることを特徴とする構成にしても構わない。
【0019】
また、前記変換部は、前記第1の差分値が略0である場合、前記第2の変換モードで変換することを特徴とする構成にしても構わない。
【0020】
また、前記変換部は、前記第1の差分値が略0である場合、前記比率を1と設定するとともに、前記第1の変換モードで変換することを特徴とする構成にしても構わない。
【0021】
上記の構成を色空間変換方法として実現しても構わない。
【0022】
以下、本実施の形態における色変換装置に関して、図面を参照しながら説明する。
【0023】
以下、本実施の形態においては、1920×1080の画面解像度を有する画像信号が入力されるものとする。さらに、画像信号が有する各画素は、複数の信号値、例えばRGB信号値を有しているものとする。なお、本実施の形態においては説明の便宜上、R信号値(レッド信号値)を例に説明を行う。なお、R信号値以外のG信号値及び、B信号値においても同様の構成で実現できる。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1における色変換装置のブロック図である。
【0025】
本実施の形態1における色変換装置は、ブロック分割部101、代表値算出部102、色空間変換部103、比率算出部104、変換部105を備える構成となっている。
【0026】
ブロック分割部101は、入力される画像信号を画素が複数含まれるブロック単位に論理的に分割する機能を有する。
【0027】
図2は、画像信号をブロック単位ごとに分割する動作を説明するための模式図である。
【0028】
図2に示すように、ブロック分割部101は、例えば水平方向に連続して配設される複数の画素を1つのブロックとして論理的に分割を行う。つまり、1つのブロックは、2×2画素、3×2画素等の構成を有する。
【0029】
例えば、ブロック分割部101が水平方向に連続して配設される2画素を1つのブロックとして分割を行った場合、画像信号は1080×960個のブロックに分割されることになる。
【0030】
なお、ブロック分割部101は、上記のような分割数に限定されるものではなく、バックライトが複数のLED等で構成されている場合、当該LEDの配設パターンと類似するようにブロックの形を設定し分割しても構わない。
【0031】
また、色変換装置全体の処理量を基に、画像信号全体の分割数を設定しても構わない。この場合、処理量が大きいときは分割数を小さくするよう制御を行い、処理量に余裕がある場合は、分割数が大きくなるように制御を行うものとする。
【0032】
また、画像信号が垂直方向に色の相関度が高い映像である場合は、垂直方向に長いブロックに分割しても構わないし、水平方向に色の相関度が高い映像である場合は水平方向に長いブロックに分割しても構わない。
【0033】
なお、説明の便宜上、以下の説明においては図2に示すように水平方向に連続して配設される2画素を1つのブロックとする。
【0034】
代表値算出部102は、上記ブロック内に含まれる複数の画素が有する信号値を代表する代表値を、当該ブロック単位ごとかつ、当該画素に含まれる信号値の種類ごとに算出する機能を備える。
【0035】
ここで、信号値の種類とは、例えば画素がRGB信号値を有する場合、R信号値、G信号値、B信号値のそれぞれを指す。
【0036】
具体的に代表値算出部102は、画素がRGB信号値を有している場合、1行2列の画素が有するR信号値の平均値をR信号値の代表値として算出し、さらに1行2列の画素が有するG信号値の平均値をG信号値の代表値として算出し、1行2列の画素が有するB信号値の平均値をB信号値の代表値として算出する。
【0037】
なお、代表値の算出は1行2列の画素が有する信号値の平均値に限定されるものではなく、例えば1行2列の画素が有する信号値のうち何れか一方を代表値とする構成にしても構わないし、1行2列の画素が有する各信号値に重み付けを行ない加算した結果を代表値としても構わない。
【0038】
なお、代表値算出部102は、平均値を求める場合、すべての画素を用いなくてもよく、さらにメディアン値や、ブロックの最初の画素など平均値を用いずに1つの代表値を用いてもよい。単純に1画素を選択する場合、平均値を求めないため、回路規模を削減できる。またプログラムの場合、処理スピードを速くすることができる。
【0039】
色空間変換部103は、代表値算出部102で算出された第1の色空間で表現される代表値を、第2の色空間で表現される代表値に色空間変換を行う機能を有する。具体的に色空間変換部103は、RGB信号値のそれぞれの代表値を3D−LUTを用いて色変換を行う。つまり、n種類の代表値がある場合はn種類の色変換後の代表値が得られることになる。なお、3D−LUTは目的に合わせて本色空間変換装置の設計者が設定するものである。
