説明

色補正システムおよび色補正方法

【課題】 表示画像を補正し、表示部の設置環境によらない適切な画像を表示させる。
【解決手段】 入力画像データ100の表示色を補正した補正データに基づく画像を表示部2に表示させる色補正システム1であって、表示部2の周囲の色情報である周囲色情報200を検出する周囲色検出手段10と、周囲色情報200に基づいて入力画像データ100の表示色の補正に必要なパラメーター105を演算するパラメーター演算手段15と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色補正システムおよび色補正方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
人の目の生理的機能として色順応や明暗順応がある。例えば、太陽光(色温度は約5500K)の下で白く見える物体を、電球色の照明光(色温度は約3000K)の下で見ると最初は赤みを帯びるが、時間が経過すると白く見えるようになる。これは色順応の一例である。また、例えば、暗い映画館に入ったとき、最初は足下も見えないが徐々に周囲が見えてくるようになる。これは、明暗順応の一例である。
【0003】
前記の目の生理的機能により、景色等を撮影して後日にその撮影画像を見た場合に、撮影者は画像に対して記憶にある景色と異なる印象を受ける場合がある。この印象の不一致を解消するため、例えば、特許文献1の発明に係る撮像装置は、撮影時の光源に応じて色順応を考慮したホワイトバランス調整を行い、見た目と同じ色の画像を取得する。
【0004】
しかし、そのように取得した画像であっても、表示部前段で表示画像の色を補正するシステム(以下、色補正システムとも表現する)が、生理的機能に対応した補正処理を行わなければ、撮影時における見た目通りの映像をユーザー(表示部等の利用者、視聴者)に伝えることはできない。なぜならば、表示部はその設置場所によって照明の色や照度が異なり、これらの要素はユーザーの色順応や明暗順応に影響を与えるからである。
【0005】
そこで、近年のテレビ(表示部および色補正システムの一例)の中には、タイマーや輝度センサーを有するものがある。例えば、タイマーにより日中であるか、夕刻であるか等を判断して表示画像の色温度を調整して色順応を考慮した補正を行うものがある。また、輝度センサーにより照度の変化を判断し、表示画像の明るさを調整して明暗順応を考慮した補正を行うものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−60650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、表示部が設置された場所の照明の色や照度以外にも、人の目の生理的機能に作用して、ユーザーが見る画像に感覚的な影響を及ぼす要素がある。例えば、背景となる壁の色が原因で色順応が生じるだけでなく、壁の色と表示画像とで明度対比の影響が生じる可能性がある。また、テレビなどの画像表示装置においては、外枠と表示画像とで明度対比の影響が生じる可能性がある。ここで、明度対比は目の生理的機能の一つであり、明度の異なる2色を並べた場合に、明るい色はより明るく、暗い色はより暗く見えることを言う。
【0008】
例えば、図12(A)のテスト画像1000では、グラデーション(左方が黒で右方が白)が施された背景に、同色の4枚の正方形が3組配置されている。第1組は白色の4枚の正方形で、テスト画像1000の上段に横一列に並べられている。第2組は薄い灰色で、同様に中段に横一列に並べられている。第3組は濃い灰色で、下段に横一列に並べられている。例えば、第2組(中段)の最も左の正方形と、最も右の正方形を比較すると、同色であるにもかかわらず、最も右の正方形の色が濃く感じられる。また、第1組(上段)では、左端の正方形がより白く見え、第3組(下段)では、右端の正方形の灰色はより濃く感じられる。これが、明度対比の一例である。
【0009】
明度対比の影響がある場合には、例えば輝度センサー等により照度の変化を判断し、色補正システムによって表示部に表示される画像の明るさを調整したとしても、ユーザーは撮影時の見た目と同じ色の画像を感じているとは限らない。
【0010】
また、表示部が常に壁を背景にしているとは限らないため、表示部の周囲の色(以下、周囲色と表現する)が一律でない場合もあり得る。例えば、白色の壁の室内に配置されているが、表示部は黒の遮光カーテンの前に配置されており、ユーザーの視界には、表示部、黒のカーテン、白壁の全てが入る場合があり得る。この場合、表示画像との関係で明度対比を強く生じさせるのは、表示部により近い周囲色である。
【0011】
例えば、図12(B)のテスト画像1001〜1003は、図12(A)の第3組(下段)と同様に濃い灰色の正方形の見え方を確認するものである。テスト画像1001〜1003の正方形の色(濃い灰色)は全て同色である。テスト画像1001は周囲色を黒とし、テスト画像1003は周囲色を白とする。テスト画像1001とテスト画像1003を比較すると、明度対比の影響によりテスト画像1003の正方形の灰色がより濃く見える。
【0012】
ここで、テスト画像1002は、濃い灰色の正方形に近い周囲色を黒とし、更にその外側の周囲色を白とする。このとき、テスト画像1002の濃い灰色の正方形を見ると、白い周囲色も視界に入るが、より近い周囲色である黒の影響が大きいためにテスト画像1003のように濃さが強調されることはない。つまり、テスト画像1001と同様の濃さに見える。
【0013】
周囲色が一様でなく、色補正システムが目の生理的機能に影響を与える周囲色を把握できない場合、ユーザーは撮影時の見た目と同じ色の画像を感じているとは限らない。
【0014】
