説明

蒸気吐出管の吐出口塞ぎ装置

【課題】 蒸気発生源より供給される蒸気を配管を経由して蒸気吐出管の吐出口より室内やダクトなどに送り込むようにした型式の蒸気供給装置は種々の用途に使用されるようになってきている。このため吐出口からの蒸気の吐出領域を変更し吐出量を可能な限り制限させる要求がでてきている。そこで本発明はこれらの要求を十分満足したものを提供しょうとしたものである。
【解決手段】 蒸気発生源に連通した蒸気吐出管に吐出口のある側面を残してコの字状のケーシングを固定し、このケーシングの上部には支柱を介して外パイプを長手方向に取り付け、外パイプには長手方向に穿った連続切り欠き溝とこの連続切り欠き溝に連通した切り欠き落し込み溝を形成し、さらに外パイプ内の一端にスプリングを設置し、このスプリングに接触した状態で丸棒を嵌挿し、丸棒には操作桿とネジ棒とを固定し、前記ネジ棒に上下調整可能な状態に取り付けたアーム先端のシールパッキンで吐出口を塞ぐようにしたことを特徴としたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は蒸気発生源より供給される蒸気を配管を経由して蒸気吐出管の吐出口より吐出し蒸気を室内やダクトなどに送り込むようにした型式の蒸気吐出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、蒸気発生源より供給される蒸気を配管を経由して蒸気吐出管の吐出口より吐出し蒸気を室内やダクトなどに送り込むようにした蒸気供給装置は種々の用途に使用されるようになってきている。たとえば生産ラインで吐出幅を即座に変更したりまたは元に戻したりすることが要求されることが多くなってきた。
【0003】
しかし、吐出幅は初期設定値に合わせると変更できない状態で使用されているため、不要なところまで吐き出さざるを得なかった。たとえば、空調チャンバー内に使用された場合チャンバー内には種々の機器たとえばファンセクションやコイルセクションなどの障害物があって吐き出したくないような場合でも余分な蒸気が到達してしまっていた。
【0004】
また吐き出し個所によっては加湿が加わり環境に悪影響を与えたり、障害を生じてしまうなどの問題があった。
【0005】
上記のような問題点を防ぐため、その都度盲板を使って吐出口を塞いだりしているが、その作業には大変な手間が掛かり結果的にコスト低減につながらないといった問題があった。そこでこのような装置においては簡単容易な操作で必要なところだけ蒸気を吐ぐことができるような蒸気吐出塞ぎ装置が望まれていた。
【発明の開示】

