説明

菌培養液及び菌培養液含有組成物

本発明は、菌培養液、及び1種又は複数の本発明の培養液を含有する組成物に関する。本発明は、本発明の菌培養液を使用し、洗濯物又は布地及び表面を洗濯又は洗浄する方法、更には老廃物を分解する方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、単離された菌培養液及び該培養液を含有する組成物に関する。本発明の組成物は、洗濯、特に洗濯物又は新たに製造された布地の洗濯、カーペットなどの表面の洗浄、排水管及び汚水処理タンクの洗浄、更には老廃物の分解のために、有利に使用されてよい。
【背景技術】
【0002】
背景
洗濯物を洗濯するための組成物は、頑固な染みを除去するために、界面活性剤及び酵素などの他の活性成分を含有することが多い。酵素は、あらゆる種類の複雑な染み(strain)を除去できないことがある。
【0003】
WO 03/099987は、布地を洗浄する製品及び方法を開示しており、ここで汚れた布地は、洗浄に有用な酵素を排出することが可能である無害の微生物を1種又は複数含む製品が存在する水中に浸される。
【0004】
例え非常に多数の組成物及び洗浄システムが、当該技術分野において公知であるとしても、強力な洗濯能及び洗浄能を示す組成物の要望は依然減ることは決してない。洗濯物、布地及び表面を洗濯及び洗浄するための効果的組成物を提供する必要性は、依然存在する。
【発明の概要】
【0005】
発明の概要
本発明は、選択された全菌培養液を含有する組成物に関する。これらの細菌は、それらの天然の環境から単離されている。本発明の組成物は、特に洗濯物及び新たに製造された布地を洗濯するため、並びにカーペットなどの表面を洗浄するために使用されてよい。本発明の組成物は、界面活性剤及び/又は酵素などの他の活性成分が任意に補充されてよい。
【0006】
本発明の選択された(全)菌培養液は、洗濯物及び布地を洗濯するため並びに/又は表面を洗浄するために使用される場合に、洗濯及び洗浄の恩恵を有することがわかっている。より詳細に述べると、本発明者らは、バチルス属菌株、好ましくはバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・シンプレクス(Bacillus simplex)、バチルス・ベレゼンシス(Bacillus velezensis)、及びバチルス・アトロファエウス(Bacillus atrophaeus)種の菌株に由来する本発明の菌培養液、並びに本発明の1種又は複数の菌培養液を含有する組成物は、強力な洗濯性能及び洗浄効率を有することを発見した。
【0007】
第一の態様において、本発明は、以下:
寄託番号PTA-7541を有する菌株;
寄託番号PTA-7542を有する菌株;
寄託番号PTA-7543を有する菌株;
寄託番号PTA-7544を有する菌株;
寄託番号PTA-7545を有する菌株;
寄託番号PTA-7546を有する菌株;
寄託番号PTA-7547を有する菌株;
寄託番号PTA-7548を有する菌株;
寄託番号PTA-7549を有する菌株;
寄託番号PTA-7550を有する菌株;
寄託番号PTA-7789を有する菌株;
寄託番号PTA-7790を有する菌株;
寄託番号PTA-7791を有する菌株;
寄託番号PTA-7792を有する菌株;
寄託番号PTA-7793を有する菌株、又はこれらの菌株の2種もしくはそれよりも多い混合物からなる群より選択される菌株の特徴と、実質的に同じ特徴を有する菌培養液に関する。
【0008】
第二の態様において、本発明は、本発明の1種又は複数の生物学的活性のある培養液を含有する組成物に関する。好ましい実施態様において、本組成物は、界面活性剤、ヒドロトロープ、保存剤、充填剤、ビルダー、安定剤、香料、再付着防止剤、栄養素、生体刺激剤(biostimulant)、及び酵素からなる群より選択される1種又は複数の成分;又は、それらの1種又は複数の組み合わせを更に含む。
【0009】
別の態様において、本発明は、該対象物を、本発明の菌培養液又は組成物へ供することを含む、布地及び表面を、各々、洗濯及び洗浄する方法に関する。本発明は、本発明の培養液又は組成物を使用し、老廃物を分解することにも関する。
【0010】
本発明の状況において、特に企図されている汚れ/染みは、血液、バター脂、食用油、皮脂及びバラストを含む。用語「バラスト」は、一緒に混合されたチョコレート、血液、赤ワイン、及び牛乳を含む全般的「汚れ」に関する、当該技術分野において認められた用語である。その他の企図されている汚れ/染みは、(例えば豚)脂、(例えばハンバーガーの)油分、(例えばハンバーガーの)獣脂を含む。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の詳細な説明
本発明は、単離された(全)菌培養液及び1種又は複数の該培養液を含有する組成物に関する。本培養液及び組成物は、様々な洗濯及び洗浄目的に、特に洗濯物及び布地の洗濯、更には表面の洗浄に使用することができる。老廃物の分解を含む他の使用も、企図されている。
【0012】
本発明の培養液
第一の態様において、本発明は、以下:
寄託番号PTA-7541を有する菌株;
寄託番号PTA-7542を有する菌株;
寄託番号PTA-7543を有する菌株;
寄託番号PTA-7544を有する菌株;
寄託番号PTA-7545を有する菌株;
寄託番号PTA-7546を有する菌株;
寄託番号PTA-7547を有する菌株;
寄託番号PTA-7548を有する菌株;
寄託番号PTA-7549を有する菌株;
寄託番号PTA-7550を有する菌株;
寄託番号PTA-7789を有する菌株;
寄託番号PTA-7790を有する菌株;
寄託番号PTA-7791を有する菌株;
寄託番号PTA-7792を有する菌株;
寄託番号PTA-7793を有する菌株、又はこれらの菌株の2種もしくはそれよりも多い混合物からなる群より選択される菌株の特徴と、実質的に同じ特徴を有する菌培養液に関する。
【0013】
好ましい実施態様において、本発明の培養液は、先に言及された寄託された菌株のひとつ、又はそれらの混合物と同じ特性を有する。本培養液は、好ましくは先に言及された寄託された菌株の1種又は複数であってよい。本発明の培養液は、寄託された菌株の1種の子孫であってよい。本発明の培養液は、好ましくは、実質的に純粋、例えば少なくとも90%の純度、好ましくは少なくとも95%の純度、より好ましくは少なくとも97%の純度、更により好ましくは99%の純度である。
【0014】
寄託された菌培養液は、単離された天然の細菌株に由来する。全ての菌株は、2005年に米国において収集された。本発明の培養液は、休眠状態の細菌胞子及び/又は生菌からなってよい。
【0015】
1種又は複数の寄託された菌株と実質的に同じ特徴を有する本発明の培養液は、任意の細菌、好ましくはバチルス属の菌株、特にバチルス・サブチリス、バチルス・アミロリケファシエンス、バチルス・シンプレクス、バチルス・ベレゼンシス、及びバチルス・アトロファエウスからなる群より選択される種に由来する菌株に由来することができる。
【0016】
先に言及された寄託された菌株は、以下の「材料及び方法」の節により詳細に説明されているように、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)(私書箱1549, マナサス, VA 20108, 米国)において、「特許手続き上の微生物の寄託の国際承認に関するブダペスト条約(Budapest Treaty on the International Recognition of the Deposit of Microorganisms for the Purposes of Patent Procedure)」の条項に従い、2006年4月20日及び2006年8月18日に寄託された。
【0017】
本発明の実施態様において、本発明の菌培養液の2種又はそれよりも多くが、組み合わせられる。好ましい組み合わせは、寄託された菌株PTA-7547及びPTA-7548を含み、これは以下に指摘されるように、表面の洗浄、特にカーペットの洗浄に適している。
【0018】
本発明の組成物
第二の態様において、本発明は、1種又は複数の本発明の培養液を含有する組成物に関する。
本発明の組成物は、例えば従来の酵素的洗濯及び/又は洗浄組成物に勝る、多くの可能性のある利点を有し、その理由は、例えば複雑及び/又は頑固な染みを伴う洗濯物及び/又は他の汚れた対象物は一般に、多−酵素洗濯又は洗浄システムを必要とするからである。本発明の組成物は、それらの廃棄時に(at their disposal)菌培養液の又は1種もしくは複数の培養液の組み合わせの全代謝能を有する、1種又は複数の本発明の菌培養液を含有する。効力のある多−酵素組成物の調製には経費がかかるので、活性染み除去成分としての菌培養液の添加は、例えば単−成分酵素で構成される組成物に代わり、良好及び/又は費用効果があるであろう。本発明の菌培養液は、好都合なことに、洗濯又は洗浄組成物中の酵素を少なくとも部分的に置き換えるために使用することもできる。ある実施態様において、本組成物は、0.1〜90重量%の本発明の培養液、好ましくは0.5〜50重量%の培養液、特に1〜10重量%の培養液を含有する。
【0019】
好ましい実施態様において、本発明の組成物は、1種もしくは複数の界面活性剤及び/又は任意に酵素などの他の活性成分も含む。本発明の組成物は、固体形又は液体形であってよい。本組成物は使用前に、水を含む溶媒中に、希釈、再水和及び/又は溶解される濃縮物であってよい。本組成物は、そのまま使用することができる(使用中の(in-use))組成物であってもよい。本組成物は更に、他の洗浄又は洗濯組成物へ混入される活性洗浄基剤成分であってよい。
【0020】
他の企図された成分は、界面活性剤、ヒドロトロープ、保存剤、充填剤、ビルダー、錯化剤、ポリマー、安定剤、香料、生体刺激剤もしくは栄養素、従来の洗剤成分、及び酵素、又はそれらの1種もしくは複数の組み合わせを含む。
【0021】
界面活性剤
本界面活性剤は、半極性を含む非イオン系及び/又は陰イオン系及び/又は陽イオン系及び/又は両性イオン系であってよい。本界面活性剤(複数)は、本菌培養液の活性に対し可能な限り少ない害を引き起こすものでなければならない。
本界面活性剤は、本発明の組成物中に、0.1%〜60重量%のレベルで存在してよい。
【0022】
ひとつの実施態様において、本組成物は、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩(脂肪族アルコール硫酸塩)、アルコールエトキシ硫酸塩、第2級アルカンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル、アルキル−もしくはアルケニルコハク酸又はセッケンなどの、陰イオン界面活性剤を、約1%〜約40%含有する。
【0023】
ある実施態様において、本組成物は、アルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、アルキルポリグリコシド、アルキルジメチルアミンオキシド、エトキシル化された脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド、ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミド、又はグルコサミンのN−アシルN−アルキル誘導体(「グルカミド」)などの、非イオン界面活性剤を、約0.2%〜約40%含有する。
【0024】
ヒドロトロープ
本組成物は、ヒドロトロープを含有してよい。用語「ヒドロトロープ」は一般に、ある種の溶けにくい有機化合物の溶解度、好ましくは水への溶解度を増大する能力を伴う化合物を意味する。ヒドロトロープの例は、キシレンスルホン酸ナトリウム(SXS)及びクメンスルホン酸ナトリウム(SCS)を含む。
【0025】
金属キレート剤
本組成物は、炭酸塩、炭酸水素塩、及びセスキ炭酸塩などの、金属キレート剤を含有してよい。
【0026】
溶媒
本組成物は、水、又は、イソプロピルアルコールもしくはグリコールエーテルのような有機溶媒などの、溶媒を含有してよい。
【0027】
ビルダー又は錯化剤
本組成物は、ゼオライト、二リン酸塩、三リン酸塩などのリン酸塩、ホスホン酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、アルキル-又はアルケニルコハク酸、可溶性ケイ酸塩、メタケイ酸塩、層状ケイ酸塩(例えば、Hoechstから得られるSKS-6)などのケイ酸塩などの、ビルダー又は錯化剤を0〜65%含有してもよい。
【0028】
ポリマー
本組成物は、1種又は複数のポリマーを含有してよい。例は、カルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン−N−オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリアクリル酸エステルなどのポリカルボン酸エステル、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、及びメタクリル酸ラウリル/アクリル酸コポリマーがある。
【0029】
安定剤
酵素(複数)が本組成物中に存在する場合、これ(これら)は、通常の安定剤、例えば、プロピレングリコール又はグリセロールなどのポリオール、糖類又は糖アルコール、乳酸、ホウ酸、又は例えば芳香族ホウ酸エステルなどのホウ酸誘導体、又は4−ホルミルフェニルボロン酸などのフェニルボロン酸誘導体などを用い、安定化されてよく、並びに本組成物は、例えばWO 92/19709及びWO 92/19708に開示されたように、製剤されてよい。
【0030】
洗剤成分
本組成物は、その他の通常の洗剤成分、例えばクレイを含む布地の柔軟剤、発泡ブースター(foam booster)、泡立ち抑制剤、腐蝕防止剤、汚れ-懸濁化剤、汚れ再付着防止剤、染料、殺菌剤、蛍光増白剤、ヒドロトロープ、変色防止剤、又は香料などを含有してもよい。
ある実施態様において、固形組成物は、以下の構成成分を含有する:ヒドロトロープ、陰イオン系又は非イオン界面活性剤、ビルダー、pH調整及び金属キレート化のための炭酸塩、溶媒、充填剤、染料、香料、蛍光増白剤。
【0031】
表面洗浄に適した洗浄組成物
本発明の菌培養液は、硬質表面及び軟質表面、特にカーペットなどの、表面の洗浄に好適な組成物において使用されてよい。硬質表面及び軟質表面の例は、以下に言及している。
好ましい実施態様において、本発明の菌培養液又は2種もしくはそれよりも多い培養液の組み合わせは、界面活性剤システム又は洗浄組成物を含有する表面洗浄組成物において使用される。好ましい実施態様において、本組成物は、界面活性剤システム又は洗浄組成物、例えばWO 2007/078337(これは参照により本明細書に組み入れられる)に開示された界面活性剤システム又は洗浄組成物を含有する、カーペットクリーナー組成物、すなわち、カーペット洗浄組成物である。本カーペットクリーナーは、カーペット抽出クリーナー(extraction cleaner)又はカーペット染み取りであってよい。
【0032】
ひとつの実施態様において、該界面活性剤システムは、2種又はそれよりも多い非イオン界面活性剤及び陰イオン界面活性剤を含有する。ある実施態様において、非イオン界面活性剤のひとつは、水に不溶性の非イオン界面活性剤である。更に別の実施態様において、本界面活性剤システムは、2種又はそれよりも多い水溶性非イオン界面活性剤及び1種の水に不溶性の非イオン界面活性剤を含有する。更に本界面活性剤システムは、1種の水溶性陰イオン界面活性剤、1種の水に可溶性の非イオン界面活性剤及び1種の水に不溶性の非イオン界面活性剤を含有してもよい。
【0033】
好ましい実施態様において、陰イオン界面活性剤(複数)と非イオン界面活性剤(複数)の間の比率は、10:1から1:10、好ましくは10:1から1:1、より好ましくは8:1から1:1、更により好ましくは6:1から1:1の間であってよい。
【0034】
本発明のある実施態様において、洗浄組成物は、以下のように製剤される:
【0035】
【表1】