さらに、表示部の周囲色はモノクロと限らないため、彩度対比、色相対比、補色対比等の影響もあり得る。彩度対比とは、彩度の異なる2色を並べた場合に、彩度の高いあざやかな色はより明るく、彩度の低い濁った色はより濁って見えることを言う。色相対比とは、色相が異なる2色を並べた場合に、互いに他方の心理補色に近づいて見えることを言う。そして、補色対比とは、補色同士を並べると互いに彩度を強調し合いあざやかさが増すことを言う。これらの目の生理的機能についても、色補正システムが補正可能であることが望ましい。
【0015】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明のいくつかの態様によれば、周囲色を検出する手段を備え、その情報に基づいて表示画像を補正する色補正システムを提供する。そして、表示部は、この色補正システムによって色補正された画像データ(以下、補正データとも表現する)に基づいて、その設置環境によらない適切な画像を表示することができる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
(1)本発明は、入力画像データの表示色を補正した補正データに基づく画像を表示部に表示させるための色補正システムであって、前記表示部の周囲の色情報である周囲色情報を検出する周囲色検出手段と、前記周囲色情報に基づいて前記入力画像データの表示色の補正に必要なパラメーターを演算するパラメーター演算手段と、を備える。
【0017】
本発明によれば、パラメーター演算手段は周囲色検出手段によって検出された周囲色情報に基づいて入力画像データの補正に必要なパラメーターを演算する。明度対比等の目の生理的機能に影響を与えやすい周囲色情報に基づいて前記パラメーターを演算し、同パラメーターによって入力画像データの表示色は補正される。よって、表示部の設置環境によらない適切な画像を表示させることができる。
【0018】
ここで、適切な画像とは、一つには画像の撮影者、作成者、送信者又は提供者等が伝えたい画質(例えば、色・イメージ)を有する画像である。例えば、臨場感を感じさせる画像、肉眼で見たように色合いの鮮やかさを感じさせる画像、心地よさを感じさせる画像等である。感覚的な表現では、画像の撮影者、作成者、送信者又は提供者等が意図する映像・イメージを視聴者に感じさせる画像等である。また、他の側面として、適切な画像とはユーザーにとって見やすい画質を有する画像である。例えば、見ていて疲れない画像、色合いが自然な画像等である。もちろん、これらの全て又はいくつかを備えている画像であってもよいし、更に他の要素(例えば、暗部の表現に優れること、輝度調整による低消費電力化やバックライトの長寿命化等)を含む画像であってもよい。
【0019】
(2)この色補正システムにおいて、前記表示部とその周囲との距離である周囲距離情報を検出する距離検出手段を備え、前記パラメーター演算手段は、前記周囲色情報および前記周囲距離情報に基づいて前記パラメーターを演算してもよい。
【0020】
本発明によれば、周囲の色が一様でない場合などに、周囲における特定の色が明度対比、彩度対比、色相対比、補色対比等を生じさせるか否かを表示部からの距離(周囲距離情報)も考慮してパラメーターを演算するので、より適切な画像を表示させることができる。このとき、距離検出手段は、表示部の周囲にある物体等までの距離を例えば光又は音波等を用いる方法により測定してもよい。また、距離検出手段は、受け取った情報に基づいて周囲にある物体等までの距離を計算で求めてもよい。この情報は、色補正システム内で取得されたものであっても、色補正システムの外部から入力されたものであってもよい。
【0021】
(3)この色補正システムにおいて、前記距離検出手段は、前記表示部とその周囲とを含む画像に基づいて、前記周囲距離情報を検出してもよい。
【0022】
本発明によれば、表示部とその周囲とを含む画像に基づいて、その画像上での座標等を用いて周囲距離情報を測定できるので、周囲距離情報の精度を高めることができる。なお、周囲距離情報の検出とは、測定だけでなく、周囲距離情報を計算で求めることも含まれる。
【0023】
(4)この色補正システムにおいて、撮像部を備え、前記撮像部は、ユーザーが所定の操作を行うことにより、前記表示部とその周囲とを含む画像である周囲検出用画像を撮影し、前記周囲色検出手段は、前記周囲検出用画像に基づいて前記周囲色情報を検出し、前記パラメーター演算手段は、少なくとも前記周囲色情報に基づいて前記パラメーターを演算してもよい。
【0024】
本発明によれば、例えばユーザーがボタンを押すなどの所定の操作によって、撮像部が周囲検出用画像を撮影する。よって、前記周囲色検出手段に対して、ユーザーが望むタイミングで取得した周囲検出用画像に基づいて前記周囲色情報を検出させることができる。これにより、周囲の環境が変化しても、色補正システムはすぐに対応することが可能になる。
【0025】
(5)この色補正システムにおいて、少なくとも前記撮像部、前記周囲色検出手段、および前記パラメーター演算手段はリモコンに設けられていてもよい。
【0026】
本発明によれば、撮像部はリモコンに設けられているため、ユーザー視点で表示部とその周囲とを含む画像を撮影できる。よって、ユーザーが見た通りの画像を用いてパラメーターを演算することができるので、より適切な色補正を行うことができる。
【0027】
(6)この色補正システムにおいて、少なくとも色情報を含む表示部の外枠の情報を記憶する記憶手段を備え、前記パラメーター演算手段は、前記外枠の情報にも基づいて前記パラメーターを演算してもよい。
【0028】
