説明

蓄熱用カプセルの製造方法及びカプセル分散液

【課題】これまでのものに比べて、より高い蓄熱量を有し、かつ、物理的強度に優れた蓄熱用カプセルの製造方法、及びそれを分散したカプセル分散液を提供する。
【解決手段】
蓄熱用カプセルの製造方法は、界面重合法により、油脂中で、蓄熱材に第一の樹脂壁膜を被覆したカプセル材を製造する工程と、該カプセル材を、ウレタンモノマー及びウレタンプレポリマーの少なくとも一方と、水酸基を有するフッ素系ポリマーとを含む壁膜用樹脂を含有した有機溶媒相に分散させる工程と、前記カプセル材が分散した有機溶媒相を水中に分散させ、液中乾燥法により、前記第一の樹脂の表面に、前記壁膜用樹脂からなる第二の樹脂壁膜を被覆した二重カプセル材を製造する工程と、を含む。また、カプセル分散液は、この製造方法で製造された蓄熱用カプセルが、分散媒体に分散されたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄熱材が壁膜に内包された蓄熱用カプセルの製造方法および該蓄熱カプセルを分散したカプセル分散液に係り、特に、冷却液などに分散して使用するに好適な蓄熱用カプセルの製造方法、及びそれを分散したカプセル分散液に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、蓄熱材は、物質の冷却時、または加温時に用いられる。中でも、物質の相変化に伴う潜熱を利用して蓄熱を行うものが広く利用されている。例えば、このような蓄熱材は、蓄熱用カプセル(マイクロカプセル)などの形態で利用されることが多い。蓄熱用カプセルは、相変化を起こし蓄熱を行う蓄熱材を芯物質として、これを壁膜に内包したものであり、芯物質の相変化に伴う蓄熱及び放熱が壁膜の内側で行われるため、芯物質の状態に拘らず粒子として取扱うことができるので、取扱い易い。
【0003】
このような蓄熱用カプセルは、例えば、液中乾燥法、又は界面重合法などにより製造される。例えば、液中乾燥法は、芯物質である蓄熱材が乳化または分散されている壁膜物質溶液を、媒体中(たとえば水中などの液中)に分散し、攪拌しつつ加温または減圧することよって、壁膜物質を溶解している溶剤を溜去し、蓄熱材を壁膜に内包させる方法である。
【0004】
一方、界面重合法は、疎水性モノマーと親水性モノマーが組み合わさりエマルション液滴界面での化学反応を利用して、壁膜を成膜するものである。具体的な一例としては、油溶性モノマーと蓄熱材(蓄熱粒子)を均一に混合した油相プレミックスと、油溶性モノマーと反応して膜を形成するための水溶性モノマーと乳化分散剤(分散剤)とを含む水相と、をそれぞれ調製後、水相に油相プレミックスを分散する。これにより得られた乳化分散液(エマルション)を加熱することにより、油相と水相の界面で加熱重合しカプセル粒子をスラリー状に形成させる。さらにこのスラリーにマイクロカプセル粒子の沈降を防止するためにさらに増粘剤、凍結防止剤、防腐剤などを添加配合し、これを乾燥させて、蓄熱用カプセルが製造される。
【0005】
このような蓄熱用カプセルの製造方法として、例えば、アミン化合物を水溶性モノマーとして用い、油溶性モノマーとの界面重合法により形成した壁膜からなる蓄熱用カプセルの製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−114104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に示す方法で界面重合法により形成された壁膜は、物理的な強度が十分なものと言えず、壁膜が外部からの物理的な衝撃により破壊されることもあり、この場合には、芯物質となる蓄熱材が溶出してしまう。
【0008】
また、液中乾燥法により製造した場合には、界面活性剤や分散安定剤を用いて、水溶性の芯物質を溶媒(外水相)に安定して分散させた後、溶媒除去により壁膜を形成するが、この際、水溶性の芯物質(蓄熱材)が外水相に溶出することがある。そこで、溶媒の粘度調整を行ったり、添加する界面活性剤を変更した場合であっても、芯物質の溶出を十分に
抑えることができなかった。この結果、液中乾燥法により製造された蓄熱用カプセルは、界面重合法により製造されたものに比べて、単位重量あたりの蓄熱量(すなわち融解熱)が、低くなる傾向にあった。