【0036】
これらの界面活性剤(界面活性剤間の比率を含む)、溶媒、塩及び任意の成分(酵素など)は、先に言及されたか、又は以下に言及されるいずれかであってよい。
【0037】
陰イオン界面活性剤
この陰イオン界面活性剤(複数)は、水に可溶性の陰イオン界面活性剤及び/又は水に不溶性の陰イオン界面活性剤であってよい。水に可溶性の陰イオン界面活性剤が好ましい。
【0038】
好適な水に可溶性の陰イオン界面活性剤の例は、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルアリールポリエーテル硫酸塩、アルキルアリール硫酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、モノグリセリド硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアミドスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、クメンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルオキシドスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、エトキシル化されたスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルアミドスルホコハク酸塩、アルキルスルホスクシナメート、アルキルスルホ酢酸塩、アルキルリン酸塩、リン酸エステル、アルキルエーテルリン酸塩、アシルサルコシン酸塩、アシルイセチオン酸塩、N−アシルタウリン酸塩、N−アシル−N−アルキルタウリン酸塩、及びアルキルカルボン酸塩からなる群より選択されるものを含む。
【0039】
好ましい水に可溶性の陰イオン界面活性剤の例は、ドデシル硫酸ナトリウム(ラウリル硫酸ナトリウム)、ラウレス硫酸ナトリウム(ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクチルスルホコハク酸二ナトリウム、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、エトキシル化されたラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、及びラウロイルサルコシンナトリウム、又は2種もしくはそれよりも多い混合物を含む。陰イオン界面活性剤の例は、WO 2007/078337(7頁8行から9頁3行を参照のこと−これは参照により本明細書に組み入れられる)にも開示されている。
【0040】
非イオン界面活性剤
本界面活性剤システムは、非イオン界面活性剤を含んでよい。非イオン界面活性剤は好ましくは、水に不溶性の非イオン界面活性剤又は水に可溶性の非イオン界面活性剤、又はそれらの混合物であってよい。好適な非イオン界面活性剤の例を、以下に示す。
【0041】
好適な水に不溶性の非イオン界面活性剤の例は、アルキル及びアリール系のグリセロールエーテル、グリコールエーテル、エタノールアミド、スルファニルアミド(sulfoanylamide)、アルコール、アミド、アルコールエトキシレート、グリセロールエステル、グリコールエステル、グリセロールエステル及びグリコールエステルのエトキシレート、糖-ベースのアルキルポリグリコシド、ポリオキシエチレン化された脂肪酸、アルカノールアミン縮合体、アルカノールアミド、第3級アセチレングリコール、ポリオキシエチレン化されたメルカプタン、カルボン酸エステル、及びポリオキシエチレン化されたポリオキシプロピレン(polyoxyproylene)グリコールがある。同じく、EO/POブロックコポリマー(EOはエチレンオキシドであり、POはプロピレンオキシドである)、EOポリマー及びコポリマー、ポリアミン、並びにポリビニルピロリドン(polyvinylpynolidone)も含まれる。
【0042】
水に可溶性の非イオン界面活性剤は典型的には、水に不溶性の非イオン界面活性剤と比べ、その界面活性剤の親水性領域内に、より高いエチレンオキシド含量を有する。
【0043】
ある実施態様において、水に可溶性の非イオン界面活性剤は、式:RO(CH2CH2O)nH(式中、Rは、炭化水素鎖長であり、nはエチレンオキシドの平均モル数である。)を有する、直鎖の第1級又は第2級もしくは分枝鎖のアルコールエトキシレートである。好ましい実施態様において、Rは、C9からC16の範囲の、直鎖の第1級又は分枝鎖の第2級炭化水素鎖長であり、nは、6〜13の範囲である。特に好ましいのは、Rが、直鎖のC9−C11炭化水素鎖長であり、nが6である、アルコールエトキシレートである。
【0044】
市販されている水に可溶性の非イオン系アルコールエトキシレート界面活性剤の例は、NEODOL(商標)91-6、TOMADOL(商標)91-6、又はBIO-SOFT(商標)N23-6.5である。
非イオン界面活性剤の例は、WO 2007/076337(9頁5行から12頁14行を参照のこと−これは参照により本明細書に組み入れられる)にも開示されている。
【0045】
具体的なカーペットクリーナー組成物の例は、下記実施例10及び11において明らかにされている。任意の本発明の菌培養液、又はそれらの組み合わせを使用することができる。しかし好ましい実施態様において、使用される菌培養液は、PTA-7548及びPTA-7547である。これらの2種の培養液の比率は、1:10から10:1、好ましくは1:2から2:1であり、例えばほぼ1:1である。
【0046】
本発明の菌培養液(複数)は、カーペットクリーナーなどの洗浄組成物中に、有効量で存在しなければならない。有効量は、当業者は容易に決定することができる。
【0047】
塩及び緩衝塩
本洗浄組成物は、1種又は複数の塩及び/又は緩衝塩を含んでよい。これらの塩又は緩衝塩は、任意の公知の無機塩であってよいが、好ましくは、硝酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、水酸化物、炭酸塩、水素炭酸塩(炭酸水素塩とも称される)、リン酸塩、硫化物、及び亜硫酸塩のアルカリ金属塩;硝酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、水酸化物、炭酸塩、水素炭酸塩(炭酸水素塩とも称される)、リン酸塩、硫化物、及び亜硫酸塩のアンモニウム塩;硝酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、硫化物、及び水素炭酸塩のアルカリ土類金属塩;硝酸塩、酢酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物及び硫酸塩のマンガン、鉄、銅及び亜鉛の塩;クエン酸塩及びホウ酸塩からなる群より選択される塩である。
【0048】
特に企図されているのは、特に炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムからなる群より選択される炭酸塩又は炭酸水素塩、又はそれらの混合物である。具体的な実施態様において、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの間の比率は、1:10〜10:1の間である。
塩及び/又は緩衝塩の合計量は、好ましくは最終の使用中の洗浄組成物の0.8〜8重量%、好ましくは1〜5重量%、より好ましくは約2重量%である。
【0049】
酵素
1種又は複数の酵素活性が、本発明の組成物中に及び本発明の方法を実践する際に、存在してよい。特に企図される酵素は、プロテアーゼ、α−アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ、ペクチン酸リアーゼ、及びマンナナーゼ、又はそれらの混合物を含む。
【0050】
プロテアーゼ:好適なプロテアーゼは、動物、植物又は微生物を起源とするものを含む。微生物起源が好ましい。化学的に修飾された又はタンパク質操作された変異体が含まれる。プロテアーゼは、セリンプロテアーゼ又はメタロプロテアーゼ、好ましくはアルカリ性細菌のプロテアーゼ又はトリプシン-様プロテアーゼであってよい。アルカリ性プロテアーゼの例は、スブチリシン、特にバチルスに由来するもの、例えばスブチリシンNovo、スブチリシンCarlsberg、スブチリシン309、スブチリシン147及びスブチリシン168(WO 89/06279に開示されている)である。トリプシン-様プロテアーゼの例は、トリプシン(例えばブタ又はウシ起源の)、並びにWO 89/06270及びWO 94/25583に開示された、フザリウム(Fusarium)プロテアーゼである。
【0051】
有用なプロテアーゼの例は、WO 92/19729、WO 98/20115、WO 98/20116、及びWO 98/34946に開示された変種、特に下記の位置のひとつ又は複数が置換した変種である:27、36、57、76、87、97、101、104、120、123、167、170、194、206、218、222、224、235及び274。好ましい市販されているプロテアーゼ酵素は、ALCALASE(商標)、SAVINASE(商標)、PRIMASE(商標)、DURALASE(商標)、DYRAZYM(商標)、ESPERASE(商標)、EVERLASE(商標)、POLARZYME(商標)、KANNASE(商標)、LIQUANASE(商標)(Novozymes A/S)、MAXATASE(商標)、MAXACAL(商標)、MAXAPEM(商標)、PROPERASE(商標)、PURAFECT(商標)、PURAFECT OXP(商標)、FN2(商標)、及びFN3(商標)(Genencor International Inc.)を含む。
【0052】
リパーゼ:好適なリパーゼは、細菌又は真菌由来のものを含む。化学的に修飾された又はタンパク質操作された変異体が含まれる。有用なリパーゼの例は、フミコラ(Humicola)(サーモマイセス(Thermomyces)と同義)、例えばEP 258 068及びEP 305 216に開示されたフミコラ・ランギノーサ(H. lanuginosa)(T.ラヌギノサス(T. lanuginosus))、又はWO 96/13580に開示されたフミコラ・インソレンス(H. insolens)由来のリパーゼ、シュードモナス(Pseudomonas)リパーゼ、例えばシュードモナス・アルカリゲネス(P. alcaligenes)又はシュードモナス・スードアルカリゲネス(P. pseudoalcaligenes)に(EP 218 272)、シュードモナス・セパシア(P. cepacia)に(EP 331 376)、シュードモナス・スタッツエリ(P. stutzeri)に(GB 1,372,034)、シュードモナス・フルオレッセンス(P. fluorescens)、シュードモナス種SD 705株(WO 95/06720及びWO 98/27002)、シュードモナス・ウィスコンシネシス(P. wisconsinensis)(WO 96/12012)に由来するリパーゼ、バチルスリパーゼ、例えばバチルス・サブチリス(B. subtilis)(Dartolsらの論文、(1993), Biochemica et Biophysica Acta, 1131, 253-360)、バチルス・ステアロサーモフィラス(B. stearothermophilus)(JP 64/744992)又はバチルス・プミルス(WO 91/16422)に由来するリパーゼを含む。
【0053】
他の例は、WO 92/05249、WO 94/01541、EP 407 225、EP 260 105、WO 95/35381、WO 96/00292、WO 95/30744、WO 94/25578、WO 95/14783、WO 95/22615、WO 97/04079及びWO 97/07202に開示されているものなどのリパーゼ変種である。
好ましい市販されているリパーゼ酵素は、LIPOLASE(商標)及びLIPOLASE ULTRA(商標)、又はLIPEX(商標)(Novozymes A/S)を含む。
【0054】
クチナーゼ:本発明の方法は、EC 3.1.1.74に分類されたクチナーゼの存在下で、実行されてよい。
本発明に従い使用されるクチナーゼは、任意の起源であってよい。好ましいクチナーゼは、微生物起源のもの、特に細菌、真菌又は酵母起源のものである。
【0055】
クチナーゼは、クチンを分解することができる酵素である。好ましい実施態様において、クチナーゼは、アスペルギルス(Aspergillus)、特にアスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)の菌株、アルテルナリア(Altenaria)、特にアルテルナリア・ブラシッシオラ(Altenaria brassiciola)の菌株、フザリウム(Fusarium)、特にフザリウム・ソラニ(Fusarium solani)、フザリウム・ソラニ・ピシィ(Fusarium solani pisi)、フザリウム・ロセウム・クルモルム(Fusarium roseum culmorum)、又はフザリウム・ロセウム・サンブシウム(Fusarium roseum sambucium)の菌株、ヘルミントスポルム(Helminthosporum)、特にヘルミントスポルム・サティブム(Helminthosporum sativum)の菌株、フミコラ(Humicola)、特にフミコラ・インソレンス(Humicola insolens)の菌株、シュードモナス(Pseudomonas)、特にシュードモナス・メンドシナ(Pseudomonas mendocina)またはシュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)の菌株、リゾクトニア(Rhizoctonia)、特にリゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)の菌株、ストレプトマイセス(Streptomyces)、特にストレプトマイセス・スカビイス(Streptomyces scabies)の菌株、またはウロクラジウム(Ulocladium)、特にウロクラジウム・コンソルティアレ(Ulocladium consortiale)の菌株から得られる。最も好ましい実施態様において、クチナーゼは、フミコラ・インソレンスの菌株、特にフミコラ・インソレンスDSM 1800株から得られる。フミコラ・インソレンスのクチナーゼは、WO 98/13580に開示されており、この特許は参照により本明細書に組み入れられる。本クチナーゼは、WO 00/34450及びWO 01/92502に開示された変種のひとつのような、変種であってよく、これらの特許は参照により本明細書に組み入れられる。好ましいクチナーゼ変種は、WO 01/92502の実施例2に列記された変種を含み、この特許は特に参照により本明細書に組み入れられる。
