蓄電装置
【課題】作業性の良いバッテリ装置の提供を課題とする。
【解決手段】上記課題は、電圧検出線を有する電圧検出基板5と、複数の電池セル8を保持するサイドプレート3と、複数の電池セル8を電気的に直列に接続する複数のバスバー4とを備え、サイドプレート3の電池セル8保持側の面とは反対側の面上に複数のバスバー4を配置して、この複数のバスバー4の上に電圧検出基板5を配置し、サイドプレート3及び電圧検出基板5によって複数のバスバー4を挟み込んで抑えることにより、解決することができる。
【解決手段】上記課題は、電圧検出線を有する電圧検出基板5と、複数の電池セル8を保持するサイドプレート3と、複数の電池セル8を電気的に直列に接続する複数のバスバー4とを備え、サイドプレート3の電池セル8保持側の面とは反対側の面上に複数のバスバー4を配置して、この複数のバスバー4の上に電圧検出基板5を配置し、サイドプレート3及び電圧検出基板5によって複数のバスバー4を挟み込んで抑えることにより、解決することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
技術分野に関する背景技術として、例えば特許文献1に開示された技術がある。特許文献1には、エンドプレートの本体部に設けられたストッパ爪によって、隣接する電源モジュールを接続している複数のバスバー及び各電源モジュールの電圧を検出するためのリード線をエンドプレートの本体部に保持する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−223098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の蓄電器を有する蓄電装置において、所定の形に配列された複数の蓄電器は、隣接する蓄電器の一方の正極側と他方の負極側とが接続導体によって電気的に直列に接続されることにより、電気的に直列に接続されている。また、複数の蓄電器を有する蓄電装置において、蓄電器の過充放電を避けるためには、各蓄電器の状態を把握する必要がある。このため、各蓄電器には、その端子電圧を検出するための電圧検出線が電気的に接続されている。接続導体による複数の蓄電器の電気的な直列接続及び電圧検出線による各蓄電器の端子電圧の検出を行うにあたっては、それらの取り付け方法及び保持方法を考慮しなければならない。接続導体及び電圧検出線の取り付け方法及び保持方法の一つとしては、特許文献1に開示された技術のような方法が考えられる。
【0005】
しかし、特許文献1に開示された技術のように、保持部材にストッパ爪を設けて接続導体及び電圧検出線を保持部材に取り付けて保持する方法では、保持部材に対して接続導体及び電圧検出線を一つひとつ取り付ける必要があり、必ずしも作業性が良いとは言えない。また、特許文献1に開示された技術のように、電圧検出線としてリード線を用いた場合には、電圧検出線の保持部材への装着、蓄電器から制御装置までの電圧検出線の配線など、複数の作業が必要となる。このため、蓄電器の数の増加に応じて電圧検出線の本数が増えた場合には電圧検出線を取り付けて保持するための作業が煩雑になり、必ずしも作業性が良いとは言えない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は上記課題を含め複数の課題を挙げている。ここでは、そのうちの一つを発明が解決すべき代表課題として挙げ、その解決手段を説明する。
【0007】
ここに、本発明が解決すべき代表課題は、作業性の良い蓄電装置の提供にある。
【0008】
尚、この他の課題は、以下に説明する実施形態において、課題の裏返しとなる効果に置き換え、その解決手段と共に説明する。
【0009】
本発明は、上記代表課題を解決するために、例えば電圧検出線を有する配線部材と、蓄電器を保持する保持部材と、複数の蓄電器を電気的に直列に接続する複数の接続導体とを備え、保持部材の蓄電器保持側の面とは反対側の面上に複数の接続導体を配置して、この複数の接続導体の上に配線部材を配置し、保持部材及び配線部材によって複数の接続導体を挟み込んで抑えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、作業性の良い蓄電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(実施形態1)ハイブリッド自動車に搭載された、バッテリ装置を含む車載用電機システム(車両駆動システム)の構成を示すブロック図。
【図2】(実施形態1)図1のバッテリ装置を構成する一つの電池ブロック全体の外観構成を示す斜視図。
【図3】(実施形態1)図2の電池ブロックの構成を示す分解斜視図であり、電池ブロック内の複数の電池セルの配置構成及びサイドプレートAssyの構成を示す。
【図4】(実施形態1)図3のサイドプレートAssyに用いられる電圧検出基板のコネクタ部分の構成を拡大して示す拡大斜視図。
【図5】(実施形態1)図3のサイドプレートAssyの構成の一部分を拡大して示す拡大斜視図。
【図6】(実施形態1)図1のバッテリ装置の全体構成を示す斜視図。
【図7】(実施形態2)バッテリ装置を構成する一つの電池ブロック全体の外観構成を示す斜視図。
【図8】(実施形態2)図7の電池ブロックの構成を示す分解斜視図であり、電池ブロック内の複数の電池セルの配置構成及びサイドプレートAssyの構成を示す。
【図9】(実施形態2)図8のサイドプレートAssyに用いられる電圧検出基板の一部分の構成を拡大して示す拡大斜視図。
【図10】(実施形態2)図8のサイドプレートAssyに用いられるバスバーの構成を示す斜視図。
【図11】(実施形態2)図8のサイドプレートAssyの構成の一部分を拡大して示す拡大斜視図。
【図12】(実施形態2)図7の電池ブロックを用いて構成したバッテリ装置の全体構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、発明の実施形態の概略について説明する。
【0013】
以下に説明する実施形態では、本発明を、移動体である電動車両、特に電気自動車の車載電源装置を構成すると共に、蓄電器として二次電池、特にリチウムイオン電池を備えたバッテリ装置(蓄電装置)に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0014】
電気自動車としては、内燃機関であるエンジンと電動機とを車両の駆動源として備えたハイブリッド電気自動車を例に挙げて説明するが、電動機を車両の唯一の駆動源とすると共に、商用電源や電気スタンドでの充電が可能な純正電気自動車、エンジンと電動機とを車両の駆動源として備えると共に、商用電源や電気スタンドでの充電が可能なプラグインハイブリッド電気自動車など、他の電気自動車であっても構わない。また、自動車としては、普通乗用自動車,バスなどの乗合自動車,トラックなどの貨物自動車,ごみ収集車などの特殊自動車などがある。
【0015】
車載電源装置を構成する蓄電装置としては、リチウムイオン電池を蓄電器として備えたリチウムイオンバッテリ装置を例に挙げて説明するが、他の蓄電器、例えばニッケル水素電池或いは鉛電池などを備えたバッテリ装置であっても構わない。
【0016】
以下に説明する実施形態の構成は他の電動車両、例えばハイブリッド電車などの鉄道車両,バッテリ式フォークリフトトラックなどの産業車両,クレーンなどの建設機械を搭載した車両,土木作業に従事する車両などに搭載される蓄電装置にも適用できる。
【0017】
また、以下に説明する実施形態の構成は、移動体の電源装置を構成する蓄電装置のみならず、コンピュータシステムやサーバシステムなどに用いられる無停電電源装置,自家用発電設備に用いられる電源装置,太陽光,風力,地熱などの自然エネルギーを用いた発電設備に用いられる電源装置などを構成する定置型用蓄電装置にも適用できる。
【0018】
バッテリ装置は、その構成要素として、複数の電池セルを電気的に直列に接続した電池群である組電池を備えた電池モジュールと、組電池の状態を監視して組電池の状態を制御するための制御装置と、を備えている。制御装置は、その構成要素として、複数の電池セルのそれぞれの端子電圧を検出する電圧検出手段、及び複数の電池セルの充電状態を調整する容量調整手段(複数の電池セルのそれぞれに対応して設けられた放電(バイパス)抵抗、充電状態の調整が必要なときに放電抵抗を電池セルの両極に電気的に接続するためのスイッチング素子、及びスイッチング素子のオンオフを制御する制御部)を備えたセル制御装置と、セル制御装置との間において通信し、セル制御装置に対してコマンド信号を送信して、複数の電池セルの状態を取得すると共に、複数の電池セルの状態を制御し、かつ上位側の制御装置(例えばハイブリッド自動車の制御を統括するハイブリッド制御装置やインバータ装置の作動を制御するモータ制御装置)に対してバッテリ装置側の情報、例えば組電池の充電状態を示す情報、インバータ装置による組電池の充放電を制御するための許容充放電量を示す情報などを出力するバッテリ制御装置と、を備えている。
【0019】
複数の電池セルの電気的な直列接続は、所定の形に配列された複数の電池セルにおいて、隣接する電池セルの一方の正極側と他方の負極側とを、バスバーと呼ばれる接続導体によって電気的に直列に接続されることにより構成されている。また、複数の電池セルのそれぞれの端子電圧は、電池セルの過充放電を避けるために検出する。このため、各電池セルには電圧検出線が電気的に接続されている。接続導体による電池セルの電気的な直列接続及び電圧検出線による各電池セルの端子電圧の検出を行うにあたっては、接続導体及び電圧検出線の取り付け方法及び保持方法を考慮しなければならない。その一つとしては、複数の電池セルを保持する、サイドプレートと呼ばれる保持部材に接続導体及び電圧検出線を取り付けて保持することが考えられるが、その取り付け方や保持の仕方によっては、作業性の低下に繋がってしまう。
【0020】