本発明によれば、表示画像に近接し、明度対比、彩度対比、色相対比、補色対比等に影響を与える可能性の高い表示部の外枠の情報を用いて効果的な色補正を行うことができる。このとき、表示部の外枠に関する情報のうち、製造時に決定している色情報などは予め記憶手段に保存しておくことができるので、周囲検出用画像などから抽出する必要はなく、同情報に基づく色補正を直ちに行うことができる。
【0029】
(7)本発明は、入力画像データの表示色を補正した補正データに基づく画像を表示部に表示させるための色補正システムであって、前記表示部の外枠の情報に基づいて前記入力画像データの表示色の補正に必要なパラメーターを演算するパラメーター演算手段を備える。
【0030】
本発明によれば、表示画像に近接し、明度対比、彩度対比、色相対比、補色対比等に影響を与える可能性の高い表示部の外枠の情報のみを用いて効果的な色補正に必要なパラメーターを演算することができる。例えば、外枠の色や幅などが画一的なデザインの製品においては、外枠の情報は一意に定まる。このような場合、パラメーター演算手段はこの固定化した外枠の情報を用いて演算を行えばよい。そして、このような情報は製品出荷時において組み込むことが可能である。
【0031】
(8)この色補正システムにおいて、少なくとも色情報を含む前記外枠の情報を記憶する記憶手段を備え、前記パラメーター演算手段は、前記外枠の情報に基づいて前記パラメーターを演算してもよい。
【0032】
本発明も、表示画像に近接し、明度対比、彩度対比、色相対比、補色対比等に影響を与える可能性の高い表示部の外枠の情報のみを用いて効果的な色補正に必要なパラメーターを演算することができる。表示部を含む製品の外枠の色がバリエーションを持つ場合でも、その情報は予め記憶手段に保存されているため、別途周囲検出用画像等を取得せずとも適したパラメーターを演算することが可能である。
【0033】
(9)この色補正システムにおいて、少なくとも色情報を含む前記外枠の情報に対応した選択入力手段を備え、前記パラメーター演算手段は、前記外枠の情報に基づいて前記パラメーターを演算してもよい。
【0034】
本発明も、表示画像に近接し、明度対比、彩度対比、色相対比、補色対比等に影響を与える可能性の高い表示部の外枠の情報のみを用いて効果的な色補正に必要なパラメーターを演算することができる。表示部を含む製品の外枠の色がバリエーションを持つ場合でも、その情報はディップスイッチなどの選択入力手段によってパラメーター演算手段に伝えられる。よって、別途周囲検出用画像等を取得せずとも適したパラメーターを演算することが可能である。
【0035】
(10)この色補正システムにおいて、前記パラメーターに基づいて前記補正データを作成する色補正手段を備えていてもよい。
【0036】
本発明によれば、明度対比等の目の生理的機能に影響を与えやすい周囲色情報に基づいて入力画像データの表示色が補正されるので、表示部の設置環境によらない適切な画像を表示させることができる。
【0037】
(11)この色補正システムにおいて、ユーザーの選択を受け付け、複数の前記補正データである候補データ群から前記ユーザーの選択に基づいて一の前記補正データを表示部に表示させる表示制御手段を備え、前記色補正手段において、前記候補データ群を作成してもよい。
【0038】
本発明によれば、表示制御手段により、ユーザーは複数の補正データの中から表示画像を選択できる。人間の目の生理的機能には個人差があるが、選択肢を用意することにより、ユーザーが好む画像を表示することができる。
【0039】
(12)本発明は、入力画像データの表示色を補正した補正データに基づく画像を表示部に表示させるための色補正方法であって、前記表示部の周囲の色情報である周囲色情報を検出するステップと、前記周囲色情報に基づいて前記入力画像データの表示色の補正に必要なパラメーターを演算するステップと、前記パラメーターに基づいて前記補正データを作成するステップと、を含む。
【0040】
本発明によれば、検出された周囲色情報に基づいて入力画像データを補正する。明度対比等の目の生理的機能に影響を与えやすい周囲色情報に基づいて色補正を行うので、表示部の設置環境によらない適切な画像を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】第1実施形態における色補正システムのブロック図。
【図2】図2(A)は第1実施形態の具体例であるテレビの使用環境を示す図。図2(B)は第1実施形態の例であるテレビの背面図。
【図3】第2実施形態における色補正システムのブロック図。
【図4】第2実施形態の変形例における色補正システムのブロック図。
【図5】図5(A)〜図5(B)は第2実施形態の具体例であるテレビとその周囲を含む画像の図。
【図6】第3実施形態における色補正システムのブロック図。
【図7】第3実施形態における色補正システムの具体例であるテレビの選択画面を示す図。
【図8】第4実施形態における色補正システムのブロック図。
【図9】第4実施形態の変形例における色補正システムのブロック図。
【図10】図10(A)はいずれかの実施形態における色補正システムを含むプロジェクターを示す図。図10(B)はいずれかの実施形態における色補正システムを含むプリンターを示す図。
【図11】第1実施形態における色補正システムに対応する色補正方法を示すフローチャート。
【図12】図12(A)〜図12(B)は明度対比のテスト画像の図。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0043】