【発明が解決しょうとする課題】
【0006】
そこで本発明は、上記のような従来の課題を解決するとともに蒸気吐出装置の要求を満足しょうとしたもので、蒸気発生源より供給される蒸気を配管を経由して吐出口より蒸気を室内やダクトなどに送り込むようにした蒸気吐出装置において、必要な蒸気の吐出領域のみ吐出可能にしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の解決手段は、蒸気発生源に連通した蒸気吐出管に吐出口のある側面を残してコの字状のケーシングを固定し、このケーシングの上部には支柱を介して外パイプを長手方向に取り付け、外パイプには長手方向に穿った連続切り欠き溝とこの連続切り欠き溝に連通した切り欠き落し込み溝を形成したことを特徴としたものである。
【0008】
本発明の第二の解決手段は、外パイプ内の一端にスプリングを設置し、このスプリングに接触した状態で丸棒を嵌挿し、丸棒には操作桿とネジ棒とを固定したことを特徴としたものである。
【0009】
本発明の第三の解決手段は前記ネジ棒に上下調整可能な状態に取り付けたアーム先端のシールパッキンで吐出口を塞ぐようにしたことを特徴としたものである。
【0010】
上記課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち蒸気発生源より供給された蒸気は蒸気吐出管の吐出口から目的領域に放出される。
そして、このような状態からまず蒸気の吐出領域を変更することが必要になった時にはまず操作桿を持ってクランク操作で切り欠き落し込み溝に移行する。この時同時にネジ棒のアーム先端のシールパッキンが吐出口を塞ぐようになるので、塞がれた部分の蒸気の吐出領域が制限される。
【0011】
次に制限された吐出領域から蒸気の吐出領域を元に戻したい場合には、操作桿を持ってクランク操作で持ち上げて連続切り欠き溝に移行すればネジ棒のアーム先端のシールパッキンが吐出口を離れ、蒸気の吐出領域が元に戻るようになる。
【発明の効果】
【0012】
上述したように本発明の蒸気吐出管の吐出口塞ぎ装置は次ぎのような効果が得られる。
(1)操作桿を持ってクランク操作するだけで蒸気の吐出領域を変更したり、元に戻したりするので操作が極めて容易でかつ瞬時に終了する。
(2)ネジ棒のアーム先端のシールパッキンで吐出口を塞いだり、離したり出来るような堅牢にしてかつ簡単な構造で極めて実用的なものである。
(3)蒸気吐出管の任意の位置に吐出口塞ぎ装置を簡単容易に取り付けられるようにしたので蒸気の吐出領域を自由に変更できるものである。
(4)必要な蒸気の吐出領域のみ吐出可能にしたので、不要なところに悪影響を与えることがなく障害が起こらない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施形態)
蒸気吐出管1には長手方向に一列に多数の吐出口2が形成されている。蒸気吐出管1の外周には吐出口2のある側面を残してコの字状のケーシング3がネジ4止めして固定されている。ケーシング3の上部には支柱5を介して外パイプ6が長手方向に取り付けられている。外パイプ6には長手方向に穿った連続切り欠き溝7とこの連続切り欠き溝7に連通した切り欠き落し込み溝8が形成されている。外パイプ6の一端にはスプリング9が組み込まれている。さらに、外パイプ6内にはスプリング9に接触した状態で丸棒10が前後ピストン運動および回動自在な状態で嵌挿されている。丸棒10の中央位置には操作桿11がネジ込み固定されている。さらに、丸棒10にはネジ棒12がネジ込み固定されていると共に、このネジ棒12はアーム13先端に取り付けられたシールパッキン15で吐出口2を的確に閉塞できるように調整ナット14で上下調整可能に取り付けられている。
【0014】
また操作桿11とネジ棒12は通常、連続切り欠き溝7の中にあり、操作桿11とネジ棒12が切り欠き落し込み溝8に移行したときにシールパッキン15が吐出口2を閉塞するようになっている。
【0015】
次に、蒸気発生装置により発生された蒸気は蒸気吐出管1の吐出口2から目的領域に吐き出される。
【0016】
そして、蒸気の吐出領域を変更することが必要になった時には図2に示すように連続切り欠き溝7の中にある操作桿11を持って丸棒10の一端をスプリング9に押し当てスプリング9を押し縮めながらクランク操作でシフトダウンして切り欠き落し込み溝8に移行する。この時点で操作桿11を手放すとスプリング9が元に戻ろうとして、その弾力で操作桿11とネジ棒12が切り欠き落し込み溝8の中でロックされる。この時同時にネジ棒12のアーム13先端のシールパッキン15により吐出口2が確実に塞がれる。そして塞がれた部分の蒸気の吐出領域が制限される。
【0017】
蒸気の吐出領域を元に戻したい場合には、切り欠き落し込み溝8の位置にある操作桿11を持ってクランク操作で元の連続切り欠き溝7の位置に戻す。これにより、ネジ棒12のアーム13先端のシールパッキン15が吐出口2を開放するようになり、蒸気の吐出領域が元に戻るようになる。
【0018】
なお、ネジ棒12のアーム13先端のシールパッキン15はフッ素系ゴムなどの耐熱シール材などが好ましいがこれに限定されるものではない。
【0019】
さらに16は吐出口2から発生した蒸気がアーム13、シールパッキン15で結露して、結露水となって落下した時に受け止めるケーシング3の下部先端を延長した樋である。そして落下した結露水は樋16を伝って吐出口2の熱エネルギーをもらって蒸発するようになっている。
【0020】
また、上記実施形態では蒸気発生装置からの蒸気を加湿専用の蒸気を作り加湿する二重管蒸気供給装置について述べたが、蒸気供給装置はこれに限定されることなくたとえば蒸気発生装置からの蒸気を直接吐出口から吐き出す単管蒸気供給装置など種々のものでもよく、本発明はこれらに装着される蒸気吐出管の吐出口塞ぎ装置であることから蒸気供給装置が種々変更されても何ら本発明の要旨を変更するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0021】
蒸気発生源より供給される蒸気を配管を経由して蒸気吐出管の吐出口より室内やダクトなどに送り込むようにした型式の蒸気供給装置は種々の用途に使用されるようになってきている。たとえば、空調用、産業用および印刷工程、製紙製造工程やフイルム製造工程などの用途での使用がある。このため吐出口からの蒸気の吐出領域を変更し吐出量を可能な限り制限させる要求がでてきており、本発明は蒸気の吐出口を必要な領域のみ、吹き出すようにしたもので、構造が簡単でしかも操作を容易にしたもので実用性甚だ大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】蒸気吐出管に吐出口塞ぎ装置を取り付け吐出口を塞いでいない状態を示す側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1のA−A’断面図である。
【図4】図1のB−B’断面図である。
【図5】蒸気吐出管に吐出口塞ぎ装置を取り付け吐出口を塞いだ状態を示す側面図である。
【図6】図5の平面図である。
【図7】図5のC−C’断面図である。
【図8】図5のD−D’断面図である。
【符号の説明】
【0023】
1・・・蒸気吐出管 2・・・吐出口 3・・・ケーシング
4・・・ネジ 5・・・支柱5 6・・・外パイプ
7・・・連続切り欠き溝 8・・・切り欠き落し込み
9・・・外パイプ 10・・・丸棒 11・・・操作桿
12・・・ネジ棒 13・・・アーム 14・・・調整ナット
15・・・シールパッキン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気発生源に連通しかつ吐出口を形成した蒸気吐出管の外周にコの字状のケーシングを固定し、このケーシングの上部には支柱を介して外パイプを長手方向に取り付け、外パイプには長手方向に穿った連続切り欠き溝とこの連続切り欠き溝に連通した切り欠き落し込み溝を形成し、外パイプ内には一端にスプリングを設置すると共にこのスプリングに接触した状態で丸棒を嵌挿し、さらに丸棒には操作桿と上下調整可能にしたアームを取り付けたネジ棒とを固定し、アーム先端に固定したシールパッキンで吐出口を塞ぐようにした蒸気吐出管の吐出口塞ぎ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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