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、これまでのものに比べて、より高い蓄熱量を有し、かつ、物理的強度に優れた蓄熱用カプセルの製造方法、及びそれを分散したカプセル分散液を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決すべく、本発明に係る蓄熱用カプセルの製造方法は、界面重合法により、油脂中で、蓄熱材を第一の樹脂壁膜に内包したカプセル材を製造する工程と、界面重合法により、油脂中で、蓄熱材に第一の樹脂壁膜を被覆したカプセル材を製造する工程と、該カプセル材を、ウレタンモノマー及びウレタンプレポリマーの少なくとも一方と、水酸基を有するフッ素系ポリマーとを含む壁膜用樹脂を含有した有機溶媒相に分散させる工程と、前記カプセル材が分散した有機溶媒相を水中に分散させ、液中乾燥法により、前記第一の樹脂壁膜の表面に、前記壁膜用樹脂からなる第二の樹脂壁膜を被覆した二重カプセル材を製造する工程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、蓄熱材を第一の樹脂壁膜に内包したカプセル材を、さらに第二の樹脂壁膜に内包した二重カプセル材(二重の樹脂壁膜が形成されたカプセル材)からなる蓄熱用カプセルを得ることができる。
【0012】
ここで、蓄熱用カプセルの製造過程において、まず、界面重合法により、油脂中で蓄熱材を第一の樹脂壁膜に内包するカプセル材が製造されるので、製造時に内包される蓄熱材の溶出を抑えることができる。さらに、第一の樹脂壁膜が被覆されたカプセル材を用いるので、液中乾燥法により、第二の樹脂壁膜を被覆しても、蓄熱材の漏洩はほとんどない。また、第二の樹脂壁膜を、フッ素系ポリマーを用いて成膜しているので、カプセル外部から内部への溶液の進入を防止することもできる。これらの結果、これまでのものに比べて、より高い蓄熱量を有した蓄熱用カプセルを得ることができる。
【0013】
また、フッ素系ポリマーの水酸基と、ウレタンモノマー及びウレタンプレポリマーの少なくとも一方とが反応して、ウレタン樹脂が生成され、第二の樹脂壁膜は、フッ素系ポリマーとウレタン樹脂との複合した壁膜となるため、カプセルの強度をさらに高めることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、これまでのものに比べて、より高い蓄熱量を有し、かつ、物理的強度に優れた蓄熱用カプセルを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の本発明に係る蓄熱用カプセルの製造方法の実施形態を以下に説明する。
本実施形態に係る蓄熱用カプセルの製造方法では、芯物質となる蓄熱材の表面に、第一の樹脂壁膜(樹脂皮膜)を被覆したカプセル材を製造し、さらにこのカプセル材の表面に、第二の樹脂壁膜(樹脂皮膜)を被覆した二重カプセル材を蓄熱用マイクロカプセルとして製造する。
【0016】
具体的に、まず、芯物質となる蓄熱材を準備する。この蓄熱材は、相転移(例えば、固相・液相間の転移など)を伴う潜熱蓄熱材であることが好ましく、周囲から熱を吸収するときは相転移して熱を潜熱として蓄え、周囲に熱を放出するときは相転移して潜熱を放出するものである。
【0017】
例えば、蓄熱材の芯物質としては、脂肪族炭化水素、t − ブタノール等のアルコール類等の有機化合物、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等のポリマー、または、脂肪族炭化水素、アルコール類等の有機化合物などを挙げることができる。特に、水溶性蓄熱材は、水不溶性蓄熱材よりも蓄熱量が大きいことから、蓄熱材としては、水溶性蓄熱材がより好ましい。このような水溶性蓄熱材としては、例えば、無機塩水和物、又は糖アルコールを挙げることができる。
【0018】
次に、界面重合法により、蓄熱材を第一の樹脂壁膜に内包したカプセル材を製造する。具体的には、蓄熱材と、アミン化合物の水溶性モノマーとを混合し、この混合物を加熱して蓄熱材を溶融し、混合物を油脂に分散させる。さらに、第一の樹脂壁膜の材料となる、例えばポリイソシアネートなどで例示されるウレタンモノマー、及びウレタンプレポリマーを油溶性モノマーとして、この油溶性モノマーを油脂に溶解する。
【0019】
さらに、油溶性モノマーに水溶性モノマーに加え、加熱及び攪拌により、水溶性モノマーと油溶性モノマーとを重合反応させる。この結果、第一の樹脂壁膜(ポリウレア樹脂壁膜)が蓄熱材の表面に被覆され、蓄熱材を第一の樹脂壁膜に内包したカプセル材を得ることができる。このように、まず界面重合法により、蓄熱材をカプセル化してカプセル材を製造するので、製造時に内包された蓄熱材の溶出を抑えることができる。
【0020】
ここで、第一の樹脂壁膜としては、ポリウレアの他、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテルが用いられる。
【0021】
溶媒として用いる油脂としては、炭素数8〜20の飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸のうち選択された少なくとも一種、又はこれらの混合物を含む油脂が好ましく、さらには、これらを含有する天然油脂類であってもよい。
【0022】