好ましい市販のクチナーゼは、NOVOZYM(商標)51032(Novozymes A/S, デンマークより入手可能)を含む。
【0056】
本発明の方法は、EC 3.1.1.4.及び/又はEC 3.1.1.32.に分類されたホスホリパーゼの存在下で、実行されてもよい。本明細書において使用される用語ホスホリパーゼは、リン脂質に対し活性がある酵素である。レシチン又はホスファチジルコリンなどのリン脂質は、外側(sn-1)及び中間(sn-2)位置の2個の脂肪酸によりエステル化され、並びに第三の位置のリン酸でエステル化されたグリセロールからなり;このリン酸は、次にアミノ-アルコールへ、エステル化され得る。ホスホリパーゼは、リン脂質の加水分解に参加する酵素である。いくつかの種類のホスホリパーゼ活性を区別することができ、1個の脂肪酸アシル基(各々、sn-1及びsn-2位置)を加水分解し、リゾリン脂質を形成する、ホスホリパーゼA1及びA2;並びに、リゾリン脂質の残りの脂肪酸アシルを加水分解することができる、リゾホスホリパーゼ(又はホスホリパーゼB)を含む。ホスホリパーゼC及びホスホリパーゼD(ホスホジエステラーゼ)は、各々、ジアシルグリセロール又はホスファチジン酸を放出する。
【0057】
用語ホスホリパーゼは、ホスホリパーゼ活性、例えばホスホリパーゼA(A1又はA2)、ホスホリパーゼB活性、ホスホリパーゼC活性又はホスホリパーゼD活性を伴う酵素を含む。本発明の酵素に関連して本明細書において使用される用語「ホスホリパーゼA」は、ホスホリパーゼA1及び/又はホスホリパーゼA2活性を伴う酵素を対象とすることが意図される。このホスホリパーゼ活性は、更に他の活性を有する酵素、例えばホスホリパーゼ活性を伴うリパーゼにより提供されてよい。ホスホリパーゼ活性は、例えばホスホリパーゼ副(side)活性を伴うリパーゼなどに由来してよい。本発明の別の実施態様において、ホスホリパーゼ酵素活性は、本質的にホスホリパーゼ活性のみを有する酵素により提供され、ここではホスホリパーゼ酵素活性は、副活性ではない。
【0058】
ホスホリパーゼは、任意の起源、例えば動物起源の(例えば哺乳類などの)、例えば膵臓(例えばウシ又はブタの膵臓)由来の、又はヘビ毒もしくはハチ毒由来であってよい。好ましくは、ホスホリパーゼは、微生物起源、例えば糸状菌、酵母又は細菌由来であってよく、以下の属又は種由来であってよい:アスペルギルス(Aspergillus)属、例えばA. ニジェール(A. niger)など;ジクチオステリウム(Dictyostelium)属、例えばD.ジスコルデウム(D. discoldeum)など;ムコール(Mucor)属、例えばM.ジャバニカス(M. javanicus)、M.ムセド(M. mucedo)、M.サブチリシマス(M. subtilissimus);ニューロスポラ(Neurospora)属、例えばN.クラッサ(N. crassa)など;リゾムーコル(Rhizomucor)属、例えばR.プシラス(R. pusillus)など;リゾプス(Rhizopus)属、例えばR.アリズス(R. arrhizus)、R.ジャポニカス(R. japonicus), R.ストロニフェル(R. stolonifer)など、スクレロチカ(Sclerotica)属、例えばS.リベルチナ(S. libertiana)など;トリコフィトン(Trichophyton)属、例えばT.ルブラム(T. rubrum);ウェゼリニア(Whetzelinia)属、例えばW.スクレロチオラム(W. sclerotiorum);バチルス(Bacillus)属、例えばB.メガテリウム(B. megaterium)、B.サブチリス(B. subtilis)など;サイトロバクター(Citrobacier)属、例えばC.フレウンディイ(C. freundii)など;エンテロバクター(Enterobacter)属、例えばE.アエロゲネス(E. aerogenes)、E.クロアカエ(E. cloacae)など;エドワージエラ(Edwardsiella)属、E.タルダ(E. tarda)など;エルウィニア(Erwinia)属、例えばE.ヘルビコラ(E. herbicola)など;エシェリキア(Escherichia)属、例えばE.コリ(E. coli)など;クレブシエラ(Klebsilla)属、例えばK.ニューモニアエ(K. pneumoniae)など;プロテウス(Proteus)属、例えばP.ブルガリス(P. vulgaris)など;プロビデンシア(Providencia)属、例えばP.スチュアルティイ(P. stuartii)など;サルモネラ(Salmonella)属、例えばS.ティフィムリウス(S. typhimurium)など;セラチア(Serratia)属、例えばS.リクファシエンス(S. liquefasciens)、S.マルセセンス(S. marcescens)など;シゲラ(Shigella)属、例えばS.フレックスネリ(S. flexneri)など;ストレプトマイセス(Streptomyces)属、例えばS.バイオラセオルバー(S. violeceoruber)など;エルシニア(Yersinia)属、例えばY.エンテロコリティカ(Y. enterocolitica)など。従って本ホスホリパーゼは、真菌の、例えば核菌(Pyrenomycetes)綱、例えばフザリウム属、例えばF.クルモルム、F.ヘテロスポラム(F. heterosporum)、F.ソラニなどの菌株、又はF.オキシスポラム(F. oxysporum)の菌株であってよい。本ホスホリパーゼは、アスペルギルス属内の糸状菌の菌株、例えばアスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・フォエチダス(Aspergillus foetidus), アスペルギルス・ジャポニカス(Aspergilluys japonicus)、アスペルギルス・ニジェール又はアスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)の菌株に由来してもよい。
【0059】
好ましいホスホリパーゼは、フミコラ属、特にフミコラ・ランギノーサ(Humicola lanuginosa)に由来する。このホスホリパーゼは、WO 00/32758に開示された変種のひとつのような変種であってよく、この特許は参照により本明細書に組み入れられる。好ましいホスホリパーゼ変種は、WO 00/32758の実施例5に開示された変種を含み、この特許は特に参照により本明細書に組み入れられる。別の好ましい実施態様において、ホスホリパーゼは、WO 04/111216に開示されたもの、特に実施例1の表に列記された変種である。
【0060】
別の好ましい実施態様において、ホスホリパーゼは、フザリウム属、特にフザリウム・オキシスポラムの菌株に由来する。ホスホリパーゼは、フザリウム・オキシスポラムDSM 2672由来の配列番号:2に示されたWO 98/026057に開示されたもの、又はそれらの変種であってよい。
【0061】
好ましい本発明の実施態様において、ホスホリパーゼは、ホスホリパーゼA1(EC 3.1.1.32)である。別の好ましい本発明の実施態様において、ホスホリパーゼは、ホスホリパーゼA2(EC 3.1.1.4.)である。
【0062】
市販されているホスホリパーゼの例は、LECITASE(商標)及びLECITASE(商標)ULTRA、YIELSMAX、又はLIPOPAN F(Novozymes A/S, デンマークより入手可能)を含む。
【0063】
アミラーゼ:好適なアミラーゼ(α及び/又はβ)は、細菌又は真菌起源のものを含む。化学的に修飾された又はタンパク質操作された変異体が含まれる。アミラーゼは、例えばバチルス属、例としてGB 1,296,839により詳細に開示された特別な菌株バチルス・リケニフォルミス(B. licheniformis)、又はWO 95/026397もしくはWO 00/060080に開示されたバチルス属菌種の菌株から得られたα-アミラーゼを含む。
【0064】
有用なアミラーゼの例は、WO 94/02597、WO 94/18314、WO 96/23873、WO 97/43424、WO 01/066712、WO 02/010355、WO 02/031124及びWO 2006/002643に開示された変種である(これらの特許は全て参照により本明細書に組み入れられる。)。
市販されているアミラーゼは、DURAMYL(商標)、TERMAMYL(商標)、TERMAMYL ULTRA(商標)、NATALASE(商標)、STAINZYME(商標)、FUNGAMYL(商標)及びBAN(商標)(Novozymes A/S)、RAPIDASE(商標)及びPURASTAR(商標)(Genencor International Inc.より)がある。
【0065】
セルラーゼ:好適なセルラーゼは、細菌又は真菌起源のものを含む。化学的に修飾された又はタンパク質操作された変異体が含まれる。好適なセルラーゼは、バチルス属、シュードモナス属、フミコラ属、フザリウム属、チエラビア属(Thielavia)、アクレモニウム属(Acremonium)に由来するセルラーゼ、例えばUS 4,435,307、US 5,648,263、US 5,691,178、US 5,776,757、WO 89/09259、WO 96/029397、及びWO 98/012307に開示された、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、チエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)、ミセリオフトーラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、及びフザリウム・オキシスポラム属(Fusarium oxysporum)から生成された真菌セルラーゼを含む。
【0066】
特に好適なセルラーゼは、色監視の恩恵(color care benefit)を有する、アルカリ性又は中性セルラーゼである。そのようなセルラーゼの例は、EP 0 495 257、EP 0 531 372、WO 96/11262、WO 96/29397、WO 98/08940に開示されたセルラーゼである。他の例は、WO 94/07998、EP 0 531 315、US 5,457,046、US 5,686,593、US 5,783,254、WO 95/24471、WO 98/12307及びPCT/DK98/00299に開示されたセルラーゼである。
市販されているセルラーゼは、CELLUZYME(商標)、CAREZYME(商標)、ENDOLASE(商標)、REN0ZYME(商標)(Novozymes A/S)、CLAZINASE(商標)及びPURADAX HA(商標)(Genencor International Inc.)、及びKAC-SOO(B)(商標)(Kao Corporation)を含む。
【0067】
ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ:好適なペルオキシダーゼ/オキシダーゼは、植物、細菌又は真菌起源のものを含む。化学的に修飾された又はタンパク質操作された変異体が含まれる。有用なペルオキシダーゼの例は、コプリナス(Coprinus)属由来の、例えばコプリナス・シネレウス(C. cinereus)由来のペルオキシダーゼ、並びにWO 93/24618、WO 95/10602、及びWO 98/15257に開示されたそれらの変種を含む。
市販されているペルオキシダーゼは、GUARDZYME(商標)及びN0VOZYM(商標)51004 (Novozymes A/S)を含む。
【0068】
ペクチン酸リアーゼ(ポリガラクツロン酸リアーゼとも称される):ペクチン酸リアーゼの例は、エルウィニア(Erwinia)属、シュードモナス属、クレブシエラ属及びキサントモナス属など様々な細菌属から、更にはバチルス・サブチリス(Nasserら、(1993) FEBS Letts. 335:310-326)、及びバチルス属菌種YA-14(Kimら、(1994) Biosci. Biotech. Biochem. 58:947-949)からクローニングされているペクチン酸リアーゼを含む。バチルス・プミルス(Dave及びVaughn、(1971) J. Bacteriol. 108.166-174)、B.ポリミキサ(B. polymyxa)(Nagel及びVaughn、(1961) Arch. Biocnem. Biophys. 93:344-352), B.ステアロテルモフィラス(B. stearothermophilus)(Karbassi及びVaughn、(1980) Can. J, Microbiol. 26:377-384)、バチルス属菌種(Hasegawa及びNagel、(1966) J, Food Sci. 31:838-845)、及びバチルス属菌種RK9(Kelly及びFogarty、(1978) Can. J. Microbiol. 24:1164-1172)から産生された、pH8〜10の範囲で最大活性を持つペクチン酸リアーゼの精製も、説明されている。前述のいずれかに加え、二価の陽イオン-非依存型及び/又は熱安定性のペクチン酸リアーゼを、本発明の実践において使用してよい。好ましい実施態様において、ペクチン酸リアーゼは、Heffrortらの論文((1995) Mol. Plant-Microbe Interact. 8: 331-334)及びHenrissatらの論文((1995) Plant Physiol. 107: 963-976)に明らかにされたペクチン酸リアーゼのアミノ酸配列を含む。特に企図されたペクチン酸リアーゼは、WO 99/27083及びWO 99/27084において開示されている。他の具体的に企図されたバチルス・リケニフォルミスに由来したペクチン酸リアーゼは、米国特許第6,284,524号に配列番号:2として開示されている(この特許文献は参照により本明細書に組み入れられる)。特に企図されたペクチン酸リアーゼ変種は、WO 02/006442に開示され、特別にそれらの変種は、WO 02/006442の実施例に開示されている(この特許文献は参照により本明細書に組み入れられる)。
