説明

草質材発酵風呂

【課題】 砂風呂形式の固体細粒風呂として、従来の檜のオガ屑が浴用の基材として用いられているが、栄養源を加えて発酵させた場合発酵熱の持続時間が短く、頻回栄養源の補給を必要とし、また使用後の浴材は肥料に適さない。
【解決手段】 木材に代えてリグニンに富む草質材を用いその破砕物に微生物の栄養源を加えて発酵させた発酵物を風呂の浴材とする草質材発酵風呂。
【効果】 発酵熱の持続時間が長いので栄養源の補給回数が少なくてよく、又入浴による健康増進効果が従来の技術よりも向上する。使用後の浴材は優れた肥料となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は草質材の細片を用いた砂風呂形式の風呂に関する。
【背景技術】
【0002】
【非特許文献1】倉持正美、現代農業十二月号104−108頁 1999年12月1日発行
【特許文献1】特開昭61−265141号公報 暖めた砂を浴材とし、身体を砂で被って温める砂風呂は古代から行われて来た一種の風呂であり入浴法であるが、近時檜のオガ屑に米ヌカ、糖蜜等を加えて発酵させ、発酵熱で温めたオガ屑を浴材として砂の代りに用いる風呂(いわゆる酵素風呂)が注目されるようになった(非特許文献1、特許文献1)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この酵素風呂においては、一般のオガ屑はその繊維が身体に突き刺ささりやすく使用に適しないので、檜のオガ屑が用いられている。しかし、檜オガ屑は高価で入手困難であり、また腐敗、分解し難いので肥料として農地に戻すのは適当でない。又、檜のオガ屑自体には発酵菌にとっての栄養分が無いために発酵による加熱が持続せず浴温が下がってしまうので頻繁に栄養源の補給を要する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題解決の為本発明者は、多くの試行錯誤を経て本発明に到達するに至った。
【0005】
本発明はリグニンに富む草質材破砕物の発酵物を砂風呂形式の風呂の浴材とする草質材発酵風呂に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によればオガ屑を主体とする場合に比べ、発酵熱の持続時間が長いので微生物の栄養源を補給する回数を減らすことができ、使用後の廃浴材は優れた肥料とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
リグニンに富む草質材としては例えば、トウモロコシの芯(コーンコブ)、豆穀、稲藁、パガス、落花生穀、綿実カス、ソバ殻、麦皮、モミ殻、ビートモス、リグニンに富む草質材を成分とする培地にキノコを栽培した場合に生ずる廃培地等の農業廃棄物やコーヒー滓、ビール粕、野菜屑等の食品廃棄物が挙げられ、これらは入手し易い。
【0008】
本発明者の研究の結果、上記に例示した材料中、例えばトウモロコシの芯は、リグニンに富み、なおかつ微生物の活動に必要な栄養も豊富であり、微生物の住み家としての発酵用基材として、極めて適している事が分かった。この芯は元来農業廃棄物である為、生産現地での価格は低いが、カサ張るため輸送コストが高価となる為原価は上昇する。また、粉砕した場合、大粒の粉砕物は硬化しているので直接肌に触れると、刺激が強過ぎる為に柔らかく加工する必要がある。それらの問題を同時に解決させる為、トウモロコシの芯を粉砕し、50kg/cm2以上の圧力で、圧縮加工すると組織が破壊され柔らかくなるので、2分の1〜3分の1の容積に圧縮し、緩く固形化した圧縮物を輸送する事により、大幅な輸送コストの削減も可能となる。
【0009】
草質材に含まれるリグニンはオガ屑のような木質材のリグニンとは異なる。例えば、トウモロコシの場合は単年性の、草質性リグニンで木質系特有の自衛本能によるシアンやタール等の有害物質の含有は極めて少ない。永年性木質系の植物は永年の生存を維持する為に、木質部に関しては、菌にも侵害されず、又動物に対しては、食害から守る為の有害物質を多く含有する。したがって、発酵浴の浴材が主として木材のオガ屑である場合には使用後の廃浴材の利用の面で支障を生じ易い。しかしながら、浴材全体に対するオガ屑の比率が乾燥物としての重量比で30%以下の少量であるならば、必要に応じて、オガ屑を浴材に加えてもよい。
