説明

蓄電素子

【課題】蓄電素子の組み立て作業時において、蓄電要素の缶体への挿入作業を円滑に行えるようにする。
【解決手段】扁平な有底筒状の缶体と、その缶体における扁平面と直交する面に形成されている開放面を覆う蓋部とを備えて構成される筐体と、箔状正極板及び箔状負極板が扁平形状に巻回された蓄電要素3とが備えられ、前記蓄電要素3が、前記蓄電要素3の扁平面と前記缶体の扁平面とが略平行で、且つ、前記箔状正極板及び前記箔状負極板の巻回軸芯が前記缶体の深さ方向と略直交する姿勢で前記缶体に収納されている蓄電素子において、前記蓄電要素3の扁平面と直交する方向において、前記蓄電要素3の前記扁平面における前記缶体1の底面側の端部での厚さが、前記蓄電要素3の最大厚さよりも薄くなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扁平な有底筒状の缶体と、その缶体における扁平面と直交する面に形成されている開放面を覆う蓋部とを備えて構成される筐体と、箔状正極板及び箔状負極板が扁平形状に巻回された蓄電要素とが備えられ、前記蓄電要素が、前記蓄電要素の扁平面と前記缶体の扁平面とが平行で、且つ、前記箔状正極板及び前記箔状負極板の巻回軸芯が前記缶体の深さ方向と略直交する姿勢で前記缶体に収納されている蓄電素子に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる蓄電素子は、箔状正極板と箔状負極板とを巻回して構成したいわゆる巻回型の蓄電要素を有して、蓄電容量を大容量化すると共に、扁平な有底筒状の缶体に、同じく扁平形状の蓄電要素を収納する形で、蓄電容量の体積効率を向上させたものである。
このような形式の蓄電素子としては、例えば、下記特許文献1に記載のものが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−117611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、蓄電容量の体積効率を向上させる観点からは、筐体の内部空間を有効に活用するために、缶体の扁平面に直交する方向において、蓄電要素の厚さを、缶体の内部空間の幅に極力近づけるように寸法設計をすることになり、蓄電素子の組み立て作業において、缶体に蓄電要素を挿入し辛いものとなってしまう。
このため、蓄電要素を強引に缶体に挿入しようとすると、挿入方向先端側が缶体につかえてしまい、蓄電要素が変形する等して、蓄電要素を損傷してしまう場合もある。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、蓄電素子の組み立て作業時において、蓄電要素の缶体への挿入作業を円滑に行えるようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の第1の発明は、扁平な有底筒状の缶体と、その缶体における扁平面と直交する面に形成されている開放面を覆う蓋部とを備えて構成される筐体と、箔状正極板及び箔状負極板が扁平形状に巻回された蓄電要素とが備えられ、前記蓄電要素が、前記蓄電要素の扁平面と前記缶体の扁平面とが略平行で、且つ、前記箔状正極板及び前記箔状負極板の巻回軸芯が前記缶体の深さ方向と略直交する姿勢で前記缶体に収納されている蓄電素子において、前記蓄電要素の扁平面と直交する方向において、前記蓄電要素の前記扁平面における前記缶体の底面側の端部での厚さが、前記蓄電要素の最大厚さよりも薄くなっている。
すなわち、蓄電素子の缶体寸法は、蓄電要素の最大厚さに合わせて設定するので、蓄電素子の組み立て作業時において、蓄電要素は、蓄電要素を缶体に挿入する際に、缶体の寸法に対して余裕のある先細りの状態となっており、円滑に蓄電要素を缶体に挿入できる。
【0006】
又、本出願の第2の発明は、扁平な有底筒状の缶体と、その缶体における扁平面と直交する面に形成されている開放面を覆う蓋部とを備えて構成される筐体と、箔状正極板及び箔状負極板が扁平形状に巻回された蓄電要素とが備えられ、前記蓄電要素が、前記蓄電要素の扁平面と前記缶体の扁平面とが略平行で、且つ、前記箔状正極板及び前記箔状負極板の巻回軸芯が前記缶体の深さ方向と略直交する姿勢で前記缶体に収納されている蓄電素子において、前記蓄電要素は、前記箔状正極板又は箔状負極板の巻回の終端位置が、前記箔状正極板又は箔状負極板の巻回方向で、前記開放面側の端部から前記缶体の深さ方向における前記蓄電要素の中央位置に至るまでの範囲内に位置するように設定され、且つ、前記箔状正極板又は箔状負極板の巻回の始端位置が、前記箔状正極板又は箔状負極板の巻回方向で、前記缶体の底面側の端部から前記終端位置に至るまでの範囲内に位置するように設定され、前記終端位置及び前記始端位置の設定によって、前記蓄電要素の扁平面と直交する方向において、前記蓄電要素の前記扁平面における前記缶体の底面側の端部での厚さが、前記蓄電要素の最大厚さよりも薄くなっている。
【0007】
すなわち、箔状正極板又は箔状負極板は、活物質等が塗布されてある程度の厚みを有するものとなっている