【0040】
上記のように、画像信号に含まれる信号値から算出される代表値のみを色空間変換することで、信号値全てを色空間変換するよりも処理を低減することが可能となる。例えば、1行2列の画素を1つのブロックとし、該ブロックごとに代表値を算出する構成であれば、信号値全てを色空間変換する処理量の半分で実現することが可能となる。
【0041】
比率算出部104は、色空間の変換対象となっている信号値である対象信号値を有する画素が属する対象ブロックの代表値である第1の代表値を少なくとも用いて生成される第1の値に対する、当該第1の値を前記第2の色空間で表現した第2の値の比率を算出する機能を有する。ここで、対象ブロックに隣接するブロックを隣接ブロックと称す。また、対象ブロックで算出された代表値を第1の代表値と称す。また、第1の代表値を色空間変換部103において変換した結果を第2の代表値と称す。
【0042】
なお、第1の値とは、対象信号値に関連する値であり、以下の値がある。
【0043】
(1)第1の代表値
(2)第1の代表値−隣接ブロックで算出される代表値
比率算出部104は、上記(1)と(2)のうち、いずれか一つの値と、当該値を第2の色空間で表現した値との比率を算出する構成となる。
【0044】
例えば、上記(1)では第1の代表値が5と算出されるとともに、第2の代表値が15と算出されている場合、比率算出部104は比率を3と設定する。つまり、第1の代表値を1とした場合の第2の代表値を示す値を算出する。
【0045】
変換部105は、代表値算出部102で算出される代表値と当該代表値を色空間変換部103で変換して得られる代表値と対象信号値とのうち少なくとも対象信号値と、を基に、前記第2の色空間で表現される対象信号値(以下、変換対象信号値と称す)を生成する機能を有する。
【0046】
また、変換部105において変換対象信号値を生成する際に使用する値及び、当該変換対象信号値の生成方法は、比率算出部104で比率を算出する際に使用した値でそれぞれ異なるものとなる。以下、説明の便宜上、比率をrとする。
【0047】
具体的に比率が上記(1)の値を基に算出された場合、変換部105は対象信号値を用いて、(数1)を基に変換対象信号値を算出することが出来る。
【0048】
【数1】

【0049】
さらに変換部105は、第1の代表値と、第2の代表値と、対象信号値と、を用いて、(数2)を基に変換対象信号値を算出することが出来る。
【0050】
【数2】

【0051】
なお、(数1)、(数2)における比率rは(数3)で表現される。
【0052】
【数3】

【0053】
また、比率が上記(2)の値を基に算出された場合、変換部105は、対象信号値と、隣接ブロックで算出された第1の色空間で表現した第1の隣接代表値と、当該代表値を第2の色空間で表現した第2の隣接代表値と、を用いて、(数4)を基に変換対象信号値を算出することが出来る。
【0054】
【数4】

【0055】
なお、(数4)における比率rは(数5)で表現される。
【0056】
【数5】

【0057】
なお、隣接ブロックは対象ブロックに対して接する1つのブロックのみを使用する構成にしても構わないし、複数のブロックを使用する構成にしても構わない。隣接ブロックとして複数のブロックを使用する場合、得られる隣接代表値も複数となる。その場合、複数の隣接代表値の平均値を新たな隣接代表値と設定する構成にしても構わないし、それぞれの隣接代表値に重み付けを行い、重み付けした隣接代表値の加算結果を新たな隣接代表値とする構成にしても構わない。重み付けをする場合は、対象ブロックとの距離が近いほど、重みを大きくするように制御を行う。
【0058】
なお、(数4)を変形し、(対象変換信号値)=(第2の隣接代表値)+r*(第2の代表値−第2の隣接代表値)としても構わない。この場合、rは(対象信号値−第1の隣接代表値)/(第1の代表値−第1の隣代表値)となる。このように構成することで、色空間変換部103における処理前の情報を用いて比率rが算出可能となるため、処理遅延を発生しにくくすることが可能となる。
【0059】
上記(2)の値を用いて対象変換信号値を算出する場合、対象信号値の周囲における情報を使用するため、画像信号に含まれるノイズの影響を低減する効果を奏する。
【0060】
なお、変換部105から出力される変換対象信号値は、以下の関係式のうちいずれか一つが成立するように設定される値である。
