説明

蒸気乾燥器の羽根構成

【課題】従来の直線状蒸気乾燥器は固有振動数が低く、システムの励振源によって起こる疲れが原因となって亀裂を発生しやすいので振動を抑制する構造を提供する。
【解決手段】蒸気乾燥器の羽根構成は、中心線Cの周囲に(中心線Cから離間して)放射状パターンに従って配列された複数の一次羽根602を含んでもよい。複数の一次羽根602の各々は、交互に現れる一次凸部及び一次凹部を有する一次波形シートであってもよい。その結果、隣接する一次羽根602は曲がりくねった流路を規定してもよく、流路は中心線Cに対して入口606及び出口608を有する。入口606から出口608に向かって、流路の横断面の面積は減少又は増加してもよく、あるいは一定のままであってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子炉の水分分離器の羽根構成に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来の原子炉圧力容器を示した横断面側面図である。図1を参照すると、原子炉の炉心106から流出する湿り蒸気から水滴を除去するために、原子炉圧力容器100の中に複数の蒸気乾燥器102及び複数の気水分離器104が配置される。その結果、湿り蒸気は乾燥蒸気及び液相の水に分離される。最初の気水分離は気水分離器104で実行されるが、その後の気水分離は蒸気乾燥器102において実行される。乾燥蒸気の水分子はすべて気体の状態である。これに対し、湿り蒸気は浮遊水滴を含み、それらの水滴は(急速に)蒸気タービンの翼を浸食する。従って、乾燥蒸気はタービン(図示せず)に供給され、液相水は炉心106に再循環される。
【0003】
図2は、図1の原子炉圧力容器の破断部分斜視図であり、原子炉圧力容器内部の従来の直線状蒸気乾燥器を示す。図2を参照すると、各直線状蒸気乾燥器102は、細長い本体を有し且つ互いに平行に配列される。湿り蒸気は下方から蒸気乾燥器102に入り、各蒸気乾燥器102の垂直蒸気出口面を通って乾燥蒸気として流出する。蒸気乾燥器102の向きは、蒸気出口面が原子炉圧力容器100の中心に向くように規定される。
【0004】
図3は、図1及び図2に示される従来の直線状蒸気乾燥器のうちの1つを示した破断斜視図である。図3を参照すると、蒸気乾燥器102は、細長い本体の一方の側に傾斜フード130を有し且つ細長い本体の他方の側に垂直蒸気出口面を有する。蒸気乾燥器102の中に複数の波形板134が配列され、波形板134の間に蒸気流路が形成されている。波形板134は、互いに平行であり且つ蒸気乾燥器102の細長い本体の長手方向軸に対して垂直であるように整列される。更に、蒸気乾燥器102のフード側及び蒸気出口側に、蒸気流路の入口及び出口をそれぞれ保護するために多孔板132が配置される。
【0005】
原子炉の動作中、湿り蒸気は下方から蒸気乾燥器102に流入する。湿り蒸気は、まず蒸気乾燥器102のフード103の下で上方へ移動し、多孔板132を通って蒸気流路に入る。波形板134が配置されているため、湿り蒸気が蒸気流路を通って流れる間に、湿り蒸気の流れ方向は何度も変化する。蒸気流路内で何度も方向が変わることにより、湿り蒸気に含まれる重い水滴の進行は妨げられる。その結果、乾燥蒸気は蒸気流路から出て、蒸気乾燥器102の蒸気出口面の多孔板を通過する。しかし、従来の直線状蒸気乾燥器は固有振動数が低く、システムの励振源によって起こる疲れが原因となって亀裂を発生しやすい。
【発明の概要】
【0006】
本発明の例示的な一実施形態に係る蒸気乾燥器の羽根構成は、中心線の周囲に(中心線から離間して)放射状パターンに従って配列された複数の一次羽根を含んでもよく、各一次羽根は、交互に現れる一次凸部及び一次凹部を有する一次波形シートであり、且つ隣接する一次羽根は曲がりくねった流路を規定し、流路は中心線に対して入口及び出口を有する。
【0007】
本発明の例示的な一実施形態に係る蒸気乾燥器の羽根を構成する方法は、複数の一次羽根を中心線の周囲に(中心線から離間して)放射状パターンに従って配列することを含んでもよく、各一次羽根は、交互に現れる一次凸部及び一次凹部を有する一次波形シートであり、且つ隣接する一次羽根は曲がりくねった流路を規定し、流路は中心線に対して入口及び出口を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書における非限定的な実施形態の特徴及び利点は、添付の図面と関連させて詳細な説明を検討することにより更に明らかになるであろう。添付の図面は単に例示の目的で提示されているにすぎず、特許請求の範囲の範囲を限定すると解釈されるべきではない。特に明示されない限り、添付の図面は縮尺どおりに描かれていると考えられてはならない。明確を期するため、図面の種々の寸法は誇張して示される場合もある。