本発明に係る色補正システムは、以下の実施形態での具体例に限るものではない。本発明に係る色補正システムは、テレビ、携帯小型端末、電子書籍や電子ポスターなどの様々な電子機器の一部であってもよい。さらに、表示部は、最終的に表示画像がユーザーに視認されるまでに、本発明に係る色補正システムが補正した色情報を前記表示画像に反映することができるものであればよい。なぜならば、適切な画像を提供するという課題解決のためには、表示部はテレビやディスプレイ等の電子表示デバイスに限られないからである。よって、以下の説明において表示部は広義に解釈されるべきである。例えば、壁に映し出されたプロジェクターの映像も、プリンターによって印刷された紙媒体の画像も表示部に含まれるとしてよい。つまり、本発明に係る色補正システムは、プロジェクターやプリンターの一部であってもよい。
【0044】
また、本発明に係る色補正システムにおける情報処理は、CPU等を用いて具体的に実現されるソフトウェアによる処理であってもよい。すなわち、周囲色検出手段、パラメーター演算手段、色補正手段、距離検出手段等としてコンピューターを機能させるプログラムにより、本発明に係る色補正システムにおける情報処理が行われてもよい。
【0045】
1.第1実施形態
本発明の第1実施形態について図1〜図2を参照して説明する。
【0046】
図1は、本実施形態の色補正システム1のブロック図である。色補正システム1は、入力画像データ100の表示色を補正した画像を表示部2に表示させる。色補正システム1は、周囲色検出手段10とパラメーター演算手段15と色補正手段11とを含む。
【0047】
周囲色検出手段10は、表示部2の周囲の色情報である周囲色情報200を検出する。ここで、周囲とはユーザーから表示部2を見た場合に視野に入る表示部2以外の映像をいう。周囲とはユーザーから見て表示部2の背景を指す場合もある。しかし、ユーザーから表示部2を含む正面の映像を平面的に、すなわち奥行きを考慮せずに捉えた場合には、周囲とは表示部2の前景も含むことになる。すなわち、周囲とは、ユーザーの視点で表示部2の背景、または、背景と前景を合わせた映像を指す。よって、周囲色とは、表示部2の背景の色、または、背景と前景を合わせた映像の色を指す。
【0048】
パラメーター演算手段15は、色補正手段11で行う補正に必要なパラメーター105を周囲色情報200に基づいて演算する。パラメーター105として必要な情報が色補正手段11に渡されるので、色補正手段11の処理の負担が軽減される。また、例えば、物理的にパラメーター演算手段15と色補正手段11とが離れて配置されていても、パラメーター105だけを伝送すればよいので、周囲色情報200をそのまま伝送するような場合に比べてデータ量が少なくて済む。
【0049】
色補正手段11は、パラメーター105に基づいて、入力画像データ100の表示色を補正した補正データ101を作成する。色補正システム1は、表示部2に補正データ101に基づく画像を表示させる。なお、色補正手段11は、色補正システム1の外部にあってもよい。
【0050】
ここで、色補正システム1の具体例としては、テレビ受像機(以下、テレビという)がある。テレビは、番組などを入力画像データ100受信し、その内部にデータの色補正システム1を含み、画像を表示する液晶等の表示部2を有する。以下、本実施形態の色補正システム1はテレビの一部であるとして説明する。
【0051】
色補正手段11は、入力画像データ100の表示色を補正するが、補正対象は画素値でもよいし、輝度、彩度などを決定する様々なパラメーターであってよい。例えば、画素値はYUVやRGB形式等で表現された画像の各画素が有する数値を指す。また、例えば、パラメーターには、明るさ、色の濃さ(カラーゲイン)、色温度(ホワイトバランス)やシャープネス等がある。明るさに関しては、ガンマ調整や液晶テレビの場合のバックライト調整を含んでもよい。
【0052】
色補正手段11は、明度対比の影響を打ち消すように表示画像の明るさや色温度を調整してもよい。また、色補正手段11は、彩度対比、色相対比、補色対比の影響を打ち消すようにカラーゲインやシャープネスを調整してもよい。
【0053】
図2(A)は、本実施形態の色補正システム1を含むテレビ810が使用される環境を示す図である。テレビの設置環境は一律ではなく、テレビ810は壁811、窓812やカーテン813の前に配置されることもある。また、室内ライト814や観葉植物815が置かれる場合もある。これらの要素はテレビ810からの距離にも依存するが、人の目の生理的機能によってテレビ810に表示される画像に影響を与える可能性がある。また、壁811の色もテレビ810に表示する画像に影響を与える。例えば、壁811が白色であるならば、テレビ810の表示画像の黒い部分が明度対比のためにより黒く見えやすい。逆に、壁811が黒色に近ければ、表示画像の白い部分がより白く見えやすい。
【0054】
図2(B)は、本実施形態の色補正システム1を含むテレビ810の背面図である。図2(B)のように、例えば背面に設けられたカメラ等の撮像装置816の撮影画像が周囲色検出手段10に入力されてもよい。撮像装置816は、画像表示部2としての機能も有するテレビ810の背景を撮影し、周囲色検出手段10は撮影した画像から周囲色情報200を取得することができる。本実施形態は、テレビ810の前部の室内ライト814や観葉植物815が十分離れて配置され、テレビ810の背面に配置された要素が周囲色として支配的である場合に有効な構成である。このとき、色補正システム1はテレビの電源がオンになったとき、予め設定した時刻になったときなど特定のイベントに連動して、ユーザーの特別な操作を必要とすることなく周囲色情報200を得ることができる。
【0055】
例えば、撮像装置816が一定時間ごとに周囲色情報200を更新した場合には、カーテン813のように、テレビ810の背景となり得る物の色情報を正確に把握できる。昼間は壁811の色が周囲色情報200の主要な要素であるが、カーテン813が使用される夜間はカーテン813の色が周囲色情報200の主要な要素となる場合にも、正確な情報をパラメーター演算手段15に出力することができる。
【0056】