そこで、以下に説明する実施形態では、電圧検出線を有する配線板と、複数の電池セルを保持するサイドプレートと、複数の電池セルを電気的に直列に接続する複数のバスバーとを備え、サイドプレートの電池セル保持側の面とは反対側の面上に複数のバスバーを配置して、この複数のバスバーの上に配線板を配置し、配線板をサイドプレートに固定することにより、配線板によって複数のバスバーをサイドプレートに押さえつけて固定している。
【0021】
このような構成によれば、バスバーや電圧検出線を一つひとつサイドプレートサイドに装着する必要がない。また、電圧検出線としてリード線を用いた場合と比べ、電圧検出線のサイドプレートへの装着,電池セル(バスバー)から制御装置までの電圧検出線の配線など、複数の作業が不要となる。従って、以下に説明する実施形態では、作業工数が少なく、かつ作業が煩雑になることがないので、バッテリ装置の組み立て作業性,生産性を向上させることができる。
【0022】
また、以下に説明する実施形態によれば、サイドプレートにバスバー及び電圧検出線を装着、保持するための機構が不要となり、サイドプレートの構造を簡単にできる。また、サイドプレートを樹脂成型により製作する場合には、樹脂成型に必要な金型が複雑な形状になることがないので、製造単価を安くすることができる。
【0023】
さらに、以下に説明する実施形態によれば、電圧検出線を配線板により構成しているので、電池セルから過電流が流れたとき溶断して電池セルと制御装置との電気的な接続を遮断し、電圧検出線を介して制御装置に過電流が流れないようにするためのヒューズ,電池セルの温度を検出するためのセンサであるサーミスタなどを配線板に一体に設けることができるので、ヒューズやサーミスタなどの取り付け作業を簡略化することができる。
【0024】
以下、発明の実施形態を、図面を用いて具体的に説明する。
【0025】
〔実施形態1〕
第1実施形態を図1乃至図6に基づいて説明する。
【0026】
まず、図1を用いて、バッテリ装置を含む車載電機システム(電動機駆動システム)の構成について説明する。
【0027】
車載電機システムは、モータジェネレータ900,インバータ装置910,車両全体を制御する車両コントローラ920、および車載電源装置を構成するバッテリ装置1000を含む複数の電装機器を備える。バッテリ装置1000は、複数の蓄電器を備えており、例えば複数のリチウムイオン電池を備えたリチウムイオンバッテリ装置として構成される。
【0028】
モータジェネレータ900は、三相交流機である。三相交流機としては同期機と誘導機とがあるが、どちらを採用しても構わない。モータジェネレータ900は、車両の力行時及び内燃機関であるエンジンを始動する時など、回転動力が必要な運転モードでは、モータ駆動し、発生した回転動力を車輪及びエンジンなどの被駆動体に供給する。この場合、車載電機システムは、モータジェネレータ900に、バッテリ装置1000から電力変換装置であるインバータ装置910を介して、直流電力を三相交流電力に変換して供給する。
【0029】
また、モータジェネレータ900は、車両の減速時や制動時などの回生時及びバッテリ装置1000の充電が必要な時など、発電が必要な運転モードでは、車輪或いはエンジンからの駆動力によって駆動し、ジェネレータとして三相交流電力を発生させる。この場合、車載電機システムは、モータジェネレータ900からの三相交流電力をインバータ装置910を介して直流電力に変換し、バッテリ装置1000に供給する。これにより、バッテリ装置1000には電力が蓄積される。
【0030】
インバータ装置910は、前述した電力変換、すなわち直流電力から三相交流電力への変換、及び三相交流電力から直流電力への変換をスイッチング半導体素子の作動(オン・オフ)によって制御する電子回路装置である。インバータ装置910は、パワーモジュール911,ドライバ回路912,モータコントローラ913を備えている。
【0031】
パワーモジュール911は、6つのスイッチング半導体素子を備え、この6つのスイッチング半導体素子のスイッチング動作(オン・オフ)によって、前述した電力変換を行うための電力変換回路を構成する半導体装置である。
【0032】
直流正極側モジュール端子は直流正極側外部端子に、直流負極側モジュール端子は直流負極側外部端子にそれぞれ電気的に接続されている。直流正極側外部端子及び直流負極側外部端子は、バッテリ装置1000との間において直流電力を授受するための電源側端子であり、バッテリ装置1000から延びる電源ケーブル610,620が電気的に接続されている。交流側モジュール端子は交流側外部端子に電気的に接続されている。交流側外部端子は、モータジェネレータ900との間において三相交流電力を授受するための負荷側端子であり、モータジェネレータ900から延びる負荷ケーブルが電気的に接続されている。
【0033】
モータコントローラ913は、電力変換回路を構成する6つのスイッチング半導体素子のスイッチング動作を制御するための電子回路装置である。モータコントローラ913は、上位制御装置、例えば車両全体を制御する車両コントローラ920から出力されたトルク指令に基づいて、6つのスイッチング半導体素子に対するスイッチング動作指令信号(例えばPWM(パルス幅変調)信号)を生成する。この生成された指令信号はドライバ回路912に出力される。
【0034】
バッテリ装置1000は、電気エネルギーを蓄積及び放出(直流電力を充放電)するための電池モジュール(蓄電モジュール)100、及び電池モジュール100の状態を管理及び制御するための制御装置900を備えている。
【0035】
電池モジュール100は二つの電池ブロック、すなわち電気的に直列に接続される高電位側電池ブロック100a及び低電位側電池ブロック100bから構成されている。各電池ブロックには組電池が収納されている。各組電池は、複数のリチウムイオン電池セル(以下、単に「電池セル」と略称する)を電気的に直列に接続した接続体から構成されている。各電池ブロックの構成については後述する。
【0036】
高電位側電池ブロック100aの負極側(低電位側)と低電位側電池ブロック100bの正極側(高電位側)との間にはSD(サービスディスコネクト)スイッチ700が設けられている。SDスイッチ700はバッテリ装置1000の保守、点検時の安全性を確保するために設けられた安全装置であって、スイッチとヒューズとを電気的に直列に接続した電気回路から構成されており、サービスマンによって保守、点検時に操作される。
【0037】
制御装置900は、上位(親)に相当するバッテリコントローラ300及び下位(子)に相当するセルコントローラ200から構成されている。
【0038】
バッテリコントローラ300は、バッテリ装置1000の状態を管理及び制御すると共に、上位制御装置である車両コントローラ920やモータコントローラ913にバッテリ装置1000の状態や許容充放電電力などの充放電制御指令を通知する。バッテリ装置1000の状態の管理及び制御には、バッテリ装置1000の電圧及び電流の計測,バッテリ装置1000の蓄電状態(SOC:State Of Charge)及び劣化状態(SOH:State Of Health)などの演算,各電池ブロックの温度の計測,セルコントローラ200に対する指令(例えば各電池セルの電圧を計測するための指令,各電池セルの蓄電量を調整するための指令など)の出力などがある。
【0039】
セルコントローラ200は、バッテリコントローラ300からの指令によって複数の電池セルの状態の管理及び制御を行う、いわゆるバッテリコントローラ300の手足であり、複数の集積回路(IC)によって構成されている。複数の電池セルの状態の管理及び制御には、各電池セルの電圧の計測,各電池セルの蓄電量の調整などがある。各集積回路は、対応する複数の電池セルが決められており、対応する複数の電池セルに対して状態の管理及び制御を行う。
【0040】
セルコントローラ200を構成する集積回路の電源には、対応する複数の電池セルを用いている。このため、セルコントローラ200と電池モジュール100の両者は電圧検出線800を介して電気的に接続されている。各集積回路には、対応する複数の電池セルの最高電位の電圧が電圧検出線800を介して印加されている。
【0041】
高電位側電池ブロック100aの正極端子とインバータ装置910の直流正極側外部端子との両者は正極側電源ケーブル610を介して電気的に接続されている。低電位側電池ブロック100bの負極端子とインバータ装置910の直流負極側外部端子との間は負極側電源ケーブル620を介して電気的に接続されている。
【0042】
電源ケーブル610,620の途中にはジャンクションボックス400,負極側メインリレー412が設けられている。ジャンクションボックス400の内部には、正極側メインリレー411及びプリチャージ回路420から構成されたリレー機構が収納されている。リレー機構は、電池モジュール100とインバータ装置910との間を電気的に導通及び遮断するための開閉部であり、車載電機システムの起動時には電池モジュール100とインバータ装置910との間を導通、車載電機システムの停止時及び異常時には電池モジュール100とインバータ装置910との間を遮断する。このように、バッテリ装置1000とインバータ装置910との間をリレー機構によって制御することにより、車載電機システムの高い安全性を確保できる。
【0043】
リレー機構の駆動はモータコントローラ913により制御される。モータコントローラ913は、車載電機システムの起動時には、バッテリ装置1000の起動完了の通知をバッテリコントローラ300から受けることにより、リレー機構に対して導通の指令信号を出力してリレー機構を駆動させる。また、モータコントローラ913は、車載電機システムの停止時にはイグニションキースイッチからオフの出力信号を受けることにより、また、車載電機システムの異常時には車両コントローラからの異常信号を受けることにより、リレー機構に対して遮断の指令信号を出力してリレー機構を駆動させる。
【0044】