【図1】図1は従来の原子炉圧力容器を示した横断面側面図である。
【図2】図2は原子炉圧力容器内部の従来の直線状蒸気乾燥器を示した図1の原子炉圧力容器の破断部分斜視図である。
【図3】図3は図1及び図2に示される従来の直線状蒸気乾燥器のうちの1つを示した破断斜視図である。
【図4】図4は本発明の例示的な一実施形態に係る円形蒸気乾燥器を示した斜視図である。
【図5】図5は本発明の例示的な一実施形態に係る別の円形蒸気乾燥器を示した斜視図である。
【図6】図6は本発明の例示的な一実施形態に係る蒸気乾燥器の乾燥器羽根を示した展開平面図である。
【図7】図7は図4の蒸気乾燥器の羽根構成を示した部分平面図である。
【図8】図8は図5の蒸気乾燥器の羽根構成を示した部分平面図である。
【図9】図9は図4の蒸気乾燥器の別の羽根構成を示した部分平面図である。
【図10】図10は図5の蒸気乾燥器の別の羽根構成を示した部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ある要素又は層が別の要素又は層の「上にある」、別の要素又は層に「結合される」、あるいは別の要素又は層を「被覆する」と述べられる場合、その要素又は層は他方の要素又は層の上に直接接しているか、他方の要素又は層に直接結合されるか、あるいは他方の要素又は層を直接被覆してもよいし、それらの要素又は層の間に介在する要素又は層が存在してもよいことを理解すべきである。これに対し、ある要素が別の要素又は層の「上に直接ある」、あるいは別の要素又は層に「直接接続される」又は「直接結合される」と述べられる場合、それらの要素又は層の間に介在する要素又は層は存在しない。本明細書を通して、同じ図中符号は一貫して同じ要素を示す。本明細書において使用される場合の用語「及び/又は」は、そこに挙げられている関連項目のうち1つ以上の項目のあらゆる組み合わせを含む。
【0010】
本明細書において、第1の、第2の、第3の等の用語は、種々の要素、構成要素、領域、層及び/又は部分を説明するために使用されるが、それらの要素、構成要素、領域、層及び/又は部分は、それらの用語により限定されてはならないことを理解すべきである。それらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層又は部分を別の領域、層又は部分と区別するために使用されるにすぎない。従って、以下に説明される第1の要素、第1の構成要素、第1の領域、第1の層又は第1の部分を第2の要素、第2の構成要素、第2の領域、第2の層又は第2の部分と呼んでも、例示的な実施形態の教示から逸脱することにはならないであろう。
【0011】
空間的な相対関係を表す用語(例えば、「下に」、「下方に」、「下部」、「上方に」、「上部」など)は、本明細書において、図に示されるような1つの要素又は特徴と別の要素又は特徴との関係の説明を容易にするために使用される。空間的な相対関係を表す用語は、図示される向きに加えて使用中又は動作中の装置の種々の向きを含むことを意図することを理解すべきである。例えば、図において装置を反転させると、他の要素又は特徴の「下方に」又は「下に」あると説明されていた要素は、他の要素又は特徴の「上方に」位置することになるであろう。従って、「下方に」という用語は、上方及び下方の2つの向きを含んでもよい。装置は、それ以外の向きに配置されてもよく(90°回転されるか又は別の向きに配置される)、その場合、明細書中の空間的な相対関係を表す記述語も相応して解釈されてよい。
【0012】
本明細書において使用される用語は、種々の実施形態を説明することのみを目的とし、例示的な実施形態を限定することを意図しない。本明細書において、ある要素が単数形で説明される場合、特に指示のない限り、その要素が複数存在する場合も含むことを意図する。更に、本明細書において使用される場合の用語「具備する」は、そこに挙げられている特徴、数字、ステップ、動作、要素及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、要素、構成要素及び/又はそれらの集合の存在又は追加を除外しないことも理解されるであろう。
