説明

蒸気発生装置

【課題】
不純物が除去された水を蒸気発生に使用することにより、不純物付着による各種不具合発生を抑制し得る蒸気発生装置を提供する。
【解決手段】
浴室内に蒸気を発生させる蒸気発生手段と、該蒸気発生手段と蒸気発生用の水が供給される水道配管との間に配置され水道水に含まれる不純物を除去して蒸気発生手段に供給する軟水器と、を備える。前記蒸気発生手段は、ノズルと熱交換器を備えノズルから少量の水を熱交換器に噴霧することにより浴室内に蒸気を発生させたり、ノズルから水を浴室内に直接噴霧することにより浴室内に蒸気を発生させたり、あるいは拡散手段から熱交換器に湯水を拡散させることにより浴室内に蒸気を発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば浴室の天井部分等に設置されて浴室内に蒸気を発生させる蒸気発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴室の天井に設置される蒸気発生装置としては、例えば特許文献1に開示されている。この蒸気発生装置(ミスト装置)は、横長の装置本体部内に熱交換器を斜めの状態で配置し、この熱交換器の一次側に吸込口を設けると共に二次側に循環ファンを設け、熱交換器で高温とされた温風を循環ファンの作動により浴室内に噴出させる。また、装置本体部の開口を閉塞するグリルの吸込口の近傍外側に、温水供給管と複数の噴射ノズルとで構成したミスト噴出手段を配置し、このミスト噴出手段から浴室内にミスト(蒸気)を直接噴出させるようにしたものである。
【特許文献1】特開2002−336327号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような蒸気発生装置においては、水道水を加熱することで得られた温水を温水供給管を介してノズルから浴室内に直接噴霧することにより、浴室内に蒸気を発生する方式であるため、水道水に含まれる炭酸カルシウム等の不純物が蒸気に混じって浴室内に噴霧されて、例えば浴室の壁パネル、洗い場(床面)、バスタブ、カウンター等の浴室内やノズル自体に付着して析出し易くなる。また、他の蒸気発生装置として使用されている、ノズルから少量の水を熱交換器に噴霧して蒸気を発生させる方式の装置の場合には、水道水に含まれる不純物が熱交換器自体に付着してその性能の低下を招き易くなる。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、不純物が除去された水を蒸気発生に使用することにより、不純物付着による各種不具合発生を抑制し得る蒸気発生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、浴室内に蒸気を発生させる蒸気発生手段と、該蒸気発生手段と蒸気発生用の水が供給される水道配管との間に配置され水道水に含まれる不純物を除去して前記蒸気発生手段に供給する軟水器と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、前記蒸気発生手段がノズルと熱交換器を備え、ノズルから少量の水を熱交換器に噴霧することにより浴室内に蒸気を発生させることを特徴とし、この場合、前記ノズルは、請求項3に記載の発明のように、熱交換器を作動させた状態で該熱交換器の一次側に形成される空間内に水を噴霧することを特徴とする。
【0007】
また、請求項4に記載の発明は、前記蒸気発生手段がノズルを備え、ノズルから水を浴室内に直接噴霧することにより浴室内に蒸気を発生させることを特徴とし、さらに、請求項5に記載の発明は、前記蒸気発生手段が熱交換器と拡散手段とを備え、前記軟水器から拡散手段に供給された水が熱交換器に拡散されることにより浴室内に蒸気を発生させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のうち請求項1に記載の発明によれば、蒸気発生手段と蒸気発生用の水が供給される水道配管との間に、水道水に含まれる不純物を除去して蒸気発生手段に供給する軟水器が配置されているため、蒸気発生に使用される水として不純物が除去された水を使用できて、不純物付着による各種不具合発生を抑制することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、蒸気発生手段がノズルと熱交換器を備え、ノズルから少量の水を熱交換器に噴霧することにより浴室内に蒸気を発生させるため、熱交換器にノズルから少量の水を噴霧する方式の蒸気発生装置において、熱交換器への不純物の付着を防止して、不純物付着による熱交換器の性能低下等を防ぐことができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果に加え、ノズルが熱交換器を作動させた状態でこの熱交換器の一次側に形成される空間内に水を噴霧するため、ノズルから空間内に噴霧された水が熱交換器により気化状態とされて、浴室内に蒸気を効率的に発生させることができる。
