説明

蓋付き容器

【解決手段】容器本体Cを蓋Tで被蓋した際には、蓋に配設されたロック解除操作部材20の係止突部23を、容器本体に形成された係止ブロック6の下方に配置することにより、容器本体と蓋とをロック状態とし、ロック解除操作部材を、容器本体の前記係止ブロックが形成された側壁2方向に移動させることにより、蓋に配設されたロック解除操作部材の係止突部を、容器本体に形成された係止ブロックの下方から排出させることにより、容器本体と蓋とをロック状態を解除するように構成したものである。
【効果】蓋と容器本体とのロック状態を解除したままの状態で、蓋を持ち上げることができるので、蓋と容器本体とのロック状態の解除作業及び蓋の取外作業の作業性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み可能な容器本体(所謂、折り畳みコンテナー)或いは折り畳むことが不可能な容器本体(所謂、ボックスコンテナー)と、これら容器本体に被蓋される蓋とからなる蓋付き容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
容器本体の開口部付近に位置する側壁に透孔を穿設するとともに、容器本体に被蓋される蓋には、蓋の周囲に形成された土手部から、外側に突出自在な係止片を配設し、係止片を土手部から引っ込ませた状態で、蓋を容器本体に被蓋に、その後、蓋に配設された係止片を、容器本体の側壁方向に移動させて、係止片の先端部を土手部から突出させて、容器本体の側壁に穿設された透孔に挿入することにより、容器本体と蓋とをロック状態とし、また、蓋に配設された係止片を、容器本体の側壁から遠ざかる方向に移動させて、係止片の先端部を、容器本体の側壁に穿設された透孔から排出させることにより、容器本体と蓋とのロック状態を解除するようにした蓋付き容器が、特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開平10−24945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来の蓋付き容器においては、容器本体に被蓋され、且つ、ロックされている蓋を、容器本体と蓋とのロック状態を解除して、容器本体から取り外すには、先ず最初に、蓋に配設された係止片を、容器本体の側壁から遠ざかる方向に移動させて、係止片の先端部を、容器本体の側壁に穿設された透孔から排出させるという工程と、その後、蓋を持ち上げるという工程との2工程が必要であり、また、容器本体に蓋を被蓋する際には、先ず最初に、蓋に配設された係止片の先端部が、土手部から引っ込んでいるかどうかを確認し、係止片の先端部が、土手部から引っ込んでいない場合には、容器本体の側壁から遠ざかる方向に移動させる工程と、蓋を、容器本体に被蓋する工程と、蓋に配設された係止片を、容器本体の側壁方向に移動させて、係止片の先端部を、容器本体の側壁に穿設された透孔に挿入する工程の3工程が必要であり、従って、容器本体への蓋の被蓋及び容器本体からの蓋の取り外しに、手間と時間がかかるという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、上述した従来の蓋付き容器が有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、容器本体を蓋で被蓋した際には、蓋に配設されたロック解除操作部材の係止突部を、容器本体に形成された係止ブロックの下方に配置することにより、容器本体と蓋とをロック状態とし、ロック解除操作部材を、容器本体の前記係止ブロックが形成された側壁方向に移動させることにより、蓋に配設されたロック解除操作部材の係止突部を、容器本体に形成された係止ブロックの下方から排出させることにより、容器本体と蓋とをロック状態を解除するように構成したものである。
【発明の効果】
【0006】
蓋と容器本体とのロック状態を解除したままの状態で、蓋を持ち上げることができるので、蓋と容器本体とのロック状態の解除作業及び蓋の取外作業の作業性が向上する。
【実施例】
【0007】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0008】
