蒸気発生装置
【課題】排水作動をさせるときに、水位検知容器内から蒸気発生容器に流入する水が高温の加熱棒に接触して大きな破裂音が発生しないようにする。
【解決手段】蒸気発生装置20は、所定量の水を貯えて蒸気を発生させる蒸気発生容器21と、蒸気発生容器21の外周に巻回された誘導加熱コイル27と、蒸気発生容器21内に収容されて誘導加熱コイル27に高周波電流を供給することで発熱する加熱体30と、蒸気発生容器21の側面下部にて加熱体30の下端部と対向する位置に形成した連通口21dに連通管41を介して連通接続されて内蔵する水位センサ42により蒸気発生容器21内の水位を検知するための水位検知容器40とを備え、加熱体30の加熱棒32を連通口21dと対向する位置に配置しないようにし、連通口21dと対向する位置の左右両側の加熱棒32’の長さを他の加熱棒32より短くした。
【解決手段】蒸気発生装置20は、所定量の水を貯えて蒸気を発生させる蒸気発生容器21と、蒸気発生容器21の外周に巻回された誘導加熱コイル27と、蒸気発生容器21内に収容されて誘導加熱コイル27に高周波電流を供給することで発熱する加熱体30と、蒸気発生容器21の側面下部にて加熱体30の下端部と対向する位置に形成した連通口21dに連通管41を介して連通接続されて内蔵する水位センサ42により蒸気発生容器21内の水位を検知するための水位検知容器40とを備え、加熱体30の加熱棒32を連通口21dと対向する位置に配置しないようにし、連通口21dと対向する位置の左右両側の加熱棒32’の長さを他の加熱棒32より短くした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スチームコンベクションオーブン等に用いる蒸気発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、蒸気を含んだ熱風により食材を加熱調理するスチームコンベクションオーブンが開示されており、このスチームコンベクションオーブンは、ハウジング内に設けられた調理庫内にヒーターと送風ファンを備え、ハウジング内の調理庫の側方に蒸気を供給するための誘導加熱式の蒸気発生装置を備えている。このスチームコンベクションオーブンで蒸気を含んだ熱風により食材を加熱調理をするときには、蒸気発生装置から調理庫内に蒸気を供給させるとともに、調理庫内の蒸気を含んだ空気をヒータにより加熱しながら送風ファンにより対流させている。
【0003】
このスチームコンベクションオーブンに用いられる蒸気発生装置は、所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒形状の蒸気発生容器と、蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、蒸気発生容器内に収容されて誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、蒸気発生容器の側面下部に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備えている。この蒸気発生装置で蒸気生成作動時には、誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで加熱体を発熱させて蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を吐出通路から調理庫内に吐出させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−121803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の蒸気発生装置においては、蒸気発生容器内にスケールが付着するのを防止するために、スチームコンベクションオーブンの電源をオンにしたとき、及び蒸気生成作動時を除く所定時間毎に排水作動として蒸気発生容器内の水を定期的に排水通路から排水させている。この蒸気発生装置では、排水時間を短くして早期に蒸気生成作動をさせることができるように、蒸気発生容器の排水通路が広く形成されている。そのため、排水弁を開放して排水作動をさせると、蒸気発生容器内の水が一気に排水通路から排水され、その後、水位検知容器内の水が蒸気発生容器の下部に流入して排水通路から排水される。この排水作動をさせるタイミングが、スチームコンベクションオーブンによる調理プログラムを実行した直後で、蒸気発生装置による蒸気生成作動をさせた直後となるときがある。蒸気生成作動の直後に蒸気発生容器内の水を排水したときには、加熱体の温度はまだ高いままとなっており、加熱体に付着している水滴により蒸気が引き続き生成され、蒸気発生容器内に蒸気が充満した状態となる。このとき、水位検知容器内の水温は室温程度で低く、水位検知容器内の水が連通口から蒸気発生容器内に流入すると、流入した水が加熱体の下端に接触して蒸気発生容器内に飛散する。加熱体は水位検知容器内から流入した水により急激に冷却され、また、蒸気発生容器内の蒸気は飛散した水により急激に冷却されて蒸気が凝縮していた。これらにより、蒸気発生容器内は急激に内圧が低下して急激な体積変化が生じ、大きな破裂音が発生することがあった。本発明はこのような問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態は、所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、蒸気発生容器内に収容されて誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、蒸気発生容器の側面下部にて加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、加熱体は蒸気発生容器の軸線方向に延びてその中心軸を中心とした同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、蒸気生成作動時には誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで加熱体を発熱させて蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を吐出通路から吐出させ、排水作動時には蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、複数の加熱棒のうち連通口と対向する位置に配置した加熱棒を廃して、この廃した加熱棒の左右両側の加熱棒の長さを他の加熱棒より短くしたことを特徴とする蒸気発生装置を提供するものである。
【0007】
上記のように構成した蒸気発生装置は、複数の加熱棒のうち連通口と対向する位置に配置した加熱棒を廃したので、排水作動時に水位検知容器から蒸気発生容器内に流入する水は加熱棒に接触しないようになり、これにより、加熱棒が高温のときに排水しても、加熱棒が水位検知容器内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。また、誘導加熱コイルに高周波電流を供給したときに、加熱棒を廃した位置の左右両側の加熱棒は他と比べて渦電流が多く流れやすくなって発熱量が多くなりやすいが、これら左右両側の加熱棒の長さを他の加熱棒より短くしたので、これら左右両側の加熱棒が他と比べて発熱量が多くならず、過熱状態とならない。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の他の実施形態は、所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、
蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、蒸気発生容器内に収容されて誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、蒸気発生容器の側面下部にて加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、加熱体は蒸気発生容器の軸線方向に延びて同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、蒸気生成作動時には誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで加熱体を発熱させて蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を吐出通路から吐出させ、排水作動時には蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、複数の加熱棒のうち連通口と対向する位置の加熱棒を廃して、この廃した加熱棒の左右両側の加熱棒を中心側に移動させたことを特徴とする蒸気発生装置を提供するものである。
【0009】
上記のように構成した蒸気発生装置は、複数の加熱棒のうち連通口と対向する位置に配置した加熱棒を廃したので、排水作動時に水位検知容器から蒸気発生容器内に流入する水は加熱棒に接触しないようになり、これにより、加熱棒が高温のときに排水しても、加熱棒が水位検知容器内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。また、誘導加熱コイルに高周波電流を供給したときに、加熱棒を廃した位置の左右両側の加熱棒は他と比べて渦電流が多く流れやすくなって発熱量が多くなりやすいが、これら左右両側の加熱棒を中心側に移動させたので、これら左右両側の加熱棒が他と比べて発熱量が多くならず、過熱状態とならない。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の他の実施形態は、所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、蒸気発生容器内に収容されて誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、蒸気発生容器の側面下部にて加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、加熱体は蒸気発生容器の軸線方向に延びて同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、蒸気生成作動時には誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで加熱体を発熱させて蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を吐出通路から吐出させ、排水作動時には蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、連通管の通路の最も狭い部分の断面積を排水通路の最も狭い部分の断面積より広くしたことを特徴とする蒸気発生装置を提供するものである。
【0011】
上記のように構成した蒸気発生装置は、連通管の通路の最も狭い部分の断面積を排水通路の最も狭い部分の断面積より広くしたので、排水作動時に水位検知容器内の水は蒸気発生容器内の水と混合されながら排水経路から排水されるようになり、これにより、加熱棒が高温のときに排水しても、加熱棒が水位検知容器内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の他の実施形態は、所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、蒸気発生容器内に収容されて誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、蒸気発生容器の側面下部にて加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、加熱体は蒸気発生容器の軸線方向に延びて同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、蒸気生成作動時には誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで加熱体を発熱させて蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を吐出通路から吐出させ、排水作動時には蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、水位検知容器には蒸気発生容器の上部に連通接続される第2連通管を設けたことを特徴とする蒸気発生装置を提供するものである。
