蓋体、収容装置、およびそれらの使用方法
容器用の蓋体が、第1のシリンダー状部分と第1の部分に対向する第2のシリンダー状部分とを有する閉塞体を含む。蓋体は、前記第1の部分および第2の部分の少なくとも一方に配置されたコネクタも有する。コネクタは、蓋体に試料採取装置およびアプリケータの一方を接続するように適合されている。蓋体、容器、および任意選択で試料採取装置およびアプリケータの一方を含む収容装置も説明している。収容装置の使用方法も説明している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年5月14日出願の米国仮特許出願第61/178,311号の優先権を主張し、その全体が本書に援用される。
【0002】
本発明は、容器の蓋体、それを使用する収容装置、および試料採取方法に関する。
【背景技術】
【0003】
生体試料が、(例えば、特定の症状の存在もしくは状態、またはウィルスや細菌性微生物などの特定の病原菌の存在を決定するため、または家畜のトレーサビリティなどのために遺伝子型決定行うために)分析され、保存され(banked)、および/またはアーカイブされる臨床検査室に届けるために、キャップと容器とを組み合わせたタイプの採取装置が、生体試料を収容して保管するために一般に使用されている。生体試料は病原生物を含んでいることがあるため、採取装置は、採取場所から分析する場所までの輸送中、実質的に漏れを防止するように、確実に構成することが重要である。汚染を防いで試料の完全性(integrity)を維持するために装置を実質的に漏れ防止性にすることも重要である。採取装置のこの特徴は、臨床検査室と採取場所が互いに離れており、輸送中に採取装置が逆さにされたり激しく押されたりする可能性が高く、かなりの温度および圧力の変動にさらされる可能性がある場合に特に重要である。さらに、採取装置は非技術者が使用しても便利であることが重要である。
【0004】
公知のように、遺伝子型決定および疾患検出は、被検査対象から採取した生体試料を使用して行うことができる。遺伝子型決定および疾患検出検査を実施するために、一般に静脈血、髪、または組織試料を採取するが、これらの採取および処理は困難であることがある。代替的な1つの方法は、核酸を含む生体試料を採取することであり、これらは、上述の試料よりも処理が容易であり、かつ遺伝子型決定および疾患検出にも使用できる。核酸を含む生体試料は、例えば、唾液、痰、膣および鼻の粘膜試料を含む。処理が容易であることに加え、核酸を含む生体液の採取の手順は、静脈血、髪、または組織試料の採取よりも侵襲性が低い傾向がある。
【0005】
一般に、(静脈または動脈血以外の)生体液の採取は、採取が簡単であり、容易に入手可能であり、およびそのような生体液の採取方法は供与者に対して低侵襲であり、安価で実施できる。静脈血または動脈血および一部の組織の採取には、医者、採血者(phlebotomist)および獣医のような、高度な訓練を受けた専門家が必要とされる。ほとんどの生体液は、訓練を受けていない人でも、監視のない状況(例えば、家、農場)において採取することができる。
【0006】
定期的に採取され保管される他の生体試料は、(例えば、生物学的製剤、放射性同位体などによって)汚染された可能性のある表面のスワブ、上皮細胞のような生物組織、(例えば屠体からの)組織プラグやスライスまたは地質試料が含まれるが、これらに限定されない。
【0007】
生体試料採取の1つの標準方法は、生体試料を採取するために、スワブ、ブラシまたはナイフなどの試料採取装置を用いること、次いで、共栓管に試料採取装置を入れることを含む。任意に、共栓管は、保存液および/または輸送培地で予め満たされていてもよい。次いで、共栓管は、試料に含まれた核酸を検査できる検査室に送られる。
【0008】
しかしながら、この生体試料採取方法は試料の汚染を発生させ得る。生体液に試料採取装置を当てる前に栓を取り外す必要があるため、不要な物質がチューブに入り込むかもしくは試料が収集されている際に栓が不要な物質と接触する危険が増すか、または栓がチューブから外されている間、収集された試料の入った試料採取装置を下に置く必要があるため、スワブの試料が直接汚染される危険が増すかのいずれかである。これらの問題を最小限にするために、一般に、第2の対の手および/またはラック/滅菌容器/袋を準備する必要があり、これは、採取プロセスをより複雑で時間のかかるものとする。
【0009】
汚染および二次汚染の別の原因は、使用者の試料採取装置の取り扱いである。使用者は、スワブまたは他の採取装置のハンドルを掴んで、ソースから試料を採取する必要がある。スワブ/採取装置全体がチューブに入れられるので、手にグローブをはめていても、チューブに汚染物質を入れてしまう重大な危険性がある。
【0010】
試料二次汚染に関する懸念は、栓の使用にもつきものである。そのような懸念は、採取される試料が、これらに限定されないが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、分岐鎖DNA(bDNA)アッセイ、転写媒介性増幅(TMA)、および逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)などの核酸のハイブリダイゼーションおよび/または増幅を用いる分子診断技術で使用される場合に、特に深刻である。増幅は、試験体に存在する被標的核酸配列の量を増やすことによって分析感度を高めるためのものであるため、1つの容器から微量の試験体をまたは陽性対照試料から標的核酸を別の容器に移すことも、混乱する結果または不正確な結果を生じ得る。同様に、ハイブリダイゼーションベースのアッセイは、試料の二次汚染による影響を受けることがある。
【0011】
チューブまたは試料採取容器から栓を取り外す際、栓を取り外すのに必要な引く動きによって保存液および/または輸送培地の一部がこぼれる可能性がある。同様に、試料採取後、いずれかの試料が栓に付いている場合、栓を取り外す際に試料が飛び散るかまたはこぼれることがある。これは、検査または遺伝子型決定のために(例えば、トレーサビリティおよび血統のため)、飼っている動物から生体試料を採取する必要がある農家などの、そのような装置に慣れていない人が試料採取を行う必要がある場合に、発生しやすくなる。
【0012】
さらに、試料が採取された場所から検査室までの輸送中に、栓から漏れたり、栓が外れたりすることがある。この問題は、使用者が訓練を受けていないかまたは非技術者である場合に、より明白になる。
【0013】
さらに、栓が、適切な密閉性をもたらすために容器の開口部に十分に押し込まれたかを判断することは困難である場合がある。
【0014】
加えて、栓は、生体試料を汚染し得る成分を含むゴム、または同様の材料で作製されることが多い。これは、試料にしみ出る可能性のあるゴムの成分が核酸増幅を妨害または干渉すると知られているため、試料が核酸分析に使用される場合には特に問題となり得る。
【0015】
最後に、試料が採取された後、試料採取装置が容器内部で実質的にゆるんでいると、試料処理のための試料採取装置の自動検索が困難である。それゆえ、このステップは通常手動で行われ、試料の汚染および二次汚染の双方を発生させ得る。
