説明

蓄電制御装置、及び蓄電制御方法

【課題】より好適な自然エネルギーの利用環境を実現すること。
【解決手段】自然エネルギーを利用して発電する発電装置又は当該発電機が発電した電力を蓄える蓄電装置から電力の供給を受けるための給電端子と、バッテリを搭載し、当該バッテリに蓄えられた電力を利用して動作する消費装置との接続状態を監視する接続監視部と、前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整する蓄電制御部と、を備え、前記蓄電制御部は、前記給電端子に接続されていた前記消費装置が前記給電端子から離脱した場合、離脱状態で当該消費装置が消費する電力の量を考慮して前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整する、蓄電制御装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、蓄電制御装置、及び蓄電制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地球環境の保護に対する意識の高まりや化石燃料の枯渇に対する危機感から自然エネルギーに対する人々の関心が高まってきている。自然エネルギーのエネルギー源は、例えば、水力、地熱、太陽光、太陽熱、潮汐、風力、バイオマスなどである。そのため、自然エネルギーは、ほとんど温室効果ガスを発生させずに生成することができる。こうした自然エネルギーに対する人々の関心の高まりに比例して、自然エネルギーに由来する電力を有効に利用するための技術開発が各所で進められている。例えば、下記の特許文献1には、天候情報を利用して自然エネルギー由来の電力を効率良く蓄電池に蓄えるための蓄電制御方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−213507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電気自動車、電動スクーター、電動自転車など、蓄電制御の対象となる装置(以下、消費装置)がシステムから離脱してしまうと、その装置に関する蓄電制御が働かなくなってしまう。例えば、システムに接続された装置の消費電力を基準に効率的な蓄電制御を行った場合、それらの装置が消費しきれない電力は、例えば、余剰電力として電力会社などに売電される。しかし、消費装置がシステムに接続された場合、上記の蓄電制御において想定されていない電力の消費(バッテリへの充電)が発生し、蓄電池に蓄えられた電力だけでは、その消費分の電力を補えなくなってしまう可能性が考えられる。つまり、上記の蓄電制御では、自然エネルギーを十分効率的に利用できているとは言えないのである。
【0005】
そこで、本技術は、上記のような事情を受けて考案されたものであり、より好適な自然エネルギーの利用環境を実現することが可能な、新規かつ改良された蓄電制御装置、及び蓄電制御方法を提供することを意図している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術のある観点によれば、自然エネルギーを利用して発電する発電装置又は当該発電機が発電した電力を蓄える蓄電装置から電力の供給を受けるための給電端子と、バッテリを搭載し、当該バッテリに蓄えられた電力を利用して動作する消費装置との接続状態を監視する接続監視部と、前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整する蓄電制御部と、を備え、前記蓄電制御部は、前記給電端子に接続されていた前記消費装置が前記給電端子から離脱した場合、離脱状態で当該消費装置が消費する電力の量を考慮して前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整する、蓄電制御装置が提供される。
【0007】
また、本技術の別の観点によれば、自然エネルギーを利用して発電する発電装置又は当該発電機が発電した電力を蓄える蓄電装置から電力の供給を受けるための給電端子と、バッテリを搭載し、当該バッテリに蓄えられた電力を利用して動作する消費装置との接続状態を監視するステップと、前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整するステップと、を含み、前記調整するステップは、前記給電端子に接続されていた前記消費装置が前記給電端子から離脱した場合に、離脱状態で当該消費装置が消費する電力の量を考慮して前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整するステップである、蓄電制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように本技術によれば、より好適な自然エネルギーの利用環境を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】電力システムの構成例について説明するための説明図である。
【図2】消費装置の構成例について説明するための説明図である。
【図3】消費装置の他の構成例について説明するための説明図である。
【図4】本技術の第1実施形態に係るシステム制御装置の機能構成例について説明するための説明図である。
【図5】同実施形態に係る装置情報の構成例を示した説明図である。
【図6】同実施形態に係る装置情報の他の構成例を示した説明図である。
【図7】同実施形態に係るシステム制御装置の動作例について説明するための説明図である。
【図8】同実施形態に係るシステム制御装置の動作例について説明するための説明図である。
【図9】同実施形態に係るシステム制御装置の動作例について説明するための説明図である。
【図10】本技術の第2実施形態に係るシステム制御装置の機能構成例について説明するための説明図である。
【図11】同実施形態に係る利用履歴の構成例を示した説明図である。
【図12】同実施形態に係るシステム制御装置の動作例について説明するための説明図である。
【図13】同実施形態に係る利用履歴の他の構成例を示した説明図である。
【図14】本技術の第3実施形態に係るシステム制御装置の機能構成例について説明するための説明図である。
【図15】同実施形態に係るシステム制御装置の動作例について説明するための説明図である。
【図16】同実施形態に係るシステム制御装置の動作例について説明するための説明図である。
【図17】本技術の第4実施形態に係るシステム制御装置の機能構成例について説明するための説明図である。
【図18】同実施形態に係る目的地情報の取得例を示した説明図である。
【図19】同実施形態に係るシステム制御装置の動作例について説明するための説明図である。
【図20】本技術の第1〜第4実施形態に係るシステム制御装置の機能を実現することが可能なハードウェア構成例について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本技術に係る好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
[説明の流れについて]
ここで、以下に記載する説明の流れについて簡単に述べる。
【0012】
まず、図1を参照しながら、電力システムの構成例について説明する。次いで、図2及び図3を参照しながら、消費装置22の構成例について説明する。次いで、図4〜図9を参照しながら、本技術の第1実施形態に係るシステム制御装置100の構成及び動作について説明する。次いで、図10〜図13を参照しながら、本技術の第2実施形態に係るシステム制御装置100の構成及び動作について説明する。次いで、図14〜図16を参照しながら、本技術の第3実施形態に係るシステム制御装置100の構成及び動作について説明する。次いで、図17〜図19を参照しながら、本技術の第4実施形態に係るシステム制御装置100の構成及び動作について説明する。
