蓄光表示装置
【課題】商用電源の供給を受けず、夜間においても情報を高輝度に提示できる蓄光表示装置を実現すること。
【解決手段】所定のパターン部分に蓄光体を含み、可視光及び紫外光の少なくとも一方の照射によりパターン部分が蓄光する表示パネル部2を設ける。充電部7は太陽電池部3からの起電力を充電する。発光部制御ユニット6は、周囲光が所定値以下になったとき、充電部7の充電電力を駆動パルスに変換する。発光部4はLEDを用いて発光部制御ユニット6の駆動パルスによって可視光及び紫外光の少なくとも一方の光を発光し、表示パネル部2の蓄光体に照射する。蓄光体は、蓄光酸化物とエチレングリコール系化合物又は酸化亜鉛混合化合物を含む。
【解決手段】所定のパターン部分に蓄光体を含み、可視光及び紫外光の少なくとも一方の照射によりパターン部分が蓄光する表示パネル部2を設ける。充電部7は太陽電池部3からの起電力を充電する。発光部制御ユニット6は、周囲光が所定値以下になったとき、充電部7の充電電力を駆動パルスに変換する。発光部4はLEDを用いて発光部制御ユニット6の駆動パルスによって可視光及び紫外光の少なくとも一方の光を発光し、表示パネル部2の蓄光体に照射する。蓄光体は、蓄光酸化物とエチレングリコール系化合物又は酸化亜鉛混合化合物を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商用電源の供給を受けず、夜間においても情報を高輝度に提示できる蓄光表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
蓄光体を塗布した蓄光パネルに、紫外光を含む光を電気的に照射し、蓄光パネルの残光を利用して情報を表示する蓄光表示装置が提案されている。蓄光パネルは残光時間が長いので、蓄光パネルの初期発光時に外部エネルギを要するものの、この残光時間には蓄光体を励起するための外部エネルギは不要である。またこの外部エネルギとして、太陽電池を用いて光エネルギを電気エネルギに変換し、この電気エネルギを2次電池やコンデンサに一時保存することにより、商用電源を用いないで夜間に電気エネギーを利用することができる。このような蓄積された電気エネルギを蓄光パネルの表示に用いることにより、商用電源の設備の無い場所でも、また商用電源からの配線工事をしないでも、夜間に情報を表示することができる。
【0003】
このような蓄光表示装置は、一般の商用電源を用いた電気的表示装置より表示輝度が低いので、文字数が少なく表示パターンの簡単な案内標識や、非常誘導灯、警告標識、案内図などに好んで用いられる。また蓄光表示装置は外部エネルギ源として商用電源や一次電池を必要としないので、電源設備のない場所や、メンテナンスが困難な場所である海上及び山間部、道路や自然公園や庭など電源工事が好まれない場所などに好適に利用することができる。
【0004】
情報表示装置として夜間の認識性を確保するためには、表示輝度を高くすることが最重要課題である。このため残光時間が長く、残光輝度の高い蓄光体の開発、蓄光体に対する励起方法の改良、昼間の太陽光エネルギを電気エネルギに変換して蓄積する方法の改良、蓄積された電気エネルギを蓄光体の励起光に変換する方法の改良などが重要な技術となる。
【0005】
このような要素技術のうち、蓄積された電気エネルギを蓄光体の励起光に変換する従来技術について説明する。これに関連する技術として「表示装置」が特許文献1(従来例1)に開示されている。この表示装置は、太陽電池、太陽電池の起電力を充電する二次電池、二次電池からの出力によって発光する発光部、任意形状に形成した蓄光体を有するものである。特に二次電池から発光部への供給電力を蓄光体の残光特性に応じて間歇的に供給するようにしたことを特徴としている。
【0006】
図11は前述した従来例1における表示装置の構成を示す断面図である。この表示装置10は、表示面11を保持し、内部構造物を保護する筐体本体12と、太陽電池モジュール13と、筐体本体12を支持するポール14とから構成される。表示面11は表示層11aと蓄光体11bとから構成される。表示層11aは可撓性着色シートで形成されて表示パターンを浮き出すようになっている。蓄光体11bは樹脂板を射出成形法などで成形する際に蓄光体、例えば亜鉛又はアルカリ土類の硫化物に微量の重金属を添加したものを混入させたり、樹脂板の裏面に前記の蓄光体を塗布したりすることにより形成される。
【0007】
筐体本体12の内部には発光部15、図12に示す発光部制御装置16、二次電池17が収納されている。発光部15は、蛍光ランプなどであり、発光スペクトルが短波長成分を多く含むものが望ましいとしている。発光部制御装置16は、太陽電池素子の起電力を検出することにより、周囲の明るさを判定する電圧検出回路16aと、蓄光体11bの残光時間よりも短い周期でインバータ16cを稼動させる間歇回路16bと、発光部15を点灯させるインバータ16cとから構成される。
【0008】
図13(A)は蓄光体の発光輝度と残光時間の関係を示す特性図である。図13(B)は蓄光体に照射する発光部の照射時間と蓄光率の関係を示す特性図である。(A)のグラフより、残光時間が12分以降であれば、発光輝度は低いものの、輝度が低下しなくなる。また(B)のグラフより、3分間以上照射すれば、蓄光率が100%に達するとしている。このような特性から、標識や表示に用いる場合は、2分30秒に1分の割合で発光部15を点灯させればよく、広告に利用する場合は10分に1分の割合で発光部15を点灯させればよい。
【0009】
従来例2として、蓄光体に対する励起方法、昼間の太陽光エネルギを電気エネルギに変換して蓄積する方法、蓄積された電気エネルギを蓄光体の励起エネルギに変換する方法を主な課題とする「表示装置」が、特許文献2に開示されている。この表示装置は、蓄光体を含む樹脂組成物が塗布された表示手段と、この表示手段に紫外線を照射する紫外線光源と、この紫外線光源の照射用電源となる蓄電池又はコンデンサと、蓄電池又はコンデンサに蓄積された電力を間歇的に紫外線光源に与える光源点灯制御手段と、昼間に蓄電池又はコンデンサに充電電力を供給する太陽電池とを備えたものである。
【0010】
図14はこの表示装置の構成を示すブロック図である。この表示装置20は蓄光体21と透明板22aを含む表示手段22と、紫外線光源23と、蓄電池又はコンデンサ24と、太陽電池25と、点灯制御回路26とを有している。太陽電池25が逆流防止ダイオード27を介して蓄電池24に接続されることにより、充電回路28が構成されている。点灯制御回路26は蓄電池24の電力を入力し、起動時に高電圧を発生することにより、紫外線光源23に対して点灯用電力を供給する。この点灯制御回路26には、紫外線光源23を間歇的に点灯させるタイマー回路とインバータ回路とが含まれている。
【0011】
このような構成により、昼間は太陽電池25によって蓄電池24に電力を蓄え、夜間は蓄電池24に蓄えられた電力を用いて、間歇的に紫外線光源23を点灯する。紫外線光源23が点灯しているときに蓄光体に光エネルギを与え、紫外線光源23が消灯している間に、蓄光体からの発光により情報の表示を行うことができる。
【0012】