【0016】
それゆえ、試料の汚染の可能性、および試料を入れる前後に保存液および/または輸送培地が漏れるかまたはこぼれる可能性を低減させる試料採取の装置および方法が必要とされている。
【0017】
さらに、農場および/または野外の条件下で動物またはヒトの生体試料を獲得することは、動物のふるまいが予測できないことおよび/または農場または野外の条件自体が非衛生的または極度の自然であるために、特に難しい。
【0018】
それゆえ、迅速かつ安全に生体試料を採取する装置および方法も必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、従来技術に存在する不都合の少なくともいくつかを改善することにある。
【0020】
本発明の目的はまた、試料採取装置またはアプリケータがコネクタの一方の端部から延出するように、試料採取装置およびアプリケータの一方を接続するコネクタを有する両面蓋体を提供することにある。蓋体は、蓋体の両端部を容器に接続できるように設計する。
【0021】
本発明の別の目的は、容器と、上述の蓋体と、試料採取装置およびアプリケータの一方とを含む収容装置を提供することにある。
【0022】
本発明のさらに別の目的は、上述の収容装置を使用して試料採取方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
一態様では、本発明は容器用の蓋体を提供する。容器は開放端部を有する。蓋体は閉塞体を有する。閉塞体は第1のシリンダー状部分と、第1の部分に対向する第2のシリンダー状部分とを有する。蓋体はまた、第1の部分および第2の部分の少なくとも一方に配置されたコネクタを有する。コネクタは、蓋体に試料採取装置およびアプリケータの一方を接続するように適合される。
【0024】
別の態様では、第1のシリンダー状部分は第1のねじ領域を有し、第2のシリンダー状部分は第2のねじ領域を有し、および第1および第2のねじ領域は、容器の開放端部付近に配置された容器のねじ領域に相補的であり、それと係合する。
【0025】
別の態様では、本発明は、開放端部および開放端部付近にねじ領域を有する容器と、上述の蓋体と、試料採取装置およびアプリケータの一方とを有する収容装置を提供する。蓋体は、容器の開放端部に第1の構成および第2の構成で選択的に接続可能である。コネクタは閉塞体の第2の部分に配置される。試料採取装置およびアプリケータの一方はコネクタに接続され、かつ閉塞体の第1の部分から離れるように閉塞体の第2の部分から延出する。蓋体が容器の開放端部に第1の構成で接続されるとき、蓋体の第1のねじ領域は容器のねじ領域に係合し、かつ試料採取装置およびアプリケータの一方は容器の外側に配置され、それから離れて延在する。蓋体が容器の開放端部に第2の構成で接続されるとき、蓋体の第2のねじ領域が容器のねじ領域に係合し、試料採取装置およびアプリケータの一方が容器の内側に配置される。
【0026】
さらに別の態様では、本発明は容器用の蓋体を提供する。容器は開放端部を有する。蓋体は第1の閉塞体および第2の閉塞体を有する。第1の閉塞体は、第1のシリンダー状壁と、第1のシリンダー状壁の端部に接続された第1の頂部とを有する。第2の閉塞体は、第2のシリンダー状壁と、第2のシリンダー状壁の端部に接続された第2の頂部とを有する。蓋体はまた、第1の閉塞体および第2の閉塞体の少なくとも一方に配置されたコネクタを有する。コネクタは、蓋体に試料採取装置およびアプリケータの一方を接続するように適合される。第1の頂部は、第1の閉塞体と第2の閉塞体がほぼ同軸となるように、第2の頂部に接続される。
【0027】
別の態様では、第1の閉塞体は、第1のシリンダー状壁から内向きに延出する第1のねじ領域を有する。第1のねじ領域は、容器の開放端部付近に配置された容器のねじ領域に相補的であり、それに係合する。第2の閉塞体は、第2のシリンダー状壁から内向きに延出する第2のねじ領域を有する。第2のねじ領域は、容器のねじ領域に相補的であり、それに係合する。
【0028】
別の態様では、本発明は、開放端部および開放端部付近にねじ領域を有する容器と、上述の蓋体と、試料採取装置およびアプリケータの一方とを含む収容装置を提供する。蓋体は、容器の開放端部に第1の構成および第2の構成で選択的に接続可能である。コネクタは第2の閉塞体に配置される。試料採取装置およびアプリケータの一方はコネクタに接続され、かつ第1の閉塞体から離れるように第2の閉塞体から延出する。蓋体が容器の開放端部に第1の構成で接続されるとき、第1の閉塞体の第1のねじ領域が容器のねじ領域に係合し、試料採取装置および容器の一方が容器の外側に配置され、そこから離れるように延在する。蓋体が容器の開放端部に第2の構成で接続されるとき、第2の閉塞体の第2のねじ領域は容器のねじ領域に係合し、試料採取装置およびアプリケータの一方は容器の内側に配置される。
【0029】
別の態様では、本発明は、上述の蓋体の1つと、蓋体の第1のねじ領域に係合するねじ領域を有する第1の容器と、蓋体の第2のねじ領域に係合するねじ領域を有する第2の容器とを有する収容装置を提供する。
【0030】
さらに別の態様では、本発明は、収容装置を使用する試料採取方法を提供する。収容装置は、容器と、第1の部分および第1の部分に対向する第2の部分を有する蓋体と、蓋体に接続された試料採取装置とを含む。試料採取装置は、蓋体の第1の部分から離れるように蓋体の第2の部分から延出する。方法は:容器を保持することによって、採取される試料に試料採取装置を当てるステップであって、容器がその開放端部にねじ込まれた蓋体の第1の部分を有する、ステップ;蓋体の第1の部分を容器の開放端部からねじって取り外すステップ;試料採取装置を容器に差し込むステップ;および蓋体の第2の部分を容器の開放端部にねじ込むステップを含む。
【0031】
さらに別の態様では、本発明は容器用の蓋体を提供する。容器は開放端部を有する。蓋体は閉塞体を有する。閉塞体は、第1のシリンダー状部分と、第1の部分に対向する第2のシリンダー状部分とを有する。試料採取装置およびアプリケータの一方は閉塞体に接続され、閉塞体の第1の部分から離れるように閉塞体の第2のシリンダー状部分から延出する。
【0032】
本発明の実施形態は各々、上述の目的および/または態様の少なくとも1つを有するが、必ずしもそれら全てを有しはしない。当然のことながら、上記の目的を実現するための試みから生じた本発明の一部の態様は、これらの目的を満たさなくてもよいし、および/または本書で明確に説明していない他の目的を満たしてもよい。
【0033】
本発明の実施形態の追加的および/または代替的な特徴、態様、および利点は、以下の説明、添付の図面および添付の特許請求の範囲から明らかとなる。
【0034】
本発明、ならびに他の態様およびそのさらなる特徴をより理解するために、添付の図面と併せて使用される以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】容器用の蓋体の斜視図である。
【図2】図1の蓋体の端面図である。
【図3】図1の蓋体の側面図である。
【図4】図2の線A−Aに沿って取った図1の蓋体の断面である。