【0013】
本明細書において、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の理想化された実施形態(及び中間的構造)の概略図である横断面図を参照して説明される。そのため、例えば製造技術及び/又は許容の結果としての図示された形状からの変形は予測されるべきである。従って、例示的な実施形態は、図示される領域の形状に限定されると解釈されてはならず、例えば製造の結果として起こる形状の偏差を含むと解釈されるべきである。例えば、矩形として示される注入領域は、通常、縁部における注入領域か非注入領域かの二者択一の変化ではなく、丸形の又は湾曲した形状を有し且つ/又は注入濃度の勾配を有する。同様に、注入により形成された埋め込み領域は、埋め込み領域と注入が実行された面との間の領域に注入部分を形成する。従って、図に示される領域は概略的な性質を有し、それらの形状は、装置の領域の実際の形状を示すことを意図せず且つ例示的な実施形態の範囲を限定することを意図しない。
【0014】
特に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、例示的な実施形態が属する技術分野の当業者により一般に理解されているのと同一の意味を有する。更に、一般に使用されている辞書において定義される用語を含む用語は、関連技術における意味と矛盾しない意味を有すると解釈されるべきであり、また、特に明示して定義されない限り、理想化された意味又は過剰に公式的な意味で解釈されないことが理解されるであろう。
【0015】
円形構造は直線構造と比較して頑丈であるため、円形乾燥器は従来の直線状乾燥器より高い固有振動数を有する。その結果、円形乾燥器は従来の直線状乾燥器と比較して亀裂を生じにくいと考えてよい。原子炉圧力容器に対して乾燥器バンクを形成するために、複数の円形乾燥器が同心に配列されてもよい。
【0016】
図4は、本発明の例示的な一実施形態に係る円形蒸気乾燥器を示した斜視図である。図4を参照すると、円形蒸気乾燥器402は、外側壁として傾斜フード430を含み且つ内側壁として多孔板432を含む環状本体を有する。乾燥蒸気の流出を容易にするために、円形蒸気乾燥器402の内部(フード430と多孔板432との間)に複数の乾燥器羽根が配列されてもよい。図4では、フード430の面は傾斜しているように示されるが、他 の実施形態も可能であることを理解すべきである。例えば、フード430の面は垂直に規定されてもよい。
【0017】
図4に示されるように、蒸気乾燥器バンクを形成するために、中心線Cに関して複数の円形蒸気乾燥器が同心に配列されてもよい。従って、同心構成にするために、内側の円形蒸気乾燥器は外側の円形蒸気乾燥器より小さくなる。
【0018】
蒸気乾燥器バンクの動作中、湿り蒸気は下方から個々の円形蒸気乾燥器に流入する。例えば、円形蒸気乾燥器402に関して説明すると、湿り蒸気はまずフード430の下方で上昇し、円形蒸気乾燥器402の中の乾燥器羽根(図示せず)を通って進む。湿り蒸気が乾燥器羽根(図示せず)を通過する間に水滴は除去される。その結果、乾燥蒸気は乾燥器羽根(図示せず)から出て、円形蒸気乾燥器402の多孔板432から蒸気乾燥器バンクの中心線Cに向かう方向に流出する。
【0019】
図5は、本発明の例示的な一実施形態に係る別の円形蒸気乾燥器を示した斜視図である。図5を参照すると、円形蒸気乾燥器502は、内側壁としてフード530を含み且つ外側壁として多孔板532を含む環状本体を有する。乾燥蒸気の流出を容易にするために、円形蒸気乾燥器502の内部(フード530と多孔板532との間)に複数の乾燥器羽根が配列されてもよい。
【0020】
図5に示されるように、蒸気乾燥器バンクを形成するために、中心線Cに関して複数の円形蒸気乾燥器が同心に配列されてもよい。従って、同心構造にするために、内側の円形蒸気乾燥器は外側の円形蒸気乾燥器より小さくなる。
【0021】
蒸気乾燥器バンクの動作中、湿り蒸気は下方から個々の円形蒸気乾燥器に流入する。例えば、円形蒸気乾燥器502に関して説明すると、湿り蒸気はまずフード530の下方で上昇し、円形蒸気乾燥器502の中の乾燥器羽根(図示せず)を通って進む。湿り蒸気が乾燥器羽根(図示せず)を通過する間に水滴は除去される。その結果、乾燥蒸気は乾燥器羽根(図示せず)から出て、円形蒸気乾燥器502の多孔板532を通って蒸気乾燥器バンクの中心線Cから離間する方向に流出する。