しかし従来例1の表示装置10では、道路標識などに用いる場合、蓄光体を用いた表示面が広いため、蓄光体の蓄光用励起光源として発光ダイオートを用いると、表示面で輝度むらが生じる課題や、発光ダイオートの個数が多くなるにつれて消費費電力が多くなり、発光部のコストが高くなるという課題があった。またこの従来例1では蓄光用励起光として他の光源より紫外光成分が多い蛍光ランプを用いているが、熱陰極型のものでは、安価ではあるが、起動時の消費電力が大きくなるという課題もあった。また冷陰極型のものでは、照明用としては大型のものは市場では入手しにくく、コストも高くなるという課題もあった。
【0013】
また従来例2の表示装置20でも、紫外線光源として蛍光ランプを使用している。このため従来例1と同様の課題が存在する。
【0014】
蛍光ランプを間歇駆動(パルス駆動)すると、起動時に高電圧を必要とし、表示装置がバッテリ駆動方式である場合、電圧インバータが必要となる。また蛍光ランプの起動時の電力は、連続点灯時に比較して非常に大きくなる。このため間歇駆動方式では太陽電池によってバッテリやコンデンサに蓄積された電力である電荷がすぐに消費され、表示装置として夜間の表示輝度が低下したり、表示時間が短くなるという共通の課題があった。更に蛍光ランプやそのスタータ回路は寿命が短く、ランプ交換などのメイテナンス作業を必要としていた。また電圧インバータを用いるので、回路部のコストが高くなるとい欠点があった。
【0015】
また従来例1及び2では、蓄光体に関しては、表示装置としての特別の改良を行った旨の記載はなく、恐らくは市場で容易に入手できる表示パネル用の蓄光材料を塗布したり、表示パネル樹脂材料に充填したものを用いたと推測される。このため蓄光率が十分ではなく、残光輝度を上げるため、蓄光体に蓄光酸化物を多く用いると、コストが高くなるという問題があった。
【特許文献1】実開昭62−146299号公報
【特許文献2】特開平9−230812号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、蓄光特性に優れた蓄光体を用いると共に、表示面積が大きくても均一な表示輝度を有し、1回の発光で消費するバッテリやコンデンサの電荷(電気エネルギ)の量を少なくでき、表示時間の長い、表示輝度の高い蓄光表示装置を実現することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この課題を解決するために、本発明の蓄光表示装置は、蓄光酸化物とエチレングリコール系化合物又は酸化亜鉛混合化合物を含む蓄光体を用いて表示パターン部分が形成され、可視光及び紫外光の少なくとも一方の照射により前記表示パターン部分が蓄光する表示パネル部と、周囲光を光電変換する太陽電池部と、前記太陽電池部からの起電力を充電する充電部と、前記周囲光が所定値以下になったとき、前記充電部の充電電力を駆動パルスに変換する発光部制御ユニットと、前記発光部制御ユニットの駆動パルスによって可視光及び紫外光の少なくとも一方の光を発光し、前記表示パネル部の蓄光体に照射する発光部と、を具備することを特徴とするものである。
【0018】
ここで前記表示パネル部は、透明樹脂基板と、前記透明樹脂基板の表面に設けられた保護コーティング層と、前記透明樹脂基板の裏面に蓄光体がスクリーン印刷により所定のパターンに印刷された蓄光体印刷部と、を有するようにしてもよい。
【0019】
ここで前記表示パネル部は、透明樹脂板と、前記透明樹脂板の表面に設けられた保護コーティング層と、前記透明樹脂板の裏面に蓄光体がスクリーン印刷により所定のパターンに印刷された蓄光体印刷部と、を有するものであり、前記発光部は、可視光及び紫外光の少なくとも一方の光を発光するLEDを複数個配置したLEDアレイであり、前記LEDアレイが前記透明樹脂板の裏面に取り付けられるようにしてもよい。
【0020】
ここで前記充電部は、コンデンサ及びキャパシターの何れかを含むようにしてもよい。
【0021】
ここで前記発光部制御ユニットは、前記充電部の電圧を検出する電圧検出器と、時刻情報を出力するタイマーと、前記電圧検出器の検出電圧が規定値以上を示すとき、又は前記タイマーの時刻情報が特定時刻範囲を示すとき、前記充電部の電力を駆動パルスに変換して出力するパルス発生回路と、を具備するようにしてもよい。
【0022】
ここで前記発光部が、可視光及び紫外光の少なくとも一方の光を発光するLEDを複数個配置したLEDアレイであるとき、前記パルス発生回路の出力を時間的にずらせて個々のLEDに与えるLED走査回路を前記発光部制御ユニットに設けたようにしてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の蓄光表示装置は、蓄光特性に優れた蓄光体とLEDアレイとを用いることにより、表示面積が大きくても均一な表示輝度が得られ、1回の発光で消費するバッテリやコンデンサの電荷(電気エネルギ)の量を少なくでき、表示時間の長い、表示輝度の高い表示が得られる。外部エネルギ源として商用電源や一次電池を必要としないので、電源設備のない場所や、メンテナンスが困難な海上及び山間部や、道路や自然公園や庭など電源工事が好まれない場所などでは、夜間の表示装置として他の手段では実現できない効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の実施の形態における蓄光表示装置について説明する。図1(A)は本実施の形態における蓄光表示装置1の構造を示す断面図、図1(B)は蓄光表示装置1の概観を示す正面図である。本図に示すように蓄光表示装置1は、表示パネル部2、太陽電池3、発光部4、筐体5、発光部制御ユニット6、充電部7を含んで構成される。
【0025】
表示パネル部2は、筐体5の前面に取り付けられ、情報を表示する部分であり、その前面から保護板2a、透明板2b、蓄光材印刷部2cを有している。太陽電池3は、表示パネル部2の前面一部、又は筐体5の天面などに取り付けられ、太陽光が照射されると光電変換を行い、蓄光表示装置1に蓄積用の電源を供給する。発光部4は、LEDアレイ4a、発光部制御ユニット6が組み込まれた基板4bを有している。充電部7は蓄電池を含む2次電池のみならず、大容量のコンデンサや、電気二重層を有する蓄電用のキャパシターであっても良い。
【0026】
蓄光表示装置1が非常時の誘導表示に用いられる場合、図1(B)に示すように表示パネル部2では、例えばアクリル製の透明板2bの裏側に、人型のパターンが蓄光体を用いてスクリーン印刷されるか、レタリングされる。しかし、バス停の時刻表示のような場合、薄い透明板2aの表面にスクリーン印刷又はレタリングにより、蓄光体を用いて文字が描かれる。
【0027】
次に発光部制御ユニット6について説明する。発光部制御ユニット6は太陽電池3から発生する電流(電圧)が規定値以上の場合に、充電部7を充電すると共に、蓄光表示装置1の周囲の明るさが設定値以下となったとき、又は規定の時刻範囲になったとき、充電部7の直流電圧(電流)をパルス電圧(電流)に変換し、LEDアレイ4aをパルス駆動する回路である。発光部制御ユニット6の構成を示すブロック図を図2に示す。発光部制御ユニット6は、充電部7の逆流防止素子6a及び電圧検出器6bと、24Hのタイマー6cと、直流をパルスに変換するパルス発生回路6dと、LEDアレイ4bを順次に駆動するLED走査駆動回路6eとを有している。
