説明

荷電粒子加速器の真空チェンバ

【課題】 簡素な構成にすることで機械加工の比率を低減させ、製造コストの低減を図ることができる荷電粒子加速器の真空チェンバを提供すること。
【解決手段】 横断面がL字状をなすNEGアングル15,16,17,18の一端を荷電粒子が周回するビームチャンネル25の膨出部19,22に接合する一方、NEGアングル15,16,17,18の他端を荷電粒子の周回に伴いその接線方向に放射される放射光の放射方向に延設するアンテ部26,27及びアンテ部26,27の外側に設けられる冷却チャンネル13,14に重合接合するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子、陽電子、イオン等の荷電粒子を高エネルギー状態に加速させる荷電粒子加速器の真空チェンバに関する。
【背景技術】
【0002】
荷電粒子加速器は、内部を超高真空とした直線状あるいは環状の真空チェンバ内で電子、陽電子、イオン等の荷電粒子を磁場により周回させて光速近くまで加速させることにより、荷電粒子に高エネルギーを付与する装置である。
【0003】
このような荷電粒子加速器においては、光速に近い高エネルギーの荷電粒子が磁場中を通過し、軌道が曲がるときに、荷電粒子の軌道の接線方向に放射光を生じ、この放射光が真空チェンバの径方向外側の内壁面に照射される。この結果、内壁面が過熱されて真空チェンバに多大な熱負荷が加わるばかりでなく、放射光の照射に伴う光電効果により、内壁面から光電子が放出され、周回する荷電粒子の障害となる等の問題があった。
【0004】
このため、真空チェンバの荷電粒子が周回する円形断面のビームチャンネルの真空チェンバの径方向外側に、荷電粒子の周回軌道(ビームチャンネルの軸心周辺)から離反させるようにアンテ部を形成させると共に、アンテ部の放射光が照射される真空チェンバの径方向外側の内壁面に隣接するように冷却水を流通させる冷却チャンネルを形成させたものが、種々提供されている。
【0005】
このような構成をなすことにより、荷電粒子の周回軌道からアンテ部の内壁面までの距離が長くなり、その分、この内壁面から放出される光電子と周回する荷電粒子との距離も遠くなる。この結果、放射光の照射に伴って真空チェンバに加わる熱負荷を抑制すると共に、放射光の照射に伴って放出される光電子が走行する荷電粒子の周回軌道まで容易に到達できないようにしている。
【0006】
上述した従来の電荷粒子加速器の真空チェンバは、例えば、非特許文献1に開示されている。
【0007】
【非特許文献1】Y.Suetsugu,外11名、“R&D OF COPPER BEAM DUCT WITH ANTECHAMBER SCHEME FOR CURRENT ACCELERATORS”、インターネット<http://www-lib.kek.jp/cgi-bin/kiss prepri?KN=200427053&0F=8.>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の荷電粒子加速器の真空チェンバにおいては、チェンバ本体内を真空にするためのポンプ室を形成するために溝形(コ字形)のポンプチャンネルが接合されており、このポンプチャンネルは引き抜き加工等により製造されるので、加工に手間がかかっていた。また、ポンプチャンネルと冷却チャンネルとをチェンバ本体に接合する箇所も多く、接合工程が複雑になることから、機械加工の比率が大きくなり製造コストの増加に繋がっていた。
【0009】
また、近年の荷電粒子加速器の真空チェンバでは、荷電粒子の軌道に沿って周期磁場を与えることにより、荷電粒子を偏向させて蛇行させ、それによって特定の波長の光を取り出す挿入光源と称されるウィグラーを組み込んだものが提供されている。このような真空チェンバでは、荷電粒子を蛇行させるために、真空チェンバの荷電粒子が周回するビームチャンネルの真空チェンバの径方向内側にも、荷電粒子の周回軌道から離反させるようにアンテ部を形成させると共に、アンテ部の放射光が照射される真空チェンバの径方向内側の内壁面に隣接するように冷却水を流通させる冷却チャンネルを形成させていた。
【0010】
上記のようなウィグラー等の挿入光源を備えた真空チェンバにおいては、更に、加工に手間がかかると共に、接合箇所が多く、接合工程が複雑になるので、製造コストの増加に繋がるという問題があった。
【0011】
