説明

落石防止用アンカー

【課題】周囲の土圧を十分かつ均一に受けることができ、多方向からの引張り力に対して安定に対応することができる落石防止用全方向同耐力アンカーを提供する。
【解決手段】法面の地表に沿って網目状に張設した縦横のワイヤロープの上下端部と左右端部及び交点を地盤に固定するアンカーにおいて、所要範囲のアンカーが対象法面部位に対し360度の方位において直角状に埋設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は法面に敷設される落石防止施設のアンカーに関する。
【背景技術】
【0002】
浮石等が点在する傾斜面においては、斜面の風化、流水による斜面の侵食、地震等で落石が発生し、下方の道路や家屋を直撃して重大事故を引き起こす危険がある。
この対策として、特許第2679966号において、ワイヤロープを縦横の網目状にしたネットを斜面の地表に密着するように敷設することで浮石を地表に押さえつけ、浮石の落下エネルギーを吸収し、石を静止させる工法が開示されている。
【0003】
この工法において、ワイヤロープの上下左右の端部は地盤にアンカーで固定され、ワイヤロープの交差部はクリップで締結され、所要箇所のワイヤロープ交差部はアンカーにより斜面の地盤に固定されるが、前記先行技術では、アンカーは斜面の複数箇所に穴を掘って凝固材を充填してアンカーを挿し込み固定する方法が採用されており、このため、充填材の固化に時間がかかると共にコストが高くなる問題があるだけでなく、斜面に対する最適な打ち込み角度や方向が開示されていないため、耐力のばらつきが生じる問題があった。
【0004】
アンカーを設けるべき法面の地盤が岩盤でなく土質及び礫混じり、石混じりの地質である場合にはパイプアンカーが好適であり、網目状のロープの交点に打ち込まれるが、かかるアンカーは地軸(下方の道路横断面)に対して鉛直に設置するのが一般的であった。
しかし、パイプアンカーは周囲の土圧で支持力を得るので、地軸に対して鉛直の埋設では前部(谷側)の土質や土量に大きく影響を受け、ことに対象法面に凹凸がありあるいは沢に類するような切込み斜面がある場合に谷側の土砂量は沢傾斜に対応して減ることになるので、パイプ周辺の土圧が一様でなくなる。
【0005】
しかも、落石防止ネットは、ロープが縦横に交差して結合されている特殊性から、アンカーにはロープを通じて上方向、下方向、左方向、右方向の何れか、またはそれらの複合した引っ張り力が働くので、従来ように斜面の地形にかかわらず地軸に対して鉛直方向に打ち込まれたのでは、アンカーに対する上下左右の土圧が不均一になり、下方からの引張りには耐力があるが上方又は左右からの引張りには十分な土圧耐力が保障されない問題があった。
【特許文献1】特許第2679966号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記のような問題点を解消するためになされたもので、その目的とするところは、周囲の土圧を十分かつ均一に受けることができ、多方向からの引張り力に対して安定に対応することができる全方向同耐力の落石防止用アンカーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明は、法面の地表に沿って網目状に張設した縦横のワイヤロープの上下と左右の端部及び交点を地盤に固定するアンカーにおいて、所要のアンカーが対象法面部位に対し360度の方位において直角状に埋設されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
一箇所で一つの石の落石初動が始まったときに、石の上下、左右にあるアンカーに引張り力が加わり、しかも落石は複数箇所で同時に発生することが多いが、縦横のロープの上下端部と左右端部および交差部を締結して保持しているアンカーが、設置法面部位において、360度の方位で略直角に打ち込まれているので、アンカーに対する土圧が均等になり、上下左右全方向で同耐力が得られるので、安定して確実に浮石の移動、落石を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
設置法面部位が上下方向に傾斜しかつ左右方向でも傾斜した面である。
好適には、施工予定場所の地表に沿って縦横の糸を所要間隔で張り、それら縦糸と横糸の交点をアンカーの設置場所とし、その交点において少なくとも2方向で地表面に対して直角方向を測定し、測定し、測定角度を基準線としてパイプアンカーが地中に打ち込まれている。
また、交点において少なくとも2方向で地表面に対して直角方向を測定する手段が、中心に棒状部材を貫通して打ち込むガイドパイプを備えた三脚状の治具である。これによれば、簡単な作業で正確に360度方向で直角出しを行える。