そのため、箔状正極板又は箔状負極板の巻回終端位置や巻回始端位置の設定の仕方で、扁平面に直交する方向での厚さが変化することになる。
そこで、箔状正極板又は箔状負極板の巻回終端位置及び巻回始端位置を上述のように設定することによって、蓄電要素は、扁平面と直交する方向で、缶体の底面側の端部の厚さが、蓄電要素の最大厚さよりも薄くなる。
【0008】
又、本出願の第3の発明は、上記第2の発明の構成に加えて、前記蓄電要素は、前記蓄電要素の扁平面と直交する方向における前記箔状正極板又は前記箔状負極板の積層数が、前記底面側の端部よりも前記開放面側の端部の方が大となっている。
すなわち、箔状正極板又は箔状負極板の積層数に差を付けることで、蓄電要素は、扁平面と直交する方向で、缶体の底面側の端部の厚さが、蓄電要素の最大厚さよりも薄くなる。
【0009】
又、本出願の第4の発明は、扁平な有底筒状の缶体と、その缶体における扁平面と直交する面に形成されている開放面を覆う蓋部とを備えて構成される筐体と、箔状正極板及び箔状負極板が扁平形状に巻回された蓄電要素とが備えられ、前記蓄電要素が、前記蓄電要素の扁平面と前記缶体の扁平面とが略平行で、且つ、前記箔状正極板及び前記箔状負極板の巻回軸芯が前記缶体の深さ方向と略直交する姿勢で前記缶体に収納されている蓄電素子において、前記蓄電要素は、扁平形状の巻芯に前記箔状正極板及び前記箔状負極板が巻回されて構成され、前記巻芯は、前記底面側の端部の厚さが前記開放面側の端部の厚さよりも薄くなっており、前記巻芯の形状によって、前記蓄電要素の扁平面と直交する方向において、前記蓄電要素の前記扁平面における前記缶体の底面側の端部での厚さが、前記蓄電要素の最大厚さよりも薄くなっている。
【0010】
すなわち、扁平面に直交する方向での蓄電要素の厚さを、缶体の底面側で薄くするために、箔状正極板等を巻回する巻芯自体に厚さの変化を付けている。
このため、上記巻芯に箔状正極板等を巻回するだけで、蓄電要素は、扁平面と直交する方向での厚さにおいて、缶体の底面側の端部の厚さが、蓄電要素の最大厚さよりも薄くなる。
【0011】
又、本出願の第5の発明は、上記第4の発明の構成に加えて、前記巻芯は、可撓性を有する部材にて中空に形成されている。
すなわち、上記巻芯は、可撓性を有する部材で中空に形成されおり、蓄電要素を缶体に挿入して、蓄電要素の挿入先端側寄りの位置が缶体の内壁面に挟まれて押圧されると、その押圧力によって、中空形状の巻芯が撓んで蓄電要素の厚さが薄くなる。
この蓄電要素の厚さの変化によって、蓄電要素の挿入作業が更に行い易くなる。
【0012】
又、本出願の第6の発明は、扁平な有底筒状の缶体と、その缶体における扁平面と直交する面に形成されている開放面を覆う蓋部とを備えて構成される筐体と、箔状正極板及び箔状負極板が扁平形状に巻回された蓄電要素とが備えられ、前記蓄電要素が、前記蓄電要素の扁平面と前記缶体の扁平面とが略平行で、且つ、前記箔状正極板及び前記箔状負極板の巻回軸芯が前記缶体の深さ方向と略直交する姿勢で前記缶体に収納されている蓄電素子において、前記缶体は、導電部材にて構成され、前記蓄電要素と前記缶体の内壁面との間に、電気的絶縁材料にて形成されるシート状部材が配置され、前記シート状部材の厚さが、前記缶体の深さ方向で、前記蓄電要素の中央位置よりも前記底面側部分が、前記開放面側部分より薄くなるように設定され、前記蓄電要素の扁平面と直交する方向において、前記蓄電要素の前記扁平面における前記缶体の底面側の端部での厚さが、前記蓄電要素の最大厚さよりも薄くなっている。
【0013】
すなわち、缶体が金属等の導電部材にて構成される場合、缶体の内壁面と蓄電要素の外周との電気的な絶縁を確保する必要がある。
このため、蓄電要素と缶体の内壁面との間に電気的絶縁材料にて形成されるシート状部材を配置する。
このシート状部材は、蓄電素子の組み立て作業時に、蓄電要素と共に缶体に挿入されるので、缶体の内壁面と接することになる。従って、シート状部材には、そのような作業に耐え得る強度が必要となり、その強度をシート状部材の厚さを適切に設定することで確保している。
このシート状部材を、缶体の底面側の厚さが薄くなった蓄電要素と組み合わせて使用する場合、厚さが薄い底面側では、厚さの薄い分だけ缶体の内壁面から受ける押圧力が小さく、その分だけシート状部材の厚さを薄くしても、必要な強度を確保できる。
そのように缶体の底面側でシート状部材の厚さを薄くすることで、缶体への収納作業が更に行い易くなる。
【発明の効果】
【0014】
上記第1の発明によれば、蓄電素子の組み立て作業時において、蓄電要素は、蓄電要素を缶体に挿入する際に、缶体の寸法に対して余裕のある先細りの状態となっており、蓄電要素の缶体への挿入作業を円滑に行えるものとなった。
又、上記第2の発明によれば、箔状正極板又は箔状負極板の巻回終端位置及び巻回始端位置を適切に設定するだけの簡素な構成で、扁平面と直交する方向で、缶体の底面側の端部の厚さが、蓄電要素の最大厚さよりも薄くなるように厚さの差をつけることができる。