【0013】
上記のように構成した蒸気発生装置は、水位検知容器には蒸気発生容器の上部に連通接続される第2連通管を設けたので、水位検知容器内の水は蒸気生成作動時に温められることになり、これにより、加熱棒が高温のときに排水しても、加熱棒に付着するのは温められた湯となるので、加熱棒が水位検知容器内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の他の実施形態は、所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、蒸気発生容器内に収容されて誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、蒸気発生容器の側面下部にて加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、加熱体は蒸気発生容器の軸線方向に延びて同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、蒸気生成作動時には誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで加熱体を発熱させて蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を吐出通路から吐出させ、排水作動時には蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、連通口の向きをこれから蒸気発生容器内に流入する水が複数の加熱棒に当たらない向きにしたことを特徴とする蒸気発生装置を提供するものである。
【0015】
上記のように構成した蒸気発生装置は、連通口の向きをこれから蒸気発生容器内に流入する水が複数の加熱棒に当たらない向きにしたので、排水作動時に水位検知容器から蒸気発生容器内に流入する水は加熱棒に接触せず、これにより、加熱棒が高温のときに排水しても、加熱棒が水位検知容器内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の他の実施形態は、所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、蒸気発生容器内に収容されて誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、蒸気発生容器の側面下部にて加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、加熱体は蒸気発生容器の軸線方向に延びて同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、蒸気生成作動時には誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで加熱体を発熱させて蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を吐出通路から吐出させ、排水作動時には蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、連通管にはこれを開閉する連通弁をさらに設け、排水作動時に連通弁を閉止させるようにしたことを特徴とする蒸気発生装置を提供するものである。
【0017】
上記のように構成した蒸気発生装置は、連通管にはこれを開閉する連通弁をさらに設け、排水作動時に連通弁を閉止させるようにしたので、排水作動時に水位検知容器から蒸気発生容器内に水が流入しないようになり、これにより、加熱棒が高温のときに排水しても、加熱棒が水位検知容器内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。また、排水作動のときに水位検知容器内の水を排水しないようにしたので、水の使用量を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の蒸気発生装置を内蔵したスチームコンベクションオーブンの正面図である。
【図2】図1のA−A線における縦断面図である。
【図3】図1のB−B線における縦断面図である。
【図4】第1の実施形態の蒸気発生装置の一部破断縦断面図である。
【図5】加熱体の斜視図である。
【図6】図4のC−C線における横断面図である。
【図7】スチームコンベクションオーブンの制御装置のブロック図である。
【図8】(a)は第2の実施形態の加熱体の平面図であり、(b)は第2の実施形態の蒸気発生装置のC−C線と同位置での横断面図である。
【図9】第3の実施形態の加熱体の斜視図である。
【図10】第4の実施形態の蒸気発生装置の一部破断縦断面図である。
【図11】第5の実施形態の蒸気発生装置の一部破断縦断面図である。
【図12】第6の実施形態のC−C線と同位置における横断面図である。
【図13】第7の実施形態の蒸気発生装置の一部破断縦断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の蒸気発生装置をスチームコンベクションオーブンに適用した第1の実施形態を添付図面を参照して説明する。図1〜図3に示すように、スチームコンベクションオーブン10は、ハウジング11の内部に配置した食材の調理庫12と、この調理庫12の内部を加熱するため調理庫12内に設けたヒータ13と、調理庫12内の空気を対流させるために調理庫12内に設けた送風ファン14と、調理庫12内の温度を検出する庫内温度センサ15と、ハウジング11の内部にて調理庫12の側方に形成した機械室16に設けられて調理庫12内に蒸気を供給する蒸気発生装置20と、ハウジング11のフロントパネルに操作パネル17を備えている。
【0020】
図4に示すように、本発明の蒸気発生装置20は、所定量の水を貯えて蒸気を発生させる蒸気発生容器21と、蒸気発生容器21の外周に巻回された誘導加熱コイル27と、蒸気発生容器21内に収容されて誘導加熱コイル27に高周波電流を供給することで発熱する加熱体30と、蒸気発生容器21の側面下部にて加熱体30の下端部と対向する位置に形成した連通口21dに連通管41を介して連通接続されて内蔵する水位センサ42により蒸気発生容器21内の水位を検知するための水位検知容器40とを備えている。
【0021】
蒸気発生容器21は上下が開口した樹脂製の円筒部材よりなり、機械室16の床面に設置されて調理庫12内の水を排出するのに用いる排水タンク18上に接続筒22を介して立設されている。蒸気発生容器21の上端開口は蒸気の吐出口21aとなっており、この吐出口21aには吐出する蒸気を調理庫12内に導出するための蒸気導出筒23が接続されている。本願特許請求の範囲に記載の蒸気の吐出経路はこの実施形態では蒸気発生容器21の上端部と、これに別部材で設けた蒸気導出筒23とからなるが、これらを一体としたものも含まれる。また蒸気発生容器21の下端開口は排水口21bとなっており、この排水口21bには排水タンク18に取り付けられた接続筒22が接続されている。接続筒22には、ボールバルブよりなる排水弁24が設けられており、排水弁24を開放させると蒸気発生容器21内の水が排水タンク18に排出される。この実施形態の排水弁24はボールバルブを用いているので、その通路は接続筒の通路と略同程度の断面積となっている。本願特許請求の範囲に記載の排水経路は蒸気発生容器21の下端部と、これに別部材で設けた接続筒22とからなるが、これらを一体としたものも含まれる。蒸気発生容器21の上部には加熱体30を支持するために下側に向かって細く形成されたテーパ面21cが形成されている。蒸気発生容器21の下部には、水位検知容器40に連通接続するための連通口21dが形成されている。
【0022】
蒸気発生容器21の上下方向の中間部外周には環状のブラケット25,26が上下に離間して設けられており、このブラケット25,26の間に誘導加熱コイル27が巻回されている。また、ブラケット25,26には、その円周方向に沿って誘導加熱コイル27から漏出する電磁波を防ぐために複数個の棒状のフェライト28が設けられている。
【0023】
蒸気発生容器21内には誘導加熱コイル27により発熱して蒸気発生容器21内の水を加熱する加熱体30が収容されている。図4及び5に示すように、加熱体30は、蒸気発生容器21の上部に支持されたホルダ31と、このホルダ31に上端部が固定されて蒸気発生容器21内に吊設された6本の加熱棒32とを有している。ホルダ31は中心部に蒸気の通路が形成された略環状の金属製プレートであり、外周部に等間隔に形成された6つの突起部31aを蒸気発生容器21の上部形成されたテーパ面21cに係止させて支持されている。
【0024】
ホルダ31にはその周方向に沿って6本の加熱棒32の上端部が固定されている。図6に示すように、6本の加熱棒32は蒸気発生容器21の軸線方向に延びてその中心軸を中心とした同心円上に配置されている。6本の加熱棒32はホルダ31の周方向を7等分した位置で、蒸気発生容器21の連通口21dと対向する位置を除くようにしてホルダ31に固定されている。連通口21dと対向する位置に加熱棒を配置しないようにしたために、連通口21dと対向する位置の左右両側の加熱棒32’は他の加熱棒32より渦電流が多く流れやすくなっている。そのために、これらの加熱棒32’を他の加熱棒32と同程度の発熱量とするために、加熱棒32’は他の加熱棒32より短くされており、加熱棒32’の下端は誘導加熱コイル27の下端部より少し上側となっている(図6では、連通口21dと対向する位置の左右両側の加熱棒32’の位置を示すためにこれを二点差線により示している)。各加熱棒32は、誘導加熱コイル27と同じ高さにあってこれに高周波電流を供給したときに発熱する発熱部32aと、この発熱部32aの上側部分と下側部分で発熱しない非発熱部32b,32cとからなる。また、連通口21dに対向する位置の左右両側の加熱棒32’は、誘導加熱コイル27と同じ高さにあってこれに高周波電流を供給したときに発熱する発熱部32’aと、この発熱部32’aの上側部分で発熱しない非発熱部32’bとからなる。
【0025】
図4に示すように、蒸気発生容器21の上部には加熱棒32の上側部分の非発熱部32bの温度を検出するための温度センサ33が設けられている。温度センサ33はサーミスタよりなり、加熱体30が過熱状態になるのを防ぐためのものである。
【0026】
図4に示すように、蒸気発生容器21の側方には蒸気発生容器21内の水位を検知するための略筒状の水位検知容器40が立設されており、水位検知容器40は蒸気発生容器21の下部の連通口21dに連通管41により連通接続されている。水位検知容器40内には蒸気発生容器21内の水位を検出するための水位センサ42が設けられている。水位センサ42はフロートスイッチよりなり、支持部材により上下動可能に支持されたフロートにより、蒸気発生容器21内で加熱棒32の発熱部32aを超える水位として上限水位L1とこの発熱部32aより少し下側の水位として下限水位L2とを検出する。水位検知容器40の上部に設けられた給水部43には給水手段44が接続されている。給水手段44は、水道等の給水源から導出される給水管45と、給水管45に介装された給水弁46とからなる。給水弁46を開放すれば水位検知容器40内に給水され、水位検知容器40内に給水された水は連通管41を通って蒸気発生容器21内に給水される。また、水位検知容器40には上限水位L1を少し越える水位の水を排水するオーバーフロー管47が設けられている。
【0027】
スチームコンベクションオーブン10は制御装置50を備えており、図7に示すように、制御装置50はヒータ13と、送風ファン14と、庫内温度センサ15と、操作パネル17と、蒸気発生装置20の各機器として排水弁24、誘導加熱コイル27、温度センサ33、水位センサ42、給水弁46に接続されている。制御装置50は、マイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続されたCPU、RAM、ROM及びタイマ(何れも図示省略)を備えている。CPUは、操作パネル17からの入力、庫内温度センサ15、蒸気発生装置20の温度センサ33、水位センサ42の各検出に基づき、ヒータ13、送風ファン14、排水弁24、誘導加熱コイル27及び給水弁46の作動を制御するプログラムを実行する。
【0028】
また、制御装置50は、ヒータ13の入力電力を位相制御等により可変制御する制御回路(図示しない)と、蒸気発生装置20の誘導加熱コイル27の入力電力をインバータ制御等により可変制御する制御回路(図示しない)を有しており、ヒータ13及び蒸気発生装置20の出力を可変制御している。
