説明

蓄光性発光装置および蓄光性発光型光ファイバ

【課題】蓄光性材料の残光時間を延長し得る蓄光性発光装置の提供。
【解決手段】本発明の蓄光性発光装置300は、第1の励起波長帯域の光線によって励起され第1の発光波長帯域の第1の残光を発する第1の蓄光性蛍光体10と、第1の発光波長帯域を含む第2の励起波長帯域の光線によって励起され第2の発光波長帯域の第2の残光を発する第2の蓄光性蛍光体11を光透過性、導光性部材15に含有する。蓄光性蛍光体10、11に第1、第2の励起光を照射することにより、照射停止後に第1、第2の残光を一定時間発生させ、更に励起光停止後も第1の残光により第2の蓄光性蛍光体11を照射して励起させ、第2の残光の持続時間を延長させることができる。第1、第2の蓄光性蛍光体10、11を光ファイバ、導光板の表面又は内部に保持させて蓄光性発光型の光ファイバ、導光板としても良く、それらの端面から励起光を導入できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄光性蛍光体、残光性蛍光体、又は燐光性蛍光体などと呼ばれている蓄光性材料を含む蓄光性発光装置に関する。
【0002】
本発明は、蓄光性材料を含む蓄光性発光装置の残光時間を延長し得る蓄光性発光装置の残光延長方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、「蓄光性材料」として紫外線、可視光線などの所定波長帯域(スペクトル:SPECTRA)の励起光線の照射によってそのエネルギーを蓄積し、その励起光線の照射停止後も所定時間、蛍光による光線を持続して発する蓄光性蛍光体(LIGHT STORAGE PHOSPHOR)、残光性蛍光体(AFTERGLOW PHOSPHOR)、燐光性蛍光体(PHOSPHORESCENT PHOSPHOR)と呼称されている蓄光性を有する蛍光体が知られている。
【0004】
この種の蓄光性材料は、例えば、粒子状、粉体状の蓄光顔料(LIGHT STORAGE PIGMENT)、残光顔料(AFTERGLOW PIGMENT)の形体とされる。
【0005】
この蓄光、残光顔料は光透過性塗料に含有されて、蓄光、残光塗料、インクとなり、例えば夜光標識、蓄光標識、装飾品などに広く使用される。
【0006】
この蓄光、残光顔料は光透過性インクに含有されて、蓄光、残光塗料、インクとなり、例えば夜光標識、蓄光標識、装飾品などに広く使用される。
【0007】
この蓄光、残光顔料は合成樹脂、ゴム、エラストマー樹脂製の成型体などに含有されて蓄光、残光成型体となり、例えば夜光標識、蓄光標識、装飾品などに広く使用される。
【0008】
特許文献1(日本特許2543825)、特許文献1と対応する特許文献2(米国特許5424006)には、MAl24 で表わされる化合物で、Mは、カルシウム、ストロンチウム、バリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つ以上の金属元素からなる化合物を母結晶にすると共に、賦活剤としてユウロピウム添加し、さらに共賦活剤としてセリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムからなる群の少なくとも1つ以上の元素を添加した、アルミニウムと金属との複酸化物であるアルミン酸塩系蓄光性蛍光体(ALUMINATE PHOSPHORESCENT PHOSPHOR)が開示されている。
【0009】
特許文献2(米国特許5424006)は特許文献1と対応する米国特許である。
【0010】
特開2000-144129公開公報 (特許文献3) には、MAl4 O7 で表される化合物(但し、MはMg,Ca,Sr,Baからなる群から選ばれる少なくとも1つ以上の金属元素)を母体材料とし、賦活剤としてEuを添加し、さらに共賦活剤としてTi,Zr,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Nb,Mo,Ta,W,Bi,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luから選ばれる少なくとも1つ以上の元素を添加することにより構成する可視光で励起される蓄光性蛍光体が開示されている。
【0011】
特開2000-309775公開公報 (特許文献4) には、化学組成式がMO・aSiO2・bR2O・cX・dM'23:EuyLnz(ただし、MはBa,Sr,Ca,Mg等のアルカリ土類金属およびZnからなる群から選ばれる1種または2種以上であり、RはLi、Na、Kのアルカリ金属イオンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上であり、XはF、Cl、Br、Iからなる群から選ばれる少なくとも1種以上であり、M'はBまたはAlであり、賦活剤としてEuまたはPbを用い、賦活共賦活剤としてLn (LnはSc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Cr,Mn,Bi,Sn,In,Sb,As,Ti,Zr,Hf,P,Nb,Ta,V,Mo,Wの中から選ばれる少なくとも1種以上である。)を用いた可視光励起蓄光性蛍光体が開示されている。また前述の特開2000-309775公開公報には、可視光を照射した後の発光スペクトルにおいて、530nmを越える波長の発光ピークを有することに加えて、440nmを越えて530nm以下の範囲に少なくとももう一つ以上の発光ピークを有する蓄光性蛍光体であって、530nmを越える発光ピーク波長の励起スペクトルにおいて400nmを越えて450nm以下の範囲に最大励起波長を有し、かつ、440nmを越えて530nm以下の発光ピーク波長の励起スペクトルにおいて300nm以上400nm以下の範囲に最大励起波長を有する可視光励起蓄光性蛍光体が開示されている。
【0012】
特開平11-236524公開公報 (特許文献5) には、蛍燐光体による発光色と異なる色を発光することができる蓄光インキ組成物及び蓄光体を提供することを目的とし、蓄光顔料からなる蛍燐光体と、前記蛍リン光体が発光する波長領域の光エネルギーを吸収して発光する蛍光顔料とを含有する蓄光インキ組成物、前記蓄光インキ組成物を用いた蓄光体が開示されている。また同明細書第0008段には、蛍光顔料は、光エネルギーを蓄積することはできないが、受けた光エネルギーを利用して発光していることが記載されている。
【0013】
特開平9-272867公開公報 (特許文献6)には、長残光 特性を有し、青色 から緑色発光を呈し、さらに化学的に安定で耐侯性に優れた蓄光 性蛍光体を提供することを目的とし、組成式が(M11-a-x,M2 a ) O ・n(Al1-b , B b )2O3:Eux , X y(但し、式中、M1はSr,Ca,Baの一種以上、M2はBe,Mg,Zn,Cd の一種以上、X はF,Cl,Br,I の一種以上を表し、a,b,n,x,y は下記の範囲を満足する数値である。・≦・・≦・・・・、 0<・・≦・・・・、・・・・≦・・≦・・・・、・・・・・-5≦x≦・・・・・-1、・・・・・-5≦y≦・・・・・-1)で表されるEu付活アルミン酸塩蛍光体が開示されている。また前記特開平9-272867公開公報の明細書、第0029段にはSr0.999 Mg0.005 Al1.996 0.004 4 :Eu0.001 0.002 の組成を有するEu付活アルミン酸塩蛍光体は、365nm紫外線で励起 したときの発光スペクトルの発光ピーク波長は520nmの緑色発光蓄光 性を有し、また、励起 スペクトルは可視域まで広がっていることが開示されている。
【0014】
特開平9-146484公開公報 (特許文献7) と、これに該当する特許公報 (2917878) には、透明な導光板の主面側に残光性蛍光体で表示パターンが形成されており、且つこの導光板の端面の少なくとも一箇所には前記残光性蛍光体を励起可能な光を発する光源が具備されている停電時でも表示部が認識可能で、しかも低消費電力である標識案内板が開示されている。
【0015】
特開2000-171638公開公報 (特許文献8) には、コア材とクラッド材からなる光ファイバ において、上記クラッド材の全体または一部に蓄光材を含有せしめること等によって、光源点灯時には光源よりの入射光によって光発射し、光源消灯時には、消灯後の一定時間にわたって、蓄光 材の発光を光源として光発射し、光源の消灯によって直ちにガイド照明等の機能を停止することのない光ファイバが開示されている。
【0016】
根本特殊化学株式会社 (NEMOTO & CO. LTD, TOKYO, JAPAN) のWEBホーム ページ (非特許文献1) のWEBホーム ページ (URL: www.nemoto.co.jp) には、根本特殊化学製の「ルミノーバ (登録商標)」、LumiNova (Trade Mark)と称するアルミン酸塩化合物を主成分とし、希土類元素の賦活剤を添付焼成した超残光性蓄光顔料が開示されている。また同WEBホーム ページによると、ルミノーバ超残光性蓄光顔料は銅添加硫化亜鉛 (ZnS: Cu) 蓄光体と比べて初輝度で10倍、残光輝度で10倍の明るさを持つ物質である。(前記特許文献1、2に記載のアルミン酸塩化合物を主成分とした蓄光体)。
【0017】
同WEBホーム ページによると、市販されているルミノーバ (登録商標) 蓄光顔料は、励起ピーク波長365nanometers (hereinafter nm)、発光ピーク波長520nm、発光色(緑色)、体色(緑白色)、比重3.6、化学組成SrAl2O4:Eu,Dyの緑色発光蓄光顔料 (G-300シリーズ、品名G-300C、G-300M、G-300FF、G-300FFS)、励起ピーク波長365nm、発光ピーク波長490nm、発光色(青色)、体色(黄白色)、比重3.9、化学組成Sr4Al14O25:Eu,Dyの青色発光蓄光顔料 (BG-300シリーズ、品名BG-300M、BG-300F、BG-300FF)、 励起ピーク波長325nm、発光ピーク波長440nm、発光色(紫色)、体色(白色)、比重3.0、化学組成CaAl2O4:Eu,Ndの紫色発光蓄光顔料 (V-300シリーズ、品名V-300C、V-300M)などが挙げられる。
【0018】
根本特殊化学株式会社の米国における代理店であるユナイテッド ミネラル アンド ケミカル コーポレーション (UMC: UNITED MINERAK & CHEMICAL CORPORATION) のWEBホーム ページ (URL: www.umccorp.com) (非特許文献2) にも、根本特殊化学製の「ルミノーバ」(登録商標)、"LumiNova" (Trade Mark)と称するアルミン酸塩化合物を主成分とし、希土類元素の賦活剤を添付焼成した超残光性蓄光顔料が開示されている。
【0019】
ドイツ国、ハネウエル スペシャリティ ケミカルズ シールズ ジーエムビーエッチ社 (HONEYWELL SPECIALTY CHEMICALS SEELZE GMBH, GERMANY) のWEBホーム ページ (URL: www.lumiluxpigments.com) (非特許文献3) によると、「ルミラックス(登録商標)」、・・・・・・・・・・・"(Trade Mark)の商標で市販されている励起光が紫外線又は太陽光線、可視光発光の長時間燐光顔料 (LONG AFTERGLOW PIGMENTS)が開示されている。
【0020】
即ち、LUMILUX(登録商標)の長時間燐光顔料としては、励起光が紫外線又は太陽光線、可視光発光の長時間燐光顔料 (LONG AFTERGLOW PIGMENTS)として、「LUMILUX(登録商標)長残光顔料」 (LUMILUX TM LONG AFTERGLOW PIGMENTS)の呼称で市販されている例えばGreen SN-F25 (品番50104、励起光、UV、 太陽光、発光色、緑、体色、黄緑色)、Green SN-F22 (品番50100、励起光、UV、 太陽光、発光色、緑、体色、黄緑色)、Green SN-F2 (品番50095、励起光、UV、 太陽光、発光色、緑、体色、黄緑色)、Green SN-F3 (品番50097、励起光、UV、 太陽光、発光色、緑、体色、黄緑色)などが挙げられる。
【0021】
更に、LUMILUX(登録商標)の長時間燐光顔料としては、「LUMILUX(登録商標)Effect顔料」 (LUMILUX TM EFFECT PIGMENTS)の呼称で市販されているEffect Blue SN (品番50034、励起光、UV、 太陽光、発光色、青、体色、黄色)、Effect Blue SN-F (品番50036、励起光、UV、 太陽光、発光色、青、体色、黄色)、Effect Green N (品番50000、励起光、UV、 太陽光、発光色、緑、体色、黄緑色)、Effect Green N-L (品番50026、励起光、UV、 太陽光、発光色、緑、体色、黄緑色)、Effect Green N-E (品番50915、励起光、UV、 太陽光、発光色、緑、体色、黄緑色)、Effect Green N-F (品番50081、励起光、UV、 太陽光、発光色、緑、体色、黄緑色)、Effect Green N-FG (品番50081、励起光、UV、 太陽光、発光色、緑、体色、黄緑色)、Effect Green N-FF (品番50018、励起光、UV、 太陽光、発光色、黄色、体色、黄緑色)、Effect Sipi F Yellow SN (品番50080、励起光、UV、 太陽光、発光色、黄緑、体色、黄色)、Effect Sipi Yellow (品番50070、励起光、UV、 太陽光、発光色、黄緑、体色、黄色)、Effect Sipi Red (品番50071、励起光、UV、 太陽光、発光色、オレンジ、体色、赤色)、Effect Red N100 (品番50031、励起光、UV、 太陽光、発光色、赤色、体色、ピンク)などが挙げられる。
【0022】
日亜化学工業株式会社(NICHIA CORPORATION, JAPAN)から市販されている蓄光蛍光体は、同社のWEB上のホームページ (URL: www.nichia.co.jp) (非特許文献4) によると、長残光発光体「ウルトラ・グロー (商品名)」、・・・・・・・・・・・・・・"と呼ばれ、品番NP-2810: 発光色; 青紫色、体色; 白色、発光ピーク波長; 440nm、化学組成; CaAl2O4Eu,Nd、品番NP-2820: 発光色; 青緑色、体色; 薄黄色、発光ピーク波長; 490nm、化学組成; Sr4Al14O:Eu,Dy、品番NP-2830: 発光色; 緑色、体色; 薄黄色、発光ピーク波長; 520nm、化学組成; SrAl2O4:Eu,Dy、NP-2840: 発光色; オレンジ色、体色; 薄黄色、発光ピーク波長; 625nm、化学組成; Y2O2S:Eu,Mg, Ti、NP-2850: 発光色; 赤色、体色; 白色、発光ピーク波長; 625nm、化学組成; Y2O2S:Eu,Mg,Ti などが挙げられる。
【0023】
米国ディグロ カラー株式会社 (DAYGLO COLOR CORPORTION, U.S.A.) から市販されている蓄光蛍光体は、同社のWEB上のホームページ (URL: www.dayglo.com) (非特許文献5) によると、「ナイトグロ」 (登録商標)」、"NightGlo" (Trade Mark) と言う残光発光体、夜光顔料 (GLOW-IN-THE-DARK PIGMENT)であり、例えば品番NGX-19: 発光色; 青色、発光ピーク波長; 470nm、化学組成; Sr2MgSi2O7:Dy,Eu、品番NGX-6Y又はNGX-UF: 発光色; 黄緑色、発光ピーク波長; 520nm、化学組成; SrAl2O4:Dy,Eu、品番NG25: 発光色; オレンジ、発光ピーク波長; 620nm、化学組成; ZnS:Mn,Cuなどが挙げられる。
【0024】
【特許文献1】日本特許2543825特許公報
【特許文献2】米国特許5424006特許公報
【特許文献3】特開2000-144129公開公報
【特許文献4】特開2000-309775公開公報
【特許文献5】特開平11-236524公開公報
【特許文献6】特開平9-272867公開公報
【特許文献7】特開平9-146484公開公報
【特許文献8】特開2000-171638公開公報
【非特許文献1】根本特殊化学株式会社 (NEMOTO & CO. LTD, TOKYO, JAPAN) のWEBホーム ページ (URL: www.nemoto.co.jp)。
【非特許文献2】米国、ユナイテッド ミネラル アンド ケミカル コーポレーション (UMC: UNITED MINERAL & CHEMICAL CORPORATION) のWEBホーム ページ (URL: www.umccorp.com)。