又、上記第3の発明によれば、箔状正極板又は箔状負極板の積層数に差を付けることで、扁平面と直交する方向で、缶体の底面側の端部の厚さが、蓄電要素の最大厚さよりも薄くなるように厚さの差をつけることができる。
【0015】
又、上記第4の発明によれば、缶体の開放面側と底面側とで厚さに差を付けた巻芯に箔状正極板等を巻回することで、缶体の底面側の端部の厚さが、蓄電要素の最大厚さよりも薄くなるように厚さの差をつけることができる。
又、上記第5の発明によれば、箔状正極板等を巻回する巻芯を可撓性を有する部材で中空に形成することで、蓄電要素を缶体に挿入する際に受ける押圧力によって蓄電要素の厚さが薄くなって、蓄電要素の挿入作業が更に行い易くなる。
又、上記第6の発明によれば、シート状部材によって缶体と蓄電要素との間の電気的な絶縁を確保しながら、シート状部材を缶体の底面側で薄くすることで、缶体への挿入作業性の向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態にかかる蓄電素子の外観斜視図
【図2】本発明の第1実施形態にかかる蓄電素子の内部構成を示す斜視図
【図3】本発明の実施の形態にかかる蓄電素子の内部構成を示す正面図
【図4】本発明の第1実施形態にかかる蓄電要素の模式図
【図5】本発明の実施の形態にかかる蓄電素子の組み立て工程を示す斜視図
【図6】本発明の第2実施形態にかかる蓄電素子の内部構成を示す斜視図
【図7】本発明の第2実施形態にかかる巻芯及び蓄電要素を示す図
【図8】本発明の第2実施形態にかかる蓄電要素の巻回態様を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の蓄電素子の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
本第1実施形態では、蓄電素子として電池の1例である非水電解液二次電池(より具体的にはリチウムイオン電池)を例示して説明する。
【0018】
〔非水電解液二次電池RBの構成〕
図1及び図2の斜視図並びに図3の正面図に示すように、本第1実施形態の非水電解液二次電池RBは、金属製の缶体1と金属製の蓋部2とを備える筐体BCを有している。
缶体1は、図5に示すように、扁平な有底筒状(より具体的には有底矩形筒状)に形成され、それの扁平面と直交する1側面を開放面としている。
蓋部2は、略平板状で短冊状の長方形に形成されており、缶体1の開放面を覆う姿勢で配置されて、缶体1と溶接されている。
扁平な有底矩形筒状の缶体1と缶体1の開放面を覆う短冊形状の蓋部2とによって、筐体BCは全体として扁平な直方体形状を有している。尚、図2は、完成した二次電池RB(図1に示すもの)から缶体1や後述の絶縁カバー等を除いて筐体BC内部の構成を図示している。又、図3においても絶縁カバーの記載を省略すると共に、缶体1及び後述の蓄電要素3を2点鎖線で示して、筐体BCの内部を透視した形態で示している。
【0019】
筐体BCの内部には、図2及び図3に示す蓄電要素3と集電体4,6とが電解液に浸される状態で収納配置されている。本実施の形態では、二次電池を例示して説明するので、以下において、「蓄電要素3」を「発電要素3」と称する。
発電要素3は、長尺帯状の箔状正極板と長尺帯状の箔状負極板とを長尺帯状のセパレータを挟んで巻芯周りに巻回することで、箔状正極板と箔状負極板とを積層状態に配置したもので、詳しくは後述するが、箔状正極板と箔状負極板とからなる一対の電極板の夫々に活物質を表裏両面に塗布して構成されている。
箔状正極板及び箔状負極板には、幅方向の一端側に活物質を塗布しない未塗工部3a,3bを形成しており、その未塗工部3a,3bにおいて集電体4,6と接合して電気的に接続している。
【0020】
集電体4,6は、蓋部2に沿う部分と、缶体1の縦壁(扁平面と直交する縦壁)に沿う部分とに略L字状に屈曲形成されており、缶体1の縦壁に沿う部分においては、更に起立姿勢に屈曲形成された接続部4a,6aが備えられている。
集電体4,6は、この接続部4a,6aにおいて、発電要素3の未塗工部3a,3bと接合される。集電体4,6が、正面視で筐体BCの左右両端部に分かれて配置されている関係で、箔状正極板の未塗工部3aと箔状負極板の未塗工部3bとは、幅方向で逆側に位置している。
正極側の集電体4の接続部4aが、側面視で渦巻き状に巻回されている未塗工部3aの存在空間に入り込み、負極側の集電体6の接続部6aが、側面視で渦巻き状に巻回されている未塗工部3bの存在空間に入り込んで、束ねられた未塗工部3a,3bが、夫々、接続部4a,6aと接合されている。
【0021】
金属製の蓋部2には、正極側の集電体4及びその集電体4に接続されている正極の電極端子である端子ボルト5と、負極側の集電体6及びその集電体6に接続されている負極の電極端子である端子ボルト7とが取り付けられ、集電体4,6は、これらの筐体BC外方側に配置される電極端子と発電要素3とを電気的に接続している。
端子ボルト5,7には、頭部側にリベット5a,7aが一体形成されており、集電体4,6を挟んだ状態でリベット5a,7aをかしめて、集電体4,6を蓋部2に固定すると共に、端子ボルト5,7と集電体4,6とを電気的に接続する。
