説明

芳香族ポリエステルアミド酸溶液、芳香族ポリエステルイミドフィルム及びこれを用いた回路基板。

【課題】 複合シートとして用いられる芳香族ポリエステルイミドフィルムを提供する。
【解決手段】 芳香族テトラカルボン酸又はその誘導体からなる芳香族テトラカルボン酸成分と、芳香族ビスオキサゾリン又はその誘導体からなる芳香族ビスオキサゾリン成分とを重合させた芳香族ポリエステルアミド酸を、5〜40重量%の濃度で有機性溶媒中に溶解したことを特徴とする芳香族ポリエステルアミド酸溶液。及び上記芳香族ポリエステルアミド酸から得られる芳香族ポリエステルイミドフィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香族ポリエステルイミドフィルムを製造するために用いる芳香族ポリエステルアミド酸溶液の組成に関する。より詳細には、芳香族ポリエステルイミドフィルム上に金属配線を形成した回路基板において、良好な物理特性を有するように構成した芳香族ポリエステルイミドフィルムを製造するための芳香族ポリエステルアミド酸溶液の組成に関する。
【背景技術】
【0002】
芳香族ポリエステルイミドフィルムは、電子機器等の基板に用いられる。具体的には、フィルム上に銅箔をパターニングして形成した金属配線とともに積層形成されて複合シートとして用いられる。この金属配線は、基板上に搭載された半導体装置や容量素子といった各種の電子部品を電気的に接続するために用いられる。
【0003】
また、芳香族ポリエステルイミドフィルムは、その柔軟な特性から、磁気テープにおいて用いられることもある。このような芳香族ポリエステルイミドフィルムは、芳香族ポリエステルアミド酸溶液を用いて製造される。
【0004】
【特許文献1】特開平1−132623号公報
【特許文献2】特開平2−32129号公報
【特許文献3】特開昭60−137927号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
芳香族ポリエステルイミドフィルムは、電子回路基板等に用いると以下のような問題が生じる。それは、芳香族ポリエステルイミドフィルムと、その上に形成された金属配線との熱膨張率の違いにより、加熱した際に、電子回路基板が丸く縮まるという問題である。具体的には、電子回路基板が芳香族ポリエステルイミドフィルムと金属配線との積層によって構成された複合シートである場合、芳香族ポリエステルイミドフィルムの熱膨張率が金属配線のそれよりも大きいため、前者がより大きく膨張し、その結果、金属配線が形成された側を内側として、複合シートが丸く縮まってしまう。
【0006】
さらに、芳香族ポリエステルイミドフィルムは、吸湿性、機械強度、耐熱性及び柔軟性の各点において、必ずしも満足な特性を呈しないことがある。したがって、このような芳香族ポリエステルイミドフィルムを用いて製造された複合シートは、電子材料として、工業規模で有利に用いることが困難であった。
【0007】
そこで、本発明は、上記芳香族ポリエステルイミドフィルムの問題点をより低減させた新規な芳香族ポリエステルイミドフィルム、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、新規な芳香族ポリエステルイミドフィルム、及びその製造方法により、加熱下での変形を抑えた回路基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態においては、芳香族テトラカルボン酸又はその誘導体からなる芳香族テトラカルボン酸成分と、芳香族ビスオキサゾリン又はその誘導体からなる芳香族ビスオキサゾリン成分とを重合させた芳香族ポリエステルアミド酸を、5〜40重量%の濃度で有機性溶媒中に溶解したことを特徴とする芳香族ポリエステルアミド酸溶液組成が提供される。
【0010】
前記芳香族テトラカルボン酸成分は、15〜85モル%の下記式[I]で示されるビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸又はその誘導体であることが望ましい。また、前記芳香族テトラカルボン酸成分が、15〜85モル%の下記式[II]で示されるベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸又はその誘導体であってもよい。さらに、前記芳香族ビスオキサゾリン成分が、下記式[III]で示される1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン又はその誘導体を含んでもよい。
【化18】

【化19】

【化20】

【0011】
芳香族ポリエステルアミド酸溶液は、回転粘度が0.1〜50,000P(ポアズ)の範囲であることが望ましい。
【0012】
また、本発明の一実施形態においては、芳香族テトラカルボン酸又はその誘導体からなる芳香族テトラカルボン酸成分と、実質的に等モルの芳香族ビスオキサゾリン又はその誘導体からなる芳香族ビスオキサゾリン成分とを重合させて形成した下記式[IV]で示される芳香族ポリエステルイミドフィルムが提供される。
【化21】