メインリレーは正極側メインリレー411及び負極側メインリレー412から構成されている。正極側メインリレー411は正極側電源ケーブル610の途中に設けられ、バッテリ装置1000の正極側とインバータ装置910の正極側との間の電気的な接続を制御する。負極側メインリレー412は負極側電源ケーブル620の途中に設けられ、バッテリ装置1000の負極側とインバータ装置910の負極側との間の電気的な接続を制御する。
【0045】
プリチャージ回路420は、プリチャージリレー421及び抵抗422を電気的に直列に接続した直列回路であり、正極側メインリレー411に電気的に並列に接続されている。
【0046】
車載電機システムの起動時にあたっては、まず、負極側メインリレー412が投入され、この後に、プリチャージリレー421が投入される。これにより、バッテリ装置1000から供給された電流が抵抗422によって制限された後、インバータ搭載の平滑コンデンサに供給されて充電される。平滑コンデンサが所定の電圧まで充電された後、正極側メインリレー411が投入され、プリチャージリレー421が開放される。これにより、バッテリ装置1000から正極側メインリレー411を介してインバータ装置910に主電流が供給される。
【0047】
また、ジャンクションボックス400の内部には電流センサ430が収納されている。電流センサ430は、バッテリ装置1000からインバータ装置910に供給される電流を検出するために設けられたものである。電流センサ430の出力線はバッテリコントローラ300に電気的に接続されている。バッテリコントローラ300は、電流センサ430から出力された信号に基づいて、バッテリ装置1000からインバータ装置910に供給された電流を検出する。この電流検出情報は、バッテリコントローラ300からモータコントローラ913や車両コントローラ920などに通知される。
【0048】
電流センサ430はジャンクションボックス400の外部に設置しても構わない。バッテリ装置1000の電流の検出部位は、正極側メインリレー411のインバータ装置910側のみらならず、正極側メインリレー411の電池モジュール100側であってもよい。
【0049】
尚、ジャンクションボックス400の内部にはバッテリ装置1000の電圧を検出するための電圧センサを収納してもよい。バッテリコントローラ300は、電圧センサの出力信号に基づいてバッテリ装置1000の全体の電圧を検出する。この電圧検出情報はモータコントローラ913や車両コントローラ920に通知される。バッテリ装置1000の電圧の検出部位は、リレー機構の電池モジュール100側或いはインバータ装置910側のどちらでもよい。
【0050】
次に、図2乃至図6を用いて、バッテリ装置1000の構成を説明する。
【0051】
図6に示すように、バッテリ装置1000は、外観上の構成要素として、電池モジュール100,制御装置12,SDスイッチ700及びジャンクションボックス400を備えている。
【0052】
電池モジュール100は、高電位側電池ブロック100a及び低電位側電池ブロック100bから構成されている。高電位側電池ブロック100a及び低電位側電池ブロック100bはSDスイッチ700を介して電気的に直列に接続されている。
【0053】
高電位側電池ブロック100a及び低電位側電池ブロック100bは、直方体形状をした組立体であり、各ブロックの長手方向に延びる軸線同士が平行となるように、互いに隣接して並列に配置されている。高電位側電池ブロック100a及び低電位側電池ブロック100bは、モジュールベース101上に並置され、ボルトなどの固定手段により固定されている。
【0054】
高電位側電池ブロック100aと低電位側電池ブロック100bとの間のスペースには制御装置12とSDスイッチ700とがブロックの長手方向に縦列して配置されている。
【0055】
高電位側電池ブロック100a及び低電位側電池ブロック100bの長手方向一方側(SDスイッチ700側)端部の延長線上にはジャンクションボックス400が配置されている。
【0056】
尚、高電位側電池ブロック100aと低電位側電池ブロック100bは全く同じ構成を有している。このため、図2及び図3には、高電位側電池ブロック100a及び低電位側電池ブロック100bを代表して、高電位側電池ブロック100a側のみを示している。また、これ以降においては、高電位側電池ブロック100a側の構成についてのみ説明する。
【0057】
図2及び図3に示すように、高電位側電池ブロック100aの外装(ハウジング)は直方体(6面体)形状をしており、上面部と、これに対向する底面部と、直方体の長手方向に対向する二つの側面部により形成された金属筐体2と、直方体の短手方向に対向する、サイドプレート3と呼ばれる二つの平板状部材と、直方体の短手方向に対向し、前記サイドプレート3の外側に配置されている、サイドカバー130(図6に図示し、図2では図示省略)と呼ばれる二つの平板状部材とを構成部材としている。
【0058】
金属筐体2は鋳物であり、板金の曲げ加工により作られる筐体に比べて厚みを有するため、外部からの荷重や衝撃に対してより高い強度を持つと共に、ねじ穴や加工面の寸法精度も板金加工に比べて高いため他の部品との組み立て性もよい。具体的には、金属筐体110は、アルミニウム合金を加熱して溶融し、この溶融したものを金属の鋳型に流し込んで冷却し、凝固させることにより一体に形成された金型鋳造品(成型品)である。
【0059】
尚、金属筐体2は、上記と同様に鋳造された2つ以上の部材から構成されていてもよく、例えば底面部及び長手方向の側面部の一方が一体に形成された第1部材と、上面部及び長手方向の側面部の他方が一体に成形された第2部材とを、ボルトなどで締結した構造であってもよい。また、金属材料としては、導電性を有し、かつ鋳造可能な金属材料であれば、アルミニウム合金以外の金属材料を用いてもよい。
【0060】
このように、金属材料の鋳造により得られた金属筐体2を採用して高電位側電池ブロック100a及び低電位側電池ブロック100bを構成した本実施例のバッテリ装置1000によれば、バッテリ装置1000の強度を大きくし、電池セルの保護性能を大きくできるので、バッテリ装置1000の安全性及び信頼性を向上させることができる。
【0061】
図3に示すように、金属筐体2の内部は円筒型の複数の電池セル8が収納される収納室となっている。この収納室は、後述するように複数の電池セル8の冷却室としても機能する。複数の電池セル8は、円筒の軸心方向が電池ブロックの短手方向を向いて整列配置された組電池の状態で金属筐体2の内部に収納されている。
【0062】
サイドプレート3は、電気的な絶縁性を有するPBTなどの樹脂を成型してできた成型体であり、金属筐体2の短手方向に向かい合うように配置され、ボルトなどの固定手段により金属筐体2に固定されている。
【0063】
組電池を構成する複数の電池セル8はサイドプレート3によって挟持されて固定されており、金属筐体2とは絶縁されている。
【0064】
組電池は、複数の電池セル8を電池ブロックの長手方向に、電極の向きが交互に変わるように、並列に配置して構成した第1電池列と、第1電池列と同様に、同数の電池セル8を電池ブロックの長手方向に、電極の向きが交互に変わるように、並列に配置して構成した第2電池列とを、金属筐体2の高さ方向に積層することによって構成されている。第1及び第2電池列は金属筐体2の長手方向にずらされており、下段に配置された第1電池列と上段に配置された第2電池列とが俵積みされるように積層されている。サイドプレート3には各電池セル8の軸と中心が一致する部分に短手方向の貫通孔が設けられており、貫通孔の直径は電池セル8の直径よりも小さい。
【0065】
円筒形状の電池セル8は、電池筐体内部に電池素子(発電素子),電解液及び安全弁などの部品が収納され、電池蓋によって密閉されている。電池素子は、正極材,絶縁材であるセパレータ,負極材及びセパレータを4層に積層した積層体をロール状に巻いた捲回体である。電池筐体は金属製の円筒缶である。電池蓋は、電池筐体内部に電池素子,電解液及び安全弁などの部品が収納された後、電池筐体の開放端側に取り付けられて電池筐体の開放端側を塞ぐ封止部材であり、正極が形成されている。負極は、電池筐体の開放端側とは反対側端部の閉塞端側に形成されている。安全弁は、電池筐体の内部の圧力が高くなった時に開放され、電池筐体の内部に発生した発生媒体(ガス)を外部に放出するガス抜き弁である。リチウム単電池11の出力電圧は3.0〜4.2vである。その平均出力電圧は3.6vである。また、電池セル8は周辺部品や他の電池との絶縁のため、電池缶の周側面が樹脂チューブによって覆われている。
【0066】
図2及び図3に示すように、複数の電池セル8は、バスバー4と呼ばれる複数の導電部材(接続導体)により電気的に直列に接続されている。バスバー4は薄肉の長方形状(短冊形状)の金属板(例えば銅板)で構成されている。バスバー4はサイドプレート3には一体にインサートモールドせず、サイドプレート3とは別体の構成になっている。バスバー4の両端部の平面部位は2つの電池セルの電極部に溶接により接合されている。バスバー4の中央部の平面部部位(2つの電池セルとの溶接部位間を渡る渡り部)は、電池セルとの溶接部位よりも高い位置に配置されて、サイドプレート3を避けるように、電池セルとの溶接部位から直角に折り曲げられて、サイドプレート3の貫通孔間の壁を跨げる位置まで持ち上げられている。
【0067】
本実施形態では、下段に配置された第1電池列の電池セル8の一方の電極(例えば正極)と、これに隣接する、上段に配置された第2電池列の電池セル8の他方の電極(例えば負極)とを、一方の端から他方の端に向かって順番に、電池ブロックの高さ方向に電気的に接続している。このため、サイドプレート3の短手方向中央部には、バスバー4が電池ブロックの高さ方向に斜めに延びるように、サイドプレート3の長手方向に整列して並行に配列されている。
【0068】
尚、バスバー4と電池セル8との接続方法は、電気的に接続されていれば特に限定されず、溶接による接続であってもよいしボルト固定による接続であってもよい。
【0069】
サイドプレート3の外周部分は外側、すなわち電池セル8の収納室とは反対側に突き出した構造になっており、全周に渡り外周壁を構成している。外周壁の外側は平面形状であり、バスバー4の中央部よりも外側に突き出している。