【0028】
パルス発生回路6dは、充電部7の充電電圧が電圧検出器6bにより規定値以上と判定されたとき、又はタイマー6cの出力が基準範囲の時刻を示すとき、充電部7の直流をパルスに変換する。後述するようにパルス発生回路6dは、間歇駆動モードと、パルス起動モードとを有し、蓄光表示装置1の使用目的によってこれらのモードが選択できる。タイマー6cは、蓄光表示装置1が例えばバス停の時刻表や運行路線図に用いられるとき、夜間の運行時間帯だけ、発光部4を動作させる指示を出す。また表示パネル部に表示部が複数あり、時間帯によって表示内容が変化する装置の場合、夫々の表示部はタイマー6cによって点灯制御される。
【0029】
表示パネル部2の面積が大きい場合、点光源であるLEDを大きなピッチで配置した場合、パネル全体から見て輝度むらが生じる。図3はLEDアレイ4aのLED配置例を示す平面図である。ここでは1列目にLEDとしてL11、L12・・・が配置され、2列目に半ピッチずらせてL21、L22・・・が配置されている。LED走査駆動回路6eは、図4に示すようなタイミングでL11、L12・・・をパルス駆動する。このような駆動回路(ドライバー)は他のディプレイ分野で大量に使用されているので、LEDの数が多くても、安価に入手できる。
【0030】
図5(A)は蓄光体とLED自身の間隔dと、蓄光体の残留照度Lpとの関係を示す説明図である。また図5(B)は複数のLED照射による蓄光体の蓄光分布を示す説明図である。間隔dを少なくすると、(B)に示すようにスポットの照度は高くなるが、パネル全体に照度むらが目立つ。このような事情を考慮して、LEDアレイ4aにおけるLED配列ピッチが設定される。また図4のように順次に走査してLEDを駆動する方が、全てのLEDを同時点灯する場合より、電源回路の負担が少なくなる。人間の目の残光時間は長いので、順次走査を行っても、走査周期が一定以下であれば、パネル全体が常に発光しているように見える。
【0031】
本発明の蓄光表示装置において、残光輝度を高める重要要素として、蓄光体の特性とパルス駆動条件(間歇駆動条件)とが存在する。これらの項目について以下に詳しく説明する。従来から蓄光体について各種のものが知られている。蓄光体は蓄光酸化物から構成される。蓄光酸化物は光などのエネルギを吸収すると、そのエネルギを内部に蓄積し、バンドギャップ間の原子の遷移により発光を生じさせるものである。励起方法の種類により、フォトルミネッセンス、エレクトロミネッセンス(EL)、サーマルミネッセンスなどに区分される。
【0032】
蓄光体は従来例でも説明したような表示板や、広告媒体や、リモコンのボタン、階段の滑り止め材、時計の文字表示など、あらゆる分野に用いられている。このような発光性製品においては、その輝度は高いほうが望ましいことは明らかである。このため、蓄光酸化物を多量に用いることにより、その輝度を向上させることができる。しかし、蓄光酸化物は高価なものであるので、表示装置を含めて製品のコストが高くなってしまう。そこで蓄光酸化物の使用量を増加させることなく、その輝度や残光時間を向上させる試みを行った。
【0033】
蓄光酸化物に対する輝度の向上対策として、酸化物の欠損として自由端酸素の働きを抑制するために、エチレングリコール系化合物又は酸化亜鉛混合物を用いた。この場合の化合物は、光エネルギー、特に紫外線領域の光エネルギーを吸収し、熱エネルギーに変換する作用をもたらす。出願人は、光エネルギーから得られる熱エネルギーにより、蓄光酸化物の発光力、即ち発光輝度が向上することを突き止めた。これらの化合物は、粉末、液状、顆粒などの形態のいずでも使用できる。塗工液を用いて蓄光体の塗膜を形成する場合、粉末状のものが好ましいことがわかった。
【0034】
本実施の形態で用いる蓄光体において、添加物の使用割合は5%から20%の範囲で配合することが好ましい。蓄光酸化物としては、従来から公知の蓄光顔料、例えばバリウム、ストロンチウム、カルシウムなどの酸化物で得られる(1)式で表される顔料を用いる。
MAl2O4 ・・・(1)
但し、Mはバリウム、ストロンチウム、カルシウムの少なくとも1つを含む物質である。
【0035】
(1)式で表される蓄光酸化物を母結晶とし、又はこの酸化物系化合物にマグネシウムを添加したマグネシウム添加酸化物、或いはこれらの酸化物もしくはマグネシウム添加酸化物に対して、賦活剤としてユウロビウム、ジスプロニウム、ネオジウムを添加した賦活蓄光酸化物なども用いることができる。
【0036】
このようにして得られた蓄光酸化物をキセノンランプで15分間照射して励起後の発光スペクトルを調べると、ストロンチウム珪酸アルミン酸による蓄光酸化物の発光強度に比べて、1.5倍以上の発光強度が得られることを確認した。更に最高輝度の半分の輝度に到達する残光時間は、ストロンチウム珪酸アルミン酸による蓄光酸化物に比べて1.2倍になることが判った。
【0037】
ここで蓄光体に励起発光照射を行った場合の蓄光率と残光時間について、図6を用いて説明する。蓄光体に励起光を照射した場合、照射時間tsと蓄光体の蓄光率Opの関係は(A)のようになる。つまり照射時間tsが短いと、十分な蓄光率Opが得られない。照射時間tsを長くすると、蓄光率Opが大きくなり、更に照射時間tsを長くすると、蓄光率Opの値が飽和する。また十分な照射時間ts後に励起光を遮断すると、蓄光体の蓄光率Opと残光時間tzの関係は(B)のようになる。これは蓄光体の自発発光による残光であり、本発明の蓄光表示装置はこの現象を利用する。
【0038】
図6は蛍光ランプや紫外光成分を有するLEDを用いて、直流で励起した蓄光体の残光特性であるが、パルス駆動や間歇駆動により励起光を発生させた場合について説明する。蓄光のための励起光の照射時間をtsとしたとき、照射時間tsと蓄光率Opとの関係は、一般的には図7(A)のような特性になる。破線で示すカーブをA曲線とすると、A曲線から2分〜3分で蓄光率の飽和点に達することが判る。また照射時間を長くしても、飽和点まで蓄光されると、蓄光率は増加しなくなる。
【0039】
一方、励起光を蓄光体の飽和点近くまで照射したのち(照射時間ts)、照射を停止すると、図7(B)の実線部に示すように、蓄光率は序序に低下する。この場合、照射停止時の蓄光率に対して所定の蓄光率になるまでの時間を残光時間tzという。この減衰した蓄光率は、基本的には暗い環境下で人の視覚上蓄光体が残光していると確認される蓄光率から設定される。図6(B)の残光曲線をB曲線と呼ぶ。飽和点まで蓄光された場合、それ以上蓄光しても残光する時間はあまり変わらない。
【0040】
以上のように、励起光の照射時間を長くしても、蓄光体の残光時間が更に長くなるわけでないため、蓄積電源として表示装置が限られた電源容量しか持たない場合、定期的に蓄光体を間歇照射することが好ましいといえる。また前述した蓄光酸化物を用いることにより、間歇照射やパルス照射であっても蓄光率の高い表示が得られる。
【0041】