【0013】
前記芳香族テトラカルボン酸成分は、15〜85モル%のビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸又はその誘導体であることが望ましい。また、前記芳香族テトラカルボン酸成分は、15〜85モル%のベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸はその誘導体であってもよい。さらに、前記芳香族ビスオキサゾリン成分は、1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン又はその誘導体を含んでもよい。
【0014】
また、本発明の一実施形態においては、芳香族テトラカルボン酸又はその誘導体からなる芳香族テトラカルボン酸成分と、実質的に等モルの芳香族ビスオキサゾリン又はその誘導体からなる芳香族ビスオキサゾリン成分とを重合させて形成した芳香族ポリエステルイミドフィルムと、前記芳香族ポリエステルイミドフィルム上に形成された金属配線とを具備することを特徴とする回路基板が提供される。
【0015】
前記芳香族テトラカルボン酸成分は、15〜85モル%のビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸又はその誘導体であることが望ましい。前記芳香族テトラカルボン酸成分は、15〜85モル%のベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸はその誘導体であってもよい。
【0016】
前記芳香族ビスオキサゾリン成分は、1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン又はその誘導体を含んでもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の芳香族ポリエステルアミド酸溶液は、溶液注型法(溶液を型に注入して重合させるフィルムの製造方法)により容易に芳香族ポリエステルイミドフィルムへと成型され得る。さらに、この溶液から得られる芳香族ポリエステルイミドフィルムは、比較的金属配線の熱膨張係数に近い小さな熱膨張係数を持つので、このような芳香族ポリエステルイミドフィルムを金属配線と積層させて製造した電子回路用基板は、加熱下においても、丸く縮まる恐れが低い。さらに、上述の方法を用いて得られた芳香族ポリエステルイミドフィルムは、機械強度が比較的高く、さらに、柔軟性も富んでいる。
【0018】
したがって、このような芳香族ポリエステルアミド酸溶液ないし芳香族ポリエステルイミドフィルムを用いて製造された複合シートは、電子材料として、工業規模で有利に用いることが可能となる。
【0019】
さらに、このような芳香族ポリエステルアミド酸溶液を用いて形成された芳香族ポリエステルイミドフィルムは、比較的高い二次転移温度を持つので、このフィルムを用いて形成された回路用基板がハンダ付け工程その他の加工工程においては、約300℃までの高温にさらされても、特に問題は起こらず、さらに、優れた耐熱性を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を実施するための最良の形態を以下に詳述する。
【0021】
本発明において用いられる芳香族ポリエステルアミド酸は、実質的に等モルの、芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ビスオキサゾリン成分とを含む。芳香族テトラカルボン酸成分は、15〜85モル%、好ましくは20〜85モル%の下記式[I]で示されるビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸又はその誘導体であることが望ましい。また、芳香族テトラカルボン酸成分は、15〜85モル%、好ましくは15〜80モル%の下記式[II]で示されるベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸又はその誘導体を含んでも良い。芳香族ビスオキサゾリン成分は30〜100モル%、好ましくは0〜100モル%の下記式[III]で示される1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼンであることが望ましい。
【化22】

【化23】

【化24】

【0022】
このような芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ビスオキサゾリン成分とを重合することにより高分子量の芳香族ポリエステルアミド酸が得られる。これを加熱又は他の方法によりイミド化し、架橋することにより、下記式[IV]で示される芳香族ポリエステルイミドフィルムが得られることは後述する。
【化25】