また、撮像装置816は照度を測ってもよい。撮像装置816は撮像素子だけではなく、輝度センサーも含んでいてもよい。この場合、室内ライト814を使用した時の壁811の色、室内ライト814を使用していない時の壁811の色や窓812から入る光の影響などを周囲色情報200に反映することができる。
【0057】
本実施形態の色補正システム1では、表示部2(すなわち、テレビ810)の背景色を検出して周囲色情報200とし、同情報に基づいてパラメーター演算手段15が色補正に必要なパラメーターの演算を行う。そして、色補正手段11がパラメーター105に基づいて入力画像データ100の色の補正を行う。テレビ810の背面にある撮像装置816の映像を用いて周囲色情報200を得るため、テレビ810の前景の情報は含まれないが、ユーザーに特別な操作を要求せずに周囲色に応じた適切な色補正を行うことができる。
【0058】
2.第2実施形態
本発明の第2実施形態について図3〜図5を参照して説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略し、主として相違点について説明する。
【0059】
図3は、本実施形態の色補正システム1Aのブロック図である。色補正システム1Aは、第1実施形態の構成に加えて距離検出手段12を含む。パラメーター演算手段15は、周囲色情報200だけでなく、距離検出手段12からの周囲距離情報201にも基づいて入力画像データ100の色の補正に必要なパラメーター105を演算する。
【0060】
距離検出手段12は、例えば表示部2とその周囲とを含む画像に基づいて、周囲の一部分における表示画面からの距離(周囲距離情報)を測定する。ここで、周囲の一部分とは図2(A)のカーテン813や観葉植物815の葉部のように壁811とは異なった色を有する領域でもよい。周囲距離情報は、表示画像にユーザーの目の生理的機能の影響が生じるか否かを判断するのに用いられる。また、前記の壁811とは異なった色を有する領域が複数ある場合には、どの領域が表示画像にユーザーの目の生理的機能の影響を発生させるかを、周囲距離情報に基づいて判断することが可能である。
【0061】
図4は、本実施形態の変形例である色補正システム1Bのブロック図である。本実施形態は、表示部2とその周囲とを含む画像に基づいて周囲距離情報を測定する距離検出手段12を含む。
【0062】
色補正システム1Bは、撮像部19を含む。撮像部19は、撮影要求信号400に基づいて表示部2とその周囲とを含む画像を撮影する。そして、周囲色検出手段10は撮像部19が撮影した周囲検出用画像402を受け取る。また、距離検出手段12も撮像部19が撮影した周囲検出用画像403を受け取る。なお、周囲検出用画像402と周囲検出用画像403は同一の画像でもよいし、それぞれ周囲色検出手段10、距離検出手段12における処理に都合のよい異なる画像であってもよい。
【0063】
例えば、撮像部19はリモコンの一部であってもよい。その場合には、ユーザーの視点での表示部2とその周囲とを含む画像を撮影することが可能である。よって、ユーザーの見え方を反映した画像に基づいてより正確な色補正を行うことができる。また、例えば撮影要求信号400はリモコンのボタンと連動していてもよい。この場合、ユーザーは表示部2とその周囲とを含む画像を、自分が望むタイミングで取得することができる。
【0064】
さらに、図4の点線で示された範囲30に含まれる撮像部19、周囲色検出手段10、パラメーター演算手段機能15はリモコンに設けられていてもよい。このとき、距離検出手段12がリモコン30に設けられていてもよい。この場合リモコンは演算機能を有しており、パラメーター105だけを、例えばテレビ本体にある色補正手段11に送信してもよい。処理を分散することにより、色補正システム1Bの全体としての効率を高めることが可能となる。
【0065】
また、撮像部19は、リモコンに限らず別の機器等に設けられていてもよい。例えば、撮像部19はカメラの一部であってもよい。カメラはその内部に撮像部19を含み、周囲検出用画像402、403をメモリーカードに一時保存する。そして、周囲色検出手段10や距離検出手段12は、メモリーカード経由で周囲検出用画像402、403を受け取ってもよい。また、メモリーカード経由ではなく周囲検出用画像を伝送するケーブルを経由してもよい。さらに、ケーブルではなくインターネットが利用されてもよい。もしカメラがその内部に周囲色検出手段10、距離検出手段12、パラメーター演算手段15も含む場合には、周囲検出用画像の代わりに例えばパラメーター105等が受け渡されてもよい。
【0066】
また、図4から距離検出手段12を省略した構成も取り得る。周囲色検出手段10は、撮像部19によって取得した周囲検出用画像に基づいて表示部2の周囲の色情報である周囲色情報200だけを検出してもよい。図4から距離検出手段12を省略した構成は、ユーザーの視点での表示部2とその周囲とを含む画像に基づいて色補正したいが、周囲距離情報までは考慮する必要がない簡易的な色補正システムに適している。
【0067】
図5(A)は、図4の本実施形態の変形例において、撮像部19が取得した周囲検出用画像402又は403の例を示す図である。この画像には、テレビ810、背景の壁811、カーテン813と観葉植物815が写っている。背景の壁811は、図2(A)の室内ライト814の影響で、左上側が明るく右下側が暗いグラデーションを有している。
【0068】
この図5(A)の周囲検出用画像402、403に基づいて、周囲色検出手段10はテレビ810の周囲色情報200を取得してパラメーター演算手段15へ出力する。しかし、テレビ810の周囲には複数の物が配置されている。そのため、パラメーター演算手段15は、どの物の色が表示画像に影響を及ぼすかを判断するデータも取得することが望ましい。距離検出手段12は、例えば、周囲検出用画像403上での水平方向の距離を測ってもよい。周囲の物又は色が水平軸に沿ってテレビ810からどれだけ離れているかを示す周囲距離情報201を測定し、パラメーター演算手段15へ出力する。