【0011】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、蒸気発生手段がノズルを備え、このノズルから水を浴室内に直接噴霧することにより浴室内に蒸気を発生させるため、直接噴霧方式の蒸気発生装置において、不純物の浴室の壁パネル等への付着を防ぐことができる。
【0012】
さらに、請求項5に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、蒸気発生手段が熱交換器と拡散手段とを備え、この拡散手段に供給される水が軟水器により不純物が除去されているため、蒸気発生用の水を熱交換器に拡散させて蒸気を発生する拡散方式の蒸気発生装置において、熱交換器への不純物の付着を防止して、不純物付着による熱交換器の性能低下等を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明に係わる蒸気発生装置の第1の実施形態を示し、図1がその設置状態の説明図、図2が蒸気発生装置の構成図である。
【0014】
図1に示すように、蒸気発生装置1は、防水パン3上にバスタブ4が設置されると共に洗い場5が設けられ、4枚の壁パネル6と天井パネル7とで略箱状に形成された浴室2で、天井パネル7の例えばバスタブ4と洗い場5の略境界線上方に設置されている。この時、蒸気発生装置1は、そのケース8に設けた吸気口9と吹出口10が浴室2内に開口し、吸気口9から浴室2内の空気が吸引されると共に、吹出口10から後述する如く温風やミスト(蒸気)が浴室2内に吹き出されるようになっている。なお、蒸気発生装置1は、図示はしないが浴室2の天井裏に所定間隔で配置された建築躯体に吊りボルト等によって吊り下げ設置されている。
【0015】
そして、このように浴室2の天井パネル7に設置される蒸気発生装置1は、図2に示すように構成されている。すなわち、蛇行状に配置した温水供給管13により多数枚のフィン12を連結した熱交換器11が、ケース8内に傾斜状態で配置されると共に、この熱交換器11の二次側となる図2の右側にシロッコファン等からなる送風ファン14が配置されている。また、熱交換器11の二次側とケース8の右側下部に設けた前記吹出口10との間には、所定形状の隔壁15が設けられている。これによりケース8内に、その左側下部に設けたルーバー9aを有する吸気口9から、熱交換器11、送風ファン14及び吹出口10に連通する通風経路Rが形成されている。
【0016】
さらに、この通風経路Rの最上流側となる熱交換器11の一次側には加湿空間16が形成されると共に、この加湿空間16内にノズル17が配置されている。このノズル17は、給水配管18及び給水電磁弁19を介して水道配管35に接続されると共に、ノズル17と給水電磁弁19との間の給水配管18には軟水器20が配置(接続)されている。この軟水器20は、内部に配置したイオン交換樹脂によるイオン交換処理により、水道水に含まれる硬度成分としての炭酸カルシウムやマグネシウム等の金属イオン(不純物)を除去して、例えば硬度の略ゼロの軟水とするもので、比較的小型の家庭用軟水器等が使用されている。
【0017】
また、前記ノズル17は、水の噴霧方向が噴霧方向イの如く熱交換器11の一次側に向くように設定されており、霧状の水が加湿空間16を介して熱交換器11のフィン12表面等に向けて噴霧されるようになっている。さらに、前記熱交換器11の温水供給管13には、図示しない給湯機の循環口に接続された往き配管21aと戻り配管21bが接続されている。なお、ノズル17からの水の噴霧量は、例えば100〜300cc/分に設定され、水の水滴の大きさである粒径は、例えば100〜500μmに設定されている。
【0018】
そして、この蒸気発生装置1は、浴室2の図示しないドアが設けられる壁パネル6で浴室2外側に取り付けられた図示しない制御盤の各種操作スイッチの操作で、前記電磁弁19が開動作することにより水が軟水器20を介してノズル17に供給され、このノズル17から水が霧状となって加湿空間16内に噴霧方向イの如く噴霧されるようになっている。
【0019】
次に、このように構成された蒸気発生装置1の動作の一例について説明する。この蒸気発生装置1は、例えば「ミスト暖房」「ドライ暖房」「換気・乾燥」運転モードで運転可能であり、「ミスト暖房」運転モードが選択された場合は、先ず、給湯機が作動してその循環口から往き配管21aと戻り配管21bを介して、所定温度の温水が熱交換器11の温水供給管13に循環・供給されて、該熱交換器11のフィン12が所定温度まで加熱される。
【0020】