【0061】
(A)第1の代表値:対象信号値=第2の代表値:変換信号値
(B)対象信号値−第1の代表値:対象信号値=変換信号値−第2の代表値:変換信号値
(C)第1の代表値:対象信号値−第1の代表値=第2の代表値:変換信号値−第2の代表値
(D)対象信号値−第1の代表値:対象信号値−第1の隣接代表値=変換信号値−第2の代表値:変換信号値−第2の隣接代表値
上記(A)から(D)のうち、特に対象信号値を有する画素が属するブロックと隣接するブロックに属する画素の情報を用いるものは、画像信号に含まれるノイズの影響を低減する効果を奏する。
【0062】
なお、画像信号に含まれるノイズが多い場合は、通常使用している関係式から対象信号値を有する画素が属するブロックと隣接するブロックに属する画素の情報を用いる関係式に変更する構成にしても構わない。
【0063】
次に、本色変換装置の具体的な動作に関して図面を参照しながら説明を行う。
【0064】
図3は本実施の形態1における色変換装置の具体的な動作フローチャートである。
【0065】
図4は、本実施の形態1における色変換装置の処理中における信号値を示す図である。
【0066】
図4(a)は、画像信号と、当該画像信号に含まれる画素とを示す図である。図4(a)では、画像信号に含まれる画素のうち、P0からP7までの計8画素を示している。P0からP7はそれぞれ、(R0、G0、B0)から(R7、G7、B7)の信号値を有しているとする。
【0067】
図4(b)は、図4(a)に示す画素が有する信号値のうち、R信号値を表した図である。
【0068】
図4(c)は、図4(b)に示すR信号値を、第2の色空間に変換した信号値を表した図である。
【0069】
なお、以下の説明では画素に含まれるRGB信号値のうち、R信号値の変換に関して説明を行うものとする。
【0070】
(S301) まず、ブロック分割部101は、図4(a)に示すような8画素が入力されると、1行2列の画素を1つのブロック単位として、画素を論理的に分割し、当該分割結果及び、画像信号を代表値算出部102に出力する。つまり、ブロック分割部101は、P0及びP1がB1のブロック、P2及びP3がB2のブロック、・・・、P6及びP7がB4のブロックに属するように分割を行う。
【0071】
(S302) 次に、代表値算出部102は、ブロック分割部101で論理的に分割されたブロック内に含まれる画素が有するRGB信号値のそれぞれの種類ごとに平均値を算出し、色空間変換部103、比率算出部104及び、変換部105に出力する。具体的に代表値算出部102は、各ブロックの信号値の平均値An(ただし、nは1から4までの整数)を(数6)を用いて算出する。
【0072】
【数6】

【0073】
図4(b)に示すように、例えばB1におけるR信号値の平均値は1.5と算出されることになる。
【0074】
(S303) 次に、色空間変換部103は、代表値算出部102が出力する平均値Anを基に、当該平均値を第2の色空間に変換を行う。例えば、色空間変換部103は、図4(b)に示すB1の平均値1.5を、図4(c)に示すように3.5と変換する。色空間変換部103は、変換した平均値を変換部105及び、比率算出部104に出力する。
【0075】
(S304) 次に比率算出部104は、代表値算出部102から入力されるR信号値の平均値と、色空間変換部103から入力される第2の色空間で表現されるR信号値の平均値と、を基に、比率を算出する。図4(b)に示すB1におけるR信号値の平均値1.5は、図4(c)に示すように3.5に変換されるので、比率は3.5/1.5≒2.3と算出される。比率算出部104は、算出した比率を変換部105に出力する。
【0076】
(S305) 次に、変換部105は、第1の色空間で表現されるR信号値の平均値と、変換対象となっている信号値との差分値を算出する。
【0077】
例えば、R0が変換対象となっている場合、B1における平均値は1.5であり、R0は1であるので、1−1.5=−0.5と差分値が算出される。差分値は正負を含んで算出される。
【0078】
(S306) さらに、変換部105は、S305で算出した差分値を比率算出部104で算出された比率で補正を行い、差分値の補正値である補正差分値を算出する。例えば、R0では差分値が−0.5と算出され、B1における比率は2.3であるので、補正差分値は、2.3×(−0.5)=−1.25と算出される。
【0079】