【0010】
好適には、本発明の前記アンカーは本体先端部内側に推進力受け部を有するパイプアンカーを使用し、径が拡縮可能なビットヘッドを先端に有しその後方に前記推進力受け部に当接可能なつば部を備えたビットとハンマー部および回転軸部を直列にした掘削アッセンブリーを前記パイプアンカーに挿通させ、ビットヘッドをアンカー下端外で拡径させた状態で回転軸部とハンマー部を介してビットを回転させつつ、前記ハンマー部の推進力をつば部から推進力受け部に伝えて打撃することで所要深さに達するまでパイプアンカーを推進させ、次いでビットヘッドを推進力受け部の内径より小さく縮径し、掘削アッセンブリーをパイプアンカー内から抜き取る方法で地中に埋設される。
これによれば、土砂の場合はもちろん転石、礫、岩盤部などを有する地質においても、簡易、迅速かつ正確にアンカーを設置対象部位に対し360度の方位において略直角に埋設することができる。
【実施例1】
【0011】
以下本発明の実施例を添付図面を参照して説明する。
図1ないし図3は本発明を適用して得られた落石防止施設の一例を示しており、図1において、RDは道路、2は道路RDから上方に存する法面であり、全体に図3のように浮石STが点在し、立木WDが点在している。この例では法面2は白抜きの矢印で示す方向から見て道路に対してほぼ上下方向のみの成分で傾斜する第1の傾斜領域2Aと、第1傾斜領域2Aに隣接し、道路に対して上下方向に傾斜する成分と左右方向に傾斜する成分が複合した第2の傾斜領域2Bと、該第2の傾斜領域2Bに隣接し、ほぼ上下方向のみの成分で傾斜する第3の傾斜領域2Cを有している。
前記第2の傾斜領域2Bは、沢のごとき地形を指し、左右方向での傾斜は幅方向の途中で方向が切り替わり、第1の傾斜領域2Aに近づくほど高い左領域2B1と、第3の傾斜領域に近づくほど高い右領域2B2とを有している。なお、左領域2B1と右領域2B2は傾斜角度が同じであるとは限られない。
【0012】
Nは本発明によるロープネット型落石防止装置であり、前記のように浮石STや立木WDの点在している法面2の全体または所要範囲にわたり敷設されており、主縦ワイヤロープ1Aと主横ワイヤロープ1Bをたとえば2m角の網目状となるように交差させ、かつ可能な限り立木WDを避けて引き回され、浮石STの上を通るように地形に沿って張設してなる。
各主縦ワイヤロープ1Aの上下方向端末と各主横ワイヤロープ1Bの左右方向端末はそれぞれアンカー3、3にて地盤に固定され、かつ、主縦ワイヤロープ1Aと主横ワイヤロープ1Bの交差部は十字グリップなどの結合金具4を介してアンカー3、3に固定されている。
【0013】
そして、前記主縦ワイヤロープ1Aと主横ワイヤロープ1B間には、必要に応じて径が相対的に細い縦補助ロープ10Aと横補助ロープ10Bが配され、図5(d)(e)のように交差部をクロスクリップや十字グリップなどの結合金具40で締結されている。前記主縦ワイヤロープ1Aと主横ワイヤロープ1Bは、たとえば直径14mmのものが、補助ロープは直径12mmのものが用いられ、いずれも耐食性材料で構成されるか、亜鉛めっきなどの表面処理によって耐食性が与えられている。
【0014】
前記アンカーのうち、対象部位が岩盤である場合には、削孔し、孔中に異形棒鋼などのアンカー本体を挿入してモルタルや樹脂などを充填固化する。図3では3´として示している。しかし、対象部位が土砂質である場合には、鋼管などのパイプを加工して構成されたパイプアンカーが用いられ、前記第1の傾斜領域から第3の傾斜領域に上下方向及び左右方向でそれぞれ2mといった間隔をおいて埋設される。
【0015】
本発明においては、前記ワイヤロープの上下、左右の端末部位及び交差部位のアンカー3のうち所要範囲、すなわち360度の方位で略同等な耐力が要求される領域にあるもの(したがって全部であることもあり、一部であることもある)が、道路1の横断面に対して直角状(地軸に対して鉛直)ではなく、図2のように、前記第1の傾斜領域2Aと第3の傾斜領域2Cはもとより第2の傾斜領域2Bにおいても、アンカー設置対象斜面に対して、360度の方位において直角状に埋設されている。
ここで、「直角状、略直角」とは,斜面に対して厳密に90度でない場合を含むという意味であり、これは、施工場所の地形や作業面から測定に誤差が含まれざるを得ないからである。誤差の許容範囲は一概には決められないが、通常10〜20度とすれば、耐力的には問題ないといえる。
図4は、図2の埋設状態を模式的に示しており、Lはアンカー長さを表し、第1の傾斜領域2Aと第3の傾斜領域2Cでは、正面から見て道路に対してほぼ上下方向のみの成分で傾斜しているので、この領域での各アンカー3は軸線が法面傾斜角度に対して直角状に埋設されている。