この状態で電磁弁19が開いて軟水器20で処理された水(軟水)がノズル17に供給されると共に送風ファン14が回転すると、ノズル17から水が霧状となって加湿空間16内に噴霧される。この加湿空間16内に噴霧された霧状の水は熱交換器11のフィン12表面等に接触して気化される。そして、送風ファン14の回転により同時に吸い込まれた空気自体も加熱されて結果的に湿度が100%に近い暖かい湿った空気(ミストという)となり、このミストは、通風経路Rを流れてケース8の吹出口10を介して浴室2の天井部分から下方の浴室2内に吹き出されて、浴室2内がミスト暖房状態に設定されることになる。この時、ノズル17から噴霧される水が軟水器20により軟水とされていることから、空間16内に噴霧された水が熱交換器11に付着してもこれが析出することがなくなる。
【0021】
一方、「ドライ暖房」運転モードが選択された場合は、給湯機が作動してその循環口から往き配管21aと戻り配管21bを介して、所定温度の温水が熱交換器11の温水供給管13に循環・供給され、該熱交換器11のフィン12が所定温度まで加熱されると共に、送風ファン14が回転してケース8の吸気口9から浴室2内の空気が吸気され、これが通風経路R内を流れる。そして、この空気は通風経路R内に位置する熱交換器11のフィン12間を通過する際に、所定温度まで加熱されているフィン12に接触して加温されて温風となり、この温風が通風経路Rを流れてケース8の吹出口10を介して浴室2の天井部分から下方に吹き出され、浴室2内がドライ暖房状態に設定されることになる。
【0022】
また一方、「換気・乾燥」運転モードが選択された場合は、前記ドライ暖房運転に加え、浴室2の天井パネル7や壁パネル6上部に設置した図示しない換気扇が作動して浴室2内が換気・乾燥され、例えば浴室2内での洗濯物の乾燥が可能となる。
【0023】
このように、上記実施形態の蒸気発生装置1にあっては、ノズル17と水道配管35との間に軟水器20が配置されているため、この軟水器20により、水道水に含まれる炭酸カルシウム等の不純物(金属イオン等)を除去して軟水とすることができ、この水がノズル17から加湿空間16に噴霧されて熱交換器11に付着した場合であっても、熱交換器11のフィン12に不純物が析出されることがなく、不純物付着による熱交換器11の性能低下(熱交換率の低下等)を確実に防ぐことができる。
【0024】
特に、ノズル17から噴霧される水の噴霧量が100〜300cc/分と少量であることから、熱交換器11への不純物の付着・析出を一層抑制することができると共に、小型の軟水器20を使用できて、蒸気発生装置1を長期間メンテナンスすることなく安定使用することができ、メンテナンスの作業性が比較的劣る浴室2の天井パネル7に設置される蒸気発生装置1にも好適に適用することが可能となる。
【0025】
また、熱交換器11の一次側に形成された加湿空間16内にノズル17が配置されているため、ノズル17から加湿空間16内に噴霧された水を該空間16内で熱交換器11のフィン12表面等に接触させて気化させることができ、吹出口10の温度を低下させずに加湿空間16内を加湿して、熱交換器11によりミストを効率的に発生させることができる。その結果、熱交換器11の効率的な運転が可能になると共に、熱交換器11の容量を大きくできて、熱交換器11によるミスト以外の暖房能力や乾燥能力を高めることができ、性能的に優れた蒸気発生装置1を得ることが可能となる。
【0026】
また、ケース8内にミスト発生用の熱交換器11を1台配置してミストを効率的に発生させることができるため、蒸気発生装置1に使用される熱交換器11が1台で良く、蒸気発生装置1自体の構成を簡略化して安価に形成することができると共に、熱交換器11がケース8内に傾斜した状態で配置されているため、ケース8の高さ寸法を低くして薄型扁平の蒸気発生装置1を形成し、例えば住宅のシステムバスルームの天井部分に簡単に設置することができる。
【0027】
図3〜図5は、本発明に関わる蒸気発生装置の第2〜第4の実施形態を示し、以下、上記実施形態と同一部位には同一符号を付して説明する。先ず、図3に示す第2の実施形態の蒸気発生装置1の特徴は、前記熱交換器11をケース8の右側上部に垂直状態で配置すると共に、ケース8の前記吸気口9部分に第2の熱交換器22を水平状態で配置して、熱交換器11と第2の熱交換器22との間に前記ノズル17が配置される加湿空間16を形成した点にある。この時、ノズル17は、噴霧される水が垂直な熱交換器11に向かうように設定され、熱交換器11の二次側には送風ファン14が配置されている。
【0028】
そして、ノズル17には、前記給水電磁弁19を有する給水配管18が接続されると共に、ノズル17と給水電磁弁19との間に軟水器20が配置され、さらに熱交換器11と第2の熱交換器22の各温水供給管13、22bには、前記往き配管21aと戻り配管21bが並列状態で接続されている。この実施形態においても、加湿空間16内に噴霧された霧状の水が、加湿空間16内や両熱交換器11、22の加熱されたフィン14、22a等に接触して気化されることにより、熱交換器11によりミストが発生し、このミストが送風ファン14の回転でケース8の吹出口10を介して浴室2内に吹き出され、上記第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0029】