ここでパルス駆動の条件を更に検討した。ここで蓄光体の初期発光を促すため、最初に与える駆動電力の印加時間(照射時間)をts1とする。この時間ts1は図7(B)で示される破線部の照射時間tsと同等か、それ以上が望ましい。蓄光体の初期駆動に続く第2回、第3回、・・第N回目の駆動を初期駆動と同一の条件(パルス幅)とし、その繰り返し周期をtwとする。このように各周期の照射時間を全て同一のtsとし、周期twで間歇的に駆動する方法を、「間歇駆動方式」と呼ぶ。この場合の励起光の駆動波形と蓄光体の残光照度との関係は図8のようになる。ここで照射時間tsは15秒とし、照射周期twは5分とした。この場合はデューティが5%となるが、このような間歇駆動では平均残光照度は一点鎖線に示すようにBLx=3.1Lxとなり、表示装置としての認識性は保持された。
【0042】
次に最初に与える駆動電力の印加時間(照射時間)を、間歇起動方式の場合と同様にts1とする。蓄光体の初期駆動に続く第2回、第3回、・・第N回目の駆動波形をパルスとし、そのパルス幅をTpとし、その繰り返し周期をtyとする。周期tyは前述した周期twより短い。このように初期駆動に続く駆動波形を時間幅の短いパルスとする駆動方法を、「パルス駆動方式」と呼ぶ。この場合の励起光の駆動波形と蓄光体の残光照度との関係を図9のC曲線となる。ここで初期照射時間ts1は15秒とし、パルス幅Tpを1.4ミリ秒とし、照射周期tyは20ミリ秒とした。この場合、デューティは7%となるが、平均残光照度は一点鎖線に示すようにCLx=3.9Lx、即ちCLx>BLxとなり、表示装置としての認識性は十分保持された。また蓄光体の励起に関わる消費電力も、間歇駆動方式の場合より更に低減できた。
【0043】
以上の間歇駆動又はパルス駆動は、特定の1個のLEDにおける駆動方法についてである。本実施の形態では図3に示すようなLEDアレイ4aを用いているので、図4に示すような順次走査による駆動(スキャン駆動)を行った。1例としてLEDの数を5個としたとき、同時駆動の場合は500mWの電力を同時に消費するのに対し、スキャン駆動では100mWの電力に分散された。LEDの数が複数個の場合、1つのLEDによる励起光が、他のLEDの部分に位置する蓄光体にまで影響するので、総合的には、スキャン駆動の方が表示装置としての消費電力が低下することが判った。
【0044】
市場ではLEDも白色発光するものから、紫外光成分を含むものまで供給されている。従来の蓄光体は紫外線で照射励起する方が効率がよかった。しかし図10に示すように、蓄光体も紫外光から白色系可視光でも蓄光率Opが確保されるようになりつつある。このように蓄光体の励起波長の長波長側へのシフトと、LEDの発光スペクトルの短波長化とによって、蛍光ランプよりも遥かに寿命の長いLEDを励起光源として用いることができた。
【0045】
また表示パネル部の形状や大きさに合わせて、LEDの配置方法や配置数を設定できるので、使用目的に応じた表示装置を容易に実現できる。またLEDの寿命は蛍光ランプに比べて遥かに長いので、ランプ交換等のメンテナンス作業を無くすことができる。このような特徴は、表示装置が海上ブイなど用いられる場合、好都合である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の蓄光表示装置は、外部エネルギ源として商用電源や一次電池を必要としないので、電源設備のない場所や、メンテナンスが困難な場所である海上及び山間部、道路や自然公園や庭など電源工事を好まない場所などに好適に利用できる。このような蓄光表示装置として、案内標識や、非常誘導灯、警告標識、海上ブイ、バス停時刻表、路線案内図などに好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】(A)は本発明の実施の形態における蓄光表示装置の構造を示す断面図、(B)は表示面から見た蓄光表示装置の概観図である。
【図2】本実施の形態の蓄光表示装置に設けられる発行部制御ユニットの構成図である。
【図3】本実施の形態の蓄光表示装置に設けられるLEDアレイの説明図である。
【図4】LEDアレイの駆動方法を示す説明図である。
【図5】LEDと蓄光体の間隔と、蓄光体の輝度分布の関係を示す説明図である。
【図6】蓄光体の蓄光率と残光特性を示す特性図である。
【図7】(A)は蓄光体に連続励起光を与えた場合の蓄光率の変化を示す特性図、(B)は蓄光体に励起光を短時間与えた場合の蓄光率の変化を示す特性図である。
【図8】蓄光体に対して間歇駆動の励起光を与えた場合の残光照度を示す特性図である。
【図9】蓄光体に対してパルス駆動の励起光を与えた場合の残光照度を示す特性図である。
【図10】蓄光体の励起特性を示すスペクトル図である。
【図11】従来例1における表示装置の構成を示す断面図である。
【図12】従来例1における表示装置の発光部制御装置の構成図である。
【図13】従来例1における表示装置の発光輝度及び蓄光率の特性図である。
【図14】従来例2における表示装置の構成図である。
【符号の説明】
【0048】
1 蓄光表示装置
2 表示パネル部
2a 保護板
2b 透明板
2c 蓄光材印刷部
3 太陽電池
4 発光部
4a LEDアレイ
4b 基板
5 筐体
6 発光部制御ユニット
6a 逆流防止素子
6b 電圧検出器
6c タイマー
6d パルス発生回路
6e LED走査駆動回路
7 充電部
【技術分野】
【0001】
本発明は、商用電源の供給を受けず、夜間においても情報を高輝度に提示できる蓄光表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
蓄光体を塗布した蓄光パネルに、紫外光を含む光を電気的に照射し、蓄光パネルの残光を利用して情報を表示する蓄光表示装置が提案されている。蓄光パネルは残光時間が長いので、蓄光パネルの初期発光時に外部エネルギを要するものの、この残光時間には蓄光体を励起するための外部エネルギは不要である。またこの外部エネルギとして、太陽電池を用いて光エネルギを電気エネルギに変換し、この電気エネルギを2次電池やコンデンサに一時保存することにより、商用電源を用いないで夜間に電気エネギーを利用することができる。このような蓄積された電気エネルギを蓄光パネルの表示に用いることにより、商用電源の設備の無い場所でも、また商用電源からの配線工事をしないでも、夜間に情報を表示することができる。
【0003】
このような蓄光表示装置は、一般の商用電源を用いた電気的表示装置より表示輝度が低いので、文字数が少なく表示パターンの簡単な案内標識や、非常誘導灯、警告標識、案内図などに好んで用いられる。また蓄光表示装置は外部エネルギ源として商用電源や一次電池を必要としないので、電源設備のない場所や、メンテナンスが困難な場所である海上及び山間部、道路や自然公園や庭など電源工事が好まれない場所などに好適に利用することができる。
【0004】
情報表示装置として夜間の認識性を確保するためには、表示輝度を高くすることが最重要課題である。このため残光時間が長く、残光輝度の高い蓄光体の開発、蓄光体に対する励起方法の改良、昼間の太陽光エネルギを電気エネルギに変換して蓄積する方法の改良、蓄積された電気エネルギを蓄光体の励起光に変換する方法の改良などが重要な技術となる。
【0005】
このような要素技術のうち、蓄積された電気エネルギを蓄光体の励起光に変換する従来技術について説明する。これに関連する技術として「表示装置」が特許文献1(従来例1)に開示されている。この表示装置は、太陽電池、太陽電池の起電力を充電する二次電池、二次電池からの出力によって発光する発光部、任意形状に形成した蓄光体を有するものである。特に二次電池から発光部への供給電力を蓄光体の残光特性に応じて間歇的に供給するようにしたことを特徴としている。