図1において、Cは、本発明の蓋付き容器を構成する容器本体であり、本実施例においては、容器本体Cは、底部1と、底部1の短辺に沿って形成された短辺側土手部1aにヒンジ連結された短側壁2と、底部1の長辺に沿って形成された、短辺側土手部1aより高さの低い長辺側土手部1bにヒンジ連結された長側壁3とから折り畳み可能に構成されている。
【0009】
箱型に組み立てられた状態から、先ず最初に、長側壁3を、底部1方向に倒して、底部1の上に重ね、次いで、短側壁2を、底部1方向に倒して、底部1に重ねられている長側壁2の上に重ねることにより、高さの低いコンパクトな状態に折り畳むことができるように構成されている。また、折り畳まれた状態から、先ず最初に、短側壁2を、垂直方向に回動させて略垂直に立て、次いで、長側壁2を、垂直方向に回動させて略垂直に立てることにより、箱型に組み立てることができるように構成されている。
【0010】
次に、図1〜図3を用いて、短側壁2について説明する。
【0011】
短側壁2の略方形状の板状部2aの上端には、外側に略水平に延在する上端水平フランジ2bが形成されており、上端水平フランジ2bの中央部には、所定の間隔をおいて、有底或いは無底の嵌合孔4が形成されている。
【0012】
嵌合孔4の間に位置する上端水平フランジ2bには、容器本体Cの内側と上方が開放された角部凹部5が形成されており、角部凹部5は、板状部2aに略平行な奥壁5aと、底部5bと、板状部2aに対して略垂直な相対する側部5cとから構成されている。また、上端水平フランジ2bと板状部2aにより形成される角部に近接して位置する相対する側部5cの上端内側角部には、側部5cに対して略垂直に、略角柱状の係止ブロック6がそれぞれ突設されている。係止ブロック6は、底部5bと略平行な上面6aと下面6bと、奥壁5aと略平行な相対する側面6cと、側部5cと略平行な端面6dとを有しており、上面6aと奥壁5a側に位置する一方の側面6cとにより形成される角部を削除することにより、この角部には、角部凹部5の奥壁5a方向に向かって下方に傾斜した傾斜面6eが形成されている。また、相対する側部5cにそれぞれ突設された係止ブロック6の端面6d間には、所定の間隙D1が形成されている。
【0013】
次に、図4〜図6を用いて、本発明の蓋付き容器を構成する蓋Tについて説明する。
【0014】
蓋Tは、平面形状が略長方形状の天板部10と、天板部10の周囲に形成された土手部11を有しており、土手部11の短辺側11aの中央領域には、土手部11の短辺側11aに沿って形成された幅広土手部12が形成されており、幅広土手部12は、土手部11の短辺側11aの上端から、天板部10の中央部方向に向かって略水平に延在する帯状の天部12aと、天部12aの周縁から下方に延在するとともに、天板部10に連結された側壁12bとを有している。幅広土手部12の側壁12bと土手部11の短辺側11aとの間に架橋された適当な架橋リブ12cの裏面には、所定の間隔を置いて、一対の嵌合突部13が垂設されており、蓋Tを、容器本体Cに被蓋した際には、嵌合突部13が、短側壁2の上端水平フランジ2bに形成された嵌合孔4に嵌合されるように構成されている。本実施例においては、嵌合突部13は、近接して配置された一対の架橋リブ12cを下方に延在することにより形成された一対のリブ部13aと、該一対のリブ部13aの相対する面の中央を連結する架橋リブ部13bとから構成されている。
【0015】
幅広土手部12付近に位置する天板部10には、天板部10を下方に膨出させることにより形成された、平面形状が略凸状で、上方が開放された凹部14が形成されている。凹部14は、幅広土手部12に沿って形成された、平面形状が略長方形状の土手部側部分14’と、土手部側部分14’の中央部から天板部10の中央部方向に延在する中央部側部分14”とにより構成されている。また、凹部14は、平面形状が略凸状の平坦な底板14aと、底板14aの周縁から上方に延在するとともに、その上端が天板部10に連結された周壁14bとを有している。
【0016】
凹部14の土手部側部分14’を形成する周壁14bのうち、土手部11の短辺側11aに対して略垂直な相対する側壁部14b1の下端には、側壁部14b1に沿って、ガイドスリット15が穿設されている。また、凹部14の土手部側部分14’を形成する周壁14bのうち、幅広土手部12側で、且つ、幅広土手部12に沿った側壁部14b2の中央部には、透孔16が穿設されているとともに、透孔16の両側に位置する側壁部14b2には、所定の間隔を置いて、中央部側部分14”方向に延在する当接突起17が突設されている。