より詳細には、正極側では、上部ガスケット9,蓋部2,下部ガスケット10及び集電体4に対してリベット5aを貫通させ、そのリベット5aの筐体BC内方側端部をかしめることで、集電体4の蓋部2への固定と、端子ボルト5に対する電気配線とを行う(図3参照)。上部ガスケット9及び下部ガスケット10は、リベット5a及び集電体4と蓋部2との間の電気的な絶縁と気密シールを確保するためのものである。
負極側の構成も同様であり、上部ガスケット11,蓋部2,下部ガスケット12及び集電体6に対してリベット7aを貫通させ、そのリベット7aの筐体BC内方側端部をかしめることで、集電体6の蓋部2への固定と、端子ボルト7に対する電気配線とを行う(図3参照)。上部ガスケット11及び下部ガスケット12は、上部ガスケット9及び下部ガスケット10と同様に、リベット7a及び集電体6と蓋部2との間の電気的な絶縁と気密シールを確保するためのものである。
端子ボルト5,7や集電体4,6を含む負極側の電極構造と正極側の電極構造とは同一構造のものが対称に配置されている関係にあり、金属部材の材料のみが異なる。
正極側の金属部材はアルミニウムにて構成し、負極側の金属部材は銅にて構成している。
【0022】
〔二次電池RBの製造工程〕
次に、二次電池RBの製造工程について概略的に説明する。
先ず、発電要素3の組み立てについて説明する。
発電要素3を構成する長尺帯状の箔状正極板としてアルミニウム箔を使用し、アルミニウム箔の表裏両面に、幅方向一端側の未塗工部3aとなる部分を残して、正極用の活物質を塗布して活物質層を形成する。
又、長尺帯状の箔状負極板として銅箔を使用し、銅箔の表裏両面に、幅方向一端側の未塗工部3bとなる部分を残して、負極用の活物質を塗布して活物質層を形成する。
これら箔状正極板及び箔状負極板を巻芯に巻回する際には、箔状負極板と箔状正極板との間に長尺帯状のセパレータを挟んで重ね合わせる。この際、活物質を塗布していない未塗工部3a,3bは、幅方向の逆側に突出するように配置する。
【0023】
図4に側面視で示すように、上記の箔状正極板22,箔状負極板23及びセパレータ24を重ね合わせたものを、巻芯21周りに巻回して発電要素3とする。巻回の向きは、箔状正極板22等の長手側の辺が巻芯周りに渦巻き状となる向きで巻回している。尚、図4は、箔状正極板22等の巻回態様を模式的に示すもので、実際の巻回数は、図4に示すものよりも多数回である。
箔状正極板22,箔状負極板23及びセパレータ24は、図2に外形形状を示すように、扁平形状に巻回されるのであるが、図4では、既に扁平形状となっている状態で示している。
このように、箔状正極板22等を扁平形状に巻回した状態とするためには、扁平形状にした状態の巻芯21に箔状正極板22等を巻回する手法でも良いし、円柱状の巻芯21に箔状正極板22等を巻回した後、押圧して扁平形状に押しつぶしても良い。
【0024】
図4に示すように箔状正極板22等が巻回された発電要素3は、巻回軸芯αが、缶体1の深さ方向と略直交し、且つ、発電要素3の扁平面と缶体1の扁平面とが略平行となる姿勢で、缶体1に収納される。
発電要素3を缶体1に収納した状態では、図4において、上方側が缶体1の開放面側であり、下方側が缶体1の底面側となる。
図4に示すように、箔状正極板22及び箔状負極板23のいずれについても、巻回の終端位置は、巻回の最外周において、缶体1の開放面側の端部を通過した後、缶体1の底面側の端部に至るまでの、缶体1の深さ方向における発電要素の中央位置(図4において、2点鎖線Aで示す)よりも、缶体1の開放面側に位置するように設定されている。換言すると、箔状正極板22及び箔状負極板23の巻回の終端位置が、箔状正極板22等の巻回方向で、缶体1の開放面側の端部から缶体1の深さ方向における前記蓄電要素の中央位置に至るまでの範囲内に位置するように設定されている。
一方、箔状正極板22及び箔状負極板23の巻回の始端位置は、図4においては、缶体1の開放面側の端部に設定した場合を例示しているが、箔状正極板22等の巻回方向で、缶体1の底面側の端部から上記終端位置に至るまでの範囲内に位置するように設定すれば良い。
【0025】
これによって、発電要素3は、発電要素3の扁平面と直交する方向における箔状正極板22及び箔状負極板23の積層数が、缶体1の底面側の端部よりも缶体1の開放面側の端部の方が大となっている。従って、発電要素3の扁平面に直交する方向での発電要素3の厚さ(扁平面の部分での厚さ)は、発電要素3の最大厚さとなる缶体1の開放面側の端部の厚さを「T1」、缶体1の底面側の端部の厚さを「T2」として(図4参照)、T1>T2となっており、底面側の端部の厚さが発電要素3の最大厚さとなる開放面側の端部の厚さよりも薄くなっている。
厚さの差「T1−T2」の大きさは、活物質層の厚さにもよるが、0.2mm〜0.5mm程度となる。
缶体1における扁平面に直交する方向での内部空間の幅は、発電要素3の厚さ「T1」に合わせて設定している。
【0026】
上記のようにして作製した発電要素3は、蓋部2側の組品とした状態で、缶体1に挿入する。