【非特許文献3】ドイツ国、ハネウエル スペシャリティ ケミカルズ シールズ ジーエムビーエッチ社 (HONEYWELL SPECIALTY CHEMICALS SEELZE GMBH, GERMANY) のWEBホーム ページ (URL: www.lumiluxpigments.com)。
【非特許文献4】日亜化学工業株式会社(NICHIA CORPORATION, JAPAN)のWEB上のホームページ(URL: www.nichia.co.jp)。
【非特許文献5】米国、ディグロ カラー株式会社 (DAYBLO COLOR CORPORTION, U.S.A.) WEB上のホームページ (URL: www.dayglo.com)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明の好ましい形態では、蓄光性蛍光体、残光性蛍光体、燐光性蛍光体などと呼ばれている先行技術の蓄光性材料の残光時間を延長し得る蓄光性発光装置等を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の各種の形態 (1) 乃至 (23) を以下に列挙する。
【0027】
(1) 第1の励起波長帯域の光線によって励起され、第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線を発する第1の蓄光性蛍光体と、第1の発光波長帯域を部分的又は全面的に含む第2の励起波長帯域の光線によって励起され、第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線を発する第2の蓄光性蛍光体とからなり、第1の蓄光性蛍光体と第2の蓄光性蛍光体とを光学的に結合し得るように配置した蓄光性発光装置。
【0028】
(2) 第1の励起波長帯域の光線によって励起され、可視光線を含む第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線を発する第1の蓄光性蛍光体と、第1の発光波長帯域を部分的又は全面的に含む第2の励起波長帯域の光線によって励起され、第1の発光波長帯域と異なる可視光線を含む第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線を発する第2の蓄光性蛍光体とからなり、第1の蓄光性蛍光体と第2の蓄光性蛍光体とを光学的に結合し得るように配置した蓄光性発光装置。
【0029】
(3) 第1の励起波長帯域の光線によって励起され、第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線を発する第1の蓄光性蛍光体と、第1の発光波長帯域を部分的又は全面的に含む第2の励起波長帯域の光線によって励起され、第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線を発する第2の蓄光性蛍光体とを用い、第1、第2の蓄光性蛍光体に第1、第2の励起波長帯域を含む励起光線を照射することにより、前記励起光線の停止後に第1、第2の残光光線を所定時間発生させること、及び第1の蓄光性蛍光体からの第1残光光線により、第2の蓄光性蛍光体を照射して励起させることからなり、第2の蓄光性蛍光体からの第2の残光光線の持続時間を延長させる蓄光性蛍光体の発光方法。
【0030】
(4) 第1の励起波長帯域の光線によって励起され、第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線を発する第1の蓄光性蛍光体と、第1の発光波長帯域を部分的又は全面的に含む第2の励起波長帯域の光線によって励起され、第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線を発する第2の蓄光性蛍光体とを用い、第1の蓄光性蛍光体に第1の励起波長帯域を含む励起光線を照射することにより、前記励起光線の停止後に第1の残光光線を所定時間発生させること、及び第1の蓄光性蛍光体からの第1残光光線により、第2の蓄光性蛍光体を照射して励起させることからなる蓄光性蛍光体の発光方法。
【0031】
(5) 第1の蓄光性蛍光体と第2の蓄光性蛍光体が蓄光性蛍光顔料からなる前記(1)又は前記(2)に記載の蓄光性発光装置。
【0032】
(6) 複数の蓄光性蛍光顔料からなる第1の蓄光性蛍光体と複数の蓄光性蛍光顔料からなる第2の蓄光性蛍光体を光透過性バインダー (結合材) 内に分散した蓄光性蛍光層とからなり、前記蓄光性蛍光層が任意の物品の表面に部分的又は全面的に形成された前記(1)又は前記(2)に記載の蓄光性発光装置。
【0033】
(7) 複数の蓄光性蛍光顔料からなる第1の蓄光性蛍光体と複数の蓄光性蛍光顔料からなる第2の蓄光性蛍光体の一方を第1の光透過性バインダー (結合材) 内に分散した第1の蓄光性蛍光層と、第1、第2の蓄光性蛍光体の他方を第2の光透過性バインダー (結合材) 内に分散した第2の蓄光性蛍光層とからなり、第1、第2の蓄光性蛍光層が任意の物品の表面に部分的又は全面的に積層して形成された前記(1)又は前記(2)に記載の蓄光性発光装置。
【0034】
(8) 複数の蓄光性蛍光顔料からなる第1の蓄光性蛍光体と複数の蓄光性蛍光顔料からなる第2の蓄光性蛍光体の一方を第1の光透過性バインダー (結合材) 内に分散した第1の蓄光性蛍光層と、第1、第2の蓄光性蛍光体の他方を第2の光透過性バインダー (結合材) 内に分散した第2の蓄光性蛍光層とからなり、第1、第2の蓄光性蛍光層が対向する第1、第2の表面を有する光透過性を有する任意の物品を介在してそれぞれ第1、第2の表面に形成された前記(1)又は前記(2)に記載の蓄光性発光装置。
【0035】
(9) 前記(1)又は前記(2)に記載の第1の蓄光性蛍光体と第2の蓄光性蛍光体がそれぞれ第1、第2の蓄光性蛍光顔料からなり、第1、第2の蓄光性蛍光顔料が光透過性樹脂を含む塗料又はインクに分散された蓄光性発光体。
【0036】
(10) 前記(1)又は前記(2)に記載の第1の蓄光性蛍光体と第2の蓄光性蛍光体がそれぞれ第1、第2の蓄光性蛍光顔料からなり、第1、第2の蓄光性蛍光顔料を光透過性樹脂成型材料内に分散して含有した蓄光性発光成型体。
【0037】
(11) 前記(1)又は前記(2)に記載の第1の蓄光性蛍光体と第2の蓄光性蛍光体がそれぞれ第1、第2の蓄光性蛍光顔料からなり、第1、第2の蓄光性蛍光顔料を顆粒状又はペレット状の光透過性樹脂部材に含有した蓄光性発光素子。
【0038】
(12) 前記(1)又は前記(2)に記載の第1の蓄光性蛍光体と第2の蓄光性蛍光体がそれぞれ第1の蓄光性蛍光顔料と第2の蓄光性蛍光顔料からなり、第1、第2の蓄光性蛍光顔料のいずれか一方を分散して含有する顆粒状又はペレット状の光透過性芯(コア)部材と、第1、第2の蓄光性蛍光顔料の他方を分散し、前記光透過性芯(コア)部材を被覆する光透過性殻(シェル)部材とからなる蓄光性発光素子。
【0039】
(13) 第1の励起波長帯域の光線によって励起され、第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線を発する第1の蓄光性蛍光体粒子と、第1の発光波長帯域を部分的又は全面的に含む第2の励起波長帯域の光線によって励起され、第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線を発する第2の蓄光性蛍光体粒子と、導光性を有するコアからなるか又は前記コアと前記コアの表面又は側面を全面的に又は部分的に被覆する光透過性を有するクラッドとからなる光ファイバに、前記第1、第2の蓄光性蛍光体粒子を担持させた蓄光性発光型光ファイバ。そして (15) 前記光ファイバの端面から前記第1、第2の蓄光性蛍光体粒子を励起させる光線を前記コアに導入することができる。(16) 前記第1、第2の蓄光性蛍光体粒子を前記コア内に分散して含有しても良い。(17) 前記第1、第2の蓄光性蛍光体粒子のいずれか一方を前記コア内に分散して含有し、他方を前記クラッド内に分散して含有しても良い。(d) 前記第1、第2の蓄光性蛍光体粒子を前記クラッドに内に分散して含有しても良い。(18) 前記クラッドが第1のクラッドと第2のクラッドとからなり、第1、第2の蓄光性蛍光体粒子のいずれか一方を前記第1、第2のクラッドのいずれか一方に分散して含有させても良い。
【0040】
(19) 第1の励起波長帯域の光線によって励起され、第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線を発する複数の第1の蓄光性蛍光体粒子と、第1の発光波長帯域を部分的又は全面的に含む第2の励起波長帯域の光線によって励起され、第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線を発する複数の第2の蓄光性蛍光体粒子を、対向する第1の表面と第2表面と、対向する第1の端面と第2端面とからなる光透過性を有する板状導光性部材に担持させ、前記第1の端面及び、又は前記第2端面から前記板状導光性部材へ前記光線を導入する蓄光性発光装置。また (20) 前記第1、第2の蓄光性蛍光体粒子が光透過性バインダー層に分散して含有された蓄光性発光層を備え、前記蓄光性発光層が前記第1の表面及び、又は前記第2表面に部分的又は全面的に形成されても良い。(21) 更に前記板状導光性部材へ前記光線を導入するための少なくとも一つの発光ダイオードを備え、前記発光ダイオードが前記第1の端面及び、又は前記第2端面に配置されても良い。(22) 前記第1、第2の蓄光性蛍光体粒子が前記板状導光性部材内に分散して含有されても良い。(23) 前記第1、第2の蓄光性蛍光体粒子のいずれか一方が前記板状導光性部材内に分散して含有され、前記第1、第2の蓄光性蛍光体粒子の他方が光透過性バインダー層に分散して含有された蓄光性発光層を備え、前記蓄光性発光層が前記第1の表面及び、又は前記第2表面に部分的又は全面的に形成されても良い。
【0041】
各種の本発明の前記形態で好ましく使用できる、第1の励起波長帯域の光線によって励起され、可視光線を含む第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線を発する第1の蓄光性蛍光体としては、例えば、前述の根本特殊化学株式会社製のルミノーバ (登録商標) 蓄光顔料である、励起ピーク波長365nm、発光ピーク波長490nm、発光色(青色)、体色(黄白色)、比重3.9、化学組成Sr4Al14O25:Eu,Dyの青色発光蓄光顔料 (BG-300シリーズ、品名BG-300M、BG-300F、BG-300FF)、 励起ピーク波長325nm、発光ピーク波長440nm、発光色(紫色)、体色(白色)、比重3.0、化学組成CaAl2O4:Eu,Ndの紫色発光蓄光顔料 (V-300シリーズ、品名V-300C、V-300M)などが挙げられる。
【0042】
また各種の本発明の前記形態で好ましく使用できる他の第1の蓄光性蛍光体としては、例えば、前述のドイツ国、ハネウエル スペシャリティ ケミカルズ シールズ ジーエムビーエッチ社の「LUMILUX(登録商標)Effect顔料」 (LUMILUX TM EFFECT PIGMENTS)の呼称で市販されているEffect Blue SN (品番50034、励起光、UV、 太陽光、発光色、青、体色、黄色)、Effect Blue SN-F2 (品番50036、励起光、UV、 太陽光、発光色、青、体色、黄色)、Effect Blue-green SN2 (品番50091、励起光、UV、 太陽光、発光色、青緑、体色、黄緑)、Effect Blue-green SN-F2 (品番50092、励起光、UV、 太陽光、発光色、青緑、体色、黄緑)が挙げられる。
【0043】
各種の本発明の前記形態で好ましく使用できる更に他の第1の蓄光性蛍光体としては、例えば、前述の日亜化学工業株式会社(NICHIA CORPORATION, JAPAN)から市販されている蓄光蛍光体、長残光発光体「ウルトラ・グロー (商品名)」(ULTRA GLOW)、品番NP-2810: 発光色; 青紫色、体色; 白色、発光ピーク波長; 440nm、化学組成; CaAl2O4Eu,Nd、品番NP-2820: 発光色; 青緑色、体色; 薄黄色、発光ピーク波長; 490nm、化学組成; Sr4Al14O:Eu,Dyが挙げられる。
【0044】
各種の本発明の前記形態で好ましく使用できる更に他の第1の蓄光性蛍光体としては、米国ディグロ カラー株式会社 (DAYBLO COLOR CORPORTION, U.S.A.) から市販されている蓄光蛍光体「ナイトグロ」 (登録商標)」、"NightGlo" (Trade Mark)の例えば品番NGX-19: 発光色; 青色、発光ピーク波長; 470nm、化学組成; Sr2MgSi2O7:Dy,Eu、品番NGX-6Y又はNGX-UF: 発光色; 黄緑色、発光ピーク波長; 520nm、化学組成; SrAl2O4:Dy,Euなどが挙げられる。
【0045】
各種の本発明の前記形態で好ましく使用できる更に他の第1の蓄光性蛍光体としては、例えば特許文献1乃至特許文献6の明細書に記載の各種の蓄光性蛍光体から選択して用いても良い。
【0046】
本発明の各種の前記形態で好ましく使用できる第2の励起波長帯域の光線によって励起され、可視光線を含む第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線を発する第2の蓄光性蛍光体としては、例えば、前述の特開2000-144129公開公報 (特許文献3) に記載の、MAl4 O7 で表される化合物(但し、MはMg,Ca,Sr,Baからなる群から選ばれる少なくとも1つ以上の金属元素)を母体材料とし、賦活剤としてEuを添加し、さらに共賦活剤としてTi,Zr,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Nb,Mo,Ta,W,Bi,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luから選ばれる少なくとも1つ以上の元素を添加することにより構成する可視光で励起される蓄光性蛍光体が挙げられる。
【0047】
前述の特開2000-144129公開公報の図1及び明細書第0014、0015段には、母体材料であるSrAl47 に賦活剤となる0.7mol%のEuと、共賦活剤となる0.3mol%のDyを添加し、それを還元雰囲気(Ar+H2 ,5%)中、1300℃で4時間焼成した後、粉砕した、化学式SrAl24 :Eu,Dyの蓄光性蛍光体粉末は励起スペクトルのピーク波長が427nmであり、可視光によっても励起され、発光スペクトルのピーク波長が490nmなので、この蓄光性蛍光体は本発明の第2の形態の第2の蓄光性蛍光体として好適に用いられる。
【0048】
本発明の第1、第2の形態で好ましく使用できる他の可視光励起蓄光性蛍光体としては、例えば、前述の特開2000-309775公開公報に開示の可視光励起蓄光性蛍光体などを使用しても良い。
【0049】
この可視光励起蓄光性蛍光体は、化学組成式がMO・aSiO2・bR2O・cX・dM'23:EuyLnz(ただし、MはBa,Sr,Ca,Mg等のアルカリ土類金属およびZnからなる群から選ばれる1種または2種以上であり、RはLi、Na、Kのアルカリ金属イオンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上であり、XはF、Cl、Br、Iからなる群から選ばれる少なくとも1種以上であり、M'はBまたはAlであり、賦活剤としてEuまたはPbを用い、賦活共賦活剤としてLn (LnはSc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Cr,Mn,Bi,Sn,In,Sb,As,Ti,Zr,Hf,P,Nb,Ta,V,Mo,Wの中から選ばれる少なくとも1種以上である。)を用いた蓄光性蛍光体であり、例えば400nmから450nmまでの範囲に最大励起波長を有する可視光線によって励起され530nmを越える発光ピーク波長の可視光線を発し、300nmから400nmまでの範囲に最大励起波長を有する可視光線によって励起され440nmから530nmまでの範囲の発光ピーク波長の可視光線を発する可視光励起、可視光発光蓄光性蛍光体である。。
【0050】
本発明の各種の前記形態で好ましく使用できる更に他の第2の蓄光性蛍光体としては、紫外線から可視域まで励起 スペクトルが広がっている例えば前記特開平9-272867公開公報に記載のSr0.999 Mg0.005 Al1.996 0.004 4 :Eu0.001 0.002 の組成を有するEu付活アルミン酸塩蛍光体などが挙げられる。