【0017】
天板部10に裏面には、容器本体Cの開口部に嵌合される額縁状嵌合枠18が垂設されている。額縁状嵌合枠18の幅広土手部12側に位置する部分18aは、上述した凹部14を形成する周壁14bのうちの幅広土手部12側に位置する側壁部14b2を兼ねるように構成されることが好ましい。また、額縁状嵌合枠18の下端は、上述した凹部14を形成する平坦な底板14aの裏面を越えて、下方に突出しないように構成されており、本実施例には、額縁状嵌合枠18の下端と底板14aの裏面とは、同じ仮想平面上に位置する例が示されている。以下においては、凹部14を形成する周壁14bのうちの幅広土手部12側に位置する側壁部14b2が、額縁状嵌合枠18の幅広土手部12側に位置する部分18aを兼ねている例を用いて説明する。
【0018】
次に、図7及び図8を用いてロック解除操作部材20について説明する。
【0019】
ロック解除操作部材20は、上述した凹部14を構成する土手部側部分14’に挿入可能な略角筒状の操作ブロック21を有しており、操作ブロック21は、凹部14を構成する土手部側部分14’に挿入された際に、幅広土手部12に対向する平坦な板状の前側部21aを有している。前側部21aの中央部には、前側部21aに対して垂直方向に延在するロッド22が突設されており、ロッド22の先端部の両側面には、ロッド22に対して垂直に、略三角柱状の係止突部23がそれぞれ形成されている。略三角柱状の係止突部23は、平坦で水平な上面23aと、ロッド22の先端側に位置する垂直前面23bと、前側部21a側に位置するとともに、上面23aから下方に向かうに従って、垂直前面23b方向に傾斜した傾斜面23cと、端面23dとから構成されている。
【0020】
また、前側部21aのロッド22を挟んで位置する領域には、ロッド22側が根元部で、ロッド22から遠い部分が自由端である弾性片24が形成されている。この弾性片24は、一例として、垂直前面23bの下端から上方に延在する垂直スリット25aを形成し、垂直スリット25aの上端から、ロッド22方向に延在する水平スリット25bを形成することにより形成されている。更に、操作ブロック21の前側部21aに対して垂直な相対する側面21bの下端部には、ガイドレール26が形成されている。なお、垂直スリット25aを、側面21bの近傍に形成することにより、側面21bを、板バネ状に形成し、弾性変形可能なように構成することが好ましい。
【0021】
図10に示されているように、操作ブロック21を、凹部14を構成する土手部側部分14’に挿入した際には、操作ブロック21の前側部21aに形成された弾性片24の自由端部が、凹部14の土手部側部分14’を形成する幅広土手部12に沿った側壁部14b2に突設された当接突起17に当接、或いは、接近して位置するように構成されており、側壁部14b2と操作ブロック21の前側部21aとの間に、所定の間隙が形成されるように構成されている。
【0022】
蓋Tの幅広土手部12に沿って形成された凹部14の土手部側部分14’に、ロック解除操作部材20の操作ブロック21を装着した際には、操作ブロック21の前側部21aに突設されたロッド22は、凹部14の土手部側部分14’を形成する周壁14bのうちの幅広土手部12に沿った側壁部14b2の中央部に穿設された透孔16に挿入されるとともに、透孔16の両側に位置する側壁部14b2に突設された当接突起17が、操作ブロック21の前側部21aに形成された弾性片24の自由端部に当接、或いは、接近して位置するように構成されており、更に、操作ブロック21の前側部21aに突設されたロッド22の先端部の両側面に突設された係止突部23は、蓋Tの幅広土手部12の天部12aの下方に位置するように構成されている。
【0023】
また、蓋Tの幅広土手部12に沿って形成された凹部14の土手部側部分14’に、ロック解除操作部材20の操作ブロック21を装着した際には、操作ブロック21の相対する側面21bの下端部に形成されたガイドレール26が、蓋Tの幅広土手部12に沿って形成された凹部14の土手部側部分14’を形成する、相対する側壁部14b1の下端に穿設されたガイドスリット15に挿入されている。また、上述したように、垂直スリット25aを、側面21bの近傍に形成することにより、側面21bが弾性変形するように形成されているので、側面21b同士を、互いに接近する方向に弾性変形させることにより、操作ブロック21の相対する側面21bに形成されたガイドレール26を、側壁部14b1の下端に穿設されたガイドスリット15に容易に挿入することができる。