【図5A】蓋体の一部分が容器にねじ込まれている、図1の蓋体を使用する収容装置の側面図である。
【図5B】蓋体の別の部分が容器にねじ込まれている、図5Aの収容装置の側面図である。
【図6】収容装置の代替的な実施形態の分解側面図である。
【図7】図1の蓋体の代替的な実施形態の断面である。
【図8】図1の蓋体の代替的な実施形態の断面である。
【図9】図1の蓋体の代替的な実施形態の断面である。
【図10】図1の蓋体の代替的な実施形態の断面である。
【図11】図1の蓋体の代替的な実施形態の断面である。
【図12】図12Aは2つの閉塞体を有する図1の蓋体の別の代替的な実施形態の断面であり、2つの閉塞体の組み立て前を示す。図12Bは2つの閉塞体が互いに接続されている図12Aの蓋体の断面である。
【図13A】収容装置の代替的な実施形態の概略的な側面図である。
【図13B】収容装置の代替的な実施形態の概略的な側面図である。
【図13C】収容装置の代替的な実施形態の概略的な側面図である。
【図13D】収容装置の代替的な実施形態の概略的な側面図である。
【図14】収容装置の別の代替的な実施形態の断面である。
【図15】図14の収容装置と使用するための蓋体の代替的な実施形態の断面である。
【図16】図14の収容装置と使用するための蓋体の別の代替的な実施形態の断面である。
【図17】収容装置の代替的な実施形態の側面図である。
【図18】蓋体の別の代替的な実施形態の断面である。
【図19】図19A〜19Cは収容装置の一実施形態を使用するウシからの鼻の試料の採取ステップを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1〜図4を参照して、本発明の態様による容器用の蓋体10を説明する。図1〜図4から理解されるように、蓋体10は、外表面にねじ領域を有する容器と使用するためのものである。蓋体10は、閉塞壁18によって2つのシリンダー状部分14および16に分離された閉塞体12を有する。シリンダー状部分14には、シリンダー状内壁22から内向きに延出するねじ領域20が設けられている。同様に、シリンダー状部分16には、シリンダー状内壁26から内向きに延出するねじ領域24が設けられている。両ねじ領域20および24は、蓋体10が接続される容器のねじ領域を補完するように設計されているので、両部分14および16を容器にねじ込むことができる。各ねじ領域20、24を、一本山ねじを有するものとして示すが、各ねじ領域20、24が、蓋体10が接続される容器のねじ領域を補完するのに必要である場合には、複数のねじ山を有することも考慮できる。蓋体10を容器にねじ込んだり、容器からねじって取り外したりするときなどの蓋体10の取り扱いを容易にするために、閉塞体12の外面28には剛性がある。閉塞体12を、ほぼシリンダー状の外形を有するものとして示すが、他の形状を有し得ることも考慮される。例えば、閉塞体12の外形を多角形として、蓋体の側面が表面に置かれたときにその表面上で蓋体が転がらないようにする。
【0037】
蓋体10は、部分14、16のシリンダー状内壁22、26によって画成された空間に、閉塞壁18を通って閉塞壁18から延出するコネクタ30を有する。コネクタ30は、開放端部32と閉鎖端部34とを備えるほぼシリンダー状の中空体を有する。下記で詳細に説明するように、コネクタ30は、試料採取装置およびアプリケータの一方を接続するように適合されている。そのため、コネクタ30は、試料採取装置またはアプリケータの特定の形状を受け入れるように適合されるように、ほぼシリンダー状以外の形状を有し得ることが考慮される。例えば、接続される試料採取装置が四角形の断面のシャフトを有する場合、コネクタ30は、四角形の断面の中空体を有し得る。コネクタ30は、閉塞壁18を通って部分16まで延在することによって、内部に収容される試料接続装置またはアプリケータの安定性を向上させる相当な長さをシリンダー状の中空体が有することを可能にする。図4から最もよく分かるように、コネクタ30のほぼシリンダー状の中空体は、開放端部32から閉鎖端部34へ先細になっている。ほぼシリンダー状の中空体が先細になっていることによって、成形プロセスを使用して蓋体10が作製されている場合に、型からの蓋体10の取り外しを容易にする。ほぼシリンダー状の中空体が先細になっていることによって、ほぼシリンダー状の中空体が接続部分の直径の変動に適応するために製造上の公差、および差し込まれる試料採取装置またはアプリケータの接続部分のサイズのばらつきも小さくすることが可能となる。
【0038】
蓋体10はまた、対のワイパーシール36、38を備える。図4から最もよく分かるように、ワイパーシール36は、シリンダー状内壁22によって画成された空間にある閉塞壁18から延出する。同様に、ワイパーシール38は、シリンダー状内壁26によって画成された空間にある閉塞壁18から延出する。両ワイパーシール36、38とも、コネクタ30とそれらの対応するシリンダー状内壁22または26との間に、閉塞体12の半径方向に配置される。容器の開放端部は、第1のシリンダー状部分14が容器に接続されるとワイパーシール36とシリンダー状内壁22との間の空間に収容され、かつ第2のシリンダー状部分16が容器に接続されるとワイパーシール38とシリンダー状内壁26との間の空間に収容され、ワイパーシール36または38が、場合によっては、容器の内部表面に接触して容器と蓋体10との間に流体密封シールを形成するようにする。他のタイプのシールを使用し得ることも考えられる。
【0039】
好ましくは、容器および蓋体10を、容器と蓋体10との間に形成された流体密封シールが、空輸の間などの、容器と蓋体とを有する収容装置の長期保存および輸送から生じ得る広範囲の温度および気圧にわたって流体密封状態を保つように製造する必要がある。閉塞壁18、ねじ領域20、24、およびワイパーシール36、38の1つ以上にエラストマー材料を施して、容器と蓋体10との間に形成されたシールを向上することが考えられる。エラストマー材料は、蓋体10に施した熱可塑性エラストマー(TPE)とする一方、蓋体10は、二重射出成形プロセスを使用することによって成形される。
【0040】
図1〜図4に示す実施形態では、閉塞体12、閉塞壁18、ねじ領域20、24、コネクタ30、およびワイパーシール36、38は全て一体的に形成される。しかしながら、これらの要素の1つ以上を別個に製造し、その後、他の要素に接続し得ることが考えられる。図1〜図4に示す蓋体10は射出成形されるが、他の製造方法、例えば機械加工も考えられる。蓋体10に追加的な特徴を加えることも考えられる。例えば、シリンダー状部分14および16と閉塞壁18との間の接合部の一方または双方にフィレットを加えてシリンダー状部分14および16および/または容器の広がりを防止するのを助けうる。
【0041】