【0013】
次いで、図20を参照しながら、本技術の第1〜第4実施形態に係るシステム制御装置100の機能を実現することが可能なハードウェア構成例について説明する。最後に、第1〜第4実施形態の組み合わせ方法及び同実施形態の技術的思想について纏め、当該技術的思想から得られる作用効果について簡単に説明する。
【0014】
(説明項目)
1:はじめに
1−1:電力システムの構成
1−2:消費装置22の構成
1−3:自然エネルギーの効率的な利用について
2:第1実施形態(離脱状態におけるバッテリ消費量:固定値)
2−1:システム制御装置100の構成
2−2:システム制御装置100の動作
3:第2実施形態(離脱状態におけるバッテリ消費量:利用履歴から推定)
3−1:システム制御装置100の構成
3−2:システム制御装置100の動作
3−3:(変形例)ユーザを区別する構成
4:第3実施形態(離脱状態におけるバッテリ消費量:通信により受信)
4−1:システム制御装置100の構成
4−2:システム制御装置100の動作
5:第4実施形態(離脱状態におけるバッテリ消費量:目的地設定から推定)
5−1:システム制御装置100の構成
5−2:システム制御装置100の動作
6:システム制御装置100のハードウェア構成例
7:まとめ
7−1:実施形態の組み合わせについて
7−2:技術的思想の表現
【0015】
<1:はじめに>
はじめに、後述する実施形態において想定する電力システム及び消費装置22の構成例について説明する。但し、ここで説明する構成例は、同実施形態の内容を理解するための一助とすべく例示するものである。従って、同実施形態に係る技術の適用範囲が当該構成例に限定されるわけではない点に注意されたい。例えば、ここでは家庭内の電力システムを例に挙げるが、企業や工場など、家庭以外で利用される電力システムに対しても同実施形態に係る技術を適用可能である。
【0016】
[1−1:電力システムの構成]
まず、図1を参照しながら、電力システムの構成例について説明する。図1は、電力システムの構成例について説明するための説明図である。
【0017】
図1に示すように、電力システムは、例えば、太陽光発電パネル11と、DC/DCコンバータ12と、電力バス13と、蓄電装置14とを有する。また、この電力システムは、配電盤16と、電力バス17と、AC/DCコンバータ18と、系統連携インバータ19と、家庭内消費装置20と、コネクタ21と、システム制御装置100とを有する。なお、配電盤16には、電力会社15から系統電力が供給されるものとする。また、コネクタ21には、この電力システムから離脱可能な消費装置22が接続可能である。
【0018】
太陽光発電パネル11は、自然エネルギーから電力を発生させる発電設備の一例である。こうした発電設備としては、例えば、風力発電設備、水力発電設備、地熱発電設備、バイオマス発電設備など、他の発電設備を利用することも可能である。但し、ここでは説明の都合上、太陽光発電パネル11が利用されるものとする。この太陽光発電パネル11で発生した電力は、DC/DCコンバータ12を経由して電力バス13に供給される。電力バス13に供給された電力は、蓄電装置14に蓄電されたり、コネクタ21に接続された消費装置22に供給されたり、系統連携インバータ19を介して電力バス17に供給されたりする。
【0019】
電力バス17に供給された電力は、電力バス17に接続された家庭内消費装置20により消費されたり、配電盤16を介して電力会社15に売電されたりする。なお、配電盤16には、電力の入出力量を計測するメータが搭載されている。また、電力会社15から供給される系統電力は、配電盤16を介して電力バス17に供給される。電力バス17に供給された系統電力は、電力バス17に接続された家庭内消費装置20により消費されたり、AC/DCコンバータ18を介して電力バス13に供給されたりする。また、電力バス13に供給された系統電力は、蓄電装置14に蓄えられたり、コネクタ21に接続された消費装置22に供給されたりする。
【0020】
また、電力システム内における電力の管理は、システム制御装置100が実施する。例えば、システム制御装置100は、太陽光発電パネル11で発生した電力のうち、蓄電装置14に蓄える電力の量を決定したり、電力会社15に売電する電力の量を決定したりする。また、システム制御装置100は、蓄電装置14、家庭内消費装置20、及び、コネクタ21に接続された消費装置22に供給する電力を系統電力にするか、太陽光発電パネル11で発生した電力にするかなどを制御する。なお、システム制御装置100の構成については後段において詳述する。
【0021】
以上、電力システムの構成例について説明した。なお、家庭内消費装置20は、家電など、家庭内に設置されて電力を消費する任意の装置である。一方、消費装置22は、電動自動車、電動スクーター、電動自転車、携帯電話、携帯情報端末、携帯ゲーム機、携帯バッテリなど、電力システムから離脱可能な装置である。但し、以下では、説明の都合上、消費装置22として電動移動体(EV)を想定しつつ説明を進めることにする。
【0022】
[1−2:消費装置22の構成]
次に、図2を参照しながら、消費装置22の構成例について説明する。図2は、消費装置22の構成例について説明するための説明図である。
【0023】
図2に示すように、消費装置22は、例えば、駆動部221と、バッテリ222と、接続部223と、情報提供部224とを有する。駆動部221は、バッテリ222に蓄えられた電力を利用して駆動する駆動手段である。また、接続部223は、コネクタ21と電気的及び物理的に接続するための接続手段である。例えば、接続部223とコネクタ21とが接続されると、接続部223を介してバッテリ222に電力が供給される。
【0024】
また、接続部223とコネクタ21とが接続されると、情報提供部224は、電力線通信によりシステム制御装置100に情報を送信できるようになる。例えば、情報提供部224は、バッテリ222の残量を示す情報をシステム制御装置100に送信することができる。また、情報提供部224は、バッテリ222の容量、バッテリ222を特定するための識別情報、消費装置22を特定するための識別情報などをシステム制御装置100に送信することができる。
【0025】
また、情報提供部224は、カーナビゲーション装置の機能を提供したり、その機能により設定された目的地の情報をシステム制御装置100に送信したりするように構成されていてもよい。さらに、情報提供部224は、ユーザが設定した消費装置22の利用時間や目的地の情報などから離脱状態で消費装置22が消費する電力の量を算出し、その電力の量を示す情報をシステム制御装置100に送信するように構成されていてもよい。また、情報提供部224は、消費装置22を利用するユーザを特定するための識別情報をシステム制御装置100に送信するように構成されていてもよい。
【0026】
以上、消費装置22の構成について説明した。
【0027】
(変形例:無線通信機能を搭載する構成)
次に、図3を参照しながら、無線通信機能を搭載した消費装置22の構成例(変形例)について説明する。図3は、無線通信機能を搭載した消費装置22の構成例(変形例)について説明するための説明図である。
【0028】