また、この例の場合は、加湿空間16が2台の熱交換器11、22の間に形成されていることから、該空間16内に噴霧された水を確実に気化できて、ミストの発生効率を一層高めることができると共に、吸気口9部分に設けた第2の熱交換器22により、加湿空間16内の水滴の下方である浴室2内への滴下を一層確実に抑制できるという作用効果を得ることもできる。このようにノズル17が配置される加湿空間16の形態は、熱交換器11の一次側に噴霧された水の気化が可能な所定容積の空間を形成し得る適宜の構造を採用することができる。
【0030】
また、図4に示す第3の実施形態の蒸気発生装置1の特徴は、ノズル17の噴霧方向イを浴室2内に指向して配置して、水を浴室2内に直接噴霧するように構成した点にある。すなわち、ケース8内に、フィン24aが温水供給管24bで連結され浴室2内の空気を温風とする第1の熱交換器24と送風ファン14が配置されると共に、例えばケース8の外面に、フィン25aを連結する温水供給管25bに温水を供給することにより、ミスト発生用の水を加熱して温水とし、これをノズル17から浴室2内に噴霧し得る第2の熱交換器25が配置されている。この時、浴室2内に指向して配置されたノズル17と熱交換器25間の給水配管18でケース8内には、前記軟水器20が配置されている。
【0031】
そして、第1の熱交換器24に接続された往き配管21aと戻り配管21bに循環式の給湯機から温水を供給すると共に、送風ファン14を作動させて、ケース8の吸気口9から矢印ロの如く吸気された浴室2内の空気を、第1の熱交換器24によって温風とし、この温風をケース8の吹出口10から浴室2内に矢印ハの如く吹き出し、浴室2内をドライ暖房状態とするようになっている。また、第2の熱交換器25を作動させて、ケース8の吸気口9の略直下に浴室2内に向けて配置されたノズル17から、温水を噴霧方向イの如く下方に向けて噴霧することにより浴室2内をミスト暖房状態とするようになっている。
【0032】
この第3の実施形態の蒸気発生装置1においても、ノズル17から水が浴室2内に直接噴霧されて浴室2内がミスト暖房状態等に設定され、この時、ノズル17から噴霧される水が軟水器20により軟水とされていることから、噴霧された水が浴室2内の壁パネル6や洗い場5、バスタブ4、カウンター等に付着しても析出することがなく、例えば浴室2内を清浄な状態に維持できることになる。
【0033】
さらに、図5に示す第4の実施形態の蒸気発生装置1の特徴は、蒸気発生用の第1の熱交換器26に拡散パイプ28により所定温度の湯水を拡散させることで蒸気を発生させるように構成した点にある。すなわち、ケース8内には、多数枚のフィン26aが温水供給管26bで連結された第1の熱交換器26と、多数枚のフィン27aが温水供給管27bで連結された第2の熱交換器27と、第1の熱交換器26や第2の熱交換器27により発生した蒸気や温風を吹出口10から浴室2内に吹き出す送風ファン14と、第1の熱交換器26上に拡散された湯を回収して再び第1の熱交換器26に拡散させる湯水循環手段29と、換気ファン30等が配置されている。
【0034】
また、湯水循環手段29は、第1の熱交換器26のフィン26a上に所定温度の湯水を拡散(放散、吐出、噴出、噴射、吹付け、噴霧等も含む)させる拡散手段としての拡散パイプ28と、この拡散パイプ28で拡散された湯水を回収するバッファタンク31と、このバッファタンク31内の湯水を汲み上げて配管を介して拡散パイプ28に供給する循環ポンプ32等で構成されている。この時、バッファタンク31には、給水電磁弁19が接続された給水配管18が接続され、この給水配管18のケース8内の途中に前記軟水器20が配置されている。
【0035】
さらに、前記第1の熱交換器26の温水供給管26bと第2の熱交換器27の温水供給管27bには、往き配管21aと戻り配管21bがそれぞれ接続され、往き配管21aには給湯電磁弁33が接続されている。この往き配管21aと戻り配管21bは、循環機能付きの灯油ボイラーやガス給湯機等の給湯機34に接続され、前記給水配管18は、水道や給湯機34内の水道配管35に接続されている。
【0036】