【0029】
このスチームコンベクションオーブン10は蒸気発生装置20と送風ファン14とを作動させて蒸気によって食材を調理するスチームモードと、ヒータ13と送風ファン14とを作動させて熱風によって食材を調理するホットエアーモードと、ヒータ13と蒸気発生装置20と送風ファン14とを作動させて蒸気を含んだ熱風によって食材を調理するコンビモードとからなる調理モードを有している。スチームモードによる調理プログラムを実行するときには、制御装置50は蒸気発生装置20と送風ファン14とを作動させ、調理に適した蒸気量となるように、制御回路により蒸気発生装置20の誘導加熱コイル27の入力電力を可変制御している。また、コンビモードによる調理プログラムを実行するときには、制御装置50はヒータ13と蒸気発生装置20と送風ファン14とを作動させ、調理に適した温度及び蒸気量となるように、各制御回路によりヒータ13及び蒸気発生装置20の誘導加熱コイル27の入力電力を可変制御している。
【0030】
このスチームコンベクションオーブン10においては、蒸気発生装置20の蒸気生成作動をさせたときには、誘導加熱コイル27に高周波電流を供給することで加熱体30を発熱させて蒸気発生容器21内の水から生成される蒸気を吐出経路から調理庫12内に吐出させている。この蒸気発生装置20の蒸気生成作動させたときには、制御装置50は蒸気発生容器21内の水位が上限水位L1と下限水位L2との間の水位となるように制御している。具体的には、制御装置50は水位センサ42により下限水位L2が検出されると給水弁46を開放させて給水させ、水位センサ42により上限水位L1が検出されると給水弁46を閉止させて給水を停止させるよう制御している。また、制御装置50は加熱体30が過熱状態となる前に誘導加熱コイル27への高周波電流の供給を停止するように制御している。具体的には、蒸気発生容器21の水位が正常に制御された状態で蒸気を発生させたときには、加熱棒32の上側の非発熱部32bの温度は蒸気や突沸した熱湯によって100℃以下となっているので、制御装置50は温度センサ33により検出された加熱棒32の上側の非発熱部32bの温度が過熱温度として110℃以上になると、誘導加熱コイル27への高周波電流の供給を停止するように制御している。
【0031】
また、制御装置50は蒸気発生容器21内にスケールが付着するのを防止するために、スチームコンベクションオーブン10の電源をオンにしたとき及び、蒸気発生装置20を作動させる調理プログラムを実行しているときを除いた所定時間として6時間毎に、排水作動として排水弁24を所定時間開放して、蒸気発生容器21内の水を排水経路から排水している。
【0032】
上記のように構成した蒸気発生装置20においては、連通口21dと対向する位置に加熱棒32(32’を含む)を配置しないようにしたので、排水作動時に水位検知容器40から蒸気発生容器21内に流入する水は加熱棒32(32’を含む)に接触しないようになり、これにより、蒸気生成作動直後の加熱棒32(32’を含む)が高温のときに排水しても、加熱棒32(32’を含む)が水位検知容器40内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。また、誘導加熱コイル27に高周波電流を供給したときに、連通口21dと対向する位置の左右両側の加熱棒32’は他の加熱棒32と比べて渦電流が多く流れやすくなって発熱量が多くなりやすいが、これら左右両側の加熱棒32’の長さを他の加熱棒32より短くしたので、これら左右両側の加熱棒32’が他の加熱棒32と比べて多く発熱せず、過熱状態とならない。
【0033】
次に、本発明による蒸気発生装置の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態の蒸気発生装置20Aにおいては、加熱体30Aが上述した第1の実施形態の加熱体30と異なっており、この加熱体30Aについて説明する。図8(a)に示すように、加熱体30Aは、蒸気発生容器21の上部に支持されたホルダ31Aと、このホルダ31Aに上端部が固定されて蒸気発生容器21内に吊設された6本の加熱棒32Aとを有している。ホルダ31Aは中心部に蒸気の通路が形成された略環状の金属製プレートであり、外周部に等間隔に形成された6つの突起部31aを蒸気発生容器21の上部形成されたテーパ面21cに係止させて支持されている。
【0034】
図8(a)に示すように、ホルダ31Aにはその周方向に沿って6本の加熱棒32Aの上端部が固定されている。図8(b)(図6と同様に連通口21dの形成された位置で切断した横断面図である)に示すように、6本の加熱棒32Aは蒸気発生容器21の軸線方向に延びており、ホルダ31Aの周方向を略7等分した位置で、蒸気発生容器21の連通口21dと対向する位置を除くようにして固定されている。連通口21dと対向する位置に加熱棒を配置しないようにしたために、連通口21dと対向する位置の左右両側の加熱棒32A’は他の加熱棒32Aより渦電流が多く流れやすくなっている。そのために、これらの加熱棒32A’を他の加熱棒32Aと同程度の発熱量とするために、図8(a)及び(b)に示すように、これらの加熱棒32A’は蒸気発生容器21の中心軸を中心として同心円上に配置された他の4本の加熱棒32Aより少し中心側に配置されている。なお、連通口21dと対向する位置の左右両側の加熱棒32A’は上記の第1の実施形態の加熱棒32’と異なって他の加熱棒32Aと同じ長さとなっている。これら以外は上述した第1の実施形態と同様である。
【0035】
上記のように構成した蒸気発生装置20Aにおいては、連通口21dと対向する位置に加熱棒32A(32A’を含む)を配置しないようにしたので、排水作動時に水位検知容器40から蒸気発生容器21内に流入する水は加熱棒32A(32A’を含む)に接触しないようになり、これにより、蒸気生成作動直後の加熱棒32A(32A’を含む)が高温のときに排水しても、加熱棒32A(32A’を含む)が水位検知容器40内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。また、誘導加熱コイル27に高周波電流を供給したときに、連通口21dと対向する位置の左右両側の加熱棒32A’は他の加熱棒32Aと比べて渦電流が多く流れやすくなって発熱量が多くなりやすいが、これら左右両側の加熱棒32A’を他の加熱棒32Aより中心側に配置したので、これら左右両側の加熱棒32A’が他の加熱棒32Aと比べて多く発熱せず、過熱状態とならない。また、全ての加熱棒32A(32A’を含む)は同じ長さであるので、部品点数が増えることによるコストアップを防ぐことができる。
【0036】
次に、本発明による蒸気発生装置の第3の実施形態について説明する。この第3の実施形態の蒸気発生装置20Bにおいては、図9に示すように、加熱体30Bが上述した第1の実施形態の加熱体30と異なっており、この加熱体30Bについて説明する。加熱体30Bは、蒸気発生容器21の下部に支持されたホルダ31Bと、このホルダ31Bに下端部が固定されて蒸気発生容器21内に立設された7本の加熱棒32Bとを有している。ホルダ31Bは中心部に水の通路が形成された筒状の樹脂部材よりなり、下端部を蒸気発生容器21の下部に形成されたテーパ面に係止させて支持されている。ホルダ31Bには蒸気発生容器21の連通口21dと対向する位置に下側から切り欠いた切欠部31Baが形成されており、この切欠部31Baは水位検知容器40から流入する水をホルダ31Bに接触させることなく蒸気発生容器21の排水経路に導くためのものである。
【0037】
ホルダ31Bにはその周方向に沿って7本の加熱棒32Bの下端部が固定されている。7本の加熱棒32Bは蒸気発生容器21の軸線方向に延びており、ホルダ31Bの周方向を7等分した位置に固定されている。各加熱棒32Bは、誘導加熱コイル27と同じ高さにあってこれに高周波電流を供給したときに発熱する発熱部32Baと、この発熱部32aの上側部分と下側部分で発熱しない非発熱部32Bb,32Bcとからなり、これら加熱棒32Bは下側部分の非加熱部32Bcがホルダ31Bに固定されている。これら以外は、上述した第1の実施形態と同様である。
【0038】
上記のように構成した蒸気発生装置20Bにおいては、ホルダ31Bには連通口21dと対向する位置に排水のための切欠部31Baを形成したので、排水作動時に水位検知容器40から蒸気発生容器21内に流入する水はホルダ31Bに接触しないようになり、これにより、蒸気生成作動直後で加熱棒32Bによってホルダ31Bが高温になっているときに排水しても、ホルダ31Bが水位検知容器40内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。
【0039】
次に、本発明による蒸気発生装置の第4の実施形態について説明する。この第4の実施形態の蒸気発生装置20Cにおいては、図10に示すように、蒸気発生容器21Cの連通口21Cdに連通接続した連通管41Cと加熱体30Cとが上述した第1の実施形態と異なっており、これらの異なる点について説明する。この蒸気発生容器21Cの下部に形成された連通口21Cdには水位検知容器40Cの連通管41Cが接続されている。連通管41Cから連通口21Cdへの水の通路は略一定となっており、連通管41Cの通路は蒸気発生容器21Cの排水経路の最も狭い部分の断面積より広く形成されている。
【0040】
加熱体30Cは、蒸気発生容器21Cの上部に支持されたホルダ31Cと、このホルダ31Cに上端部が固定されて蒸気発生容器21内に吊設された7本の加熱棒32Cとを有している。ホルダ31Cは中心部に蒸気の通路が形成された略環状の金属製プレートであり、外周部に等間隔に形成された6つの突起部31aを蒸気発生容器21Cの上部に形成されたテーパ面21cに係止させて支持されている。ホルダ31Cにはその周方向に沿って7本の加熱棒32Cの上端部が固定されている。7本の加熱棒32Cは蒸気発生容器21Cの軸線方向に延びており、蒸気発生容器21Cの中心軸を中心とした同心円上に等間隔に配置されている。各加熱棒32Cは、誘導加熱コイル27と同じ高さにあってこれに高周波電流を供給したときに発熱する発熱部32Caと、この発熱部32Caの上側部分と下側部分で発熱しない非発熱部32Cb,32Ccとからなる。
【0041】
上記のように構成した蒸気発生装置20Cにおいては、連通口21Cdと対向する位置に加熱棒32Cが配置されているが、連通管41Cの通路の最も狭い部分の軸線方向と直交する方向の断面積を蒸気発生容器21Cの排水通路の最も狭い部分の軸線方向と直交する方向の断面積より広くしたので、排水作動時に水位検知容器40C内の水は蒸気発生容器21C内の湯と混合されながら排水経路から排水されるようになり、これにより、蒸気生成作動直後の加熱棒32Cが高温のときに排水しても、加熱棒32Cが水位検知容器40C内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。また、蒸気発生容器21C内の高温の湯は水位検知容器40C内の水と混合されながら排水されるため、蒸気発生容器21Cの排水の温度を下げることができ、排水タンク18等を含めた排水経路の部品や配管に耐熱性の低いものを用いることができ、コストダウンをさせることができる。
【0042】
次に、本発明による蒸気発生装置の第5の実施形態について説明する。この第5の実施形態の蒸気発生装置20Dにおいては、図11に示すように、第4の実施形態で説明した水位検知容器40Cの下部の連通管41Cが上述した第1〜第3の実施形態に示したように排水経路より断面積が狭い連通管41を採用したものである。また、水位検知容器40Dの上部は蒸気発生容器21Dの上部で誘導加熱コイル27より上側に形成された第2連通口21Deに第2連通管48Dを用いて連通接続されている。これら以外は上記の第4の実施形態と同様である。
【0043】
上記のように構成した蒸気発生装置20Dにおいては、連通口21dと対向する位置に加熱棒32Cが配置されているが、水位検知容器40Dの上部には蒸気発生容器21Dの上部の吐出経路に連通接続される第2連通管48Dを設けたので、水位検知容器40D内の水は蒸気生成作動時に吐出経路から第2連通管48Dを通って流入する蒸気により温められている。これにより、加熱棒32Cが高温のときに排水しても、水位検知容器40D内から温められた湯が蒸気発生容器21D内に流入するので、加熱棒32Cが水位検知容器40D内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。