蓋体10の考えられる使用の1つは、遺伝子型決定または疾患検出のための生体液または組織の試料の採取に使用される収容装置の蓋体としてである。そのようなものとして、このタイプに適用するための蓋体10の製造に使用される材料は、採取された試料および収容装置で使用される保存用試薬または輸送/安定化培地と反応せず、材料から試料、試薬または培地へ浸出または脱気されるいずれの化学物質とも反応しない必要がある。一般的に、食品および医療グレードのプラスチックはこれらの条件に適合する。材料はまた、(病原菌を死滅させるための)照射(ガンマ線および電子線滅菌)、高圧蒸気殺菌法、エチレンオキシド、および不活化手順を使用する滅菌にも耐える必要がある。さらに、材料はまた、長期保存にも、試料は4℃でまたは−20℃〜−80℃の冷凍庫および液体窒素で保管または保存されることが多いため低温にも、および一部の処理または抽出プロトコールは例えば50℃〜100℃の範囲の温度でのインキュベーションを必要とすることもあるため高温にも耐える必要がある。最後に、材料は、輸送中に損傷されず、空輸に関連する極端な温度および気圧低下に耐えることができる程度に十分な強度を有する必要がある。このタイプの応用に好適な材料の一部は、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート、および熱可塑性エラストマー材料である。
【0042】
ここで図5Aおよび図5Bを参照して、収容装置50、および収容装置50の使用方法を説明する。収容装置50は、上述の蓋体10、容器、および試料採取装置52を含む。
【0043】
容器は、開放端部と開放端部付近にねじ領域(図示せず)とを有するチューブ54である。チューブ54は二重底56を有する。このタイプのチューブは、収容装置50を使用して、遺伝子型決定または疾患検出のために生体液および組織の試料を採取する応用において有利である。なぜなら、二重底56によって、チューブ54の側面に触れることなくピペットまたは自動リキッドハンドラによって試料に到達するのが容易になる一方、チューブ54の長さによって、標準のラボラックおよびリキッドハンドラでの使用に好適になり、かつ使用者の取り扱いも簡単になるためである。例示的な実施形態では、チューブ54は、Starplex Scientific Inc.製の5mlの二重底バイアルである。完全長のバイアルまたはボトルなどの他のタイプの容器も使用し得ることが考えられる。理解されるように、蓋体10の寸法およびねじ領域20、24の特徴は、選択した容器のタイプおよびそのねじ領域を補完するように適合される。
【0044】
試料採取装置52はシャフト58および試料採取器具60を含む。シャフト58は、一方の端部がコネクタ30のほぼシリンダー状の中空コネクタ本体に収容されているので、試料採取装置52を摩擦嵌合によって蓋体10に接続する。試料採取器具60は、シャフト58の他方の端部に接続される。図示の実施形態では、試料採取器具60はスワブである。試料採取器具60を、採取すべき試料のタイプに好適とするように別のタイプとし得ることが考えられる。他の試料採取器具60の例としてはスポンジ、ブラシ、スパチュラ、ループ、スクレーパ、スプーン、スクープ、圧抵器、毛細管、組織パンチ、吸収性固体マトリクス、例えば吸収紙様の材料、および大口径の針を含む。試料採取装置52は、試料採取装置52が例えば舌圧子である場合のように、単一部品を含むことができることも考えられる。試料採取装置52と蓋体10を一体式に形成できることも考えられる。
【0045】
収容装置50は、好ましくは、剥離式バッキングに封止された可撓性ブリスターにパッケージされているが、他のタイプのパッケージングも考えられる。収容装置50は、好ましくは、図5Aに示すように組み立てられてパッケージされ(すなわち部分16がチューブ54にねじ込まれ、試料採取装置52がコネクタ30に接続される)、収容装置の使用者が試料採取装置52を取り扱う量を少なくしており、それゆえ試料を汚染する危険性が低減している。しかしながら、試料採取装置52を、収容装置50の残りの部分と分離しているパッケージに配置して、それにより、パッケージを短くできることが考えられる。試料採取装置52を組み立て済みの蓋体10とチューブ54とは別に設けることができることも考えられる。
【0046】
多くの応用では、試料は、採取されたら、例えば保存用試薬または輸送もしくは安定化培地などの物質、例えば生体分子安定化組成物または検定用試薬もしくは処理試薬、例えば抽出試薬、またはこれらの機能の2つ以上の組み合わせを有する試薬に浸漬させる必要がある。例えば、採取される試料が核酸を含む生体液である応用では、物質を、2003年12月18日公開の国際公開第2003/104251A2号パンフレットおよび2008年4月10日公開の国際公開第2008/040126A1号パンフレットで説明されているものなどの核酸安定化組成物とし得る(それらの全体を本願明細書に援用する)か、または2006年9月21日公開の国際公開第2006/096973A1号パンフレットで説明されているものなどの、直接増幅する安定化組成物とし得る(その全体を本願明細書に援用する)。収容装置50は、パッケージング前に直接チューブ54の内部に入れられるそのような物質、液体62を含む。蓋体10によって形成された流体密封シールは、液体62がチューブ54から漏れないようにする。あるいは、液体62は、以下説明するように(図5B参照)、チューブ54にある壊れやすい膜、カプセルまたはブラダー内に保管でき、それは試料採取装置52がチューブ54に差し込まれると破裂するので、チューブ54に液体62を放出する。保存用試薬または輸送もしくは安定化培地、またはそれらの一部のような物質は、試料が採取されたら容器の内部に面する蓋体10の表面(例えば閉塞壁18の表面)上で乾燥し得ることも考えられる。この実施形態では、取り付けられた試料採取装置またはアプリケータを使用せずに蓋体を使用することが可能である。乾燥剤、保存用試薬または輸送もしくは安定化培地などの物質は、チューブ54の内側面上で乾燥し得ることも考えられる。
【0047】
試料を採取するために収容装置50を使用する方法を以下説明する。簡単にするために、方法は、液体62が既にチューブ54に存在し、かつ試料採取装置52がコネクタ30に接続されていると仮定して説明する。そうでない場合には、チューブ54に液体62を注いで、試料採取装置52をコネクタ30に接続する追加的なステップが必要であることを理解されたい。試料を空のチューブ54(すなわち液体62を有しないチューブ54)に採取できることも考えられる。
【0048】