次に、ウレタンモノマー及びウレタンプレポリマーの少なくとも一方と、水酸基を有するフッ素系ポリマー(例えば水酸基を含有するフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体)と、からなる第二壁膜用樹脂を、例えばトルエンなどの有機溶媒(有機溶剤)に
溶解して分散させた有機溶媒相(油相)を作製する。さらに、作製した有機溶媒相へのカプセル材の溶出を抑制するために、非イオン性界面活性剤などの界面活性剤を、有機溶媒相に加えた後、界面重合法で作製したカプセル材を有機溶媒相に投入して、これを分散した分散液を作製する。
【0023】
さらに、カプセル材が分散した有機溶媒相を、界面活性剤及び分散安定剤が入った水に投入するとともに、加熱及び攪拌して、液中乾燥法により、カプセル材の第一の樹脂壁膜の表面に、第二の樹脂壁膜をさらに被覆し、カプセル材を第二の樹脂壁膜にさらに内包した二重カプセル材からなる蓄熱用カプセルを製造することができる。
【0024】
このようにして得られた、蓄熱用カプセルは、これまでの方法で製造したものに比べて、蓄熱材の溶出が抑えられるので、より高い蓄熱量を有する。さらに、第二の樹脂壁膜は、フッ素系ポリマーとウレタン樹脂との複合した壁膜が形成されるので、このような蓄熱用カプセルは、物理的強度に優れている。そして、この蓄熱用カプセルを分散媒体に分散して、吸熱・放熱カプセル分散液として用いれば、内燃機関用の冷却液、インバータ用冷却液、モーター用冷却液、もしくは燃料電池用冷却液として好適に使用することができる。分散溶媒としては、水、グリコール類、アルコール類、及びグリコールエーテル類の中から選ばれる1種もしくは2種以上の混合物や、シリコーンオイル、フッ素系液体、ポリアルファオレフィン、または流動パラフィンなどが挙げられる。
【実施例】
【0025】
本発明を以下の実施例により説明する。
(実施例)
以下の表1に示すようにして、実施例に係る蓄熱用カプセルを製造した。
<界面重合法による水溶性蓄熱材を内包したカプセル材の作製(カプセル化)>
まず、水溶性蓄熱材であるスレイトール3.5gに、水溶性モノマーとして、エチレンジアミン0.44gを加え、95℃まで加熱して、スレイトールを溶融した。別途、95℃に加熱したコーン油130gに、400回転/分で、先に示したスレイトールとエチレンジアミンの混合物を加え、これらの混合物を、コーン油に分散した。この分散したコーン油に、さらに、コーン油10gにトリレンジイソシアネート(TDI,ウレタンモノマー)1.0g、三井化学製D−177N(ヘキサメチレンジイソシアネート系ウレタンプレポリマー)0.3gを溶解したものを加える。
【0026】
そのまま、95℃に保持しながら200回転/分で、5時間、エチレンジアミンと、TDI及びD−177Nと、を重合した後、トルエンで洗浄した。この結果、界面重合法により、スレイトール(蓄熱材)を、ポリウレア壁膜(第一の樹脂壁膜)に内包したカプセル材を得た。
【0027】
<液中乾燥法による二重カプセル材の作製(カプセル化)>
ルミフロン(水酸基を有するフッ素系ポリマー、旭硝子社製)を40質量%になるように、トルエンに溶かした。ここに、3質量%のTDIを溶融させた。さらに、この溶液5.0gに界面活性剤としてソルビタンモノオレエート(和光純薬工業社製:HLB4.3)を0.5g加えた後、上記に示すカプセル材を1.0g加え、これを分散した分散液を作製した。この分散液を、別途、界面活性剤としてポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(和光純薬工業社製) 5gと、ポリビニルアルコール(和光純薬工業社製) 2.4gとを溶解させた55℃に温めた水120mlに、400回転/分の攪拌下、加え、30分重合を行った後、水で洗浄し、カプセル材を、フッ素系ポリマーとウレタン樹脂との複合膜(第二の樹脂壁膜)に内包した二重カプセル材(蓄熱用カプセル)を得た。
【0028】
(比較例1)
以下の表1に示すようにして、蓄熱用カプセルを製造した。実施例1と相違する点は、界面重合法のみを行い第一の樹脂壁膜を成膜しただけであり、その後の液中乾燥法による、第二の樹脂壁膜を成膜していない点である。
【0029】
(比較例2)
以下の表1に示すようにして、比較例2に係る蓄熱用カプセルを製造した。実施例1と相違する点は、界面重合法を行なわず、液中乾燥法のみで、第二の樹脂壁膜を成膜した点である。具体的には、ルミフロン(水酸基を有するフッ素系ポリマー、旭硝子社製)を40質量%になるように、トルエンに溶かした。ここに、3質量%のTDIを溶融させた。さらに、この溶液5.0gに界面活性剤としてソルビタンモノオレエート(HLB4.3)を0.5g加えた後、95℃で溶解したスレイトール1.0gを添加して、これを分散した分散液を作製した。この分散液を、別途、界面活性剤としてポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート 5gと、ポリビニルアルコール 2.4gとを溶解させた55℃に温めた水120mlに、400回転/分の攪拌下、加え、30分重合を行った後、水で洗浄し、スレイトールを、フッ素系ポリマーとウレタン樹脂との複合膜(第二の樹脂壁膜)に内包した二重カプセル材(蓄熱用カプセル)を得た。