【0023】
もしも芳香族テトラカルボン酸成分におけるビフェニルテトラカルボン酸の割合が15モル%よりも低ければ、得られた芳香族ポリエステルアミド酸から形成される芳香族ポリエステルイミドフィルムの熱膨張係数は高くなり、機械的強度(破壊引張伸耐性)が低くなる。その結果、この芳香族ポリエステルイミドフィルムを用いて形成された複合シートは、柔軟性に乏しくなる。
【0024】
もしも芳香族テトラカルボン酸成分におけるビフェニルテトラカルボン酸の割合が85モル%よりも高ければ、形成された芳香族ポリエステルイミドフィルムの二次転移温度は300℃よりも低くなる。芳香族テトラカルボン酸成分においては、ビフェニルテトラカルボン酸とベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸の合計量が約100モル%であることが望ましい。
【0025】
しかしながら、前述のテトラカルボン酸の成分のそれぞれの部分が、前記テトラカルボン酸成分の全量と比較して、約5モル%程度まで他の芳香族テトラカルボン酸により代えられてもよい。
【0026】
このようにして得られた芳香族ポリイミドフィルムの特性を実験的に測定したところ、芳香族テトラカルボン酸成分は、25〜85モル%のビフェニルテトラカルボン酸であることが適切である。また、芳香族テトラカルボン酸成分は15〜75モル%のベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸を含んでもよい。
【0027】
本発明において用いられるビフェニルテトラカルボン酸及びその誘導体の好ましい例としては、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸及びその誘導体、3,3 ’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸及びその誘導体、及びこれらの酸の低級アルコールエステルが挙げられる。
【0028】
ベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸及びその誘導体の好ましい例としては、ベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸及びその誘導体、及びその低級アルコールエステルが挙げられる。
【0029】
芳香族テトラカルボン酸成分の一部として用いられる他のテトラカルボン酸の好ましい例としては、3,3’,4,4’−ベンゾフェノン−テトラカルボン酸及びその誘導体、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン ジアンヒドリド、及びビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル ジアンヒドリドが挙げられる。
【0030】
本発明に用いられるフェニレンビスオキサゾリンとして好ましい例としては、1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ビフェニル、及び1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ナフタレンが挙げられる。
【0031】
この芳香族ポリエステルアミド酸は、0.5g/100mLのポリマー濃度を持つN−メチル−2−ピロリドン溶液について30℃で決定した対数粘度数を約0.1〜約5に調製し、より好ましくは、約0.2〜約3に相当する高い分子量を持つポリマーとして調製する。ポリマーは、主鎖の結合としてアミド酸結合を持ち、非プロトン性極性溶媒に可溶である。このポリエステルアミド酸が加熱又は他の方法によりイミド化されるとき、基本的にイミド結合から成る熱抵抗芳香族ポリイミドが得られる。
【0032】
本発明において用いられる芳香族ポリエステルアミド酸は、重合温度が好ましくは100℃未満、より好ましくは80℃未満となるように調整される。所望の高分子量に到達させるために、有機極性溶媒中で約0.2〜約60時間、実質的に等モルの上述の芳香族テトラカルボン酸成分及び芳香族ビスオキサゾリン成分を重合することにより調製される。
【0033】
上述の重合過程において、重合は、通常、バッチ式でなされる。等モルのテトラカルボン酸成分及びビスオキサゾリン成分が同時に供給されるような連続的工程によって行われてもよい。しかしながら、個々のモノマー成分は、等モルが同時に用いられるだけでなく、両成分が最終的に等モルになるように時間毎に異なった割合で異なった回数で投入されてもよい。
【0034】
上述の調製過程において、完全に等モルのテトラカルボン酸成分及びビスオキサゾリン成分が用いられることは必須ではない。分子量を調整するために、2つの成分の一つは、3モル%まで、より好ましくは1モル%程度まで過剰に用いられてもよい。
【0035】
大気圧下において、300℃未満、より好ましくは250℃未満の沸点を持つ有機極性溶媒が、上述の重合過程における有機極性溶媒として用いられることが好ましい。
【0036】
そのような有機溶媒は、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホン等が望ましい。
【0037】
これらの有機極性溶媒は、ベンゼン、トルエン、ベンゾニトリル、キシレン、ソルベントナフサ、及びジオキサンのような他の有機溶媒との混合物の形で用いられてもよい。
【0038】