【0010】
本発明の発酵風呂の発酵基材は、有害物質の含まれないリグニンに富む草質基材であれば、いずれでも良く、出来る限り多種類の材料が混在していた方がより効果が高まる。
【0011】
コストの削減の面からしても最も理想的な形態はキノコ栽培後の廃培地を本発明の発酵基材又は浴材とする事である。キノコの培地栽培において培地として用いられるのは、現在殆どの場合リグニンに富む草質材破砕物であり、その例としてコーンコブ、豆殻、稲藁、バカス、落花生殻、綿実カス、ソバから、麦皮、モミガラ、ピートモス等であり、栽培の栄養源として米ヌカ、オカラ、フスマ、高梁やモロコシの実等から出るカス類、海藻類、その他ミネラル源としてかき殻、Mg玉子殻等が上げられる。これらの材料はもちろん、キノコの生育に必要なものであるが、人の健康にとっても必要なもので、有害物質は含まれない。又エノキ茸栽培の廃培地は通常水分が非常に少なく50%以下であるので利用しやすい。
【0012】
本発明においては、リグニンに富む草質材の破砕物を、必要に応じて水分調整の下に発酵される。発酵は、例えば酵母菌、麹菌、納豆菌などの食品用種菌を添加して行うのがよい。
【0013】
キノコの生産工場で培地のかき出し直後、人間にとって有益な上記の食品用種菌を添加する。かき出し直後に種菌を添加すると、他の雑菌が混入しない為に純粋な上記の食用菌による増殖が開始される。そして、残存するキノコ菌と、種菌の働きによって雑菌の繁殖を食い止める事が出来る。雑菌は、空気感染する為に出来るだけキノコ菌が活動出来る現地で、かき出し直後に加工する事が望ましい。
【0014】
好ましい発酵温度は菌によって異なる。例えば麹菌の場合は50℃、納豆菌を利用する場合は65℃が適温である。酵母菌は、高温に弱く35℃以上では活動は停止するが、発酵物は、常に違った温度層がある為に高温発酵の中でも、各菌の適温層の中で活発に活動を開始して増殖を続けることができる。
【0015】
上記経過の中で前1週間は、2日に一度の切り返しを行う発酵工程として、後1週間は発酵を兼ねた乾燥工程とし、2週間で水分含有量を15%まで落とし完成品とする。その完成品は、次の発酵の種菌としても利用出来る。又それは酵母、麹菌、納豆菌などの添加と同様に草質材破砕物に添加し、発酵させてもよい。
【0016】
上記のような発酵工程の中で出来た発酵物はそのまま入浴場に届け、現地において水分調整をして使用することができる。主体とする菌によって適当な水分比率は異なり、30〜75%の範囲にあるが、最適とする比率は、40〜50%である。キノコ栽培の廃培地を草質材として用いるときは栽培の過程の中で栄養源を補給してある為に新たに栄養物を加えなくても良く発酵し発熱する。もちろん種菌添加の必要は無い。
【0017】
水分調整して温度が上昇した発酵物を長さ1.9m、幅1m、深さ0.7mの浴槽を2つ準備し、その1つに深さ40cmまで敷き詰める、その上に全身を被う浴衣を、身につ
けた入浴者が横たわり、更に他の発熱した発酵物を、温度調整しながら顔だけ残して順次かけて行く。体の上に10〜20cmの厚さに被い首から下、全身を埋める。15〜30分間その状態で、全身の汗を搾り出し体中の老廃物を放出させる。同時に必要な酵素やミネラルが、汗腺を通して体中に取り入れられ、血行を促進させ、内臓機能の働きを増進させると考えられる。
【0018】
キノコの廃培地の活用は、合理的コスト削減効果のみでなく、そのキノコ菌がかもし出す酵素の働きは、想像を超える健康増進効果があると、昨今報道されている。しかしながら現在流通している物は、キノコそのものであり食品として摂取することによる免疫力の向上を計り、それによって健康を回復させる事になる。しかし、それでは菌の出す酵素の働きを有効活用する事が出来ない。廃培地こそキノコ菌の酵素の凝集物であり、本体のキノコ以上に健康増進には価値のあるものである。しかしながら廃培地は、口から直接摂取するには臭気、味等の面で難題を残すが、本発明によって解決出来る。
