説明

草刈作業機

【課題】ヒッチ部材を形状変更せずに、草刈作業を行う草刈作業部のオフセット方向の可動範囲を拡大する。
【解決手段】装着部102は、草刈作業機101をトラクタ501に連結する。草刈作業部103は、複数の刈刃124が設けられた水平回転軸123と、水平回転軸123の端部に位置する側板122とを含む。オフセット機構部104は、装着部102と草刈作業部103とを連結し、草刈作業部103を水平回転軸123の軸心方向に移動可能にする。水平回転軸123は、刈刃駆動用入力軸132により入力されるトラクタ501からの動力によって、軸回り回転する。刈刃駆動用入力軸132は、側板122よりも草刈作業部103の外側に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタに装着され、草刈作業に用いられる草刈作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トラクタに装着され、草刈作業に用いられる草刈作業機の発明が開示されている(例えば、特許文献1に記載の農作業機)。
【0003】
特許文献1には、「作業機本体1」が「トラクタ取付けフレーム2に対して第1平行リンク21と第2平行リンク22の一対の平行リンクにて連結され、左右回動用電動シリンダ30と回動リンク23にて左右方向に回動自在に支持されている」点、及び、「回動軸6を中心として上下方向に回動可能に軸支されており、…、本体部回動用電動シリンダ31の伸縮によって上下回動可能に支持されている」点の記載がある。特許文献1によれば、「作業機本体1をトラクタの後方で作業する状態と進行方向右側にオフセットさせて作業する状態とに変更可能で、」「オフセットさせた状態では…作業機本体1は…水平位置から上方へ約90度、下方へ約55度回動可能に構成されている」とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−268685号公報
【特許文献2】特開平08−116714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
トラクタが走行すると、刈取り前の草がトラクタのタイヤに踏み倒される。そして、草刈作業機をトラクタの後方に位置させると、草刈作業機が踏み倒された草を刈り取れず、刈り残しが生じることがある。他方、トラクタの進行方向に対する草刈作業機のオフセット量を大きくするほど、刈り残しが生じにくくなる。
【0006】
ところで、特許文献2には、トラクタの三点リンク機構1のヒッチ部2に作業機4を連結することの記載がある。ヒッチ部材2は、「三点リンク機構1を構成する前記ロアリンク15とトップリンク17との後端部間に亘って枢着24,25される正面視門形状」をなし、「中央上部にトップフック3を有し、左右両側下部にロアフック7を有する」もので、トラクタと作業機4との連結に用いられる。ヒッチ部材は様々な用途の作業機を接続可能にするために規格化されているという実情があり、形状変更が難しい。
【0007】
ここで、特許文献1には、農作業機が伝導シャフト20を有することの記載がある。伝導シャフト20は、Vベルトなどの伝動手段に動力を入力する伝動軸10とトラクタのPTO軸とを連結するものである。また、特許文献1の図3及び図4には、伝導シャフト20とトラクタ取付けフレーム2(ヒッチ部材2に相当)との平面視での位置関係が示されている。また、特許文献1の図5には、後方側から見たトラクタ取付けフレーム2が示されている。特許文献1の図3、図4及び図5の記載によれば、伝導シャフト20の動きがトラクタ取付けフレーム2によって制限される。即ち、特許文献1の農作業機では、作業機本体1の可動範囲が規制されてしまう。
【0008】
本発明の目的は、ヒッチ部材を形状変更せずに、草刈作業を行う草刈作業部のオフセット方向の可動範囲を拡大することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の草刈作業機は、(a)トラクタに連結するための装着部と、(b)複数の刈刃が設けられた水平回転軸と前記水平回転軸の端部に位置する側板とを含む草刈作業部と、(c)前記装着部と前記草刈作業部とを連結し、前記草刈作業部を前記水平回転軸の軸心方向に移動可能にするオフセット機構部と、(d)前記側板よりも前記草刈作業部の外側に位置し、前記トラクタからの前記水平回転軸を軸回り回転させるための動力が入力される刈刃駆動用入力軸と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、刈刃駆動用入力軸や水平回転軸を軸回り回転させる構成要素(刈刃駆動部)が草刈作業部の外側に位置することで、重量バランスの点から、オフセット機構部による草刈作業部の保持位置から草刈作業部における刈刃駆動用入力軸とは反対側の端部までの長さを長く取ることができる。