本発明の芳香族ポリエステルアミド酸溶液組成は、上述の方法で準備調製され、特定の芳香族ポリエステルアミド酸が5〜40重量%、好ましくは5〜35重量%、なお好ましくは7〜30重量%の濃度で有機溶媒中に溶解された溶液組成である。
【0039】
本発明の溶液組成は、前記重合反応液体から上述の方法で準備された芳香族ポリエステルアミド酸を分離し有機極性溶媒中に分離されたポリマーを溶解することにより準備調製されてもよい。
【0040】
また、芳香族ポリエステルアミド酸の準備調製のための上述の過程においては、重合溶媒として用いられる溶液組成を利用する際に、前述した溶媒を用いても良い。すなわち、個々のモノマーがこの有機極性溶媒中で重合され、本発明の溶液組成が前記芳香族ポリエステルアミド酸の直接の分離なしに形成されてもよい。
【0041】
溶液組成の取扱いの容易さを比較検討した結果、回転粘度、すなわち、回転粘度計を用いて30℃で測定した溶液粘度は、約0.1〜約50,000ポアズである。しかし、より好ましくは、約0.5〜約30,000ポアズ、さらに好ましくは約1〜約20,000ポアズである。
【0042】
芳香族ポリエステルイミドフィルムは、例えば、上述の芳香族ポリエステルアミド酸溶液組成が適当なベース(金属、セラミック又はプラスチックロール、金属ベルト、又は金属フィルムテープが供給されたロール又はベルト等)の表面に約10〜約2000μm、より好ましくは約30〜約1000μmの均一な厚みを持つ溶液組成フィルムを連続的に形成される。このベース上において、フィルムから溶媒を蒸発させることによりフィルムを乾燥させ、また、フィルムを凝固させること。そのため、大気圧又は減圧下で約50〜約500℃の範囲の温度で徐々に加熱し、ポリエステルアミド酸が凝固されたフィルムは、高温下でイミド化度が少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%になるようにイミド化(イミド環が環化)される。その結果、約0.5〜約300μm、好ましくは1〜200μmの厚みを持つ芳香族ポリイミドフィルムが得られる。
【0043】
100〜300℃の範囲の温度で本発明の芳香族ポリイミドフィルムの平均熱膨張係数は、比較的小さく、銅及びその合金、及び鉄、ニッケル、コバルト、クロム、及びそれらの合金(例えば、鋼鉄、ニッケル鋼、クロム鋼、及び磁性金属)のような金属の熱膨張係数に近い。したがって、金属配線層と本発明の芳香族ポリイミドフィルムの層とを含む複合シートは、準備調製工程又は他の工程において加熱されても丸く縮まらず、それゆえ、この複合シートは、柔軟性のあるプリント配線基板(銅クラッド層)として有利に用いることができる。
【0044】
本発明の芳香族ポリイミドフィルムは、少なくとも約20kg/mmの引張強度を持つ。ビフェニルテトラカルボン酸が20モル%以上であれば、25kg/mmの引張強度を持つ。また、少なくとも約20%の展性及び約300〜約900kg/mmの弾性率といった優れた機械的特性を持つ。また、ビフェニルテトラカルボン酸が80モル%以下であれば、約300℃の高い二次転移温度、及び約400℃の高い熱分解開始温度といった優れた熱的特性を持つ。したがって、本発明の芳香族ポリイミドフィルムは、電子回路基板用途に用いることが好適である。
【0045】
上述の芳香族ポリエステルアミド酸の準備過程において、上述のモノマー成分が適当に選択された割合で用いられるならば、(a)1.0〜10−5〜3.0×10−5cm/cm/℃、特には約1.2×10−5〜約2.8×10−5cm/cm/℃の熱膨張係数、(b)300℃より高い、好ましくは305℃〜600℃、より好ましくは310℃〜550℃の二次転移温度、(c)300〜900kg/mm、特には約350〜700kg/mmの弾性率、(d)少なくとも20%、特には約40〜約120%の伸びを持つ芳香族ポリイミドフィルムを得ることができる。これらの特性を持つ前記芳香族ポリイミドは、十分な機械的強度及び熱的特性を持つ。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の芳香族ポリエステルイミドフィルムは、種々の機械的及び熱的特性においてバランスがとれており、特に、通常の金属フィルムに近い熱膨張率、比較的高い二次転移温度、及び優れた電気的絶縁特性を持つ。したがって、本発明の芳香族ポリイミドフィルムは、電気又は電子材料の金属フィルム層のための保護被覆フィルム又は支持フィルムとして有用である。特には、本発明の芳香族ポリイミドフィルムは、柔軟性のあるプリント配線基盤又は磁気テープの支持フィルム層として有利に用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族テトラカルボン酸又はその誘導体からなる芳香族テトラカルボン酸成分と、芳香族ビスオキサゾリン又はその誘導体からなる芳香族ビスオキサゾリン成分とを重合させた芳香族ポリエステルアミド酸を、5〜40重量%の濃度で有機性溶媒中に溶解したことを特徴とする芳香族ポリエステルアミド酸溶液組成。
【請求項2】
前記芳香族テトラカルボン酸成分に、15〜85モル%の下記式[I]で示されるビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸又はその誘導体を含むことを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリエステルアミド酸溶液。
【化1】