従って、本願発明は上記課題を解決するものであって、簡素な構成にすることで機械加工の比率を低減させ、製造コストの低減を図ることができる荷電粒子加速器の真空チェンバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する第1の発明に係る荷電粒子加速器の真空チェンバは、
荷電粒子を周回させるビームチャンネルと、
前記荷電粒子の周回に伴いその接線方向に放射される放射光の放射方向に延設するように前記ビームチャンネルに一体的に形成されるアンテ部と、
前記アンテ部の外側に設けられて冷却水を流通させる冷却チャンネルと、
前記ビームチャンネル内及び前記アンテ部内を真空にするポンプを収納すると共に横断面がL字形をなすポンプアングルとを備え、
前記ポンプアングルの一端を前記ビームチャンネルの膨出部に接合する一方、前記ポンプアングルの他端を前記アンテ部及び前記冷却チャンネルに重合接合させる
ことを特徴とする。
【0013】
上記課題を解決する第2の発明に係る荷電粒子加速器の真空チェンバは、
第1の発明に係る荷電粒子加速器の真空チェンバにおいて、
前記ポンプアングルの一端に形成させた段部を前記膨出部に形成させた取付座に接合させる一方、前記アンテ部の端部に形成させた薄肉部を前記ポンプアングルの他端及び前記冷却チャンネルで挟むように接合させる
ことを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決する第3の発明に係る荷電粒子加速器の真空チェンバは、
第1の発明に係る荷電粒子加速器の真空チェンバにおいて、
前記ポンプアングルの一端に形成させた段部同士を接合させ、接合させた前記段部を前記膨出部に形成させた取付座に接合させる
ことを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決する第4の発明に係る荷電粒子加速器の真空チェンバは、
第1乃至3のいずれかの発明に係る荷電粒子加速器の真空チェンバにおいて、
前記ビームチャンネル、前記アンテ部、前記冷却チャンネル及び前記ポンプアングルを無酸素銅で形成させる
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
第1の発明に係る荷電粒子加速器の真空チェンバによれば、荷電粒子を周回させるビームチャンネルと、前記荷電粒子の周回に伴いその接線方向に放射される放射光の放射方向に延設するように前記ビームチャンネルに一体的に形成されるアンテ部と、前記アンテ部の外側に設けられて冷却水を流通させる冷却チャンネルと、前記ビームチャンネル内及び前記アンテ部内を真空にするポンプを収納すると共に横断面がL字形をなすポンプアングルとを備え、前記ポンプアングルの一端を前記ビームチャンネルの膨出部に接合する一方、前記ポンプアングルの他端を前記アンテ部及び前記冷却チャンネルに重合接合させることにより、真空チェンバが簡素な構成になり、引き抜き加工や溶接等の機械加工の比率が低減され、製造コストの低減を図ることができる。
【0017】
第2の発明に係る荷電粒子加速器の真空チェンバによれば、第1の発明に係る荷電粒子加速器の真空チェンバにおいて、前記ポンプアングルの一端に形成させた段部を前記膨出部に形成させた取付座に接合させる一方、前記アンテ部の端部に形成させた薄肉部を前記ポンプアングルの他端及び前記冷却チャンネルで挟むように接合させることにより、前記ポンプアングルの一端が固定されるので作業性を向上させることができ、また、接合箇所を減少させることができる。更に、ポンプ室が拡大されるので、ポンプ室に挿入するポンプ容量を大きくすることができ、排気効率が向上され、高真空度を得ることができる。
【0018】
第3の発明に係る荷電粒子加速器の真空チェンバによれば、第1の発明に係る荷電粒子加速器の真空チェンバにおいて、前記ポンプアングルの一端に形成させた段部同士を接合させ、接合させた前記段部を前記膨出部に形成させた取付座に接合させることにより、更に、製造コストの低減を図ることができる。
【0019】
第4の発明に係る荷電粒子加速器の真空チェンバによれば、第1乃至3のいずれかの発明に係る荷電粒子加速器の真空チェンバにおいて、前記ビームチャンネル、前記アンテ部、前記冷却チャンネル及び前記ポンプアングルを無酸素銅で形成させることにより、熱伝導性が向上され、冷却効果を十分に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明の一実施例に係る真空チェンバを備えた荷電粒子加速器の平面図、図2は図1のA−A矢視断面図、図3は薄肉部の接合方法を示した図、図4は本発明の他の実施例に係る荷電粒子加速器の真空チェンバの横断面図である。なお、図2,4に示す矢印は、荷電粒子加速器1及び真空チェンバ2の上下方向と荷電粒子加速器1の径方向を示している。