収容デバイス50の使用者は、まず、既に図5Aに示す構成にある収容装置50をパッケージングから取り外す。上述のように、収容装置50が図5Aに示す構成にある場合、蓋体10のシリンダー状部分16はチューブ54の開放端部にねじ込まれていて、ねじ領域24がチューブ54のねじ領域に係合し、かつ試料採取装置52が蓋体10の他方の端部から延出している。この構成では、チューブ54の開放端部はワイパーシール38および閉塞壁18に当接しており、それにより、チューブ54と蓋体10との間に流体密封シールを形成する。次いで使用者は、ハンドルまたは採取棒の機能を果たすチューブ54を保持し、試料採取器具60を、採取される試料、例えばヒト、ウシ、ヒツジ、またはイヌの、例えば鼻粘膜に当てる。図19Aは、ウシから鼻の試料を採取するこのステップを示す。理解されているように、試料を採取するために試料採取器具60を試料に当てるのに必要な動作は、試料のソースおよび使用される試料採取器具60のタイプに依存して変化する。例えば、試料採取器具60がブラシである場合にはブラッシング動作が行われ、試料採取器具60がスクレーパである場合にはこすり取る動作が行われ、および試料採取器具60が針または組織パンチである場合には突き刺す動作が行われる。次いで、使用者は、図19Bに示すようにチューブ54から蓋体10をねじって取り外し、図19Cに示すように、試料採取装置52がコネクタ30に接続されるように蓋体10の向きを変えて、試料採取装置52をチューブ54に差し込む。次いで、使用者は、蓋体10のシリンダー状部分14をチューブ54の開放端部にねじ込んで、ねじ領域20がチューブ54のねじ領域に係合するようにする。このとき、収容装置50は、図5Bに示す構成にあり、例えば、検査のために検査室に送られる準備が整っている。この構成では、チューブ54の開放端部がワイパーシール36および閉塞壁18に当接し、それにより、チューブ54と蓋体10との間に流体密封シールを形成する。図5Bから分かるように、収容装置50が直立して保持されているとき、試料採取器具60は液体62に漬かっている。
【0049】
上記から理解されるように、収容装置50を使用する方法は直感的にでき、訓練を受けていない使用者でも容易に実施できる。収容装置50を使用する方法は非常に単純であり、装置50の使用方法の指示を絵で示すことができる。また、少なくとも、試料採取装置52がコネクタ30に接続されて収容装置50がパッケージされる実施形態では、試料採取手順のいずれの時点でも使用者は試料採取装置52に触る必要がないので、試料の汚染の可能性を低減する。
【0050】
試料が採取されたら(すなわち収容装置50が図5Bに示す構成にある)、開封明示機能を収容装置50に付け加えることができることが考えられる。収容装置50が検査のために検査室に送られる例では、開封明示機能があることによって、検査室の職員は、検査室に届けられる前に試料に手が加えられたかどうかを知ることができる。使用できる開封明示機能の例は、蓋体10およびチューブ54の双方に取り付けられたテープ、シール、ラベル、および蓋体10がチューブ54からねじって取り外されると蓋体10から取り外される1つ以上のプラスチックリングが含まれるが、これらに限定されない。チューブ54は、バーコードや識別番号などの識別情報を含んで、収容装置50の追跡および識別を容易にし得ることも考えられる。
【0051】
閉塞体10にシース64(図5Aに仮想線で示す)を接続できることが考えられる。シース64は、蓋体10の中心付近に接続されるように示すが、蓋体10の端部付近に接続できることも考えられる。試料の採取前(すなわち収容装置50が図5Aに示す構成にある)、シース64は、チューブ54を保持する使用者の手、それゆえチューブ54を覆うように配置され、使用者の手を清浄に保ち、試料の採取中に保護するようにする。試料を採取したら(すなわち収容装置50が図5Bに示す構成にあるとき)、シース64はひっくり返されて、再びチューブ54を覆い(図5Bに示すように)、試料の採取中に汚染された可能性のあるシース64の表面が内側に向くようにする。次いでチューブ54をシース64の内側で取り囲むようにシースを封止し得ることが考えられる。あるいは、採取される試料に試料採取装置52を当てたら、またはその後いつでも収容装置50が図5Bに示す構成になったら、シース64を閉塞体10から取り外して廃棄できる。
【0052】
収容装置50を使用して、物質を表面に塗布することができることが考えられる。このタイプの応用では、試料採取装置52をアプリケータ(図示せず)で置き換える。アプリケータは、試料採取装置52のシャフト58と同類のシャフト、および塗布器具を含む。アプリケータは、試料採取装置52と同じ方法で蓋体10のコネクタ30に接続される。いくつかのタイプの試料採取装置をアプリケータとして使用することも考えられる。
【0053】
収容装置50は、物質を表面に塗布するために使用されるのものであり、収容装置50は、図5Bに示すようにパッケージされる(すなわちアプリケータをチューブ54の内部に入れた状態で)。チューブ54内の液体62は、例えば、局所的に塗布する必要のある薬とし得る。液体62を塗布するために、使用者はまずチューブ54から蓋体10をねじって取り外し、蓋体10をひっくり返してから、図5Aに示すように蓋体10をチューブ54にねじって戻す。次いで、ハンドルまたは採取棒としてチューブ54を使用することにより、使用者は、必要な表面に液体62を塗布する。塗布が完了したら、使用者は収容装置50を廃棄できるか、または使用者はチューブ54から蓋体10をねじって取り外し、図5Bに示すように蓋体10をチューブ54にねじって戻して、収容装置50を再び使用して液体62をさらに塗布することができる。
【0054】
ここで図6〜図18を参照して、蓋体10および収容装置50の種々の代替的な実施形態を説明する。簡単にするために、これらの実施形態の、蓋体10および収容装置50と同様の要素には同じ参照符号を付し、再度詳細に説明することはしない。蓋体10および収容装置50のこれらの代替的な実施形態は、上述のものと同様の方法によって製造でき、上述のものと同様の材料から作製できることを理解されたい。
【0055】
図6は、収容装置70の分解図を示す。収容装置70は、延長部72を加えて、収容装置50と同じ要素を有する。図6では、チューブ54の開放端部74およびねじ領域76を示す。延長部72は一方の端部に凹部78(仮想線で示す)を有してチューブ54の下端部を収容し、それにより、延長部72をチューブ54に接続させる。この実施形態では、使用者は延長部72を、収容装置50のようにチューブ54自体としてではなくハンドルまたは採取棒として使用する。それゆえ、延長部72があることによって使用者は試料を遠くから採取できる。
【0056】
図7〜図12Bは、蓋体の種々の実施形態を示し、それら全てを収容装置50および70と使用し得る。
【0057】
図7は蓋体80の断面を示す。蓋体80はコネクタ30Aを有する。コネクタ30Aは、開放端部32Aと閉鎖端部34Aとを有する、ほぼシリンダー状の中空コネクタ本体を有する。図に示すように、コネクタ30Aは閉塞壁18の一方の側面からのみ延出する。閉鎖端部34Aは閉塞壁18の外表面に対応する。閉鎖端部34Aは閉塞壁18より上方にあり得るかまたは閉塞壁18に窪みを形成し得ることが考えられる。コネクタ30Aに接続された試料採取装置52のシャフト58も図7に(仮想線で)示す。
【0058】
図8は蓋体82の断面を示す。蓋体82は2つのコネクタ30Bおよび30Cを有する。コネクタ30Bおよび30Cの各々は、開放端部32Bまたは32Cと閉鎖端部34Bまたは34Cとをそれぞれ有する、ほぼシリンダー状の中空コネクタ本体を有する。図に示すように、コネクタ30Bは閉塞壁18の一方の側面から延出し、コネクタ30Cは閉塞壁18の他方の側面から延出する。蓋体82は、試料採取装置を蓋体82のいずれの側にも接続できるため、収容装置50および70の組み立てを容易にする。試料採取装置を蓋体82の両側に接続することが考えられる。
【0059】