したがって、ヒッチ部材を形状変更せずに、草刈作業を行う草刈作業部のオフセット方向の可動範囲を拡大できる。さらに、草刈作業部の保持位置の近傍に上下回動の回動中心を設けて草刈作業部を上下回動自在にし、トラクタの側方でトラクタの走行面から下方に傾斜する傾斜面の草刈作業にも適用できるようにした場合、重量バランスの点から、上下回動の回動中心位置を刈刃駆動用入力軸に近づけて、傾斜面の草刈作業の作業領域幅を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】草刈作業機の側面図である。
【図2】草刈作業機の平面図である。
【図3】草刈作業部の内部構造を示す側面図である。
【図4】草刈作業機の内部構造を示す平面図である。
【図5】草刈作業部がオフセットされた状態にある草刈作業機の平面図である。
【図6】草刈作業部を前方側から見た図である。
【図7】草刈作業部を下方に傾斜する傾斜面に沿わせた状態にある草刈作業機を後方側から見た図である。
【図8】スタンドに保持された状態にある草刈作業機の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の一形態を、図1ないし図8に基づいて説明する。図1は、草刈作業機101の側面図である。図2は、草刈作業機101の平面図である。草刈作業機101は、農地等の草刈作業に用いられる。草刈作業機101は、トラクタ501の後方側に設けられた三点リンク機構502に装着されて使用される。
【0013】
三点リンク機構502は、トラクタ501に備わる二つの後方タイヤ503の間に位置し、トップリンク504と、左右一対のロアリンク505と、トラクタ501の操縦者による操作に応じてロアリンク505を上下回動させるリフトアーム(図示せず)とで構成され、これらの草刈作業機101側にはクイックヒッチ506が連結されている。クイックヒッチ506は、逆U字状をなし、左右のロアリンク505の後端部とトップリンク504の後端部とを繋いでいる(図7も参照)。なお、図1では、トラクタ501を構成する要素を一点鎖線で示している。また、図2では、トラクタ501に備わる一部の要素のみを図示している。
【0014】
クイックヒッチ506におけるトップリンク504の後端部の近傍の箇所には、トップフック507が設けられる。トップフック507は、クイックヒッチ506の中央上部から後方に突出する。トップフック507は、トップピン113(後述)を掬い上げることでこのトップピン113と係合できる。クイックヒッチ506における一対のロアリンク505のそれぞれの後端部の近傍の箇所には、ロアフック508が設けられる。ロアフック508は、クイックヒッチ506の左右両下端部のそれぞれから後方に突出する。ロアフック508は、可動爪508Aを有する。可動爪508Aは、ロアピン114(後述)を挟み込むことができる。クイックヒッチ506には、可動爪508Aを動かすためのレバー509が設けられる。レバー509を動かすと、ロアフック508とロアピン114との係合が解除される。
【0015】
草刈作業機101は、装着部102と、草刈作業部103と、オフセット機構部104と、傾斜機構部104Aと、固定軸105Aと、ユニバーサルジョイント105Bとを備える。
【0016】
装着部102は、草刈作業機101とトラクタ501との連結に用いられる。装着部102は、マストフレーム体111と、二つのロワーフレーム体112を有する。マストフレーム体111は、草刈作業機101の前方側上方に突出する。マストフレーム体111の前方側の先端部には、トップピン113が設けられる。ロワーフレーム体112は、草刈作業機101の幅方向に並び、いずれも草刈作業機101の下方前方側に突出する。いずれのロワーフレーム体112の前方側の先端部にも、ロアピン114が設けられる。トップピン113及びロアピン114は、クイックヒッチ506のトップフック507及びロアフック508と係合する。
【0017】
図3は、草刈作業部103の内部構造を示す側面図である。図4は、草刈作業機101の内部構造を示す平面図である。図1から図4を参照する。草刈作業部103は、ロータカバー121と、二枚の側板122と、水平回転軸123と、複数の刈刃124と、刈刃駆動部131と、刈刃駆動用入力軸132と、ローラ部103Aとを備える。
【0018】