【請求項3】
前記芳香族テトラカルボン酸成分に、15〜85モル%の下記式[II]で示されるベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸はその誘導体を含むことを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリエステルアミド酸溶液。
【化2】

【請求項4】
前記芳香族ビスオキサゾリン成分に、下記式[III]で示される1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン又はその誘導体を含むことを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリエステルアミド酸溶液。
【化3】

【請求項5】
前記芳香族ビスオキサゾリン成分に、下記式[III]で示される1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン又はその誘導体を含むことを特徴とする請求項2記載の芳香族ポリエステルアミド酸溶液。
【化4】

【請求項6】
前記芳香族ビスオキサゾリン成分に、下記式[III]で示される1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン又はその誘導体を含むことを特徴とする請求項3記載の芳香族ポリエステルアミド酸溶液。
【化5】

【請求項7】
回転粘度が0.1〜50,000P(ポアズ)の範囲であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の芳香族ポリエステルアミド酸溶液。
【請求項8】
芳香族テトラカルボン酸又はその誘導体からなる芳香族テトラカルボン酸成分と、実質的に等モルの芳香族ビスオキサゾリン又はその誘導体からなる芳香族ビスオキサゾリン成分とを重合させて形成した下記式[IV]で示される芳香族ポリエステルイミドフィルム。
【化6】

【請求項9】
前記芳香族テトラカルボン酸成分に、15〜85モル%の下記式[I]で示されるビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸又はその誘導体を含むことを特徴とする請求項8記載の芳香族ポリエステルイミドフィルム。
【化7】

【請求項10】
前記芳香族テトラカルボン酸成分に、15〜85モル%の下記式[II]で示されるベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸はその誘導体を含むことを特徴とする請求項8記載の芳香族ポリエステルイミドフィルム。
【化8】

【請求項11】
前記芳香族ビスオキサゾリン成分に、下記式[III]で示される1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン又はその誘導体を含むことを特徴とする請求項8記載の芳香族ポリエステルイミドフィルム。
【化9】

【請求項12】
前記芳香族ビスオキサゾリン成分に、下記式[III]で示される1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン又はその誘導体を含むことを特徴とする請求項9記載の芳香族ポリエステルイミドフィルム。
【化10】

【請求項13】
前記芳香族ビスオキサゾリン成分に、下記式[III]で示される1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン又はその誘導体を含むことを特徴とする請求項10記載の芳香族ポリエステルイミドフィルム。
【化11】

【請求項14】
芳香族テトラカルボン酸又はその誘導体からなる芳香族テトラカルボン酸成分と、実質的に等モルの芳香族ビスオキサゾリン又はその誘導体からなる芳香族ビスオキサゾリン成分とを重合させて形成した下記式[IV]で示される芳香族ポリエステルイミドフィルムと、
前記芳香族ポリエステルイミドフィルム上に形成された金属配線と
を具備することを特徴とする回路基板。
【化12】

【請求項15】
前記芳香族テトラカルボン酸成分が、15〜85モル%の下記式[I]で示されるビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸又はその誘導体であることを特徴とする請求項14記載の回路基板。
【化13】

【請求項16】
前記芳香族テトラカルボン酸成分が、15〜85モル%の下記式[II]で示されるベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸はその誘導体を含むことを特徴とする請求項14記載の回路基板。
【化14】

【請求項17】
前記芳香族ビスオキサゾリン成分が、下記式[III]で示される1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン又はその誘導体を含むことを特徴とする請求項14記載の回路基板。
【化15】

【請求項18】
前記芳香族ビスオキサゾリン成分が、下記式[III]で示される1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン又はその誘導体を含むことを特徴とする請求項15記載の回路基板。
【化16】

【請求項19】
前記芳香族ビスオキサゾリン成分が、下記式[III]で示される1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン又はその誘導体を含むことを特徴とする請求項16記載の回路基板。
【化17】


【公開番号】特開2007−262367(P2007−262367A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−93084(P2006−93084)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(306008805)WITTY JAPAN 株式会社 (3)
【Fターム(参考)】