蓋部2側の組品の組み立ては、先ず、上述のように、端子ボルト5,7のリベット5a,7aを、上部ガスケット9,11、蓋部2、下部ガスケット10,12及び集電体4,6を貫通する状態で配置し、リベット5a,7aの筐体BC内方側端部をかしめて固定する。
次に、集電体4,6の接続部4a,6a間に、図2で示す姿勢で発電要素3を配置し、未塗工部3a,3bを束ねる状態で、超音波溶接等によって接続部4a,6aと接合する。
【0027】
このようにして作製した蓋部2側の組品を缶体1に収納するにあたっては、図5に示すように、発電要素3及び集電体4,6の略全体を絶縁カバー25にて予め覆う。
絶縁カバー25は、缶体1が金属製であり、導電部材にて形成されていることから、発電要素3等と缶体1との電気的な絶縁を確保するためのものであり、電気的絶縁材料である樹脂製のシート状部材SEを袋状に形成している。
発電要素3等を袋状に形成された絶縁カバー25で覆った状態で缶体1に収納することで、発電要素3と缶体1の内壁面との間に、電気的絶縁材料にて形成されるシート状部材SEが配置される位置関係となり、発電要素3等と缶体1との電気的な絶縁を確保できる。
【0028】
この絶縁カバー25を構成するシート状部材SEは、缶体1の深さ方向で厚さが異なるようにしており、缶体1の深さ方向で、発電要素3の中央位置よりも缶体1の底面側部分が、缶体1の開放面側部分より薄くなるように設定されている。
上述のように、缶体1の扁平面に直交する方向での内部空間の幅を、発電要素3の厚さ「T1」(図4参照)に合わせて設定しているので、缶体1の開放面側と底面側とで、発電要素3の厚さに差をつけ、更に、絶縁カバー25についても厚さに差を付けることで、図5に示すように、絶縁カバー25で覆われた蓋部2側の組品を缶体1に挿入する際には、挿入方向先端部は円滑に缶体1に挿入することができ、挿入操作の途中でつかえて発電要素3を変形させてしまうような圧力がかかってしまうのを十分に抑制できる。
【0029】
上記のようにして蓋部2側の組品を缶体1に収納した後、蓋部2の端縁と缶体1の開放面の端縁とを溶接し、二次電池RBの組み立てが完了する。
組み立てが完了すると、次に、図示を省略する注液口から電解液を筐体BC内に注入し、電解液の注入が完了すると所定の充電条件で二次電池RBの初期充電(予備充電)を行い、更にエージング等を行うことで二次電池RBとして完成する。
【0030】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、蓄電素子として電池の1例である非水電解液二次電池(より具体的にはリチウムイオン電池)を例示して説明する。
【0031】
〔非水電解液二次電池RBの構成〕
本第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、発電要素3の構成が異なるのみであり、その他の二次電池RBの構成要素は全て共通する。
従って、図1,図3及び図5については、本第2実施形態においても変わりがない。
本第2実施形態の非水電解液二次電池RBは、図1及び図6の斜視図並びに図3の正面図に示すように、上記第1実施形態と同一形状且つ同一材料の筐体BCを有しており、有底筒状(より具体的には有底矩形筒状)に形成された金属製の缶体1の開放面に略平板状の蓋部2を被せて溶接して筐体BCを構成している。缶体1及び蓋部2の構成についても、上記第1実施形態と同様の構成である。尚、図6は、上記第1実施形態における図2と対応するもので、完成した二次電池RB(図1に示すもの)から缶体1や後述の絶縁カバー等を除いて筐体BC内部の構成を図示している。
【0032】
本第2実施形態においても、筐体BCの内部には、図3及び図6に示す発電要素3と集電体4,6とが電解液に浸される状態で収納配置されており、このうち集電体4,6は、上記第1実施形態と同様の構成である。
本第2実施形態の発電要素3は、上記第1実施形態の発電要素3に対して、巻芯の構成が異なるが、この巻芯に巻回する箔状正極板,箔状負極板及びセパレータの構成自体、及び、巻芯の巻回軸芯周りで渦巻き状に箔状正極板等を巻回する構成自体は上記第1実施形態と共通である。
【0033】
すなわち、本第2実施形態においても、長尺帯状の箔状正極板と長尺帯状の箔状負極板とを長尺帯状のセパレータを挟んで巻芯周りに巻回することで、箔状正極板と箔状負極板とを積層状態に配置した構成としており、箔状正極板及び箔状負極板夫々の表裏両面に活物質を塗布して構成されている。
又、箔状正極板及び箔状負極板には、幅方向の一端側に活物質を塗布しない未塗工部3a,3bを形成しており、その未塗工部3a,3bにおいて集電体4,6と接合して電気的に接続している。
【0034】
集電体4,6の構成及び集電体4,6と発電要素3との接続態様も上記第1実施形態と共通であり、更に、蓋部2の構成及び集電体4,6の蓋部2への取り付け態様も上記第1実施形態と共通である。
すなわち、集電体4,6は、蓋部2に沿う部分と、缶体1の縦壁(扁平面と直交する縦壁)に沿う部分とに略L字状に屈曲形成されており、缶体1の縦壁に沿う部分においては、更に起立姿勢に屈曲形成された接続部4a,6aが備えられている。