ロータカバー121は、草刈作業機101の幅方向に長い部材で、装着部102よりも下方かつ後方側に位置し、水平回転軸123の上方に位置して水平回転軸123を覆う。ロータカバー121の前端部及び後端部のそれぞれからは、揺動自在のフロントプレート125が垂下する。側板122は、ロータカバー121の幅方向の両端部に連結し、トラクタ501の前後方向に平行に延びる。側板122には、スタンド取付部122Aが設けられる。スタンド取付部122Aには、スタンド551(図8参照)が取り付けられる。水平回転軸123は、トラクタ501の前後方向に直交し水平に延びる円筒状の部材である。水平回転軸123は、両端部を側板122に支持され、軸回り方向に回転自在となっている。刈刃124は、側板122の間に位置し、水平回転軸123の外周面にブラケット126を介して取り付けられ、水平回転軸123から放射状に延び、ブラケット126に対して揺動自在に取付けられる。
【0019】
ローラ部103Aは、ローラブラケット103Bに取付けられる。このローラブラケット103Bは、側板122において水平回転軸123の取付箇所よりも下方かつ後方側に取り付けられる。ローラ部103Aは、水平回転軸123と平行に延び、ローラ部103A自身の軸回り方向に回動自在にローラブラケット103Bに保持される。
【0020】
刈刃駆動部131は、草刈作業部103において側板122よりも外側に位置する。刈刃駆動部131は、第1プーリ133と、第2プーリ134と、ベルト135と、カバー136とを有する。第1プーリ133は、水平回転軸123と同軸で側板122よりも外側に位置する。第2プーリ134は、水平回転軸123よりも上方かつ後方側に位置し、ベベルギア軸137(後述)と同軸である。ベルト135は、第1プーリ133と第2プーリ134とに掛け渡される。カバー136は、第1プーリ133と第2プーリ134とベルト135とを収納する。
【0021】
ベベルギア軸137は、ケース139から草刈作業部103方向に突出する。ケース139の内側に位置するベベルギア軸137の先端には、ベベルギア群138が配置される。ベベルギア群138は、ケース139に覆われる。ケース139からは、刈刃駆動用入力軸132が、草刈作業機101の前方側に突出する。即ち、刈刃駆動用入力軸132は、草刈作業部103において側板122よりも外側に位置する。刈刃駆動用入力軸132に入力された動力は、ベベルギア群138、第2プーリ134、ベルト135及び第1プーリ133を介して水平回転軸123に伝わり、水平回転軸123を軸回りに回転させる。
【0022】
図5は、草刈作業部103がオフセットされた状態にある草刈作業機101の平面図である。図1、図2及び図5を参照する。オフセット機構部104は、装着部102と草刈作業部103とを連結し、草刈作業部103を水平回転軸123の軸心方向(草刈作業機101の幅方向)に移動可能にする。オフセット機構部104は、二本のスイングフレーム141と、シリンダ142と、保持ブラケット143と、シリンダガード144とを有する。
【0023】
二本のスイングフレーム141は、いずれも、その前端部を装着部102に水平回動自在に連結され、装着部102から後方側に平行に延びる。シリンダ142は、その両端部を装着部102とスイングフレーム141の中腹部分とに連結され、水平回動自在となっている。シリンダ142は、配線(図示せず)を介してトラクタ501から給電を受けて伸縮し、スイングフレーム141を水平回動させる。保持ブラケット143は、草刈作業部103のロータカバー121の前側面に位置し、保持ブラケット143から草刈作業機101の後方側に延びる回動軸143Aを中心としてその軸回り方向に回動自在に草刈作業部103に連結される。保持ブラケット143は、二本のスイングフレーム141の後端部を水平回動自在に保持する。シリンダガード144は、シリンダ142の上方に位置し、シリンダ142を覆う。二本のスイングフレーム141が平行に設けられることで、草刈作業部103が草刈作業機101の幅方向に動いても、草刈作業部103は、平面視においてトラクタ501の進行方向に直交した姿勢を維持できる。
【0024】
図6は、草刈作業部103を前方側から見た図である。図1、図2及び図6に基づいて、傾斜機構部104Aについて説明する。傾斜機構部104Aは、回動軸143Aを回動中心として草刈作業部103を上下回動させる。傾斜機構部104Aは、回動アーム151と、シリンダ152と、シリンダカバー153とを有する。
【0025】
回動アーム151は、一方の端部が保持ブラケット143に回動自在に連結され、他方の端部がシリンダ152の一方の端部に回動自在に連結される。シリンダ152の他方の端部は、草刈作業部103のロータカバー121における保持ブラケット143から幅方向に離れた箇所に回動自在に連結される。シリンダカバー153は、シリンダ152の上方に位置してシリンダ152を覆う。シリンダ142は、配線(図示せず)を介してトラクタ501から給電を受けて伸縮し、草刈作業部103を上下回動させる。