【0069】
市販されているアルカリ性ペクチン酸リアーゼの例は、Novozymes A/S(デンマーク)からのBIOPREP(商標)及びSCOURZYME(商標)Lを含む。
【0070】
マンナナーゼ:マンナナーゼ(EC 3.2.1.78)の例は、細菌又は真菌起源のものを含む。具体的な実施態様において、マンナナーゼは、糸状菌アスペルギルス属、好ましくはアスペルギルス・ニジェール又はアスペルギルス・アクレータス(WO 94/25576)の菌株に由来する。WO 93/24622は、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reseei)から単離されたマンナナーゼを開示している。マンナナーゼは、バチルス生物を含む、いくつかの細菌からも単離されている。例えば、Talbotらの論文(Appl. Environ. Microbiol., Vol.56, No. 11, pp. 3505-3510 (1990))は、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)由来のβ-マンナナーゼを説明している。Mendozaらの論文(World J. Microbiol. Biotech., Vol. 10, No, 5, pp. 551-555 (1994))は、バチルス・サブチリス由来のβ-マンナナーゼを説明している。日本国特開03047076は、バチルス属菌種由来のβ-マンナナーゼを開示している。特開63056289は、アルカリ性の熱安定性のβ-マンナナーゼの生成を開示している。特開63036775は、β-マンナナーゼ及びβ-マンノシダーゼを生成するバチルス微生物FERM P-8856に関連している。特開08051975は、好アルカリ性バチルス属菌種AM-001由来のアルカリ性β-マンナナーゼを開示している。バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)から精製されたマンナナーゼは、WO 97/11164に開示されている。WO 91/18974は、グルカナーゼ、キシラナーゼ又はマンナナーゼ活性などのヘミセルラーゼを開示している。WO 99/64619に開示されたバチルス・アガラドハエレンス(Bacillus agaradhaerens)、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・ハロデュランス(Bacillus halodurans)、バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)、バチルス属菌種、及びフミコラ・インソレンス由来のアルカリ性ファミリー5及び26マンナナーゼが企図されている。特に企図されているのは、WO 99/64619の実施例に関連したバチルス属菌種のマンナナーゼであり、この特許文献は参照により本明細書に組み入れられる。
【0071】
市販されているマンナナーゼの例は、Novozymes A/S(デンマーク)から入手可能なMANNAWAY(商標)を含む。
本酵素(複数)は、本発明の組成物中に、組成物の0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、特に1〜2重量%の量で存在する。
【0072】
本発明の方法
第三の態様において、本発明は、洗濯物又は布地を、本発明の組成物又は菌培養液に供することを含む、該洗濯物又は布地を洗濯する方法に関する。
本発明の方法は、本発明の組成物又は菌培養液を、洗濯される洗濯物又は布地を含んでも含まなくてもよい洗濯液へ、添加することにより、実行されてよい。洗濯又は洗浄時に、問題の菌培養液が、問題の汚れ/染みを分解することを可能にするのに適切な条件を確実にすることは重要である。休眠状態の細菌胞子が使用される場合、発芽のために好適な条件及び/又は成分が必要とされることがある。本発明の菌培養液又は組成物の貯蔵条件は、使用中の条件とは異なって良いことを理解することは重要である。
【0073】
本発明の洗濯物もしくは布地を洗濯するか又は表面を洗浄する方法は、一工程法又は二工程法として実行されてよい。これらの処理工程は、同時に又は逐次実行されてよい。ひとつの実施態様において、処理は、培養液及び1種又は複数の活性成分(前述のような)を同時に使用し実行される。本発明に従い、洗濯物又は布地は、1個又は2個の浴中で、本発明の菌培養液及び1種又は複数の活性成分により、逐次処理されてよい。ある実施態様において、本発明の方法は、二工程で実行されてよく、すなわち最初に問題の洗濯物、布地又は表面を、本発明の菌培養液により処理し、並びに逐次又は同時に、活性成分、特に例えばプロテアーゼ、α−アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ、ペクチン酸リアーゼ、及びマンナナーゼなどの酵素、又はそれらの混合物により処理される。本発明の二工程法は、1個の浴中で実行されるか、又は2個の(個別の)浴中で逐次実行されてよい。
【0074】
本発明の菌培養液又は組成物は、本発明の方法時に、有効濃度で使用される。ある実施態様において、洗濯時の菌培養液の濃度は、1×106〜1×1012個細菌細胞/L洗濯液の範囲、好ましくは1×107個細菌細胞/L洗濯液を上回る濃度であってよい。
【0075】
洗濯時のpHは、5〜11の範囲であってよい。この温度は、典型的には、10〜90℃、好ましくは20〜50℃の範囲内であってよい。ある実施態様において、洗濯は、1〜1440分間の期間実行される。布地:洗濯液の比率は、好ましくは1:1から1:20の範囲であり、好ましくは1:10である。前述のように、1種又は複数の酵素が、洗濯時に存在してよい。企図された酵素は、先の「酵素」の節において言及されたもののいずれかであり、これはプロテアーゼ、α−アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼ/オキシダーゼ、マンナナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、又はそれらの混合物を含む。酵素は、0.01〜100mg酵素タンパク質/L洗濯液、好ましくは0.05〜5mg酵素タンパク質/L洗濯液、特に0.1〜1mg酵素タンパク質/L洗濯液に相当する量で存在してよい。好ましい実施態様において、洗濯物又は布地は、洗濯後にすすがれる。
【0076】
洗濯物及び/又は布地
用語「布地」を使用する場合、これは布地、織物、繊維、衣服(clothes garment)などの全ての種類を包含している。「洗濯物」は、「新たに製造された布地」とは対照的に、洗濯の必要がある既に使用された及び/又は染みのついた/汚れた衣類である。洗濯物の洗濯は典型的には、個人の家庭において実行されるのに対し、新たに製造された布地の洗濯は主に、繊維工業において行われる。洗濯物の洗濯は、病院、刑務所、制服サービス会社などの商業的施設及び機関施設(institutional facility)においても行うことができる。この布地又は洗濯物は、任意の好適な材料から製造されてよい。好ましい実施態様において、布地及び/又は洗濯物は、セルロース系材料、合成材料及び/もしくは人工繊維、又はそれらの混紡から製造される。
【0077】
企図されたセルロース系材料の例は、綿、ビスコース、レーヨン、ラミー、麻(linen)、リヨセル(例えば、Courtaulds Fibersにより製造されたTENCEL(商標))もしくはそれらの混紡、又はこれらの繊維のいずれかの合成繊維又は人工繊維(例えばポリエステル、ポリアミド、ナイロン)もしくはウール及び絹などの他の天然繊維との混紡、例えばビスコース/綿混紡、リヨセル/綿混紡、ビスコース/ウール混紡、リヨセル/ウール混紡、綿/ウール混紡などを含み;亜麻(麻)、ラミー及び他の布地及び/又はセルロース繊維ベースの洗濯物であり、これは、セルロース系繊維の、ウール繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維及びポリエステル繊維などの他の繊維との全ての混紡、例えばビスコース/綿/ポリエステル混紡、ウール/綿/ポリエステル混紡、亜麻/綿混紡などを含む。本布地及び/又は洗濯物は、例えば各々、本質的に100%ポリエステル、ポリアミド、ナイロンからなる、合成材料であってもよい。用語「ウール」は、任意の商業的に有用な動物の毛製品、例えば、ヒツジ、ラクダ、ウサギ、ヤギ、ラマ由来のウール、並びにメリノウール、シェトランドウール、カシミヤウール、アルパカウール、モヘアなどとして公知のウールを意味し、並びにウール繊維及び動物の毛を含む。本発明の方法は、表面(top)、繊維、毛糸、又は織ったもしくは編んだ布地の形の、ウール又は動物の毛材料を含む。
【0078】
表面の洗浄法
本発明の組成物又は菌培養液は、硬質表面又は軟質表面を含む表面を洗浄するために使用されてもよい。
従って第四の態様において、本発明は、本発明の組成物又は菌培養液を該表面に供することを含む、表面を洗浄する方法に関する。
【0079】
企図された硬質表面の例は、コンクリート、金属、ガラス、セラミック、プラスチック、リノリウム及び類似の表面である。硬質表面は典型的には、トイレ、シャワー室、浴槽、流し、調理台、壁、床に見られ、並びに道路の表面も含む。
企図された軟質表面の例は、カーペット、家具、椅子張り生地、スリッパ、衣類及び他の繊維性材料の表面を含む。
【0080】
本発明の組成物又は菌培養液は、排水のための排水管又は出口パイプ、例えば家庭又は産業企業、車両、貯蔵タンク、汚水処理タンクなどからの下水管などの洗浄対象物についても企図されることも言及されなければならない。例えば有機老廃物を分解するために、本発明の組成物又は菌培養液を使用することも企図されている。
【0081】
特に企図された実施態様において、本発明は、カーペット又は他の繊維性材料表面の洗浄法に関する。
カーペット洗浄は、カーペットを洗浄するが、例えば食品などの有機物のこぼれからの臭気を防止又は制御することもできることは理解されるべきである。
【0082】
臭気の制御は、防止的又は予防的であってよく、すなわち問題のカーペットもしくは繊維性材料の製造時又は新たなカーペットの据付時に、カーペットに添加されてよいか、又は例えば汚れたカーペット又は繊維性材料の部分洗浄又は全面的な洗浄のために使用されてもよい。
【0083】
本発明の好ましい実施態様において、軟質表面、特にカーペット及び他の繊維性材料などの表面を洗浄するための組成物又は培養液は、以下の菌株を単独で又は組み合わせて含有する:PTA-7548及びPTA-7547。これら2種の培養液の間の比率は、1:10〜10:1、好ましくは1:2〜2:1、例えばほぼ1:1である。
【0084】
本発明は、カーペット又は他の繊維性材料上に有機物質をこぼす前及び/又は後に、本発明の菌培養液又は本発明の組成物を、カーペットへ適用することを含む、カーペット又は他の繊維性材料上にこぼれた有機物質により引き起こされる臭気を防止及び/又は制御する方法にも関する。本菌培養液は、105〜109、好ましくは106〜108個細胞/gカーペット繊維、特に107個細胞/gカーペット繊維の濃度で、カーペットへ適用される。
【0085】
本発明の菌培養液の使用
最後の態様において、本発明は、布地及び/又は軟質もしくは硬質表面を洗浄又は洗濯するための、本発明の組成物又は菌培養液の使用に関する。例えば有機老廃物を分解するための、本発明の組成物又は菌培養液の使用も企図されている。好ましい実施態様において、本発明の菌培養液又はそれらの組み合わせ、特にPTA-7548及びPTA-7547は、カーペットクリーナー組成物において、特にWO 2007/076337(これは参照により本明細書に組み入れられる)において開示されたものにおいて使用される。
【0086】
本カーペットクリーナーは、カーペット抽出クリーナー又はカーペット染みクリーナーであってよい。このようなカーペットクリーナーの例は、下記実施例10及び11に明らかにされている。好ましい実施態様において、カーペットクリーナーにおいて使用される菌培養液は、PTA-7548及び/又はPTA-7547である。菌培養液(複数)は、有効量で存在しなければならないことは理解されなければならない。有効量は、当業者により容易に決定することができる。
【0087】
材料及び方法
生物学的材料の寄託
以下の生物学的材料は、ブダペスト条約の条項に基づき、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)(10801 University Blvd., マナサス, VA 20108, 米国)に寄託されており、以下の寄託番号が付与されている。
【0088】
【表2】