【0019】
健康を増進させて病気を治す為に酵素や栄養を取り入れる事も大切であるが、もう一つ大切な事はミネラル分の補給である。海水は太古の時代から地球上の数多くのミネラルを融かし出し、融合させ蓄積している。そのミネラルの結晶物である天然塩を、酵素風呂に0.1〜15%好ましくは2〜5%(乾燥物の重量比)添加する事により発酵速度が促進され、より多くのミネラル分が、体内に吸収され免疫力が上がり治療効果が高まる。又温度が上がり過ぎた場合は、塩分を多めに入れ発酵温度を抑える事も出来る。
【0020】
リグニンに富む草質材の中で、最も本発明に適すると思われる素材はトウモロコシの芯である。他の基材を使う場合にも、必ずトウモロコシの芯の粉砕物は全体乾物比重20%以上配合する方が良い発酵をし、有害菌による腐敗発酵への移行を防ぐ効果がある。有害菌による発酵は悪臭を伴い、人にとっては有害な作用をする。
【0021】
トウモロコシの芯を物理的化学的に最も微生物が好む環境条件を与える為の加工方法は、カサ比重が0.15〜0.35、粒度4〜60メッシュに、粉砕加工する事である。
【0022】
トウモロコシの芯の粉砕物は、圧縮加工して組織を破壊して柔らかくする事により吸水性が上昇し、菌の活動が活性化する。同時に入浴者の肌に対しても抵抗感が無くなり入浴者の違和感から来るストレスを、解消させる事が出来る。粉砕物を圧縮して結着する時の圧力は50kg/cm2以上の圧力を加えて行うのが良い。圧力の上限が実用上約500kg/cm2程度であるが、圧力の加え方等による機械の種類によって更に高い圧力を加えても良い。50kg/cm2未満の圧力では、組織が壊されない為吸水性が向上しない。吸水性が悪いと水分調整が難しい為に良い発酵が期待出来ない。好ましい圧力は150〜300kg/cm2である。又粉砕物を圧縮する時、栄養剤の混合も可能であり、圧縮固形化により原材料の酸化防止となりキノコ生産者や酵素風呂で直接使用する人達に対して、コストの低減や混合する時に発生する粉塵公害の防止となる。
【0023】
発酵風呂の発酵過程の中で炭、土、セラミック材、カニ殻、エビ殻などのキチン質、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、ビタミン等の成分を高濃度含有する原料を添加し、微生物とその酵素の働きで人体に浸透しやすくする事によって更に湯治効果、健康増進効果を高めても良い。
【0024】
発酵風呂の使用において、二つの浴槽を交互に使用する事により、浴材の切り返しを浴槽の交換と同時に出来る。2〜3日に一度はそっくり切り返す。何度か使用していると、温度が下がって来る。55℃以下になった場合水分を補給する。水分は、45〜50%にする。水分を補給される事によって微生物が活動を開始し温度が上昇する。水分が多過ぎると発酵温度が上昇し過ぎ70℃を超える。出来る限り温度は65℃以下が理想である
。水分を補給しても温度が上がらない場合は、元の発酵浴材5kg、米ヌカ15kgを混合し、水分調整をする事により温度が上昇する。更に繰り返しの使用で、温度が上がりにくくなった場合新しい材料と入れ替える。頻繁に使用する場合2ヶ月、少ない場合6ヶ月位を限界とするのがよい。又、入浴材全体のカサ比重(乾物)が重過ぎると入浴者の心臓の負担になるばかりでなく、浴材が酸素不足になるので発酵が進まない。反対に軽過ぎると浴材が乾燥し過ぎるためやはり発酵不良となる。条件によっても異なるが、入浴材全体のカサ比重(乾物)は一般に0.15−0.45の範囲に調整するのがよく、その発酵後のカサ比重(乾物)は0.25−0.35であるのが好ましい。
【0025】
なお本発明におけるカサ比重は、次の様な方法で測定したものである。試料を105℃の乾燥機で完全乾燥し、200ccのメッシュシリンダーに軽く充填し、上下の軽い打撃振動を100回行いこの時の重量を基準にして算出する。
【実施例1】
【0026】