【0021】
図1に示すように、荷電粒子加速器1は、直線状の真空チェンバ2と円弧状の真空チェンバ3とを多数連結させることで全体として環状に構成されている。真空チェンバ2と隣接する真空チェンバ3との間には、後述する真空チェンバ2の横断面に適合するベローズ4が介装されており、真空チェンバ3と隣接する他の真空チェンバ3との間には、後述する真空チェンバ3の横断面に適合するベローズ5が介装されている。つまり、真空チェンバ2,3の両端にはフランジ2a,3aが設けられる一方、ベローズ4,5の両端にはフランジ4a,5aが設けられ、真空チェンバ2,3はこのフランジ2a,3aとベローズ4,5のフランジ4a,5aと接合されることで連結されている。このように構成されることにより、荷電粒子加速器1は、内部を超高真空とした真空チェンバ2,3内で電子、陽電子、イオン等の荷電粒子を磁場により周回させて光速近くまで加速させ、当該荷電粒子に高エネルギーを付与することができる。
【0022】
ここで、真空チェンバ2には、荷電粒子の軌道に沿って周期磁場を与えることにより、荷電粒子を偏向させて蛇行させ、それによって特定の波長の光を取り出すための挿入光源と称されるウィグラー(図示省略)が設けられている。ウィグラーは、真空チェンバ2の上下(図2に示す矢印方向)に、上下で対をなすと共に極性が交互に変化している多数の磁石(図示省略)を真空チェンバ2の長手方向に沿って設けており、この磁石によって真空チェンバ2を上下に貫通し、かつ方向が交互に反転するような磁束を発生させる構成となっている。従って、ウィグラーを備えた真空チェンバ2内では、通過する荷電粒子に対して周期磁場が与えられて磁束と直角な方向、即ち水平方向(荷電粒子加速器1の径方向:図2に示す矢印方向)に荷電粒子が蛇行することになり、その蛇行の際に接線方向に放射光が放射される。
【0023】
一方、真空チェンバ3には上記のようなウィグラーは設けられてはおらず、従って、真空チェンバ3内では、真空チェンバ3の軸線方向に沿うように荷電粒子が周回することになり、その周回の際に接線方向に放射光が放射される。
【0024】
つまり、荷電粒子加速器1では、真空チェンバ2内においては荷電粒子加速器1の径方向の内側及び外側の内壁面に放射光が放射されると共に、真空チェンバ3内においては荷電粒子加速器1(真空チェンバ3)の径方向外側の内壁面に放射光が放射される。
【0025】
次に、図2を用いて真空チェンバ2の構成について説明する。
【0026】
図2に示すように、真空チェンバ2は、真空チェンバ2の軸線方向に延設すると共に無酸素銅で形成されるチェンバ本体11,12、冷却チャンネル13,14及びNEGアングル15,16,17,18から構成されている。
【0027】
チェンバ本体11は膨出部19とその両端に形成される平坦部20,21とを有しており、同様に、チェンバ本体12は膨出部22とその両端に形成される平坦部23,24とを有している。そして、同じ形状のチェンバ本体11,12を上下方向に対向するように配置させることにより、膨出部19,22によりビームチャンネル25が形成され、平坦部20,23により内側アンテ部26が形成され、平坦部21,24により外側アンテ部27が形成されている。ビームチャンネル25は断面が略円形に形成され、その軸心周辺が荷電粒子の周回軌道になっている。アンテ部26,27は、その荷電粒子の周回に伴いその接線方向に放射される放射光の放射方向(荷電粒子加速器1の径方向)に延設し、その断面は矩形に形成されている。
【0028】
また、膨出部19,22には取付座28,29,30,31が形成され、平坦部20,21,23,24には排気スリット32,33,34,35が開口されている。そして、アンテ部26,27の両側端には、薄肉部36,37,38,39が形成されている。
【0029】
冷却チャンネル13,14は筒状に形成されており、その軸線方向には冷却水路40,41が形成される一方、外面には上下方向に突出した接合部42,43が形成されている。冷却チャンネル13は接合部42を上下方向から薄肉部36,38で接合されることにより、内側アンテ部26の外側(荷電粒子加速器1の径方向内側)に設けられており、冷却チャンネル14は接合部43を上下方向から薄肉部37,39で接合されることにより、内側アンテ部27の外側(荷電粒子加速器1の径方向外側)に設けられている。
【0030】