【0044】
次に、本発明による蒸気発生装置の第6の実施形態について説明する。この第6の実施形態の蒸気発生装置20Eにおいては、図12(図6と同様に連通口21Edの形成された位置で切断した横断面図である)に示すように、第5の実施形態で説明した水位検知容器40Dの上部と蒸気発生容器21Dの上部とを連通接続する第2連通管48Dを廃して、蒸気発生容器21Eの下部の連通口21Edの向きを水位検知容器40Eから連通管41を通って流入する水が7本の加熱棒32Cに当たらない向きとして、蒸気発生容器21Eの内周面に沿って流れるようにしている。なお、連通口21Edの向きを水位検知容器40Eから流入する水が7本の加熱棒32Cに当たらない向きとして加熱棒32Cの下側に向けて流れるようにしてもよい。なお、これら以外は上記の第5の実施形態と同様である。
【0045】
上記のように構成した蒸気発生装置20Eにおいては、連通口21Edの向きを蒸気発生容器21E内に流入する水が7本の加熱棒32Cに当たらない向きにしたので、排水作動時に水位検知容器40Eから蒸気発生容器21E内に流入する水は加熱棒32Cに接触せず、加熱棒32Cが水位検知容器40E内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。また、水位検知容器40Eの水が連通口21Edから蒸気発生容器21Eに流入するときに、蒸気発生容器21Eの内周面下部に沿って流れるので、蒸気発生容器21Eの下部のテーパ面を洗い流してスケールが付着しにくくなる。
【0046】
次に、本発明による蒸気発生装置の第7の実施形態について説明する。この第7の実施形態の蒸気発生装置20Fにおいては、第5の実施形態で説明した水位検知容器40Dの上部と蒸気発生容器21Dの上部とを連通接続する第2連通管48Dを廃して、蒸気発生容器21Fと水位検知容器40Fとを連通接続する連通管41Fにこれを開閉する連通弁49Fをさらに設けている。制御装置50は上述した機器に加えてさらにこの連通弁49Fに接続されている。制御装置50は、少なくとも蒸気生成作動の直後に排水作動をするときには、連通弁49Fを閉止させるように制御する。なお、これら以外は上述した第5の実施形態と同様である。
【0047】
上記のように構成した蒸気発生装置20Fにおいては、連通口21dと対向する位置に加熱棒32Cが配置されているが、蒸気発生容器21Fと水位検知容器40Fとを連通接続する連通管41Fにこれを開閉する連通弁49Fをさらに設け、少なくとも蒸気生成作動の直後に排水作動をするときには、制御装置50が連通弁49Fを閉止させるように制御したので、蒸気生成作動の直後で加熱棒32Cが高温のときに排水作動をさせても、水位検知容器40Fから蒸気発生容器21F内に水は流入せず、加熱棒32Cが水位検知容器40F内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。また、排水作動のときに水位検知容器40F内の水を排水しないようにしたので、蒸気発生装置20Fの水の使用量を減らすことができる。
【0048】
上述した各実施形態においては、蒸気発生容器21〜21Fは、円筒部材よりなるが、本発明はこの形状に限られるものでなく、六角筒、八角筒等の多角筒形状であっても同様の作用効果を得ることができる。
【0049】
また、上述した各実施形態の蒸気発生装置を各々適宜組み合わせて、加熱棒が水位検知容器内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようにさせてもよい。
【符号の説明】
【0050】
20…蒸気発生装置、21…蒸気発生容器、21d…連通口、27…誘導加熱コイル、30…加熱体、31…ホルダ、32…加熱棒、40…水位検知容器、41…連通管、42…水位センサ、48E…第2連通管、49F…連通弁。
【技術分野】
【0001】
本発明は、スチームコンベクションオーブン等に用いる蒸気発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、蒸気を含んだ熱風により食材を加熱調理するスチームコンベクションオーブンが開示されており、このスチームコンベクションオーブンは、ハウジング内に設けられた調理庫内にヒーターと送風ファンを備え、ハウジング内の調理庫の側方に蒸気を供給するための誘導加熱式の蒸気発生装置を備えている。このスチームコンベクションオーブンで蒸気を含んだ熱風により食材を加熱調理をするときには、蒸気発生装置から調理庫内に蒸気を供給させるとともに、調理庫内の蒸気を含んだ空気をヒータにより加熱しながら送風ファンにより対流させている。
【0003】
このスチームコンベクションオーブンに用いられる蒸気発生装置は、所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒形状の蒸気発生容器と、蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、蒸気発生容器内に収容されて誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、蒸気発生容器の側面下部に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備えている。この蒸気発生装置で蒸気生成作動時には、誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで加熱体を発熱させて蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を吐出通路から調理庫内に吐出させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−121803号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の蒸気発生装置においては、蒸気発生容器内にスケールが付着するのを防止するために、スチームコンベクションオーブンの電源をオンにしたとき、及び蒸気生成作動時を除く所定時間毎に排水作動として蒸気発生容器内の水を定期的に排水通路から排水させている。この蒸気発生装置では、排水時間を短くして早期に蒸気生成作動をさせることができるように、蒸気発生容器の排水通路が広く形成されている。そのため、排水弁を開放して排水作動をさせると、蒸気発生容器内の水が一気に排水通路から排水され、その後、水位検知容器内の水が蒸気発生容器の下部に流入して排水通路から排水される。この排水作動をさせるタイミングが、スチームコンベクションオーブンによる調理プログラムを実行した直後で、蒸気発生装置による蒸気生成作動をさせた直後となるときがある。蒸気生成作動の直後に蒸気発生容器内の水を排水したときには、加熱体の温度はまだ高いままとなっており、加熱体に付着している水滴により蒸気が引き続き生成され、蒸気発生容器内に蒸気が充満した状態となる。このとき、水位検知容器内の水温は室温程度で低く、水位検知容器内の水が連通口から蒸気発生容器内に流入すると、流入した水が加熱体の下端に接触して蒸気発生容器内に飛散する。加熱体は水位検知容器内から流入した水により急激に冷却され、また、蒸気発生容器内の蒸気は飛散した水により急激に冷却されて蒸気が凝縮していた。これらにより、蒸気発生容器内は急激に内圧が低下して急激な体積変化が生じ、大きな破裂音が発生することがあった。本発明はこのような問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態は、所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、蒸気発生容器内に収容されて誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、蒸気発生容器の側面下部にて加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、加熱体は蒸気発生容器の軸線方向に延びてその中心軸を中心とした同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、蒸気生成作動時には誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで加熱体を発熱させて蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を吐出通路から吐出させ、排水作動時には蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、複数の加熱棒のうち連通口と対向する位置に配置した加熱棒を廃して、この廃した加熱棒の左右両側の加熱棒の長さを他の加熱棒より短くしたことを特徴とする蒸気発生装置を提供するものである。
【0007】
上記のように構成した蒸気発生装置は、複数の加熱棒のうち連通口と対向する位置に配置した加熱棒を廃したので、排水作動時に水位検知容器から蒸気発生容器内に流入する水は加熱棒に接触しないようになり、これにより、加熱棒が高温のときに排水しても、加熱棒が水位検知容器内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。また、誘導加熱コイルに高周波電流を供給したときに、加熱棒を廃した位置の左右両側の加熱棒は他と比べて渦電流が多く流れやすくなって発熱量が多くなりやすいが、これら左右両側の加熱棒の長さを他の加熱棒より短くしたので、これら左右両側の加熱棒が他と比べて発熱量が多くならず、過熱状態とならない。
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の他の実施形態は、所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、
蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、蒸気発生容器内に収容されて誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、蒸気発生容器の側面下部にて加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、加熱体は蒸気発生容器の軸線方向に延びて同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、蒸気生成作動時には誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで加熱体を発熱させて蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を吐出通路から吐出させ、排水作動時には蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、複数の加熱棒のうち連通口と対向する位置の加熱棒を廃して、この廃した加熱棒の左右両側の加熱棒を中心側に移動させたことを特徴とする蒸気発生装置を提供するものである。
【0009】
上記のように構成した蒸気発生装置は、複数の加熱棒のうち連通口と対向する位置に配置した加熱棒を廃したので、排水作動時に水位検知容器から蒸気発生容器内に流入する水は加熱棒に接触しないようになり、これにより、加熱棒が高温のときに排水しても、加熱棒が水位検知容器内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。また、誘導加熱コイルに高周波電流を供給したときに、加熱棒を廃した位置の左右両側の加熱棒は他と比べて渦電流が多く流れやすくなって発熱量が多くなりやすいが、これら左右両側の加熱棒を中心側に移動させたので、これら左右両側の加熱棒が他と比べて発熱量が多くならず、過熱状態とならない。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の他の実施形態は、所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、蒸気発生容器内に収容されて誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、蒸気発生容器の側面下部にて加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、加熱体は蒸気発生容器の軸線方向に延びて同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、蒸気生成作動時には誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで加熱体を発熱させて蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を吐出通路から吐出させ、排水作動時には蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、連通管の通路の最も狭い部分の断面積を排水通路の最も狭い部分の断面積より広くしたことを特徴とする蒸気発生装置を提供するものである。