【0016】
第2の傾斜領域2Bは、道路に対して上下方向に傾斜する成分と左右方向に傾斜する成分が複合しており、左領域2B1においては、アンカーは第1の傾斜領域2Aに近づくほど高い左右方向での傾斜角αに対して直角状でしかも上下方向での傾斜角に対しても直角をなすように埋設される。ここでの上下方向の傾斜角は第1の領域2Aのそれに比べて小さいので、各アンカーは同等の長さを有していても左領域2B1のアンカーは正面から見た等高線では見かけ上高位に挿設されている。なお、第2の傾斜領域2Bの右領域2B2は第3の傾斜領域に近づくほど高いため、アンカーは左領域2Bとは対照的に埋設される。
【0017】
なお、前記端末の各アンカー3には、図5(a)のように、地表から突出した頭部に主縦ワイヤロープ1Aと主横ワイヤロープ1Bの端末に巻着した巻き付けグリップ5の輪部50が外嵌され、パイプを貫通するピン30により抜け止めされる。
また、網目領域の各アンカー3には、図5(c)のように地表から突出した頭部にキャップ31が嵌合され、パイプを貫通するピン30により固定される。前記キャップ31にはグリップを固定するボルト32が植え立てられており、主縦ワイヤロープ1Aと主横ワイヤロープ1Bの交差部を挟む上下で組をなす小判状の盤40,41からなる結合金具4の一端部が前記ボルト32に通されてナットで緊締されることによりアンカーと一体化される。結合金具4の他端部はボルトナット33で緊締される。
【0018】
本発明を全部のアンカーに適用した場合、浮石STを押えた網目状のロープ1A,1Bはどのような傾斜においても常に法面傾斜角度に対して直角状に埋設されているため、どのアンカーも周囲の土圧が十分にかつ均一にかかることになり、全方向で同耐力が得られる。
したがって第1の傾斜領域も第2の傾斜領域も同等な安定した支持力が得られ、浮石STが動いて多方向の荷重が作用してもしっかりと受け止めることができる。
すなわち、ロープの交差部は結合金具4,40で締結してあるので、一箇所で一つの石の落石初動が始まったとき、石の上下、左右のアンカーに引張り力が加わる。これらの個々のアンカーに加わる力は地形や落石発生の状況で異なり、かつ、落石は複数箇所で同時に発生する事が多く、アンカー3に加わる力はロープによる力の持たれ合いで複雑になるが、アンカー3は傾斜面に略直角に打ち込まれているので上下左右均等の耐力が維持され、確実に落石を防止することができる。
【0019】
沢部は上下方向と左右方向に傾斜成分が複合しているため、従来では、左右方向での傾斜角αに対して直角状をなすようにアンカーを埋め込んでいなかった。このため、土圧がアンカー全周で均等にならず、第1の傾斜領域2Aと第2の傾斜領域2Bではアンカー耐力が相違することになり、十分な落石防止効果をあげられなかった。この理由から落石の危険が十分にある沢部に対して落石防止装置Nを設置しても十分な効果を期待しがたかったが、本発明によれば、沢領域以外のアンカーと略同等の耐力のアンカーを沢領域に設置でき、ロープによる網目ネットで落石の荷重がかかったときにも安定して支えることができる。
【0020】
前記アンカーの施工は、従来のようなパイプアンカーを後方から打撃して打ち込む方法の採用を不可とするものではなく、礫のほとんどない土質である場合にはこの方法を採用してもよいが、礫が存することが予測される地質においては、人力で打ちこみ方向を調整する打撃方式では、アンカー打ち込み方向の土中に石が埋まっている場合、アンカーの打ち込み方向が石によってずらされ、その結果、ロープ引張り方向に対する土圧を十分に得られず、上下左右の土圧が不均一になりやすいので、本出願人の開発した特殊なアンカー埋め込み装置と工法を採用するのが好適である。
図6と図7は本発明に好適な例を示しており、6は前記パイプアンカー1と独立したビット、7はビット6に軸方向の打撃力と回転運動を与えるためのハンマー部7Aと回転軸部(ロッド部)7Bを直列状に備え、ビット6とつながることで構成される掘削アッセンブリーである。
【0021】
8は施工場所に据付られる打ち込みフィード用の架台であり、ガイドレールを兼ねるべく長尺矩形枠状をなす本体8Aとサポート8Bを備え、前記本体8Aには、前記回転軸部を回動する可逆回転自在な掘削機としての駆動モータ9が台座9aをもって摺動可能に取り付けられ、台座9aにはウインチ100Aからのワイヤロープ100が連結され駆動モータ9を吊持するようにしている。なお、100Bは掘削アッセンブリー7とアンカーパイプを駆動モータ9と連結する際に一時的に吊持するウインチである。前記駆動モータ9はこの例では油圧モータが用いられており、圧縮エア送給ヘッダー90を同軸に備えている。
【0022】