【0089】
これらの菌株は、米国特許法施行規則1.14条及び米国特許法122条の下で、付与された権利がある米特許商標庁長官(CPT)により決定されたものへ、本特許出願の係属期間中は、培養液が入手可能であることを確実にする条件下で、寄託されている。この寄託物は、寄託された菌株の純粋な培養液を表している。この寄託物は、本出願又はその後続(progeny)の対応物が出願された国々において外国特許法により必要とされる場合に、入手可能である。しかし、寄託物の入手可能性は、本発明が政府の行政措置により付与された特許権を毀損する実施許諾(license)を構成するものではないことは理解されなければならない。
【0090】
布地
全ての布地は、Testfabrics, Inc.(West Pittson, PA 18643, 米国)から購入した。
【0091】
【表3】

【0092】
実施例9の布地は、Warwick Equestから入手した:
WARWICK EQUEST LIMITED(Unit 55, Consett Business Park Consett, County Durham DH8 68N 英国)。
【0093】
培地及び試薬
緩衝液及び基質として使用される化学物質は、少なくとも試薬等級の市販されている製品であった。
PCB(Plate Countブロス)は、Difco(フランクリンレーク, NJ, 米国)から購入した。
LB(Luria-Bertaniブロス)は、Difco(フランクリンレーク, NJ, 米国)から購入した。
10D 皮脂及び粒子(カーボンブラック)
AS12 複合一般汚れ(油分、牛乳タンパク質、粒子)
CS62 スーダンレッドで染められた豚脂
Macrolexバイオレット染料で染められたハンバーガー獣脂
【0094】
装置
分光光度計:Gretag-Macbeth Color Eye 7000A
【0095】
方法
布地染みの洗浄手順
細菌の一晩培養液を、PCB又はLBのような、複合栄養素の豊富な培地10mlにおいて、35℃で、250rpmで振盪しながら、増殖した。最小OD600が1.0に達しない培養液は、後日再度接種し、使用しなかった。
SSC3最小培地は、下記配合表に従い使用した。
【0096】
【表4】