【0011】
上記のように構成した蒸気発生装置は、連通管の通路の最も狭い部分の断面積を排水通路の最も狭い部分の断面積より広くしたので、排水作動時に水位検知容器内の水は蒸気発生容器内の水と混合されながら排水経路から排水されるようになり、これにより、加熱棒が高温のときに排水しても、加熱棒が水位検知容器内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の他の実施形態は、所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、蒸気発生容器内に収容されて誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、蒸気発生容器の側面下部にて加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、加熱体は蒸気発生容器の軸線方向に延びて同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、蒸気生成作動時には誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで加熱体を発熱させて蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を吐出通路から吐出させ、排水作動時には蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、水位検知容器には蒸気発生容器の上部に連通接続される第2連通管を設けたことを特徴とする蒸気発生装置を提供するものである。
【0013】
上記のように構成した蒸気発生装置は、水位検知容器には蒸気発生容器の上部に連通接続される第2連通管を設けたので、水位検知容器内の水は蒸気生成作動時に温められることになり、これにより、加熱棒が高温のときに排水しても、加熱棒に付着するのは温められた湯となるので、加熱棒が水位検知容器内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の他の実施形態は、所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、蒸気発生容器内に収容されて誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、蒸気発生容器の側面下部にて加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、加熱体は蒸気発生容器の軸線方向に延びて同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、蒸気生成作動時には誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで加熱体を発熱させて蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を吐出通路から吐出させ、排水作動時には蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、連通口の向きをこれから蒸気発生容器内に流入する水が複数の加熱棒に当たらない向きにしたことを特徴とする蒸気発生装置を提供するものである。
【0015】
上記のように構成した蒸気発生装置は、連通口の向きをこれから蒸気発生容器内に流入する水が複数の加熱棒に当たらない向きにしたので、排水作動時に水位検知容器から蒸気発生容器内に流入する水は加熱棒に接触せず、これにより、加熱棒が高温のときに排水しても、加熱棒が水位検知容器内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の他の実施形態は、所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、蒸気発生容器内に収容されて誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、蒸気発生容器の側面下部にて加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、加熱体は蒸気発生容器の軸線方向に延びて同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、蒸気生成作動時には誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで加熱体を発熱させて蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を吐出通路から吐出させ、排水作動時には蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、連通管にはこれを開閉する連通弁をさらに設け、排水作動時に連通弁を閉止させるようにしたことを特徴とする蒸気発生装置を提供するものである。
【0017】
上記のように構成した蒸気発生装置は、連通管にはこれを開閉する連通弁をさらに設け、排水作動時に連通弁を閉止させるようにしたので、排水作動時に水位検知容器から蒸気発生容器内に水が流入しないようになり、これにより、加熱棒が高温のときに排水しても、加熱棒が水位検知容器内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。また、排水作動のときに水位検知容器内の水を排水しないようにしたので、水の使用量を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の蒸気発生装置を内蔵したスチームコンベクションオーブンの正面図である。
【図2】図1のA−A線における縦断面図である。
【図3】図1のB−B線における縦断面図である。
【図4】第1の実施形態の蒸気発生装置の一部破断縦断面図である。
【図5】加熱体の斜視図である。
【図6】図4のC−C線における横断面図である。
【図7】スチームコンベクションオーブンの制御装置のブロック図である。
【図8】(a)は第2の実施形態の加熱体の平面図であり、(b)は第2の実施形態の蒸気発生装置のC−C線と同位置での横断面図である。
【図9】第3の実施形態の加熱体の斜視図である。
【図10】第4の実施形態の蒸気発生装置の一部破断縦断面図である。
【図11】第5の実施形態の蒸気発生装置の一部破断縦断面図である。
【図12】第6の実施形態のC−C線と同位置における横断面図である。
【図13】第7の実施形態の蒸気発生装置の一部破断縦断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の蒸気発生装置をスチームコンベクションオーブンに適用した第1の実施形態を添付図面を参照して説明する。図1〜図3に示すように、スチームコンベクションオーブン10は、ハウジング11の内部に配置した食材の調理庫12と、この調理庫12の内部を加熱するため調理庫12内に設けたヒータ13と、調理庫12内の空気を対流させるために調理庫12内に設けた送風ファン14と、調理庫12内の温度を検出する庫内温度センサ15と、ハウジング11の内部にて調理庫12の側方に形成した機械室16に設けられて調理庫12内に蒸気を供給する蒸気発生装置20と、ハウジング11のフロントパネルに操作パネル17を備えている。
【0020】
図4に示すように、本発明の蒸気発生装置20は、所定量の水を貯えて蒸気を発生させる蒸気発生容器21と、蒸気発生容器21の外周に巻回された誘導加熱コイル27と、蒸気発生容器21内に収容されて誘導加熱コイル27に高周波電流を供給することで発熱する加熱体30と、蒸気発生容器21の側面下部にて加熱体30の下端部と対向する位置に形成した連通口21dに連通管41を介して連通接続されて内蔵する水位センサ42により蒸気発生容器21内の水位を検知するための水位検知容器40とを備えている。
【0021】
蒸気発生容器21は上下が開口した樹脂製の円筒部材よりなり、機械室16の床面に設置されて調理庫12内の水を排出するのに用いる排水タンク18上に接続筒22を介して立設されている。蒸気発生容器21の上端開口は蒸気の吐出口21aとなっており、この吐出口21aには吐出する蒸気を調理庫12内に導出するための蒸気導出筒23が接続されている。本願特許請求の範囲に記載の蒸気の吐出経路はこの実施形態では蒸気発生容器21の上端部と、これに別部材で設けた蒸気導出筒23とからなるが、これらを一体としたものも含まれる。また蒸気発生容器21の下端開口は排水口21bとなっており、この排水口21bには排水タンク18に取り付けられた接続筒22が接続されている。接続筒22には、ボールバルブよりなる排水弁24が設けられており、排水弁24を開放させると蒸気発生容器21内の水が排水タンク18に排出される。この実施形態の排水弁24はボールバルブを用いているので、その通路は接続筒の通路と略同程度の断面積となっている。本願特許請求の範囲に記載の排水経路は蒸気発生容器21の下端部と、これに別部材で設けた接続筒22とからなるが、これらを一体としたものも含まれる。蒸気発生容器21の上部には加熱体30を支持するために下側に向かって細く形成されたテーパ面21cが形成されている。蒸気発生容器21の下部には、水位検知容器40に連通接続するための連通口21dが形成されている。
【0022】
蒸気発生容器21の上下方向の中間部外周には環状のブラケット25,26が上下に離間して設けられており、このブラケット25,26の間に誘導加熱コイル27が巻回されている。また、ブラケット25,26には、その円周方向に沿って誘導加熱コイル27から漏出する電磁波を防ぐために複数個の棒状のフェライト28が設けられている。
【0023】
蒸気発生容器21内には誘導加熱コイル27により発熱して蒸気発生容器21内の水を加熱する加熱体30が収容されている。図4及び5に示すように、加熱体30は、蒸気発生容器21の上部に支持されたホルダ31と、このホルダ31に上端部が固定されて蒸気発生容器21内に吊設された6本の加熱棒32とを有している。ホルダ31は中心部に蒸気の通路が形成された略環状の金属製プレートであり、外周部に等間隔に形成された6つの突起部31aを蒸気発生容器21の上部形成されたテーパ面21cに係止させて支持されている。
【0024】
ホルダ31にはその周方向に沿って6本の加熱棒32の上端部が固定されている。図6に示すように、6本の加熱棒32は蒸気発生容器21の軸線方向に延びてその中心軸を中心とした同心円上に配置されている。6本の加熱棒32はホルダ31の周方向を7等分した位置で、蒸気発生容器21の連通口21dと対向する位置を除くようにしてホルダ31に固定されている。連通口21dと対向する位置に加熱棒を配置しないようにしたために、連通口21dと対向する位置の左右両側の加熱棒32’は他の加熱棒32より渦電流が多く流れやすくなっている。そのために、これらの加熱棒32’を他の加熱棒32と同程度の発熱量とするために、加熱棒32’は他の加熱棒32より短くされており、加熱棒32’の下端は誘導加熱コイル27の下端部より少し上側となっている(図6では、連通口21dと対向する位置の左右両側の加熱棒32’の位置を示すためにこれを二点差線により示している)。各加熱棒32は、誘導加熱コイル27と同じ高さにあってこれに高周波電流を供給したときに発熱する発熱部32aと、この発熱部32aの上側部分と下側部分で発熱しない非発熱部32b,32cとからなる。また、連通口21dに対向する位置の左右両側の加熱棒32’は、誘導加熱コイル27と同じ高さにあってこれに高周波電流を供給したときに発熱する発熱部32’aと、この発熱部32’aの上側部分で発熱しない非発熱部32’bとからなる。
【0025】