図3に示すように、この消費装置22は、駆動部221と、バッテリ222と、接続部223と、情報提供部224と、無線通信部225とを有する。駆動部221は、バッテリ222に蓄えられた電力を利用して駆動する駆動手段である。また、接続部223は、コネクタ21と電気的及び物理的に接続するための接続手段である。例えば、接続部223とコネクタ21とが接続されると、接続部223を介してバッテリ222に電力が供給される。また、接続部223とコネクタ21とが接続されると、情報提供部224は、電力線通信によりシステム制御装置100に情報を送信できるようになる。
【0029】
また、接続部223とコネクタ21とが離脱した状態であっても、情報提供部224は、無線通信部225を介してシステム制御装置100に情報を送信することができる。例えば、情報提供部224は、無線通信機能により、バッテリ222の残量を示す情報をシステム制御装置100に送信することができる。また、情報提供部224は、無線通信機能により、バッテリ222の容量、バッテリ222を特定するための識別情報、消費装置22を特定するための識別情報などをシステム制御装置100に送信することができる。
【0030】
また、情報提供部224は、無線通信機能を用いて、カーナビゲーション装置の機能により設定された目的地の情報をシステム制御装置100に送信したりするように構成されていてもよい。さらに、情報提供部224は、ユーザが設定した消費装置22の利用時間や目的地の情報などから離脱状態で消費装置22が消費する電力の量を算出し、その電力の量を示す情報をシステム制御装置100に送信するように構成されていてもよい。また、情報提供部224は、消費装置22を利用するユーザを特定するための識別情報をシステム制御装置100に送信するように構成されていてもよい。
【0031】
以上、無線通信機能を搭載した消費装置22の構成例(変形例)について説明した。
【0032】
[1−3:自然エネルギーの効率的な利用について]
ここで、自然エネルギーの効率的な利用を実現する方法について考察しておきたい。太陽光発電や風力発電などの方法で発生する電力の量は、気象条件などの自然環境に依存する。例えば、日照時間の長い日は、太陽光発電により多くの電力が得られる。また、凪の日は、風力発電により得られる電力が少なくなる。このように、自然エネルギーに由来する電力の供給量は気象条件に左右されるために安定しない。
【0033】
こうした供給量の不安定さを解消すべく考案された方法が、蓄電池を利用する方法である。例えば、昼間に太陽光発電により発生した電力を蓄電池に蓄えておき、蓄電池に蓄えておいた電力を夜間に利用する方法などは既に実用化されている。また、太陽光発電などにより蓄電池の蓄電容量を超える電力を発電した場合、その余剰電力を電力会社などに売電する方法なども実用化されている。さらに、電力システムに接続された消費装置により消費される電力を見積もり、その電力を越える電力を電力会社などに売電する方法なども考案されている。
【0034】
しかしながら、上記のような蓄電制御は、電力システムに接続されている消費装置を対象に実施することが前提とされていた。そのため、消費装置が電力システムから離脱すると、その消費装置が消費する電力の量や、その消費装置が電力システムに接続された際に実行するバッテリへの充電行為などは蓄電制御の対象から漏れてしまっていた。そのため、消費装置が再び電力システムに接続された後、蓄電池に蓄えられた電力だけでは電力の消費を賄えなくなり、系統電力を利用する必要が生じてしまう可能性があった。そこで、本件発明者は、電力システムから離脱する消費装置が離脱状態で消費する電力の量を考慮に入れて蓄電制御する方法を考案した。以下、この方法について詳細に説明する。
【0035】
<2:第1実施形態(離脱状態におけるバッテリ消費量:固定値)>
本技術の第1実施形態について説明する。
【0036】
[2−1:システム制御装置100の構成]
まず、図4を参照しながら、本実施形態に係るシステム制御装置100の構成について説明する。図4は、本実施形態に係るシステム制御装置100の構成について説明するための説明図である。
【0037】
図4に示すように、システム制御装置100は、主に、接続監視部101と、蓄電制御部102と、記憶部103とにより構成される。
【0038】
接続監視部101は、コネクタ21と消費装置22との接続状態を監視する。例えば、コネクタ21と消費装置22とが離脱した場合、接続監視部101は、離脱した消費装置22を識別するための情報(以下、装置情報)又はその消費装置22が搭載するバッテリ222のバッテリ容量を示す情報(以下、容量情報)と、離脱状態を示す情報とを蓄電制御部102に入力する。離脱状態を示す情報が入力された蓄電制御部102は、離脱した消費装置22が消費すると想定される電力の量(以下、バッテリ消費量)を決定する。
【0039】
例えば、蓄電制御部102は、装置名とバッテリ消費量とを対応付けた消費量情報(図5を参照)を記憶部103から読み出し、読み出した消費量情報に基づいて、離脱した消費装置22に対応するバッテリ消費量を決定する。或いは、蓄電制御部102は、バッテリ容量とバッテリ消費量とを対応付けた消費量情報(図6を参照)を記憶部103から読み出し、読み出した消費量情報に基づいて、離脱した消費装置22に対応するバッテリ消費量を決定する。バッテリ消費量を決定した蓄電制御部102は、決定したバッテリ消費量の分だけ余計に蓄電装置14に電力が蓄えられるように蓄電制御を実施する。
【0040】
以上、本実施形態に係るシステム制御装置100の構成について説明した。なお、バッテリ消費量は、バッテリ容量に所定の割合をかけた値で決定されてもよい。
【0041】
[2−2:システム制御装置100の動作]
次に、図7〜図9を参照しながら、本実施形態に係るシステム制御装置100の動作について説明する。図7〜図9は、本実施形態に係るシステム制御装置100の動作について説明するための説明図である。
【0042】
(全体的な処理の流れ)
まず、図7を参照する。図7に示すように、システム制御装置100は、消費装置22の離脱を検出したか否かを判定する(S101)。消費装置22の離脱を検出した場合、システム制御装置100は、処理をステップS102に進める。一方、消費装置22の離脱を検出していない場合、システム制御装置100は、処理をステップS104に進める。処理をステップS102に進めた場合、システム制御装置100は、後述する離脱時の処理を実行する(S102)。次いで、システム制御装置100は、離脱した消費装置22の接続を検出したか否かを判定する(S103)。
【0043】
離脱した消費装置22の接続を検出した場合、システム制御装置100は、処理をステップS101に進める。一方、離脱した消費装置22の接続を検出していない場合、システム制御装置100は、処理をステップS105に進める。また、ステップS101において処理をステップS104に進めた場合、システム制御装置100は、後述する通常時の処理を実行し(S104)、処理をステップS105に進める。処理をステップS105に進めたシステム制御装置100は、蓄電制御に関する一連の処理を終了するか否かを判定する(S105)。処理を終了しない場合、システム制御装置100は、処理をステップS101に進める。
【0044】
(S102:離脱時の処理について)