【0024】
上述したように、ロック解除操作部材20を、蓋Tの幅広土手部12付近の天板部10に形成された凹部14の土手部側部分14’に装着した際には、ロック解除操作部材20は、凹部14を越えて上方に突出しないように、完全に、凹部14内に収容されるように構成されている。
【0025】
次に、主として、図11〜図15を用いて、容器本体Cへの蓋Tの被蓋について説明する。
【0026】
先ず最初に、図11及び図12に示されているように、容器本体Cの開口部の上方に、蓋Tの天板部10の裏面に垂設された額縁状嵌合枠18が位置するように、蓋Tを配置し、その後、蓋Tを下降させることにより、容器本体Cの開口部に、蓋Tの天板部10の裏面に垂設された額縁状嵌合枠18が嵌合する。
【0027】
容器本体Cの開口部に、蓋Tの天板部10の裏面に垂設された額縁状嵌合枠18が嵌合すると、蓋Tの額縁状嵌合枠18が、容器本体Cの開口部に嵌合される前後において、幅広土手部12の裏面に突設された嵌合突部13が、容器本体Cの短側壁2の上端水平フランジ2bに穿設された嵌合孔4に嵌合されるとともに、蓋Tの凹部14の土手部側部分14’に配設されたロック解除操作部材20を構成する操作ブロック21のロッド22が、容器本体Cの上端水平フランジ2bに形成された角部凹部5を構成する相対する側部5cに突設された係止ブロック6間に形成された間隙D1に挿入される。そして、操作ブロック21に突設されたロッド22が、係止ブロック6間に形成された間隙D1に挿入された際には、図13に示されているように、蓋Tに配設されたロック解除操作部材20を構成する操作ブロック21のロッド22の先端部の両側面に突設された係止突部23の傾斜面23cが、容器本体Cの上端水平フランジ2bに形成された角部凹部5を形成する相対する側部5cに突設された係止ブロック6の傾斜面6eに当接するように構成されている。
【0028】
上述した状態から、更に、蓋Tを下降させると、操作ブロック21のロッド22の先端部に突設された係止突部23の傾斜面23cが、容器本体Cの上端水平フランジ2bに形成された角部凹部5を形成する側部5cに突設された係止ブロック6の傾斜面6eに案内されながら下降することになる。この蓋Tの下降により、ロック解除操作部材20が、幅広土手部12に接近する方向に移動することになるが、このロック解除操作部材20の幅広土手部12に接近する方向への移動により、ロック解除操作部材20は、幅広土手部12に沿った側壁部14b2に突設された当接突起17に、その自由端部が当接している弾性片24を、その弾性力に抗して湾曲変形させながら、幅広土手部12への接近を続けることになる。そして、蓋Tに配設された操作ブロック21のロッド22に突設された係止突部23の上面23aが、上記の係止ブロック6の下面6bを越えて下方に位置した際には、ロック解除操作部材20は、湾曲変形した弾性片24の復元力により、幅広土手部12から離反する方向に移動し、蓋Tに配設された操作ブロック21のロッド22に突設された係止突部23が、図14に示されているように、上記の係止ブロック6の下方に接近し、図16に示されているように、容器本体Cの開口部を被蓋した蓋Tが、容器本体Cに対してロックされた状態になる。
【0029】
上述したように、容器本体Cの開口部を被蓋した蓋Tが、容器本体Cに対してロックされた状態から、蓋Tを持ち上げようとしても、蓋Tに配設された操作ブロック21のロッド22に突設された係止突部23の上面23aが、容器本体Cの上端水平フランジ2bに形成された角部凹部5を構成する相対する側部5cに突設された係止ブロック6の下面6bに当接し、従って、蓋Tの持ち上げが阻止されることになる。このような蓋Tと容器本体Cとのロック状態は、蓋Tに配設されたロック解除操作部材20を操作することなく、単に、蓋Tを下降させるだけで行うことができる。
【0030】