【0006】
図11は前述した従来例1における表示装置の構成を示す断面図である。この表示装置10は、表示面11を保持し、内部構造物を保護する筐体本体12と、太陽電池モジュール13と、筐体本体12を支持するポール14とから構成される。表示面11は表示層11aと蓄光体11bとから構成される。表示層11aは可撓性着色シートで形成されて表示パターンを浮き出すようになっている。蓄光体11bは樹脂板を射出成形法などで成形する際に蓄光体、例えば亜鉛又はアルカリ土類の硫化物に微量の重金属を添加したものを混入させたり、樹脂板の裏面に前記の蓄光体を塗布したりすることにより形成される。
【0007】
筐体本体12の内部には発光部15、図12に示す発光部制御装置16、二次電池17が収納されている。発光部15は、蛍光ランプなどであり、発光スペクトルが短波長成分を多く含むものが望ましいとしている。発光部制御装置16は、太陽電池素子の起電力を検出することにより、周囲の明るさを判定する電圧検出回路16aと、蓄光体11bの残光時間よりも短い周期でインバータ16cを稼動させる間歇回路16bと、発光部15を点灯させるインバータ16cとから構成される。
【0008】
図13(A)は蓄光体の発光輝度と残光時間の関係を示す特性図である。図13(B)は蓄光体に照射する発光部の照射時間と蓄光率の関係を示す特性図である。(A)のグラフより、残光時間が12分以降であれば、発光輝度は低いものの、輝度が低下しなくなる。また(B)のグラフより、3分間以上照射すれば、蓄光率が100%に達するとしている。このような特性から、標識や表示に用いる場合は、2分30秒に1分の割合で発光部15を点灯させればよく、広告に利用する場合は10分に1分の割合で発光部15を点灯させればよい。
【0009】
従来例2として、蓄光体に対する励起方法、昼間の太陽光エネルギを電気エネルギに変換して蓄積する方法、蓄積された電気エネルギを蓄光体の励起エネルギに変換する方法を主な課題とする「表示装置」が、特許文献2に開示されている。この表示装置は、蓄光体を含む樹脂組成物が塗布された表示手段と、この表示手段に紫外線を照射する紫外線光源と、この紫外線光源の照射用電源となる蓄電池又はコンデンサと、蓄電池又はコンデンサに蓄積された電力を間歇的に紫外線光源に与える光源点灯制御手段と、昼間に蓄電池又はコンデンサに充電電力を供給する太陽電池とを備えたものである。
【0010】
図14はこの表示装置の構成を示すブロック図である。この表示装置20は蓄光体21と透明板22aを含む表示手段22と、紫外線光源23と、蓄電池又はコンデンサ24と、太陽電池25と、点灯制御回路26とを有している。太陽電池25が逆流防止ダイオード27を介して蓄電池24に接続されることにより、充電回路28が構成されている。点灯制御回路26は蓄電池24の電力を入力し、起動時に高電圧を発生することにより、紫外線光源23に対して点灯用電力を供給する。この点灯制御回路26には、紫外線光源23を間歇的に点灯させるタイマー回路とインバータ回路とが含まれている。
【0011】
このような構成により、昼間は太陽電池25によって蓄電池24に電力を蓄え、夜間は蓄電池24に蓄えられた電力を用いて、間歇的に紫外線光源23を点灯する。紫外線光源23が点灯しているときに蓄光体に光エネルギを与え、紫外線光源23が消灯している間に、蓄光体からの発光により情報の表示を行うことができる。
【0012】
しかし従来例1の表示装置10では、道路標識などに用いる場合、蓄光体を用いた表示面が広いため、蓄光体の蓄光用励起光源として発光ダイオートを用いると、表示面で輝度むらが生じる課題や、発光ダイオートの個数が多くなるにつれて消費費電力が多くなり、発光部のコストが高くなるという課題があった。またこの従来例1では蓄光用励起光として他の光源より紫外光成分が多い蛍光ランプを用いているが、熱陰極型のものでは、安価ではあるが、起動時の消費電力が大きくなるという課題もあった。また冷陰極型のものでは、照明用としては大型のものは市場では入手しにくく、コストも高くなるという課題もあった。
【0013】
また従来例2の表示装置20でも、紫外線光源として蛍光ランプを使用している。このため従来例1と同様の課題が存在する。
【0014】
蛍光ランプを間歇駆動(パルス駆動)すると、起動時に高電圧を必要とし、表示装置がバッテリ駆動方式である場合、電圧インバータが必要となる。また蛍光ランプの起動時の電力は、連続点灯時に比較して非常に大きくなる。このため間歇駆動方式では太陽電池によってバッテリやコンデンサに蓄積された電力である電荷がすぐに消費され、表示装置として夜間の表示輝度が低下したり、表示時間が短くなるという共通の課題があった。更に蛍光ランプやそのスタータ回路は寿命が短く、ランプ交換などのメイテナンス作業を必要としていた。また電圧インバータを用いるので、回路部のコストが高くなるとい欠点があった。
【0015】
また従来例1及び2では、蓄光体に関しては、表示装置としての特別の改良を行った旨の記載はなく、恐らくは市場で容易に入手できる表示パネル用の蓄光材料を塗布したり、表示パネル樹脂材料に充填したものを用いたと推測される。このため蓄光率が十分ではなく、残光輝度を上げるため、蓄光体に蓄光酸化物を多く用いると、コストが高くなるという問題があった。
【特許文献1】実開昭62−146299号公報
【特許文献2】特開平9−230812号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、蓄光特性に優れた蓄光体を用いると共に、表示面積が大きくても均一な表示輝度を有し、1回の発光で消費するバッテリやコンデンサの電荷(電気エネルギ)の量を少なくでき、表示時間の長い、表示輝度の高い蓄光表示装置を実現することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この課題を解決するために、本発明の蓄光表示装置は、蓄光酸化物とエチレングリコール系化合物又は酸化亜鉛混合化合物を含む蓄光体を用いて表示パターン部分が形成され、可視光及び紫外光の少なくとも一方の照射により前記表示パターン部分が蓄光する表示パネル部と、周囲光を光電変換する太陽電池部と、前記太陽電池部からの起電力を充電する充電部と、前記周囲光が所定値以下になったとき、前記充電部の充電電力を駆動パルスに変換する発光部制御ユニットと、前記発光部制御ユニットの駆動パルスによって可視光及び紫外光の少なくとも一方の光を発光し、前記表示パネル部の蓄光体に照射する発光部と、を具備することを特徴とするものである。
【0018】
ここで前記表示パネル部は、透明樹脂基板と、前記透明樹脂基板の表面に設けられた保護コーティング層と、前記透明樹脂基板の裏面に蓄光体がスクリーン印刷により所定のパターンに印刷された蓄光体印刷部と、を有するようにしてもよい。
【0019】
ここで前記表示パネル部は、透明樹脂板と、前記透明樹脂板の表面に設けられた保護コーティング層と、前記透明樹脂板の裏面に蓄光体がスクリーン印刷により所定のパターンに印刷された蓄光体印刷部と、を有するものであり、前記発光部は、可視光及び紫外光の少なくとも一方の光を発光するLEDを複数個配置したLEDアレイであり、前記LEDアレイが前記透明樹脂板の裏面に取り付けられるようにしてもよい。