そして、この蒸気発生装置1の場合は、両熱交換器26、27の温水供給管26b、27bに温水が循環供給された状態で、湯水循環手段29で循環される所定温度の湯水が第1の熱交換器26上に拡散されることで蒸気が発生するようになっている。この蒸気発生時に使用される湯水循環手段29内の湯水は、軟水器20により軟水とされて給水配管18からバッファタンク31に供給された水道水で不純物が除去された状態となっており、第1の熱交換器26のフィン26a等への不純物の付着・析出が抑制されて、前記第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、この実施形態の蒸気発生装置1の場合は、循環される湯水が第1の熱交換器26に拡散されることで蒸気が発生するため、蒸気の発生効率を高めることができると共に省エネ効果に優れる等の作用効果が得られることになる。
【0037】
このように本発明は、ノズル噴霧方式や拡散方式等の各種方式(形態)の蒸気発生装置1に適用することができると共に、上記した各実施形態のそれぞれに限定されるものでもなく、例えば第1〜第3の実施形態の軟水器20を第4の実施形態と同様にケース8内に配置したり、第4の実施形態において、軟水器20を図5の二点鎖線で示すようにケース8外に配置する等、各実施形態の全部や一部を適宜に組み合わせることもできる。
【0038】
また、上記各実施形態においては、蒸気発生装置1を天井パネル7のバスタブ4と洗い場5の境界線上の所定位置に設置したが、本発明はこれに限定されず、例えばバスタブ4の背足方向の足側となる天井パネル7、あるいは天井パネル7と壁パネル6のコーナ部分(このコーナ部分と天井パネル7を天井部分という)に設置しても良いし、カウンター内部に配置する形態であっても良い。さらに、上記各実施形態における軟水器の形態、熱交換器の構成や、軟水器と給水電磁弁等の位置関係も一例であって、例えば軟水器として市販されている浄水器(純水器)を使用する等、本発明の各発明に係わる要旨を逸脱しない範囲において適宜に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、システムバスルーム等の浴室に限らず、例えばサウナルームやシャワールーム等の蒸気発生装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係わる蒸気発生装置の第1の実施形態の設置状態を示す説明図
【図2】同その蒸気発生装置の概略構成図
【図3】本発明に係わる蒸気発生装置の第2の実施形態を示す概略構成図
【図4】本発明に係わる蒸気発生装置の第3の実施形態を示す概略構成図
【図5】本発明に係わる蒸気発生装置の第4の実施形態を示す概略構成図
【符号の説明】
【0041】
1・・・蒸気発生装置、2・・・浴室、3・・・防水パン、4・・・バスタブ、5・・・洗い場、6・・・壁パネル、7・・・天井パネル、8・・・ケース、9・・・吸気口、10・・・吹出口、11・・・熱交換器、12・・・フィン、13・・・温水供給管、14・・・送風ファン、16・・・加湿空間、17・・・ノズル、18・・・給水配管、19・・・給水電磁弁、20・・・軟水器、21a・・・往き配管、21b・・・戻り配管、22・・・第2の熱交換器、22a・・・フィン、22b・・・温水供給管、24、26・・・第1の熱交換器、25、27・・・第2の熱交換器、28・・・拡散パイプ、29・・・湯水循環手段、31・・・バッファタンク、34・・・給湯機、35・・・水道配管、R・・・通風経路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室内に蒸気を発生させる蒸気発生手段と、該蒸気発生手段と蒸気発生用の水が供給される水道配管との間に配置され水道水に含まれる不純物を除去して前記蒸気発生手段に供給する軟水器と、を備えることを特徴とする蒸気発生装置。
【請求項2】
前記蒸気発生手段がノズルと熱交換器を備え、ノズルから少量の水を熱交換器に噴霧することにより浴室内に蒸気を発生させることを特徴とする請求項1に記載の蒸気発生装置。
【請求項3】
前記ノズルは、熱交換器を作動させた状態で該熱交換器の一次側に形成される空間内に水を噴霧することを特徴とする請求項2に記載の蒸気発生装置。
【請求項4】
前記蒸気発生手段がノズルを備え、ノズルから水を浴室内に直接噴霧することにより浴室内に蒸気を発生させることを特徴とする請求項1に記載の蒸気発生装置。
【請求項5】
前記蒸気発生手段が熱交換器と拡散手段とを備え、前記軟水器から拡散手段に供給された水が熱交換器に拡散されることにより浴室内に蒸気を発生させることを特徴とする請求項1に記載の蒸気発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−275366(P2006−275366A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−93603(P2005−93603)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(392008529)ヤマハリビングテック株式会社 (349)
【Fターム(参考)】