【0069】
図5(A)の例では、パラメーター演算手段15はテレビ810の右側では、カーテン813までの距離D2が観葉植物815の距離D3よりも近いために、カーテン813の色が出力画像に影響を与えやすいと判断することができる。例えばカーテン813の色が赤の場合、表示画像の右側の緑には補色対比が生じやすいため彩度を抑えて表示する等の色補正をしてもよい。また、図5(A)の例では、パラメーター演算手段15はテレビ810の左側では、画像の端からずっと壁811のみが存在する(D1)。ここで、例えば室内ライト814の影響で壁811が白色に近い灰色であるとすると、表示画像の左側の黒には明度対比が生じやすい。そこで、パラメーター演算手段15は、表示画像の左側の黒について輝度を上げる等の色補正がされるようにパラメーターを生成してもよい。なお、ここでは水平方向の周囲距離情報210について例示したが、パラメーター演算手段15は垂直方向に関しても同様の判断を行ってよい。
【0070】
図5(B)は、図5(A)と同じ周囲検出用画像402、403について、周囲色検出手段10と距離検出手段12が周囲色情報200と周囲距離情報201を測る別の方法の例である。図5(B)のように、テレビ810の表示画面を中心として近い順に、ZONE1、ZONE2、ZONE3のように領域を定め、各領域での周囲色情報200等を取得してもよい。距離検出手段12は、前記領域の数や範囲を周囲検出用画像毎に定めてもよい。なお、周囲色検出手段10と距離検出手段12は図外の内部信号を用いて連係して周囲色情報200と周囲距離情報201を取得してもよい。パラメーター演算手段15は、各領域に対して重み付けを行ってパラメーターを生成してもよい。
【0071】
3.第3実施形態
本発明の第3実施形態について図6〜図7を参照して説明する。なお、第1実施形態又は第2実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略し、主として相違点について説明する。
【0072】
図6は、本実施形態の色補正システム1Cのブロック図である。色補正システム1Cは、第2実施形態の構成に加えて表示制御手段17を含む。表示制御手段17には、ユーザーから入力選択信号300が入力される。本実施形態では、色補正手段11は表示制御手段17に対して複数の補正データである候補データ群102を出力する。色補正手段11は、パラメーター105を派生させて候補データ群102を生成してもよい。また、色補正手段11は、複数の補正データに対応したパラメーター105を受け取り、候補データ群102を生成してもよい。そして、表示制御手段17は、候補データ群102のサムネイル画像を表示部2に表示させたり、ユーザーが入力選択信号300によって選択した一の補正データに基づく画像を表示部2に表示させたりする。本実施形態によれば、第1実施形態又は第2実施形態と異なり、複数の候補データの中からユーザーが好みの画像を選択することができる。なお、表示制御手段17からの出力データ103は、ユーザーが一の画像を選択するまではサムネイルデータであって、選択後は選択された補正データであってもよい。
【0073】
ここで、人の目の生理的機能は個人差があり一律な処理が難しい場合がある。色補正手段11は、例えば過去の統計データを、色補色システム内外の記憶部等から、またはネットワーク経由で取得して、周囲色情報200や周囲距離情報201に基づいて適切な色補正を行うことが可能である。しかし、ユーザーの個人的嗜好や前記個人差を考慮するならば、ユーザーに最終的な出力画像を選択させる余地を持たせる方が、色補正システムとして好ましい。
【0074】
図7は、色補正システム1Cを含むテレビ810における選択画面の具体例である。第1のサムネイル817、第2のサムネイル818はそれぞれ、色補正手段11からの候補データ群102の各画像データに基づく表示である。この選択画面において、候補は2つとは限らないし、表示の仕方も図7の例と異なってもよい。選択カーソル819は、ユーザーからの入力選択信号300に基づいて、現在は第1のサムネイル817を選択していることを示している。ユーザーからの入力選択信号300は例えばテレビ810のリモコンが有するボタンに連動してもよい。
【0075】
ここで、例えば第1のサムネイル817は、統計データにおける全被験者の傾向に従って得られた補正データに基づく画像のサムネイルであってもよい。例えば第2のサムネイル818は、統計データにおけるユーザーと同年代、同性、同視聴環境などの特定対象者の傾向に従って得られた補正データに基づく画像のサムネイルであってもよい。そして、ユーザーが選択肢の一つを例えばリモコンの決定ボタン等を使って選択すると、選択された補正データに基づく画像が全画面表示されてもよい。本実施形態の色補正システム1Cによると、表示制御手段17を備えることにより、複数の補正された画像の選択肢からユーザーが一つを選択するというインタラクティブな機能を実現することができる。
【0076】
4.第4実施形態
本発明の第4実施形態について図7〜図9を参照して説明する。なお、第1〜第3実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略し、主として相違点について説明する。
【0077】
図7のテレビ810において、表示画面の周りには外枠820A〜820Dが存在する。これは、テレビ810に限らず、強度を得るために、一般の表示装置は表示部分の周りに外枠を有している。