NEGアングル15,16,17,18は断面がL字形に形成されており、その一端には段部44,45,46,47が形成されている。NEGアングル15,16,17,18は、一端に形成された段部44,45,46,47が取付座28,29,30,31に接合されると共に、他端が薄肉部36,37,38,39に接合されている。これにより、チェンバ本体11とNEGアングル15,16とによりポンプ室48,49が形成されると共に、チェンバ本体12とNEGアングル17,18とによりポンプ室50,51が形成される。そして、ポンプ室48,49,50,51には、排気スリット32,33,34,35上にNEG(Non Evaporable Getter:非蒸着型ゲッター)ポンプ52が設けられている。
【0031】
即ち、NEGポンプ52を駆動させることにより、ビームチャンネル25内及びアンテ部26,27内を超高真空にさせ、ビームチャンネル25の軸心周辺で荷電粒子が周回すると、その荷電粒子の周回に伴い接線方向に放射光が放射される。そして、放射光はアンテ部26,27を通過した後、接合部42の内壁面42a及び接合部43の内壁面43aに照射する。このとき、内壁面42a,43aは加熱されるが、冷却水路40,41内を流れる冷却水により冷却される。
【0032】
従って、上述した構成をなすことにより、NEGアングル15,16,17,18をL字形断面に形成したことにより、引き抜き加工が容易に行うことができる。また、NEGアングル15,16,17,18の一端に段部44,45,46,47を形成したことにより、チェンバ本体11,12への接合を容易に行うことができ、作業効率が向上される。一方、図3に示すように、NEGアングル15,16,17,18の他端を接合させる場合には、その他端と冷却チャンネル13,14の接合部42,43とで、チェンバ本体11,12の薄肉部36,37,38,39を上下方向から挟むように、例えば、電子ビーム溶接またはレーザビーム溶接を用いれば一度に3部材を接合させることができ、接合箇所の低減を図ることができる。即ち、機械加工の比率が低減され、製造コストの低減を図ることができる。なお、図3に記載されるWは溶接部を示している。
【0033】
そして、NEGアングル15,16,17,18を膨出部19,22と薄肉部36,37,38,39とに亘り設けることにより、ポンプ室48,49,50,51を十分に確保することができるので、排気効率が向上され高真空度を得ることができる。更に、真空チェンバ2の断面が全体として矩形に形成されるので、剛性が向上され、チェンバ本体11,12の板厚を薄くすることができると共に取り扱い性に優れる。また、チェンバ本体11,12、冷却チャンネル13,14及びNEGアングル15,16,17,18を無酸素銅で形成させることにより、熱伝導性が向上され、冷却効果を十分に得ることができる。
【0034】
また、図4に示すように、NEGアングル15,16の一端に形成させた段部53,54同士を接合させた後に膨出部19に形成させた取付座57に接合させ、NEGアングル17,18に形成させた段部55,56同士を接合させた後に膨出部22に形成させた取付座58に接合させても構わない。これにより、NEGアングル15,16,17,18のチェンバ本体11,12への接合工程が簡単になり、作業性が向上される。また、NEGアングル15,16及び17,18を一体とすることで、更に作業性を向上させることもできる。
【0035】
なお、上述した真空チェンバ2の構成及び接合方法を、従来の真空チェンバのようにビームチャンネルの片側だけにアンテ部を備える真空チェンバ3に適用することも可能である。
【0036】
従って、本発明の荷電粒子加速器の真空チェンバによれば、荷電粒子を周回させるビームチャンネル25と、荷電粒子の周回に伴いその接線方向に放射される放射光の放射方向に延設するようにビームチャンネル25に一体的に形成されるアンテ部26,27と、アンテ部26,27の外側に設けられて冷却水を流通させる冷却チャンネル13,14と、ビームチャンネル25内及びアンテ部26,27内を真空にするNEGポンプ52を収納すると共に横断面がL字形をなすNEGアングル15,16,17,18を備え、NEGアングル15,16,17,18の一端をビームチャンネル25の膨出部19,22に接合する一方、NEGアングル15,16,17,18の他端をアンテ部26,27及び冷却チャンネル13,14に重合接合させることにより、真空チェンバ2が簡素な構成になり、NEGアングル15,16,17,18の引き抜き加工や溶接等の機械加工の比率が低減され、製造コストの低減を図ることができる。