【0051】
図1を参照して、本発明の蓄光性発光装置とその発光方法を説明する。
【0052】
図1は第1の蓄光性蛍光体と第2の蓄光性蛍光体の励起波長と発光波長の関係を示す模式的なグラフである。
【0053】
図1において、縦軸は励起光線の強度(任意単位)と発光光線の輝度(任意単位)を示し、横軸は発光波長を示す。
【0054】
図1において、第1の蓄光性蛍光体は第1の励起波長帯域の光線EX-1によって励起され、可視光線を含む第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線AG-1を発し、第2の蓄光性蛍光体は第2の励起波長帯域の光線EX-2によって励起され、可視光線を含む第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線AG-2を発する。第1の蓄光性蛍光体10と第2の蓄光性蛍光体12は共に励起光線の波長帯域 (スペクトル: SPECTRUM)、極大波長 (ピーク・スペクトル:PEAK SPECTRUM) よりも長い波長帯域、極大波長を有する残光光線 (AFTERGLOW) を比較的長い時間、放射する残光性又は蓄光性蛍光体である。
【0055】
図1に示すように、第1の蓄光性蛍光体10は第1の波長帯域の光線EX-1の励起照射によって光線EX-1のエネルギーを吸収、蓄積し、前記照射停止以後もそれより波長の長い第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線AG-1を所定時間発するストークス(STOKES )型、ダウンコンバージョン (DOWN CONVERSION) 型の蓄光性蛍光体である。また第2の蓄光性蛍光体12は第2の波長帯域 (スペクトル) の励起光線EX-2の照射によって光線EX-2のエネルギーを吸収、蓄積し、前記照射停止以後もそれより波長の長い第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線AG-2を所定時間発する。
【0056】
第1の蓄光性蛍光体と第2の蓄光性蛍光体に両方の蓄光性蛍光体を励起し得る紫外線、可視光線を含む例えば紫外線、可視光線、赤外線の全ての光線を含む太陽光線、又は蛍光灯、ブラックライト、殺菌灯、キセノンランプ、ハロゲンランプ、白熱電球、発光ダイオード、半導体レーザー、その他、又はこれらを組み合わせた人工光源からの光線EX-1及びEX-2を同時に所定時間照射すると、照射停止後も所定時間、第1の残光光線AG-1と第2の残光光線AG-2を発する。
【0057】
第1の蓄光性蛍光体と第2の蓄光性蛍光体とを光学的に結合し得るように配置し、第1の蓄光性蛍光体からの第1の残光光線AG-1が有する第1の発光波長帯域が第2の蓄光性蛍光体の第2の励起波長帯域を部分的又は全面的に含んでいるために、前記照射停止後も第2の蓄光性蛍光体は第1の残光光線AG-1によって所定時間、励起し続け、第2の蓄光性蛍光体はそれ自体の残光時間よりも第2の残光光線AG-2を長時間、発光を持続することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
本発明の各種の実施の形態を以下に複数の添付図面を参照して記載する。全ての図面において同一又は同様な構成要素、部分、部材には同一の参照符号を付してある。
【0059】
(本発明の第1の実施の形態)
【0060】
本発明の第1の実施の形態を再び図1、図2、図3を参照して詳細に説明する。
【0061】
図1は前述の通り第1の蓄光性蛍光体と第2の蓄光性蛍光体の励起波長、発光波長の関係を示す概念的なグラフである。
【0062】
図2、図3は第1の実施の形態の蓄光性発光装置100を示し、図2は部分的に切り欠いて断面とした部分的な概念的斜視図及び図3は図2の (3)-(3) 線に沿って切断した概念的拡大断面図である。
【0063】
図2、図3において、第1の蓄光性蛍光体粒子10は模式的に楕円形で表わされ、第2の蓄光性蛍光体11は模式的に円形で表わされている。図2、図3において、蓄光性発光装置100は透明、半透明な光透過性又は不透明(非光透過性)なシート状、板状等の支持体30と支持体の一表面 (又は両面) に形成された蓄光性発光層20とからなる。第1の蓄光性蛍光体粒子10と第2の蓄光性蛍光体11を区別するために、第1の蓄光性蛍光体粒子10は模式的に楕円形で表わされ、第2の蓄光性蛍光体11は模式的に円形で表わされている。
【0064】
図1、図2、図3において、蓄光性発光層20は、第1の励起波長帯域の光線EX-1によって励起され、可視光線を含む第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線AG-1を発する複数の粒子状、粉末状の複数の第1の蓄光性蛍光体10と、第2の励起波長帯域の光線EX-2によって励起され、可視光線を含む第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線AG--2を発する複数の粒子状、粉末状の複数の第2の蓄光性蛍光体11とを光透過性の有機ポリマーなどの光透過性のバインダー (結合剤) 13中に分散して塗布し、乾燥、硬化、固化させた2種の蓄光性蛍光体粒子10、11を混合して含有させた蓄光性発光層20である。この際に、蓄光性発光層20内で第1、第2の蓄光性蛍光体10、11を光結合させるために、2種の両方の蓄光性蛍光体10、11が出来るだけ互いに隣接して配置されるように光透過性バインダー層20内に含有させるのが望ましい。
【0065】
例えば、2種の蓄光性蛍光体粒子(蓄光顔料)10、11をそれらの励起光線と残光発光光線に光透過性を有するアクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、メラミン樹脂などのクリアー塗料などに混合、分散させて2種の蓄光性蛍光体粒子10、11を含有する蓄光性塗料又は蓄光性インクとし、シート状、板状等の支持体30の片表面又は両面に部分的又は全面的に刷毛塗り、スプレー・コーティング、浸漬コーティング、ローラー・コーティング、スクリーン印刷などの通常の塗布法、印刷法により塗布、印刷し、その後に乾燥又は硬化して蓄光性発光層20としても良い。
【0066】
2種の蓄光性蛍光体粒子10、11を混合、分散させた蓄光性塗料、蓄光性インクにおいて、蓄光性蛍光体粒子10、11の合計含有量は、用途などによって異なるが、例えば、蓄光性発光層20の約0.1から90wt%程度の範囲内、通常約10から60wt%程度でよい。第1の蓄光性蛍光体粒子10と第2の蓄光性蛍光体粒子11の実際の形状、寸法は用途によって任意に選択でき、例えば蓄光性蛍光体粒子10、11の平均粒度は約0.1micro meter乃至1000micro meter程度の範囲内で良く、また平均粒度が通常約10micro meter乃至50micro meter程度の市販の前記蓄光性顔料を用いても良い。第1の蓄光性蛍光体粒子10と第2の蓄光性蛍光体粒子11の混合比率は用途によって任意に選択でき、例えば0.1:1乃至1: 0.1の範囲で良く、また1:1でも良い。
【0067】
例えば、太陽光線又は白色蛍光灯、ブラックライトと白色蛍光灯との組み合わせ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、紫外線発光ダイオードと白色発光ダイオードとの組み合わせなどの光源からの紫外線と全可視光線を含む光線を蓄光性発光層20に所定時間照射し、2種の蓄光性蛍光体粒子10、11を励起する。この照射時間は光源の種類、照射強度、光源からの距離によって異なるが例えば10分から1時間程度である。
【0068】
この照射は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などの高い光透過性を有する透明ポリマー又は透明ガラスなどの光透過性支持体30を用いるときには光透過性支持体30を経由して及び,又は蓄光性発光層20側から、樹脂、金属、有色ガラス、セラミックなど任意の不透明な有機又は無機の光遮蔽性支持体30を用いるときには蓄光性発光層20の露出表面側から行われる。
【0069】
第1の蓄光性蛍光体10は、主として380nm以下の波長の紫外線に富む第1の励起波長帯域の光線EX-1によって励起されてその光エネルギーを吸収、蓄積し、所定時間励起後に紫色、青色等の比較的に短波長の第1の可視光による残光光線AG-1を所定時間持続的に残光発光する。
【0070】
第2の蓄光性蛍光体20は、紫色、青色等の比較的に短波長の可視光線に富む第2の励起波長帯域の光線EX-2によって励起されてその光エネルギーを吸収、蓄積し、所定時間励起後に第2の励起波長帯域の光線EX-2より波長の長い緑色、黄色、赤色等の第2の発光波長帯域の第2の可視光線AG-2を所定時間持続的に残光発光する。
【0071】
第1の蓄光性蛍光体10からの比較的に短波長可視光線からなる第1の残光光線AG-1が有する第1の発光波長帯域が、第2の蓄光性蛍光体11を励起可能な光線EX-2である第2の励起波長帯域を部分的又は全面的に含んでいる。従って、第2の蓄光性蛍光体11が第1の蓄光性蛍光体10からの第1の残光光線AG-1によって励起されてその光エネルギーを吸収、蓄積し、所定時間励起後に第1の残光光線AG-1と比べて比較的に長波長の黄色、赤色等の可視光による第2の残光光線AG-2を所定時間持続的に残光発光する。
【0072】
これにより第1の蓄光性蛍光体10からの所定時間t1持続する第1の残光光線AG-1によって、隣接する第2の蓄光性蛍光体10を所定時間t1照射、励起し続けるので、第2の蓄光性蛍光体11の実質的な残光時間t3は第2の蓄光性蛍光体10それ自体の残光時間t2 (t2<t3) よりも(t3- t2) 時間は延長させることが可能となることに注目されたい。第1の蓄光性蛍光体10からの第1の残光光線AG-1の残光時間t1が第2の蓄光性蛍光体10それ自体の残光時間t2よりも充分長い第1、第2の蓄光性蛍光体10、11の組み合わせを用いるときには、第2の蓄光性蛍光体11の実質的な残光時間t3を第2の蓄光性蛍光体10それ自体の残光時間t2よりも、非常に延ばすことができる。
【0073】
前述の蓄光性蛍光体の発光方法では、第1の励起波長帯域の光線EX-1によって励起され、第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線AG-1を発する第1の蓄光性蛍光体10と、第1の発光波長帯域を部分的又は全面的に含む第2の励起波長帯域EX-2の光線によって励起され、第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線AG-2を発する第2の蓄光性蛍光体11とからなる複数種類の蓄光性蛍光体10、11を用い、前記複数種類の蓄光性蛍光体発光方法に第1、第2の励起波長帯域EX-1、EX-2を含む励起光線を照射することにより、前記励起光線の停止後に第1、第2の残光光線AG-1、AG-2を所定時間発生させること、及び第1の蓄光性蛍光体10からの第1残光光線AG-1により、第2の蓄光性蛍光体11を照射して励起させることからなり、第2の蓄光性蛍光体11からの第2の残光光線AG-2の持続時間を延長させている。蓄光性発光層20の発光色は、例えば、当初、第1の蓄光性蛍光体10からの残光光線 (例えば紫色、青色) AG-1と第2の蓄光性蛍光体11からの第2の残光光線 (例えば黄色、赤色) AG-2との混合色 (例えば緑色) であるが、時間の経過に従って第1の蓄光性蛍光体10の発光色 (例えば紫色、青色) が弱まり、第2の蓄光性蛍光体11の発光色 (例えば黄色、赤色) が強くなり、ついには第2の蓄光性蛍光体11のみの発光色 (例えば黄色、赤色) となる。
【0074】
前述の特開平11-236524公開公報(特許文献10) には、蓄光顔料 ((蛍燐光体、蓄光性蛍光体) による発光色と異なる色を発光することができる蓄光インキ組成物及び蓄光体を提供することを目的とし、蓄光顔料と、前記蛍燐光体が発光する波長領域の光エネルギーを吸収して発光する蛍光顔料とを含有する蓄光インキ組成物、前記蓄光インキ組成物を用いた蓄光体が開示されている。そして特許文献10の技術では、蓄光顔料と蛍光顔料とはその化学組成が全く異なり、また蓄光顔料からの残光光線により光エネルギーを蓄積できなく蓄光作用を有しない蛍光顔料を励起させて蓄光顔料と異なる色を発光させているに過ぎないので、蛍光顔料の発光時間t3は前記蓄光顔料自体の残光時間 (t2=t3)より延長できない。
【0075】
第1の蓄光性蛍光体10として好ましく用いられる蓄光性蛍光体は、例えば、前述の根本特殊化学株式会社製のルミノーバ (登録商標) 蓄光顔料である、励起波長帯域200nm-450nm程度、励起ピーク波長365nm、発光ピーク波長490nm、発光色(青色)、化学組成Sr4Al14O25:Eu,Dyの青色発光蓄光顔料 (BG-300シリーズ、品名BG-300M、BG-300F、BG-300FF)、 励起ピーク波長325nm、発光ピーク波長440nm、発光色(紫色)、化学組成CaAl2O4:Eu,Ndの紫色発光蓄光顔料 (V-300シリーズ、品名V-300C、V-300M)などが挙げられる。
【0076】
好ましく用いられる他の第1の蓄光性蛍光体10としては、例えば、前述のドイツ国、ハネウエル スペシャリティ ケミカルズ シールズ ジーエムビーエッチ社の「LUMILUX(登録商標)Effect顔料」 (LUMILUX TM EFFECT PIGMENTS)の呼称で市販されているEffect Blue SN (品番50034、励起光: UV、 太陽光、発光色: 青色)、Effect Blue SN-F2 (品番50036、励起光: UV、 太陽光、発光色: 青色)が挙げられる。
【0077】
好ましく用いられる他の第1の蓄光性蛍光体10としては、例えば、前述の日亜化学工業株式会社(NICHIA CORPORATION, JAPAN)から市販されている蓄光蛍光体、長残光発光体「ウルトラ・グロー (商品名)」(ULTRA GLOW)、品番NP-2810: 発光色; 青紫色、発光ピーク波長; 440nm、化学組成; CaAl2O4Eu,Nd、品番NP-2820: 発光色; 青緑色、発光ピーク波長; 490nm、化学組成; Sr4Al14O:Eu,Dyなどが挙げられる。
【0078】
好ましく用いられる他の第1の蓄光性蛍光体10としては、例えば、第1の蓄光性蛍光体としては、米国ディグロ カラー株式会社 (DAYBLO COLOR CORPORTION, U.S.A.) から市販されている蓄光蛍光体「ナイトグロ」 (登録商標)」、"NightGlo" (Trade Mark)の例えば品番NGX-19: 発光色; 青色、発光ピーク波長; 470nm、化学組成; Sr2MgSi2O7:Dy,Euなどが挙げられる。
【0079】
好ましく使用できる「第2の励起波長帯域の光線EX-2によって励起され、可視光線を含む第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線AG-2を発する第2の蓄光性蛍光体11」としては、例えば、前述の特開2000-144129公開公報 (特許文献3) に記載の、MAl4 O7 で表される化合物(但し、MはMg,Ca,Sr,Baからなる群から選ばれる少なくとも1つ以上の金属元素)を母体材料とし、賦活剤としてEuを添加し、さらに共賦活剤としてTi,Zr,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Nb,Mo,Ta,W,Bi,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luから選ばれる少なくとも1つ以上の元素を添加することにより構成する可視光で励起される蓄光性蛍光体が挙げられる。
【0080】
前述の特開2000-144129公開公報の図1及び明細書第0014、0015段には、母体材料であるSrAl47 に賦活剤となる0.7mol%のEuと、共賦活剤となる0.3mol%のDyを添加し、それを還元雰囲気(Ar+H2 ,5%)中、1300℃で4時間焼成した後、粉砕した、化学式SrAl24 :Eu,Dyの蓄光性蛍光体粉末は励起スペクトルのピーク波長が427nmであり、可視光によっても励起され、発光スペクトルのピーク波長が490nmなので、この蓄光性蛍光体は本発明の第1、第2の形態の第2の蓄光性蛍光体11として好適に用いられる。
【0081】