【0020】
ここで前記充電部は、コンデンサ及びキャパシターの何れかを含むようにしてもよい。
【0021】
ここで前記発光部制御ユニットは、前記充電部の電圧を検出する電圧検出器と、時刻情報を出力するタイマーと、前記電圧検出器の検出電圧が規定値以上を示すとき、又は前記タイマーの時刻情報が特定時刻範囲を示すとき、前記充電部の電力を駆動パルスに変換して出力するパルス発生回路と、を具備するようにしてもよい。
【0022】
ここで前記発光部が、可視光及び紫外光の少なくとも一方の光を発光するLEDを複数個配置したLEDアレイであるとき、前記パルス発生回路の出力を時間的にずらせて個々のLEDに与えるLED走査回路を前記発光部制御ユニットに設けたようにしてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の蓄光表示装置は、蓄光特性に優れた蓄光体とLEDアレイとを用いることにより、表示面積が大きくても均一な表示輝度が得られ、1回の発光で消費するバッテリやコンデンサの電荷(電気エネルギ)の量を少なくでき、表示時間の長い、表示輝度の高い表示が得られる。外部エネルギ源として商用電源や一次電池を必要としないので、電源設備のない場所や、メンテナンスが困難な海上及び山間部や、道路や自然公園や庭など電源工事が好まれない場所などでは、夜間の表示装置として他の手段では実現できない効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の実施の形態における蓄光表示装置について説明する。図1(A)は本実施の形態における蓄光表示装置1の構造を示す断面図、図1(B)は蓄光表示装置1の概観を示す正面図である。本図に示すように蓄光表示装置1は、表示パネル部2、太陽電池3、発光部4、筐体5、発光部制御ユニット6、充電部7を含んで構成される。
【0025】
表示パネル部2は、筐体5の前面に取り付けられ、情報を表示する部分であり、その前面から保護板2a、透明板2b、蓄光材印刷部2cを有している。太陽電池3は、表示パネル部2の前面一部、又は筐体5の天面などに取り付けられ、太陽光が照射されると光電変換を行い、蓄光表示装置1に蓄積用の電源を供給する。発光部4は、LEDアレイ4a、発光部制御ユニット6が組み込まれた基板4bを有している。充電部7は蓄電池を含む2次電池のみならず、大容量のコンデンサや、電気二重層を有する蓄電用のキャパシターであっても良い。
【0026】
蓄光表示装置1が非常時の誘導表示に用いられる場合、図1(B)に示すように表示パネル部2では、例えばアクリル製の透明板2bの裏側に、人型のパターンが蓄光体を用いてスクリーン印刷されるか、レタリングされる。しかし、バス停の時刻表示のような場合、薄い透明板2aの表面にスクリーン印刷又はレタリングにより、蓄光体を用いて文字が描かれる。
【0027】
次に発光部制御ユニット6について説明する。発光部制御ユニット6は太陽電池3から発生する電流(電圧)が規定値以上の場合に、充電部7を充電すると共に、蓄光表示装置1の周囲の明るさが設定値以下となったとき、又は規定の時刻範囲になったとき、充電部7の直流電圧(電流)をパルス電圧(電流)に変換し、LEDアレイ4aをパルス駆動する回路である。発光部制御ユニット6の構成を示すブロック図を図2に示す。発光部制御ユニット6は、充電部7の逆流防止素子6a及び電圧検出器6bと、24Hのタイマー6cと、直流をパルスに変換するパルス発生回路6dと、LEDアレイ4bを順次に駆動するLED走査駆動回路6eとを有している。
【0028】
パルス発生回路6dは、充電部7の充電電圧が電圧検出器6bにより規定値以上と判定されたとき、又はタイマー6cの出力が基準範囲の時刻を示すとき、充電部7の直流をパルスに変換する。後述するようにパルス発生回路6dは、間歇駆動モードと、パルス起動モードとを有し、蓄光表示装置1の使用目的によってこれらのモードが選択できる。タイマー6cは、蓄光表示装置1が例えばバス停の時刻表や運行路線図に用いられるとき、夜間の運行時間帯だけ、発光部4を動作させる指示を出す。また表示パネル部に表示部が複数あり、時間帯によって表示内容が変化する装置の場合、夫々の表示部はタイマー6cによって点灯制御される。
【0029】
表示パネル部2の面積が大きい場合、点光源であるLEDを大きなピッチで配置した場合、パネル全体から見て輝度むらが生じる。図3はLEDアレイ4aのLED配置例を示す平面図である。ここでは1列目にLEDとしてL11、L12・・・が配置され、2列目に半ピッチずらせてL21、L22・・・が配置されている。LED走査駆動回路6eは、図4に示すようなタイミングでL11、L12・・・をパルス駆動する。このような駆動回路(ドライバー)は他のディプレイ分野で大量に使用されているので、LEDの数が多くても、安価に入手できる。
【0030】
図5(A)は蓄光体とLED自身の間隔dと、蓄光体の残留照度Lpとの関係を示す説明図である。また図5(B)は複数のLED照射による蓄光体の蓄光分布を示す説明図である。間隔dを少なくすると、(B)に示すようにスポットの照度は高くなるが、パネル全体に照度むらが目立つ。このような事情を考慮して、LEDアレイ4aにおけるLED配列ピッチが設定される。また図4のように順次に走査してLEDを駆動する方が、全てのLEDを同時点灯する場合より、電源回路の負担が少なくなる。人間の目の残光時間は長いので、順次走査を行っても、走査周期が一定以下であれば、パネル全体が常に発光しているように見える。
【0031】
本発明の蓄光表示装置において、残光輝度を高める重要要素として、蓄光体の特性とパルス駆動条件(間歇駆動条件)とが存在する。これらの項目について以下に詳しく説明する。従来から蓄光体について各種のものが知られている。蓄光体は蓄光酸化物から構成される。蓄光酸化物は光などのエネルギを吸収すると、そのエネルギを内部に蓄積し、バンドギャップ間の原子の遷移により発光を生じさせるものである。励起方法の種類により、フォトルミネッセンス、エレクトロミネッセンス(EL)、サーマルミネッセンスなどに区分される。
【0032】
蓄光体は従来例でも説明したような表示板や、広告媒体や、リモコンのボタン、階段の滑り止め材、時計の文字表示など、あらゆる分野に用いられている。このような発光性製品においては、その輝度は高いほうが望ましいことは明らかである。このため、蓄光酸化物を多量に用いることにより、その輝度を向上させることができる。しかし、蓄光酸化物は高価なものであるので、表示装置を含めて製品のコストが高くなってしまう。そこで蓄光酸化物の使用量を増加させることなく、その輝度や残光時間を向上させる試みを行った。
【0033】
蓄光酸化物に対する輝度の向上対策として、酸化物の欠損として自由端酸素の働きを抑制するために、エチレングリコール系化合物又は酸化亜鉛混合物を用いた。この場合の化合物は、光エネルギー、特に紫外線領域の光エネルギーを吸収し、熱エネルギーに変換する作用をもたらす。出願人は、光エネルギーから得られる熱エネルギーにより、蓄光酸化物の発光力、即ち発光輝度が向上することを突き止めた。これらの化合物は、粉末、液状、顆粒などの形態のいずでも使用できる。塗工液を用いて蓄光体の塗膜を形成する場合、粉末状のものが好ましいことがわかった。
