説明

蓋が落ちない蓋付容器

【課題】従来の、注ぐ時に蓋が落ちないようにしている蓋付容器の多くは、蓋の嵌合をきつくしたりして蓋の落下を防いでいるために、力を加えて蓋の脱着をしなければならず、或は手で特別な動作をしなければならず面倒であり、とりわけ力の弱いお年寄や体の不自由な方達には不便である。
【解決手段】容器の注ぎ口とは反対側に、重力に因って作動する重力従属移動部1と、この重力従属移動部1と連動して蓋との距離を変化させる蓋押え部2を有する蓋脱落防止装置を設けた。こうする事により注ぐために容器を傾動させると、重力に因って重力従属移動部1が作動し、これに連動して蓋押え部2が蓋に接近し更には蓋を押さえつけて、蓋の離脱を防いでくれるので課題は解決出来る事となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注ぐ時に容器を傾けても蓋が落ちないようにした蓋付容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の、注ぐ時に蓋の落ちないようにした蓋付容器には、蓋の嵌合いを、きつくしたものが多くある。
【0003】
又、磁石の吸着力を利用したり、蓋に突起を設けたりして蓋の落下を防ぐものもある。
【0004】
更に、振り子式の支え具で蓋を保持する方式のもの等、色々ある。
【0005】
【実用新案文献1】
平05−44018
【実用新案文献2】
平05−56026
【実用新案文献3】
平10−3052526号
【特許文献1】 平11−56640
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、注ぐ時に容器を傾けても蓋の落ちないようにした従来の蓋付容器の多くが、蓋の嵌合いを、きつくしているために力を加えて蓋の脱着をしなければならず面倒であり、力の弱いお年寄りや体の不自由な方達には使いにくく不便である。
【0007】
それに磁石の吸着力で蓋を保持するものは、磁気の関係で容器の材質が制限され、また磁力で余分なものまで吸着する恐れもある。
【0008】
それから蓋の脱着に際し、突起部付の蓋を横に回したり或は斜めにしたり、特別な動作をして蓋を保持するのもあるが、これは直接に蓋を手で押さえる手間と余り変わらない。
【0009】
本発明は、この様な従来の蓋付容器が有している問題点を解決しようとするものであり、蓋の脱着に際しては余分な力を加える必要がなく、蓋の持ち上げ、持ち下げ以外に特別な動作をする必要もなく、注ぐ時に何もしなくても自然の力で蓋の落下が防げて、高齢の方や身体の不自由な方にも使い易くし、多くの家庭で毎日のように使われている蓋付き容器をもっと便利に使えるようにするために、なされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そして本発明は、上記目的を達成するため容器の注ぎ口とは反対側に、重力によって一定方向に移動する重力従属移動部1と、この重力従属移動部1と連動して蓋との距離が変化する蓋押さえ部2を有する蓋脱落防止装置を設けた。
【0011】
こうすることにより、注ぐために容器を傾けると重力に因って重力従属移動部1が作動し、これに連動して蓋押え部2が蓋に接近し更には蓋を、直接又は間接に押えつけて蓋の落下を防ぐので、蓋の脱着に際して特別な動作や余分な力が不要となる。
【発明の効果】
【0012】
上述したように本発明の、蓋脱落防止装置を設けた蓋付容器は、蓋の嵌合いが、きつくないので蓋の脱着に余分な力は要らず、蓋の持ち上げ、持ち下げ以外の特別な動作も必要なく、注ぐ時に何もしなくても自然の力で蓋脱落防止装置が働いて蓋を押さえ落下を防いでくれるので便利であり、片手で簡単に取扱いができるので、力の弱いお年寄や体の不自由な方達に介護用としても使って頂くことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0014】
蓋付容器の後ろ側の、注ぎ口とは反対側に、蓋脱落防止装置を装着している。(図1参照)
【0015】
この蓋脱落防止装置は、重力に従って一定方向に移動をする重力従属移動部1と、この重力従属移動部1と連動して蓋との距離が変化する蓋押え部2を有しており、容器を傾動させると重力に因って重力従属移動部1が作動し、これに連動して蓋押え部2が蓋に接近し更には、直接又間接に蓋を押さえつける構成にしている。(図2参照)
【0016】
こうする事により注ぐために容器を傾動させると、自然の力に因って蓋押え部2が前進し蓋を押さえつけて蓋の脱落を防ぐのである。(図2と図4参照)
【実施例1】
【0017】
図3と図4に示すように蓋脱落防止装置の重力従属移動部1を、コロ式転動体にしても良く、そしてまた保持板4に設ける開口部3は複数あっても良く、或は、偏った位置に有っても良い。(図3と図4参照)
【実施例2】
【0018】
図5と図6に示す様に、蓋押さえ部2は、両端を枢支しても良い。(図5と図6参照)
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一部切欠した斜視図
【図2】容器を傾動させた時の一部切欠した側面図
【図3】実施例1による場合の、一部切欠した斜視図
【図4】実施例1による場合の、容器を傾動させた時の斜視図
【図5】実施例2による場合の、容器を傾動させた時の一部欠切した側面図
【図6】実施例2による場合の、容器を傾動させた時の斜視図
【符号の説明】
【0020】
1 重力従属移動部
2 蓋押え部
3 開口部
4 保持板
5 コロ式重力従属移動部
6 転動誘導枠板
7 枢支部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の注ぎ口とは反対側へ、重力に従って一定方向へ移動する重力従属移動部1と、この重力従属移動部1に一端を回転可能な状態で連結され、他の一端を保持板4の開口部3に滑動可能状態で支持されながら、又は保持板4に枢支されながら、蓋との距離を変化させる蓋押え部2を有する蓋脱落防止装置を備えた蓋付容器であって、容器を注ぎ出し姿勢に傾動させると重力従属移動部1が作動し、これに連動されて蓋押え部2が蓋に接近し、そして更には蓋を直接、又は間接に押さえつけて蓋の離脱を阻止するようにしたもの。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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