好ましく使用できる可視光励起蓄光性蛍光体としては、前述の特開2000-144129公開公報に開示の可視光励起蓄光性蛍光体に限定されず、例えば、前述の特開2000-309775公開公報(特許文献4)に開示の可視光励起蓄光性蛍光体などを使用しても良い。この特許文献4に開示の可視光励起蓄光性蛍光体は、化学組成式がMO・aSiO2・bR2O・cX・dM'23:EuyLnz(ただし、MはBa,Sr,Ca,Mg等のアルカリ土類金属およびZnからなる群から選ばれる1種または2種以上であり、RはLi、Na、Kのアルカリ金属イオンからなる群から選ばれる少なくとも1種以上であり、XはF、Cl、Br、Iからなる群から選ばれる少なくとも1種以上であり、M'はBまたはAlであり、賦活剤としてEuまたはPbを用い、賦活共賦活剤としてLn (LnはSc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Cr,Mn,Bi,Sn,In,Sb,As,Ti,Zr,Hf,P,Nb,Ta,V,Mo,Wの中から選ばれる少なくとも1種以上である。)を用いた可視光励起蓄光性蛍光体である。
【0082】
また第2の蓄光性蛍光体11として、前述の特開2000-309775公開公報(特許文献4)に開示の可視光励起、可視光発光蓄光性蛍光体を用いても良い。
【0083】
即ち、この特開2000-309775公開公報(特許文献4)に開示の可視光励起、可視光発光蓄光性蛍光体は、可視光を照射した後の発光スペクトルにおいて、530nmを越える波長の発光ピークを有することに加えて、440nmを越えて530nm以下の範囲に少なくとももう一つ以上の発光ピークを有する蓄光性蛍光体であって、530nmを越える発光ピーク波長の励起スペクトルにおいて400nmを越えて450nm以下の範囲に最大励起波長を有し、かつ、440nmを越えて530nm以下の発光ピーク波長の励起スペクトルにおいて300nm以上400nm以下の範囲に最大励起波長を有する蓄光性蛍光体である。即ち、この蓄光性蛍光体は400nmから450nmまでの範囲に最大励起波長を有する可視光線によって励起され530nmを越える発光ピーク波長の可視光線を発し、また300nmから400nmまでの範囲に最大励起波長を有する可視光線によって励起され440nmから530nmまでの範囲の発光ピーク波長の可視光線を発する。
【0084】
(本発明の第2の実施の形態)
【0085】
本発明の第2の実施の形態を図1、図4、図5を参照して詳細に説明する。
【0086】
第2の実施の形態の説明において、前述の第1の実施の形態と共通又は重複する説明は出来るだけ省略する。
【0087】
図4、図5は第2の実施の形態の蓄光性発光装置200を示し、図4は部分的に切り欠いて断面とした部分的な概念的斜視図及び図5は図4の (4)-(4) 線に沿って切断した部分的な概念的拡大断面図である。
【0088】
図4、図5において、第1の蓄光性蛍光体粒子10と第2の蓄光性蛍光体11を区別するために、第1の蓄光性蛍光体粒子10は模式的に楕円形で表わされ、第2の蓄光性蛍光体11は模式的に円形で表わされている。第1の蓄光性蛍光体粒子10と第2の蓄光性蛍光体粒子11の実際の形状、寸法は任意である。
【0089】
図1、図4、図5において、第2の実施の形態の蓄光性発光装置200は、第1の励起波長帯域の光線EX-1によって励起され、可視光線を含む第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線AG-1を発する複数の粒子状、粉末状の複数の第1の蓄光性蛍光体10と、第2の励起波長帯域の光線EX-2によって励起され、可視光線を含む第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線AG--2を発する複数の粒子状、粉末状の複数の第2の蓄光性蛍光体11とを光透過性の有機ポリマー、無機ガラスなどのフィルム状、シート状、板状の光透過性部材17中に直接、分散させた2種の蓄光性蛍光体10、11を混合して含有させたものである。この際に、蓄光性発光層20内で第1、第2の蓄光性蛍光体10、11を光結合させるために、2種の両方の蓄光性蛍光体10、11が出来るだけ互いに隣接して配置されるように光透過性部材17内に含有させるのが望ましい。
【0090】
光透過性部材17としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などの光透過性を有する透明ポリマー、透明シリコーンゴム又は透明ガラスなどの任意のフィルム状、シート状、板状の光透過性部材が用いられる。
【0091】
2種の蓄光性蛍光体粒子10、11を光透過性部材17の成型材料に混合、分散させて成型してシート状、板状などの蓄光性成型物品にするときに、用途などによって異なるが、蓄光性蛍光体粒子10、11の合計含有量は、例えば蓄光性成型物品200の約0.1から90wt%程度の範囲内、通常約5から60wt%程度でよい。
【0092】
(本発明の第3の実施の形態)
【0093】
第3の実施の形態を図1、図6を参照して詳細に説明する。
【0094】
第3の実施の形態の説明において、前述の第1の実施の形態と共通する説明は出来るだけ省略する。
【0095】
図6は第3の実施の形態の蓄光性発光装置300を示し、図5は部分的に切り欠いて断面とした概念的斜視図である。
【0096】
図1、図6において、第3の実施の形態の蓄光性発光装置300は、第1の励起波長帯域の光線EX-1によって励起され、可視光線を含む第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線AG-1を発する複数の粒子状、粉末状の複数の第1の蓄光性蛍光体10と、第2の励起波長帯域の光線EX-2によって励起され、可視光線を含む第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線AG--2を発する複数の粒子状、粉末状の複数の第2の蓄光性蛍光体11を光透過性を有する有機ポリマー、無機ガラスなどの光透過性成型材料17中に混合して含有させて立体的な任意な形状 (図6ではほぼ星形の立体を例示) などに成型した蓄光性成型物である。
【0097】
光透過性成型材料17としては、公知の光透過性を有する任意の熱可塑性樹脂または任意の熱又は光硬化性樹脂が用いられる。
【0098】
前記熱可塑性樹脂成型材料17としては、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド、ポリウレタンなど、それらの共重合体、ポリウレタン系やポリエチレン系などの熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。前記熱又は光硬化性樹脂成型材料17としては、例えばシリコーン樹脂、シリコーンゴム、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。
【0099】
2種の蓄光性蛍光体粒子10、11を光透過性部材17の成型材料に混合、分散させて成型して任意の立体形状の蓄光性成型物品300にするときに、用途などによって異なるが、蓄光性蛍光体粒子10、11の合計含有量は、例えば蓄光性成型物品の約0.1から90wt%程度の範囲内、通常約5から60wt%程度でよい。
【0100】
(本発明の第4の実施の形態)
【0101】
本発明の第4の実施の形態を図1、図7、図8A、図8B、図8Cを参照して詳細に説明する。
【0102】
第4の実施の形態の説明において、前述の第1乃至第3実施の形態と共通、重複する説明は出来るだけ省略する。
【0103】
図7は第4の実施の形態の蓄光性発光装置400を示し、図7は部分的に切り欠いて断面とした概念的斜視図である。
【0104】
図8A、図8B、図8Cは各種の蓄光性部材40、50、60を示す概念的拡大断面図である。
【0105】
図7 (図8A、図8B、図8C) において、第4の実施の形態の蓄光性発光装置400は、第1の励起波長帯域の光線EX-1によって励起され、可視光線を含む第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線AG-1を発する複数の粒子状、粉末状の複数の第1の蓄光性蛍光体10と、第2の励起波長帯域の光線EX-2によって励起され、可視光線を含む第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線AG--2を発する複数の粒子状、粉末状の複数の第2の蓄光性蛍光体11とを含有する光透過性を有する有機ポリマー、無機ガラスなどの顆粒(グラニュール)状、ペレット状、ビーズ状の蓄光性蛍光体含有部材 (蓄光性蛍光体含有素子) 40、50、60を、光透過性を有する有機ポリマー、無機ガラスなどの光透過性成型材料17中に混合して含有させて立体的な任意な形状 (図7ではほぼ星形の立体を例示) などに成型した蓄光性成型物である。
【0106】
図8Aに示す顆粒(グラニュール)状、ペレット状、ビーズ状の蓄光性蛍光体含有部材 (蓄光性蛍光体含有素子) 40は、複数の粒子状、粉末状の複数の第1の蓄光性蛍光体10と、複数の粒子状、粉末状の複数の第2の蓄光性蛍光体11を、光透過性を有する有機ポリマー、無機ガラスなどの顆粒(グラニュール)状、ペレット状、ビーズ状の光透過性材料17中に分散して含有させたものである。光透過性材料17としては、例えば前述の熱硬化性エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂、例えば前述のアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性樹脂の成形温度で溶融しない、比較的高融点なものが用いられる。
【0107】
図8Bに示す顆粒(グラニュール)状、ペレット状、ビーズ状の蓄光性部材50は、複数の粒子状、粉末状の複数の第1の蓄光性蛍光体10を、光透過性を有する有機ポリマー、無機ガラスなどの光透過性芯 (コア) 17に分散した第1の蓄光性蛍光体含有芯と、芯の表面に複数の第2の蓄光性蛍光体11を光透過性バインダー (結合剤) 17に分散して含有させて被覆した 殻(シェル) とからなる芯-殻構造の蓄光性蛍光体含有部材 (蓄光性蛍光体含有素子)である。
【0108】
図8Cに示す顆粒(グラニュール)状、ペレット状、ビーズ状の蓄光性部材60は、複数の粒子状、粉末状の複数の第2の蓄光性蛍光体11を、光透過性を有する有機ポリマー、無機ガラスなどの光透過性芯 (コア) 17に分散した第2の蓄光性蛍光体含有芯と、芯の表面に複数の第1の蓄光性蛍光体10を光透過性バインダー (結合剤) 17に分散して含有させて被覆した 殻(シェル) とからなる芯-殻構造の蓄光性蛍光体含有部材 (蓄光性蛍光体含有素子)である。
【0109】
(本発明の第5の実施の形態)
【0110】
本発明の第5の実施の形態を再び図1、図9、図10を参照して詳細に説明する。第1の蓄光性蛍光体粒子10と第2の蓄光性蛍光体11を区別するために、第1の蓄光性蛍光体粒子10は模式的に楕円形で表わされ、第2の蓄光性蛍光体11は模式的に円形で表わされている。第1の蓄光性蛍光体粒子10と第2の蓄光性蛍光体11の実際の形状、寸法は任意である。
【0111】
図9、図10は第5の実施の形態の蓄光性発光装置500を示し、図9は部分的に切り欠いて断面とした部分的な概念的斜視図及び図10は図9の (10) ・ (10) 線に沿って切断した概念的拡大断面図である。
【0112】
この第5の実施の形態では、前述の各種の実施の形態と異なる点を説明し、前述の実施の形態と同様な点、重複する点については説明を省略する。
【0113】
図9、図10において、蓄光性発光装置500は、透明、半透明な光透過性又は不透明な非光透過性を有するシート状、板状等の支持体30と支持体の一表面 (又は両面) に形成された複数の第1の蓄光性蛍光体10を含有する第1の蓄光性発光層80と第1の蓄光性発光層80上に形成された第2の蓄光性蛍光体11を含有する第2の蓄光性発光層70とからなる。
【0114】
第1の蓄光性発光層80は、第1の励起波長帯域の光線EX-1によって励起され、可視光線を含む第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線AG-1を発する複数の粒子状、粉末状の複数の第1の蓄光性蛍光体顔料 (残光性顔料) 10を光透過性の有機ポリマーなどの光透過性のバインダー (結合剤) 14中に分散して支持体30の一表面 (又は両面)に塗布し、乾燥、硬化、固化させた一種の第1の蓄光性蛍光体 (蓄光性顔料、残光性顔料) 10を含有させたものである。
【0115】
第2の蓄光性発光層70は、第2の励起波長帯域の光線EX-2によって励起され、可視光線を含む第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線AG--2を発する複数の粒子状、粉末状の複数の第2の蓄光性蛍光体顔料 (残光性顔料) 11を、光透過性の有機ポリマーなどの光透過性のバインダー (結合剤) 19中に分散して、第1の蓄光性発光層80上に塗布し、乾燥、硬化、固化させたものである。
【0116】
(本発明の第6の実施の形態)
【0117】
本発明の第6の実施の形態を図1、図11、図12を参照して詳細に説明する。第1の蓄光性蛍光体粒子10と第2の蓄光性蛍光体11を区別するために、第1の蓄光性蛍光体粒子10は模式的に楕円形で表わされ、第2の蓄光性蛍光体11は模式的に円形で表わされている。第1の蓄光性蛍光体粒子10と第2の蓄光性蛍光体11の実際の形状、寸法は任意である。
【0118】
図11、図12は第6の実施の形態の蓄光性発光装置600を示し、図11は部分的に切り欠いて断面とした部分的な概念的斜視図及び図12は図11の (12) ・ (12) 線に沿って切断した概念的拡大断面図である。
【0119】
この第6の実施の形態では、前述の各種の実施の形態と異なる点を説明し、前述の実施の形態と同様な点、重複する点については説明を省略する。
【0120】
図11、図12において、蓄光性発光装置600は、透明、半透明な光透過性又は不透明な非光透過性を有するなシート状、板状等の支持体30と支持体の一表面 (又は両面) に形成された第2の蓄光性蛍光体を含有する第2の蓄光性発光層70と第2の蓄光性発光層70上に形成された第1の蓄光性蛍光体を含有する第1の蓄光性発光層80とからなる。
【0121】
第2の蓄光性発光層70は、第2の励起波長帯域の光線EX-2によって励起され、可視光線を含む第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線AG--2を発する複数の粒子状、粉末状の複数の第2の蓄光性蛍光体顔料 (残光性顔料) 11を、光透過性の有機ポリマーなどの光透過性のバインダー (結合剤) 19中に分散して、支持体30の一表面 (又は両面) にに塗布し、乾燥、硬化、固化させたものである。
【0122】
第1の蓄光性発光層80は、第1の励起波長帯域の光線EX-1によって励起され、可視光線を含む第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線AG-1を発する複数の粒子状、粉末状の複数の第1の蓄光性蛍光体 (蓄光性顔料、残光性顔料) 10を光透過性の有機ポリマーなどの光透過性のバインダー (結合剤) 14中に分散して第2の蓄光性発光層70上に塗布し、乾燥、硬化、固化させたものである。
【0123】
(本発明の第7の実施の形態)
【0124】
本発明の第7の実施の形態を再び図1、図13、図14を参照して詳細に説明する。第1の蓄光性蛍光体粒子10と第2の蓄光性蛍光体11を区別するために、第1の蓄光性蛍光体粒子10は模式的に楕円形で表わされ、第2の蓄光性蛍光体11は模式的に円形で表わされている。第1の蓄光性蛍光体粒子10と第2の蓄光性蛍光体11の実際の形状、寸法は任意である。
【0125】
図13、図14は第7の実施の形態の蓄光性発光装置700を示し、図13は部分的に切り欠いて断面とした部分的な概念的斜視図及び図14は図13の (14) ・(14) 線に沿って切断した概念的拡大断面図である。図13、図14において、第1の蓄光性蛍光体粒子10は模式的に楕円形で表わされ、第2の蓄光性蛍光体11は模式的に円形で表わされている。
【0126】
この第7の実施の形態では、前述の実施の形態と異なる点を説明し、前述の実施の形態と同様な点、重複する点については説明を省略する。
【0127】
図13、図14において、蓄光性発光装置700は、透明、半透明な光透過性を有するシート状、板状等の支持体30と支持体30の一表面に形成された第1の蓄光性蛍光体を含有する第1の蓄光性発光層80と、支持体30の他表面上に形成された第2の蓄光性蛍光体を含有する第2の蓄光性発光層70とからなる。
【0128】