【0078】
ここで、前記外枠の色は表示画像と無関係な単一色である場合が多く、表示画像に明度対比、彩度対比、色相対比、補色対比等の影響を与える可能性がある。また、表示画像に最も近いため、外枠820A〜820Dの幅がユーザーにとって無視できるほどに狭い場合を除き、前記影響を与える可能性が高い。そこで、本実施形態では、外枠の色や幅などの情報である外枠情報を考慮して色補正を行う。
【0079】
図8は、本実施形態の色補正システム1Dのブロック図である。色補正システム1Dは、外枠情報202を記憶する記憶手段21を含む。記憶手段21は、例えばROMやフラッシュメモリー等のメモリーでもよいが、これらに限らない。外枠情報202は、例えば色補正システム1Dを含む電子機器(例えばテレビ)の製造時や出荷時に記憶手段21に書き込まれることが好ましい。しかし、製造後又は出荷後に書き込まれてもよい。色補正手段11は、第3実施例のように周囲色情報200や周囲距離情報201だけを用いるのでなく、外枠情報202にも基づいて色補正を行う。これにより、出力画像に影響を与える可能性の高い外枠情報を考慮した色補正を行うことができる。
【0080】
図9は、本実施形態の変形例である色補正システム1Eのブロック図である。この変形例は、簡易で廉価な色補正システムを実現する。外枠の色は表示画像に最も近い周囲色となり得るため、これが人の目の生理的機能に対して最も影響を及ぼし、他の背景等の色は比較的影響が少ないと考えることもできる。この場合、図9のような、周囲色検出手段10や距離検出手段12を省略したシステムの構成があり得る。
【0081】
色補正システム1Eは、選択入力手段22からの外枠情報202Aだけに基づいて、パラメーター演算手段15がパラメーター105を演算する。ここで、選択入力手段22は少なくとも色情報を含む外枠の情報に対応して設定される。例えば、選択入力手段22はディップスイッチであり、表示部2を含む製品の製造時や出荷時に、外枠の色にあわせて値が設定されてもよい。選択入力手段22に応じて、例えば外枠の色が黒ならば外枠情報202Aの値が0となり、白ならば202Aの値が1となってもよい。
【0082】
この変形例において、選択入力手段22の代わりに図8の記憶手段21を用いてもよい。さらに、例えば表示部2を含む製品の外枠が1種類しかないような場合には、色補正システム1Eは選択入力手段22や他の記憶手段21を含まない構成であってもよい。すなわち特段の情報を要する事なく、パラメーター105の生成、又は補正データ101の生成が行われてもよい。また、別の例として、必要な外枠情報、パラメーター105がインターネット経由で取得されてもよい。
【0083】
この変形例では、撮像装置816や撮像部19は不要になるので、廉価な色補正システムを構成できる。
【0084】
5.電子機器
本発明の第1〜第4実施形態のいずれかの色補正システムを含む、テレビ以外の電子機器の例を図10(A)、図10(B)を参照にして説明する。
【0085】
図10(A)は、プロジェクターの図である。プロジェクターの画像は白色のスクリーンのみならず壁面に投影される場合も多い。この場合、投影画像は壁面の色によって全体的な影響(例えば、投影画像の輝度への影響)を受けるほか、人の目の生理的機能による影響も受け得る。
【0086】
例えば、図10(A)の左図では、プロジェクター821Aは白色の壁822Aに映像を投影し、図10(A)の右図では、プロジェクター821Bはプロジェクター821Aと全く同一の映像を濃い灰色の壁822Bに投影している。このような場合に、例えば、壁822Bに投影された画像の白い部分は、明度対比の影響でより白っぽく見えるかもしれない。このような場合に、第1〜第4の実施形態のいずれかの色補正システムによって、色補正を行えば、濃い灰色の壁822Bに投影する場合でも、白色の壁822Aに投影するのと同様のイメージ等を視聴者に感じさせることができる。
【0087】
図10(B)は、プリンター823の図である。プリンター823で印刷されたポスター等の印刷物は、図10(B)の左図のように白色の壁824Aに貼付されることもあれば、図10(B)の右図のように濃い灰色の壁824Bに貼付されることもある。この場合、印刷物の内容は全く同じであっても、人の目の生理的機能による影響を受けて、貼り付けた壁の色によってポスター等の画像の印象が異なる場合があり得る。そこで、例えば貼り付ける壁の色を周囲色情報としてプリンター823に入力し、プリンター823が有する第1〜第4の実施形態のいずれかの色補正システムによって色補正を行えばよい。色補正を行えば、濃い灰色の壁824Bに貼付する場合でも、白色の壁824Aに貼付するのと同様のイメージ等を視聴者に感じさせることができる。
【0088】
6.色補正方法
第1実施形態における色補正システム1に対応する色補正方法について図11を参照して説明する。なお、この色補正方法は、色補正回路のようなハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェア(コンピュータープログラム)によって実現されてもよい。
【0089】
図11は、前記色補正方法を示すフローチャートである。まず、色補正システムは周囲色情報を検出する(S1)。そして、周囲色情報に基づいて入力画像データの表示色の補正に必要なパラメーターを演算する(S2)。その後、前記パラメーターに基づいて前記補正データを作成する(S3)。このようにして補正されたデータ(補正データ)は、表示部2によって表示される。
【0090】
これらの例示に限らず、本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0091】