【0070】
電気的に直列に接続された複数の電池セル8から電圧を取り出すために、電気的に直列に接続された複数の電池セル8の最も電位の高い電池セル8の正極に直流正極側入力端子170aが電気的に接続されていると共に、電気的に直列に接続された複数の電池セル8の最も電位の低い電池セル8の負極に負極側入力端子170bが電気的に接続されている。直流正極側入力端子170aは、一方側のサイドプレート3の長手方向一方側端部の電池セル8保持側とは反対側の面の上部から水平方向に突出するように設けられている。直流負極側入力端子170bは、一方側のサイドプレート3の長手方向他方側端部の電池セル8保持側とは反対側の面の上部から水平方向に突出するように設けられている。直流正極側入力端子170a及び直流負極側入力端子170bは薄肉の金属板(例えば銅版)で構成されている。
【0071】
サイドプレート3の外側、すなわち電池セル8の収納室と反対側には、サイドカバーと呼ばれる覆い部材130が設けられている。覆い部材130は、ボルトなどの固定手段によってサイドプレート3に固定されている。覆い部材130はサイドプレート3の外周壁部分に固定されており、バスバー4,直流正極側入力端子170a及び直流負極側入力端子170bと接触せず、電気的に絶縁されている。覆い部材130は、鉄あるいはアルミニウムなどの金属板をプレス加工した平板であり、サイドプレート3の平面形状とほぼ同じ面形状に構成されている。覆い部材130としては、PBTなどの樹脂を成型して形成した平板を用いてもよい。サイドプレート3と覆い部材130との間にはOリングなどのシール部材が設けられており、サイドプレート3と覆い部材130との間に形成された空間、すなわち電池セル8から排出されたミスト状のガス(前述した発生媒体)を貯留して排出するガス排出室の気密性を高めている。
【0072】
金属筐体2の長手方向一方側の側面部には、図2及び図3に示すように、冷却媒体である冷却空気の金属筐体2内部からの排出口を構成する冷却媒体出口180が形成されている。また、金属筐体2内部に冷却空気を取り込むための冷却媒体入口が、金属筐体2の長手方向他方側の側面部(冷却媒体出口180が形成された側面部とは反対側の側面部)に形成されている。冷却媒体入口及び冷却媒体出口180は長方形状の貫通孔であり、お互いに金属筐体2の高さ方向にずれて配置されている。本実施形態では、冷却媒体入口が冷却媒体出口180よりも高い位置に形成した場合を示しているが、逆の位置関係になっていても構わない。
【0073】
金属筐体2の内部に複数の電池セル8が配置された状態において、金属筐体2を構成する各部(上面部,底面部,2つの側面部)と複数の電池セル8の集合体との間には隙間が形成されている。また、複数の電池セル8間にも隙間が形成されている。それらの隙間は連通しており、冷却媒体入口から導入された冷却空気が冷却流路を形成している。冷却媒体入口から導入された冷却空気は、その冷却流路を分流して流れ、複数の電池セル8を冷却し、冷却媒体出口180から排出される。
【0074】
サイドプレート3には、複数の電池セル8のそれぞれの電圧を検出するための複数の電圧検出導体(図示省略)を有する電圧検出基板5が設けられている。電圧検出基板5は電池ブロックの長手方向と同じ方向に延びる細長く、波うった形状の部材であり、複数のバスバー4の中央部を電池ブロックの長手方向一方側から他方側に渡るように、複数のバスバー4の中央部の上に配置され、サイドプレート3にねじ11により固定されている。このような構成によれば、電圧検出基板5によって複数のバスバー4をサイドプレート3に押さえつけて固定することができる。
【0075】
サイドプレートAssy6は複数のねじ9により金属筐体2に固定されている。サイドプレートAssy6の電圧検出基板5と全てのバスバー4はねじ10による締め付け固定により電気的に接続される。一方側のサイドプレートAssy6の電圧検出基板5の長手方向一方側端部の電池セル8側の面上にはコネクタ5bが、その電池セル8側とは反対側にはコネクタ5aがそれぞれ設けられている。コネクタ5bには、他方側のサイドプレートAssy6の電圧検出基板5から延びてきたフラットケーブル7が接続されておいる。コネクタ5aには、制御装置12から延びてきたハーネス13,14のコネクタが接続されている。これにより、両サイドのサイドプレートAssy6の電圧検出基板5の電圧検出線と制御装置12(セルコントローラ)とを電気的に接続でき、各電池セル8の端子電圧を制御装置12に取り込んで検出することができる。
【0076】
電圧検出基板5上には金属製の薄板5cやヒューズが搭載されている。電圧検出基板5上には穴eが、金属製の薄板5cには穴dが存在する。バスバー4には穴fとねじ穴gが存在する。バスバー4の穴fとサイドプレート3の突起部jが組み合わさることにより、バスバー4はサイドプレート3に位置決めされる。また、電圧検出基板5は穴eを通してサイドプレート3上の穴hにねじ11により固定される。電圧検出基板5がサイドプレート3に固定されることにより、バスバー4はサイドプレート3と電圧検出基板5の間に挟まれることにより仮固定される。
【0077】
以上のように、本実施形態では、サイドプレート3,複数のバスバー4及び電圧検出基板5によってサイドプレートAssy6(サブモジュール)を構成している。電池ブロックの組立作業時、予めサイドプレートAssy6を構成しておけば、部品の組み付けが容易であると共に、電池セル8とバスバー4との溶接の位置決めが容易であり、また、電池セル8とバスバー4との溶接時のバスバー4のずれを防止したりすることができる。また、サイドプレート3からのバスバー4が外れたりすることもない。従って、電池ブロックの組立作業時の作業性を向上させることができる。
【0078】
〔実施形態2〕
第2実施形態を図7乃至図12に基づいて説明する。
【0079】
本実施形態では、金属筐体2の長手方向一方側端部に中継基板27を設けていると共に、サイドプレートAssy6をサイドプレート3、バスバー4及びフレキシブルな電圧検出線25により構成している。中継基板27はねじ28により金属筐体2に固定されていると共に、コネクタ27a,27bを備えている。2つのコネクタ27aとコネクタ27bは電気的に接続されている。2つのコネクタ27aには、両サイドのサイドプレートAssy6から延びてきた電圧検出線25の一方側端部が接続されている。コネクタ27bには制御装置12から延びてきたフラットケーブル32,33が接続されている。
【0080】
電圧検出線25は、フレキシブルプリント基板pと補強板mで構成される。フレキシブルプリント基板p上にはヒューズパターンが印刷されており、ヒューズ機能も備えている。フレキシブルプリント基板pには分岐部qが存在し、また、補強板mには穴nが存在する。一方、バスバー4の中央部には分岐部rが存在し、電圧検出線25の分岐部qと電気的に接続可能な形状となっている。バスバー4の穴sとサイドプレート3の突起部tが組み合わさることにより、バスバー4はサイドプレート3に位置決めされる。また、電圧検出線25の穴nはサイドプレート3の突起部uと組み合わされ、溶着により固定される。電圧検出線25がサイドプレート3に固定されることにより、バスバー4はサイドプレート3と電圧検出線25の間に挟まれることにより仮固定される。
【0081】
以上説明した構成以外の構成は第1実施形態と同じである。第1実施形態と同じ構成には第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
【0082】
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができると共に、全てバスバー4の中央から電圧検出線25を引き出しているため、バスバー4の向きによらず、電圧測定箇所による抵抗値のばらつきが少ない高精度な電圧検出を行うことができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
技術分野に関する背景技術として、例えば特許文献1に開示された技術がある。特許文献1には、エンドプレートの本体部に設けられたストッパ爪によって、隣接する電源モジュールを接続している複数のバスバー及び各電源モジュールの電圧を検出するためのリード線をエンドプレートの本体部に保持する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−223098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の蓄電器を有する蓄電装置において、所定の形に配列された複数の蓄電器は、隣接する蓄電器の一方の正極側と他方の負極側とが接続導体によって電気的に直列に接続されることにより、電気的に直列に接続されている。また、複数の蓄電器を有する蓄電装置において、蓄電器の過充放電を避けるためには、各蓄電器の状態を把握する必要がある。このため、各蓄電器には、その端子電圧を検出するための電圧検出線が電気的に接続されている。接続導体による複数の蓄電器の電気的な直列接続及び電圧検出線による各蓄電器の端子電圧の検出を行うにあたっては、それらの取り付け方法及び保持方法を考慮しなければならない。接続導体及び電圧検出線の取り付け方法及び保持方法の一つとしては、特許文献1に開示された技術のような方法が考えられる。
【0005】
しかし、特許文献1に開示された技術のように、保持部材にストッパ爪を設けて接続導体及び電圧検出線を保持部材に取り付けて保持する方法では、保持部材に対して接続導体及び電圧検出線を一つひとつ取り付ける必要があり、必ずしも作業性が良いとは言えない。また、特許文献1に開示された技術のように、電圧検出線としてリード線を用いた場合には、電圧検出線の保持部材への装着、蓄電器から制御装置までの電圧検出線の配線など、複数の作業が必要となる。このため、蓄電器の数の増加に応じて電圧検出線の本数が増えた場合には電圧検出線を取り付けて保持するための作業が煩雑になり、必ずしも作業性が良いとは言えない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は上記課題を含め複数の課題を挙げている。ここでは、そのうちの一つを発明が解決すべき代表課題として挙げ、その解決手段を説明する。