集電体4,6は、この接続部4a,6aにおいて、発電要素3の未塗工部3a,3bと接合される。集電体4,6が、正面視で筐体BCの左右両端部に分かれて配置されている関係で、箔状正極板の未塗工部3aと箔状負極板の未塗工部3bとは、幅方向で逆側に位置している。
正極側の集電体4の接続部4aが、側面視で渦巻き状に巻回されている未塗工部3aの存在空間に入り込み、負極側の集電体6の接続部6aが、側面視で渦巻き状に巻回されている未塗工部3bの存在空間に入り込んで、束ねられた未塗工部3a,3bが、夫々、接続部4a,6aと接合されている。
【0035】
金属製の蓋部2には、正極側の集電体4及びその集電体4に接続されている正極の電極端子である端子ボルト5と、負極側の集電体6及びその集電体6に接続されている負極の電極端子である端子ボルト7とが取り付けられ、集電体4,6は、これらの筐体BC外方側に配置される電極端子と発電要素3とを電気的に接続している。
端子ボルト5,7には、頭部側にリベット5a,7aが一体形成されており、集電体4,6を挟んだ状態でリベット5a,7aをかしめて、集電体4,6を蓋部2に固定すると共に、端子ボルト5,7と集電体4,6とを電気的に接続する。
より詳細には、正極側では、上部ガスケット9,蓋部2,下部ガスケット10及び集電体4に対してリベット5aを貫通させ、そのリベット5aの筐体BC内方側端部をかしめることで、集電体4の蓋部2への固定と、端子ボルト5に対する電気配線とを行う(図3参照)。上部ガスケット9及び下部ガスケット10は、リベット5a及び集電体4と蓋部2との間の電気的な絶縁と気密シールを確保するためのものである。
負極側の構成も同様であり、上部ガスケット11,蓋部2,下部ガスケット12及び集電体6に対してリベット7aを貫通させ、そのリベット7aの筐体BC内方側端部をかしめることで、集電体6の蓋部2への固定と、端子ボルト7に対する電気配線とを行う(図3参照)。上部ガスケット11及び下部ガスケット12は、上部ガスケット9及び下部ガスケット10と同様に、リベット7a及び集電体6と蓋部2との間の電気的な絶縁と気密シールを確保するためのものである。
端子ボルト5,7や集電体4,6を含む負極側の電極構造と正極側の電極構造とは同一構造のものが対称に配置されている関係にあり、金属部材の材料のみが異なる。
正極側の金属部材はアルミニウムにて構成し、負極側の金属部材は銅にて構成している。
【0036】
〔二次電池RBの製造工程〕
次に、本第2実施形態の二次電池RBの製造工程について概略的に説明する。
先ず、発電要素3の組み立てについて説明する。
上記第1実施形態と同様に、発電要素3を構成する長尺帯状の箔状正極板としてアルミニウム箔を使用し、アルミニウム箔の表裏両面に、幅方向一端側の未塗工部3aとなる部分を残して、正極用の活物質を塗布して活物質層を形成する。
又、長尺帯状の箔状負極板として銅箔を使用し、銅箔の表裏両面に、幅方向一端側の未塗工部3bとなる部分を残して、負極用の活物質を塗布して活物質層を形成する。
これら箔状正極板及び箔状負極板を巻芯に巻回する際には、箔状負極板と箔状正極板との間に長尺帯状のセパレータを挟んで重ね合わせる。この際、活物質を塗布していない未塗工部3a,3bは、幅方向の逆側に突出するように配置する。
【0037】
本第2実施形態において、箔状正極板等を巻回する巻芯31は、図7(b)の側面図及び図8の斜視図に示すように、扁平面の法線方向視で矩形形状となる扁平形状に形成されている。
巻芯31は、可撓性を有する樹脂製であり、側面視で図7(a)に示す薄板状の部材を矢印Bで示す中央位置で折り曲げると共に、両端部の凸条31a同士を接合することで、図7(b)に示す形状としている。尚、実際の折り曲げ作業は、箔状正極板等を巻芯31に巻回する際に、巻回装置に備えられている平板状の巻回軸に当て付ける状態で折り曲げて、図7(b)の形状とする。
巻芯31は、両端部の凸条31a同士を接合することで中空形状となっている。
又、折り曲げる前の状態では、図7(a)に示すように、矢印Bで示す折り曲げ位置から凸条31aの形成位置に向かって、厚さが徐々に厚くなるように形成しており、その結果、折り曲げた後の図7(b)に示す状態では、凸条31a同士の接合部分から折り曲げ位置に向けて徐々に厚さが薄くなっており、折り曲げ位置の厚さ「T4」が、凸条31a同士の接合部分の厚さ「T3」よりも薄くなっている。詳しくは後述するが、発電要素3を缶体1に収納した状態では、凸条31a同士の接合部分が缶体1の開放面側の端部であり、折り曲げ位置が缶体1の底面側の端部である。
【0038】
上記形状の巻芯31に対して、図8に示すように、上記の箔状正極板22,箔状負極板23及びセパレータ24を重ね合わせたものを、巻芯31周りに巻回して発電要素3とする。巻回の向きは、箔状正極板22等の長手側の辺が巻芯31の巻回軸芯β周りに渦巻き状となる向きで巻回している。