次に、図8を参照する。図8に示すように、離脱時の処理を開始したシステム制御装置100は、消費量情報を参照し、装置情報や容量情報に基づいてバッテリ消費量ΔCを決定する(S111)。次いで、システム制御装置100は、下記の式(1)に基づいて充電目標値Cを変更する(S112)。但し、Cは、所定の基準値である。この基準値は、例えば、電力システムに常時接続されている家庭内消費装置20が日常的に消費する電力の量に基づいて予め決定された値である。また、充電目標値Cは、蓄電装置14に蓄えておく電力量の目標値を意味する。この充電目標値Cを変更したシステム制御装置100は、変更後の充電目標値Cに基づいて充電制御を実施し(S113)、離脱時の処理を終了する。
【0045】

C=C+ΔC
…(1)

【0046】
(S104:通常時の処理について)
次に、図9を参照する。図9に示すように、通常時の処理を開始したシステム制御装置100は、充電目標値Cを所定の基準値Cにリセットする(S121)。次いで、システム制御装置100は、リセット後の充電目標値Cに基づいて充電制御を実施し(S122)、通常時の処理を終了する。
【0047】
以上、本実施形態に係るシステム制御装置100の動作について説明した。
【0048】
以上説明したように、本技術の第1実施形態に係る蓄電制御方法を適用すれば、消費装置22が離脱しても、離脱状態において消費装置22が消費する電力の量を考慮した蓄電制御が実施されるため、自然エネルギーの有効利用が可能になる。
【0049】
<3:第2実施形態(離脱状態におけるバッテリ消費量:利用履歴から推定)>
次に、本技術の第2実施形態について説明する。
【0050】
[3−1:システム制御装置100の構成]
まず、図10を参照しながら、本実施形態に係るシステム制御装置100の構成について説明する。図10は、本実施形態に係るシステム制御装置100の構成について説明するための説明図である。
【0051】
図10に示すように、システム制御装置100は、主に、接続監視部111と、蓄電制御部112と、記憶部113と、履歴記録部114と、履歴分析部115とにより構成される。
【0052】
接続監視部111は、コネクタ21と消費装置22との接続状態を監視する。例えば、コネクタ21と消費装置22とが離脱した場合、接続監視部111は、離脱した消費装置22を識別するための装置情報及びその消費装置22が搭載するバッテリ222のバッテリ容量を示す容量情報と、離脱状態を示す情報とを蓄電制御部112に入力する。離脱状態を示す情報が入力された蓄電制御部112は、履歴分析部115から、離脱した消費装置22が消費すると想定される電力の量を示す情報(バッテリ消費量)を取得する。そして、蓄電制御部112は、取得したバッテリ消費量の分だけ余計に蓄電装置14に電力が蓄えられるように蓄電制御を実施する。
【0053】
なお、履歴分析部115は、図11に示すような利用履歴を用いて、離脱した消費装置22が消費すると想定される電力の量(バッテリ消費量)を決定する。この利用履歴は、履歴記録部114が消費装置22から取得し、記憶部113に格納したものである。まず、履歴分析部115は、図11に示すような利用履歴を記憶部103から読み出し、読み出した利用履歴の中から、離脱した消費装置22又はその消費装置22が搭載するバッテリのバッテリ容量に対応する情報を抽出する。
【0054】
例えば、離脱した消費装置22が装置#1である場合、履歴分析部115は、装置#1が過去に1回の離脱状態で消費した電力の量(C×0.6、C×0.5)を抽出する。この場合、履歴分析部115は、抽出したバッテリ消費量の平均値C×0.55を算出し、算出した値を今回の離脱状態で消費が想定されるバッテリ消費量ΔCに決定する。なお、ここでは平均値を用いる構成を例に挙げたが、中央値や重み付き平均値など、他の統計量を用いる構成にしてもよい。このようにして決定されたバッテリ消費量ΔCは、上記の通り、蓄電制御部112により利用される。
【0055】
以上、本実施形態に係るシステム制御装置100の構成について説明した。
【0056】
[3−2:システム制御装置100の動作]
次に、図12を参照しながら、本実施形態に係るシステム制御装置100の動作について説明する。図12は、本実施形態に係るシステム制御装置100の動作について説明するための説明図である。
【0057】
図12に示すように、システム制御装置100は、利用履歴を用いてバッテリ消費量を推定する(S131)。次いで、システム制御装置100は、消費装置22の離脱を検出したか否かを判定する(S132)。消費装置22の離脱を検出した場合、システム制御装置100は、処理をステップS133に進める。一方、消費装置22の離脱を検出していない場合、システム制御装置100は、処理をステップS135に進める。処理をステップS133に進めた場合、システム制御装置100は、離脱時の処理(図8を参照)を実行する(S133)。次いで、システム制御装置100は、離脱した消費装置22の接続を検出したか否かを判定する(S134)。
【0058】
離脱した消費装置22の接続を検出した場合、システム制御装置100は、処理をステップS132に進める。一方、離脱した消費装置22の接続を検出していない場合、システム制御装置100は、処理をステップS136に進める。また、ステップS132において処理をステップS135に進めた場合、システム制御装置100は、通常時の処理(図9を参照)を実行し(S135)、処理をステップS136に進める。処理をステップS136に進めたシステム制御装置100は、蓄電制御に関する一連の処理を終了するか否かを判定する(S136)。処理を終了しない場合、システム制御装置100は、処理をステップS132に進める。
【0059】
以上、本実施形態に係るシステム制御装置100の動作について説明した。
【0060】
[3−3:(変形例)ユーザを区別する構成]
上記の説明において、消費装置22又は消費装置22が搭載するバッテリ容量に応じた利用履歴を用いてバッテリ消費量ΔCを決定する方法を紹介した。ここでは、バッテリ消費量ΔCを決定する際に、ユーザ毎に蓄積した利用履歴を利用する方法を紹介する。
【0061】
消費装置22の利用方法はユーザ毎に異なる。例えば、消費装置22が電動自動車の場合、急発進、急停止を繰り返す傾向にあるユーザや、山道ばかりを走行するユーザは、1回の利用で消費される電力の量が多くなると予想される。そのため、より好適な蓄電制御を実現するためには、利用するユーザ毎にバッテリ消費量ΔCを決定する方法が好ましい。例えば、図13に示すような利用履歴を利用してバッテリ消費量ΔCを決定する方法が考えられる。図13に例示した利用履歴を利用する場合、同じ装置#1を利用するシーンでも、ユーザ#1が利用するシーンにおいてはバッテリ消費量ΔC=C×0.55となり、ユーザ#2が利用するシーンにおいてはバッテリ消費量ΔC=C×0.5となる。
【0062】
以上、本実施形態に係る変形例について説明した。
【0063】
以上説明したように、本技術の第2実施形態に係る蓄電制御方法を適用すれば、消費装置22が離脱しても、離脱状態において消費装置22が消費する電力の量を考慮した蓄電制御が実施されるため、自然エネルギーの有効利用が可能になる。
【0064】
<4:第3実施形態(離脱状態におけるバッテリ消費量:通信により受信)>
次に、本技術の第3実施形態について説明する。
【0065】
[4−1:システム制御装置100の構成]
まず、図14を参照しながら、本実施形態に係るシステム制御装置100の構成について説明する。図14は、本実施形態に係るシステム制御装置100の構成について説明するための説明図である。
【0066】
図14に示すように、システム制御装置100は、主に、接続監視部121と、蓄電制御部122と、記憶部123と、無線通信部124とにより構成される。
【0067】