【0007】
ここに、本発明が解決すべき代表課題は、作業性の良い蓄電装置の提供にある。
【0008】
尚、この他の課題は、以下に説明する実施形態において、課題の裏返しとなる効果に置き換え、その解決手段と共に説明する。
【0009】
本発明は、上記代表課題を解決するために、例えば電圧検出線を有する配線部材と、蓄電器を保持する保持部材と、複数の蓄電器を電気的に直列に接続する複数の接続導体とを備え、保持部材の蓄電器保持側の面とは反対側の面上に複数の接続導体を配置して、この複数の接続導体の上に配線部材を配置し、保持部材及び配線部材によって複数の接続導体を挟み込んで抑えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、作業性の良い蓄電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(実施形態1)ハイブリッド自動車に搭載された、バッテリ装置を含む車載用電機システム(車両駆動システム)の構成を示すブロック図。
【図2】(実施形態1)図1のバッテリ装置を構成する一つの電池ブロック全体の外観構成を示す斜視図。
【図3】(実施形態1)図2の電池ブロックの構成を示す分解斜視図であり、電池ブロック内の複数の電池セルの配置構成及びサイドプレートAssyの構成を示す。
【図4】(実施形態1)図3のサイドプレートAssyに用いられる電圧検出基板のコネクタ部分の構成を拡大して示す拡大斜視図。
【図5】(実施形態1)図3のサイドプレートAssyの構成の一部分を拡大して示す拡大斜視図。
【図6】(実施形態1)図1のバッテリ装置の全体構成を示す斜視図。
【図7】(実施形態2)バッテリ装置を構成する一つの電池ブロック全体の外観構成を示す斜視図。
【図8】(実施形態2)図7の電池ブロックの構成を示す分解斜視図であり、電池ブロック内の複数の電池セルの配置構成及びサイドプレートAssyの構成を示す。
【図9】(実施形態2)図8のサイドプレートAssyに用いられる電圧検出基板の一部分の構成を拡大して示す拡大斜視図。
【図10】(実施形態2)図8のサイドプレートAssyに用いられるバスバーの構成を示す斜視図。
【図11】(実施形態2)図8のサイドプレートAssyの構成の一部分を拡大して示す拡大斜視図。
【図12】(実施形態2)図7の電池ブロックを用いて構成したバッテリ装置の全体構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、発明の実施形態の概略について説明する。
【0013】
以下に説明する実施形態では、本発明を、移動体である電動車両、特に電気自動車の車載電源装置を構成すると共に、蓄電器として二次電池、特にリチウムイオン電池を備えたバッテリ装置(蓄電装置)に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0014】
電気自動車としては、内燃機関であるエンジンと電動機とを車両の駆動源として備えたハイブリッド電気自動車を例に挙げて説明するが、電動機を車両の唯一の駆動源とすると共に、商用電源や電気スタンドでの充電が可能な純正電気自動車、エンジンと電動機とを車両の駆動源として備えると共に、商用電源や電気スタンドでの充電が可能なプラグインハイブリッド電気自動車など、他の電気自動車であっても構わない。また、自動車としては、普通乗用自動車,バスなどの乗合自動車,トラックなどの貨物自動車,ごみ収集車などの特殊自動車などがある。
【0015】
車載電源装置を構成する蓄電装置としては、リチウムイオン電池を蓄電器として備えたリチウムイオンバッテリ装置を例に挙げて説明するが、他の蓄電器、例えばニッケル水素電池或いは鉛電池などを備えたバッテリ装置であっても構わない。
【0016】
以下に説明する実施形態の構成は他の電動車両、例えばハイブリッド電車などの鉄道車両,バッテリ式フォークリフトトラックなどの産業車両,クレーンなどの建設機械を搭載した車両,土木作業に従事する車両などに搭載される蓄電装置にも適用できる。
【0017】
また、以下に説明する実施形態の構成は、移動体の電源装置を構成する蓄電装置のみならず、コンピュータシステムやサーバシステムなどに用いられる無停電電源装置,自家用発電設備に用いられる電源装置,太陽光,風力,地熱などの自然エネルギーを用いた発電設備に用いられる電源装置などを構成する定置型用蓄電装置にも適用できる。
【0018】
バッテリ装置は、その構成要素として、複数の電池セルを電気的に直列に接続した電池群である組電池を備えた電池モジュールと、組電池の状態を監視して組電池の状態を制御するための制御装置と、を備えている。制御装置は、その構成要素として、複数の電池セルのそれぞれの端子電圧を検出する電圧検出手段、及び複数の電池セルの充電状態を調整する容量調整手段(複数の電池セルのそれぞれに対応して設けられた放電(バイパス)抵抗、充電状態の調整が必要なときに放電抵抗を電池セルの両極に電気的に接続するためのスイッチング素子、及びスイッチング素子のオンオフを制御する制御部)を備えたセル制御装置と、セル制御装置との間において通信し、セル制御装置に対してコマンド信号を送信して、複数の電池セルの状態を取得すると共に、複数の電池セルの状態を制御し、かつ上位側の制御装置(例えばハイブリッド自動車の制御を統括するハイブリッド制御装置やインバータ装置の作動を制御するモータ制御装置)に対してバッテリ装置側の情報、例えば組電池の充電状態を示す情報、インバータ装置による組電池の充放電を制御するための許容充放電量を示す情報などを出力するバッテリ制御装置と、を備えている。
【0019】
複数の電池セルの電気的な直列接続は、所定の形に配列された複数の電池セルにおいて、隣接する電池セルの一方の正極側と他方の負極側とを、バスバーと呼ばれる接続導体によって電気的に直列に接続されることにより構成されている。また、複数の電池セルのそれぞれの端子電圧は、電池セルの過充放電を避けるために検出する。このため、各電池セルには電圧検出線が電気的に接続されている。接続導体による電池セルの電気的な直列接続及び電圧検出線による各電池セルの端子電圧の検出を行うにあたっては、接続導体及び電圧検出線の取り付け方法及び保持方法を考慮しなければならない。その一つとしては、複数の電池セルを保持する、サイドプレートと呼ばれる保持部材に接続導体及び電圧検出線を取り付けて保持することが考えられるが、その取り付け方や保持の仕方によっては、作業性の低下に繋がってしまう。
【0020】
そこで、以下に説明する実施形態では、電圧検出線を有する配線板と、複数の電池セルを保持するサイドプレートと、複数の電池セルを電気的に直列に接続する複数のバスバーとを備え、サイドプレートの電池セル保持側の面とは反対側の面上に複数のバスバーを配置して、この複数のバスバーの上に配線板を配置し、配線板をサイドプレートに固定することにより、配線板によって複数のバスバーをサイドプレートに押さえつけて固定している。
【0021】
このような構成によれば、バスバーや電圧検出線を一つひとつサイドプレートサイドに装着する必要がない。また、電圧検出線としてリード線を用いた場合と比べ、電圧検出線のサイドプレートへの装着,電池セル(バスバー)から制御装置までの電圧検出線の配線など、複数の作業が不要となる。従って、以下に説明する実施形態では、作業工数が少なく、かつ作業が煩雑になることがないので、バッテリ装置の組み立て作業性,生産性を向上させることができる。
【0022】
また、以下に説明する実施形態によれば、サイドプレートにバスバー及び電圧検出線を装着、保持するための機構が不要となり、サイドプレートの構造を簡単にできる。また、サイドプレートを樹脂成型により製作する場合には、樹脂成型に必要な金型が複雑な形状になることがないので、製造単価を安くすることができる。
【0023】
さらに、以下に説明する実施形態によれば、電圧検出線を配線板により構成しているので、電池セルから過電流が流れたとき溶断して電池セルと制御装置との電気的な接続を遮断し、電圧検出線を介して制御装置に過電流が流れないようにするためのヒューズ,電池セルの温度を検出するためのセンサであるサーミスタなどを配線板に一体に設けることができるので、ヒューズやサーミスタなどの取り付け作業を簡略化することができる。
【0024】
以下、発明の実施形態を、図面を用いて具体的に説明する。
【0025】
〔実施形態1〕
第1実施形態を図1乃至図6に基づいて説明する。
【0026】
まず、図1を用いて、バッテリ装置を含む車載電機システム(電動機駆動システム)の構成について説明する。
【0027】
車載電機システムは、モータジェネレータ900,インバータ装置910,車両全体を制御する車両コントローラ920、および車載電源装置を構成するバッテリ装置1000を含む複数の電装機器を備える。バッテリ装置1000は、複数の蓄電器を備えており、例えば複数のリチウムイオン電池を備えたリチウムイオンバッテリ装置として構成される。
【0028】
モータジェネレータ900は、三相交流機である。三相交流機としては同期機と誘導機とがあるが、どちらを採用しても構わない。モータジェネレータ900は、車両の力行時及び内燃機関であるエンジンを始動する時など、回転動力が必要な運転モードでは、モータ駆動し、発生した回転動力を車輪及びエンジンなどの被駆動体に供給する。この場合、車載電機システムは、モータジェネレータ900に、バッテリ装置1000から電力変換装置であるインバータ装置910を介して、直流電力を三相交流電力に変換して供給する。
【0029】