【0034】
本実施の形態で用いる蓄光体において、添加物の使用割合は5%から20%の範囲で配合することが好ましい。蓄光酸化物としては、従来から公知の蓄光顔料、例えばバリウム、ストロンチウム、カルシウムなどの酸化物で得られる(1)式で表される顔料を用いる。
MAl2O4 ・・・(1)
但し、Mはバリウム、ストロンチウム、カルシウムの少なくとも1つを含む物質である。
【0035】
(1)式で表される蓄光酸化物を母結晶とし、又はこの酸化物系化合物にマグネシウムを添加したマグネシウム添加酸化物、或いはこれらの酸化物もしくはマグネシウム添加酸化物に対して、賦活剤としてユウロビウム、ジスプロニウム、ネオジウムを添加した賦活蓄光酸化物なども用いることができる。
【0036】
このようにして得られた蓄光酸化物をキセノンランプで15分間照射して励起後の発光スペクトルを調べると、ストロンチウム珪酸アルミン酸による蓄光酸化物の発光強度に比べて、1.5倍以上の発光強度が得られることを確認した。更に最高輝度の半分の輝度に到達する残光時間は、ストロンチウム珪酸アルミン酸による蓄光酸化物に比べて1.2倍になることが判った。
【0037】
ここで蓄光体に励起発光照射を行った場合の蓄光率と残光時間について、図6を用いて説明する。蓄光体に励起光を照射した場合、照射時間tsと蓄光体の蓄光率Opの関係は(A)のようになる。つまり照射時間tsが短いと、十分な蓄光率Opが得られない。照射時間tsを長くすると、蓄光率Opが大きくなり、更に照射時間tsを長くすると、蓄光率Opの値が飽和する。また十分な照射時間ts後に励起光を遮断すると、蓄光体の蓄光率Opと残光時間tzの関係は(B)のようになる。これは蓄光体の自発発光による残光であり、本発明の蓄光表示装置はこの現象を利用する。
【0038】
図6は蛍光ランプや紫外光成分を有するLEDを用いて、直流で励起した蓄光体の残光特性であるが、パルス駆動や間歇駆動により励起光を発生させた場合について説明する。蓄光のための励起光の照射時間をtsとしたとき、照射時間tsと蓄光率Opとの関係は、一般的には図7(A)のような特性になる。破線で示すカーブをA曲線とすると、A曲線から2分〜3分で蓄光率の飽和点に達することが判る。また照射時間を長くしても、飽和点まで蓄光されると、蓄光率は増加しなくなる。
【0039】
一方、励起光を蓄光体の飽和点近くまで照射したのち(照射時間ts)、照射を停止すると、図7(B)の実線部に示すように、蓄光率は序序に低下する。この場合、照射停止時の蓄光率に対して所定の蓄光率になるまでの時間を残光時間tzという。この減衰した蓄光率は、基本的には暗い環境下で人の視覚上蓄光体が残光していると確認される蓄光率から設定される。図6(B)の残光曲線をB曲線と呼ぶ。飽和点まで蓄光された場合、それ以上蓄光しても残光する時間はあまり変わらない。
【0040】
以上のように、励起光の照射時間を長くしても、蓄光体の残光時間が更に長くなるわけでないため、蓄積電源として表示装置が限られた電源容量しか持たない場合、定期的に蓄光体を間歇照射することが好ましいといえる。また前述した蓄光酸化物を用いることにより、間歇照射やパルス照射であっても蓄光率の高い表示が得られる。
【0041】
ここでパルス駆動の条件を更に検討した。ここで蓄光体の初期発光を促すため、最初に与える駆動電力の印加時間(照射時間)をts1とする。この時間ts1は図7(B)で示される破線部の照射時間tsと同等か、それ以上が望ましい。蓄光体の初期駆動に続く第2回、第3回、・・第N回目の駆動を初期駆動と同一の条件(パルス幅)とし、その繰り返し周期をtwとする。このように各周期の照射時間を全て同一のtsとし、周期twで間歇的に駆動する方法を、「間歇駆動方式」と呼ぶ。この場合の励起光の駆動波形と蓄光体の残光照度との関係は図8のようになる。ここで照射時間tsは15秒とし、照射周期twは5分とした。この場合はデューティが5%となるが、このような間歇駆動では平均残光照度は一点鎖線に示すようにBLx=3.1Lxとなり、表示装置としての認識性は保持された。
【0042】
次に最初に与える駆動電力の印加時間(照射時間)を、間歇起動方式の場合と同様にts1とする。蓄光体の初期駆動に続く第2回、第3回、・・第N回目の駆動波形をパルスとし、そのパルス幅をTpとし、その繰り返し周期をtyとする。周期tyは前述した周期twより短い。このように初期駆動に続く駆動波形を時間幅の短いパルスとする駆動方法を、「パルス駆動方式」と呼ぶ。この場合の励起光の駆動波形と蓄光体の残光照度との関係を図9のC曲線となる。ここで初期照射時間ts1は15秒とし、パルス幅Tpを1.4ミリ秒とし、照射周期tyは20ミリ秒とした。この場合、デューティは7%となるが、平均残光照度は一点鎖線に示すようにCLx=3.9Lx、即ちCLx>BLxとなり、表示装置としての認識性は十分保持された。また蓄光体の励起に関わる消費電力も、間歇駆動方式の場合より更に低減できた。
【0043】
以上の間歇駆動又はパルス駆動は、特定の1個のLEDにおける駆動方法についてである。本実施の形態では図3に示すようなLEDアレイ4aを用いているので、図4に示すような順次走査による駆動(スキャン駆動)を行った。1例としてLEDの数を5個としたとき、同時駆動の場合は500mWの電力を同時に消費するのに対し、スキャン駆動では100mWの電力に分散された。LEDの数が複数個の場合、1つのLEDによる励起光が、他のLEDの部分に位置する蓄光体にまで影響するので、総合的には、スキャン駆動の方が表示装置としての消費電力が低下することが判った。
【0044】
市場ではLEDも白色発光するものから、紫外光成分を含むものまで供給されている。従来の蓄光体は紫外線で照射励起する方が効率がよかった。しかし図10に示すように、蓄光体も紫外光から白色系可視光でも蓄光率Opが確保されるようになりつつある。このように蓄光体の励起波長の長波長側へのシフトと、LEDの発光スペクトルの短波長化とによって、蛍光ランプよりも遥かに寿命の長いLEDを励起光源として用いることができた。
【0045】
また表示パネル部の形状や大きさに合わせて、LEDの配置方法や配置数を設定できるので、使用目的に応じた表示装置を容易に実現できる。またLEDの寿命は蛍光ランプに比べて遥かに長いので、ランプ交換等のメンテナンス作業を無くすことができる。このような特徴は、表示装置が海上ブイなど用いられる場合、好都合である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の蓄光表示装置は、外部エネルギ源として商用電源や一次電池を必要としないので、電源設備のない場所や、メンテナンスが困難な場所である海上及び山間部、道路や自然公園や庭など電源工事を好まない場所などに好適に利用できる。このような蓄光表示装置として、案内標識や、非常誘導灯、警告標識、海上ブイ、バス停時刻表、路線案内図などに好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】(A)は本発明の実施の形態における蓄光表示装置の構造を示す断面図、(B)は表示面から見た蓄光表示装置の概観図である。