【0022】
図4及び図5では円形蒸気乾燥器は同一の高さであるように示されるが、他の実施形態も可能であることを理解すべきである。例えば、蒸気乾燥器バンクの中心線Cに向かう距離が短くなるほど、円形蒸気乾燥器の高さを増加してもよい。逆に、上記乾燥器バンクの中心線Cに向かう距離が短くなるほど、円形蒸気乾燥器の高さを低減してもよい。
【0023】
図6は、本発明の例示的な一実施形態に係る蒸気乾燥器の乾燥器羽根を示した展開平面図である。図6を参照すると、乾燥器羽根は一次羽根602と、複数の二次羽根604とを含む。一次羽根602は、交互に現れる一次凸部602R及び一次凹部602Fを有する一次波形シートである。同様に、各二次羽根604は、二次凸部604R及び対応する二次凹部604Fを有する二次波形シートである(複数の二次凸部及び二次凹部が任意に形成されてもよい)。一次波形シート及び二次波形シートは、適切な材料(例えばステンレス鋼)から形成されてもよい。図6には示されないが、一次羽根602に複数の二次羽根604が装着(例えば溶接)されてもよい。蒸気乾燥器において使用される場合、複数の乾燥器羽根が適切な構成で配列されてもよい。
【0024】
図7は、図4の蒸気乾燥器の羽根構成を示した部分平面図である。図7を参照すると、羽根構成は、中心線Cの周囲に(中心線Cから離間して)放射状パターンに従って配列された複数の一次羽根602を含む。羽根構成は、図4の円形蒸気乾燥器402の環状本体の中に配置されてもよい。
【0025】
各一次羽根602は、交互に現れる一次凸部及び一次凹部を有する一次波形シート(例えばステンレス鋼)である。その結果、隣接する一次羽根602は入口606及び出口608を有する曲がりくねった流路を規定する。図7に示されるように、流路の横断面の面積は入口606から出口608に向かって減少し、中心線Cから出口608までの半径方向距離は中心線Cから入口606までの半径方向距離より短い。
【0026】
あるいは、一次羽根602は、入口606から出口608に至るまでの流路の横断面の面積が相対的に一定になるように羽根構成の半径方向の収束を補償するように操作されてもよい。例えば、一次羽根602の各凹部の角度が流路の入口606から出口608に向かって大きくなるように一次羽根602が操作されてもよく、中心線Cから出口608までの半径方向距離は中心線Cから入口606までの半径法距離より短い。
【0027】
一次羽根602に複数の二次羽根604が装着(例えば溶接)されてもよく、二次羽根604は、隣接する一次羽根602により規定される流路の中へ延出する。各二次羽根604は、二次凸部604Rと関連する第1の面及び対応する二次凹部604Fと関連する反対側の第2の面を有する二次波形シート(例えばステンレス鋼)であり、二次凸部604Fが一次凸部602Rと同一の方向に向き且つオフセット距離だけ一次凸部602Rから離間するように、第2の面は一次羽根602の一次凸部602Rに隣接して配置される。このオフセット距離は流路の入口606から出口608に向かって狭くなっていてもよく、中心線Cから出口608までの半径方向距離は中心線Cから入口606までの半径方向距離より短い。
【0028】
流路が曲がりくねっているため、湿り蒸気が羽根構成を通って進むにつれて、湿り蒸気の流れ方向は何度も変化する。羽根構成の中で空気の流れ方向が何度も変わることにより、湿潤空気中の重い水滴は進行を妨げられる。その結果、乾燥蒸気は羽根構成から出て、図4の蒸気乾燥器402の多孔板432を通過する。
【0029】
図8は、図5の蒸気乾燥器の羽根構成を示した部分平面図である。図8を参照すると、羽根構成は、複数の二次羽根604が装着された複数の一次羽根602を含む。一次羽根602は、中心線Cの周囲に(中心線Cから離間して)放射状パターンに従って配列される。羽根構成は、図5の円形蒸気乾燥器502の環状本体の中に配置されてもよい。
【0030】
一次羽根602及び二次羽根604は、先に図7に関連して説明した通りであってもよい。しかし、少なくとも図5の円形蒸気乾燥器502と関連して図8の羽根構成を使用することによって、隣接する一次羽根602により規定される流路は図7の流路の特性とは異なる特性を示してもよい。図8に示されるように、羽根構成は流路の横断面の面積が入口606から出口608に向かって増加するような構成であり、中心線Cから出口608までの半径方向距離は中心線Cから入口606までの半径方向距離より長い。オフセット距離(二次羽根604の二次凸部と一次羽根602の一次凸部との)も、流路の入口606から出口608に向かって増加してもよく、中心線Cから出口608までの半径方向距離は中心線Cから入口606までの半径方向距離より長い。