第1の蓄光性発光層80は、第1の励起波長帯域の光線EX-1によって励起され、可視光線を含む第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線AG-1を発する複数の粒子状、粉末状の複数の第1の蓄光性蛍光体 (蓄光性顔料、残光性顔料) 10を光透過性の有機ポリマーなどの光透過性のバインダー (結合剤) 14中に分散して支持体30の一表面上に塗布し、乾燥、硬化、固化させたものである。
【0129】
第2の蓄光性発光層70は、第2の励起波長帯域の光線EX-2によって励起され、可視光線を含む第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線AG--2を発する複数の粒子状、粉末状の複数の第2の蓄光性蛍光体 (蓄光性顔料、残光性顔料) 11を、光透過性の有機ポリマーなどの光透過性のバインダー (結合剤) 19中に分散して、支持体30の他表面上に塗布し、乾燥、硬化、固化させたものである。
【0130】
第1の蓄光性発光層80と第2の蓄光性発光層70とは、その間に介在する光透過性を有するシート状、板状等の支持体30を経由して互いに光学的に結合している。
【0131】
例えば、第1の蓄光性発光層80及び、又は第2の蓄光性発光層70側から第1の蓄光性発光層80と第2の蓄光性発光層70とを励起する光線を所定時間照射すると、その照射停止後に第1の蓄光性蛍光顔料10、第2の蓄光性蛍光顔料11からそれぞれ第1の残光光線AG-1、第2の残光光線AG-2が出射されると共に第1の残光光線AG-1が支持体30を経由して第2の蓄光性蛍光顔料11を励起する。その結果、第2の蓄光性蛍光顔料11からの第2の残光光線AG-2が所定時間延長される。
【0132】
(本発明の第8の実施の形態)
【0133】
本発明の第8の実施の形態は、第1の励起波長帯域の光線によって励起され、第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線を発する第1の蓄光性蛍光体と、第1の発光波長帯域を部分的又は全面的に含む第2の励起波長帯域の光線によって励起され、第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線を発する第2の蓄光性蛍光体とからなる複数種類の蓄光性蛍光体を用い、第1の蓄光性蛍光体に第1の励起波長帯域を含む励起光線を照射することにより、前記励起光線の停止後に第1の残光光線を所定時間発生させること、及び第1の蓄光性蛍光体からの第1残光光線により、第2の蓄光性蛍光体を照射して励起させることからなる蓄光性蛍光体の発光方法である。
【0134】
第8の実施の形態では、前記の各種の実施の形態において、第2の蓄光性蛍光体10をほとんど励起させず、第1の蓄光性蛍光体10のみを励起する光線を照射する。この場合には第2の蓄光性蛍光体11の残光時間を実質的に延長できないが、例えば蓄光性発光層20の発光色は当初、第1の蓄光性蛍光体10からの残光光線AG-1のみの発光色 (例えば、紫色、青色、緑色) であるが、時間の経過に従って第2の蓄光性蛍光体11が残光光線AG-1によって励起され、第1の蓄光性蛍光体10の発光色が弱まり、第2の蓄光性蛍光体11の発光色 (例えば、黄色、オレンジ、ピンク、赤色) が強くなり、ついには第2の蓄光性蛍光体11のみの発光色となる。
【0135】
本発明の他の形態の蓄光性発光装置では、導光性部材 (ライトガイド、ライトパイプ) からなる導光性部材に粒子状の第1の蓄光性蛍光体10と粒子状の第2の蓄光性蛍光体11とを担持させている。
【0136】
以下に記述する本発明の第9乃至第18の実施の形態では、第1の蓄光性蛍光体10と粒子状の第2の蓄光性蛍光体11とを担持させる担持部材として前記導光性部材 (ライトガイド、ライトパイプ)として光ファイバを用いている。
【0137】
(本発明の第9の実施の形態)
【0138】
図15を参照して本発明の第9の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置800を説明する。
【0139】
図15は本発明の第9の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置800を示す概念的な斜視図である。
【0140】
光ファイバ型蓄光性発光装置800は、任意の長さの長尺かつ柔軟性を有する導光性部材からなる光ファイバ・コア (芯) 71とコア (芯) 71内に分散して配置された粒子状の第1の蓄光性蛍光体10 (複数の第1の蓄光性蛍光顔料)と粒子状の第2の蓄光性蛍光体11 (複数の第2の蓄光性蛍光顔料)とからなる。
【0141】
複数の第1の蓄光性蛍光顔料10と複数の第2の蓄光性蛍光顔料11は、出来るだけ均一に混合されてアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂などの有機ポリマーからなる長尺かつ柔軟性を有する光透過性及び高い屈折率を有する導光性コア (芯) 71内にその一端面 (エンド・フェース) EF1から他端面EF1に亘って分散して含有されている。
【0142】
光ファイバ型蓄光性発光装置800の一端面EF-1及び、又は他端面EF-2から導光性コア (芯) 71内に第1の蓄光性蛍光顔料10と複数の第2の蓄光性蛍光顔料11を励起し得る光線を入射すると前記光線の一部は屈折率の高い導光性コア (芯) 71の表面 (側面) と導光性コア (芯) 71より屈折率の低い空気との界面において内部全反射を繰り返してその長さに亘って伝達される。
【0143】
第1、第2の蓄光性蛍光顔料10、11の導光性コア (芯) 71内の含有量は約0.1wt%乃至50wt%程度であり、約1wt%乃至20wt%程度が望ましい。
【0144】
第1、第2の蓄光性蛍光顔料10、11の導光性コア (芯) 71内の含有量が50wt%を超えると一端面EF-1及び、又は他端面EF-1からの入射光線を遠くまで伝達し難くなりまた前記含有量が0.1wt%未満だと入射光線を遠くまで伝達できる第1、第2の蓄光性蛍光顔料10、11に吸収される確立が低くなるので、第1、第2の蓄光性蛍光顔料10、11からのが残光光線 (図1に示す第1の残光光線AG-1、第2の残光光線AG-2) の光量が少なくなる。
【0145】
前記光線の一部は導光性コア (芯) 71内の第1、第2の蓄光性蛍光顔料10、11で吸収され、前記光線の照射停止後も第1、第2の蓄光性蛍光顔料10、11からの残光光線 (第1の残光光線AG-1、第2の残光光線AG-2) を発し、所定時間持続する。
【0146】
第1、第2の残光光線AG-1、AG-2の一部は導光性コア (芯) 71の表面 (側面) から外部に出射して観察される。
【0147】
第1蓄光性蛍光顔料10からの他の一部は隣接する第2の蓄光性蛍光顔料11に吸収され、又は導光性コア (芯) 71内を内部全反射により伝達し第2の蓄光性蛍光顔料11に吸収され、第1の残光光線AG-1の持続時間中に第2の蓄光性蛍光顔料11を励起し続ける。これにより第2の蓄光性蛍光顔料11は第2の残光光線AG-2の持続時間が延長される。
【0148】
(本発明の第10の実施の形態)
【0149】
図16を参照して本発明の第10の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置810を説明する。
図16は本発明の第10の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置810を示す概念的な斜視図である。
【0150】
光ファイバ型蓄光性発光装置810は、粒子状の第1の蓄光性蛍光体10 (複数の第1の蓄光性蛍光顔料) を分散して配置した任意の長さの長尺かつ柔軟性を有し、光透過性及び高い屈折率を有する導光性部材からなる光ファイバ・コア (芯) 71と、コア (芯) 71の表面 (側面) 上に被覆され、粒子状の第2の蓄光性蛍光体11 (複数の第2の蓄光性蛍光顔料)と光透過性バインダー (結合材) 72とからなるクラッド (被覆層、鞘: シース)とからなる。
【0151】
複数の第1の蓄光性蛍光顔料10は光ファイバ・コア (芯) 71内に、その一端面EF-1から他端面EF-1に亘って分散して含有されている。複数の第2の蓄光性蛍光顔料11を含有する前記クラッドはコア (芯) 71の表面 (側面) 上に図16に示すように全面的に被覆されている。
【0152】
屈折率n1を有する光ファイバ・コア (芯) 71と屈折率n2を有する光透過性バインダー (結合材) 72の素材は、それらの屈折率の関係がn1=n2、n1>n2又はn1<n2となるように、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ素樹脂などの光透過性、導光性を有する有機ポリマーから選択して用いることが出来る。
【0153】
第1蓄光性蛍光顔料10の導光性コア (芯) 71内の含有量は約0.1wt%乃至50wt%程度であり、約1wt%乃至20wt%程度が望ましい。第2の蓄光性蛍光顔料11の光透過性バインダー、クラッド72内の含有量は約0.1wt%乃至50wt%程度であり、約1wt%乃至20wt%程度が望ましい。
【0154】
前記屈折率の関係をn1=n2と設定した場合、光透過性バインダー、クラッド72は光ファイバ光学的には導光性コア (芯) 71と同じであり、一端面EF-1及び、又は他端面EF-1から導光性コア (芯) 71、光透過性バインダー、クラッド72に入射した光線は、クラッド72の表面 (側面) とクラッド72より低屈折率の空気の界面で全反射を繰り返して導光性コア (芯) 71と光透過性バインダー、クラッド72内を光ファイバ810の長さ方向に伝達する。
【0155】
前記屈折率の関係をn1>n2と設定した場合、一端面EF-1及び、又は他端面EF-1から導光性コア (芯) 71に入射した光線は、導光性コア (芯) 71の表面と導光性コア (芯) 71よりも低屈折率のクラッド72の内面との界面で全反射を繰り返して導光性コア (芯) 71内を光ファイバ810の長さ方向に伝達する。また前記屈折率の関係をn1<n2と設定した場合、光ファイバ810の一端面EF-1及び、又は他端面EF-1から導光性コア (芯) 71に入射した光線は、導光性コア (芯) 71から導光性コア (芯) 71よりも高い屈折率のクラッド72内に漏れ出るので、この光ファイバ810は漏光型 (リーキー: LEAKY) 光ファイバとして機能する。
【0156】
導光性コア (芯) 71には第1の蓄光性蛍光顔料10が存在するので、導光性コア (芯) 71内を光ファイバ810の長さ方向に伝達する光線の一部が第1の蓄光性蛍光顔料10に吸収されて第1の蓄光性蛍光顔料10から残光光線 (図1に示す第1の残光光線AG-1) を発し、所定時間持続する。
【0157】
導光性コア (芯) 71からクラッド72に入った光線はクラッド72内に存在する第2の蓄光性蛍光顔料11を励起し、第2の蓄光性蛍光顔料11からの残光光線 (図1に示す第2の残光光線AG-2) を発し、所定時間持続する。更に第1の蓄光性蛍光顔料10からの第1の残光光線AG-1が第2の蓄光性蛍光顔料11を照射し、第2の蓄光性蛍光顔料11が第1の残光光線AG-1を吸収して励起し、第2の残光光線AG-2の持続時間が延長される。
【0158】
前述の第10の実施の形態において、複数の第2の蓄光性蛍光顔料11を含有する前記クラッド72をコア (芯) 71の表面 (側面) 上に部分的に被覆されても良く、前記クラッド72を部分的に被覆する例を以下の本発明の第11の実施の形態、第12の実施の形態において説明する。
【0159】
(本発明の第11の実施の形態)
【0160】
本発明の第11の実施の形態は前述の第10の実施の形態の一変形であり、第10の実施の形態の説明と共通な部分、重複する点は出来るだけ省略する。
【0161】
図17を参照して本発明の第11の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置820を説明する。
【0162】
図17は本発明の第11の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置820を示す概念的な斜視図である。
【0163】
光ファイバ型蓄光性発光装置820は、粒子状の第1の蓄光性蛍光体10 (複数の第1の蓄光性蛍光顔料) を分散して含有した任意の長さの長尺かつ柔軟性を有し、光透過性及び高い屈折率を有する導光性部材からなる光ファイバ・コア (芯) 71と、コア (芯) 71の表面 (側面) 上に部分的に被覆され、粒子状の第2の蓄光性蛍光体11 (複数の第2の蓄光性蛍光顔料)と光透過性バインダー (結合材) 72とからなる第2の蓄光性蛍光顔料含有クラッド (被覆層、鞘: シース)とからなる。
【0164】
第11の実施の形態では図17に示すように第2の蓄光性蛍光顔料含有クラッド72は、蓄光型光ファイバ820のコア (芯) 71の表面 (側面)にその長さ方向に沿って連続してほぼ螺旋状に巻かれるように表面 (側面)に部分的に被覆されている。
【0165】
蓄光型光ファイバ820の一端面EF-1及び、又は他端面EF-1から導光性コア (芯) 71に入射した光線は、導光性コア (芯) 71内を伝達し、導光性コア (芯) 71内の第1の蓄光性蛍光顔料10を励起し、及び螺旋状第2の蓄光性蛍光顔料含有クラッド72に入って第2の蓄光性蛍光顔料11を励起し、第1の蓄光性蛍光顔料10から所定時間第1の残光光線AG-1を発し、第2の蓄光性蛍光顔料11から所定時間第2の残光光線AG-2を発する。
【0166】
更に第1の蓄光性蛍光顔料10からの第1の残光光線AG-1が第2の蓄光性蛍光顔料11を照射し、第2の蓄光性蛍光顔料11が第1の残光光線AG-1を吸収して励起し、第2の残光光線AG-2の持続時間が延長される。
【0167】
第1、第2の残光光線AG-1、AG-2は導光性コア (芯) 71又はクラッド72表面 (側面) から外部に出射して観察される。
【0168】
(本発明の第12の実施の形態)
【0169】
本発明の第12の実施の形態は前述の第10の実施の形態の一変形であり、第10の実施の形態の説明と共通な部分、重複する点は出来るだけ省略する。
【0170】
図18を参照して本発明の第12の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置830を説明する。
【0171】
図18は本発明の第12の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置830を示す概念的な斜視図である。
【0172】
光ファイバ型蓄光性発光装置830は、粒子状の第1の蓄光性蛍光体10 (複数の第1の蓄光性蛍光顔料) を分散して含有した任意の長さの長尺かつ柔軟性を有し、光透過性及び高い屈折率を有する導光性部材からなる光ファイバ・コア (芯) 71と、コア (芯) 71の表面 (側面) 上に部分的に被覆され、粒子状の第2の蓄光性蛍光体11 (複数の第2の蓄光性蛍光顔料)と光透過性バインダー (結合材) 72とからなる第2の蓄光性蛍光顔料含有クラッド (被覆層、鞘: シース)とからなる。
【0173】
第12の実施の形態では、図18に例示すように第2の蓄光性蛍光顔料含有クラッド72は、蓄光型光ファイバ820のコア (芯) 71の表面 (側面)にその長さ方向に沿って一つ又は複数の帯状、ストライプ状の形状のクラッド72として表面 (側面)に部分的に被覆されている。蓄光型光ファイバ830の一端面EF-1及び、又は他端面EF-1から導光性コア (芯) 71に入射した光線は、導光性コア (芯) 71内を伝達し、導光性コア (芯) 71内の第1の蓄光性蛍光顔料10を励起し、及び帯状、ストライプ状の第2の蓄光性蛍光顔料含有クラッド72に入って第2の蓄光性蛍光顔料11を励起し、第1の蓄光性蛍光顔料10から所定時間第1の残光光線AG-1を発し、第2の蓄光性蛍光顔料11から所定時間第2の残光光線AG-2を発する。
【0174】
更に第1の蓄光性蛍光顔料10からの第1の残光光線AG-1が第2の蓄光性蛍光顔料11を照射し、第2の蓄光性蛍光顔料11が第1の残光光線AG-1を吸収して励起し、第2の残光光線AG-2の持続時間が延長される。
【0175】
第1、第2の残光光線AG-1、AG-2は導光性コア (芯) 71又はクラッド72表面 (側面) から外部に出射して観察される。
【0176】
(本発明の第13の実施の形態)
【0177】
図19を参照して本発明の第13の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置840を説明する。
【0178】
図19は本発明の第13の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置840を示す概念的な斜視図である。
【0179】