接続監視部121は、コネクタ21と消費装置22との接続状態を監視する。例えば、コネクタ21と消費装置22とが離脱した場合、接続監視部121は、離脱した消費装置22を識別するための情報(装置情報)又はその消費装置22が搭載するバッテリ222のバッテリ容量を示す情報(容量情報)と、離脱状態を示す情報とを蓄電制御部122に入力する。但し、消費装置22が無線通信機能を搭載している場合(図3を参照)、無線通信部124は、消費装置22から送信される装置情報や容量情報を受信する。また、無線通信部124は、離脱した消費装置22から定期的に送信されるバッテリ残量又はバッテリ消費量の情報(以下、消費情報)を受信する。
【0068】
無線通信部124により受信された装置情報、容量情報、消費情報は、蓄電制御部122に入力される。これらの情報が入力された蓄電制御部122は、消費情報から、離脱した消費装置22が消費すると想定される電力の量(バッテリ消費量)を決定する。例えば、蓄電制御部122は、離脱時のバッテリ残量から現時点におけるバッテリ残量を差し引いてバッテリ消費量を決定する。バッテリ消費量を決定した蓄電制御部102は、決定したバッテリ消費量の分だけ余計に蓄電装置14に電力が蓄えられるように蓄電制御を実施する。
【0069】
以上、本実施形態に係るシステム制御装置100の構成について説明した。
【0070】
[4−2:システム制御装置100の動作]
次に、図15及び図16を参照しながら、本実施形態に係るシステム制御装置100の動作について説明する。図15及び図16は、本実施形態に係るシステム制御装置100の動作について説明するための説明図である。
【0071】
(全体的な処理の流れ)
まず、図15を参照する。図15に示すように、システム制御装置100は、消費装置22の離脱を検出したか否かを判定する(S141)。消費装置22の離脱を検出した場合、システム制御装置100は、処理をステップS142に進める。一方、消費装置22の離脱を検出していない場合、システム制御装置100は、処理をステップS144に進める。処理をステップS142に進めた場合、システム制御装置100は、後述する離脱時の処理を実行する(S142)。次いで、システム制御装置100は、離脱した消費装置22の接続を検出したか否かを判定する(S143)。
【0072】
離脱した消費装置22の接続を検出した場合、システム制御装置100は、処理をステップS141に進める。一方、離脱した消費装置22の接続を検出していない場合、システム制御装置100は、処理をステップS145に進める。また、ステップS141において処理をステップS144に進めた場合、システム制御装置100は、通常時の処理(図9を参照)を実行し(S144)、処理をステップS145に進める。処理をステップS145に進めたシステム制御装置100は、蓄電制御に関する一連の処理を終了するか否かを判定する(S145)。処理を終了しない場合、システム制御装置100は、処理をステップS141に進める。
【0073】
(S102:離脱時の処理について)
次に、図16を参照する。図16に示すように、離脱時の処理を開始したシステム制御装置100は、離脱した消費装置22と通信可能か否かを判定する(S151)。通信可能な場合、システム制御装置100は、処理をステップS152に進める。一方、通信不可能な場合、システム制御装置100は、処理をステップS153に進める。処理をステップS152に進めた場合、システム制御装置100は、無線通信により、消費装置22からバッテリ消費量ΔC(但し、バッテリ残量でもよい。)を受信する(S152)。このとき、システム制御装置100は、消費装置22から距離情報(電力システムの所在地と消費装置22との距離を示す情報)を取得し、バッテリ消費量ΔCを補正してもよい。
【0074】
バッテリ消費量ΔCを受信したシステム制御装置100は、処理をステップS154に進める。また、ステップS153に処理を進めたシステム制御装置100は、消費量情報を参照し、装置情報や容量情報に基づいてバッテリ消費量ΔCを取得する(S153)。処理をステップS154に進めたシステム制御装置100は、上記の式(1)に基づいて充電目標値Cを変更する(S154)。次いで、システム制御装置100は、変更後の充電目標値Cに基づいて充電制御を実施し(S155)、離脱時の処理を終了する。
【0075】
以上、本実施形態に係るシステム制御装置100の動作について説明した。
【0076】
以上説明したように、本技術の第3実施形態に係る蓄電制御方法を適用すれば、消費装置22が離脱しても、離脱状態において消費装置22が消費する電力の量を考慮した蓄電制御が実施されるため、自然エネルギーの有効利用が可能になる。
【0077】
<5:第4実施形態(離脱状態におけるバッテリ消費量:目的地設定から推定)>
次に、本技術の第4実施形態について説明する。
【0078】
[5−1:システム制御装置100の構成]
まず、図17を参照しながら、本実施形態に係るシステム制御装置100の構成について説明する。図17は、本実施形態に係るシステム制御装置100の構成について説明するための説明図である。
【0079】
図17に示すように、システム制御装置100は、主に、接続監視部131と、蓄電制御部132と、記憶部133と、目的地情報取得部134と、消費量推定部135とにより構成される。
【0080】
接続監視部131は、コネクタ21と消費装置22との接続状態を監視する。例えば、コネクタ21と消費装置22とが離脱した場合、接続監視部131は、離脱した消費装置22を識別するための装置情報及びその消費装置22が搭載するバッテリ222のバッテリ容量を示す容量情報と、離脱状態を示す情報とを蓄電制御部112に入力する。離脱状態を示す情報が入力された蓄電制御部132は、消費量推定部135から、離脱した消費装置22が消費すると想定される電力の量を示す情報(バッテリ消費量)を取得する。そして、蓄電制御部132は、取得したバッテリ消費量の分だけ余計に蓄電装置14に電力が蓄えられるように蓄電制御を実施する。
【0081】
なお、消費量推定部135は、目的地情報取得部134が消費装置22から取得した目的地情報に基づいてバッテリ消費量を推定する。例えば、消費装置22に搭載されたナビゲーション装置(図18を参照)をユーザが操作して目的地を入力すると、ナビゲーション装置又はナビゲーション装置が搭載された消費装置22から、その目的地を示す目的地情報が送信される。そして、目的地情報取得部134は、無線通信又は電力線通信により目的地情報を取得する。目的地情報取得部134により取得された目的地情報は、消費量推定部135に入力される。
【0082】
目的地情報が入力されると、消費量推定部135は、現在地から目的地までの距離を算出し、単位距離当たりに消費装置22が消費する電力の量を当該距離にかけ合わせて、離脱した消費装置22のバッテリ消費量ΔCを算出する。但し、単位距離当たりに消費装置22が消費する電力の量に関する情報は、消費量推定部135が保持しているものとする。このようにして算出されたバッテリ消費量ΔCは、上記の通り、蓄電制御部132により利用される。
【0083】
以上、本実施形態に係るシステム制御装置100の構成について説明した。
【0084】
[5−2:システム制御装置100の動作]
次に、図19を参照しながら、本実施形態に係るシステム制御装置100の動作について説明する。図19は、本実施形態に係るシステム制御装置100の動作について説明するための説明図である。
【0085】