図9は蓋体84の断面を示す。蓋体84は2つのコネクタ30Dおよび30Eを有する。コネクタ30Dおよび30Eの各々は、開放端部32Dまたは32Eと閉鎖端部34Dまたは34Eとをそれぞれ有する、ほぼシリンダー状の中空コネクタ本体を有する。図に示すように、両コネクタ30Dおよび30Eは閉塞壁18の同じ側面から延出し、ワイパーシール36の半径方向内向きに並んで配置される。蓋体84は、2つの試料採取装置52、または2つのアプリケータ、またはそれらの一方を蓋体84に接続することを可能にする。
【0060】
図10は蓋体86の断面を示す。蓋体86はコネクタ30Fを有する。コネクタ30Fはほぼシリンダー状の中実コネクタ本体を有する。試料採取装置52をコネクタ30Fに接続するために、試料採取装置52のシャフト58は凹部88を有し、その内部にコネクタ30Fを収容できる。
【0061】
図11は蓋体90の断面を示す。蓋体90はコネクタ30Gを有する。コネクタ30Gは、開放端部32Gと閉鎖端部34Gとを有する、ほぼシリンダー状の中空コネクタ本体を有する。コネクタ30Gはまた、コネクタ30Gの内壁に形成された1つ以上の凹部92を有する。試料採取装置52をコネクタ30Gに接続するために、試料採取装置52のシャフト58は1つ以上のタブ94を有する。シャフト58がコネクタ30Gの内部に差し込まれると、1つ以上のタブ94が初めに湾曲し、その後、タブが1つ以上の凹部92に達すると真っ直ぐに戻り、それにより、シャフト58をコネクタ30Gに保持する。
【0062】
図12Bは蓋体100の断面を示す。蓋体100は、互いに接続される2つの閉塞体102、104で構成されている。図12Aは、互いに接続される前の2つの閉塞体102、104の断面を示す。閉塞体102は、シリンダー状壁106と、シリンダー状壁106の端部に接続された頂部108とを有する。シリンダー状壁106から内向きにねじ領域110が延在する。頂部108からは、蓋体80のコネクタ30Aと同様のコネクタ112が延出する。頂部108からは円形断面のワイパーシール114が延出し、閉塞体102の半径方向においてコネクタ112とシリンダー状壁106との間に配置される。蓋体100の取り扱いを容易にするために閉塞体102の外面116を隆起させる。閉塞体104は、シリンダー状壁118と、シリンダー状壁118の端部に接続された頂部120とを有する。シリンダー状壁118から内向きにねじ領域122が延在する。頂部108からは円形断面のワイパーシール124が延出する。蓋体100の取り扱いを容易にするために閉塞体104の外面126を隆起させる。両ねじ領域110および122は、蓋体100が接続される容器のねじ領域を補完するように設計する。蓋体100を形成するために頂部108は頂部120に接続され、両閉塞体102、104が、図12Bに示すようにほぼ同軸となるようにする。頂部108を頂部120に溶接によって、例えば摩擦溶接によって接続し得ることが考えられる。頂部108を頂部120にボンディングすることによって、例えば液状接着剤または両面接着テープによって接続し得ることも考えられる。頂部108を頂部120に機械的な締結によって、例えば、頂部108および120の一方に締結具の雄型部分および頂部108および120の他方に締結具の雌型部分を設けることによって接続し得ることも考えられる。閉塞体102と104とを互いに機械的に締結する、考えられる別の方法は、それらの頂部108および120を互いに当接させて配置された2つの閉塞体102および104の周りでプラスチックチューブを熱収縮させることにある。チューブの内面に接着材を塗布して接続を強化し得ることも考えられる。閉塞体104は閉塞体102と同一であり、蓋体100が上述の蓋体82と似ていることも考えられる。閉塞体102、104の一方または双方を、蓋体100が蓋体84、86および90のいずれか1つに似るように修正し得ることも考えられる。
【0063】
図13A〜図13Dは、収容装置130A〜130Dをそれぞれ示す。収容装置130A〜130Dは、上述の蓋体10の構成と同様の構成を有するが、異なるタイプのコネクタを備える蓋体132A〜132D(その内部の特徴を示すためにその一部分を仮想線で示す)を含む。蓋体132A〜132Dは各々、それぞれ対応するアダプタ136A〜136Dの対応する雌型または雄型コネクタを接続するように適合された雄型または雌型コネクタ134A〜134Dをそれぞれ有する。アダプタ136A〜136Dを使用して、試料採取装置52A〜52Dをそれぞれ接続する。図に示すように、蓋体132A〜132Dの各々は、異なる形状の雄型または雌型コネクタ134A、134B、134C、または134Dを使用して、それらの対応するアダプタ136A、136B、136C、または136Dを接続する。図13A〜13Dはまた、異なるタイプの試料採取装置52A〜52Dを示す。試料採取装置52Aの試料採取器具60Aはスワブである。試料採取装置52Bの試料採取器具60Bは、表面積を大きくするような形状にされたスポンジである。試料採取装置52Cの試料採取器具60Cはブラシである。試料採取装置52Dの試料採取器具60Dは円錐形ブラシである。異なる試料採取装置が同一のアダプタを有することもでき、異なる試料採取装置を蓋体に設け得ることが考えられる。
【0064】
上述の蓋体100の閉塞体102および104は、閉塞体102を閉塞体104に接続するために図13A〜図13Dに関連して上述したものと同様の雄型/雌型コネクタを備え得ることが考えられる。
【0065】
ここで図14を参照して収容装置140を説明する。収容装置140は、上述の試料採取装置52、チューブ142、蓋体144、およびチューブ142内の液体62を含む。チューブ142は開放端部146およびねじ領域148を有する。図に示すように、ねじ領域148は開放端部146の内側に配置される;それゆえ、蓋体144のねじ領域は、以下詳細に説明するように、蓋体144の表面の外側に配置される。収容装置140を備える試料採取方法は、収容装置50で使用された方法と同じである。
【0066】
蓋体140は、閉塞壁155によって2つのシリンダー状部分152および154に分離された閉塞体150を有する。シリンダー状部分152は、その外壁から外向きに延出するねじ領域156を備える。同様に、シリンダー状部分154は、その外壁から外向きに延出するねじ領域158を備える。両ねじ領域156および158は、チューブ142のねじ領域148を補完するように設計されているので、両部分152および154をチューブ142にねじ込むことができる。蓋体140は、図示のようにチューブ142の外側部分を覆うシリンダー状外壁160を有する。蓋体140は、シリンダー状部分152に一体的に形成されたコネクタ162を有し、試料採取装置52のシャフト58を収容する。
【0067】
蓋体140を、図14に示すように単一部品として一体的に形成する代わりに、一緒に結合された2つ以上の別個の部品で作製し得ることが考えられる。
【0068】
図15および図16は、収容装置140と使用し得る蓋体の代替的な実施形態を示す。簡単にするために、蓋体144の要素と同様のこれらの実施形態の要素には同じ参照符号を付し、再度詳細に説明することはしない。
【0069】