1…色補正システム、1A…色補正システム、1B…色補正システム、1C…色補正システム、1D…色補正システム、1E…色補正システム、2…表示部、10…周囲色検出手段、11…色補正手段、12…距離検出手段、15…パラメーター演算手段、17…表示制御手段、19…撮像部、21…記憶手段、22…選択入力手段、30…リモコン、100…入力画像データ、101…補正データ、102…候補データ群、103…出力データ、105…パラメーター、200…周囲色情報、201…周囲距離情報、202…外枠情報、202A…外枠情報、300…入力選択信号、400…撮影要求信号、402…周囲検出用画像、403…周囲検出用画像、810…テレビ受像機、811…壁、812…窓、813…カーテン、814…室内ライト、815…観葉植物、816…撮像装置、817…第1のサムネイル、818…第2のサムネイル、819…選択カーソル、820A〜820D…外枠、821A〜821B…プロジェクター、822A〜822B…壁、823…プリンター、824A〜824B…壁、1000〜1003…テスト画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像データの表示色を補正した補正データに基づく画像を表示部に表示させるための色補正システムであって、
前記表示部の周囲の色情報である周囲色情報を検出する周囲色検出手段と、
前記周囲色情報に基づいて前記入力画像データの表示色の補正に必要なパラメーターを演算するパラメーター演算手段と、
を備える色補正システム。
【請求項2】
請求項1に記載の色補正システムにおいて、
前記表示部とその周囲との距離である周囲距離情報を検出する距離検出手段を備え、
前記パラメーター演算手段は、
前記周囲色情報および前記周囲距離情報に基づいて前記パラメーターを演算する色補正システム。
【請求項3】
請求項2に記載の色補正システムにおいて、
前記距離検出手段は、
前記表示部とその周囲とを含む画像に基づいて、前記周囲距離情報を検出する色補正システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の色補正システムにおいて、
撮像部を備え、
前記撮像部は、
ユーザーが所定の操作を行うことにより、前記表示部とその周囲とを含む画像である周囲検出用画像を撮影し、
前記周囲色検出手段は、
前記周囲検出用画像に基づいて前記周囲色情報を検出し、
前記パラメーター演算手段は、
少なくとも前記周囲色情報に基づいて前記パラメーターを演算する色補正システム。
【請求項5】
請求項4に記載の色補正システムにおいて、
少なくとも前記撮像部、前記周囲色検出手段、および前記パラメーター演算手段はリモコンに設けられている色補正システム。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれかに記載の色補正システムにおいて、
少なくとも色情報を含む表示部の外枠の情報を記憶する記憶手段を備え、
前記パラメーター演算手段は、
前記外枠の情報にも基づいて前記パラメーターを演算する色補正システム。
【請求項7】
入力画像データの表示色を補正した補正データに基づく画像を表示部に表示させるための色補正システムであって、
前記表示部の外枠の情報に基づいて前記入力画像データの表示色の補正に必要なパラメーターを演算するパラメーター演算手段を備える色補正システム。
【請求項8】
請求項7に記載の色補正システムにおいて、
少なくとも色情報を含む前記外枠の情報を記憶する記憶手段を備え、
前記パラメーター演算手段は、
前記外枠の情報に基づいて前記パラメーターを演算する色補正システム。
【請求項9】
請求項7に記載の色補正システムにおいて、
少なくとも色情報を含む前記外枠の情報に対応した選択入力手段を備え、
前記パラメーター演算手段は、
前記外枠の情報に基づいて前記パラメーターを演算する色補正システム。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の色補正システムにおいて、
前記パラメーターに基づいて前記補正データを作成する色補正手段を備える色補正システム。
【請求項11】
請求項10に記載の色補正システムにおいて、
ユーザーの選択を受け付け、複数の前記補正データである候補データ群から前記ユーザーの選択に基づいて一の前記補正データを表示部に表示させる表示制御手段を備え、
前記色補正手段において、
前記候補データ群を作成する色補正システム。
【請求項12】
入力画像データの表示色を補正した補正データに基づく画像を表示部に表示させるための色補正方法であって、
前記表示部の周囲の色情報である周囲色情報を検出するステップと、
前記周囲色情報に基づいて前記入力画像データの表示色の補正に必要なパラメーターを演算するステップと、
前記パラメーターに基づいて前記補正データを作成するステップと、
を含む色補正方法。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図2】
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【図5】
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【図7】
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【図10】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−188167(P2011−188167A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50186(P2010−50186)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】