11は他所に配されたエアコンプレッサであり、ホース110を介して前記駆動モータ9の圧縮エア送給ヘッダー90に接続されている。12は前記駆動モータ9に圧油を供給する発電機付きの油圧ユニットであり、近傍には制御弁などを含む操作盤13Aを有し、これからホース130を介して駆動モータ9に接続されている。
14はアンカー埋設地質が粘土質である場合に用いられる水供給系であり、水タンク14Aと、ポンプ14Bとを有し、ホース140により前記圧縮エア供給系の適所に接続される。
【0023】
図7は前記パイプアンカー3とビット6の詳細を示しており、パイプアンカー3はたとえば1500〜3500mmの長さを有しており、全体に亜鉛あるいはアルミ亜鉛合金メッキが施されている。
パイプアンカー3は、上端部に抜け止め用のピン(ボルト)を取り付ける孔を有し、埋め込み後はキャップが冠着されるようになっている。一方、先端部には、推進力受け部3Bを一体に有している。
この例では、推進力受け部3Bは鋼製のリング3Bからなり、図7の例では、アンカー本体3Aの外径とほぼ同じ外径を有し、内径がアンカー本体3Aの内径よりも小さい。リング3Bは長手方向の適当な位置から上半部300がアンカー本体3Aの内径とほぼ合致する外径となるように薄肉化され、前記上半部300がアンカー本体3Aに内嵌されている。そして厚肉の下半部301がアンカー本体3Aの先端より延出され、上半部300と下半部301の境界部位がアンカー本体3Aと溶接されている。
【0024】
ビット6は端面に超硬合金などからなるチップを配設したビットヘッド6Aと、軸状部60を後方に突出させたハウジング(デバイス)6Bを備えている。ビットヘッド6Aは拡径ビットと称される拡縮可能な形式のものが用いられる。その例としては、図7(a)で例示するような所定方向の回転時に拡径し、反対方向の回転時に縮径される偏心タイプでもよいし、複数刃分割タイプでもよく、あるいは、図7(b)(c)のような椀状をなしていて周方向の数箇所に取り付けた可転駒により係止されるタイプでもよい。いずれにしても、縮径時に前記リング3Bの内径と同等以下になり、拡径時にリング3Bの下半部外径よりも適度に大きな径となりえる寸法のものが選ばれる。
ハウジング6Bの後端部には、前記した推進力受け部3Bとしてのリング上半部300の端面に激突可能な張出し量を持ったつば部601が設けられている。なお、ハウジング6Bはスライムの誘導のための軸線方向溝603がつば部601を貫通するように設けられている。
【0025】
ハンマー部7Aは筒状をなしており、先端部に前記軸状部60が回転では一体に、かつ軸方向では相対移動可能に連結し、ハンマー部7Aとハウジング7Bの間が軸方向に移動可能となっている。
【0026】
回転軸部7Bはパイプ状をなしており、前記ハンマー部7Aの後端に同心状に連結されている。回転軸部7Bは複数本がつながれることで所要長さとなっていてもよいが、いずれにしても、回転軸部7Bの後端は前記駆動モータ9の出力軸と連結されている。したがって、回転軸部7Bが回転すると、ハンマー部7Aとビット6が同期回転される。圧縮エア送給ヘッダー90に供給された圧縮エアは回転軸部7Bを通してハンマー部7Aに送られ、ビット6の軸状部にあるピストン部に作用するようになっている。
【0027】
なお、架台8の据付けは任意であり、サポート8Bをピンアンカー80で地表に固定すればよく、さらに、必要とあらば、架台8の上部を控えロープ8Cで地表に支持させればよい。
【0028】
本発明のパイプアンカー埋設方法を説明すると、常態において、パイプアンカー3と、ビット6を含む掘削アッセンブリー7は分離状態にあり、さらに、掘削アッセンブリー7は、ハンマー部7Aと回転軸部7Bおよびビット6に分解できるので、小型軽量化することができ、現場への搬入が容易である。
【0029】
埋設に当たっては、傾斜面の落石防止装置Nを敷設する場所を調査し、図8のように、横方向幅Lと縦方向幅Hからなる施工範囲Yを決め、その範囲にある小さな浮石の除去、ブッシュなどの下刈り等を行い、施工範囲Yを整理する。立木は原則として伐採しないが、2m角といった網目状にロープを張設できない状態になる可能性がある場合には、最小限度の伐採を行ってもよい。
次いで、図9のように繊維ロープ、平うち組紐、プラスチックテープなどの条体TPを前記施工範囲Yを囲むように矩形状に張る。条体TPの固定は地中にピンなどを突き刺せばよい。上下の横条体TP1と左右の縦条体TP2にはそれぞれたとえば、横(左右)方向に2m間隔、縦(上下)方向に2m問隔でマーキングを施しておく。これらのマーキング位置が主縦ワイヤロープ1Aと主横ワイヤロープ1Bの端末固定アンカー位置となる。
【0030】
