説明

荷電ビーム装置、及び荷電ビーム装置の画像表示方法

【課題】低高両倍率の観察画像を短い更新時間で安定して高い自由度で表示できるものとし、良好な操作性で高倍率とする所望の観察位置を素早く探査可能とする。
【解決手段】入力装置30で指定された試料上の走査領域を電子線で2次元走査し、走査領域からの荷電粒子を検出して電子線の走査信号と同期させて画像表示装置40に観察画像を表示する走査電子顕微鏡において、制御装置100は、試料の第1走査領域における所定倍率の第1観察画像を取得し、画像表示装置の第1ウインドウに前記第1観察画像を表示し、入力装置30で、第1観察画像中における位置及び領域を指定して第2走査領域を設定し、第2走査領域の前記第1倍率より大きな倍率の第2観察像を取得し、画像表示装置40に第2観察画像を描画する第2ウインドウを、第1ウインドウの表示と合成して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走査型電子顕微鏡、半導体検査装置、マスク検査装置などの荷電ビーム装置及び荷電ビーム装置の画像方法に係り、特に異なる倍率の2つの観察画像を画像表示の1画面に表示することができる荷電ビーム装置、及び荷電ビーム装置の画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上述した荷電ビーム装置の一種である走査電子顕微鏡は、収束させた電子ビームを試料上の観察領域で2次元走査し、この電子ビームに起因して試料から発生した2次電子等を検出器で検出し、この検出器からの信号と電子ビームの走査信号とに基づいて画像データを作成し、注目する観察領域の拡大観察画像を得るものである。このような走査電子顕微鏡では、電子ビームの通路に配置した偏向コイルを制御して、試料上での走査領域の大きさを変更することで所望の倍率の拡大像を得ることができる。
【0003】
試料の注目する観察領域の高倍率の拡大画像を得るためには、観察しようとする倍率(高倍率)より低い倍率(低倍率)の観察像を予め表示して、試料装置、又は、試料上の電子ビームの走査範囲を移動して低倍率の観察像中で高倍率の観察像を得る観察領域を探す。そして、観察領域を決定した後、決定した観察領域の中央位置が観察像の中央になるよう走査領域を設定し、電子顕微鏡の倍率を徐々に高倍率にしていき、最終的に所望領域の所望倍率の拡大画像を得るようにしている。
【0004】
ここで、このような走査電子顕微鏡での観察に際しては、低倍率での観察領域の探査、及び高倍率での観察という一連の操作だけで所望の観察画像を得ることができるとは限らず、低倍率で試料装置等を操作して観察領域部分を探しながら倍率を上げるという操作を繰り返すことが多く、観察に多大な時間を要している。
【0005】
さらに、シリコンウエハーのように大きな試料の場合には、広大な試料面から微少な観察領域を特定するのはより困難になる。また、試料を試料台に載置して機械的に移動させる場合には試料台をわずかに操作しただけで観察個所は大きく移動するため、観察個所の設定はより難しくなる。さらに、試料を傾斜して観察する場合には、傾斜させることにより画像が傾斜させない場合と大きく変化してしまうことがあり、観察領域の特定はさらに難しいものとなる。
【0006】
これに対処するため、荷電ビーム装置として、画像表示装置に低倍率の画像と高倍率の画像とを同時に表示するもの提案されている。特許文献1には、試料に照射ビームを照射し、その照射ビームを走査する手段と、上記走査の範囲を複数段に繰り返し変える手段と、上記複数倍率にわたる走査によって得られるそれぞれの試料信号を検出する手段と、上記それぞれの試料検出信号に基づく複数の試料像を独立に同時に表示する手段とを備え、2台の表示装置や、表示画面を半分ずつに分けた2つの表示領域に、異なる倍率の画像を表示する電子ビーム装置が記載されている。
【0007】
また、特許文献2には、試料の第1の領域を照射線で走査する手段と、それによって上記第1の領域から得られる情報を検出する手段と、その検出された情報信号に基づいて上記第1の領域の第1の像を表示し、かつこの試料走査中に同時に上記第1の領域中の第2の領域を、それに対応する上記第1の像中の部分に拡大された第2の像として表示する手段とを備えた荷電ビーム装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特公昭46−24459号公報
【特許文献2】特公昭53−40478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載のものは、低倍率及び高倍率の画像を通常の同等の画像品質(大きさ、解像度)で表示するために1画面を表示するための2倍の画像更新時間がかかる他、高低の両画面の表示位置が固定されており、操作者は視線を変えて2つの画面を見比べながら操作を行う必要があり操作性がよくないという問題がある。