(S307) そして、変換部105は、S306で算出された補正差分値と、色空間変換部103から入力される平均値を基に、第2の色空間で表現されたR信号値を算出する。例えば、R0の第2の色空間で表現する信号値は、B1における平均値は3.5であり、補正差分値は−1.25であるので、3.5−1.25=2.25と算出される。
【0080】
上記の(S301)から(S307)の動作をP0からP7まで繰り返して行う。
【0081】
上記のように構成することで、本実施の形態における色変換装置は、映像信号を複数のブロックに分割し、当該ブロックに対して代表値を設定し、当該代表値を色変換し、色変換前後の代表値から比率を算出する動作となる。さらに、ブロックに含まれる画素が有する信号値を、上記比率を基に異なる色空間の信号値に変換することが可能となる。
【0082】
このように、入力される映像信号が有する色空間から、異なる色空間に変換を行う際、ブロックに分割して計算量を減らす構成にしても、変換前後の代表値から算出した比率を基に、異なる色空間の信号値を算出するため、細線やエッジのボケ若しくは、強調を抑制し、画質劣化を抑制する効果を奏する。
【0083】
(実施の形態2)
以下、本実施の形態2における色変換装置について説明を行う。
【0084】
本実施の形態1で説明した色変換装置は、代表値算出部102で算出した第1の色空間で表現した代表値と、色空間変換部103で算出した第2の色空間で表現した代表値と、比率算出部104で算出した比率と、を基に、第1の色空間で表現した信号値を第2の色空間に変換を行う構成であった。
【0085】
しかし、上記の構成において比率を算出する際、第1の隣接代表値若しくは、第2の隣接代表値を用いる場合、算出した比率の大きさによっては変換前の色特性が適切に保存できない問題点がある。
【0086】
そこで、本実施の形態2における色変換装置は、比率算出部104で算出した比率の大きさに応じて、対象信号値の変換方法を変更することを特徴とする。
【0087】
上記のように構成することで、第1の隣接代表値若しくは、第2の隣接代表値を用いて比率を算出した場合でも、当該比率の大きさに応じて対象信号値の変換方法を適切に制御することが出来るため、変換前における画像信号の色特性を維持したまま第2の色空間に変換することが可能となる。
【0088】
なお、本実施の形態1における色変換装置との相違点は、変換部105における動作が異なる点である。その他に関しては同様の構成となる。そのため、本実施の形態2においては変換部の動作を中心に説明を行う。
【0089】
なお、本実施の形態2において、実施の形態1と機能が同じものに関しては同じ番号を付し、その説明を省略する。
【0090】
以下、本発明の実施の形態1における液晶表示装置との相違点に関して図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態2においては比率算出部104において、(数5)で表現される比率rが算出されるものとする。
【0091】
図5は、本実施の形態2における変換部を示すブロック図である。
【0092】
本実施の形態2における変換部501は、判定部502、信号値処理部503を備える構成となる。
【0093】
判定部502は、入力される比率と、第1の色空間で表現した代表値と、第2の色空間で表現した代表値とを基に、当該比率が第1の閾値よりも大きいか否か若しくは、第1の閾値よりも小さい第2の閾値よりも小さいか否かを判定する第1の機能を備える。また、判定部502は、(第1の代表値−第1の隣接代表値)が第3の閾値よりも小さいか否かを判定する第2の機能を備える。さらに、判定部502は、(第2の代表値−第2の隣接代表値)が第4の閾値よりも大きいか否かを判定する第3の機能を備える。
【0094】
当該比率が第1の閾値よりも大きい若しくは、第2の閾値よりも小さいと判定した場合、(第1の代表値−第1の隣接代表値)が第3の閾値よりも小さいと判定した場合若しくは、(第2の代表値−第2の隣接代表値)が第4の閾値よりも大きいと判定した場合、判定部502は信号値処理部503に対して第1の隣接代表値と、第2の隣接代表値を出力する(以下、パターンAと称す)。
【0095】
また、第1の閾値よりも小さい若しくは、第2の閾値よりも大きいと判定した場合、(第1の代表値−第1の隣接代表値)が第3の閾値よりも大きいと判定した場合若しくは、(第2の代表値−第2の隣接代表値)が第4の閾値よりも小さいと判定した場合、判定部502は信号値処理部503に対して第1の隣接代表値と、第2の隣接代表値及び、比率rを出力する(以下、パターンBと称す)。
【0096】
なお、第1の閾値から第4の閾値は、設計者若しくは使用者が設定可能な可変パラメータであり、目的とする絵作りによって変更されるものである。