次いで、図10のように、上部の横条体TP1のマーキング位置から位置決め用の縦糸HTP(繊維ロープ、平打ち組紐、プラスチックテープなど)を地表に沿うように垂らし、下部の横条体TP1のマーキング位置に止める。それと共に、左(または右)の縦条体マーキング位置から横糸LTPを地表に沿うように延在させ、右(または左)の縦条体マーキング位置に止める。これにより、図12のように縦糸HTPと横糸LTPはたとえば、横(左右)方向に2m間隔、縦(上下)方向に2m問隔で格子状に張られるので、それら縦糸と横糸の交点apでアンカーの設置場所が決定される。
【0031】
次いで、このように決まったアンカー位置apごとにアンカー打ち込み方向(打ち込み角度)を決める。
図13と図14はこの360°直角状アンカーの打ち込み方向検出・設定の第1の方法を例示しており、当該交点apを中心として左右方法所定距離と上下方向所定距離たとえば1mづつの基準長さを決める。左右方向と上下方向は等距離とする。そして、いずれかの方向たとえば左右方向のa1´、a5´線間で交点aに対して直角方向を検出して地中にピンを刺し、上下方向のa3´,a7´線間で交点aに対して直角方向を検出して地中に棒状部材を刺し、それら横と縦双方の略直角を満たす方向をもってパイプアンカーの打込み方向(面に略直角)を決定する。こうした作業を交点apごとに行う。
前記直角方向の検出は、定規、ジャイロスコープ、スラントなどで行えばよく、前記基準長さを決めるときの縦糸と横糸は緊張状態で地表に沿わせることが好ましく、地表との乖離が大きいときには、補正を行う。
【0032】
図15と図16はアンカー打ち込み方向検出・設定の第2の方法を示しており、器具として、折り畳み可能な三脚状治具15を使用し、前記のようにして求めた交点(アンカー中心点ap)の周辺360°方向直角を決定させる。三脚状治具15は、外接円半径1mで脚長が等しい3本の脚150と、脚150の天端に固定した天板151の中心から垂下する例えば内径が20mm〜30mm程度の中心線部材を兼ねたガイドパイプ152と、ガイドパイプ152に摺動可能に外嵌したスライド153と、該スライド153と脚150にヒンジ結合されて延在する開閉バー154とを備えており、三脚状治具天端までの垂直高さは1m程度とする。但し、施工場所の地形凹凸が極端な場合や、急な折れを有する場合は外接円半径を小さくする等の補正を行う。
【0033】
アンカー打ち込み方向検出・設定に当たっては、図16(a)のように三脚状治具15の中心をアンカー設置の中心点となる交点apと合致するように設置する。三脚状治具15の設置方向(三方向)は任意とし、三点が土表面に接した点で、三脚状治具15の天板中心から土中方向中心を結んでいるガイドパイプ152が360°直角方向と判断することができるので、ガイドパイプ152にたとえば直径15mm〜25mm程度、長さ1.5m程度で先端部を鋭角に加工した棒状部材(たとえば丸鋼からなるピン)16を挿入し、ハンマー等で土中へ300mm〜500mm程度打ち込み、図16(b)のように自立させる。そして、図16(c)のように三脚状治具15のみを引き抜く。これにより残った棒状部材16が360°方向で略直角な基準線となる。以下こうした作業を交点ごとに行う。
【0034】
以上によりアンカー打ち込み位置と打ち込み方向が決まったならば、架台(フィード)8を設置する。第1の方法の場合も第2の方法の場合も、基準線である棒状部材16に沿わせて設置する。アンカー3は架台8を介して土中に埋設されるため、基準線通りに架台が設置されると、おのずと360°直角方向に設置することが可能となる。架台を図6のロープ8C、アンカー80にて強固に設置した後に、基準線である棒状部材16を引き抜き、アンカーの設置を行う。これについては後述するが、アンカーの打ち込み角度の誤差は道路横断方向と縦断方向で管理し、両方向とも10〜20度程度以内であれば360°方向に均等な耐力を有すると判断できる。
【0035】
アンカー3の角度管理は、例えば、道路横断方向はスラントや定規を使用し、道路縦断方向は定規で行えばよく、アンカー本体を架台に設置した設置前状態で確認し、設置後に誤差を確認するとよい。また、架台を基準とし、架台の固定角度でアンカー設置前と設置後の誤差を管理してもよい。
なお、本発明における360度方位において法面に略直角なアンカー打ち込み方向検出・設定とアンカー打ち込み装置の設置は上記態様に限定されない。すなわち、1)アンカー設置箇所である交点apの上下道路横断(縦ロープ)方向の各1mの平均勾配を、スラントや定規を使用して検出し、架台8を仮固定し、2)その後、道路縦断(横ロープ)方向の左右各1mの平均勾配を定規により検出し、架台8を上記1)の設置勾配を維持したまま左右の平均勾配方向にスライドさせて、強固に固定する方法でもよい。なお、上記1)と2)の順は逆でもよい。極端な凹凸、急な折れがある場合には、状況に応じて補正する。この場合には、棒状部材の突き刺しは行わなくてもよい。
