説明

菌株遺伝子操作による改善されたタンパク質発現のための方法

【課題】本発明は、組換えタンパク質又はペプチドの生産レベルを改善する又は宿主細胞において発現される活性組換えタンパク質又はペプチドのレベルを改善するための方法である。
【解決手段】本発明は、組換えタンパク質を発現する細胞の2つの遺伝的プロフィールを比較し、組換えタンパク質発現に応答して上方調節される遺伝子産物の発現を変化させるように前記細胞を修飾する方法である。前記方法は、例えば組換えタンパク質の溶解度を上昇させることによって、タンパク質の生産を改善することができる又はタンパク質の品質を改善することができる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)組換え宿主細胞又は生物において組換えタンパク質又はペプチドを発現すること;
ii)前記組換え細胞の遺伝的プロフィールを分析し、前記組換えタンパク質を発現す
るように修飾されていない宿主細胞又は前記組換えタンパク質を発現していない組換え細
胞におけるよりも高いレベルで前記組換え細胞において発現される1又はそれ以上の補償
遺伝子又は遺伝子産物を特定すること;及び
iii)前記組換え細胞における前記特定された補償遺伝子又は遺伝子産物の発現を遺
伝子修飾によって変化させ、組換えタンパク質の発現、活性又は溶解度の上昇を達成する
修飾組換え細胞を提供すること、
を含む、宿主細胞又は生物における組換えタンパク質又はペプチドの発現を改善する方法

【請求項2】
前記修飾組換え細胞において前記タンパク質又はペプチドを発現することをさらに含む
、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(a)前記修飾組換え細胞において前記組換えタンパク質又はペプチドを発現すること

(b)前記修飾組換え細胞の遺伝的プロフィールを分析し、前記修飾組換え細胞におい
て区別して発現される少なくとも1つの第二遺伝子又は遺伝子産物を特定すること;
(c)前記修飾組換え細胞における第前記二の特定された遺伝子産物の発現を変化させ
、二重修飾された細胞を提供すること;及び
(d)前記二重修飾組換え細胞において前記タンパク質又はペプチドを発現すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
工程a)−d)を反復することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記特定された遺伝子又は遺伝子産物の発現を変化させることによって、細胞生存率が
影響を受けるまで工程a)−d)を反復することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記組換えタンパク質又はペプチドの発現が標的エンドポイントに達するまで工程a)
−d)を反復することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記遺伝的プロフィールが、前記組換え細胞の遺伝的プロフィールを前記宿主細胞の第
二の遺伝的プロフィールと比較することによって分析される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記遺伝的プロフィールがトランスクリプトームプロフィールである、請求項1に記載
の方法。
【請求項9】
前記トランスクリプトームプロフィールがマイクロアレイを通して決定される、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記遺伝的プロフィールがプロテオームプロフィールである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記プロテオームプロフィールが二次元ゲル電気泳動、ICAT又はLC/MSを通し
て決定される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記プロテオームプロフィールがペプチドアレイを通して決定される、請求項10に記
載の方法。
【請求項13】
前記ペプチドアレイが抗体アレイである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記特定される遺伝子産物が、プロテアーゼ、プロテアーゼのサブユニット、プロテア
ーゼの補因子、プロテアーゼの発現に影響を及ぼす細胞又は遺伝子調節剤である、請求項
1に記載の方法。
【請求項15】
前記特定される遺伝子産物がプロテアーゼである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記特定される遺伝子産物がプロテアーゼのサブユニットである、請求項14に記載の
方法。
【請求項17】
前記特定される遺伝子産物がプロテアーゼの補因子である、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記特定される遺伝子産物が、プロテアーゼの発現に影響を及ぼす細胞又は遺伝子調節
剤である、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記特定される遺伝子産物が、D−アラニル−メソ−ジアミノピメリン酸エンドペプチ
ダーゼ、亜鉛プロテアーゼ、ミクロソームジペプチダーゼ、細胞外メタロプロテアーゼ前
駆体、細胞分裂タンパク質ftsH及び、遺伝子hslV、hslU、clpX、clp
A及びclpB由来の遺伝子産物から成る群より選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記組換えタンパク質又はペプチドが前記宿主細胞において発現されるとき、特定され
る遺伝子産物のmRNAレベルが上方調節される、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記特定された遺伝子産物を宿主細胞ゲノムから除去する、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記特定された遺伝子産物を相同的組換えによって除去する、請求項21に記載の方法

【請求項23】
前記特定される遺伝子産物が、フォールディング調節剤、フォールディング調節剤のサ
ブユニット、フォールディング調節剤の補因子、又はフォールディング調節剤の発現に影
響を及ぼす細胞又は遺伝子調節剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記特定される遺伝子産物がフォールディング調節剤である、請求項23に記載の方法