【0010】
また、特許文献2に記載のものは、高倍画像の2つの倍率の画像を取り込むのに水平走査中にその電子線の走査軌跡を変化させるため、軌跡変化の始点と終点で過度的なオーバーシュートやアンダーシュートが発生し、画像の歪が大きく実用性に乏しいという問題がある。
【0011】
そして、特許文献1及び特許文献2に記載の技術は、当時の画像表示技術では通常の観察と同等の画像品質を保つのが困難である他、装置が複雑になり操作性にも難があり、その後普及しなかった。
【0012】
そこで、本発明は、低高両倍率の観察画像を短い更新時間で安定して得ることができ、高倍率の観察画像を高い自由度で表示することができる共に、良好な操作性で高倍率とする所望の観察位置を素早く探査できる荷電ビーム装置、及び荷電ビーム装置の画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するため、請求項1の発明は、荷電ビームを発生する荷電ビーム源と、前記荷電ビームを走査信号に基づいて試料上の走査領域で2次元走査する偏向コイルと、前記走査信号を出力する走査制御装置と、前記試料からの荷電粒子を検出して検出信号を出力する検出器と、画像信号に基づいて観察画像を表示する表示装置と、前記走査信号及び前記検出信号に基づいて前記画像信号を出力する画像表示制御装置と、前記走査信号及び前記画像信号を生成するための設定値を入力する入力装置と、を備えた荷電ビーム装置において、前記走査制御装置は、前記走査信号として、第1走査領域を走査させる第1走査信号、及び該第1走査領域内に位置し該第1領域より小さいサイズの第2走査領域を走査させる第2走査信号を1又は複数フレーム毎に交互に出力し、前記画像表示制御装置は、前記表示装置に前記第1走査領域の拡大画像を表示する第1ウインドウに表示する第1画像信号、及び前記第2走査領域の画像を第2ウインドウに表示する第2画像信号を生成すると共に、前記表示装置で前記第1ウインドウに前記第2ウインドウを重ねて表示するよう前記第1画像信号及び第2画像信号を合成して前記画像信号として出力し、前記入力装置は、前記表示装置の表示画像の位置を指定することにより、前記設定値として、前記第2走査領域の前記試料における走査位置及び走査範囲を指定する走査設定値、及び前記第2ウインドウの前記表示装置における表示位置及び表示範囲を指定する表示設定値を出力することを特徴とする荷電ビーム装置である。
【0014】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の荷電ビーム装置において、前記入力手段が表示装置に表示された各ウインドウ上の座標を指定することにより試料上の座標を指定するマウス装置、トラックボール装置を含むポインティングデバイスであることを特徴とする。
【0015】
また、請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の荷電ビーム装置において、前記画像表示制御装置が前記走査制御装置の走査信号の生成に対応して遅延なく前記画像信号を出力することを特徴とする。
【0016】
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の荷電ビーム装置において、前記操作制御装置が荷電粒子の焦点を自動的に調整するオートフォーカス装置を備え、前記表示制御装置が前記表示装置の表示画質を自動的に調整する画質調整装置を備え、表示した第1ウインドウ及び第2ウインドウの一方のウインドウに表示された画像に基づいて前記オートフォーカス装置及び前記画質調整装置の少なくとも一方を調整する調整手段を備えることを特徴とする調整手段を備えることを特徴とする。
【0017】
また、請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の荷電ビーム装置において、前記入力装置は、前記第1ウインドウ及び前記第2ウインドウのうち指定した一方のウインドウの画像を前記表示装置の全面に表示させる設定値を前記表示制御装置及び前記画像表示装置に出力可能としたことを特徴とする。
【0018】
また、請求項6の発明は、荷電ビーム装置の画像表示方法において、入力装置で指定された試料上の走査領域を荷電ビームで2次元走査し、前記走査領域からの荷電粒子を検出して前記荷電ビームの走査信号と同期させて画像表示装置に観察画像を表示する荷電ビーム装置の画像表示方法において試料の第1走査領域における所定倍率の第1観察画像を取得する工程と、前記画像表示装置の第1ウインドウに前記第1観察画像を表示する工程と、前記入力装置で、前記第1観察画像中における位置及び領域を指定して第2走査領域を設定する工程と、前記第2走査領域の前記第1倍率より大きな倍率の第2観察像を取得する工程と、前記画像表示装置に前記第2観察画像を描画する第2ウインドウを、前記第1ウインドウの表示と合成して表示する工程と、を備えること特徴とする。