【0031】
あるいは、一次羽根602は、入口606から出口608に至るまでの流路の横断面の面積が相対的に一定になるように羽根構成の半径方向発散を補償するように操作されてもよい。例えば、一次羽根602は一次羽根602の各一次凹部の角度が流路の入口606から出口608に向かって小さくなるように操作されてもよく、中心線Cから出口608までの半径方向距離は中心線Cから入口606までの半径方向距離より長い。
【0032】
図9は、図4の蒸気乾燥器の別の羽根構成を示した部分平面図である。図9を参照すると、羽根構成は複数の二次羽根604が装着された複数の一次羽根602を含む。一次羽根602は中心線Cの周囲に(中心線Cから離間して)放射状パターンに従って配列される。羽根構成は図4の円形蒸気乾燥器402の環状本体の中に配置されてもよい。
【0033】
一次羽根602及び二次羽根604は、先に図7に関連して説明した通りであってもよい。しかし、図7の場合とは異なり、図9の一次羽根602の厚さは流路の入口606から出口608に向かって減少し、中心線Cから出口608までの半径方向距離は中心線Cから入口606までの半径方向距離より短い。一次羽根602の厚さが減少することによって羽根構成の半径方向収束が補償されるので、入口606から出口608に至るまで、流路の横断面の面積は相対的に一定のままである。
【0034】
図10は、図5の蒸気乾燥器の別の羽根構成を示した部分平面図である。図10を参照すると、羽根構成は、複数の二次羽根604が装着された複数の一次羽根602を含む。一次羽根602は、中心線Cの周囲に(中心線Cから離間して)放射状パターンに従って配列される。羽根構成は図5の円形蒸気乾燥器502の環状本体の中に配置されてもよい。
【0035】
一次羽根602及び二次羽根604は、先に図7に関連して説明した通りであってもよく、羽根構成は図8の羽根構成に類似してもよい。しかし、図8の場合とは異なり、図10の一次羽根602の厚さは流路の入口606から出口608に向かって増加し、中心線Cから出口608までの半径方向距離は中心線Cから入口606までの半径方向距離より長い。一次羽根602の厚さが増加することによって羽根構成の半径方向発散が補償されるので、入口606から出口608に至るまで、流路の横断面の面積は相対的に一定のままである。
【0036】
本発明の例示的な一実施形態に係る蒸気乾燥器の羽根を構成する方法は、中心線の周囲に(中心線から離間して)複数の一次羽根を放射状パターンに従って配列することを含んでもよい。各一次羽根は、交互に現れる一次凸部及び一次凹部を有する一次波形シートであってもよい。その結果、隣接する一次羽根は曲がりくねった流路を規定してもよく、流路は中心線に対して入口及び出口を有する。
【0037】
入口から出口に向かって、流路の横断面の面積は変化しても(例えば増加、減少されても)よい。更に、流路の入口から出口に向かって、一次羽根の厚さは変化しても(例えば増加、減少されても)よい。また、流路の入口から出口に向かって、一次羽根の各一次凹部の角度は変化しても(例えば増加、減少されても)よい。流路の横断面の面積、一次羽根の厚さ及び一次波根の凹部の角度の変化は別個に実現されてもよいし、あるいは組み合わせて実現されてもよい。
【0038】
隣接する一次羽根により規定された流路の中へ二次羽根が延出するように、一次羽根に複数の二次羽根が装着されてもよい。各二次羽根は、二次凸部と関連する第1の面及び対応する二次凹部と関連する反対側の第2の面を有する二次波形シートであってもよい。二次凸部が一次凸部と同一の方向に向き且つオフセット距離だけ一次凸部から離間して位置するように、二次波根の第2の面は一次羽根の一次凸部に隣接して配置されてもよい。このオフセット距離は、流路の入口から出口に向かって変化しても(例えば増加、減少されても)よい。
【0039】
いくつかの例示的な実施形態を開示したが、他の変形も可能であることを理解すべきである。例えば、上記の実施例は円形乾燥器に関連して説明されたが、本明細書の教示は直線状乾燥器に適用されてもよいことを理解すべきである。そのような変形は、本発明の趣旨からの逸脱としてみなされてはならず、当業者には自明であると考えられるそのようなすべての変形は、添付の特許請求の範囲の範囲に含まれることを意図する。