本発明の第13の実施の形態の説明において、前述の各種の実施の形態の説明と共通な部分、重複する点は出来るだけ省略する。
【0180】
図19に示すように、光ファイバ型蓄光性発光装置840は、任意の長さの長尺かつ柔軟性を有する導光性部材からなる光ファイバ・コア (芯) 71と、その一端面 (エンド・フェース) EF-1から他端面EF-1に亘ってほぼ全面的にコア (芯) 71の表面 (側面) に被覆された光透過性バインダー (結合材) からなるクラッド (被覆層、シース: 鞘) 72とからなり、クラッド72内に粒子状の第1の蓄光性蛍光体10 (複数の第1の蓄光性蛍光顔料)と粒子状の第2の蓄光性蛍光体11 (複数の第2の蓄光性蛍光顔料) とが含有されている。
【0181】
屈折率n1を有する光ファイバ・コア (芯) 71と屈折率n2を有する光透過性バインダー (結合材) 72の素材は、それらの屈折率の関係がn1=n2、n1>n2又はn1<n2となるように、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ素樹脂などの光透過性、導光性を有する有機ポリマーから選択して用いることが出来る。
【0182】
第1蓄光性蛍光顔料10と第2の蓄光性蛍光顔料11のクラッド72内の含有量は約0.1wt%乃至90wt%程度であり、約10wt%乃至70wt%程度が望ましい。
【0183】
前記屈折率の関係をn1=n2と設定した場合、光透過性バインダー、クラッド72は光ファイバ光学的には導光性コア (芯) 71と同じであり、一端面EF-1及び、又は他端面EF-1から導光性コア (芯) 71、光透過性バインダー、クラッド72に入射した光線の一部は、クラッド72の表面 (側面) とクラッド72より低屈折率の空気の界面で全反射を繰り返して導光性コア (芯) 71と光透過性バインダー、クラッド72内を光ファイバ840の長さ方向に伝達する。
【0184】
入射した前記光線の他の一部は、導光性コア (芯) 71と光透過性バインダー、クラッド72を伝達する途中で光透過性バインダー、クラッド72内に分散して存在する第1蓄光性蛍光顔料10、第2の蓄光性蛍光顔料11に吸収されて第1、第2の蓄光性蛍光顔料10、11を励起し残光光線 (図1に示す第1残光光線、第2残光光線) を一定時間、発する。
【0185】
更に、第1の蓄光性蛍光顔料10からの第1残光光線により、第2の蓄光性蛍光顔料11が照射、励起され、第2の蓄光性蛍光顔料11からの第2残光光線の残光時間が延長される。
【0186】
前記屈折率の関係をn1>n2と設定した場合、一端面EF-1及び、又は他端面EF-1から導光性コア (芯) 71に入射した光線の一部は、導光性コア (芯) 71の表面と導光性コア (芯) 71よりも低屈折率のクラッド72の内面との界面で全反射を繰り返して導光性コア (芯) 71内を光ファイバ810の長さ方向に伝達する。
【0187】
導光性コア (芯) 71に全反射の条件を満たない角度で入射した光線は、導光性コア (芯) 71の表面からクラッド72の内部に入り、クラッド72に分散している第1蓄光性蛍光顔料10、第2の蓄光性蛍光顔料11に吸収されて第1、第2の蓄光性蛍光顔料10、11を励起し残光光線 (図1に示す第1残光光線、第2残光光線) を一定時間、発する。
【0188】
導光性コア (芯) 71に全反射の条件を満たさない角度で入射した光線は、導光性コア (芯) 71の表面からクラッド72の内部に入り、クラッド72に分散している第1蓄光性蛍光顔料10、第2の蓄光性蛍光顔料11に吸収されて第1、第2の蓄光性蛍光顔料10、11を励起し残光光線 (図1に示す第1残光光線、第2残光光線) を一定時間、発する。
【0189】
また予め光ファイバ型蓄光性発光装置840に漏光部を生じるように、例えば部分的に曲げて配置するか、導光性コア (芯) 71の表面に凹凸部、租面部等を設けて漏光型(リーキー: LEAKY)光ファイバとする場合には、導光性コア (芯) 71を内部全反射により伝達する光線が前記漏光部で導光性コア (芯) 71からクラッド72の内部に入り、クラッド72に分散している第1蓄光性蛍光顔料10、第2の蓄光性蛍光顔料11に吸収されて第1、第2の蓄光性蛍光顔料10、11を励起し残光光線 (図1に示す第1残光光線AG-1、第2残光光線AG-2) を一定時間、発する。
【0190】
前記屈折率の関係をn1<n2と設定した場合、光ファイバ810の一端面EF-1及び、又は他端面EF-1から導光性コア (芯) 71に入射した光線は、導光性コア (芯) 71から導光性コア (芯) 71よりも高い屈折率のクラッド72内に漏れ出るので、この光ファイバ810は漏光型 (リーキー: LEAKY) 光ファイバとして機能する。
【0191】
導光性コア (芯) 71には第1の蓄光性蛍光顔料10が存在するので、導光性コア (芯) 71内を光ファイバ810の長さ方向に伝達する光線の一部が第1の蓄光性蛍光顔料10に吸収されて第1の蓄光性蛍光顔料10から残光光線 (図1に示す第1の残光光線AG-1) を発し、所定時間持続する。
【0192】
導光性コア (芯) 71からクラッド72に入った光線はクラッド72内に存在する第2の蓄光性蛍光顔料11を励起し、第2の蓄光性蛍光顔料11からの残光光線 (図1に示す第2の残光光線AG-2) を発し、所定時間持続する。
【0193】
更に第1の蓄光性蛍光顔料10からの第1の残光光線AG-1が第2の蓄光性蛍光顔料11を照射し、第2の蓄光性蛍光顔料11が第1の残光光線AG-1を吸収して励起し、第2の残光光線AG-2の持続時間が延長される。
【0194】
前述の第13の実施の形態において、複数の第1、第2の蓄光性蛍光顔料10、11を含有する前記クラッド72をコア (芯) 71の表面 (側面) 上に部分的に被覆されても良く、前記クラッド72を部分的に被覆する例を以下の本発明の第14の実施の形態、第15の実施の形態において説明する。
【0195】
(本発明の第14の実施の形態)
【0196】
本発明の第14の実施の形態は前述の第13の実施の形態の一変形であり、第13の実施の形態の説明と共通な部分、重複する点は出来るだけ省略する。
【0197】
図20を参照して本発明の第14の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置850を説明する。
【0198】
図20は本発明の第14の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置850を示す概念的な斜視図である。
【0199】
光ファイバ型蓄光性発光装置850は、任意の長さの長尺かつ柔軟性を有し、光透過性を有する導光性部材からなる光ファイバ・コア (芯) 71と、コア (芯) 71の表面 (側面) 上に部分的に被覆され、粒子状の第1の蓄光性蛍光体10 (複数の第1の蓄光性蛍光顔料) と粒子状の第2の蓄光性蛍光体11 (複数の第2の蓄光性蛍光顔料)とを分散させた光透過性バインダー (結合材)とからなる第2の蓄光性蛍光顔料含有クラッド (被覆層、鞘: シース) 72とからなる。
【0200】
第14の実施の形態では図20に示すように第1、第2の蓄光性蛍光顔料含有クラッド72は、蓄光型光ファイバ850のコア (芯) 71の表面 (側面)にその長さ方向に沿って連続してほぼ螺旋状に巻かれるように部分的に被覆されている。
【0201】
蓄光型光ファイバ850の一端面EF-1及び、又は他端面EF-1から導光性コア (芯) 71に入射した光線は、導光性コア (芯) 71内を伝達し、また前記光線の一部が導光性コア (芯) 71から螺旋状第1、第2の蓄光性蛍光顔料含有クラッド72に入射し、クラッド72内に分散された第1、第2の蓄光性蛍光顔料10、11を励起し、第1の蓄光性蛍光顔料10から所定時間第1の残光光線AG-1を発し、第2の蓄光性蛍光顔料11から所定時間第2の残光光線AG-2を発する。
【0202】
更に第1の蓄光性蛍光顔料10からの第1の残光光線AG-1が第2の蓄光性蛍光顔料11を照射し、第2の蓄光性蛍光顔料11が第1の残光光線AG-1を吸収して励起し、第2の残光光線AG-2の持続時間が延長される。
【0203】
第1、第2の残光光線AG-1、AG-2はクラッド72表面 (側面) から外部に出射して観察される。
【0204】
(本発明の第15の実施の形態)
【0205】
本発明の第15の実施の形態は前述の第13の実施の形態の一変形であり、第13の実施の形態の説明と共通な部分、重複する点は出来るだけ省略する。
【0206】
図21を参照して本発明の第15の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置860を説明する。
【0207】
図21は本発明の第15の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置860を示す概念的な斜視図である。
【0208】
光ファイバ型蓄光性発光装置860は、任意の長さの長尺かつ柔軟性を有し、光透過性を有する導光性部材からなる光ファイバ・コア (芯) 71と、コア (芯) 71の表面 (側面) 上に部分的に被覆され、光透過性バインダー (結合材)内に分散して含有された、粒子状の第1の蓄光性蛍光体10 (複数の第1の蓄光性蛍光顔料)と粒子状の第2の蓄光性蛍光体11 (複数の第2の蓄光性蛍光顔料) とからなる第1、第2の蓄光性蛍光顔料含有クラッド (被覆層、鞘: シース) 72とからなる。
【0209】
第15の実施の形態では、図21に例示すように第1、第2の蓄光性蛍光顔料含有クラッド72は、蓄光型光ファイバ820のコア (芯) 71の表面 (側面)にその長さ方向に沿って一つ又は複数の帯状、ストライプ状の形状のクラッド72として表面 (側面)に部分的に被覆されている。
【0210】
蓄光型光ファイバ860の一端面EF-1及び、又は他端面EF-1から導光性コア (芯) 71に入射した光線は、導光性コア (芯) 71内を伝達し、また導光性コア (芯) 71内から帯状、ストライプ状の第1、第2の蓄光性蛍光顔料含有クラッド72に入って第1、第2の蓄光性蛍光顔料10、11を励起し、第1の蓄光性蛍光顔料10から所定時間第1の残光光線AG-1を発し、第2の蓄光性蛍光顔料11から所定時間第2の残光光線AG-2を発する。
【0211】
更に第1の蓄光性蛍光顔料10からの第1の残光光線AG-1が第2の蓄光性蛍光顔料11を照射し、第2の蓄光性蛍光顔料11が第1の残光光線AG-1を吸収して励起し、第2の残光光線AG-2の持続時間が延長される。
【0212】
第1、第2の残光光線AG-1、AG-2は導光性コア (芯) 71又はクラッド72表面 (側面) から外部に出射して観察される。
【0213】
(本発明の第16の実施の形態)
【0214】
本発明の第16の実施の形態は前述の図19を参照して説明した本発明の第13の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置840の一変形であり、第13の実施の形態の説明と共通な部分、重複する点は出来るだけ省略する。
【0215】
図22を参照して本発明の第16の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置870を説明する。
【0216】
図22は本発明の第16の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置870を示す概念的な斜視図である。
【0217】
図22に示すように、光ファイバ型蓄光性発光装置870は、任意の長さの長尺かつ柔軟性を有する導光性部材からなる光ファイバ・コア (芯) 71と、その一端面 (エンド・フェース) EF-1から他端面EF-1に亘ってほぼ全面的にコア (芯) 71の表面 (側面) に全面的に被覆された光透過性バインダー (結合材) からなる第1のクラッド (被覆層、シース: 鞘) 72と、第1のクラッド (被覆層、シース: 鞘) 72の表面 (側面) に全面的に被覆された光透過性バインダー (結合材) からなる第2のクラッド (被覆層、シース: 鞘) 72とからなり、更に第1のクラッド72内に粒子状の第1の蓄光性蛍光体10 (複数の第1の蓄光性蛍光顔料)を分散して含有させ、第2のクラッド (被覆層、シース: 鞘) 72内に粒子状の第2の蓄光性蛍光体11 (複数の第2の蓄光性蛍光顔料) を分散して含有させたものである。
【0218】
屈折率n1を有する光ファイバ・コア (芯) 71と屈折率n2を有する第1のクラッド72の光透過性バインダー (結合材)、屈折率n3を有する第1のクラッド72の光透過性バインダー (結合材)の素材は、それらの屈折率の関係が例えばn1=n2=n3、n1>n2=n3、n1<n2=n3、n1=n2>n3、n1<n2<n3、n1>n2>n3等の任意の組み合わせとなるように、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ素樹脂などの光透過性、導光性を有する有機ポリマーから選択して用いることが出来る。
【0219】
第1の蓄光性蛍光顔料10の第1のクラッド72内の含有量は約0.1wt%乃至90wt%程度であり、約10wt%乃至70wt%程度が望ましい。
【0220】
第2の蓄光性蛍光顔料11の第2のクラッド73内の含有量は約0.1wt%乃至90wt%程度であり、約10wt%乃至70wt%程度が望ましい。
【0221】
前記屈折率の関係をn1=n2=n3と設定した場合、第1のクラッド72の第1の光透過性バインダー、第2のクラッド73の光透過性バインダーは光ファイバ光学的には導光性コア (芯) 71と同じであり、一端面EF-1及び、又は他端面EF-1から導光性コア (芯) 71、第1のクラッド72、第2のクラッド73に入射した光線の一部は、第2のクラッド73の表面 (側面) と第2のクラッド73より低屈折率の空気の界面で全反射を繰り返して導光性コア (芯) 71と第1のクラッド72、第2のクラッド73内を光ファイバ870の長さ方向に伝達する。
【0222】
入射した前記光線の他の一部は、導光性コア (芯) 71と第1のクラッド72、第2のクラッド73を伝達する途中で第1のクラッド72内に分散して存在する第1蓄光性蛍光顔料10、第2のクラッド73内に分散して存在する第2の蓄光性蛍光顔料11に吸収されて第1、第2の蓄光性蛍光顔料10、11を励起しそれぞれから残光光線 (図1に示す第1残光光線AG-1、第2残光光線AG-2) を一定時間、発する。
【0223】
更に、第1の蓄光性蛍光顔料10からの第1残光光線AG-1により、第2の蓄光性蛍光顔料11が照射、励起され、第2の蓄光性蛍光顔料11からの第2残光光線AG-2) の残光時間が一定時間延長される。
【0224】
前記屈折率の関係をn1>n2=n3と設定した場合、一端面EF-1及び、又は他端面EF-1から導光性コア (芯) 71に入射した光線の一部は、導光性コア (芯) 71の表面と導光性コア (芯) 71よりも低屈折率のクラッド72の内面との界面で全反射を繰り返して導光性コア (芯) 71内を光ファイバ810の長さ方向に伝達する。
【0225】
導光性コア (芯) 71に全反射の条件を満たない角度で入射した光線は、導光性コア (芯) 71の表面から第1のクラッド72、第2のクラッド73の内部に入り、第1のクラッド72に分散している第1蓄光性蛍光顔料10と第2のクラッド73に分散している第2の蓄光性蛍光顔料11に吸収されて、第1、第2の蓄光性蛍光顔料10、11を励起し残光光線 (図1に示す第1残光光線AG-1、第2残光光線AG-2) を一定時間、発する。
【0226】
導光性コア (芯) 71に全反射の条件を満たさない角度で入射した光線は、導光性コア (芯) 71の表面から第1のクラッド72、第2のクラッド73の内部に入り、第1のクラッド72に分散している第1蓄光性蛍光顔料10と第2のクラッド73に分散している第2の蓄光性蛍光顔料11に吸収されて第1、第2の蓄光性蛍光顔料10、11を励起し残光光線 (図1に示す第1残光光線、第2残光光線) を一定時間、発する。
【0227】
また予め光ファイバ型蓄光性発光装置870に漏光部を生じるように、例えば部分的に曲げて配置するか、導光性コア (芯) 71の表面に凹凸部、租面部等を設けて漏光型(リーキー: LEAKY)光ファイバとする場合には、導光性コア (芯) 71を内部全反射により伝達する光線が前記漏光部で導光性コア (芯) 71から第1のクラッド72、第2のクラッド73の内部に入り、第1のクラッド72、第2のクラッド73に分散しているそれぞれ第1蓄光性蛍光顔料10、第2の蓄光性蛍光顔料11に吸収されて第1、第2の蓄光性蛍光顔料10、11を励起し残光光線 (図1に示す第1残光光線AG-1、第2残光光線AG-2) を一定時間、発する。