図15は、シリンダー状外壁160が取り除かれていることを除いて、蓋体144と同じ特徴を有する蓋体164を示す。図16は、閉塞壁155も取り除かれていることを除いて、蓋体164と同じ特徴を有する蓋体166を示す。
【0070】
ここで図17を参照して収容装置200を説明する。収容装置200は、蓋体10、2つのチューブ54Aおよび54B、および試料採取装置52を含む。チューブ54Aおよび54Bは上述のチューブ54と同様のものである。チューブ54Aおよび54Bは同一でも異なってもよいこと、チューブ54Aおよび54Bの少なくとも一方は、異なるタイプの容器で置き換えられることが考えられる。チューブ54Aを蓋体10の部分14にねじ込み、チューブ54Bを蓋体10の部分16にねじ込む。蓋体80、82、84、86、90、100、および132A〜132Dのいずれか1つを代わりに収容装置200に使用することが考えられる。試料採取装置52を収容装置200とは別個に(すなわち蓋体10に予め組み立てずに)設け得ることも考えられる。試料採取装置52は、上述の蓋体82を使用することによってチューブ54の各々に延在し得ることも考えられる。
【0071】
物質、例えば液体62または別の物質を、チューブ54Aおよび54Bの一方にのみまたはチューブ54Aおよび54Bの双方にもたらすことができる。あるいは、両チューブ54Aおよび54Bを空にすることができる。一実施形態では、チューブ54Aは空であり、試料の採取前、試料採取装置52を保護するために使用される。別の実施形態では、チューブ54Aは、試料が採取される場所を準備するためまたは清浄にするために使用できる溶液を含む。
【0072】
収容装置200を使用するために、蓋体の部分14を、まず蓋体10からねじって取り外す。次いで使用者は、上述のように、ハンドルまたは採取棒としてチューブ54Bを保持し、試料を採取する。その後使用者は、チューブ54Bから蓋体10をねじって取り外す。最後に、使用者は試料採取装置をチューブ54Bに差し込み、蓋体10の部分14をチューブ54Bにねじ込む。任意に、その後使用者は蓋体10の部分16をチューブ54Aにねじ込んでもよい。
【0073】
図18は、上述の収容装置50、70、および200のいずれか1つと使用し得る蓋体210の断面を示す。蓋体210は、2つの閉塞体102Aおよび102Bと、2つのコネクタ212および214とで構成されている。2つの閉塞体102Aおよび102Bは上述の閉塞体102と同様の構造を有する。そのようなものとして、蓋体102の要素に対応する2つの閉塞体102Aおよび102Bの要素には、場合によっては添え字AまたはBを加えて同じ参照符号を付し、再度詳細に説明することはしない。2つの閉塞体102Aおよび102Bは同一であるとして示すが、上述の蓋体100においてそれらは異なり得ることが考えられる。閉塞体102Aおよび102Bは射出成形されるが、他の製造方法を考えることもできる。両閉塞体102Aおよび102Bは同一であるため、それらの作製に同じ型を使用することができる。しかしながら、閉塞体102Aを成形するとき、頂部108Aに接続させるために型にコネクタ212を挿入する。同様に、閉塞体102Bを成形するとき、頂部108Bに接続させるために型にコネクタ214を挿入する。コネクタ212および214は、閉塞体102Aおよび102Bの成形後、それらの各上部108Aおよび108Bに接続できることが考えられる。例えば、コネクタ212および214は、それらの各上部108Aおよび108Bにボンディングされる。図に示すように、コネクタ212および214は各々、雄型−雌型コネクタの一部を形成する。蓋体210を組み立てるために、コネクタ214の雄型部分をコネクタ212の雌型部分に差し込むので、摩擦嵌合によって閉塞体102Aを閉塞体102Bに接続する。コネクタ212および214を、それらの間に異なるタイプの接続を提供するように設計することが考えられる。例えば、コネクタ212および214は各々、プレッシャーファスナー(pressure fastener)(すなわちスナップ)の一部を形成できる。
【0074】
上述の蓋体の実施形態の少なくとも一部では、ねじ領域を別のタイプの係合手段で置き換えることができること、および容器は相補的な係合手段を備えることが考えられる。上述の蓋体の実施形態の少なくとも一部では、ねじ領域を省略できること、および蓋体と容器との間の締まり嵌めまたは中間嵌め(transition fit)によって蓋体を容器に接続できることも考えられる。
【0075】
本発明の上述の実施形態の修正および改良は、当業者には明らかとなる。上述の説明は、限定ではなく例示を意図したものである。それゆえ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年5月14日出願の米国仮特許出願第61/178,311号の優先権を主張し、その全体が本書に援用される。
【0002】
本発明は、容器の蓋体、それを使用する収容装置、および試料採取方法に関する。
【背景技術】
【0003】
生体試料が、(例えば、特定の症状の存在もしくは状態、またはウィルスや細菌性微生物などの特定の病原菌の存在を決定するため、または家畜のトレーサビリティなどのために遺伝子型決定行うために)分析され、保存され(banked)、および/またはアーカイブされる臨床検査室に届けるために、キャップと容器とを組み合わせたタイプの採取装置が、生体試料を収容して保管するために一般に使用されている。生体試料は病原生物を含んでいることがあるため、採取装置は、採取場所から分析する場所までの輸送中、実質的に漏れを防止するように、確実に構成することが重要である。汚染を防いで試料の完全性(integrity)を維持するために装置を実質的に漏れ防止性にすることも重要である。採取装置のこの特徴は、臨床検査室と採取場所が互いに離れており、輸送中に採取装置が逆さにされたり激しく押されたりする可能性が高く、かなりの温度および圧力の変動にさらされる可能性がある場合に特に重要である。さらに、採取装置は非技術者が使用しても便利であることが重要である。
【0004】
公知のように、遺伝子型決定および疾患検出は、被検査対象から採取した生体試料を使用して行うことができる。遺伝子型決定および疾患検出検査を実施するために、一般に静脈血、髪、または組織試料を採取するが、これらの採取および処理は困難であることがある。代替的な1つの方法は、核酸を含む生体試料を採取することであり、これらは、上述の試料よりも処理が容易であり、かつ遺伝子型決定および疾患検出にも使用できる。核酸を含む生体試料は、例えば、唾液、痰、膣および鼻の粘膜試料を含む。処理が容易であることに加え、核酸を含む生体液の採取の手順は、静脈血、髪、または組織試料の採取よりも侵襲性が低い傾向がある。
【0005】
一般に、(静脈または動脈血以外の)生体液の採取は、採取が簡単であり、容易に入手可能であり、およびそのような生体液の採取方法は供与者に対して低侵襲であり、安価で実施できる。静脈血または動脈血および一部の組織の採取には、医者、採血者(phlebotomist)および獣医のような、高度な訓練を受けた専門家が必要とされる。ほとんどの生体液は、訓練を受けていない人でも、監視のない状況(例えば、家、農場)において採取することができる。
【0006】