【0097】
信号値処理部503は、判定部502から出力される情報に応じて対象信号値を第2の色空間で表現した信号値に変換する変換方法を変更する機能を備える。
【0098】
具体的に信号値処理部503は、判定部502がパターンAで出力する場合、対象信号値を(数7)を基に、第2の色空間に変換する。
【0099】
【数7】

【0100】
一方、信号値処理部503は、判定部502がパターンBで出力する場合、対象信号値を(数4)を基に、第2の色空間に変換する。
【0101】
図6は、本実施の形態2における色変換装置の動作フローチャートである。本実施の形態2においては、対象ブロックの左隣のブロックを隣接ブロックとして設定するものとする。また、図4(a)に示す8画素を処理するものとする。なお、本実施の形態1における色変換装置の動作フローと同じ工程に関しては、同じ番号を付しその説明を省略する。
【0102】
図7は、本実施の形態2における色変換装置の処理中における信号値を示す図である。
【0103】
以下の説明においては、画素に含まれるRGB信号値のうち、R信号値の変換に関して説明を行うものとする。また、B1におけるR0、R1については、既に第2の色空間で表現したR信号値が生成されているものとする。
【0104】
(S601) (S304)の処理後、判定部502は、対象ブロックの平均値と当該対象ブロックに隣接する隣接ブロックの平均値との差分値を算出する。例えば、B2においては、対象ブロックで算出された平均値は5、隣接ブロックで算出された平均値は5であるため差分値は0となる。
【0105】
(S602) 次に判定部502は、(S601)で算出した差分値が第3の閾値より小さいかを判定する。判定の結果、第3の閾値よりも小さい場合、(S603)に進む。一方、判定の結果、第3の閾値よりも大きい場合、(S605)に進む。例えば、第3の閾値が0.5と設定される場合、B2においては差分値が0となるため、(S603)に進むことになる。また、B3においては、差分値が1となるため、(S605)に進む。
【0106】
(S603) 判定部502は、差分値が第3の閾値よりも小さいと判定すると、信号値処理部503に対して第1の色空間で表現した隣接ブロックで算出された第1の隣接平均値と、当該第1の隣接平均値を第2の色空間で表現した第2の隣接平均値を出力する。例えば、B2において、第1の隣接平均値は平均値701であり5を出力する。また、第2の隣接平均値は平均値703であり6を出力する。
【0107】
(S604) 信号値処理部503は、判定部502から第1の隣接平均値と、第2の隣接平均値が入力された場合、第2の隣接平均値に対し、第1の隣接平均値と変換対処となっているR信号値との差分値を加算した値を、第2の色空間で表現したR信号値として算出する。例えば、R2が変換対象となっている場合、平均値704に、平均値701とR2における信号値705との差分値を加えた値である4を変換後のR信号値として出力する。
【0108】
(S605) 一方、(S602)において、判定部502は差分値が第3の閾値よりも大きいと判定すると、信号値処理部503に対して、第1の隣接平均値と、第2の隣接平均値と、比率rを出力することになる。例えば、B3においては、第1の隣接平均値は平均値702であり5を出力する。また、第2の隣接平均値は平均値704であり、6を出力する。また、比率rは、B3における第1の色空間で表現した平均値が4、第2の色空間で表現した平均値が4であるので、本実施の形態1における(数5)からr=(4−6)/(4−5)=2と算出されている。
【0109】
(S606) 信号値処理部503は、判定部502から第1の隣接平均値と、第2の隣接平均値と、比率rが入力された場合、(数4)を用いて対象信号値を第2の色空間に変換する。例えば、B3におけるR4の変換後のR’4信号値707は、R’4=第2の隣接平均値704+比率r*(R4信号値706−第1の隣接平均値702)=6+2*(5−5)=6と算出される。
【0110】
上記(S301)から(S304)及び、(S601)から(S606)の処理工程を画素毎に行うものとする。
【0111】
上記のように構成することで、第1の隣接代表値若しくは、第2の隣接代表値を用いて比率を算出した場合でも、当該比率の大きさに応じて対象信号値の変換方法を適切に制御することが出来るため、変換前における画像信号の色特性を維持したまま第2の色空間に変換することが可能となる。
【0112】