【0019】
そして、請求項7の発明は、請求項6に記載の荷電ビーム装置の画像表示方法において、前記第2観察像の中央位置及び倍率を保持して前記第2ウインドウを任意の大きさに拡大表示する工程を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、試料上での荷電ビームの走査はフレーム毎に交互になされるので、表示装置には低倍率像を表示する第1ウインドウとこの第1ウインドウに重ねて高倍率画像を表示する第2ウインドウとが良好に表示される。また、入力装置で画像表示装置に表示された第1ウインドウの画像上の位置を指定及び操作するだけで、第2ウインドウで表示される高倍率像の試料上及び画面上での位置や表示範囲を変更することができるので、低高両倍率の観察画像を簡単な操作で得ることができる。このため、高倍率の観察画像を高い自由度で表示することができる共に、良好な操作性で高倍率とする所望の観察位置を素早く探査できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態例に係る走査電子顕微鏡の概略構成を示す模式図である。
【図2】同じく表示装置における第1ウインドウ及び第2ウインドウの寸法及び位置を示す模式図である。
【図3】同じく試料上における第1走査領域及び第2走査領域の寸法及び位置を示す模式図である。
【図4】同じく走査電子顕微鏡の制御系の構成を示すブロック図である。
【図5】同じく走査電子顕微鏡の操作制御装置と画像表示制御装置の構成を示すブロック図である。
【図6】同じく走査信号の波形を示すものであり、(a)は水平走査信号を示す概略図、(b)は垂直走査信号を示す概略図である。
【図7】同じく走査電子顕微鏡の高倍率画像の表示手順を示すフローチャートである。
【図8】同じく試料及び撮影画像と走査信号との関係を示す模式図である。
【図9】同じく試料及び撮影画像と走査信号との関係を示す模式図である。
【図10】同じく走査電子顕微鏡の高倍率画像の表示手順を示すフローチャートである。
【図11】同じく走査電子顕微鏡の焦点調整及び画質調整を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る荷電ビーム装置の実施形態の一例を図面に基づいて説明する。以下、実施の形態として走査電子顕微鏡を例として説明するが、本発明は、荷電ビーム装置として、半導体検査装置、マスク検査装置など他の装置を対象とすることができる。
【0023】
図1は実施の形態例に係る走査電子顕微鏡の概略構成を示す模式図である。走査電子顕微鏡10は、鏡筒11内上部の荷電ビーム源である電子線源12から発生した荷電ビームとしての電子線13を、コンデンサレンズ14で収束し、偏向コイル15で偏向走査して、対物レンズ16で収束及びフォーカスを調整し、試料室17内の試料18上を2次元走査する。なお、試料18は、試料台21に配置されており、任意の位置に移動できる他、任意の角度に傾斜させることができる。
【0024】
また、走査電子顕微鏡10には、制御装置100、入力装置30、画像表示装置40が配置されている。制御装置100は、前記偏向コイル15の走査信号、対物レンズ16の制御信号を発生する他、検出器20からの信号と前記走査信号とを同期して走査電子顕微鏡像(SEM像)を画像表示装置40に表示させる。また、入力装置30は制御装置100に操作者が指定する各種設定値、即ち電子線の走査領域をしてする走査設定値、及び画像表示装置における拡大画像の表示領域を指定する表示設定値を入力する。本例では入力装置30は、画像表示装置40に表示される画像上の座標を指定して操作を行うマウス装置、及び数値、文字、記号を入力するキーボードを備えて構成される。なお、マウス装置の他トラックボール装置など他のポインティングデバイスを使用することができる。また、画像表示装置40は、液晶表示装置(LCD)の他プラズマディスプレイ、CRTを使用することができる。
【0025】
走査電子顕微鏡10では、試料18から発生した2次電子、反射電子などの荷電粒子19が検出器20で検出される。この検出器20からの信号は、制御装置100により前記偏向コイル15の走査信号と同期処理され走査電子顕微鏡像(SEM像)が画像表示装置40に表示される
【0026】
本実施形態に係る走査電子顕微鏡10は、画像表示装置40に低倍率の観察画像を表示する第1ウインドウと高倍率の観察画像を表示する第2ウインドウを重ねて表示する。図2は実施形態例に係る表示装置における第1ウインドウ及び第2ウインドウの寸法及び位置を示す模式図、図3は同じく試料における第1走査領域及び第2走査領域の寸法及び位置を示す模式図である。
【0027】