【0030】
(比較例3)
以下の表1に示すようにして、比較例3に係る蓄熱用カプセルを製造した。比較例3に
係る蓄熱用カプセルは、比較例2と同様の方法で製造し、相違する点は、界面活性剤にソルビタンモノオレエートの替わりに、エマルゲン104P(花王株式会社製 HLB9.4)を用いた点である。
【0031】
(比較例4)
以下の表1に示すようにして、比較例4に係る蓄熱用カプセルを製造した。実施例1と相違する点は、界面重合法と、液中乾燥法とを同時に行った点である。まず、ルミフロン(水酸基を有するフッ素系ポリマー、旭硝子製)を40質量%になるように、トルエンに溶かした。ここに、10質量%のTDIを溶融させた。さらに、この溶液5.0gに界面活性剤としてソルビタンモノオレエート(HLB4.3)を0.5g加えた後、95℃で溶解したスレイトール1.0gを添加して、これを分散した分散液を作製した。この分散液を、別途、界面活性剤ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート 5gと、ポリビニルアルコール 2.4gと、エチレンジアミン 0.126gとを溶解させた55℃に温めた水120mlに、400回転/分の攪拌下、加え、30分重合を行った後、水で洗浄し、スレイトールを、ポリウレア樹脂、フッ素系ポリマー、及びウレタン樹脂との複合膜とに内包した蓄熱用カプセルを得た。
【0032】
〔評価試験〕
実施例及び比較例1〜4の蓄熱用カプセルに対して、自動車冷却液の使用状況を模擬した強度評価試験を行った。具体的には、95℃に加熱した水中に投入し、攪拌器であるホモディスパーを用いて、この水を1600回転/分で60分間攪拌し、その後カプセルの状態を確認した。この結果を、以下の表1の強度評価の欄に示す。さらに、強度評価試験後の蓄熱用カプセルを加熱して、示差走査熱量計(DSC)を用いて融解熱を測定した。この結果を、以下の表1の強度評価後の融解熱の欄に示す。
【0033】
【表1】

【0034】
〔結果及び考察〕
表1に示すように、実施例の蓄熱用カプセルは、強度評価試験においても、破壊せず、比較例2〜4に比べて、融解熱は高かった。比較例1の蓄熱用カプセルは、強度評価試験で、カプセルの破壊が確認された。
【0035】
以上の結果から、界面重合法のみのカプセルの樹脂壁膜(ポリウレア壁膜)では、充分な強度は得られないと考えられる。また、比較例3は、比較例2に比べて、界面活性剤を変更することにより、成膜時のスレイトールの溶出の抑制を図ったが、いずれの場合であっても、外水相へのスレイトールの溶出を充分に抑制することはできず、その結果として、比較例2及び3の蓄熱用カプセルの融解熱は実施例に比べて低く、ほとんど無い状態になったと考えられる。さらに、油脂中での界面重合法によるカプセル化を行わず、蒸発し易い有機溶剤であるトルエンを油相とした液中乾燥法によるカプセル化と、同時に、水中のエチレンジアミンとの界面重合法によるカプセル化を行った場合も、スレイトールの溶出を充分に抑制することはできず、融解熱は、比較例2及び3と同等で、低いものになったと考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面重合法により、油脂中で、蓄熱材に第一の樹脂壁膜を被覆したカプセル材を製造する工程と、
該カプセル材を、ウレタンモノマー及びウレタンプレポリマーの少なくとも一方と、水酸基を有するフッ素系ポリマーとを含む壁膜用樹脂を含有した有機溶媒相に分散させる工程と、
前記カプセル材が分散した有機溶媒相を水中に分散させ、液中乾燥法により、前記第一の樹脂壁膜の表面に、前記壁膜用樹脂からなる第二の樹脂壁膜を被覆した二重カプセル材を製造する工程と、を含むことを特徴とする蓄熱用カプセルの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の製造方法で製造された蓄熱用カプセルを、分散媒体に分散したことを特徴とするカプセル分散液。

【公開番号】特開2011−111512(P2011−111512A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268187(P2009−268187)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(591125289)日本ケミカル工業株式会社 (25)
【Fターム(参考)】