【請求項25】
前記特定される遺伝子産物がフォールディング調節剤のサブユニットである、請求項2
3に記載の方法。
【請求項26】
前記特定される遺伝子産物がフォールディング調節剤の補因子である、請求項23に記
載の方法。
【請求項27】
前記特定される遺伝子産物が、フォールディング調節剤の発現に影響を及ぼす細胞又は
遺伝子調節剤である、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記フォールディング調節剤がシャペロンタンパク質である、請求項23に記載の方法

【請求項29】
前記フォールディング調節剤が、遺伝子cbpA、htpG、dnaK、dnaJ、f
kbP2、groES及びgroELの遺伝子産物から成る群より選択される、請求項2
3に記載の方法。
【請求項30】
前記特定される遺伝子産物の発現が、前記特定遺伝子、特定遺伝子の補因子、又は特定
遺伝子の細胞又は遺伝子調節剤の発現を上昇させることによって変化する、請求項23に
記載の方法。
【請求項31】
前記発現上昇が、前記特定遺伝子産物をコードするDNAの組込みによる、請求項30
に記載の方法。
【請求項32】
前記発現上昇が、宿主細胞ゲノムへのプロモーターの挿入による、請求項30に記載の
方法。
【請求項33】
前記発現上昇が、前記宿主細胞への外来性ベクターの組込みによる、請求項30に記載
の方法。
【請求項34】
前記宿主細胞が微生物細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記宿主細胞がシュードモナス菌(Pseudomonad)である、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
前記宿主細胞がP.フルオレセンス(P. fluorescence)細胞である、請求項1に記載
の方法。
【請求項37】
前記宿主細胞が大腸菌細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項38】
前記宿主細胞が、昆虫細胞、哺乳動物細胞、酵母細胞、真菌細胞及び植物細胞から成る
群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項39】
前記マイクロアレイが、前記宿主細胞のゲノムの少なくとも50%に対する結合パート
ナーの試料を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項40】
前記マイクロアレイ手法が、前記宿主細胞のゲノムの少なくとも80%に対する結合パ
ートナーの試料を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項41】
前記マイクロアレイが、前記宿主細胞のゲノムの少なくとも90%に対する結合パート
ナーの試料を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項42】
前記マイクロアレイが、前記宿主細胞のゲノムの少なくとも95%に対する結合パート
ナーの試料を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項43】
前記改善された発現が、組換えタンパク質又はペプチドの量の上昇である、請求項1に
記載の方法。
【請求項44】
前記改善された発現が、前記組換えタンパク質又はペプチドの溶解度の上昇である、請
求項1に記載の方法。
【請求項45】
前記改善された発現が、前記組換えタンパク質又はペプチドの活性の上昇である、請求
項1に記載の方法。
【請求項46】
前記遺伝的プロフィールが、遺伝子ファミリーにおける遺伝子のプロフィールである、
請求項1に記載の方法。
【請求項47】
前記プロフィールが、プロテアーゼ及びフォールディング調節剤を含む、請求項1に記
載の方法。
【請求項48】
前記プロフィールが本質的にプロテアーゼから成る、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
少なくとも2つのプロテアーゼの発現を低下させるように遺伝的に修飾された組換えタ
ンパク質を発現する宿主細胞又は生物。
【請求項50】
D−アラニル−メソ−ジアミノピメリン酸エンドペプチダーゼ、亜鉛プロテアーゼ、ミ
クロソームジペプチダーゼ、細胞外メタロプロテアーゼ前駆体、細胞分裂タンパク質ft
sH、及び遺伝子hslV、hslU、clpX、clpA及びclpB由来の遺伝子産
物から成る群より選択される少なくとも1つのプロテアーゼの発現を低下させるように遺
伝的に修飾された組換えタンパク質を発現する宿主細胞又は生物。
【請求項51】
少なくとも1つのプロテアーゼの発現を低下させるように遺伝的に修飾された哺乳動物
由来の組換えタンパク質を発現する宿主細胞又は生物。
【請求項52】
前記組換えタンパク質がヒト成長ホルモンである、請求項52に記載の宿主細胞又は生
物。
【請求項53】
フォールディング調節剤サブユニットではない少なくとも2つのフォールディング調節
剤の発現を上昇させるように遺伝的に修飾された組換えタンパク質を発現する宿主細胞又
は生物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−55318(P2012−55318A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251610(P2011−251610)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【分割の表示】特願2007−523707(P2007−523707)の分割
【原出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】