【0228】
前記屈折率の関係をn1<n2=n3と設定した場合、光ファイバ870の一端面EF-1及び、又は他端面EF-1から導光性コア (芯) 71に入射した光線は、導光性コア (芯) 71から導光性コア (芯) 71よりも高い屈折率の第1のクラッド72、第2のクラッド73内に漏れ出るので、この光ファイバ870は漏光型 (リーキー: LEAKY) 光ファイバとして機能する。
【0229】
第1のクラッド72には第1の蓄光性蛍光顔料10が存在するので、導光性コア (芯) 71内を光ファイバ810の長さ方向に伝達する光線の一部が漏光となって第1の蓄光性蛍光顔料10に吸収されて第1の蓄光性蛍光顔料10から残光光線 (図1に示す第1の残光光線AG-1) を発し、所定時間持続する。
【0230】
第1のクラッド72から第2のクラッド73に入った漏光光線は第2のクラッド73内に存在する第2の蓄光性蛍光顔料11を励起し、第2の蓄光性蛍光顔料11からの残光光線 (図1に示す第2の残光光線AG-2) を発し、所定時間持続する。
【0231】
更に第1の蓄光性蛍光顔料10からの第1の残光光線AG-1が第2の蓄光性蛍光顔料11を照射し、第2の蓄光性蛍光顔料11が第1の残光光線AG-1を吸収して励起し、第2の残光光線AG-2の持続時間が延長される。
【0232】
前述の第16の実施の形態において、それぞれ複数の第1、第2の蓄光性蛍光顔料10、11を含有する第1のクラッド72、第2のクラッド73をコア (芯) 71の表面 (側面) 上に部分的に被覆されても良く、第1のクラッド72、第2のクラッド73を部分的に被覆する例を以下の本発明の第17の実施の形態、第18の実施の形態において説明する。
【0233】
(本発明の第17の実施の形態)
【0234】
本発明の第17の実施の形態は前述の図22を参照して説明した本発明の第16の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置870の一変形であり、第16の実施の形態の説明と共通な部分、重複する点は出来るだけ省略する。
【0235】
図23を参照して本発明の第17の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置880を説明する。
【0236】
図23は本発明の第17の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置880を示す概念的な斜視図である。
【0237】
図23に示すように、光ファイバ型蓄光性発光装置880は、任意の長さの長尺かつ柔軟性を有する導光性部材からなる光ファイバ・コア (芯) 71と、その一端面 (エンド・フェース) EF-1から他端面EF-1に亘ってほぼ全面的にコア (芯) 71の表面 (側面) に部分的に被覆された光透過性バインダー (結合材) からなる第1のクラッド (被覆層、シース: 鞘) 72と、第1のクラッド (被覆層、シース: 鞘) 72の表面 (側面) に被覆された光透過性バインダー (結合材) からなる第2のクラッド (被覆層、シース: 鞘) 73とからなり、更に第1のクラッド72内に粒子状の第1の蓄光性蛍光体10 (複数の第1の蓄光性蛍光顔料)を分散して含有させ、第2のクラッド (被覆層、シース: 鞘) 73内に粒子状の第2の蓄光性蛍光体11 (複数の第2の蓄光性蛍光顔料) を分散して含有させたものである。
【0238】
第17の実施の形態では、図23に例示すように、第1の蓄光性蛍光顔料を分散して含有させた第1のクラッド72と、第2の蓄光性蛍光顔料を分散して含有させた第2のクラッド73とからなる一つ又は複数の帯状、ストライプ状の形状の複数層クラッド72、73は、光ファイバ880のコア (芯) 71の表面 (側面)にその長さ方向に沿って被覆されている。
【0239】
蓄光型光ファイバ880の一端面EF-1及び、又は他端面EF-1から導光性コア (芯) 71に入射した光線は、導光性コア (芯) 71内を伝達し、また入射光線の一部が複数層クラッド72、73内に漏れ出て、複数層クラッド72、73内の第1、第2の蓄光性蛍光顔料10、11を励起し、第1、第2の蓄光性蛍光顔料10、11からそれぞれ所定時間第1の残光光線AG-1、所定時間第2の残光光線AG-2を発する。
【0240】
更に第1の蓄光性蛍光顔料10からの第1の残光光線AG-1が第2の蓄光性蛍光顔料11を照射し、第2の蓄光性蛍光顔料11が第1の残光光線AG-1を吸収して励起し、第2の残光光線AG-2の持続時間が延長される。
【0241】
第1、第2の残光光線AG-1、AG-2は複数層クラッド72、73の表面 (側面) から外部に出射して観察される。
【0242】
(本発明の第18の実施の形態)
【0243】
本発明の第18の実施の形態は前述の図22を参照して説明した本発明の第16の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置870の一変形であり、第16の実施の形態の説明と共通な部分、重複する点は出来るだけ省略する。
【0244】
図24を参照して本発明の第18の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置890を説明する。
【0245】
図24は本発明の第18の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置890を示す概念的な斜視図である。
【0246】
図24に示すように、光ファイバ型蓄光性発光装置890は、任意の長さの長尺かつ柔軟性を有する導光性部材からなる光ファイバ・コア (芯) 71と、その一端面 (エンド・フェース) EF-1から他端面EF-1に亘ってほぼ全面的にコア (芯) 71の表面 (側面) に部分的に被覆された光透過性バインダー (結合材) からなる第1のクラッド (被覆層、シース: 鞘) 72と、第1のクラッド (被覆層、シース: 鞘) 72の表面 (側面) に被覆された光透過性バインダー (結合材) からなる第2のクラッド (被覆層、シース: 鞘) 73とからなり、更に第1のクラッド72内に粒子状の第1の蓄光性蛍光体10 (複数の第1の蓄光性蛍光顔料)を分散して含有させ、第2のクラッド (被覆層、シース: 鞘) 73内に粒子状の第2の蓄光性蛍光体11 (複数の第2の蓄光性蛍光顔料) を分散して含有させたものである。
【0247】
第18の実施の形態では、図24に例示すように、第1の蓄光性蛍光顔料を分散して含有させた第1のクラッド72と、第2の蓄光性蛍光顔料を分散して含有させた第2のクラッド73とからなる一つ又は複数のリング状の形状の複数層クラッド72、73が、光ファイバ880のコア (芯) 71の表面 (側面)にその長さ方向に沿って部分的に被覆されている。
【0248】
蓄光型光ファイバ890の一端面EF-1及び、又は他端面EF-1から導光性コア (芯) 71に入射した光線は、導光性コア (芯) 71内を伝達し、また入射光線の一部が複数層クラッド72、73内に漏れ出て、複数層クラッド72、73内の第1、第2の蓄光性蛍光顔料10、11を励起し、第1、第2の蓄光性蛍光顔料10、11からそれぞれ所定時間第1の残光光線AG-1、所定時間第2の残光光線AG-2を発する。
【0249】
更に第1の蓄光性蛍光顔料10からの第1の残光光線AG-1が第2の蓄光性蛍光顔料11を照射し、第2の蓄光性蛍光顔料11が第1の残光光線AG-1を吸収して励起し、第2の残光光線AG-2の持続時間が延長される。
【0250】
第1、第2の残光光線AG-1、AG-2はリング状の複数層クラッド72、73の表面 (側面) から外部に出射して観察される。
【0251】
第18の実施の形態の一変形として、第1、第2の蓄光性蛍光顔料10、11を含有する複数層クラッド72、73は図24に例示するリング状の形状の替わりに、図20に示すような螺旋状の形状としても良い。
【0252】
(本発明の第19の実施の形態)
【0253】
本発明の第19の実施の形態では、前述の第1の蓄光性蛍光体10と第2の蓄光性蛍光体11とを担持させる前記導光性部材 (ライトガイド、ライトパイプ)として導光板を用いている。
【0254】
図25は第19の実施の形態のエッジライト照射・導光板型蓄光性発光装置900を示した概念的斜視図である。
【0255】
本発明の第19の実施の形態は前述の第9乃至第18の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置の一変形であり、前述の第9乃至第18の実施の形態の説明と共通な部分、重複する点は出来るだけ省略する。
【0256】
エッジライト照射・導光板型蓄光性発光装置900は、例えば板状の導光部材、導光板71Aと、導光板71Aの第1の主表面MF1 (及び、又は第1の主表面MS1と対向する第2の主表面MS2) に部分的、又は全面的に形成された複数、又は一つの蓄光蛍光層90と、対向する第1の端面EF1及び、又は第2の端面EF2に配置された複数の発光ダイオードLEDとからなる。
【0257】
蓄光蛍光層90は、複数の第1の蓄光性蛍光体顔料10と複数の第2の蓄光性蛍光体11とを単一又は複数の光透過性バインダー層に分散させて含有することが出来る。
【0258】
複数の蓄光蛍光層90は、例えば複数の帯状、ストライプ状の互いに一定間隔又は可変する間隔を離れた平行な蓄光蛍光層とすることができる。
【0259】
図25に示す例では、複数の蓄光性蛍光層 (蓄光性発光層) 90は、ほぼ矩形の導光板71Aと、複数の帯状、ストライプ状の蓄光性蛍光層90が第1の端面EF1と第2の端面EF2との間で導光板71Aの第1の主表面MS1に互いに一定間隔を離れて平行に形成、配置されている。
【0260】
蓄光性蛍光層 (蓄光性発光層) 90として、図2、図3を参照して説明した第1の実施の形態における複数の第1の蓄光性蛍光体顔料10と複数の第2の蓄光性蛍光体11とを単一な光透過性バインダー層12に分散させた蓄光性蛍光層 (蓄光性発光層) 20を用いても良い。
【0261】
蓄光性蛍光層 (蓄光性発光層) 90として、図9、図10を参照して説明した第4の実施の形態又は図11、図12を参照して説明した第5の実施の形態における蓄光性蛍光層 (蓄光性発光層) 70及び80を用いても良い。
【0262】
蓄光性蛍光層 (蓄光性発光層) 90を設ける替わりに、図4、図5を参照して説明した第2の実施の形態の蓄光性蛍光成型部材200のように板状の導光部材、導光板71Aの内部に直接、複数の第1の蓄光性蛍光体顔料10と複数の第2の蓄光性蛍光体11とを分散させ含有させても良い。また前記第1、第2の蓄光性蛍光体顔料10、11のいずれか一方が前記板状導光性部材71A内に分散して含有され、前記第1、第2の蓄光性蛍光体顔料10、11の他方が光透過性バインダー層に分散して含有された蓄光性発光層を備え、前記蓄光性発光層が前記第1の表面及び、又は前記第2表面に部分的又は全面的に形成しても良い。
【0263】
板状の導光部材、導光板71Aの内部に直接、複数の第1の蓄光性蛍光体顔料10を分散含有させ、光透過性バインダー内に複数の第2の蓄光性蛍光体11を分散させた第2の蓄光性蛍光体11を含有する蓄光性蛍光層 (蓄光性発光層)を導光部材、導光板71Aの主表面MS1及び、又は主表面MS2に部分的又は全面的に形成配置しても良い。
【0264】
複数の発光ダイオードLEDとして、その少なくとも一つが第1の蓄光性蛍光体顔料10及び第2の蓄光性蛍光体顔料11を励起し得る例えば近紫外線、紫色、青色等の短波長可視光線、又は白色光線を発するものを用いることが出来る。
【0265】
発光ダイオードLEDから出射した光線は、エッジライト照射・導光板型蓄光性発光装置900の第1の端面EF1及び、又は第2の端面EF2から導光板71Aの内部に導入され、導光板71Aの第1の主表面MF1と第2の主表面MF2との間を、内部全反射を繰り返して第1の端面EF1及び、又は第2の端面EF2から離れた中央部方向に伝達される。
【0266】
前記光線の一部は、その途中で複数の蓄光蛍光層90内に入り、蓄光蛍光層90に分散されている第1の蓄光性蛍光体顔料10及び第2の蓄光性蛍光体顔料11を照射し、励起する。
【0267】
発光ダイオードLEDからの発光停止後に、第1の蓄光性蛍光体顔料10から例えば青色等の短波長可視光線からなる第1の残光光線を発し、第2の蓄光性蛍光体顔料11から例えば緑色、黄色、赤色等の比較的に長波長の可視光線からなる第2の残光光線を発するものを用いることが出来る。
【0268】
第1の蓄光性蛍光体顔料10として、第1の蓄光性蛍光体顔料10からの第1の残光光線により第2の蓄光性蛍光体顔料11を励起し得るものを用いる場合には、第2の蓄光性蛍光体顔料11からの第2の残光光線の残光時間を延長させることが出来る。
【0269】
(本発明の第20の実施の形態)
【0270】
本発明の第20の実施の形態では、前述の本発明の第20の実施の形態の一変形である。
【0271】
本発明の第20の実施の形態は前述の第19の実施の形態のエッジライト照射・導光板型蓄光性発光装置900の一変形であり、前述の第19の実施の形態の実施の形態の説明と共通な部分、重複する点は出来るだけ省略する。
【0272】
図26は本発明の第20の実施の形態のエッジライト照射・導光板型蓄光性発光装置910を示す概念的斜視図である。
【0273】
エッジライト照射・導光板型蓄光性発光装置910は、例えば板状の導光部材、導光板71Bと、導光板71Bの第1の主表面MF1 (及び、又は第1の主表面MS1と対向する第2の主表面MS2) に部分的、又は全面的に形成された複数、又は一つの蓄光蛍光層92と、対向する第1の端面EF1及び、又は第2の端面EF2に配置された複数の発光ダイオードLEDとからなることが出来る。
【0274】
本発明の第20の実施の形態のエッジライト照射・導光板型蓄光性発光装置910では、導光板71Bの一方の端面EF1に複数の発光ダイオードLEDを配置している。
【0275】
本発明の第20の実施の形態のエッジライト照射・導光板型蓄光性発光装置910では、導光板71Bとして一方の端面EF1から他端面にEF2に向かって導光板71Bの厚み (端面EF1及び EF2間の距離) が図26に示すように連続的に又は断続的に (図示せず) 減少するように変化しているほぼテーパー状の導光部材を用いている。
【0276】
図26に示すように複数の蓄光蛍光層91は、第1、第2の蓄光性顔料10、11を分散させた光透過性バインダー層からなり、第1の主表面MF1 及び、又は第2の主表面MS2に均一、又は不均一に分布して配置された複数の点状、島状パターンを有する蓄光蛍光層であっても良い。
【0277】
図26に示す点状、島状パターンを有する蓄光蛍光層91は、その替わりに図25に示す帯状、ストライプ状の蓄光蛍光層90としても良い。
【0278】
発光ダイオードLEDから出射した光線は、エッジライト照射・導光板型蓄光性発光装置910の第1の端面EF1から導光板71Aの内部に導入され、導光板71Aの第1の主表面MF1と第2の主表面MF2との間を、内部全反射を繰り返して第2の端面EF2の方向に伝達される。
【0279】
本発明の第20の実施の形態では、導光板71Bとして一方の端面EF1から他端面にEF2に向かって厚みが減少するほぼテーパー状の導光部材を用いているので、内部全反射を繰り返して導光板71Bを進行する光線は、第1の主表面MF1に当たる角度が徐々に全反射の条件を満足しなくなって蓄光蛍光層91に導入され、蓄光蛍光層91内に含有された第1、第2の蓄光性顔料10、11を励起する。そして第1、第2の蓄光性顔料10、11から第1、第2の残光光線を出射し、外部から第1、第2の残光光線が観察される。
【0280】
更に、前述の各種の実施の形態における各種の構成要素を任意に組み合わせて更に他の実施の形態の蓄光性蛍光装置、蓄光性発光装置を得ることが出来る。
【0281】
以上に添付図面を参照して本発明の各種の実施の形態を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されず、本発明の精神と特許請求の範囲に基づいて各種の変形、設計変更、改良および均等物の提供が可能であることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0282】
【図1】図1は第1の蓄光性蛍光体と第2の蓄光性蛍光体の励起波長と発光波長の関係を示す模式的なグラフである。縦軸は励起光線の強度(任意単位)と発光光線の輝度(任意単位)を示し、横軸は発光波長を示す。
【図2】図2は第1の実施の形態の蓄光性発光装置100を示し、部分的に切り欠いて断面とした部分的な概念的斜視図である。
【図3】図3は図2の(3)-(3)線に沿って切断した部分的な蓄光性発光装置100の概念的部分拡大断面図である。