また、モータジェネレータ900は、車両の減速時や制動時などの回生時及びバッテリ装置1000の充電が必要な時など、発電が必要な運転モードでは、車輪或いはエンジンからの駆動力によって駆動し、ジェネレータとして三相交流電力を発生させる。この場合、車載電機システムは、モータジェネレータ900からの三相交流電力をインバータ装置910を介して直流電力に変換し、バッテリ装置1000に供給する。これにより、バッテリ装置1000には電力が蓄積される。
【0030】
インバータ装置910は、前述した電力変換、すなわち直流電力から三相交流電力への変換、及び三相交流電力から直流電力への変換をスイッチング半導体素子の作動(オン・オフ)によって制御する電子回路装置である。インバータ装置910は、パワーモジュール911,ドライバ回路912,モータコントローラ913を備えている。
【0031】
パワーモジュール911は、6つのスイッチング半導体素子を備え、この6つのスイッチング半導体素子のスイッチング動作(オン・オフ)によって、前述した電力変換を行うための電力変換回路を構成する半導体装置である。
【0032】
直流正極側モジュール端子は直流正極側外部端子に、直流負極側モジュール端子は直流負極側外部端子にそれぞれ電気的に接続されている。直流正極側外部端子及び直流負極側外部端子は、バッテリ装置1000との間において直流電力を授受するための電源側端子であり、バッテリ装置1000から延びる電源ケーブル610,620が電気的に接続されている。交流側モジュール端子は交流側外部端子に電気的に接続されている。交流側外部端子は、モータジェネレータ900との間において三相交流電力を授受するための負荷側端子であり、モータジェネレータ900から延びる負荷ケーブルが電気的に接続されている。
【0033】
モータコントローラ913は、電力変換回路を構成する6つのスイッチング半導体素子のスイッチング動作を制御するための電子回路装置である。モータコントローラ913は、上位制御装置、例えば車両全体を制御する車両コントローラ920から出力されたトルク指令に基づいて、6つのスイッチング半導体素子に対するスイッチング動作指令信号(例えばPWM(パルス幅変調)信号)を生成する。この生成された指令信号はドライバ回路912に出力される。
【0034】
バッテリ装置1000は、電気エネルギーを蓄積及び放出(直流電力を充放電)するための電池モジュール(蓄電モジュール)100、及び電池モジュール100の状態を管理及び制御するための制御装置900を備えている。
【0035】
電池モジュール100は二つの電池ブロック、すなわち電気的に直列に接続される高電位側電池ブロック100a及び低電位側電池ブロック100bから構成されている。各電池ブロックには組電池が収納されている。各組電池は、複数のリチウムイオン電池セル(以下、単に「電池セル」と略称する)を電気的に直列に接続した接続体から構成されている。各電池ブロックの構成については後述する。
【0036】
高電位側電池ブロック100aの負極側(低電位側)と低電位側電池ブロック100bの正極側(高電位側)との間にはSD(サービスディスコネクト)スイッチ700が設けられている。SDスイッチ700はバッテリ装置1000の保守、点検時の安全性を確保するために設けられた安全装置であって、スイッチとヒューズとを電気的に直列に接続した電気回路から構成されており、サービスマンによって保守、点検時に操作される。
【0037】
制御装置900は、上位(親)に相当するバッテリコントローラ300及び下位(子)に相当するセルコントローラ200から構成されている。
【0038】
バッテリコントローラ300は、バッテリ装置1000の状態を管理及び制御すると共に、上位制御装置である車両コントローラ920やモータコントローラ913にバッテリ装置1000の状態や許容充放電電力などの充放電制御指令を通知する。バッテリ装置1000の状態の管理及び制御には、バッテリ装置1000の電圧及び電流の計測,バッテリ装置1000の蓄電状態(SOC:State Of Charge)及び劣化状態(SOH:State Of Health)などの演算,各電池ブロックの温度の計測,セルコントローラ200に対する指令(例えば各電池セルの電圧を計測するための指令,各電池セルの蓄電量を調整するための指令など)の出力などがある。
【0039】
セルコントローラ200は、バッテリコントローラ300からの指令によって複数の電池セルの状態の管理及び制御を行う、いわゆるバッテリコントローラ300の手足であり、複数の集積回路(IC)によって構成されている。複数の電池セルの状態の管理及び制御には、各電池セルの電圧の計測,各電池セルの蓄電量の調整などがある。各集積回路は、対応する複数の電池セルが決められており、対応する複数の電池セルに対して状態の管理及び制御を行う。
【0040】
セルコントローラ200を構成する集積回路の電源には、対応する複数の電池セルを用いている。このため、セルコントローラ200と電池モジュール100の両者は電圧検出線800を介して電気的に接続されている。各集積回路には、対応する複数の電池セルの最高電位の電圧が電圧検出線800を介して印加されている。
【0041】
高電位側電池ブロック100aの正極端子とインバータ装置910の直流正極側外部端子との両者は正極側電源ケーブル610を介して電気的に接続されている。低電位側電池ブロック100bの負極端子とインバータ装置910の直流負極側外部端子との間は負極側電源ケーブル620を介して電気的に接続されている。
【0042】
電源ケーブル610,620の途中にはジャンクションボックス400,負極側メインリレー412が設けられている。ジャンクションボックス400の内部には、正極側メインリレー411及びプリチャージ回路420から構成されたリレー機構が収納されている。リレー機構は、電池モジュール100とインバータ装置910との間を電気的に導通及び遮断するための開閉部であり、車載電機システムの起動時には電池モジュール100とインバータ装置910との間を導通、車載電機システムの停止時及び異常時には電池モジュール100とインバータ装置910との間を遮断する。このように、バッテリ装置1000とインバータ装置910との間をリレー機構によって制御することにより、車載電機システムの高い安全性を確保できる。
【0043】
リレー機構の駆動はモータコントローラ913により制御される。モータコントローラ913は、車載電機システムの起動時には、バッテリ装置1000の起動完了の通知をバッテリコントローラ300から受けることにより、リレー機構に対して導通の指令信号を出力してリレー機構を駆動させる。また、モータコントローラ913は、車載電機システムの停止時にはイグニションキースイッチからオフの出力信号を受けることにより、また、車載電機システムの異常時には車両コントローラからの異常信号を受けることにより、リレー機構に対して遮断の指令信号を出力してリレー機構を駆動させる。
【0044】
メインリレーは正極側メインリレー411及び負極側メインリレー412から構成されている。正極側メインリレー411は正極側電源ケーブル610の途中に設けられ、バッテリ装置1000の正極側とインバータ装置910の正極側との間の電気的な接続を制御する。負極側メインリレー412は負極側電源ケーブル620の途中に設けられ、バッテリ装置1000の負極側とインバータ装置910の負極側との間の電気的な接続を制御する。
【0045】
プリチャージ回路420は、プリチャージリレー421及び抵抗422を電気的に直列に接続した直列回路であり、正極側メインリレー411に電気的に並列に接続されている。
【0046】
車載電機システムの起動時にあたっては、まず、負極側メインリレー412が投入され、この後に、プリチャージリレー421が投入される。これにより、バッテリ装置1000から供給された電流が抵抗422によって制限された後、インバータ搭載の平滑コンデンサに供給されて充電される。平滑コンデンサが所定の電圧まで充電された後、正極側メインリレー411が投入され、プリチャージリレー421が開放される。これにより、バッテリ装置1000から正極側メインリレー411を介してインバータ装置910に主電流が供給される。
【0047】
また、ジャンクションボックス400の内部には電流センサ430が収納されている。電流センサ430は、バッテリ装置1000からインバータ装置910に供給される電流を検出するために設けられたものである。電流センサ430の出力線はバッテリコントローラ300に電気的に接続されている。バッテリコントローラ300は、電流センサ430から出力された信号に基づいて、バッテリ装置1000からインバータ装置910に供給された電流を検出する。この電流検出情報は、バッテリコントローラ300からモータコントローラ913や車両コントローラ920などに通知される。
【0048】
電流センサ430はジャンクションボックス400の外部に設置しても構わない。バッテリ装置1000の電流の検出部位は、正極側メインリレー411のインバータ装置910側のみらならず、正極側メインリレー411の電池モジュール100側であってもよい。
【0049】
尚、ジャンクションボックス400の内部にはバッテリ装置1000の電圧を検出するための電圧センサを収納してもよい。バッテリコントローラ300は、電圧センサの出力信号に基づいてバッテリ装置1000の全体の電圧を検出する。この電圧検出情報はモータコントローラ913や車両コントローラ920に通知される。バッテリ装置1000の電圧の検出部位は、リレー機構の電池モジュール100側或いはインバータ装置910側のどちらでもよい。
【0050】
次に、図2乃至図6を用いて、バッテリ装置1000の構成を説明する。
【0051】
図6に示すように、バッテリ装置1000は、外観上の構成要素として、電池モジュール100,制御装置12,SDスイッチ700及びジャンクションボックス400を備えている。
【0052】
電池モジュール100は、高電位側電池ブロック100a及び低電位側電池ブロック100bから構成されている。高電位側電池ブロック100a及び低電位側電池ブロック100bはSDスイッチ700を介して電気的に直列に接続されている。
【0053】