図4に示すように、蒸気発生容器21の上部には加熱棒32の上側部分の非発熱部32bの温度を検出するための温度センサ33が設けられている。温度センサ33はサーミスタよりなり、加熱体30が過熱状態になるのを防ぐためのものである。
【0026】
図4に示すように、蒸気発生容器21の側方には蒸気発生容器21内の水位を検知するための略筒状の水位検知容器40が立設されており、水位検知容器40は蒸気発生容器21の下部の連通口21dに連通管41により連通接続されている。水位検知容器40内には蒸気発生容器21内の水位を検出するための水位センサ42が設けられている。水位センサ42はフロートスイッチよりなり、支持部材により上下動可能に支持されたフロートにより、蒸気発生容器21内で加熱棒32の発熱部32aを超える水位として上限水位L1とこの発熱部32aより少し下側の水位として下限水位L2とを検出する。水位検知容器40の上部に設けられた給水部43には給水手段44が接続されている。給水手段44は、水道等の給水源から導出される給水管45と、給水管45に介装された給水弁46とからなる。給水弁46を開放すれば水位検知容器40内に給水され、水位検知容器40内に給水された水は連通管41を通って蒸気発生容器21内に給水される。また、水位検知容器40には上限水位L1を少し越える水位の水を排水するオーバーフロー管47が設けられている。
【0027】
スチームコンベクションオーブン10は制御装置50を備えており、図7に示すように、制御装置50はヒータ13と、送風ファン14と、庫内温度センサ15と、操作パネル17と、蒸気発生装置20の各機器として排水弁24、誘導加熱コイル27、温度センサ33、水位センサ42、給水弁46に接続されている。制御装置50は、マイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続されたCPU、RAM、ROM及びタイマ(何れも図示省略)を備えている。CPUは、操作パネル17からの入力、庫内温度センサ15、蒸気発生装置20の温度センサ33、水位センサ42の各検出に基づき、ヒータ13、送風ファン14、排水弁24、誘導加熱コイル27及び給水弁46の作動を制御するプログラムを実行する。
【0028】
また、制御装置50は、ヒータ13の入力電力を位相制御等により可変制御する制御回路(図示しない)と、蒸気発生装置20の誘導加熱コイル27の入力電力をインバータ制御等により可変制御する制御回路(図示しない)を有しており、ヒータ13及び蒸気発生装置20の出力を可変制御している。
【0029】
このスチームコンベクションオーブン10は蒸気発生装置20と送風ファン14とを作動させて蒸気によって食材を調理するスチームモードと、ヒータ13と送風ファン14とを作動させて熱風によって食材を調理するホットエアーモードと、ヒータ13と蒸気発生装置20と送風ファン14とを作動させて蒸気を含んだ熱風によって食材を調理するコンビモードとからなる調理モードを有している。スチームモードによる調理プログラムを実行するときには、制御装置50は蒸気発生装置20と送風ファン14とを作動させ、調理に適した蒸気量となるように、制御回路により蒸気発生装置20の誘導加熱コイル27の入力電力を可変制御している。また、コンビモードによる調理プログラムを実行するときには、制御装置50はヒータ13と蒸気発生装置20と送風ファン14とを作動させ、調理に適した温度及び蒸気量となるように、各制御回路によりヒータ13及び蒸気発生装置20の誘導加熱コイル27の入力電力を可変制御している。
【0030】
このスチームコンベクションオーブン10においては、蒸気発生装置20の蒸気生成作動をさせたときには、誘導加熱コイル27に高周波電流を供給することで加熱体30を発熱させて蒸気発生容器21内の水から生成される蒸気を吐出経路から調理庫12内に吐出させている。この蒸気発生装置20の蒸気生成作動させたときには、制御装置50は蒸気発生容器21内の水位が上限水位L1と下限水位L2との間の水位となるように制御している。具体的には、制御装置50は水位センサ42により下限水位L2が検出されると給水弁46を開放させて給水させ、水位センサ42により上限水位L1が検出されると給水弁46を閉止させて給水を停止させるよう制御している。また、制御装置50は加熱体30が過熱状態となる前に誘導加熱コイル27への高周波電流の供給を停止するように制御している。具体的には、蒸気発生容器21の水位が正常に制御された状態で蒸気を発生させたときには、加熱棒32の上側の非発熱部32bの温度は蒸気や突沸した熱湯によって100℃以下となっているので、制御装置50は温度センサ33により検出された加熱棒32の上側の非発熱部32bの温度が過熱温度として110℃以上になると、誘導加熱コイル27への高周波電流の供給を停止するように制御している。
【0031】
また、制御装置50は蒸気発生容器21内にスケールが付着するのを防止するために、スチームコンベクションオーブン10の電源をオンにしたとき及び、蒸気発生装置20を作動させる調理プログラムを実行しているときを除いた所定時間として6時間毎に、排水作動として排水弁24を所定時間開放して、蒸気発生容器21内の水を排水経路から排水している。
【0032】
上記のように構成した蒸気発生装置20においては、連通口21dと対向する位置に加熱棒32(32’を含む)を配置しないようにしたので、排水作動時に水位検知容器40から蒸気発生容器21内に流入する水は加熱棒32(32’を含む)に接触しないようになり、これにより、蒸気生成作動直後の加熱棒32(32’を含む)が高温のときに排水しても、加熱棒32(32’を含む)が水位検知容器40内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。また、誘導加熱コイル27に高周波電流を供給したときに、連通口21dと対向する位置の左右両側の加熱棒32’は他の加熱棒32と比べて渦電流が多く流れやすくなって発熱量が多くなりやすいが、これら左右両側の加熱棒32’の長さを他の加熱棒32より短くしたので、これら左右両側の加熱棒32’が他の加熱棒32と比べて多く発熱せず、過熱状態とならない。
【0033】
次に、本発明による蒸気発生装置の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態の蒸気発生装置20Aにおいては、加熱体30Aが上述した第1の実施形態の加熱体30と異なっており、この加熱体30Aについて説明する。図8(a)に示すように、加熱体30Aは、蒸気発生容器21の上部に支持されたホルダ31Aと、このホルダ31Aに上端部が固定されて蒸気発生容器21内に吊設された6本の加熱棒32Aとを有している。ホルダ31Aは中心部に蒸気の通路が形成された略環状の金属製プレートであり、外周部に等間隔に形成された6つの突起部31aを蒸気発生容器21の上部形成されたテーパ面21cに係止させて支持されている。
【0034】
図8(a)に示すように、ホルダ31Aにはその周方向に沿って6本の加熱棒32Aの上端部が固定されている。図8(b)(図6と同様に連通口21dの形成された位置で切断した横断面図である)に示すように、6本の加熱棒32Aは蒸気発生容器21の軸線方向に延びており、ホルダ31Aの周方向を略7等分した位置で、蒸気発生容器21の連通口21dと対向する位置を除くようにして固定されている。連通口21dと対向する位置に加熱棒を配置しないようにしたために、連通口21dと対向する位置の左右両側の加熱棒32A’は他の加熱棒32Aより渦電流が多く流れやすくなっている。そのために、これらの加熱棒32A’を他の加熱棒32Aと同程度の発熱量とするために、図8(a)及び(b)に示すように、これらの加熱棒32A’は蒸気発生容器21の中心軸を中心として同心円上に配置された他の4本の加熱棒32Aより少し中心側に配置されている。なお、連通口21dと対向する位置の左右両側の加熱棒32A’は上記の第1の実施形態の加熱棒32’と異なって他の加熱棒32Aと同じ長さとなっている。これら以外は上述した第1の実施形態と同様である。
【0035】
上記のように構成した蒸気発生装置20Aにおいては、連通口21dと対向する位置に加熱棒32A(32A’を含む)を配置しないようにしたので、排水作動時に水位検知容器40から蒸気発生容器21内に流入する水は加熱棒32A(32A’を含む)に接触しないようになり、これにより、蒸気生成作動直後の加熱棒32A(32A’を含む)が高温のときに排水しても、加熱棒32A(32A’を含む)が水位検知容器40内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。また、誘導加熱コイル27に高周波電流を供給したときに、連通口21dと対向する位置の左右両側の加熱棒32A’は他の加熱棒32Aと比べて渦電流が多く流れやすくなって発熱量が多くなりやすいが、これら左右両側の加熱棒32A’を他の加熱棒32Aより中心側に配置したので、これら左右両側の加熱棒32A’が他の加熱棒32Aと比べて多く発熱せず、過熱状態とならない。また、全ての加熱棒32A(32A’を含む)は同じ長さであるので、部品点数が増えることによるコストアップを防ぐことができる。
【0036】
次に、本発明による蒸気発生装置の第3の実施形態について説明する。この第3の実施形態の蒸気発生装置20Bにおいては、図9に示すように、加熱体30Bが上述した第1の実施形態の加熱体30と異なっており、この加熱体30Bについて説明する。加熱体30Bは、蒸気発生容器21の下部に支持されたホルダ31Bと、このホルダ31Bに下端部が固定されて蒸気発生容器21内に立設された7本の加熱棒32Bとを有している。ホルダ31Bは中心部に水の通路が形成された筒状の樹脂部材よりなり、下端部を蒸気発生容器21の下部に形成されたテーパ面に係止させて支持されている。ホルダ31Bには蒸気発生容器21の連通口21dと対向する位置に下側から切り欠いた切欠部31Baが形成されており、この切欠部31Baは水位検知容器40から流入する水をホルダ31Bに接触させることなく蒸気発生容器21の排水経路に導くためのものである。
【0037】
ホルダ31Bにはその周方向に沿って7本の加熱棒32Bの下端部が固定されている。7本の加熱棒32Bは蒸気発生容器21の軸線方向に延びており、ホルダ31Bの周方向を7等分した位置に固定されている。各加熱棒32Bは、誘導加熱コイル27と同じ高さにあってこれに高周波電流を供給したときに発熱する発熱部32Baと、この発熱部32aの上側部分と下側部分で発熱しない非発熱部32Bb,32Bcとからなり、これら加熱棒32Bは下側部分の非加熱部32Bcがホルダ31Bに固定されている。これら以外は、上述した第1の実施形態と同様である。
【0038】
上記のように構成した蒸気発生装置20Bにおいては、ホルダ31Bには連通口21dと対向する位置に排水のための切欠部31Baを形成したので、排水作動時に水位検知容器40から蒸気発生容器21内に流入する水はホルダ31Bに接触しないようになり、これにより、蒸気生成作動直後で加熱棒32Bによってホルダ31Bが高温になっているときに排水しても、ホルダ31Bが水位検知容器40内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。
【0039】
次に、本発明による蒸気発生装置の第4の実施形態について説明する。この第4の実施形態の蒸気発生装置20Cにおいては、図10に示すように、蒸気発生容器21Cの連通口21Cdに連通接続した連通管41Cと加熱体30Cとが上述した第1の実施形態と異なっており、これらの異なる点について説明する。この蒸気発生容器21Cの下部に形成された連通口21Cdには水位検知容器40Cの連通管41Cが接続されている。連通管41Cから連通口21Cdへの水の通路は略一定となっており、連通管41Cの通路は蒸気発生容器21Cの排水経路の最も狭い部分の断面積より広く形成されている。
【0040】
加熱体30Cは、蒸気発生容器21Cの上部に支持されたホルダ31Cと、このホルダ31Cに上端部が固定されて蒸気発生容器21内に吊設された7本の加熱棒32Cとを有している。ホルダ31Cは中心部に蒸気の通路が形成された略環状の金属製プレートであり、外周部に等間隔に形成された6つの突起部31aを蒸気発生容器21Cの上部に形成されたテーパ面21cに係止させて支持されている。ホルダ31Cにはその周方向に沿って7本の加熱棒32Cの上端部が固定されている。7本の加熱棒32Cは蒸気発生容器21Cの軸線方向に延びており、蒸気発生容器21Cの中心軸を中心とした同心円上に等間隔に配置されている。各加熱棒32Cは、誘導加熱コイル27と同じ高さにあってこれに高周波電流を供給したときに発熱する発熱部32Caと、この発熱部32Caの上側部分と下側部分で発熱しない非発熱部32Cb,32Ccとからなる。