図19に示すように、システム制御装置100は、目的地情報を用いてバッテリ消費量を推定する(S161)。次いで、システム制御装置100は、消費装置22の離脱を検出したか否かを判定する(S162)。消費装置22の離脱を検出した場合、システム制御装置100は、処理をステップS163に進める。一方、消費装置22の離脱を検出していない場合、システム制御装置100は、処理をステップS165に進める。処理をステップS163に進めた場合、システム制御装置100は、離脱時の処理(図8を参照)を実行する(S163)。次いで、システム制御装置100は、離脱した消費装置22の接続を検出したか否かを判定する(S164)。
【0086】
離脱した消費装置22の接続を検出した場合、システム制御装置100は、処理をステップS162に進める。一方、離脱した消費装置22の接続を検出していない場合、システム制御装置100は、処理をステップS166に進める。また、ステップS162において処理をステップS165に進めた場合、システム制御装置100は、通常時の処理(図9を参照)を実行し(S165)、処理をステップS166に進める。処理をステップS166に進めたシステム制御装置100は、蓄電制御に関する一連の処理を終了するか否かを判定する(S166)。処理を終了しない場合、システム制御装置100は、処理をステップS162に進める。
【0087】
以上、本実施形態に係るシステム制御装置100の動作について説明した。
【0088】
以上説明したように、本技術の第4実施形態に係る蓄電制御方法を適用すれば、消費装置22が離脱しても、離脱状態において消費装置22が消費する電力の量を考慮した蓄電制御が実施されるため、自然エネルギーの有効利用が可能になる。
【0089】
<6:システム制御装置100のハードウェア構成例>
上記のシステム制御装置100が有する各構成要素の機能は、例えば、図20に示すハードウェア構成を用いて実現することが可能である。つまり、当該各構成要素の機能は、コンピュータプログラムを用いて図20に示すハードウェアを制御することにより実現される。なお、このハードウェアの形態は任意であり、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、PHS、PDA等の携帯情報端末、ゲーム機、又は種々の情報家電がこれに含まれる。但し、上記のPHSは、Personal Handy−phone Systemの略である。また、上記のPDAは、Personal Digital Assistantの略である。
【0090】
図20に示すように、このハードウェアは、主に、CPU902と、ROM904と、RAM906と、ホストバス908と、ブリッジ910と、を有する。さらに、このハードウェアは、外部バス912と、インターフェース914と、入力部916と、出力部918と、記憶部920と、ドライブ922と、接続ポート924と、通信部926と、を有する。但し、上記のCPUは、Central Processing Unitの略である。また、上記のROMは、Read Only Memoryの略である。そして、上記のRAMは、Random Access Memoryの略である。
【0091】
CPU902は、例えば、演算処理装置又は制御装置として機能し、ROM904、RAM906、記憶部920、又はリムーバブル記録媒体928に記録された各種プログラムに基づいて各構成要素の動作全般又はその一部を制御する。ROM904は、CPU902に読み込まれるプログラムや演算に用いるデータ等を格納する手段である。RAM906には、例えば、CPU902に読み込まれるプログラムや、そのプログラムを実行する際に適宜変化する各種パラメータ等が一時的又は永続的に格納される。
【0092】
これらの構成要素は、例えば、高速なデータ伝送が可能なホストバス908を介して相互に接続される。一方、ホストバス908は、例えば、ブリッジ910を介して比較的データ伝送速度が低速な外部バス912に接続される。また、入力部916としては、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、及びレバー等が用いられる。さらに、入力部916としては、赤外線やその他の電波を利用して制御信号を送信することが可能なリモートコントローラ(以下、リモコン)が用いられることもある。
【0093】
出力部918としては、例えば、CRT、LCD、PDP、又はELD等のディスプレイ装置、スピーカ、ヘッドホン等のオーディオ出力装置、プリンタ、携帯電話、又はファクシミリ等、取得した情報を利用者に対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置である。但し、上記のCRTは、Cathode Ray Tubeの略である。また、上記のLCDは、Liquid Crystal Displayの略である。そして、上記のPDPは、Plasma DisplayPanelの略である。さらに、上記のELDは、Electro−Luminescence Displayの略である。
【0094】
記憶部920は、各種のデータを格納するための装置である。記憶部920としては、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、又は光磁気記憶デバイス等が用いられる。但し、上記のHDDは、Hard Disk Driveの略である。
【0095】
ドライブ922は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体928に記録された情報を読み出し、又はリムーバブル記録媒体928に情報を書き込む装置である。リムーバブル記録媒体928は、例えば、DVDメディア、Blu−rayメディア、HD DVDメディア、各種の半導体記憶メディア等である。もちろん、リムーバブル記録媒体928は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード、又は電子機器等であってもよい。但し、上記のICは、Integrated Circuitの略である。
【0096】
接続ポート924は、例えば、USBポート、IEEE1394ポート、SCSI、RS−232Cポート、又は光オーディオ端子等のような外部接続機器930を接続するためのポートである。外部接続機器930は、例えば、プリンタ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、又はICレコーダ等である。但し、上記のUSBは、Universal Serial Busの略である。また、上記のSCSIは、Small Computer System Interfaceの略である。
【0097】
通信部926は、ネットワーク932に接続するための通信デバイスであり、例えば、有線又は無線LAN、Bluetooth(登録商標)、又はWUSB用の通信カード、光通信用のルータ、ADSL用のルータ、又は各種通信用のモデム等である。また、通信部926に接続されるネットワーク932は、有線又は無線により接続されたネットワークにより構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、可視光通信、放送、又は衛星通信等である。但し、上記のLANは、Local Area Networkの略である。また、上記のWUSBは、Wireless USBの略である。そして、上記のADSLは、Asymmetric Digital Subscriber Lineの略である。
【0098】
<7:まとめ>