【符号の説明】
【0040】
402 円形蒸気乾燥器
502 円形蒸気乾燥器
602 一次羽根
602F 一次凹部
602R 一次凸部
604 二次羽根
604F 二次凹部
604R 二次凸部
606 入口
608 出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気乾燥器の羽根構成において、
中心線(C)の周囲に放射状パターンに従って配列された複数の一次羽根(602)を具備し、前記複数の一次羽根(602)は、前記中心線(C)から離間して配置され、前記複数の一次羽根(602)の各々は、交互に現れる一次凸部(602R)及び一次凹部(602F)を有する一次波形シートであり、且つ隣接する一次羽根(602)は、前記中心線(C)に対して入口(606)及び出口(608)を有する曲がりくねった流路を規定することを特徴とする羽根構成。
【請求項2】
前記流路の横断面の面積は、前記入口(606)から前記出口(608)に向かって変化する請求項1記載の羽根構成。
【請求項3】
前記一次羽根(602)の厚さは、前記流路の前記入口(606)から前記出口(608)に向かって減少し、前記中心線(C)から前記出口(608)までの半径方向距離は、前記中心線(C)から前記入口(606)までの半径方向距離より短い請求項1記載の羽根構成。
【請求項4】
前記一次羽根(602)の厚さは、前記流路の前記入口(606)から前記出口(608)に向かって増加し、前記中心線(C)から前記出口(608)までの半径方向距離は、前記中心線(C)から前記入口(606)までの半径方向距離より長い請求項1記載の羽根構成。
【請求項5】
前記一次羽根(602)の各一次凹部(602F)の角度は、前記流路の前記入口(602)から前記出口(608)に向かって増加し、前記中心線(C)から前記出口(608)までの半径方向距離は、前記中心線(C)から前記入口(606)までの半径方向距離より短い請求項1記載の羽根構成。
【請求項6】
前記一次羽根(602)の各一次凹部(602F)の角度は、前記流路の前記入口(606)から前記出口(608)に向かって減少し、前記中心線(C)から前記出口(608)までの半径方向距離は、前記中心線(C)から前記入口(606)までの半径方向距離より長い請求項1記載の羽根構成。
【請求項7】
前記一次羽根(602)に装着された複数の二次羽根(604)を更に具備し、前記二次羽根(604)は、隣接する一次羽根(602)により規定された流路の中へ延出する請求項1記載の羽根構成。
【請求項8】
前記二次羽根(604)の各々は、二次凸部(604R)と関連する第1の面及び対応する二次凹部(604F)と関連する反対側の第2の面を有する二次波形シートであり、前記二次凸部(604F)が前記一次凸部(602R)と同一の方向に向き且つオフセット距離だけ前記一次凸部(602R)から離間するように、前記第2の面は一次羽根(602)の一次凸部(602R)に隣接して配置される請求項7記載の羽根構成。
【請求項9】
前記オフセット距離は、前記流路の前記入口(606)から前記出口(608)に向かって減少し、前記中心線(C)から前記出口(608)までの半径方向距離は、前記中心線(C)から前記入口(606)までの半径方向距離より短い請求項8記載の羽根構成。
【請求項10】
前記オフセット距離は、前記流路の前記入口(606)から前記出口(608)に向かって増加し、前記中心線(C)から前記出口(608)までの半径方向距離は、前記中心線(C)から前記入口(606)までの半径方向距離より長い請求項8記載の羽根構成。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−237209(P2010−237209A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−73993(P2010−73993)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(508177046)ジーイー−ヒタチ・ニュークリア・エナージー・アメリカズ・エルエルシー (101)
【氏名又は名称原語表記】GE−HITACHI NUCLEAR ENERGY AMERICAS, LLC
【Fターム(参考)】