上述したような蓋Tと容器本体Cとのロック状態を解除するには、蓋Tに形成された凹部14の中央部側部分14”に手を入れて、ロック解除操作部材20を、前側部21aに形成された弾性片24の弾性力に抗して、幅広土手部12方向に移動させて、図15に示されているように、蓋Tに配設された操作ブロック21のロッド22に突設された係止突部23を、容器本体Cの上端水平フランジ2bに形成された角部凹部5を構成する相対する側部5cに突設された係止ブロック6の下方から排出させて、蓋Tと容器本体Cとのロック状態を解除し、その後、蓋Tを持ち上げて、容器本体Cから、蓋Tを取り外すことになる。
【0031】
容器本体Cに、蓋Tを被せる際には、作業者は、蓋Tの両短辺側に相対して形成された幅広土手部12を、それぞれ両手で把持して蓋Tを持ち上げ、その後、容器本体Cの開口部に、蓋Tの天板部10の裏面に垂設された額縁状嵌合枠18を嵌合し、蓋Tを押し下げることにより、上述したように、容器本体Cへの蓋Tの被蓋作業が終了することになるが、この被蓋作業の際には、作業者は、蓋Tに配設されたロック解除操作部材20を操作する必要がないので、容器本体Cへの蓋Tの被蓋作業の作業性が向上する。
【0032】
また、上述したように、ロック解除操作部材20は、蓋Tの幅広土手部12付近に位置する天板部10に形成された凹部14内に完全に収容されており、凹部14を越えて上方に突出しないように構成されているので、被蓋作業の際に、作業者が、蓋Tに形成された幅広土手部12を両手で、それぞれ把持しても、作業者が、誤って、ロック解除操作部材20を操作するような誤動作を防止することができる。
【0033】
蓋Tを、容器本体Cから取り外す際には、作業者は、蓋Tの凹部14を構成する中央部側部分14”に親指を挿入し、親指を、ロック解除操作部材20の操作ブロック21の前側部21aと反対側に位置する後側部21cに当て、他の指を、容器本体Cの短辺側に形成された土手部11の短辺側11aに当てる。その後、親指を他の指方向に近付けることにより、ロック解除操作部材20の操作ブロック21の後側部21cを押して、ロック解除操作部材20を、幅広土手部12方向に移動させて、上述したように、蓋Tに配設された操作ブロック21のロッド22に突設された係止突部23を、容器本体Cに形成された角部凹部5を構成する相対する側部5cに突設された係止ブロック6の下方から排出させて、蓋Tと容器本体Cとのロック状態を解除し、その後、ロック解除操作部材20の操作ブロック21に当てられた親指及び土手部11の短辺側11aに当てられた他の指を離すことなく、そのままの状態で、蓋Tを持ち上げて、容器本体Cから、蓋Tを取り外すことになる。このように構成されているので、蓋Tと容器本体Cとのロック状態を解除したままの状態で、蓋Tを持ち上げて、容器本体Cから、蓋Tを取り外すことができ、従って、ロック状態の解除作業及び蓋Tの取外作業の作業性が向上する。
【0034】
蓋Tの幅広土手部12の天部12aと側壁12bとにより形成される角部t1で、且つ、凹部14の土手部側部分14’の中央部に位置する角部t1には、上方と土手部側部分14’側の側方が開放された角部中央凹部27が形成されており、また、角部中央凹部27の両側に位置する角部t1には、角部側方凹部28が形成されている。このように、蓋Tの幅広土手部12の角部t1の3個所には、1個の角部中央凹部27と、角部中央凹部27を挟んで位置する2個の角部側方凹部28の合計3個の凹部が形成されている。
【0035】
図17〜図19に示されているように、蓋T同士を段積みした際には、上に位置する蓋Taの天板部10の裏面に垂設された額縁状嵌合枠18が、下に位置する蓋Tbの天板部10の周囲に形成された土手部11及び幅広土手部12に嵌合されるように構成されている。また、上に位置する蓋Taの側壁部14b2の中央部に穿設された透孔16に挿入され、側壁部14b2から突出している、操作ブロック21のロッド22と係止突部23が、図18に示されているように、下に位置する蓋Tbの幅広土手部12に形成された角部中央凹部27に挿入されるとともに、上に位置する蓋Taの幅広土手部12の裏面に形成された一対の嵌合突部13が、下に位置する蓋Tbの幅広土手部12に形成された2個の角部側方凹部28に、それぞれ嵌合されるように構成されている。
【0036】
上述したように、蓋T同士を段積みした際には、上に位置する蓋Taの天板部10の裏面に垂設された額縁状嵌合枠18が、下に位置する蓋Tbの天板部10の周囲に形成された土手部11及び幅広土手部12に嵌合されるように構成されているので、上に位置する蓋Taが、下に位置する蓋Tbに対して水平方向に大きく移動するようなことがないので、安定した状態で、多数の蓋Tを段積みすることができる。