なお、判定部502は、第1の機能から第3の機能を組み合わせて使用しても構わない。また、閾値を複数設けて細かく分類し、複雑に組み合わせて判定してもよい。さらに、正と負でそれぞれ閾値を設ける構成にしてもよい。
【0113】
例えば、判定部502が第1の機能と、第2の機能を用いて判定する場合、比率が第1の閾値よりも小さいか若しくは、第2の閾値よりも大きいと判定するとともに、(第1の代表値−第1の隣接代表値)が第3の閾値よりも大きいと判定した場合にパターンAの動作となるように設定する。
【0114】
また、判定部502は第2の閾値の絶対値及び、第3の閾値の絶対値を算出し、2つの絶対値が0の場合にパターンAの動作を行ない、0よりも大きい値である場合はパターンBの動作を行なうようにしても構わない。この場合、不用意に比率が大きくなりすぎるのを防ぐ効果がある。また、絶対値が0である場合は強制的に比率を1と設定する構成にしても構わない。
【0115】
判定部502における第1の機能から第3の機能の組み合わせに関しては、どの組み合わせを用いても良く、また判定結果も入力される画像信号の特徴に合わせて変更しても構わない。
【0116】
(他の実施の形態)
また、すべての実施の形態では3D−LUTを用いた色変換を行ったが、3D−LUTを用いない色変換に適用してもよい。
【0117】
また、すべての実施の形態では、色変換として第1の色空間のRGB値から第2の色空間のR’G’B’値を求めたが、これに限られるものではなく、sRGB色空間、AdobeRGB色空間、YCbCr空間、YPbPr空間、L*a*b*色空間、L*u*v*色空間、XYZ色空間、X’Y’Z’、xvYCC色空間などで実現してもよい。また第1の色空間と第2の色空間は同じ色空間でも別の色空間でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明にかかる色変換方法、及び色変換装置は、隣接ブロックの平均値に対する注目ブロックの各画素の値の比率を色変換の前後で保つことにより、色変換回数を削減しても、細線やエッジのボケや強調を抑制できるので、プラズマディスプレイや液晶ディスプレイ等の表示デバイスでの色変換、及びプリンタ、複写機などの色変換として有用である。
【符号の説明】
【0119】
101 ブロック分割部
102 代表値算出部
103 色空間変換部
104 比率算出部
105 変換部
501 実施の形態2における変換部
502 判定部
503 信号値処理部
701、702、703、704 平均値
705 R信号値
706、707 信号値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の色空間で表現される第1の画像信号を、第2の色空間で表現される第2の画像信号に色変換する色空間変換装置であって、
前記第1の画像信号を、当該第1の画像信号が有する画素が複数含まれるブロック単位に論理的に分割するブロック分割部と、
前記ブロック内に含まれる複数の画素が有する信号値を代表する代表値を、当該ブロック単位ごとかつ、当該画素に含まれる信号値の種類ごとに算出する代表値算出部と、
前記代表値を、前記第2の色空間で表現される代表値に変換する色空間変換部と、
色空間の変換対象となっている信号値である対象信号値を有する画素が属する対象ブロックの代表値である第1の代表値を少なくとも用いて生成される第1の値に対する、当該第1の値を前記第2の色空間で表現した第2の値の比率を算出する比率算出部と、
前記比率と、前記代表値算出部で算出される代表値と当該代表値を前記色空間変換部で変換して得られる代表値と前記対象信号値とのうち少なくとも当該対象信号値と、を基に、前記第2の色空間で表現される対象信号値を生成する変換部と、
を備える色変換装置。
【請求項2】
前記比率算出部は、前記第1の代表値に対する当該第1の代表値を前記色空間変換部で変換した結果である第2の代表値の比率を算出する特徴を有し、
前記変換部は、前記対象信号値と前記第1の代表値との差分値を、前記比率を基に補正して前記第2の色空間で表現される補正差分値を生成するとともに、当該補正差分値と前記第2の代表値とを基に、当該対象信号値を前記第2の色空間で表現される対象信号値に変換する特徴を有する請求項1に記載の色変換装置。
【請求項3】
前記比率算出部は、前記第1の代表値に対する当該第1の代表値を前記色空間変換部で変換した結果である第2の代表値の比率を算出する特徴を有し、
前記変換部は、前記対象信号値に前記比率を乗算し、前記第2の色空間で表現される対信号値に変換する特徴を有する請求項1に記載の色変換装置。
【請求項4】