【図2】本実施の形態の蓄光表示装置に設けられる発行部制御ユニットの構成図である。
【図3】本実施の形態の蓄光表示装置に設けられるLEDアレイの説明図である。
【図4】LEDアレイの駆動方法を示す説明図である。
【図5】LEDと蓄光体の間隔と、蓄光体の輝度分布の関係を示す説明図である。
【図6】蓄光体の蓄光率と残光特性を示す特性図である。
【図7】(A)は蓄光体に連続励起光を与えた場合の蓄光率の変化を示す特性図、(B)は蓄光体に励起光を短時間与えた場合の蓄光率の変化を示す特性図である。
【図8】蓄光体に対して間歇駆動の励起光を与えた場合の残光照度を示す特性図である。
【図9】蓄光体に対してパルス駆動の励起光を与えた場合の残光照度を示す特性図である。
【図10】蓄光体の励起特性を示すスペクトル図である。
【図11】従来例1における表示装置の構成を示す断面図である。
【図12】従来例1における表示装置の発光部制御装置の構成図である。
【図13】従来例1における表示装置の発光輝度及び蓄光率の特性図である。
【図14】従来例2における表示装置の構成図である。
【符号の説明】
【0048】
1 蓄光表示装置
2 表示パネル部
2a 保護板
2b 透明板
2c 蓄光材印刷部
3 太陽電池
4 発光部
4a LEDアレイ
4b 基板
5 筐体
6 発光部制御ユニット
6a 逆流防止素子
6b 電圧検出器
6c タイマー
6d パルス発生回路
6e LED走査駆動回路
7 充電部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄光酸化物とエチレングリコール系化合物又は酸化亜鉛混合化合物を含む蓄光体を用いて表示パターン部分が形成され、可視光及び紫外光の少なくとも一方の照射により前記表示パターン部分が蓄光する表示パネル部と、
周囲光を光電変換する太陽電池部と、
前記太陽電池部からの起電力を充電する充電部と、
前記周囲光が所定値以下になったとき、前記充電部の充電電力を駆動パルスに変換する発光部制御ユニットと、
前記発光部制御ユニットの駆動パルスによって可視光及び紫外光の少なくとも一方の光を発光し、前記表示パネル部の蓄光体に照射する発光部と、を具備することを特徴とする蓄光表示装置。
【請求項2】
前記表示パネル部は、
透明樹脂基板と、前記透明樹脂基板の表面に設けられた保護コーティング層と、前記透明樹脂基板の裏面に蓄光体がスクリーン印刷により所定のパターンに印刷された蓄光体印刷部と、を有することを特徴する請求項1記載の蓄光表示装置。
【請求項3】
前記表示パネル部は、
透明樹脂板と、前記透明樹脂板の表面に設けられた保護コーティング層と、前記透明樹脂板の裏面に蓄光体がスクリーン印刷により所定のパターンに印刷された蓄光体印刷部と、を有するものであり、
前記発光部は、
可視光及び紫外光の少なくとも一方の光を発光するLEDを複数個配置したLEDアレイであり、前記LEDアレイが前記透明樹脂板の裏面に取り付けられることを特徴とする請求項1記載の蓄光表示装置。
【請求項4】
前記充電部は、コンデンサ及びキャパシターの何れかを含むことを特徴とする請求項1記載の蓄光表示装置。
【請求項5】
前記発光部制御ユニットは、
前記充電部の電圧を検出する電圧検出器と、
時刻情報を出力するタイマーと、
前記電圧検出器の検出電圧が規定値以上を示すとき、又は前記タイマーの時刻情報が特定時刻範囲を示すとき、前記充電部の電力を駆動パルスに変換して出力するパルス発生回路と、を具備することを特徴とする請求項1記載の蓄光表示装置。
【請求項6】
前記発光部が、可視光及び紫外光の少なくとも一方の光を発光するLEDを複数個配置したLEDアレイであるとき、前記パルス発生回路の出力を時間的にずらせて個々のLEDに与えるLED走査回路を前記発光部制御ユニットに設けたことを特徴とする請求項1記載の蓄光表示装置。
【請求項1】
蓄光酸化物とエチレングリコール系化合物又は酸化亜鉛混合化合物を含む蓄光体を用いて表示パターン部分が形成され、可視光及び紫外光の少なくとも一方の照射により前記表示パターン部分が蓄光する表示パネル部と、
周囲光を光電変換する太陽電池部と、
前記太陽電池部からの起電力を充電する充電部と、
前記周囲光が所定値以下になったとき、前記充電部の充電電力を駆動パルスに変換する発光部制御ユニットと、
前記発光部制御ユニットの駆動パルスによって可視光及び紫外光の少なくとも一方の光を発光し、前記表示パネル部の蓄光体に照射する発光部と、を具備することを特徴とする蓄光表示装置。
【請求項2】
前記表示パネル部は、
透明樹脂基板と、前記透明樹脂基板の表面に設けられた保護コーティング層と、前記透明樹脂基板の裏面に蓄光体がスクリーン印刷により所定のパターンに印刷された蓄光体印刷部と、を有することを特徴する請求項1記載の蓄光表示装置。
【請求項3】
前記表示パネル部は、
透明樹脂板と、前記透明樹脂板の表面に設けられた保護コーティング層と、前記透明樹脂板の裏面に蓄光体がスクリーン印刷により所定のパターンに印刷された蓄光体印刷部と、を有するものであり、
前記発光部は、
可視光及び紫外光の少なくとも一方の光を発光するLEDを複数個配置したLEDアレイであり、前記LEDアレイが前記透明樹脂板の裏面に取り付けられることを特徴とする請求項1記載の蓄光表示装置。
【請求項4】
前記充電部は、コンデンサ及びキャパシターの何れかを含むことを特徴とする請求項1記載の蓄光表示装置。
【請求項5】
前記発光部制御ユニットは、
前記充電部の電圧を検出する電圧検出器と、
時刻情報を出力するタイマーと、
前記電圧検出器の検出電圧が規定値以上を示すとき、又は前記タイマーの時刻情報が特定時刻範囲を示すとき、前記充電部の電力を駆動パルスに変換して出力するパルス発生回路と、を具備することを特徴とする請求項1記載の蓄光表示装置。
【請求項6】
前記発光部が、可視光及び紫外光の少なくとも一方の光を発光するLEDを複数個配置したLEDアレイであるとき、前記パルス発生回路の出力を時間的にずらせて個々のLEDに与えるLED走査回路を前記発光部制御ユニットに設けたことを特徴とする請求項1記載の蓄光表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−126423(P2006−126423A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−313678(P2004−313678)
【出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(592264101)下西技研工業株式会社 (108)
【出願人】(504117176)シャープエンジニアリング株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(592264101)下西技研工業株式会社 (108)
【出願人】(504117176)シャープエンジニアリング株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
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