最後に、本実施形態の技術的思想について簡単に纏める。ここで纏める技術的思想は、例えば、PC、ゲーム機、情報端末、情報家電、カーナビゲーションシステムなど、種々の情報処理装置を利用して具現化することが可能である。
【0099】
[7−1:実施形態の組み合わせについて]
上記の第1〜第4実施形態に係る技術は組み合わせて利用することが可能である。例えば、バッテリ消費量を決定する際、利用履歴が利用できる場合には利用履歴を利用し、無線通信が可能な場合には無線通信によりバッテリ消費量を取得し、目的地情報が取得できる場合には目的地情報からバッテリ消費量を推定し、いずれの方法も利用できない場合には所定のバッテリ消費量を利用するといった方法が考えられる。また、上記の第1〜第4実施形態の組み合わせ方も自由に決めることができる。
【0100】
[7−2:技術的思想の表現]
上記の第1〜第4実施形態に係る技術的思想を具現化した装置(蓄電制御装置)及び方法の構成は、以下のように表現することができる。例えば、下記(1)に記載の蓄電制御装置は、消費装置が離脱した場合に、その消費装置が離脱状態で消費する電力を考慮しつつ、蓄電装置に蓄える電力の量を調整することができる。そのため、消費装置のバッテリに充電する分の電力を蓄電装置に予め蓄えておくことが可能になる。とりわけ、消費装置のバッテリを充電するための電力として、自然エネルギー由来の電力を蓄電装置に予め蓄えておくことが可能になるため、自然エネルギーの有効利用が実現される。
【0101】
(1)
自然エネルギーを利用して発電する発電装置又は当該発電機が発電した電力を蓄える蓄電装置から電力の供給を受けるための給電端子と、バッテリを搭載し、当該バッテリに蓄えられた電力を利用して動作する消費装置との接続状態を監視する接続監視部と、
前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整する蓄電制御部と、
を備え、
前記蓄電制御部は、前記給電端子に接続されていた前記消費装置が前記給電端子から離脱した場合、離脱状態で当該消費装置が消費する電力の量を考慮して前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整する、
蓄電制御装置。
【0102】
(2)
前記蓄電制御部は、
前記消費装置の種類毎に予め設定された電力の量を前記消費装置が前記離脱状態で消費すると仮定し、当該消費装置が前記給電端子に接続された場合に当該電力の量を前記バッテリに充電することを想定して前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整する、
上記(1)に記載の蓄電制御装置。
【0103】
(3)
前記離脱状態で実際に前記消費装置が消費した電力の量を取得する消費量取得部と、
前記消費量取得部により取得された電力の量を利用履歴として保持する履歴保持部と、
前記利用履歴を分析し、前記消費装置が前記離脱状態で消費する電力の量を推定する消費量推定部と、
をさらに備え、
前記蓄電制御部は、
前記消費量推定部により推定された電力の量を前記消費装置が前記離脱状態で消費すると仮定し、当該消費装置が前記給電端子に接続された場合に当該電力の量を前記バッテリに充電することを想定して前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整する、
上記(1)に記載の蓄電制御装置。
【0104】
(4)
前記履歴保持部は、前記消費装置を利用するユーザ毎に区別して利用履歴を保持し、
前記消費量推定部は、ユーザ毎に区別して保持された利用履歴を分析し、前記消費装置が前記離脱状態で消費する電力の量をユーザ毎に区別して推定し、
前記蓄電制御部は、
前記消費装置を利用するユーザに応じて前記消費装置が前記離脱状態で消費すると仮定する電力の量を切り替え、当該消費装置が前記給電端子に接続された場合に当該電力の量を前記バッテリに充電することを想定して前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整する、
上記(3)に記載の蓄電制御装置。
【0105】
(5)
前記消費装置は、前記離脱状態で実際に消費した電力の量に関する情報を前記蓄電制御装置に送信する送信装置を搭載し、
前記蓄電制御部は、前記消費装置から受信した情報が示す電力の量が前記消費装置により消費されたことを考慮して前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整する、
上記(1)に記載の蓄電制御装置。
【0106】
(6)
前記消費装置は、前記バッテリに蓄えられた電力を利用して移動する移動装置であり、
前記蓄電制御装置は、
現在地から目的地までの道程を教唆するナビゲーション機能を搭載した情報機器から前記消費装置を利用して移動する目的地の情報を取得する目的地情報取得部と、
前記目的地の情報から前記離脱状態で前記消費装置が消費する電力の量を推定する消費量推定部と、
をさらに備え、
前記蓄電制御部は、
前記消費量推定部により推定された電力の量を前記消費装置が前記離脱状態で消費すると仮定し、当該消費装置が前記給電端子に接続された場合に当該電力の量を前記バッテリに充電することを想定して前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整する、
上記(1)に記載の蓄電制御装置。
【0107】
(7)
前記消費装置の種類毎に予め設定された電力の量は、当該消費装置が搭載するバッテリの容量に所定の割合を掛けた量である、
上記(1)に記載の蓄電制御装置。
【0108】
(8)
前記所定の割合は、前記消費装置を平日に利用する場合と、前記消費装置を休日に利用する場合とで異なる値に設定される、
上記(7)に記載の蓄電制御装置。
【0109】
(9)
前記消費量推定部は、前記利用履歴を分析し、前記給電端子に日常的に接続される一又は複数の前記消費装置が前記離脱状態で1日に消費する電力の総量を推定し、
前記蓄電制御部は、
前記消費量推定部により推定された電力の総量を毎日充電することを想定して前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整する、
上記(3)又は(4)に記載の蓄電制御装置。
【0110】
(10)
前記消費装置が搭載するバッテリへの充電には、前記蓄電装置に蓄えられた電力が優先的に利用される、
上記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の蓄電制御装置。
【0111】
(11)
自然エネルギーを利用して発電する発電装置又は当該発電機が発電した電力を蓄える蓄電装置から電力の供給を受けるための給電端子と、バッテリを搭載し、当該バッテリに蓄えられた電力を利用して動作する消費装置との接続状態を監視するステップと、
前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整するステップと、
を含み、
前記調整するステップは、前記給電端子に接続されていた前記消費装置が前記給電端子から離脱した場合に、離脱状態で当該消費装置が消費する電力の量を考慮して前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整するステップである、
蓄電制御方法。
【0112】
(備考)
上記の履歴記録部114は、消費量取得部、履歴保持部の一例である。また、上記の履歴分析部115は、消費量推定部の一例である。上記の無線通信部225は、送信装置の一例である。
【0113】