【0097】
孔開けした染みのついた布地がはいったマイクロタイタープレートを、そのまま使用した。滅菌SSCの200μlを、各ウェルに添加した。
一晩培養液5μlを、先の工程において添加された0.2%グルコース(w/v)を含有するSSC3 200μlへ接種した。プレートを、35℃で48時間振盪しながら、増殖した。増殖後、ウェルをDI水で3×すすぎ、その後布地を、写真撮影のために、35℃のインキュベーター内で一晩乾燥した。
【0098】
振盪フラスコ試験について:
菌株の一晩培養液10mlを、PCB中で35℃で、200rpmで振盪しながら増殖した。翌日、この培養液0.25mlを使用し、0.2%グルコースを含有するSSC3 10mlへ接種した。この最小培地も、35℃で、200rpmで振盪しながら一晩増殖した。
【0099】
この一晩培養液0.5mlを使用し、各SSC3培養液150ml+染みのついた布地へ接種した。全ての細菌の増殖を阻害するためには、0.005%(w/v)マイアシド(myacide)を含有する染みのついた布地を含む陰性対照を、使用する。対照布地試料は、実験試料と同じように処理する。全ての培養フラスコは、35℃で、200rpmで振盪しながら48時間培養する。
【0100】
布地試料を取り除き、蒸留水ですすぎ、Gretag-Macbeth Color Eye 7000A分光光度計上で、反射分析について分析する。ΔE値を決定する。
【実施例】
【0101】
実施例1
血液で染みのついた綿布地の洗浄
ATCCに寄託された下記のバチルス属菌株を、時間の経った血液で汚れた綿布地(Testfabrics Inc., PA, 米国)上で、「方法及び方法」の項に説明された「布地の染みの洗浄手順」に従い試験した。
【0102】
【表5】