高電位側電池ブロック100a及び低電位側電池ブロック100bは、直方体形状をした組立体であり、各ブロックの長手方向に延びる軸線同士が平行となるように、互いに隣接して並列に配置されている。高電位側電池ブロック100a及び低電位側電池ブロック100bは、モジュールベース101上に並置され、ボルトなどの固定手段により固定されている。
【0054】
高電位側電池ブロック100aと低電位側電池ブロック100bとの間のスペースには制御装置12とSDスイッチ700とがブロックの長手方向に縦列して配置されている。
【0055】
高電位側電池ブロック100a及び低電位側電池ブロック100bの長手方向一方側(SDスイッチ700側)端部の延長線上にはジャンクションボックス400が配置されている。
【0056】
尚、高電位側電池ブロック100aと低電位側電池ブロック100bは全く同じ構成を有している。このため、図2及び図3には、高電位側電池ブロック100a及び低電位側電池ブロック100bを代表して、高電位側電池ブロック100a側のみを示している。また、これ以降においては、高電位側電池ブロック100a側の構成についてのみ説明する。
【0057】
図2及び図3に示すように、高電位側電池ブロック100aの外装(ハウジング)は直方体(6面体)形状をしており、上面部と、これに対向する底面部と、直方体の長手方向に対向する二つの側面部により形成された金属筐体2と、直方体の短手方向に対向する、サイドプレート3と呼ばれる二つの平板状部材と、直方体の短手方向に対向し、前記サイドプレート3の外側に配置されている、サイドカバー130(図6に図示し、図2では図示省略)と呼ばれる二つの平板状部材とを構成部材としている。
【0058】
金属筐体2は鋳物であり、板金の曲げ加工により作られる筐体に比べて厚みを有するため、外部からの荷重や衝撃に対してより高い強度を持つと共に、ねじ穴や加工面の寸法精度も板金加工に比べて高いため他の部品との組み立て性もよい。具体的には、金属筐体110は、アルミニウム合金を加熱して溶融し、この溶融したものを金属の鋳型に流し込んで冷却し、凝固させることにより一体に形成された金型鋳造品(成型品)である。
【0059】
尚、金属筐体2は、上記と同様に鋳造された2つ以上の部材から構成されていてもよく、例えば底面部及び長手方向の側面部の一方が一体に形成された第1部材と、上面部及び長手方向の側面部の他方が一体に成形された第2部材とを、ボルトなどで締結した構造であってもよい。また、金属材料としては、導電性を有し、かつ鋳造可能な金属材料であれば、アルミニウム合金以外の金属材料を用いてもよい。
【0060】
このように、金属材料の鋳造により得られた金属筐体2を採用して高電位側電池ブロック100a及び低電位側電池ブロック100bを構成した本実施例のバッテリ装置1000によれば、バッテリ装置1000の強度を大きくし、電池セルの保護性能を大きくできるので、バッテリ装置1000の安全性及び信頼性を向上させることができる。
【0061】
図3に示すように、金属筐体2の内部は円筒型の複数の電池セル8が収納される収納室となっている。この収納室は、後述するように複数の電池セル8の冷却室としても機能する。複数の電池セル8は、円筒の軸心方向が電池ブロックの短手方向を向いて整列配置された組電池の状態で金属筐体2の内部に収納されている。
【0062】
サイドプレート3は、電気的な絶縁性を有するPBTなどの樹脂を成型してできた成型体であり、金属筐体2の短手方向に向かい合うように配置され、ボルトなどの固定手段により金属筐体2に固定されている。
【0063】
組電池を構成する複数の電池セル8はサイドプレート3によって挟持されて固定されており、金属筐体2とは絶縁されている。
【0064】
組電池は、複数の電池セル8を電池ブロックの長手方向に、電極の向きが交互に変わるように、並列に配置して構成した第1電池列と、第1電池列と同様に、同数の電池セル8を電池ブロックの長手方向に、電極の向きが交互に変わるように、並列に配置して構成した第2電池列とを、金属筐体2の高さ方向に積層することによって構成されている。第1及び第2電池列は金属筐体2の長手方向にずらされており、下段に配置された第1電池列と上段に配置された第2電池列とが俵積みされるように積層されている。サイドプレート3には各電池セル8の軸と中心が一致する部分に短手方向の貫通孔が設けられており、貫通孔の直径は電池セル8の直径よりも小さい。
【0065】
円筒形状の電池セル8は、電池筐体内部に電池素子(発電素子),電解液及び安全弁などの部品が収納され、電池蓋によって密閉されている。電池素子は、正極材,絶縁材であるセパレータ,負極材及びセパレータを4層に積層した積層体をロール状に巻いた捲回体である。電池筐体は金属製の円筒缶である。電池蓋は、電池筐体内部に電池素子,電解液及び安全弁などの部品が収納された後、電池筐体の開放端側に取り付けられて電池筐体の開放端側を塞ぐ封止部材であり、正極が形成されている。負極は、電池筐体の開放端側とは反対側端部の閉塞端側に形成されている。安全弁は、電池筐体の内部の圧力が高くなった時に開放され、電池筐体の内部に発生した発生媒体(ガス)を外部に放出するガス抜き弁である。リチウム単電池11の出力電圧は3.0〜4.2vである。その平均出力電圧は3.6vである。また、電池セル8は周辺部品や他の電池との絶縁のため、電池缶の周側面が樹脂チューブによって覆われている。
【0066】
図2及び図3に示すように、複数の電池セル8は、バスバー4と呼ばれる複数の導電部材(接続導体)により電気的に直列に接続されている。バスバー4は薄肉の長方形状(短冊形状)の金属板(例えば銅板)で構成されている。バスバー4はサイドプレート3には一体にインサートモールドせず、サイドプレート3とは別体の構成になっている。バスバー4の両端部の平面部位は2つの電池セルの電極部に溶接により接合されている。バスバー4の中央部の平面部部位(2つの電池セルとの溶接部位間を渡る渡り部)は、電池セルとの溶接部位よりも高い位置に配置されて、サイドプレート3を避けるように、電池セルとの溶接部位から直角に折り曲げられて、サイドプレート3の貫通孔間の壁を跨げる位置まで持ち上げられている。
【0067】
本実施形態では、下段に配置された第1電池列の電池セル8の一方の電極(例えば正極)と、これに隣接する、上段に配置された第2電池列の電池セル8の他方の電極(例えば負極)とを、一方の端から他方の端に向かって順番に、電池ブロックの高さ方向に電気的に接続している。このため、サイドプレート3の短手方向中央部には、バスバー4が電池ブロックの高さ方向に斜めに延びるように、サイドプレート3の長手方向に整列して並行に配列されている。
【0068】
尚、バスバー4と電池セル8との接続方法は、電気的に接続されていれば特に限定されず、溶接による接続であってもよいしボルト固定による接続であってもよい。
【0069】
サイドプレート3の外周部分は外側、すなわち電池セル8の収納室とは反対側に突き出した構造になっており、全周に渡り外周壁を構成している。外周壁の外側は平面形状であり、バスバー4の中央部よりも外側に突き出している。
【0070】
電気的に直列に接続された複数の電池セル8から電圧を取り出すために、電気的に直列に接続された複数の電池セル8の最も電位の高い電池セル8の正極に直流正極側入力端子170aが電気的に接続されていると共に、電気的に直列に接続された複数の電池セル8の最も電位の低い電池セル8の負極に負極側入力端子170bが電気的に接続されている。直流正極側入力端子170aは、一方側のサイドプレート3の長手方向一方側端部の電池セル8保持側とは反対側の面の上部から水平方向に突出するように設けられている。直流負極側入力端子170bは、一方側のサイドプレート3の長手方向他方側端部の電池セル8保持側とは反対側の面の上部から水平方向に突出するように設けられている。直流正極側入力端子170a及び直流負極側入力端子170bは薄肉の金属板(例えば銅版)で構成されている。
【0071】
サイドプレート3の外側、すなわち電池セル8の収納室と反対側には、サイドカバーと呼ばれる覆い部材130が設けられている。覆い部材130は、ボルトなどの固定手段によってサイドプレート3に固定されている。覆い部材130はサイドプレート3の外周壁部分に固定されており、バスバー4,直流正極側入力端子170a及び直流負極側入力端子170bと接触せず、電気的に絶縁されている。覆い部材130は、鉄あるいはアルミニウムなどの金属板をプレス加工した平板であり、サイドプレート3の平面形状とほぼ同じ面形状に構成されている。覆い部材130としては、PBTなどの樹脂を成型して形成した平板を用いてもよい。サイドプレート3と覆い部材130との間にはOリングなどのシール部材が設けられており、サイドプレート3と覆い部材130との間に形成された空間、すなわち電池セル8から排出されたミスト状のガス(前述した発生媒体)を貯留して排出するガス排出室の気密性を高めている。
【0072】
金属筐体2の長手方向一方側の側面部には、図2及び図3に示すように、冷却媒体である冷却空気の金属筐体2内部からの排出口を構成する冷却媒体出口180が形成されている。また、金属筐体2内部に冷却空気を取り込むための冷却媒体入口が、金属筐体2の長手方向他方側の側面部(冷却媒体出口180が形成された側面部とは反対側の側面部)に形成されている。冷却媒体入口及び冷却媒体出口180は長方形状の貫通孔であり、お互いに金属筐体2の高さ方向にずれて配置されている。本実施形態では、冷却媒体入口が冷却媒体出口180よりも高い位置に形成した場合を示しているが、逆の位置関係になっていても構わない。
【0073】
金属筐体2の内部に複数の電池セル8が配置された状態において、金属筐体2を構成する各部(上面部,底面部,2つの側面部)と複数の電池セル8の集合体との間には隙間が形成されている。また、複数の電池セル8間にも隙間が形成されている。それらの隙間は連通しており、冷却媒体入口から導入された冷却空気が冷却流路を形成している。冷却媒体入口から導入された冷却空気は、その冷却流路を分流して流れ、複数の電池セル8を冷却し、冷却媒体出口180から排出される。