トウモロコシの芯の粉砕物250kgと、汚染の無い山土の表土30kgに米ヌカ100kg、及び糖蜜10kgを配合したものに、ビール酵母菌を添加し水分50%に調整して好気性発酵を行った。2日に一度ずつ7回切り返して、14日間で全体に菌が回り68℃に昇温した発酵物を浴槽に入れ砂風呂の形式で、入浴者の首から下を発酵物中に埋めた。各症状を持った下記の4名の患者に2日に一度の間隔で、1ヶ月間一回につき20分間入浴してもらった。結果は表1,2の通りである。
【0027】
A氏(60歳)男 血行障害により高脂血症動脈硬化で手足が痺れ関節が痛み、まったく正座が出来ない。
B氏(61歳)男 糖尿病で関節が痛み正座出来ない。しかも非常に疲れやすい。
C氏(48歳)女 頚管ポリープ、乳腺症による胸の痛み、便秘症及び低血圧で冷え症に悩む。
D氏(54歳)男 大腸ポリープ手術後3年、腹痛、下痢、軟便の繰り返し、水虫がひどい。
【0028】
【表1】

【0029】
【表2】

【0030】
上表からも明らかな様に、本治療法によって高過ぎるコレステロール及び中性脂肪を分解し、血流を促進し、尿酸値を下げる効果が特に顕著に現れ、健康増進効果がある事が理解出来る。
【実施例2】
【0031】
カサ比重0.25、粒度6〜55メッシュに粉砕したトウモロコシの芯150kgを180kg/cm2の圧力で圧縮し、幅40cm、長さ75cm、厚さ20cm、固形物を
作りキノコ生産地まで輸送して米ヌカ60kg、フスマ20kg、綿実カス5kg、ビール粕10kg、オカラ10kg、カキ殻10kg、セラミック炭5kg、玉子殻5kg、カニ殻3kg、海草2kg、ミネラル活性剤他4kgを混合し水分を67%に調整し、エノキ茸を栽培した。収穫直後その廃培地に森林の表土(深さ10〜15cm)から分離採集した土壌菌を入れ、水分48%の下に好気性発酵を行い、2日に一度切り返し8日で45%に落とし、浴材を作った。それに海水から取った天然塩10kgを混合して、浴槽に移し痛風で関節部が腫れ上がって痛み苦しんでいる患者に、毎日15分間1ヶ月間継続して使用してもらった。天然塩の添加により発酵温度は、70℃にはならず適温65℃に収まった。結果は下記の通りである。
【0032】
【表3】

【0033】
・粉砕物の比重を調整して圧縮した事によって菌が活性化し、より分解が進み実施例1における入浴材として、そのまま使用出来る。原料の発酵時間は14日から8日間に短縮された。
・尿酸値、総コレステロール値、血糖値とも大幅に下がり体調も好転した。
【実施例3】
【0034】
栽培試験面積400坪の前年根コブ病で全滅した試験地100坪単位の4区(A,B,C,D)に分け各区化学肥料を施し白菜を作付けして、根コブ病の発症試験を行った。結果は次の通りである。
A区 実施例1で使用済の廃浴材500kg/100坪
B区 実施例2で使用済の廃浴材500kg/100坪
C区 慣用法による檜オガ屑使用の廃浴材500kg/100坪
D区 根コブ病防除農薬フロンサイト(全農)使用10kg/100坪
【0035】
【表4】

【0036】
・以上の結果からC区のオガ屑区は全滅状態であるが、A区B区の試験区は殆ど病気の発生を抑える事が出来た。B区はキノコ菌の分泌物の酵素の働きが加味されたのか品質・収量とも最高となった。又D区は農薬の規定量の2倍散布したが、病気が発生し収量が激減した。
【実施例4】
【0037】
米ヌカ30%、フスマ10%、オカラ(乾)5%の栄養剤に50%のトウモロコシの芯
と5%の各種ミネラル(活性剤)を配合した培地を水分68%に調整し、エノキ茸を栽培した。その廃培池(水分50%)にパン酵母菌を添加し、発酵させた入浴材をA区とし、対照として檜材のオガ屑70%、米ヌカ30%を入れて同じ酵母菌を入れ発酵させた入浴材をB区とする。A区・B区それぞれを雑菌が入らず温度が下がらない様に管理して3ヶ月間発酵熟成させ、次の様に入浴試験を行った。
【0038】
血行障害から手、足の痺れ、関節の痛み等の障害に苦しむC氏、D氏、E氏、F氏、G氏、H氏の6人に各区3人ずつ同等な障害の2班に分かれ1回に30分間、1日置きに5回入浴してもらい試験を行った。結果は下記の通りである。
【0039】