【0103】
実施例2
バラスト染みのついた綿布地の洗浄
ATCCに寄託された下記のバチルス属菌株を、バラストで汚れた綿布地(Testfabrics Inc., PA, 米国)上で、「方法及び方法」の項に説明された「布地の染みの洗浄手順」に従い試験した。
【0104】
【表6】

【0105】
実施例3
バター脂で汚れた綿布地の洗浄
ATCCに寄託された下記のバチルス属菌株を、バター脂で汚れた綿布地(Testfabrics Inc., PA, 米国)上で、「方法及び方法」の項に説明された「布地の染みの洗浄手順」に従い試験した。
【0106】
【表7】

【0107】
実施例4
食用油で汚れた綿布地の洗浄
ATCCに寄託された下記のバチルス属菌株を、食用油で汚れた綿布地(Testfabrics Inc., PA, 米国)上で、「方法及び方法」の項に説明された「布地の染みの洗浄手順」に従い試験した。
【0108】
【表8】

【0109】
実施例5
皮脂で汚れた綿布地の洗浄
ATCCに寄託された下記のバチルス属菌株を、皮脂で汚れた綿布地(Testfabrics Inc., PA, 米国)上で、「方法及び方法」の項に説明された「布地の染みの洗浄手順」に従い試験した。
【0110】
【表9】

【0111】
実施例6
皮脂及び粒子で汚れた綿布地の洗浄
ATCCに寄託された下記のバチルス属菌株を、皮脂及び粒子で汚れた綿布地(Testfabrics Inc., PA, 米国)上で、「方法及び方法」の項に説明された「布地の染みの洗浄手順」に従い試験した。
【0112】
【表10】

【0113】
実施例7
複合一般汚れで汚れた綿布地の洗浄
ATCCに寄託された下記のバチルス属菌株を、複合一般汚れで汚れた綿布地(Testfabrics Inc., PA, 米国)上で、「方法及び方法」の項に説明された「布地の染みの洗浄手順」に従い試験した。
【0114】
【表11】

【0115】
実施例8
豚脂で汚れた綿布地の洗浄
ATCCに寄託された下記のバチルス属菌株を、豚脂で汚れた綿布地(Testfabrics Inc., PA, 米国)上で、「方法及び方法」の項に説明された「布地の染みの洗浄手順」に従い試験した。
【0116】
【表12】

【0117】
実施例9
ハンバーガー獣脂で汚れた綿布地の洗浄
ATCCに寄託された下記のバチルス属菌株を、ハンバーガー獣脂で汚れた綿布地(Warwick Equest, Consett. 英国)上で、「方法及び方法」の項に説明された「布地の染みの洗浄手順」に従い試験した。
【0118】
【表13】