巻芯31の周りに箔状正極板22等を巻回した状態では、図6の斜視図及び図7(c)の側面図に示す状態となり、巻芯31の形状を反映して、発電要素3の扁平面と直交する方向での発電要素3の厚さ(扁平面の部分での厚さ)は、巻芯31の折り曲げ部側の端部(すなわち、缶体1の底面側の端部)の厚さ「T6」が、巻芯31の凸条31a側の端部(すなわち、発電要素3の最大厚さとなる缶体1の開放面側の端部)の厚さ「T5」よりも薄くなっている。
缶体1における扁平面に直交する方向での内部空間の幅は、発電要素3の厚さ「T5」に合わせて設定している。
【0039】
上記のようにして作製した発電要素3は、蓋部2側の組品とした状態で、缶体1に挿入する。
蓋部2側の組品の組み立ては、先ず、上述のように、端子ボルト5,7のリベット5a,7aを、上部ガスケット9,11、蓋部2、下部ガスケット10,12及び集電体4,6を貫通する状態で配置し、リベット5a,7aの筐体BC内方側端部をかしめて固定する。
次に、集電体4,6の接続部4a,6a間に、図6で示す姿勢で発電要素3を配置し、未塗工部3a,3bを束ねる状態で、超音波溶接等によって接続部4a,6aと接合する。
すなわち、発電要素3における巻芯31の凸条31a側端部が蓋部2側に位置し、巻芯31の折り曲げ部側の端部が蓋部2の存在側と反対側に位置するように発電要素3を配置して集電体4,6と接合している。
このように発電要素3を取り付けた状態での、缶体1への収納姿勢は、上記第1実施形態と同様に、巻回軸芯βが、缶体1の深さ方向と略直交し、且つ、発電要素3の扁平面と缶体1の扁平面とが略平行となる姿勢で、缶体1に収納される。
【0040】
このようにして作製した蓋部2側の組品を缶体1に収納するにあたっては、図5に示すように、発電要素3及び集電体4,6の略全体を絶縁カバー25にて予め覆う。
絶縁カバー25は、上記第1実施形態と共通のものであり、電気的絶縁材料である樹脂製のシート状部材SEを袋状に形成して、導電部材である金属製の缶体1と発電要素3等との電気的な絶縁を確保している。
この絶縁カバー25を構成するシート状部材SEは、缶体1の深さ方向で厚さが異なるようにしており、缶体1の深さ方向で、発電要素3の中央位置よりも缶体1の底面側部分が、缶体1の開放面側部分より薄くなるように設定されており、この点も上記第1実施形態と同様である。
上述のように、缶体1の扁平面に直交する方向での内部空間の幅を、発電要素3の厚さ「T5」(図6,図7参照)に合わせて設定しているので、缶体1の開放面側と底面側とで、発電要素3の厚さに差をつけ、更に、絶縁カバー25についても厚さに差を付けることで、図5に示すように、絶縁カバー25で覆われた蓋部2側の組品を缶体1に挿入する際には、挿入方向先端部は円滑に缶体1に挿入することができ、挿入操作の途中でつかえて発電要素3を変形させてしまうような圧力がかかってしまうのを十分に抑制できる。
【0041】
更には、発電要素3の巻芯31を可撓性を有する部材で中空に形成していることも、発電要素3の円滑な挿入に寄与する。
すなわち、集電体4,6と接合した状態の発電要素3は、実際には、図7(c)で示す状態よりもわずかに弛んだ状態となっている。
このため、発電要素3の缶体1への挿入の際には、発電要素3の扁平面の途中箇所が、缶体1の開放面に接当して、発電要素3の厚さ方向に押圧力が作用する。
このような押圧力が作用しても、巻芯31が中空部材であり可撓性を有するので、発電要素3の厚さが薄くなるようにわずかに変形する。
この発電要素3の変形によって、缶体1への挿入が一層円滑に進行するのである。
【0042】
上記のようにして蓋部2側の組品を缶体1に収納した後、蓋部2の端縁と缶体1の開放面の端縁とを溶接し、二次電池RBの組み立てが完了する。
組み立てが完了すると、次に、図示を省略する注液口から電解液を筐体BC内に注入し、電解液の注入が完了すると所定の充電条件で二次電池RBの初期充電(予備充電)を行い、更にエージング等を行うことで二次電池RBとして完成する。
【0043】
<その他の実施形態>
以下、本発明のその他の実施形態を列記する。
(1)上記第2実施形態では、巻芯31に箔状正極板22等を巻回する際の巻回終端位置を特に規定していないが、箔状正極板22又は箔状負極板23の少なくとも一方について、上記第1実施形態と同様に、巻回の終端位置は、巻回の最外周において、缶体1の開放面側の端部を通過した後、缶体1の底面側の端部に至るまでの、缶体1の深さ方向における発電要素の中央位置よりも、缶体1の開放面側に位置するように設定しても良い。
(2)上記第1実施形態では、箔状正極板22及び箔状負極板23のいずれについても、巻回の終端位置が、巻回の最外周において、缶体1の開放面側の端部を通過した後、缶体1の底面側の端部に至るまでの、缶体1の深さ方向における発電要素の中央位置よりも、缶体1の開放面側に位置するように設定しているが、箔状正極板22又は箔状負極板23のいずれか一方についてのみ、巻回終端位置を上記のように設定しても良い。
箔状正極板22及び箔状負極板23の巻回の始端位置についても同様である。