【0037】
また、蓋T同士を段積みした際には、上に位置する蓋Taに配設された操作ブロック21のロッド22と係止突部23が、下に位置する蓋Tbの幅広土手部12に形成された角部中央凹部27に挿入されるように構成されているので、上に位置する蓋Taに配設された操作ブロック21のロッド22と係止突部23が、下に位置する蓋Tbの幅広土手部12に当接し、損傷するようなことを防止することができる。
【0038】
更に、上に位置する蓋Taの幅広土手部12の裏面に形成された一対の嵌合突部13が、下に位置する蓋Tbの幅広土手部12に形成された2個の角部側方凹部28に、それぞれ嵌合されるように構成されているので、上に位置する蓋Taの水平方向の移動を、より確実に抑制することができ、より安定した状態で、多数の蓋Tを段積みすることができる。
【0039】
更にまた、蓋Tの凹部14を構成する底板14aが平坦に形成されているとともに、蓋の凹部14に装着されたロック解除操作部材20が、凹部14を越えて上方に突出しないように、完全に、凹部14内に収容されるように構成されているので、蓋T同士を段積みした際には、上に位置する蓋Taの凹部14を構成する平坦な底板14aが、下に位置する蓋Tのロック解除操作部材20に当接するようなことがなく、従って、下に位置する蓋Tのロック解除操作部材20が損傷するようなことを防止することができる。
【0040】
上述したように、容器本体Cを蓋Tで被蓋した際には、蓋Tに配設されたロック解除操作部材20の係止突部23を、容器本体Cの上端水平フランジ2bに形成された角部凹部5を構成する相対する側部5cに突設された係止ブロック6の下方に配置することにより、容器本体Cと蓋Tとをロック状態とし、ロック解除操作部材20を、容器本体Cの短側壁2方向に移動させることにより、蓋Tに配設されたロック解除操作部材20の係止突部23を、容器本体Cの上端水平フランジ2bに形成された角部凹部5を構成する相対する側部5cに突設された係止ブロック6の下方から排出させることにより、容器本体Cと蓋Tとをロック状態を解除するように構成したので、蓋Tと容器本体Cとのロック状態を解除したままの状態で、蓋Tを持ち上げることができ、ロック状態の解除作業及び蓋Tの取外作業の作業性が向上する。
【0041】
また、容器本体Cを蓋Tで被蓋する場合には、蓋Tに配設された操作ブロック21の係止突部23の傾斜面23cを、容器本体Cに形成された角部凹部5を構成する側部5cに突設された係止ブロック6の傾斜面6eに接触させながら、蓋Tを下降させることにより、ロック解除操作部材20を、ロック解除操作部材20に配設された弾性片24の弾性力に抗して、弾性片24を湾曲変形させながら容器本体Cの幅広土手部12に接近させるとともに、蓋Tに配設された操作ブロック21の係止突部23の上面23aが、上記の係止ブロック6の下面6bを越えて下方に位置した時点で、ロック解除操作部材20を、湾曲変形した弾性片24の復元力により、幅広土手部12から離反する方向に移動させて、蓋Tに配設された操作ブロック21の係止突部23を、上記の係止ブロック6の下方に位置するように構成したので、ロック解除操作部材20を操作することなく、単に、容器本体Cに対して、蓋Tを下降させるだけで、容器本体Cと蓋Tとをロックすることができる。
【0042】
更に、操作ブロック21を、蓋Tを容器本体Cに被蓋する際に、或いは、蓋Tを容器本体Cから取り外す際に、作業者が把持する土手部1a、1bに配設することなく、土手部1a、1bより下がった蓋Tの天板部10に形成された凹部14に配設したので、作業者が、誤って、操作ブロック21を操作するようなことを防止することができる。
【0043】
なお、上述したように、容器本体Cが折り畳み可能な場合には、上述した短側壁2の上端水平フランジ2bに形成された一対の嵌合孔4と該嵌合孔4間に形成された角部凹部5とを、底部1の短辺側土手部1aの上面に形成することが好ましい。底部1の短辺側土手部1aに、嵌合孔4と角部凹部5を形成することにより、折り畳まれた状態の容器本体Cに、蓋Tを被せた際に、蓋Tに形成された嵌合突部13が、底部1の短辺側土手部1aに形成された嵌合孔4に嵌合され、また、蓋Tに形成された操作ブロック21のロッド22と係止突部23が、底部1の短辺側土手部1aに形成された角部凹部5に嵌合されるので、折り畳まれた状態の容器本体Cに、蓋Tを安定した状態で被せることができるとともに、折り畳まれた状態の容器本体Cから、蓋Tが滑り落ちるようなことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、本発明の蓋付き容器を構成する容器本体の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の蓋付き容器を構成する短側壁の部分拡大斜視図である。