【0041】
上記のように構成した蒸気発生装置20Cにおいては、連通口21Cdと対向する位置に加熱棒32Cが配置されているが、連通管41Cの通路の最も狭い部分の軸線方向と直交する方向の断面積を蒸気発生容器21Cの排水通路の最も狭い部分の軸線方向と直交する方向の断面積より広くしたので、排水作動時に水位検知容器40C内の水は蒸気発生容器21C内の湯と混合されながら排水経路から排水されるようになり、これにより、蒸気生成作動直後の加熱棒32Cが高温のときに排水しても、加熱棒32Cが水位検知容器40C内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。また、蒸気発生容器21C内の高温の湯は水位検知容器40C内の水と混合されながら排水されるため、蒸気発生容器21Cの排水の温度を下げることができ、排水タンク18等を含めた排水経路の部品や配管に耐熱性の低いものを用いることができ、コストダウンをさせることができる。
【0042】
次に、本発明による蒸気発生装置の第5の実施形態について説明する。この第5の実施形態の蒸気発生装置20Dにおいては、図11に示すように、第4の実施形態で説明した水位検知容器40Cの下部の連通管41Cが上述した第1〜第3の実施形態に示したように排水経路より断面積が狭い連通管41を採用したものである。また、水位検知容器40Dの上部は蒸気発生容器21Dの上部で誘導加熱コイル27より上側に形成された第2連通口21Deに第2連通管48Dを用いて連通接続されている。これら以外は上記の第4の実施形態と同様である。
【0043】
上記のように構成した蒸気発生装置20Dにおいては、連通口21dと対向する位置に加熱棒32Cが配置されているが、水位検知容器40Dの上部には蒸気発生容器21Dの上部の吐出経路に連通接続される第2連通管48Dを設けたので、水位検知容器40D内の水は蒸気生成作動時に吐出経路から第2連通管48Dを通って流入する蒸気により温められている。これにより、加熱棒32Cが高温のときに排水しても、水位検知容器40D内から温められた湯が蒸気発生容器21D内に流入するので、加熱棒32Cが水位検知容器40D内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。
【0044】
次に、本発明による蒸気発生装置の第6の実施形態について説明する。この第6の実施形態の蒸気発生装置20Eにおいては、図12(図6と同様に連通口21Edの形成された位置で切断した横断面図である)に示すように、第5の実施形態で説明した水位検知容器40Dの上部と蒸気発生容器21Dの上部とを連通接続する第2連通管48Dを廃して、蒸気発生容器21Eの下部の連通口21Edの向きを水位検知容器40Eから連通管41を通って流入する水が7本の加熱棒32Cに当たらない向きとして、蒸気発生容器21Eの内周面に沿って流れるようにしている。なお、連通口21Edの向きを水位検知容器40Eから流入する水が7本の加熱棒32Cに当たらない向きとして加熱棒32Cの下側に向けて流れるようにしてもよい。なお、これら以外は上記の第5の実施形態と同様である。
【0045】
上記のように構成した蒸気発生装置20Eにおいては、連通口21Edの向きを蒸気発生容器21E内に流入する水が7本の加熱棒32Cに当たらない向きにしたので、排水作動時に水位検知容器40Eから蒸気発生容器21E内に流入する水は加熱棒32Cに接触せず、加熱棒32Cが水位検知容器40E内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。また、水位検知容器40Eの水が連通口21Edから蒸気発生容器21Eに流入するときに、蒸気発生容器21Eの内周面下部に沿って流れるので、蒸気発生容器21Eの下部のテーパ面を洗い流してスケールが付着しにくくなる。
【0046】
次に、本発明による蒸気発生装置の第7の実施形態について説明する。この第7の実施形態の蒸気発生装置20Fにおいては、第5の実施形態で説明した水位検知容器40Dの上部と蒸気発生容器21Dの上部とを連通接続する第2連通管48Dを廃して、蒸気発生容器21Fと水位検知容器40Fとを連通接続する連通管41Fにこれを開閉する連通弁49Fをさらに設けている。制御装置50は上述した機器に加えてさらにこの連通弁49Fに接続されている。制御装置50は、少なくとも蒸気生成作動の直後に排水作動をするときには、連通弁49Fを閉止させるように制御する。なお、これら以外は上述した第5の実施形態と同様である。
【0047】
上記のように構成した蒸気発生装置20Fにおいては、連通口21dと対向する位置に加熱棒32Cが配置されているが、蒸気発生容器21Fと水位検知容器40Fとを連通接続する連通管41Fにこれを開閉する連通弁49Fをさらに設け、少なくとも蒸気生成作動の直後に排水作動をするときには、制御装置50が連通弁49Fを閉止させるように制御したので、蒸気生成作動の直後で加熱棒32Cが高温のときに排水作動をさせても、水位検知容器40Fから蒸気発生容器21F内に水は流入せず、加熱棒32Cが水位検知容器40F内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようになる。また、排水作動のときに水位検知容器40F内の水を排水しないようにしたので、蒸気発生装置20Fの水の使用量を減らすことができる。
【0048】
上述した各実施形態においては、蒸気発生容器21〜21Fは、円筒部材よりなるが、本発明はこの形状に限られるものでなく、六角筒、八角筒等の多角筒形状であっても同様の作用効果を得ることができる。
【0049】
また、上述した各実施形態の蒸気発生装置を各々適宜組み合わせて、加熱棒が水位検知容器内の水によって急激に冷却されたときに起因する破裂音が生じないようにさせてもよい。
【符号の説明】
【0050】
20…蒸気発生装置、21…蒸気発生容器、21d…連通口、27…誘導加熱コイル、30…加熱体、31…ホルダ、32…加熱棒、40…水位検知容器、41…連通管、42…水位センサ、48E…第2連通管、49F…連通弁。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、
前記蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、
前記蒸気発生容器内に収容されて前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、
前記蒸気発生容器の側面下部にて前記加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより前記蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、
前記加熱体は前記蒸気発生容器の軸線方向に延びてその中心軸を中心とした同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、
蒸気生成作動時には前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで前記加熱体を発熱させて前記蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を前記吐出通路から吐出させ、排水作動時には前記蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、
前記複数の加熱棒のうち前記連通口と対向する位置に配置した加熱棒を廃して、この廃した加熱棒の左右両側の加熱棒の長さを他の加熱棒より短くしたことを特徴とする蒸気発生装置。
【請求項2】
所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、
前記蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、
前記蒸気発生容器内に収容されて前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、
前記蒸気発生容器の側面下部にて前記加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより前記蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、
前記加熱体は前記蒸気発生容器の軸線方向に延びて同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、
蒸気生成作動時には前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで前記加熱体を発熱させて前記蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を前記吐出通路から吐出させ、排水作動時には前記蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、
前記複数の加熱棒のうち前記連通口と対向する位置の加熱棒を廃して、この廃した加熱棒の左右両側の加熱棒を中心側に移動させたことを特徴とする蒸気発生装置。
【請求項3】
所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、
前記蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、
前記蒸気発生容器内に収容されて前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、
前記蒸気発生容器の側面下部にて前記加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより前記蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、
前記加熱体は前記蒸気発生容器の軸線方向に延びて同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、
蒸気生成作動時には前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで前記加熱体を発熱させて前記蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を前記吐出通路から吐出させ、排水作動時には前記蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、
前記連通管の通路の最も狭い部分の断面積を前記排水通路の最も狭い部分の断面積より広くしたことを特徴とする蒸気発生装置。
【請求項4】
所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、
前記蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、
前記蒸気発生容器内に収容されて前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、
前記蒸気発生容器の側面下部にて前記加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより前記蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、
前記加熱体は前記蒸気発生容器の軸線方向に延びて同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、
蒸気生成作動時には前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで前記加熱体を発熱させて前記蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を前記吐出通路から吐出させ、排水作動時には前記蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、
前記水位検知容器には前記蒸気発生容器の上部に連通接続される第2連通管を設けたことを特徴とする蒸気発生装置。
【請求項5】
所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、
前記蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、