画像表示装置40には、図2に示すように、第1ウインドウ51と第2ウインドウ52とが表示される。以下、第1ウインドウ51の表示寸法をHL×VLとし、第2ウインドウ52の寸法を第1ウインドウ51より小さいHh×Vhとし、第2ウインドウ52の中心位置が、第1ウインドウ51の中心位置を第1ウインドウの中央O1を原点とするH−V座標系の点(Vc,Hc)に位置するものとする。
【0028】
また、試料18の面上には、図3に示すように、低倍率画像を取得するための第1走査領域61と、高倍率画像を取得するための第2走査領域62が設定される。なお、図3には、倍利率が異なる3種類の第2走査領域62、63、64が表示されている。図3では、符号62で示した走査領域の倍率を2、符号63で示した走査領域の倍率を4、符号64で示した走査領域の倍率を8として示している。以下、第1走査領域61の大きさをXL×YLとし、倍率2の第2走査領域62の大きさをXH×YHとし、第2走査領域62の中心位置が、第1走査領域61の中心O2を原点としたX−Y座標系の点(Xc,Yc)に位置するものとする。なお、倍率4の第2走査領域63及び倍率8の第2走査領域の大きさは、倍率に従って小さく設定される。
【0029】
本例に係る走査電子顕微鏡10では、第1走査領域61で得られる画像を第1ウインドウ51に表示し、第2走査領域62で得られる画像を第2ウインドウ52に表示する。そして、第2走査領域62は入力装置30からの指定により第1走査領域61中の任意の位置に移動して、第2ウインドウ52は、第1ウインドウ51中の対応する位置に表示される。
【0030】
また、第1走査領域61の大きさは、低倍率として取得する画像の倍率に応じて設定される。さらに、上述したように、第2走査領域62の大きさは高倍率として取得する低倍率画像に対する倍率に応じて設定される。
【0031】
さらに、本実施の形態に係る走査電子顕微鏡10では、第2ウインドウ52の大きさを任意に設定することができる。即ち、第2ウインドウ52の寸法は、倍率を固定したまま変更することができ、この第2ウインドウ52の大きさの変更に伴い、第2走査領域62の大きさも変更される。
【0032】
そのため、制御装置100は、偏向コイル15に走査信号として、低倍率画像を取得するための第1走査領域61を走査させる第1走査信号S1、及び高倍率画像を表示させるための第2走査領域62を走査させる第2走査信号S2を1フレーム毎に交互に出力する。なお、第1走査信号S1及び第2走査信号S2は1フレーム毎に限らず任意のフレーム毎に出力できる。
【0033】
また、制御装置100は、画像表示装置40に第1走査領域61の拡大画像を表示する第1ウインドウ51に表示する第1画像信号、及び第2走査領域62の画像を第2ウインドウ52に表示する第2画像信号を生成すると共に、前記表示装置で前記第1ウインドウ51中に第2ウインドウ52を重ねて表示するよう前記第1画像信号及び第2画像信号を合成して画像信号として出力する。
【0034】
さらに、入力装置30は、画像表示装置40の表示画像の位置を指定することにより、設定値を入力するマウス装置と、倍率等の数値及び文字記号を入力できるキーボードを備えて構成され、前記第1走査領域61及び第2走査領域62を特定する走査設定値と、画像表示装置40における第1ウインドウ51及び第2ウインドウ52の倍率、大きさ、位置を指定する表示設定値を出力する。
【0035】
なお、入力装置30のマウス装置は、初期値として第1走査領域61の大きさ及び試料における走査位置が設定された状態で、第1ウインドウ51内を指定することにより、第2走査領域62の第1走査領域61における座標(Xc,Yc)及び走査範囲(XH,YH)を指定することができる。これにより、他、第2ウインドウ52の第1ウインドウ51における表示位置及び表示範囲を指定する表示設定値が出力される
【0036】
次に走査電子顕微鏡10の制御について詳細に説明する。図4は実施形態に係る走査電子顕微鏡の制御系の構成を示すブロック図、図5は実施形態に係る走査電子顕微鏡の操作制御装置と画像表示制御装置の構成を示すブロック図、図6は同じく走査信号の波形を示すものであり、(a)は水平走査信号を示す概略図、(b)は垂直走査信号を示す概略図である。なお、図6では、作図の都合上、水平走査数を実際より少なく図示している。
【0037】
制御装置100は、図4に示すように、偏向コイル15に走査信号を出力する走査駆動装置110と、走査駆動装置110を制御する走査制御装置120と、検出器20の信号のノイズ処理及びAD変換処理等をする信号処理装置130と、信号処理装置130からの信号を受け画像表示装置40の表示画像データを生成する画像表示制御装置140と、対物レンズ16に接続されオートフォーカス処理を行うオートフォーカス装置150と、自動画質調整を行う画質調整装置160と、試料台21の駆動制御を行う試料台制御装置170とを備える。これらのオートフォーカス装置150及び画質調整装置160は表示されている第1ウインドウ51又は第2ウインドウ52を指定することにより、指定された指定されたウインドウの画像を最適な状態に調整できる。