【図3】図3は、同じく、本発明の蓋付き容器を構成する短側壁の部分拡大斜視図である。
【図4】図4は、本発明の蓋付き容器を構成する蓋の斜視図である。
【図5】図5は、本発明の蓋付き容器を構成する蓋の部分拡大斜視図である。
【図6】図6は、本発明の蓋付き容器を構成する蓋の裏面部分拡大斜視図である。
【図7】図7は、本発明の蓋付き容器を構成する蓋に配設されたロック解除操作部材の斜視図である。
【図8】図8は、本発明の蓋付き容器を構成する蓋に配設されたロック解除操作部材の裏面斜視図である。
【図9】図9は、本発明の蓋付き容器を構成する蓋とロック解除操作部材の分解斜視図である。
【図10】図10は、本発明の蓋付き容器のロック解除操作部材が配設された蓋の垂直断面を含む部分拡大斜視図である。
【図11】図11は、本発明の蓋付き容器を構成する容器本体と蓋の垂直断面を含む部分拡大分解斜視図である。
【図12】図12は、同じく、本発明の蓋付き容器を構成する容器本体と蓋の垂直断面を含む部分拡大分解斜視図である。
【図13】図13は、本発明の蓋付き容器の短側壁と蓋に配設されたロック解除操作部材とのロック直前を示す垂直断面を含む部分拡大斜視図である。
【図14】図14は、本発明の蓋付き容器の短側壁と蓋に配設されたロック解除操作部材とのロック状態を示す垂直断面を含む部分拡大斜視図である。
【図15】図15は、本発明の蓋付き容器の短側壁と蓋に配設されたロック解除操作部材とのロック解除状態を示す垂直断面を含む部分拡大斜視図である。
【図16】図16は、本発明の蓋付き容器の斜視図である。
【図17】図17は、本発明の蓋付き容器を構成する蓋同士が段積みされた状態を示す垂直断面を含む部分拡大斜視図である。
【図18】図18は、図17と同様の本発明の蓋付き容器を構成する蓋同士が段積みされた状態を示す垂直断面を含む部分拡大斜視図である。
【図19】図19は、図17と同様の本発明の蓋付き容器を構成する蓋同士が段積みされた状態を示す垂直断面を含む部分拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0045】
C・・・・・・・・・・・・・・・容器本体
T・・・・・・・・・・・・・・・蓋
1・・・・・・・・・・・・・・・底部
2・・・・・・・・・・・・・・・短側壁
3・・・・・・・・・・・・・・・長側壁
4・・・・・・・・・・・・・・・嵌合孔
5・・・・・・・・・・・・・・・角部凹部
6・・・・・・・・・・・・・・・係止ブロック
11・・・・・・・・・・・・・・土手部
12・・・・・・・・・・・・・・広幅土手部
20・・・・・・・・・・・・・・ロック解除操作部材
23・・・・・・・・・・・・・・係止突部
24・・・・・・・・・・・・・・弾性片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体を蓋で被蓋した際には、蓋に配設されたロック解除操作部材の係止突部を、容器本体に形成された係止ブロックの下方に配置することにより、容器本体と蓋とをロック状態とし、ロック解除操作部材を、容器本体の前記係止ブロックが形成された側壁方向に移動させることにより、蓋に配設されたロック解除操作部材の係止突部を、容器本体に形成された係止ブロックの下方から排出させることにより、容器本体と蓋とをロック状態を解除するように構成したことを特徴とする蓋付き容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−51967(P2006−51967A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−233476(P2004−233476)
【出願日】平成16年8月10日(2004.8.10)
【出願人】(591006944)三甲株式会社 (380)
【Fターム(参考)】