【0036】
前記のように決定された面に対して略直角に向けられたならば、架台8の本体8Aに駆動モータ9を装着し、ウインチ10Aとロープ100によって吊持させ、回転軸部7Bとハンマー部7Aおよびビット6を連結して組立てておいた掘削アッセンブリー7をパイプアンカー3の後端から挿入する。このときにはビットヘッド6Aを縮径方向に回転させておく。したがってビットヘッド6Aは抵抗なくパイプアンカー3中を下降する。
【0037】
図17の仮想線はこのときの状態を示している。わかりやすくするため図面では鉛直状に示している。ビットヘッド6Aがパイプアンカー3の下端から突出したならば、回転軸部7Bとハンマー部7Aを回動する。こうすれば、ビットヘッド6Aが偏心しあるいは実質的に増径して、全体あるいは一部がパイプアンカー3の外径と同等以上に拡大する。ビットヘッド6Aが抜け止めストッパーとなるので、パイプアンカー3と掘削アッセンブリー7は一体に組み付けられた状態となる。そこで、ウインチ10Bを使って全体を吊り上げ、回転軸部7Bを駆動モータ9と連結する。以上で、準備が整い、以下、掘削アッセンブリーは自重でフィードされることになる。
【0038】
エアコンプレッサ11を駆動して圧縮エアをヘッダー90に供給すれば、該圧縮エアは回転軸部7B内を通過してハンマー部7A内に圧入され、ピストン部を介してビット6の軸状部60が軸方向に強圧されるため、ハウジング6Bのつば部601がアンカーのリング端面に当接するまでビット6がハンマー部7Aから突出し、したがって、ビットヘッド6Aが、リング3Bの下端から適度に離間する。
操作盤12Aを操作して圧油を駆動モータ9に供給すれば、回転軸部7Bが回転し、これと連結しているハンマー部7Aが回転し、軸状部60を介してビット6が回転する。これにより図17のように、パイプアンカー3の直近前方でビットヘッド6Aが回転するため、地層の掘削穿孔が行われる。このときに、ビットハウジング6Bのつば部601がアンカーのリング端面に当接しているので、パイプアンカー3は掘削アッセンブリー7と一体に非回転のまま地中に推進されていく。
【0039】
こうして推進されているときに、前方に転石、礫、岩盤部Rがあった場合には、これらはビットヘッド6Aの推進に対する抵抗として働く。その抵抗が圧縮エアの押圧力に勝ると、ビットヘッド6Aがリング3Bの下端あるいはパイプアンカー下端に当接するまで、ビット6の全体が後方に軸方向移動され、いわば短縮する。この状態が図18(a)である。このときにも前記のようにハンマー部7Aには圧縮エアが送給されているので、図18(b)のごとく、ビット6はハウジング6Bのつば部601がリング3Bの端面に当接するまで再び衝撃的に前進ストロークし、ビットヘッド6Aが転石、礫、岩盤部Rに激突する。
【0040】
このように、転石、礫、岩盤部Rによる抵抗を受けると前記のように引っ込み、次いでエア圧で突出する。パイプアンカー3はビット6の前進ストローク時に、ハウジング6Bのつば部601とリング3Bの当接で掘削アッセンブリー7と一体に推進し、打ち込まれる。こうした動作の繰り返しで打撃が行われ、その間ビット6の回転は継続しており、したがって、こうした回転と打撃とによって転石、礫、岩盤部Rは短時間で効率よく破砕される。転石、礫、岩盤部Rを通過して通常の土質になったときには、ビット6がハウジング6Bのつば部601がリング3Bの端面に当接するまで前進ストロークし、図17の状態で掘削推進状態となる。
なお、前記のような掘削で生じたスライムはハウジング6Bの軸線方向溝603を経てハンマー部外周のパイプアンカー空間に排出され、回転軸部外周の空間を経て後送され、パイプアンカー後端部から排出される。
【0041】
以下、駆動モータ9による回転軸部7Bを経てのビット6の回転運動と、ハンマー部7Aへの圧縮エア供給によるビット6の打撃推進運動が行われことによりパイプアンカー3が効率よくしかも法面傾斜に対して略直角に地中深く推進される。この進行時に、駆動モータ9の台座9aは架台8のガイドレールに沿って案内されるので、駆動モータ9とそれ以下の各部は円滑にフィードされる。
前記のように、地層に転石、礫、岩盤部Rがあっても、ビットヘッド6Aの回転とハンマー部7Aの打撃によるビットヘッド6Aの衝撃的推進により確実に砕かれるので、施工地質に制限がなく、迅速、円滑に打ち込みを行うことができる。また、パイプアンカー3は回転しないので、粘土質以外、粘度質以外のほとんどの地盤において水を使用せずに施工が可能であり、掘削時の水の使用を低減できる。