【0074】
サイドプレート3には、複数の電池セル8のそれぞれの電圧を検出するための複数の電圧検出導体(図示省略)を有する電圧検出基板5が設けられている。電圧検出基板5は電池ブロックの長手方向と同じ方向に延びる細長く、波うった形状の部材であり、複数のバスバー4の中央部を電池ブロックの長手方向一方側から他方側に渡るように、複数のバスバー4の中央部の上に配置され、サイドプレート3にねじ11により固定されている。このような構成によれば、電圧検出基板5によって複数のバスバー4をサイドプレート3に押さえつけて固定することができる。
【0075】
サイドプレートAssy6は複数のねじ9により金属筐体2に固定されている。サイドプレートAssy6の電圧検出基板5と全てのバスバー4はねじ10による締め付け固定により電気的に接続される。一方側のサイドプレートAssy6の電圧検出基板5の長手方向一方側端部の電池セル8側の面上にはコネクタ5bが、その電池セル8側とは反対側にはコネクタ5aがそれぞれ設けられている。コネクタ5bには、他方側のサイドプレートAssy6の電圧検出基板5から延びてきたフラットケーブル7が接続されておいる。コネクタ5aには、制御装置12から延びてきたハーネス13,14のコネクタが接続されている。これにより、両サイドのサイドプレートAssy6の電圧検出基板5の電圧検出線と制御装置12(セルコントローラ)とを電気的に接続でき、各電池セル8の端子電圧を制御装置12に取り込んで検出することができる。
【0076】
電圧検出基板5上には金属製の薄板5cやヒューズが搭載されている。電圧検出基板5上には穴eが、金属製の薄板5cには穴dが存在する。バスバー4には穴fとねじ穴gが存在する。バスバー4の穴fとサイドプレート3の突起部jが組み合わさることにより、バスバー4はサイドプレート3に位置決めされる。また、電圧検出基板5は穴eを通してサイドプレート3上の穴hにねじ11により固定される。電圧検出基板5がサイドプレート3に固定されることにより、バスバー4はサイドプレート3と電圧検出基板5の間に挟まれることにより仮固定される。
【0077】
以上のように、本実施形態では、サイドプレート3,複数のバスバー4及び電圧検出基板5によってサイドプレートAssy6(サブモジュール)を構成している。電池ブロックの組立作業時、予めサイドプレートAssy6を構成しておけば、部品の組み付けが容易であると共に、電池セル8とバスバー4との溶接の位置決めが容易であり、また、電池セル8とバスバー4との溶接時のバスバー4のずれを防止したりすることができる。また、サイドプレート3からのバスバー4が外れたりすることもない。従って、電池ブロックの組立作業時の作業性を向上させることができる。
【0078】
〔実施形態2〕
第2実施形態を図7乃至図12に基づいて説明する。
【0079】
本実施形態では、金属筐体2の長手方向一方側端部に中継基板27を設けていると共に、サイドプレートAssy6をサイドプレート3、バスバー4及びフレキシブルな電圧検出線25により構成している。中継基板27はねじ28により金属筐体2に固定されていると共に、コネクタ27a,27bを備えている。2つのコネクタ27aとコネクタ27bは電気的に接続されている。2つのコネクタ27aには、両サイドのサイドプレートAssy6から延びてきた電圧検出線25の一方側端部が接続されている。コネクタ27bには制御装置12から延びてきたフラットケーブル32,33が接続されている。
【0080】
電圧検出線25は、フレキシブルプリント基板pと補強板mで構成される。フレキシブルプリント基板p上にはヒューズパターンが印刷されており、ヒューズ機能も備えている。フレキシブルプリント基板pには分岐部qが存在し、また、補強板mには穴nが存在する。一方、バスバー4の中央部には分岐部rが存在し、電圧検出線25の分岐部qと電気的に接続可能な形状となっている。バスバー4の穴sとサイドプレート3の突起部tが組み合わさることにより、バスバー4はサイドプレート3に位置決めされる。また、電圧検出線25の穴nはサイドプレート3の突起部uと組み合わされ、溶着により固定される。電圧検出線25がサイドプレート3に固定されることにより、バスバー4はサイドプレート3と電圧検出線25の間に挟まれることにより仮固定される。
【0081】
以上説明した構成以外の構成は第1実施形態と同じである。第1実施形態と同じ構成には第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
【0082】
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができると共に、全てバスバー4の中央から電圧検出線25を引き出しているため、バスバー4の向きによらず、電圧測定箇所による抵抗値のばらつきが少ない高精度な電圧検出を行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蓄電器と、
前記複数の蓄電器を電気的に接続する複数の接続導体と、
複数の蓄電器の端子電圧を検出するための電圧検出線を有する少なくとも一つの配線部材と、
前記複数の蓄電器を保持する保持部材と、を有し、
前記保持部材の前記蓄電器保持側とは反対側の面上に前記複数の接続導体を配置して、この複数の接続導体の上に前記配線部材を配置し、前記保持部材及び前記配線部材によって前記複数の接続導体を挟み込んで押さえつけている、
ことを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
複数の蓄電器と、
前記複数の蓄電器に対して配置されたサブモジュールと、を有し、
前記サブモジュールは、
前記複数の蓄電器を電気的に接続する複数の接続導体と、
複数の蓄電器の端子電圧を検出するための電圧検出線を有する少なくとも一つの配線部材と、
前記複数の蓄電器を保持する保持部材と、を有していると共に、
前記保持部材の前記蓄電器保持側とは反対側の面上に前記複数の接続導体を配置して、この複数の接続導体の上に前記配線部材を配置し、前記保持部材及び前記配線部材によって前記複数の接続導体を挟み込んで押さえつけることにより、前記保持部材,前記複数の接続導体及び前記配線部材が一体化されたものである、
ことを特徴とする蓄電装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の蓄電装置において、
前記配線部材はプリント基板である、
ことを特徴とする蓄電装置。
【請求項4】
請求項3に記載の蓄電装置において、
前記プリント基板にはヒューズが搭載されている、
ことを特徴とする蓄電装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の蓄電装置において、
前記配線部材は、補強板上にフレキシブルプリント基板が接着されたものである、
ことを特徴とする蓄電装置。
【請求項6】
請求項5に記載の蓄電装置において、
前記フレキシブルプリント基板にはヒューズパターンが印刷されている、
ことを特徴とする蓄電装置。
【請求項1】
複数の蓄電器と、
前記複数の蓄電器を電気的に接続する複数の接続導体と、
複数の蓄電器の端子電圧を検出するための電圧検出線を有する少なくとも一つの配線部材と、
前記複数の蓄電器を保持する保持部材と、を有し、
前記保持部材の前記蓄電器保持側とは反対側の面上に前記複数の接続導体を配置して、この複数の接続導体の上に前記配線部材を配置し、前記保持部材及び前記配線部材によって前記複数の接続導体を挟み込んで押さえつけている、
ことを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
複数の蓄電器と、
前記複数の蓄電器に対して配置されたサブモジュールと、を有し、
前記サブモジュールは、
前記複数の蓄電器を電気的に接続する複数の接続導体と、
複数の蓄電器の端子電圧を検出するための電圧検出線を有する少なくとも一つの配線部材と、
前記複数の蓄電器を保持する保持部材と、を有していると共に、
前記保持部材の前記蓄電器保持側とは反対側の面上に前記複数の接続導体を配置して、この複数の接続導体の上に前記配線部材を配置し、前記保持部材及び前記配線部材によって前記複数の接続導体を挟み込んで押さえつけることにより、前記保持部材,前記複数の接続導体及び前記配線部材が一体化されたものである、
ことを特徴とする蓄電装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の蓄電装置において、
前記配線部材はプリント基板である、
ことを特徴とする蓄電装置。
【請求項4】
請求項3に記載の蓄電装置において、
前記プリント基板にはヒューズが搭載されている、
ことを特徴とする蓄電装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の蓄電装置において、
前記配線部材は、補強板上にフレキシブルプリント基板が接着されたものである、
ことを特徴とする蓄電装置。
【請求項6】
請求項5に記載の蓄電装置において、
前記フレキシブルプリント基板にはヒューズパターンが印刷されている、
ことを特徴とする蓄電装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−74338(P2012−74338A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220345(P2010−220345)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(505083999)日立ビークルエナジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(505083999)日立ビークルエナジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】
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