【0038】
走査駆動装置110は、図5に示すように、走査制御装置120の制御の下、水平走査信号を発生する水平走査信号発生装置111と、垂直走査信号を発生する垂直走査信号発生装置112とを備える。
【0039】
走査制御装置120は、図5に示すように、第1走査設定記憶部121と、第2走査設定記憶部122と、走査切換装置123とを備えて構成される。第1走査設定記憶部121は、低倍率画像を取得するための第1走査信号を発生するためのデータが格納される、第2走査設定記憶部122は、高倍率画像を取得するための第2走査信号を発生するためのデータが格納される。
【0040】
走査切換装置123は、第1走査設定記憶部121及び第2走査設定記憶部122の設定値を、画像表示装置の1フレーム毎に切り換える。これにより、走査駆動装置110は、図6に示すように、水平走査信号(図6(a))と、垂直走査信号(図6(b))とを出力する。図6に示した例では、第1走査信号S1と、第2走査信号S2とが1フレーム毎に交互に出力している。なお、この例では、走査切換装置123は、各走査信号を1フレーム数毎に交互に出力するようにしているが、この設定は自由に変更できる。即ち、第1走査信号S1を所定のフレーム数出力した後、第2走査信号S2を所定のフレーム数だけ出力する、例えば第1走査信号S1を1フレーム出力したのち、複数フレームにわたり第2走査信号S2を出力することができる。
【0041】
画像表示制御装置140は、図5に示すように、画像生成装置141と、出力切換装置142と、第1画像メモリである低倍率画像メモリ143と、第2画像メモリである高倍率画像メモリ144と、画像合成装置145とから構成される。画像生成装置141は、信号処理装置130からの検出器20の信号と、前記走査制御装置120から交互に出力される第1走査信号S1及び第2走査信号S2とに基づいて第1走査領域61の低倍率画像及び第2走査領域62の高倍率画像を交互に出力する。
【0042】
低倍率画像メモリ143は、画像生成装置141が出力する第1走査領域61の第1画像信号を低倍率画像として格納する。また、高倍率画像メモリ144は、画像生成装置141が出力する第2走査領域62の第2画像信号を高倍率画像として格納する。出力切換装置142は、画像生成装置141の出力を低倍率画像メモリ143及び高倍率画像メモリ144に切り換えて出力する。画像合成装置145は、低倍率画像メモリ143が格納した低倍率画像と高倍率画像メモリ144が格納した高倍率画像を合成し、第1ウインドウ51に低倍率画像を、第2ウインドウに高倍率画像を表示する画像信号を出力する。
【0043】
このような制御装置100は、本実施の形態例に係る走査電子顕微鏡10ではCPU、HDD、RAM、ROM、各種IOインタフェースを備えたコンピュータで構成しており、HDD、ROMに格納されたソフトウエアがRAMをワークエリアとしてCPUで実行されることにより、前記各装置の処理、設定及び波形生成等の機能を実現する。
【0044】
次に、制御装置100の基本的動作について説明する。以下、画像表示装置40に第1ウインドウ51としてHL×VLの範囲に低倍率画像を表示し、その一部のHh×Vhの範囲を第2ウインドウ52として高倍画像を表示する場合(図2参照)について説明する。本実施形態では、低倍率画像及び高倍率画像を同時に表示するため、図3に示すように、試料上の所定位置に設定されたXL×YLの第1走査領域61と、この第1走査領域61内に設定されたXH×YHの第2走査領域62を画像表示装置40の表示フレーム毎に交互に走査する。
【0045】
ここで、画面の大きさと試料上の走査領域の大きさの比HL/XL=VL/YLが第1ウインドウ51に表示される低倍率画像の倍率となり、これは、通常の走査電子顕微鏡の倍率となる。
【0046】
第2ウインドウ52に高倍率画像を表示するとき、第1ウインドウ51に表示した低倍率画像と同じピクセル密度で画面上に表示する場合、第1ウインドウ51と第2ウインドウ52とが重なって、第1ウインドウ51の隠れている部分の画像も撮像するとすれば、撮像する総ピクセル数は、低倍像と高倍像の表示画像の面積の合計に比例した値になる。
【0047】
例えば、高倍の画像の表示範囲を低倍側の1/4とすれば、高倍側の画像の面積は、1/16となる。両画像の更新時間は、総ピクセル数に比例するので上記場合の画像更新時間は、低倍像だけの場合の1+1/16=17/16となる。
【0048】