【図4】図4は第2の実施の形態の蓄光性発光装置200を示し、部分的に切り欠いて断面とした概念的斜視図である。
【図5】図5は図4の(5)-(5)線に沿って切断した概念的部分拡大断面図である。
【図6】図6は第3の実施の形態の蓄光性発光装置300を示し、部分的に切り欠いて断面とした概念的斜視図である。
【図7】図7は第4の実施の形態の蓄光性発光装置400を示し、部分的に切り欠いて断面とした概念的斜視図である。
【図8】図8A、図8B、図8Cは蓄光性発光装置400に含有する各種の蓄光性部材40、50、60を示す概念的拡大断面図である。
【図9】図9は第5の実施の形態の蓄光性発光装置500を示し、部分的に切り欠いて断面とした概念的斜視図である。
【図10】図10は図9の(10)-(10)線に沿って切断した概念的部分拡大断面図である。
【図11】図11は第6の実施の形態の蓄光性発光装置600を示し、部分的に切り欠いて断面とした概念的斜視図である。
【図12】図12は図11の(12)-(12)線に沿って切断した蓄光性発光装置600の概念的部分拡大断面図である。
【図13】図13は第7の実施の形態の蓄光性発光装置700を示し、部分的に切り欠いて断面とした概念的斜視図である。
【図14】図14は図13の(14)-(14)線に沿って切断した蓄光性発光装置700の概念的部分拡大断面図である。
【図15】図15は第9の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置800を示した概念的斜視図である。
【図16】図16は第10の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置810を示した概念的斜視図である。
【図17】図17は第11の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置820を示した概念的斜視図である。
【図18】図18は第12の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置830を示した概念的斜視図である。
【図19】図19は第13の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置840を示した概念的斜視図である。
【図20】図20は第14の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置850を示した概念的斜視図である。
【図21】図21は第15の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置860を示した概念的斜視図である。
【図22】図22は第16の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置870を示した概念的斜視図である。
【図23】図23は第17の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置880を示した概念的斜視図である。
【図24】図24は第18の実施の形態の光ファイバ型蓄光性発光装置890を示した概念的斜視図である。
【図25】図25は第19の実施の形態のエッジライト照射・導光板型蓄光性発光装置900を示した概念的斜視図である。
【図26】図26は第20の実施の形態のエッジライト照射・導光板型蓄光性発光装置910を示した概念的斜視図である。
【符号の説明】
【0283】
10・・・第1の蓄光性蛍光体(残光性蛍光体)、第1の蓄光性蛍光粒子(残光性蛍光粒子)、第1の蓄光性蛍光顔料 (残光性蛍光顔料)
11・・・第2の蓄光性蛍光体(残光性蛍光体)、第2の蓄光性蛍光粒子(残光性蛍光粒子)、第2の蓄光性蛍光顔料 (残光性蛍光顔料)
12・・・光透過性バインダー(結合材)
13・・・光透過性部材
14・・・光透過性部材
15・・・光透過性部材
16・・・光光透過性芯(コア)部材
17・・・光透過性殻(シェル)部材
19・・・光透過性部材
20・・・蓄光性蛍光層、発光層
30・・・支持体、フィルム状、シート状、板状支持体
40・・・蓄光性蛍光体含有部材 (蓄光性蛍光体含有素子)
50・・・蓄光性蛍光体含有部材 (蓄光性蛍光体含有素子)
60・・・蓄光性蛍光体含有部材 (蓄光性蛍光体含有素子)
70・・・蓄光性蛍光層、発光層
71・・・光ファイバ芯 (コア) (光透過性部材、導光部材)
71A・・・導光板 (光透過性部材、導光部材)
71B・・・導光板 (光透過性部材、導光部材)
72・・・光透過性部材、光ファイバ被覆、鞘、 (クラッド、シース)
73・・・光透過性部材、光ファイバ被覆、鞘、 (クラッド、シース)
80・・・蓄光性蛍光層、発光層
90・・・蓄光性蛍光層、発光層
91・・・蓄光性蛍光層、発光層
100・・・支持体保持型蓄光性発光シート状、板状又はフィルム状物品 (蓄光性発光装置、蓄光性蛍光装置)
200・・・自己支持型蓄光性発光シート状、板状又はフィルム状物品 (蓄光性発光装置、蓄光性蛍光装置)
300・・・蓄光性発光成型物品 (蓄光性発光装置、蓄光性蛍光装置)
400・・・蓄光性発光成型物品(蓄光性発光装置、蓄光性蛍光装置)
500・・・支持体保持型蓄光性発光シート状、板状又はフィルム状物品 (蓄光性発光装置、蓄光性蛍光装置)
600・・・支持体保持型蓄光性発光シート状、板状又はフィルム状物品 (蓄光性発光装置、蓄光性蛍光装置)
700・・・支持体保持型蓄光性発光シート状、板状又はフィルム状物品 (蓄光性発光装置、蓄光性蛍光装置)
800・・・光ファイバ型蓄光性発光装置 (蓄光性蛍光光ファイバ)
810・・・光ファイバ型蓄光性発光装置 (蓄光性蛍光光ファイバ)
820・・・光ファイバ型蓄光性発光装置 (蓄光性蛍光光ファイバ)
830・・・光ファイバ型蓄光性発光装置 (蓄光性蛍光光ファイバ)
840・・・光ファイバ型蓄光性発光装置 (蓄光性蛍光光ファイバ)
850・・・光ファイバ型蓄光性発光装置 (蓄光性蛍光光ファイバ)
860・・・光ファイバ型蓄光性発光装置 (蓄光性蛍光光ファイバ)
870・・・光ファイバ型蓄光性発光装置 (蓄光性蛍光光ファイバ)
880・・・光ファイバ型蓄光性発光装置 (蓄光性蛍光光ファイバ)
890・・・光ファイバ型蓄光性発光装置 (蓄光性蛍光光ファイバ)
900・・・エッジライト照射・導光板型蓄光性発光装置 (蓄光性蛍光導光板)
910・・・エッジライト照射・導光板型蓄光性発光装置 (蓄光性蛍光導光板)
EX-1・・・第1の励起波長帯域(励起スペクトル)
EX-2・・・第2の励起波長帯域(励起スペクトル)
AG-1・・・第1の発光波長帯域(発光スペクトル)
AG-2・・・第2の発光波長帯域(発光スペクトル)
EF1・・・一端面、第1の端面 (光ファイバ型蓄光性発光装置の一端面、エッジライト照射・導光板型蓄光性発光装置の一端面)
EF2・・・他端面、第2の端面(光ファイバ型蓄光性発光装置の他端面、エッジライト照射・導光板型蓄光性発光装置の他端面)
MS1・・・第1の主表面
MS2・・・第2の主表面






































【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の励起波長帯域の光線によって励起され、第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線を発する第1の蓄光性蛍光体と、
第1の発光波長帯域を部分的又は全面的に含む第2の励起波長帯域の光線によって励起され、第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線を発する第2の蓄光性蛍光体とからなり、第1の蓄光性蛍光体と第2の蓄光性蛍光体とを光学的に結合し得るように配置した蓄光性発光装置。
【請求項2】
第1の励起波長帯域の光線によって励起され、可視光線を含む第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線を発する第1の蓄光性蛍光体と、
第1の発光波長帯域を部分的又は全面的に含む第2の励起波長帯域の光線によって励起され、第1の発光波長帯域と異なる可視光線を含む第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線を発する第2の蓄光性蛍光体とからなり、第1の蓄光性蛍光体と第2の蓄光性蛍光体とを光学的に結合し得るように配置した蓄光性発光装置。
【請求項3】
第1の励起波長帯域の光線によって励起され、第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線を発する第1の蓄光性蛍光体と、第1の発光波長帯域を部分的又は全面的に含む第2の励起波長帯域の光線によって励起され、第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線を発する第2の蓄光性蛍光体とを用い、
第1、第2の蓄光性蛍光体に第1、第2の励起波長帯域を含む励起光線を照射することにより、前記励起光線の停止後に第1、第2の残光光線を所定時間発生させること、及び
第1の蓄光性蛍光体からの第1残光光線により、第2の蓄光性蛍光体を照射して励起させることからなり、
第2の蓄光性蛍光体からの第2の残光光線の持続時間を延長させる蓄光性蛍光体の発光方法。
【請求項4】
第1の励起波長帯域の光線によって励起され、第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線を発する第1の蓄光性蛍光体と、第1の発光波長帯域を部分的又は全面的に含む第2の励起波長帯域の光線によって励起され、第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線を発する第2の蓄光性蛍光体とを用い、
第1の蓄光性蛍光体に第1の励起波長帯域を含む励起光線を照射することにより、前記励起光線の停止後に第1の残光光線を所定時間発生させること、及び
第1の蓄光性蛍光体からの第1残光光線により、第2の蓄光性蛍光体を照射して励起させることからなる蓄光性蛍光体の発光方法。
【請求項5】
第1の蓄光性蛍光体と第2の蓄光性蛍光体が蓄光性蛍光顔料からなる請求項1又は請求項2に記載の蓄光性発光装置。
【請求項6】
複数の蓄光性蛍光顔料からなる第1の蓄光性蛍光体と複数の蓄光性蛍光顔料からなる第2の蓄光性蛍光体を光透過性バインダー (結合材) 内に分散した蓄光性蛍光層とからなり、
前記蓄光性蛍光層が任意の物品の表面に部分的又は全面的に形成された請求項1又は請求項2に記載の蓄光性発光装置。
【請求項7】
複数の蓄光性蛍光顔料からなる第1の蓄光性蛍光体と複数の蓄光性蛍光顔料からなる第2の蓄光性蛍光体の一方を第1の光透過性バインダー (結合材) 内に分散した第1の蓄光性蛍光層と、
第1、第2の蓄光性蛍光体の他方を第2の光透過性バインダー (結合材) 内に分散した第2の蓄光性蛍光層とからなり、
第1、第2の蓄光性蛍光層が任意の物品の表面に部分的又は全面的に積層して形成された請求項1又は請求項2に記載の蓄光性発光装置。
【請求項8】
複数の蓄光性蛍光顔料からなる第1の蓄光性蛍光体と複数の蓄光性蛍光顔料からなる第2の蓄光性蛍光体の一方を第1の光透過性バインダー (結合材) 内に分散した第1の蓄光性蛍光層と、
第1、第2の蓄光性蛍光体の他方を第2の光透過性バインダー (結合材) 内に分散した第2の蓄光性蛍光層とからなり、
第1、第2の蓄光性蛍光層が対向する第1、第2の表面を有する光透過性を有する任意の物品を介在してそれぞれ第1、第2の表面に形成された請求項1又は請求項2に記載の蓄光性発光装置。
【請求項9】
請求項1又は請求項2に記載の第1の蓄光性蛍光体と第2の蓄光性蛍光体がそれぞれ第1、第2の蓄光性蛍光顔料からなり、第1、第2の蓄光性蛍光顔料が光透過性樹脂を含む塗料又はインクに分散された蓄光性発光体。
【請求項10】
請求項1又は請求項2に記載の第1の蓄光性蛍光体と第2の蓄光性蛍光体がそれぞれ第1、第2の蓄光性蛍光顔料からなり、第1、第2の蓄光性蛍光顔料を光透過性樹脂成型材料内に分散して含有した蓄光性発光成型体。
【請求項11】
請求項1又は請求項2に記載の第1の蓄光性蛍光体と第2の蓄光性蛍光体がそれぞれ第1、第2の蓄光性蛍光顔料からなり、第1、第2の蓄光性蛍光顔料を顆粒状又はペレット状の光透過性樹脂部材に含有した蓄光性発光素子。
【請求項12】
請求項1又は請求項2に記載の第1の蓄光性蛍光体と第2の蓄光性蛍光体がそれぞれ第1の蓄光性蛍光顔料と第2の蓄光性蛍光顔料からなり、第1、第2の蓄光性蛍光顔料のいずれか一方を分散して含有する顆粒状又はペレット状の光透過性芯(コア)部材と、
第1、第2の蓄光性蛍光顔料の他方を分散し、前記光透過性芯(コア)部材を被覆する光透過性殻(シェル)部材とからなる蓄光性発光素子。
【請求項13】
第1の励起波長帯域の光線によって励起され、第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線を発する複数の第1の蓄光性蛍光体粒子と、
第1の発光波長帯域を部分的又は全面的に含む第2の励起波長帯域の光線によって励起され、第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線を発する複数の第2の蓄光性蛍光体粒子を、
導光性を有するコアからなるか又は前記コアと前記コアの表面又は側面を全面的に又は部分的に被覆する光透過性を有するクラッドとからなる光ファイバに担持させた蓄光性発光型光ファイバ。
【請求項14】
前記光ファイバの端面から前記第1、第2の蓄光性蛍光体粒子を励起させる光線を前記コアに導入する請求項13に記載の蓄光性発光型光ファイバ。
【請求項15】
前記第1、第2の蓄光性蛍光体粒子を前記コア内に分散して含有した請求項13に記載の蓄光性発光型光ファイバ。
【請求項16】
前記第1、第2の蓄光性蛍光体粒子のいずれか一方を前記コア内に分散して含有し、他方を前記クラッド内に分散して含有した請求項13に記載の蓄光性発光型光ファイバ。
【請求項17】
前記第1、第2の蓄光性蛍光体粒子を前記クラッドに内に分散して含有した請求項13に記載の蓄光性発光型光ファイバ。
【請求項18】
前記クラッドが第1のクラッドと第2のクラッドとからなり、第1、第2の蓄光性蛍光体粒子のいずれか一方を前記第1、第2のクラッドのいずれか一方に分散して含有させ、第1、第2の蓄光性蛍光体粒子の他方を前記第1、第2のクラッドの他方に分散して含有させた請求項13に記載の蓄光性発光型光ファイバ。
【請求項19】
第1の励起波長帯域の光線によって励起され、第1の発光波長帯域を有する第1の残光光線を発する複数の第1の蓄光性蛍光体粒子と、
第1の発光波長帯域を部分的又は全面的に含む第2の励起波長帯域の光線によって励起され、第2の発光波長帯域を有する第2の残光光線を発する複数の第2の蓄光性蛍光体粒子を、
対向する第1の表面と第2表面と、対向する第1の端面と第2端面とからなる光透過性を有する板状導光性部材に担持させ、
前記第1の端面及び、又は前記第2端面から前記板状導光性部材へ前記光線を導入する蓄光性発光装置。
【請求項20】
前記第1、第2の蓄光性蛍光体粒子が光透過性バインダー層に分散して含有された蓄光性発光層を備え、前記蓄光性発光層が前記第1の表面及び、又は前記第2表面に部分的又は全面的に形成された請求項19に記載の蓄光性発光装置。
【請求項21】
更に前記板状導光性部材へ前記光線を導入するための少なくとも一つの発光ダイオードを備え、前記発光ダイオードが前記第1の端面及び、又は前記第2端面に配置された請求項19に記載の蓄光性発光装置。
【請求項22】
前記第1、第2の蓄光性蛍光体粒子が前記板状導光性部材内に分散して含有された請求項19に記載の蓄光性発光装置。
【請求項23】
前記第1、第2の蓄光性蛍光体粒子のいずれか一方が前記板状導光性部材内に分散して含有され、前記第1、第2の蓄光性蛍光体粒子の他方が光透過性バインダー層に分散して含有された蓄光性発光層を備え、前記蓄光性発光層が前記第1の表面及び、又は前記第2表面に部分的又は全面的に形成された請求項19に記載の蓄光性発光装置。















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2006−117857(P2006−117857A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−309048(P2004−309048)
【出願日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【出願人】(395012709)
【Fターム(参考)】