前記比率算出部は、前記第1の代表値を算出したブロックに隣接するブロックで算出された代表値を基に生成される第1の隣接代表値と当該第1の代表値との差分値に対する、当該第1の隣接代表値を前記色空間変換部において変換して得られる第2の隣接代表値と前記第2の代表値との差分値の比率を算出する特徴とを有し、
前記変換部は、前記対象信号値と前記第1の隣接代表値との差分値を、前記比率を基に補正して前記第2の色空間で表現される補正差分値を生成するとともに、当該補正差分値と前記第2の隣接代表値とを基に、前記対象信号値を前記第2の色空間で表現される対象信号値に変換する第1の変換モードを有する請求項1に記載の色変換装置。
【請求項5】
前記変換部は、前記比率と、前記第1の隣接代表値と前記第1の代表値との第1の差分値と、前記第2の隣接代表値と前記第2の代表値との第2の差分値と、のうち少なくとも1つの値の大きさに応じて、前記第1の変換モードと、前記対象信号値と前記第1の隣接代表値との差分値と、前記第2の隣接代表値と、を基に、前記対象信号値を前記第2の色空間で表現される対象信号値に変換する第2の変換モードと、を切り替えることを特徴とする請求項4に記載の色変換装置。
【請求項6】
前記変換部は、前記第1の差分値が略0である場合、前記第2の変換モードで変換することを特徴とする請求項5に記載の色変換装置。
【請求項7】
前記変換部は、前記第1の差分値が略0である場合、前記比率を1と設定するとともに、前記第1の変換モードで変換することを特徴とする請求項5に記載の色変換装置。
【請求項8】
第1の色空間で表現される第1の画像信号を、第2の色空間で表現される第2の画像信号に変換する色空間変換装置であって、
前記第1の画像信号を、当該第1の画像信号が有する画素が複数含まれるブロック単位に論理的に分割するブロック分割部と、
前記ブロック内に含まれる複数の画素が有する信号値を代表する代表値を、当該ブロック単位ごとかつ、当該画素に含まれる信号値の種類ごとに算出する代表値算出部と、
前記代表値を、前記第2の色空間で表現される代表値に変換する色空間変換部と、
前記第1の色空間で表現した対象信号値を有する画素が属する対象ブロックの代表値である第1の代表値を少なくとも用いて生成される第1の値と、当該第1の値を前記第2の色空間で表現した第2の値と、を用いて当該対象信号値を前記第2の色空間で表現される信号値に変換する変換部と、を備え、
前記変換部は、前記第1の代表値と、前記対象信号値と、の第1の比率、前記対象信号値及び、前記第1の代表値の差分値と、前記当該対象信号値と、の第2の比率、前記第1の代表値と、前記対象信号値及び、前記第1の代表値の差分値と、の第3の比率及び、前記対象信号値及び、前記第1の代表値と、前記対象信号値及び、前記対象ブロックに隣接するブロックで算出された代表値を基に生成される第1の隣接代表値の差分値と、の第4の比率のうち、少なくとも一つが色変換後も同じであるように、前記対象信号値を前記第2の色空間で表現される信号値に変換する特徴を有する
色空間装置。
【請求項9】
第1の色空間で表現される第1の画像信号を、第2の色空間で表現される第2の画像信号に色変換する色空間変換方法であって、
前記第1の画像信号を、当該第1の画像信号が有する画素が複数含まれるブロック単位に論理的に分割するブロック分割ステップと、
前記ブロック内に含まれる複数の画素が有する信号値を代表する代表値を、当該ブロック単位ごとかつ、当該画素に含まれる信号値の種類ごとに算出する代表値算出ステップと、
前記代表値を、前記第2の色空間で表現される代表値に変換する色空間変換ステップと、
色空間の変換対象となっている信号値である対象信号値を有する画素が属する対象ブロックの代表値である第1の代表値を少なくとも用いて生成される第1の値に対する、当該第1の値を前記第2の色空間で表現した第2の値の比率を算出する比率算出ステップと、
前記比率と、前記代表値算出部で算出される代表値と当該代表値を前記色空間変換部で変換して得られる代表値と前記対象信号値とのうち少なくとも当該対象信号値と、を基に、前記第2の色空間で表現される対象信号値を生成する変換ステップと、
を備える色空間方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−101207(P2011−101207A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254657(P2009−254657)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】