【0037】
また、段部44,45,46,47を膨出部19,22に形成させた取付座28,29,30,31に接合させる一方、薄肉部36,37,38,39をNEGアングル15,16,17,18の他端及び冷却チャンネル13,14の接合部42,43で挟むように接合させることにより、NEGアングル15,16,17,18の一端が固定されるので作業性を向上させることができ、また、他端側においては、一度に接合させることができるので、接合箇所を減少させることができる。しかも、ポンプ室48,49,50,51が拡大されるので排気効率が向上され、高真空度を得ることができる。
【0038】
また、段部53,54同士または段部55,56同士を接合させた後に膨出部19,22に形成させた取付座57,58に接合させることにより、NEGアングル15,16,17,18のチェンバ本体11,12への接合工程が簡単になり作業性が向上されるので、更に、製造コストの低減を図ることができる。
【0039】
また、冷却チャンネル13,14、NEGアングル15,16,17,18、ビームチャンネル25及びアンテ部26,27を無酸素銅で形成させることにより、熱伝導性が向上され、冷却効果を十分に得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
荷電粒子を周回させて加速する荷電粒子加速器に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施例に係る真空チェンバを備えた荷電粒子加速器の平面図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】薄肉部の接合方法を示した図である。
【図4】本発明の他の実施例に係る荷電粒子加速器の真空チェンバの横断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 荷電粒子加速器
2,3 真空チェンバ
2a,3a フランジ
4,5 ベローズ
4a,5a フランジ
11,12 チェンバ本体
13,14 冷却チャンネル
15〜18 NEGアングル
19,22 膨出部
20,21,23,24 平坦部
25 ビームチャンネル
26,27 アンテ部
28〜31,57,58 取付座
32〜35 排気スリット
36〜39 薄肉部
40,41 冷却水路
42,43 接合部
42a,43a 内壁面
44〜47,53〜56 段部
48〜51 ポンプ室
52 NEGポンプ
W 接合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子を周回させるビームチャンネルと、
前記荷電粒子の周回に伴いその接線方向に放射される放射光の放射方向に延設するように前記ビームチャンネルに一体的に形成されるアンテ部と、
前記アンテ部の外側に設けられて冷却水を流通させる冷却チャンネルと、
前記ビームチャンネル内及び前記アンテ部内を真空にするポンプを収納すると共に横断面がL字形をなすポンプアングルとを備え、
前記ポンプアングルの一端を前記ビームチャンネルの膨出部に接合する一方、前記ポンプアングルの他端を前記アンテ部及び前記冷却チャンネルに重合接合させる
ことを特徴とする荷電粒子加速器の真空チェンバ。
【請求項2】
請求項1に記載の荷電粒子加速器の真空チェンバにおいて、
前記ポンプアングルの一端に形成させた段部を前記膨出部に形成させた取付座に接合させる一方、前記アンテ部の端部に形成させた薄肉部を前記ポンプアングルの他端及び前記冷却チャンネルで挟むように接合させる
ことを特徴とする荷電粒子加速器の真空チェンバ。
【請求項3】
請求項1に記載の荷電粒子加速器の真空チェンバにおいて、
前記ポンプアングルの一端に形成させた段部同士を接合させ、接合させた前記段部を前記膨出部に形成させた取付座に接合させる
ことを特徴とする荷電粒子加速器の真空チェンバ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の荷電粒子加速器の真空チェンバにおいて、
前記ビームチャンネル、前記アンテ部、前記冷却チャンネル及び前記ポンプアングルを無酸素銅で形成させる
ことを特徴とする荷電粒子加速器の真空チェンバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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