(3)上記第1実施形態及び上記第2実施形態では、蓄電素子として非水電解液二次電池RBを例示しているが、他の形式の電池、更には、いわゆるキャパシタに対しても本発明を適用することができる。
(4)上記第2実施形態では、薄板状の部材を折り曲げ加工して巻芯31を形成しているが、射出成形等によって、図8等に示す中空形状に形成しても良い。
【符号の説明】
【0044】
1 缶体
2 蓋部
3 蓄電要素
22 箔状正極板
23 箔状負極板
31 巻芯
BC 筐体
SE シート状部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扁平な有底筒状の缶体と、その缶体における扁平面と直交する面に形成されている開放面を覆う蓋部とを備えて構成される筐体と、箔状正極板及び箔状負極板が扁平形状に巻回された蓄電要素とが備えられ、
前記蓄電要素が、前記蓄電要素の扁平面と前記缶体の扁平面とが略平行で、且つ、前記箔状正極板及び前記箔状負極板の巻回軸芯が前記缶体の深さ方向と略直交する姿勢で前記缶体に収納されている蓄電素子であって、
前記蓄電要素の扁平面と直交する方向において、前記蓄電要素の前記扁平面における前記缶体の底面側の端部での厚さが、前記蓄電要素の最大厚さよりも薄くなっている蓄電素子。
【請求項2】
扁平な有底筒状の缶体と、その缶体における扁平面と直交する面に形成されている開放面を覆う蓋部とを備えて構成される筐体と、箔状正極板及び箔状負極板が扁平形状に巻回された蓄電要素とが備えられ、
前記蓄電要素が、前記蓄電要素の扁平面と前記缶体の扁平面とが略平行で、且つ、前記箔状正極板及び前記箔状負極板の巻回軸芯が前記缶体の深さ方向と略直交する姿勢で前記缶体に収納されている蓄電素子であって、
前記蓄電要素は、前記箔状正極板又は箔状負極板の巻回の終端位置が、前記箔状正極板又は箔状負極板の巻回方向で、前記開放面側の端部から前記缶体の深さ方向における前記蓄電要素の中央位置に至るまでの範囲内に位置するように設定され、且つ、前記箔状正極板又は箔状負極板の巻回の始端位置が、前記箔状正極板又は箔状負極板の巻回方向で、前記缶体の底面側の端部から前記終端位置に至るまでの範囲内に位置するように設定され、
前記終端位置及び前記始端位置の設定によって、前記蓄電要素の扁平面と直交する方向において、前記蓄電要素の前記扁平面における前記缶体の底面側の端部での厚さが、前記蓄電要素の最大厚さよりも薄くなっている蓄電素子。
【請求項3】
前記蓄電要素は、前記蓄電要素の扁平面と直交する方向における前記箔状正極板又は前記箔状負極板の積層数が、前記底面側の端部よりも前記開放面側の端部の方が大となっている請求項2記載の蓄電素子。
【請求項4】
扁平な有底筒状の缶体と、その缶体における扁平面と直交する面に形成されている開放面を覆う蓋部とを備えて構成される筐体と、箔状正極板及び箔状負極板が扁平形状に巻回された蓄電要素とが備えられ、
前記蓄電要素が、前記蓄電要素の扁平面と前記缶体の扁平面とが略平行で、且つ、前記箔状正極板及び前記箔状負極板の巻回軸芯が前記缶体の深さ方向と略直交する姿勢で前記缶体に収納されている蓄電素子であって、
前記蓄電要素は、扁平形状の巻芯に前記箔状正極板及び前記箔状負極板が巻回されて構成され、
前記巻芯は、前記底面側の端部の厚さが前記開放面側の端部の厚さよりも薄くなっており、
前記巻芯の形状によって、前記蓄電要素の扁平面と直交する方向において、前記蓄電要素の前記扁平面における前記缶体の底面側の端部での厚さが、前記蓄電要素の最大厚さよりも薄くなっている蓄電素子。
【請求項5】
前記巻芯は、可撓性を有する部材にて中空に形成されている請求項4記載の蓄電素子。
【請求項6】
扁平な有底筒状の缶体と、その缶体における扁平面と直交する面に形成されている開放面を覆う蓋部とを備えて構成される筐体と、箔状正極板及び箔状負極板が扁平形状に巻回された蓄電要素とが備えられ、
前記蓄電要素が、前記蓄電要素の扁平面と前記缶体の扁平面とが略平行で、且つ、前記箔状正極板及び前記箔状負極板の巻回軸芯が前記缶体の深さ方向と略直交する姿勢で前記缶体に収納されている蓄電素子であって、
前記缶体は、導電部材にて構成され、
前記蓄電要素と前記缶体の内壁面との間に、電気的絶縁材料にて形成されるシート状部材が配置され、
前記シート状部材の厚さが、前記缶体の深さ方向で、前記蓄電要素の中央位置よりも前記底面側部分が、前記開放面側部分より薄くなるように設定され、
前記蓄電要素の扁平面と直交する方向において、前記蓄電要素の前記扁平面における前記缶体の底面側の端部での厚さが、前記蓄電要素の最大厚さよりも薄くなっている蓄電素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−73768(P2013−73768A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211778(P2011−211778)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(507151526)株式会社GSユアサ (375)
【Fターム(参考)】