【0042】
かくして図19(a)のように法面と直角な角度で所定の深さまでパイプアンカー3が進出したならば、ビットヘッド6Aの外径をパイプアンカー3の先端内面にあるリング3Bの内径と同等以下に縮径させる。図示する実施例では、駆動モータ9を逆方向に回転する。こうすれば、回転軸部7Bとハンマー部7Aを経て回転がビット6に伝達され、ビットヘッド6Aの外径が縮径される。
そこで、ウインチ100Aを操作して掘削アッセンブリー7を吊り上げれば、図19(b)のようにビットヘッド6Aがパイプアンカー3内に収納され、ビット6とハンマー部7Aおよび回転軸部7Bがパイプアンカー3内を通って引抜かれ、パイプアンカー3だけが地中に残された状態になる。これで図2〜4に示すアンカー埋設状態になる。
【0043】
掘削・打ち込み完了と同時にパイプアンカー3の埋設が完了する。そして、引抜かれたビットヘッド6Aを含む掘削アッセンブリー7は次のパイプアンカーに対して挿入することで繰り返し使用できるので経済的である。
パイプアンカー3は回転しないので、内外面にメッキを施しておくことができ、埋設後はキャップを施せば腐食の心配がなく、したがって、モルタルの注入をあえて行わなくてもよくなるので、施工がより簡易、安価なものとなる。
また、アンカーは回転しないので、架台8を設置可能である限り、60度程度の斜面まで、斜面と直角方向のアンカー埋設が可能であり、斜面の段取りが不要であるため工事も簡易化できる。
【0044】
本発明の埋設法を用いれば、ビットヘッドの回転による掘削穿孔とハンマー部によるビッドつば部と推進力受け部を通じてのビット押圧・打撃によりパイプアンカーが非回転状態で推進されるので、地中に転石、礫、岩盤部があってもこれらを破砕して効率よく円滑に打ち込みを行える。しかも所要長さ打ち込み後、ビットヘッドを縮径してパイプアンカー内を通して抜き取ることによりパイプアンカーの埋設が完了するので、施工を迅速に行え、かつ、ビットはパイプアンカーに固着されておらず独立しているので繰り返し使用でき、パイプアンカーの加工も簡単なもので済むので経済的である。
【0045】
以上の埋設作業を所要の交点apについて行えば、360度方位において法面に略直角にアンカーが埋設される。そこで次にロープを架設する。縦糸と横糸はこの時点で撤去してもよいし、残したままでもよい。
ロープの架設作業は、各主縦ワイヤロープ1Aの上端を図5(a)のような方法で最上位のアンカーに連結し、各主横ワイヤロープ1Bの端部を左端または右端のアンカーに連結し、それら各主縦ワイヤロープ1Aと主横ワイヤロープ1Bの交点を、図5(b)(c)のような結合金具4で締結し、それを打ち込まれているパイプアンカー3の頭部に結合する。また、補助ロープ10A,10Bを各主縦ワイヤロープ1Aと主横ワイヤロープ1B間に1本〜5本程度張設し、図5(d)(e)のように交点を結合金具40で締結する。
こうした作業を行うことにより、図1〜3のような落石防止施設Nが完成する。
【0046】
得られた落石防止施設Nは、網目状のロープを固定する各パイプアンカー3が上下左右の土圧が均一化され、アンカーに加わる特に上下左右の引っ張り力に均等の耐力を持つことができるので、浮石の落下を確実、安定的に抑制することができ、安全性を飛躍的に向上することができる。また、法面の立木を可能な限り伐採しないで済むので、工事が楽になると共に環境破壊も少なく、美観も損なうことが少ない。
【0047】
なお、本発明は、下記のような落石防止工法と落石防止施設を含む。
1)浮石が存在する法面上に複数本の縦横のワイヤロープを前記浮石の上を通るように網目状に這わせ、前記縦横のワイヤロープの端末をアンカーにて固定する一方、縦横のワイヤロープの各交差部を結合金具で締結するとともに地中に埋設したアンカーに結合することで縦横のワイヤロープを地表に沿わせ、浮石を押さえつける工法において、前記アンカーの所要のものを、対象法面部位に対し360度の方位において略直角に埋設することを特徴とする落石防止工法。
2)浮石が存在する法面上に複数本の縦横のワイヤロープを前記浮石の上を通るように網目状に這わせ、前記縦横のワイヤロープの端末をアンカーにて固定する一方、縦横のワイヤロープの各交差部を結合金具で締結するとともに地中に埋設したアンカーに結合することで縦横のワイヤロープを地表に沿わせ、浮石を押さえつけた落石防止施設において、前記アンカーの所要のものが、対象法面部位に対し360度の方位において略直角に埋設されていることを特徴とする落石防止施設。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明にかかる落石防止アンカーを適用した落石防止施設の一例を示す斜視図である。