【0026】
図1、図4及び図5を参照する。トラクタ501の後方側には、PTO軸510が設けられる。PTO軸510には、ユニバーサルジョイント511の前端部が取り付けられる。このユニバーサルジョイント511は、伸縮自在である。ユニバーサルジョイント511の後端部は、前後方向においてクイックヒッチ506の近傍で、前方側から見てクイックヒッチ506のなす逆U字状の内側の近傍(装着部側)箇所に位置付けられる。
【0027】
装着部102には、固定軸105Aと固定軸カバー105Cとが取り付けられる。固定軸105Aは、ロワーフレーム体112において草刈作業機101の幅方向の略中央の箇所且つ前後方向においても略中央に位置し、前後方向に突出する。固定軸105Aは、ベアリング105Aaによって軸回り方向に回動自在となっているものの、ロワーフレーム体112に対して変位しない。固定軸105Aの前端部には、ユニバーサルジョイント511の後端部が連結される。固定軸カバー105Cは、固定軸105Aの前端部の上方に位置し、この前端部を覆う。
【0028】
ユニバーサルジョイント105Bは、伸縮自在である。ユニバーサルジョイント105Bの前端部は、固定軸105Aの後端部に連結する。ユニバーサルジョイント105Bの後端部は、刈刃駆動用入力軸132に連結する。ユニバーサルジョイント105Bと刈刃駆動用入力軸132との連結箇所の上方には、ジョイントカバー105Dが設けられる。
【0029】
草刈作業機101を用いて接地面GLに対する草刈作業を行う場合、トラクタ501の操縦者は、トラクタ501を操作して三点リンク機構502を動かし、トップフック507とトップピン113とを連結し、ロアフック508とロアピン114とを連結する。また、ユニバーサルジョイント511を、固定軸105Aの前端部に連結する。また、トラクタ501からシリンダ142,152への配線(図示せず)を繋ぐ。トラクタ501での操作によりPTO軸510が回転駆動すると、この回転駆動力が、トラクタ501のPTO軸510から、ユニバーサルジョイント511、固定軸105A、ユニバーサルジョイント105Bを介して刈刃駆動用入力軸132に入力され、水平回転軸123を軸回り回転させる。この状態で、トラクタ501が前方に走行すると、接地面GLに生えた草が刈刃124により刈り取られる。ローラ部103Aにより刈取り高さが一定に保たれる。
【0030】
シリンダ142を駆動させると、草刈作業部103は、草刈作業部103の幅方向に動く。また、シリンダ152を駆動させると、草刈作業部103は、上下回動する。
【0031】
上述の構成を有する草刈作業機101では、ヒッチ部材を形状変更せずに、草刈作業を行う草刈作業部のオフセット方向の可動範囲を拡大でき、草刈作業の効率化を図ることができる。即ち、草刈作業機101では、刈刃駆動用入力軸132が、草刈作業部103の外側に位置し、重量バランスの点から、保持ブラケット143を草刈作業部103の刈刃駆動部131側の端部側に寄せて配置できる。このため、保持ブラケット143から草刈作業部103における刈刃駆動部131とは反対側の端部までの長さL(図7参照)を、従来の草刈作業機よりも長く取ることができる。本実施の形態では、刈刃駆動用入力軸132が、ベベルギア群138、ケース139及び刈刃駆動部131よりも草刈作業部103の外側に位置するので、重量バランスの点で一層有利であり、長さLを長く設定することができる。
【0032】
また、トラクタ501のPTO軸510から刈刃駆動用入力軸132への動力は、直線状の動力伝達軸ではなく、固定軸105Aやユニバーサルジョイント105Bを用いた屈曲した経路で伝達される。このため、動力伝達経路がクイックヒッチ506の内側を通るように構成されていても、クイックヒッチ506によるユニバーサルジョイント105Bの動きの制限が無い。この点からも、保持ブラケット143から草刈作業部103における刈刃駆動部131とは反対側の端部までの長さLを、従来の草刈作業機よりも長く取ることができる。
【0033】
図7は、草刈作業部103を下方に傾斜する傾斜面GCに沿わせた状態にある草刈作業機101を後方側から見た図である。図6及び図7を参照する。本実施の形態の草刈作業機101は、平坦な接地面GLの縁GBから下方に傾斜する傾斜面GCに対して草刈作業機101を用いて草刈作業を行う場合にも重量バランスの点から有利であり、草刈作業部103の上下回動の回動軸143Aを刈刃駆動用入力軸132に近づけて、傾斜面GCの草刈作業の作業領域幅を大きくすることができる。即ち、後方タイヤ503の一方を縁GBの近傍に位置付け、草刈作業機101をオフセットさせ、かつ、回動軸143Aを中心に草刈作業機101を上下回動させて草刈作業機101を傾斜面GCに添わせる。このような状態でトラクタ501を縁GBに沿う方向に走行させると、傾斜面GCに生えた草は刈刃124(図3及び図4参照)により刈り取られる。そして、本実施の形態の草刈作業機101では、長さL(保持ブラケット143から草刈作業部103における刈刃駆動部131とは反対側の端部までの距離)を多くとることができ、草刈作業部103による傾斜面GCへの作業領域幅Mが大きくなる。