【表5】

【0040】
A区B区共それぞれ効果は有るが、特にA区は短時間で殆どの痛みが取れ回復している事がわかる。又、管理の為B区は3日に一度栄養源を加えないと温度が上がらなくなる。A区は水分調整のみで栄養源の補給は必要無い。更にB区は水分50%以下になると温度が下がるがA区は35%でも発熱を続ける。よって、低水分でも発熱する為エネルギーのコストが低い。
【産業上の利用可能性】
【0041】
使用済の発酵物は、旧来のオガ屑使用の物とは異なり究極の有機質肥料とも言える。それは腐敗発酵で熟成されたアンモニア系の堆肥ではなく、人間の体内の血液を通じて、浄化排出された排泄物を有益菌で発酵させた、アミノ酸系の植物にとっては、最高級な栄養物となる。その使用済み発酵物は、化学肥料のような即効性の効果があるのみでなく、農薬や化学肥料の多投によって起こった、土壌障害からもたらされた数多くの病害菌や虫も、排除されている。更にその発酵物は、ダイオキシンを強力に分解し無毒化する。又その発酵物は、強い消臭作用を有し、消臭剤としてトイレ、蓄舎等に散布する事が出来る。又調理場のグリストラップに投入して油脂分を分解し洗浄し或いは下水道や浄化槽の洗浄剤として用いる事が出来る。
【0042】
本発明における溶材を長期間使用して塩分の含有量が概ね5%より多くなった廃溶材はそのままでは肥料としての使用に適さない。しかし、堆肥や有機性廃棄物の発酵用種材として少量の添加でも秀れた効果を発揮する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リグニンに富む草質材破砕物の発酵物を砂風呂形式の風呂の浴材とする草質材発酵風呂。
【請求項2】
リグニンに富む草質材はトウモロコシの芯であり、その破砕物に微生物の栄養源を加え、発酵、昇温させた発酵物を浴材とする請求項1記載の発酵風呂。
【請求項3】
リグニンに富む草質材の破砕物に微生物の栄養源を加え、水分を30−75%に調整して発酵させた発酵物を浴材とする請求項1又は2記載の発酵風呂。
【請求項4】
リグニンに富む草質材はキノコ栽培の廃培地であり、それを発酵させ、40−70℃に昇温した発酵物を浴材とする請求項1,2又は3記載の草質材発酵風呂。
【請求項5】
天然塩又はそれに含有されるミネラルを0.1〜15%(乾燥物の重量比)を添加混合して発酵させる請求項1,2,3又は4記載の発酵風呂。
【請求項6】
発酵が麹菌、酵母菌、及び/又は納豆菌の添加の下に行われる請求項1,2,3,4又は5記載の発酵風呂。
【請求項7】
リグニンに富む草質材破砕物よりなる砂風呂形式の風呂の浴材用基材。
【請求項8】
リグニンに富む草質材の破砕物を主体とする発酵浴材の全体のカサ比重が乾物で0.15−0.45に調整された砂風呂形式の風呂の浴材用基材。
【請求項9】
草質材破砕物がカサ比重0.15−0.35(乾燥物の重量比)に調整されたトウモロコシの芯の粉砕物である請求項7又は8記載の浴材用基材。
【請求項10】
草質材がキノコの培地栽培で生ずる廃培地である請求項7,8又は9記載の浴材用基材。
【請求項11】
キノコ栽培の廃培地の発酵物を浴材として砂風呂形式に入浴することを特徴とする活力増進又は湯治法。
【請求項12】
高過ぎる血糖値、総コレステロール値、中性脂肪値又は尿酸値を入浴により低下させる請求項11記載の湯治法。
【請求項13】
請求項1,2又は11における浴材として使用後の発酵物よりなる肥料或は有機性廃棄物の発酵用種材。
【請求項14】
リグニンに富む草質材に木材のオガ屑が配合され、微生物の栄養源を加えて発酵させ、浴材全体に対するオガ屑の比率が乾燥物としての重量比で30%以下に調整された発酵風呂用浴材。

【公開番号】特開2006−89474(P2006−89474A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−245367(P2005−245367)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(000209832)
【Fターム(参考)】