【図2】図1の一部拡大図である。
【図3】図1の部分拡大斜視図である。
【図4】本発明におけるアンカーの埋設方向を模式的に示す正面図である。
【図5】(a)は主ロープの端末と端末固定アンカーの取り合いを示す側面図(b)は、主ロープの交差部の結合関係とアンカーの取り合いを示す平面図、(c)は同じくその側面図、(d)は補助ロープの交差部を示す平面図、(e)はその側面図である。
【図6】本発明にかかるパイプアンカーの埋設装置と方法の概要を示す正面図である
【図7】(a)は本発明におけるパイプアンカーと掘削アッセンブリーの一例を示す部分的拡大断面図、(b)は他の例を示す部分的断面図、(c)は(b)の斜視図である。
【図8】本発明の施工域の例を示す斜視図である。
【図9】施工範囲を囲むように矩形状に条体を張った段階の斜視図である。
【図10】縦糸を張っている途中の状態を示す斜視図である。
【図11】横糸を張っている途中の状態を示す斜視図である。
【図12】アンカー打ち込み用交点が形成された状態の斜視図である。
【図13】交点において地表に略鉛直な角度を決めている状態の斜視図である。
【図14】(a)は図13の縦断面図、(b)は横断面図である。
【図15】(a)は本発明の直角検出・設定用手段の他の例を示す側面図、(b)はその平面図である。
【図16】(a)〜(c)は図15の手段を用いた直角検出・設定を段階的に示す側面図である。
【図17】埋設開始段階の状態を示す断面図である。
【図18】(a)(b)は転石などがあった場合のビットの挙動を示す断面図である。
【図19】(a)は掘削・打ち込み完了状態を示す断面図、(b)はビットの抜き取り中の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0049】
N 落石防止施設(装置)
1A 主縦ロープ
1B 主横ロープ
2 法面
2A 第1の傾斜領域
2B 第2の傾斜領域
2B1 左領域
2B2 右領域
2C 第3の傾斜領域
3 パイプアンカー
3B リング
4、40 結合金具
6 ビット
6A ビットヘッド
7 掘削アッセンブリー
73A ハンマー部
7B 回転軸部
HTP 縦糸
LTP 横糸
ap 交点
15 三脚状治具
152 パイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
法面の地表に沿って網目状に張設した縦横のワイヤロープの上下と左右の端部及び交点を地盤に固定するアンカーにおいて、所要のアンカーが対象法面部位に対し360度の方位において直角状に埋設されていることを特徴とする落石防止用アンカー。
【請求項2】
対象法面部位が上下方向に傾斜しかつ左右方向でも傾斜した面を含む請求項1に記載の落石防止用アンカー。
【請求項3】
施工予定場所の地表に沿って縦横の糸を所要間隔で張り、それら縦糸と横糸の交点をアンカーの設置場所とし、その交点において少なくとも2方向で地表面に対して直角方向を測定し、測定角度を基準線としてパイプアンカーが地中に打ち込まれている請求項1または2に記載の落石防止用アンカー。
【請求項4】
交点において少なくとも2方向で地表面に対して直角方向を測定する手段が、中心に棒状部材を貫通して打ち込むガイドパイプを備えた三脚状の治具である請求項3に記載の落石防止用アンカー。
【請求項5】
アンカーとして本体先端部内側に推進力受け部を有するパイプアンカーを使用し、径が拡縮可能なビットヘッドを先端に有しその後方に前記推進力受け部に当接可能なつば部を備えたビットとハンマー部および回転軸部を直列にした掘削アッセンブリーを前記パイプアンカーに挿通させ、ビットヘッドをアンカー下端外で拡径させた状態で回転軸部とハンマー部を介してビットを回転させつつ、前記ハンマー部の推進力をつば部から推進力受け部に伝えて打撃することで所要深さに達するまでパイプアンカーを推進させ、次いでビットヘッドを推進力受け部の内径より小さく縮径し、掘削アッセンブリーをパイプアンカー内から抜き取る方法で埋設されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の落石防止用アンカー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−57182(P2008−57182A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−234252(P2006−234252)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【出願人】(000003528)東京製綱株式会社 (139)
【Fターム(参考)】