【0034】
図8は、スタンド551に保持された状態にある草刈作業機101の側面図である。本実施の形態では、スタンド551を用いて、トラクタ501との連結が解除された状態の草刈作業機101を接地面GLから浮かせた状態で保持できる。スタンド551は、接地面GLに載置された状態で使用されるもので、接地面GLに沿う基部552と、基部552に取り付けられるキャスタ553と、基部552から傾斜して上方に延びるスタンドアーム554とを有する。草刈作業部103に設けられるスタンド取付部122Aの断面形状は、スタンドアーム554の断面形状と同じである。
【0035】
草刈作業機101をスタンド551に保持させる場合、トラクタ501での操作によってトラクタ501に草刈作業機101が装着された状態で三点リンク機構502を動かし、草刈作業機101の後方側を持ち上げる。続いて、スタンド取付部122Aにスタンドアーム554を装着し、これら両方にピン(図示せず)を挿通する。続いて、トラクタ501での操作によって三点リンク機構502を動かしてスタンド551を接地面GLに載置させる。続いて、さらに三点リンク機構502を動かし、クイックヒッチ506と装着部102との連結を解除する。詳細には、トップフック507とトップピン113との連結、及び、ロアフック508とロアピン114との連結を解除する。また、ユニバーサルジョイント511と固定軸105A(図4参照)との連結も解除する。
【0036】
本実施の形態では、草刈作業機101を接地面GLから浮かせた状態で保持できるようにして、非作業時に接地面GLに接したままでいることによる草刈作業部103の破損や腐食を防ぎ、また、非作業時にオフセット機構部104やユニバーサルジョイント105Bにかかる草刈作業部103の重さを軽減することができる。さらに、クイックヒッチ506に装着(係合)させるときの草刈作業機101の姿勢を保持できる。
【符号の説明】
【0037】
101 草刈作業機
102 装着部
103 草刈作業部
104 オフセット機構部
105A 固定軸
105B ユニバーサルジョイント
122 側板
122A スタンド取付部
123 水平回転軸
124 刈刃
131 刈刃駆動部
132 刈刃駆動用入力軸
501 トラクタ
551 スタンド
GL 接地面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクタに連結するための装着部と、
複数の刈刃が設けられた水平回転軸と前記水平回転軸の端部に位置する側板とを含む草刈作業部と、
前記装着部と前記草刈作業部とを連結し、前記草刈作業部を前記水平回転軸の軸心方向に移動可能にするオフセット機構部と、
前記側板よりも前記草刈作業部の外側に位置し、前記トラクタからの前記水平回転軸を軸回り回転させるための動力が入力される刈刃駆動用入力軸と、
を備える草刈作業機。
【請求項2】
前記トラクタから前記刈刃駆動用入力軸への動力の伝達には、前記装着部に設けられ前記トラクタからの動力が入力される固定軸と、前記固定軸と前記刈刃駆動用入力軸とを連結するユニバーサルジョイントとが用いられる、
請求項1記載の草刈作業機。
【請求項3】
前記刈刃駆動用入力軸に入力された動力によって前記水平回転軸を軸回り回転させる刈刃駆動部が、前記側板よりも前記草刈作業部の外側に位置し、
前記刈刃駆動用入力軸は、前記刈刃駆動部よりも前記草刈作業部の外側に位置する、
請求項1又は2記載の草刈作業機。
【請求項4】
前記装着部は、前記トラクタ側に設けられたクイックヒッチに連結され、
前記草刈作業部は、前記トラクタとの連結が解除された状態の前記草刈作業部を接地面から浮かせて保持するスタンドを取付けるためのスタンド取付部を含む、
請求項1から3のいずれか一に記載の草刈作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−191864(P2012−191864A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56536(P2011−56536)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000171746)株式会社ササキコーポレーション (192)
【Fターム(参考)】