本実施形態では、高倍側の表示面積をある程度の値に抑えておけば、画像更新時間を第1ウインドウ51の表示に必要な時間に比して、殆ど増加させることなく低倍率画像及び高倍率画像を同時に表示できる。この関係は、高倍率側の画像の倍率に依存しないので、高倍側の画像が何倍であっても同じである。これに対して、いわゆるデジタルズームを使用して同じ機能を実現する場合、高倍部分だけ切り出しても実用になりうるピクセル密度で低倍側画像の全ピクセルを撮像することになるので低倍像に対する高倍像の倍率に応じたピクセル数を撮像する必要があり画像更新時間が極端に長くなる。例えば高倍側を低倍側の4倍とすれば総ピクセル数は、4×4=16倍となり画像更新時間が16倍となり、実用的ではない。
【0049】
高倍率画像を撮像するため、図3に示すように試料上の低倍画像の注目する範囲を細かく走査することになるが、高倍側を走査する大きさは、画面上に表示する高倍画像の大きさに比例し、低倍像に対する倍率に反比例した値になる。
【0050】
また、低倍率像に対する高倍率像の倍率をM、高倍側走査幅をXH×YHとすれば、
XH=XL×Hh/HL/M
YH=YL×Vh/VL/M
となる。
【0051】
高倍率の観察像を得たい試料上の位置は、図2に示す表示画面上の高倍画像表示領域HhxVhをマウス装置でドラッグしての移動で選択する。このとき、マウス装置から得られるHc,Vcに応じて、図6に示すように、第1走査信号S1の中心値からXc,Ycだけ変化させて第2走査信号S2を生成すれば、図3の試料上で、中心位置Xc,Ycに設定された第2走査領域62を走査できる。
【0052】
また、高倍率側画像を表示する第2ウインドウ52の大きさ(視野の大きさ)は、第2ウインドウ52の(HhxVh)の周囲をドラッグして指定する。このとき、画面から得られる値Hh,Vhに応じて図6の第2走査信号S2の振幅XH,YHを変化させればよい。これにより、図3の試料上の第2走査領域62の(XH×YH)の範囲を走査することになる。
【0053】
なお、低倍率画像に対する高倍率画像の倍率は、高倍率画像の表示領域の大きさを保ったまま第2走査信号S2の振幅を縮小することにより、その振幅に反比例して倍率を変更できる。このとき、第2走査領域は、図3中の第2走査領域63、第2走査領域64のように縮小される。この設定は例えばキーボードから数値を入力したり、マウス装置のホイールを操作したりすることで行うことができる。
【0054】
次に実施形態に係る走査電子顕微鏡10の操作手順について説明する。走査電子顕微鏡10での試料の観察に際しては、まず低倍率画像の設定を行う。低倍率画像の設定は、通常の走査電子顕微鏡で試料を観察する場合と同じである。これにより、第1走査設定記憶部121にXL,YL、HL,VLが設定され、画像表示装置40に表示された第1ウインドウ51に第1走査領域の低倍率画像が表示される。次にこの状態で、画像表示装置40の第2ウインドウ52に第2走査領域62の高倍率画像を表示する。
【0055】
図7は高倍率画像の表示手順を示すフローチャートである。まず、高倍率画像の表示状態を指定する。これは3種類の設定、即ち低倍率画像に対する高倍率画像の倍率(×2、×4、×8等)の指定、高倍率画像の表示位置の指定、高倍率画像のウインドウの寸法の指定から実行する処理を選択することにより行う(ステップST21)。この選択は、マウス装置や、キーボードで所定の操作をすることにより行い、また処理の選択や各条件の設定は後に変更することができる(ステップST28)。
【0056】
高倍率画像の倍率の設定は、倍率Mをキーボードからキー入力することにより行う(ステップST22)。これにより、高倍率画像の倍率Mが設定される(ステップST23)。この倍率の指定は、マウスホイールの操作によっても行うことができる。
【0057】
高倍率画像の表示位置の指定は、高倍率画像を表示する第2ウインドウ52をマウスでドラッグして所望の位置に移動することにより行う(ステップST24)。これにより、第2走査設定記憶部122に値Hc,Vc、Xc,Ycが設定される(ステップST25)。
【0058】
高倍率画像のウインドウ寸法の指定は、高倍率画像を表示する第2ウインドウ52の周囲の輪郭線をマウスでドラッグしてその大きさを変更することにより行う(ステップST26)。これにより、第2走査設定記憶部122に値Hh,Vh、XH,YHが設定される(ステップST27)。
【0059】
以上の処理が行われると、走査制御装置120から走査駆動装置110に、第1走査設定記憶部121及び第2走査設定記憶部122に格納された設定情報が交互に出力され、走査駆動装置110は、第1走査信号S1及び第2走査信号S2を交互に生成する。これにより、検出器20で検出された試料からの信号に基づいて画像表示制御装置140が画像表示装置40の第1ウインドウ51に第1走査領域61の低倍率画像を、第2ウインドウ52に第2走査領域62の高倍率画像を表示する(ステップST29)。この走査電子顕微鏡10では、入力装置30からの高倍率画像取得の条件変更は、直ちに処理され、画像表示装置40にはこの条件変更に伴う画像がリアルタイムで表示される。
【0060】