【0119】
実施例10
カーペットの染み除去
各製剤において、活性オクチルスルホン酸ナトリウムを、活性オクチルスルホン酸ナトリウム37.8%含有する溶液である、BIO-TERGE(登録商標)PAS-8S(Stepan Company)として導入した。オクチルスルホン酸ナトリウムが使用される下記実験において、オクチルスルホン酸ナトリウムの量は活性率(%)として示される。
【0120】
【表14】

【0121】
【表15】

【0122】
【表16】

【0123】
【表17】

【0124】
【表18】

【0125】
【表19】

【0126】
【表20】

【0127】
【表21】

【0128】
【表22】

【0129】
実施例11
カーペット抽出クリーナー
カーペット抽出洗浄に使用するための水性洗浄組成物が、以下に説明される。本洗浄組成物は、消費者が購入し、2オンス(56.7g)を充填タンクに添加し、及び温水を満たし、全体を1ガロン(3.79L)とすることにより、水中に希釈する製品を例示している。
【0130】
重量/重量百分率が5種の洗浄組成物製剤を、以下の表に示している。同じくTOMADOL 91-8とTOMADOL 91-2.5の比率も、TOMADOL 91-6とTOMADOL 91-2.5の総含量の百分率比として示している。これらの製剤は全て、TOMADOL 91-6及びTOMADOL 91-2.5の相対量のみが変化することに注意。これらの使用中の洗浄溶液は、洗浄製剤6.25gをビンに添加し、水道水で総量を400gとすることにより調製した。
【0131】
【表23】

【0132】
洗浄組成物製剤。Tomadol 91-6のTornadol 91-2.5に対する比率も、TOMADOL 91-6とTOMADOL 91-2.5の総含量の百分率比として示している。
【0133】
本明細書に説明されかつ請求された本発明は、本明細書に開示された具体的な実施態様は、本発明のいくつかの態様を例示するものとして意図されているので、これらの実施態様により範囲が限定されるものではない。任意の同等の実施態様は、本発明の範囲内であることが意図されている。実際本明細書に示されかつ説明されたものに加え、本発明の様々な修飾が、前述の説明から、当業者には明らかであろう。このような修飾は、添付された「特許請求の範囲」内に収まることが意図されている。矛盾する場合は、定義を含む本説明が支配するであろう。
【0134】
様々な参考文献が本明細書に引用されているが、それらの内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【受託番号】
【0135】
バチルス・アミロリクエファシエンス PTA-7541
バチルス・アミロリクエファシエンス PTA-7542
バチルス・アトロファエウス PTA-7543
バチルス・アミロリクエファシエンス PTA-7544
バチルス・アミロリクエファシエンス PTA-7545
バチルス・アミロリクエファシエンス PTA-7546
バチルス・サブティリス亜属サブティリス PTA-7547
バチルス・ベレゼンシス PTA-7548
バチルス・アミロリクエファシエンス PTA-7549
バチルス・シンプレクス PTA-7550
バチルス・シンプレクス PTA-7789
バチルス・アミロリクエファシエンス PTA-7790
バチルス・アミロリクエファシエンス PTA-7791
バチルス・アトロファエウス PTA-7792
バチルス・アミロリクエファシエンス PTA-7793

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下:
寄託番号PTA-7541を有する菌株;
寄託番号PTA-7542を有する菌株;
寄託番号PTA-7543を有する菌株;
寄託番号PTA-7544を有する菌株;
寄託番号PTA-7545を有する菌株;
寄託番号PTA-7546を有する菌株;
寄託番号PTA-7547を有する菌株;
寄託番号PTA-7548を有する菌株;
寄託番号PTA-7549を有する菌株;
寄託番号PTA-7550を有する菌株;
寄託番号PTA-7789を有する菌株;
寄託番号PTA-7790を有する菌株;
寄託番号PTA-7791を有する菌株;
寄託番号PTA-7792を有する菌株;
寄託番号PTA-7793を有する菌株、又はこれらの菌株の2種もしくはそれよりも多い混合物からなる群より選択される菌株の特徴と実質的に同一の特徴を有する菌培養液。
【請求項2】
寄託された菌株の1種又はそれらの混合物と同じ特性を有する、請求項1記載の培養液。
【請求項3】
寄託された菌株の1種又はそれらの子孫である、請求項1記載の培養液。
【請求項4】
前記菌株が、細菌、好ましくはバチルス属の菌株、特にバチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・シンプレクス(Bacillus simplex)、バチルス・ベレゼンシス(Bacillus velezensis)、及びバチルス・アトロファエウス(Bacillus atrophaeus)からなる群より選択される種の菌株に由来する、請求項1〜3のいずれか1項記載の培養液。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載の1種又は複数の生物学的培養液を含む組成物。
【請求項6】
界面活性剤、ヒドロトロープ、保存剤、充填剤、ビルダー、安定剤、香料、再付着防止剤、栄養素、生体刺激剤、及び酵素からなる群より選択される1種又は複数の成分;又は、それらの1種又は複数の組み合わせを更に含む、請求項5記載の組成物。
【請求項7】
プロテアーゼ、α−アミラーゼ、セルラーゼ、リパーゼ、マンナナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、又はそれらの混合物からなる群より選択される1種又は複数の酵素を更に含む、請求項5〜6のいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
PTA-7547及びPTA-7548の培養液の組み合わせを含む、請求項5〜7のいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
培養液(複数)が、使用時の濃度が、1×106〜1×1012個細菌細胞/L処理液の範囲、好ましくは1×107個細菌細胞/Lを上回るような濃度で存在する、請求項5記載の組成物。
【請求項10】
洗濯物又は布地を、請求項1〜4のいずれか1項記載の菌培養液又は請求項5〜9のいずれか1項記載の組成物に供することを含む、洗濯物又は布地を洗濯する方法。
【請求項11】
洗濯物又は布地を、請求項1〜4のいずれか1項記載の菌培養液で処理し、引き続き又は同時に1種又は複数の活性成分で処理する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記組成物が、洗濯時の細菌の濃度が、1×106〜1×1012個細菌細胞/L洗濯液の範囲、好ましくは1×107個細菌細胞/L洗濯液を上回るように使用される、請求項10〜11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
表面を、請求項1〜4のいずれか1項記載の菌培養液又は請求項5〜9のいずれか1項記載の組成物に供することを含む、表面を洗浄する方法。
【請求項14】
前記表面が、コンクリート、金属、ガラス、セラミック、プラスチック、リノリウム、木材及び類似の表面などの、硬質表面である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記表面が、カーペット、家具、椅子張り生地、スリッパ、衣類及び他の繊維性材料の表面などの、軟質表面である、請求項13記載の方法。
【請求項16】
カーペット又は他の繊維性材料上に有機物質をこぼす前又は後に、請求項1〜4のいずれか1項記載の菌培養液又は請求項5〜9のいずれか1項記載の組成物を、カーペットに適用することを含む、カーペット又は他の繊維性材料上にこぼれた有機物質により引き起こされる臭気を防止及び/又は制御する方法。
【請求項17】
前記菌培養液が、105〜109、好ましくは106〜108個細胞/gカーペット繊維の範囲、特に107個細胞/gカーペット繊維の濃度で、カーペットへ適用される、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記表面を、請求項1〜4のいずれか1項記載の菌培養液又は請求項5〜9のいずれか1項記載の組成物に供することを含む、老廃物を分解する方法。
【請求項19】
洗濯物又は新たに製造された布地を洗濯するための、請求項1〜4のいずれか1項記載の菌培養液又は請求項5〜9のいずれか1項記載の組成物の使用。
【請求項20】
前記洗濯物又は新たに製造された布地が、セルロース系繊維、好ましくは綿繊維を含む、請求項19記載の使用。
【請求項21】
前記洗濯物又は布地が、血液、バター脂、食用油、血清、バラスト、又はそれらの混合物を有する、請求項19又は20記載の使用。
【請求項22】
洗浄表面のための、請求項1〜4のいずれか1項記載の菌培養液又は請求項5〜9のいずれか1項記載の組成物の使用。
【請求項23】
前記表面が、硬質表面又は軟質表面である、請求項22記載の使用。
【請求項24】
前記軟質表面が、カーペットである、請求項23記載の使用。

【公表番号】特表2010−500030(P2010−500030A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523923(P2009−523923)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【国際出願番号】PCT/US2007/075185
【国際公開番号】WO2008/021761
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(507121116)ノボザイムス バイオロジカルズ,インコーポレイティド (7)
【Fターム(参考)】