以上、添付図面を参照しながら本技術に係る好適な実施形態について説明したが、本技術はここで開示した構成例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本技術の技術的範囲に属するものと了解される。
【0114】
例えば、上記の第1実施形態のように、装置毎又はバッテリ容量毎に設定された固定のバッテリ消費量を利用する場合、平日用の設定と休日用の設定とを用意しておき、平日と休日とで利用するバッテリ消費量を切り替える構成なども考えられる。また、上記の第2実施形態のように、利用履歴を利用する場合、各装置の利用履歴を利用するのではなく、利用頻度の高い複数の消費装置が1日に消費する平均的なバッテリ消費量の総量を算出しておき、この総量に基づいて蓄電制御する方法なども考えられる。また、蓄電装置14に蓄えられた電力を消費装置22の充電に優先的に利用する方法なども効果的である。
【符号の説明】
【0115】
11 太陽光発電パネル
12 DC/DCコンバータ
13、17 電力バス
14 蓄電装置
15 電力会社
16 配電盤
18 AC/DCコンバータ
19 系統連携インバータ
20 家庭内消費装置
21 コネクタ
22 消費装置
221 駆動部
222 バッテリ
223 接続部
224 情報提供部
225 無線通信部
100 システム制御装置
101、111、121、131 接続監視部
102、112、122、132 蓄電制御部
103、113、123、133 記憶部
114 履歴記録部
115 履歴分析部
124 無線通信部
134 目的地情報取得部
135 消費量推定部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然エネルギーを利用して発電する発電装置又は当該発電機が発電した電力を蓄える蓄電装置から電力の供給を受けるための給電端子と、バッテリを搭載し、当該バッテリに蓄えられた電力を利用して動作する消費装置との接続状態を監視する接続監視部と、
前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整する蓄電制御部と、
を備え、
前記蓄電制御部は、前記給電端子に接続されていた前記消費装置が前記給電端子から離脱した場合、離脱状態で当該消費装置が消費する電力の量を考慮して前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整する、
蓄電制御装置。
【請求項2】
前記蓄電制御部は、
前記消費装置の種類毎に予め設定された電力の量を前記消費装置が前記離脱状態で消費すると仮定し、当該消費装置が前記給電端子に接続された場合に当該電力の量を前記バッテリに充電することを想定して前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整する、
請求項1に記載の蓄電制御装置。
【請求項3】
前記離脱状態で実際に前記消費装置が消費した電力の量を取得する消費量取得部と、
前記消費量取得部により取得された電力の量を利用履歴として保持する履歴保持部と、
前記利用履歴を分析し、前記消費装置が前記離脱状態で消費する電力の量を推定する消費量推定部と、
をさらに備え、
前記蓄電制御部は、
前記消費量推定部により推定された電力の量を前記消費装置が前記離脱状態で消費すると仮定し、当該消費装置が前記給電端子に接続された場合に当該電力の量を前記バッテリに充電することを想定して前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整する、
請求項1に記載の蓄電制御装置。
【請求項4】
前記履歴保持部は、前記消費装置を利用するユーザ毎に区別して利用履歴を保持し、
前記消費量推定部は、ユーザ毎に区別して保持された利用履歴を分析し、前記消費装置が前記離脱状態で消費する電力の量をユーザ毎に区別して推定し、
前記蓄電制御部は、
前記消費装置を利用するユーザに応じて前記消費装置が前記離脱状態で消費すると仮定する電力の量を切り替え、当該消費装置が前記給電端子に接続された場合に当該電力の量を前記バッテリに充電することを想定して前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整する、
請求項3に記載の蓄電制御装置。
【請求項5】
前記消費装置は、前記離脱状態で実際に消費した電力の量に関する情報を前記蓄電制御装置に送信する送信装置を搭載し、
前記蓄電制御部は、前記消費装置から受信した情報が示す電力の量が前記消費装置により消費されたことを考慮して前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整する、
請求項1に記載の蓄電制御装置。
【請求項6】
前記消費装置は、前記バッテリに蓄えられた電力を利用して移動する移動装置であり、
前記蓄電制御装置は、
現在地から目的地までの道程を教唆するナビゲーション機能を搭載した情報機器から前記消費装置を利用して移動する目的地の情報を取得する目的地情報取得部と、
前記目的地の情報から前記離脱状態で前記消費装置が消費する電力の量を推定する消費量推定部と、
をさらに備え、
前記蓄電制御部は、
前記消費量推定部により推定された電力の量を前記消費装置が前記離脱状態で消費すると仮定し、当該消費装置が前記給電端子に接続された場合に当該電力の量を前記バッテリに充電することを想定して前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整する、
請求項1に記載の蓄電制御装置。
【請求項7】
前記消費装置の種類毎に予め設定された電力の量は、当該消費装置が搭載するバッテリの容量に所定の割合を掛けた量である、
請求項1に記載の蓄電制御装置。
【請求項8】
前記所定の割合は、前記消費装置を平日に利用する場合と、前記消費装置を休日に利用する場合とで異なる値に設定される、
請求項7に記載の蓄電制御装置。
【請求項9】
前記消費量推定部は、前記利用履歴を分析し、前記給電端子に日常的に接続される一又は複数の前記消費装置が前記離脱状態で1日に消費する電力の総量を推定し、
前記蓄電制御部は、
前記消費量推定部により推定された電力の総量を毎日充電することを想定して前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整する、
請求項3に記載の蓄電制御装置。
【請求項10】
前記消費装置が搭載するバッテリへの充電には、前記蓄電装置に蓄えられた電力が優先的に利用される、
請求項1に記載の蓄電制御装置。
【請求項11】
自然エネルギーを利用して発電する発電装置又は当該発電機が発電した電力を蓄える蓄電装置から電力の供給を受けるための給電端子と、バッテリを搭載し、当該バッテリに蓄えられた電力を利用して動作する消費装置との接続状態を監視するステップと、
前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整するステップと、
を含み、
前記調整するステップは、前記給電端子に接続されていた前記消費装置が前記給電端子から離脱した場合に、離脱状態で当該消費装置が消費する電力の量を考慮して前記蓄電装置に蓄える電力の量を調整するステップである、
蓄電制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−70575(P2013−70575A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208993(P2011−208993)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】