第2ウインドウ52表示の条件変更に伴う撮像画像及び走査信号の変化を具体的に説明する。この例は、第2ウインドウの表示の範囲を広げる処理を行った場合である(図7中のステップST26、ステップST27)。図8は実施例に係る走査顕微鏡における試料及び撮影画像と走査信号との関係を示す模式図、図9は同じく走査電子顕微鏡における設定変更に伴う試料及び撮影画像と走査信号との関係を示す模式図である。
【0061】
図8に示す例は、試料の第1走査領域71と第2走査領域72に第1走査信号S1及び第2走査信号S2に基づいて走査を行ったとき、第1ウインドウ81に第1走査領域71の低倍率画像を表示し、第2ウインドウ82に第2走査領域72の高倍率画像を表示している。この状態で、図8中で第2ウインドウ82の周囲の輪郭線をマウス装置でドラッグして、図9中の第2ウインドウ83のように垂直方向及び水平方向に大きくする。すると、第2走査信号S2の垂直方向及び水平方向の振幅、Xa1、Ya1からXa2,Ya2に大きくなり、それに伴い、第2ウインドウ83に当該拡大した範囲の高倍率像が表示される。
【0062】
次に第2ウインドウ52で表示された高倍率画像の中心位置を変更することなく画像表示装置40の全面に高倍率画像を表示させる場合について説明する。図10は走査電子顕微鏡の画像表示方法を示すフローチャートである。このため、制御装置100は、入力装置30からの指示、例えば特定キーの押下があったとき、以下の処理を行う。
【0063】
まず、画像表示装置40の第1ウインドウ51に低倍率画像を、第2ウインドウ52に高倍率画像を表示する(ステップS31)。次いで、第1ウインドウ51に表示された低倍率画像中をマウス装置でダブルクリックして選択する(ステップST32)。すると、走査制御装置120の第2走査設定記憶部122にXH=XL/M、YH=YL/M、Xc=Xc(変更せず)、Yc=Yc(変更せず)、Hh=HL、Vh=VL、Vc=0、Hc=0が設定され(ステップST33)、画像表示装置の表示画面に寸法HL×VLのウインドウが表示され、このウインドウに前記指定個所をそのままの位置に配置した状態で、第2ウインドウ52が第1ウインドウ51の大きさに拡大され高倍率画像が表示される(ステップST34)。
【0064】
次に走査電子顕微鏡の焦点及び画質の調整について説明する。図11は実施形態に係る走査電子顕微鏡の焦点調整及び画質調整を示すフローチャートである。本実施形態に係る走査電子顕微鏡10は、高倍率画像又は低倍率画像の一方の画像が最適に表示できるよう焦点及び画質調整を行う。図10は実施形態に係る走査電子顕微鏡の画像表示方法を示すフローチャートである。この例ではオートフォーカス装置150による焦点調節及び画質調整装置160による画質調節を、選択した一方の倍率に最適なものとする。
【0065】
まず、前述した手順により、画像表示装置40の第1ウインドウ51に低倍率画像を、第2ウインドウ52に高倍率画像を表示する(ステップS41)。次いで、マウス装置あるいはキーボードを操作することにより、焦点調節及び画質調節を行う一方の倍率を選択する(ステップST42)。そして、この指示をオートフォーカス装置150及び画質調整装置160に入力することにより、オートフォーカス装置150及び画質調整装置160は選択した倍率の画像を解析し、この解析結果に基づいて公知の手法で焦点調節(ステップST43)及び画質調節を行う(ステップST44)。
【0066】
以上説明したように、本実施形態に係る走査電子顕微鏡10によれば、試料18上での電子線13は2つの走査領域をフレーム毎に交互に走査され、画像表示装置40には低倍率像を表示する第1ウインドウ51とこの第1ウインドウに重ねて高倍率画像を表示する第2ウインドウ52とが良好に表示される。また、入力装置30で画像表示装置40に表示された第1ウインドウ51の画像上の位置を指定及び操作するだけで、第2ウインドウ52で表示される高倍率像の試料上及び画面上での位置や表示範囲を変更することができ、低高両倍率の観察画像を短い更新時間で安定して得ることができる。このため、高倍率の観察画像を高い自由度で表示することができる共に、良好な操作性で高倍率とする所望の観察位置を素早く探査できる。
【符号の説明】
【0067】
10 走査電子顕微鏡
11 鏡筒
12 電子線源
13 電子線
14 コンデンサレンズ
15 偏向コイル
16 対物レンズ
17 試料室
18 試料
19 荷電粒子
20 検出器
21 試料台
30 入力装置
40 画像表示装置
51 第1ウインドウ
52 第2ウインドウ
61 第1走査領域
62、63、64 第2走査領域
71 第1走査領域
72 第2走査領域
81 第1ウインドウ
82 第2ウインドウ
83 第2ウインドウ
100 制御装置
110 走査駆動装置
111 水平走査信号発生装置
112 垂直走査信号発生装置
120 走査制御装置
121 第1走査設定記憶部
122 第2走査設定記憶部