前記蒸気発生容器内に収容されて前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、
前記蒸気発生容器の側面下部にて前記加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより前記蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、
前記加熱体は前記蒸気発生容器の軸線方向に延びて同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、
蒸気生成作動時には前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで前記加熱体を発熱させて前記蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を前記吐出通路から吐出させ、排水作動時には前記蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、
前記連通口の向きをこれから前記蒸気発生容器内に流入する水が前記複数の加熱棒に当たらない向きにしたことを特徴とする蒸気発生装置。
【請求項6】
所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、
前記蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、
前記蒸気発生容器内に収容されて前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、
前記蒸気発生容器の側面下部にて前記加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより前記蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、
前記加熱体は前記蒸気発生容器の軸線方向に延びて同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、
蒸気生成作動時には前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで前記加熱体を発熱させて前記蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を前記吐出通路から吐出させ、排水作動時には前記蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、
前記連通管にはこれを開閉する連通弁をさらに設け、前記排水作動時に前記連通弁を閉止させるようにしたことを特徴とする蒸気発生装置。
【請求項1】
所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、
前記蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、
前記蒸気発生容器内に収容されて前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、
前記蒸気発生容器の側面下部にて前記加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより前記蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、
前記加熱体は前記蒸気発生容器の軸線方向に延びてその中心軸を中心とした同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、
蒸気生成作動時には前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで前記加熱体を発熱させて前記蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を前記吐出通路から吐出させ、排水作動時には前記蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、
前記複数の加熱棒のうち前記連通口と対向する位置に配置した加熱棒を廃して、この廃した加熱棒の左右両側の加熱棒の長さを他の加熱棒より短くしたことを特徴とする蒸気発生装置。
【請求項2】
所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、
前記蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、
前記蒸気発生容器内に収容されて前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、
前記蒸気発生容器の側面下部にて前記加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより前記蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、
前記加熱体は前記蒸気発生容器の軸線方向に延びて同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、
蒸気生成作動時には前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで前記加熱体を発熱させて前記蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を前記吐出通路から吐出させ、排水作動時には前記蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、
前記複数の加熱棒のうち前記連通口と対向する位置の加熱棒を廃して、この廃した加熱棒の左右両側の加熱棒を中心側に移動させたことを特徴とする蒸気発生装置。
【請求項3】
所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、
前記蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、
前記蒸気発生容器内に収容されて前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、
前記蒸気発生容器の側面下部にて前記加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより前記蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、
前記加熱体は前記蒸気発生容器の軸線方向に延びて同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、
蒸気生成作動時には前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで前記加熱体を発熱させて前記蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を前記吐出通路から吐出させ、排水作動時には前記蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、
前記連通管の通路の最も狭い部分の断面積を前記排水通路の最も狭い部分の断面積より広くしたことを特徴とする蒸気発生装置。
【請求項4】
所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、
前記蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、
前記蒸気発生容器内に収容されて前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、
前記蒸気発生容器の側面下部にて前記加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより前記蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、
前記加熱体は前記蒸気発生容器の軸線方向に延びて同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、
蒸気生成作動時には前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで前記加熱体を発熱させて前記蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を前記吐出通路から吐出させ、排水作動時には前記蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、
前記水位検知容器には前記蒸気発生容器の上部に連通接続される第2連通管を設けたことを特徴とする蒸気発生装置。
【請求項5】
所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、
前記蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、
前記蒸気発生容器内に収容されて前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、
前記蒸気発生容器の側面下部にて前記加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより前記蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、
前記加熱体は前記蒸気発生容器の軸線方向に延びて同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、
蒸気生成作動時には前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで前記加熱体を発熱させて前記蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を前記吐出通路から吐出させ、排水作動時には前記蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、
前記連通口の向きをこれから前記蒸気発生容器内に流入する水が前記複数の加熱棒に当たらない向きにしたことを特徴とする蒸気発生装置。
【請求項6】
所定量の水を貯えて上端部に蒸気の吐出通路と下端部に排水通路とを設けた円筒または多角筒形状の蒸気発生容器と、
前記蒸気発生容器の外周に巻回された誘導加熱コイルと、
前記蒸気発生容器内に収容されて前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで発熱する加熱体と、
前記蒸気発生容器の側面下部にて前記加熱体の下端部と対向する位置に形成した連通口に連通管を介して連通接続されて内蔵する水位センサにより前記蒸気発生容器内の水位を検知するための水位検知容器とを備え、
前記加熱体は前記蒸気発生容器の軸線方向に延びて同心円上に等間隔に配置された複数の加熱棒を有し、
蒸気生成作動時には前記誘導加熱コイルに高周波電流を供給することで前記加熱体を発熱させて前記蒸気発生容器内の水から生成される蒸気を前記吐出通路から吐出させ、排水作動時には前記蒸気発生容器内の水を排水通路から排水させるようにした蒸気発生装置において、
前記連通管にはこれを開閉する連通弁をさらに設け、前記排水作動時に前記連通弁を閉止させるようにしたことを特徴とする蒸気発生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−221753(P2012−221753A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86595(P2011−86595)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000194893)ホシザキ電機株式会社 (989)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000194893)ホシザキ電機株式会社 (989)
【Fターム(参考)】
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