123 走査切換装置
130 信号処理装置
140 画像表示制御装置
141 画像生成装置
142 出力切換装置
143 低倍率画像メモリ
144 高倍率画像メモリ
145 画像合成装置
150 オートフォーカス装置
160 画質調整装置
170 試料台制御装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電ビームを発生する荷電ビーム源と、前記荷電ビームを走査信号に基づいて試料上の走査領域で2次元走査する偏向コイルと、前記走査信号を出力する走査制御装置と、前記試料からの荷電粒子を検出して検出信号を出力する検出器と、画像信号に基づいて観察画像を表示する表示装置と、前記走査信号及び前記検出信号に基づいて前記画像信号を出力する画像表示制御装置と、前記走査信号及び前記画像信号を生成するための設定値を入力する入力装置と、を備えた荷電ビーム装置において、
前記走査制御装置は、前記走査信号として、第1走査領域を走査させる第1走査信号、及び該第1走査領域内に位置し該第1領域より小さいサイズの第2走査領域を走査させる第2走査信号を1又は複数フレーム毎に交互に出力し、
前記画像表示制御装置は、前記表示装置に前記第1走査領域の拡大画像を表示する第1ウインドウに表示する第1画像信号、及び前記第2走査領域の画像を第2ウインドウに表示する第2画像信号を生成すると共に、前記表示装置で前記第1ウインドウに前記第2ウインドウを重ねて表示するよう前記第1画像信号及び第2画像信号を合成して前記画像信号として出力し、
前記入力装置は、前記表示装置の表示画像の位置を指定することにより、前記設定値として、前記第2走査領域の前記試料における走査位置及び走査範囲を指定する走査設定値、及び前記第2ウインドウの前記表示装置における表示位置及び表示範囲を指定する表示設定値を出力することを特徴とする荷電ビーム装置。
【請求項2】
前記入力装置が表示装置に表示された各ウインドウ上の座標を指定することにより試料上の座標を指定するマウス装置、トラックボール装置を含むポインティングデバイスであることを特徴とする請求項1に記載の荷電ビーム装置。
【請求項3】
前記画像表示制御装置が前記走査制御装置の走査信号の生成に対応して遅延なく前記画像信号を出力することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の荷電ビーム装置。
【請求項4】
前記操作制御装置が荷電粒子の焦点を自動的に調整するオートフォーカス装置を備え、
前記表示制御装置が前記表示装置の表示画質を自動的に調整する画質調整装置を備え、
表示した第1ウインドウ及び第2ウインドウの一方のウインドウに表示された画像に基づいて前記オートフォーカス装置及び前記画質調整装置の少なくとも一方を調整する調整手段を備えることを特徴とする調整手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の荷電ビーム装置。
【請求項5】
前記入力装置は、前記第1ウインドウ及び前記第2ウインドウのうち指定した一方のウインドウの画像を前記表示装置の全面に表示させる設定値を前記表示制御装置及び前記画像表示装置に出力可能としたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の荷電ビーム装置。
【請求項6】
入力装置で指定された試料上の走査領域を荷電ビームで2次元走査し、前記走査領域からの荷電粒子を検出して前記荷電ビームの走査信号と同期させて画像表示装置に観察画像を表示する荷電ビーム装置の画像表示方法において
試料の第1走査領域における所定倍率の第1観察画像を取得する工程と、
前記画像表示装置の第1ウインドウに前記第1観察画像を表示する工程と、
前記入力装置で、前記第1観察画像中における位置及び領域を指定して第2走査領域を設定する工程と、
前記第2走査領域の前記第1倍率より大きな倍率の第2観察像を取得する工程と、
前記画像表示装置に前記第2観察画像を描画する第2ウインドウを、前記第1ウインドウの表示と合成して表示する工程と、
を備えること特徴とする荷電ビーム装置の画像表示方法。
【請求項7】
前記第2観察像の中央位置及び倍率を保持して前記第2ウインドウを任意の大きさに拡大表示する工程を備えることを特徴とする請求項6に記載の荷電ビーム装置の画像表示方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−114014(P2012−114014A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−263193(P2010−263193)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000220343)株式会社トプコン (904)
【Fターム(参考)】