定期的に採取され保管される他の生体試料は、(例えば、生物学的製剤、放射性同位体などによって)汚染された可能性のある表面のスワブ、上皮細胞のような生物組織、(例えば屠体からの)組織プラグやスライスまたは地質試料が含まれるが、これらに限定されない。
【0007】
生体試料採取の1つの標準方法は、生体試料を採取するために、スワブ、ブラシまたはナイフなどの試料採取装置を用いること、次いで、共栓管に試料採取装置を入れることを含む。任意に、共栓管は、保存液および/または輸送培地で予め満たされていてもよい。次いで、共栓管は、試料に含まれた核酸を検査できる検査室に送られる。
【0008】
しかしながら、この生体試料採取方法は試料の汚染を発生させ得る。生体液に試料採取装置を当てる前に栓を取り外す必要があるため、不要な物質がチューブに入り込むかもしくは試料が収集されている際に栓が不要な物質と接触する危険が増すか、または栓がチューブから外されている間、収集された試料の入った試料採取装置を下に置く必要があるため、スワブの試料が直接汚染される危険が増すかのいずれかである。これらの問題を最小限にするために、一般に、第2の対の手および/またはラック/滅菌容器/袋を準備する必要があり、これは、採取プロセスをより複雑で時間のかかるものとする。
【0009】
汚染および二次汚染の別の原因は、使用者の試料採取装置の取り扱いである。使用者は、スワブまたは他の採取装置のハンドルを掴んで、ソースから試料を採取する必要がある。スワブ/採取装置全体がチューブに入れられるので、手にグローブをはめていても、チューブに汚染物質を入れてしまう重大な危険性がある。
【0010】
試料二次汚染に関する懸念は、栓の使用にもつきものである。そのような懸念は、採取される試料が、これらに限定されないが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、分岐鎖DNA(bDNA)アッセイ、転写媒介性増幅(TMA)、および逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)などの核酸のハイブリダイゼーションおよび/または増幅を用いる分子診断技術で使用される場合に、特に深刻である。増幅は、試験体に存在する被標的核酸配列の量を増やすことによって分析感度を高めるためのものであるため、1つの容器から微量の試験体をまたは陽性対照試料から標的核酸を別の容器に移すことも、混乱する結果または不正確な結果を生じ得る。同様に、ハイブリダイゼーションベースのアッセイは、試料の二次汚染による影響を受けることがある。
【0011】
チューブまたは試料採取容器から栓を取り外す際、栓を取り外すのに必要な引く動きによって保存液および/または輸送培地の一部がこぼれる可能性がある。同様に、試料採取後、いずれかの試料が栓に付いている場合、栓を取り外す際に試料が飛び散るかまたはこぼれることがある。これは、検査または遺伝子型決定のために(例えば、トレーサビリティおよび血統のため)、飼っている動物から生体試料を採取する必要がある農家などの、そのような装置に慣れていない人が試料採取を行う必要がある場合に、発生しやすくなる。
【0012】
さらに、試料が採取された場所から検査室までの輸送中に、栓から漏れたり、栓が外れたりすることがある。この問題は、使用者が訓練を受けていないかまたは非技術者である場合に、より明白になる。
【0013】
さらに、栓が、適切な密閉性をもたらすために容器の開口部に十分に押し込まれたかを判断することは困難である場合がある。
【0014】
加えて、栓は、生体試料を汚染し得る成分を含むゴム、または同様の材料で作製されることが多い。これは、試料にしみ出る可能性のあるゴムの成分が核酸増幅を妨害または干渉すると知られているため、試料が核酸分析に使用される場合には特に問題となり得る。
【0015】
最後に、試料が採取された後、試料採取装置が容器内部で実質的にゆるんでいると、試料処理のための試料採取装置の自動検索が困難である。それゆえ、このステップは通常手動で行われ、試料の汚染および二次汚染の双方を発生させ得る。
【0016】
それゆえ、試料の汚染の可能性、および試料を入れる前後に保存液および/または輸送培地が漏れるかまたはこぼれる可能性を低減させる試料採取の装置および方法が必要とされている。
【0017】
さらに、農場および/または野外の条件下で動物またはヒトの生体試料を獲得することは、動物のふるまいが予測できないことおよび/または農場または野外の条件自体が非衛生的または極度の自然であるために、特に難しい。
【0018】
それゆえ、迅速かつ安全に生体試料を採取する装置および方法も必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、従来技術に存在する不都合の少なくともいくつかを改善することにある。
【0020】
本発明の目的はまた、試料採取装置またはアプリケータがコネクタの一方の端部から延出するように、試料採取装置およびアプリケータの一方を接続するコネクタを有する両面蓋体を提供することにある。蓋体は、蓋体の両端部を容器に接続できるように設計する。
【0021】
本発明の別の目的は、容器と、上述の蓋体と、試料採取装置およびアプリケータの一方とを含む収容装置を提供することにある。
【0022】
本発明のさらに別の目的は、上述の収容装置を使用して試料採取方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
一態様では、本発明は容器用の蓋体を提供する。容器は開放端部を有する。蓋体は閉塞体を有する。閉塞体は第1のシリンダー状部分と、第1の部分に対向する第2のシリンダー状部分とを有する。蓋体はまた、第1の部分および第2の部分の少なくとも一方に配置されたコネクタを有する。コネクタは、蓋体に試料採取装置およびアプリケータの一方を接続するように適合される。
【0024】
別の態様では、第1のシリンダー状部分は第1のねじ領域を有し、第2のシリンダー状部分は第2のねじ領域を有し、および第1および第2のねじ領域は、容器の開放端部付近に配置された容器のねじ領域に相補的であり、それと係合する。
【0025】
別の態様では、本発明は、開放端部および開放端部付近にねじ領域を有する容器と、上述の蓋体と、試料採取装置およびアプリケータの一方とを有する収容装置を提供する。蓋体は、容器の開放端部に第1の構成および第2の構成で選択的に接続可能である。コネクタは閉塞体の第2の部分に配置される。試料採取装置およびアプリケータの一方はコネクタに接続され、かつ閉塞体の第1の部分から離れるように閉塞体の第2の部分から延出する。蓋体が容器の開放端部に第1の構成で接続されるとき、蓋体の第1のねじ領域は容器のねじ領域に係合し、かつ試料採取装置およびアプリケータの一方は容器の外側に配置され、それから離れて延在する。蓋体が容器の開放端部に第2の構成で接続されるとき、蓋体の第2のねじ領域が容器のねじ領域に係合し、試料採取装置およびアプリケータの一方が容器の内側に配置される。
【0026】
さらに別の態様では、本発明は容器用の蓋体を提供する。容器は開放端部を有する。蓋体は第1の閉塞体および第2の閉塞体を有する。第1の閉塞体は、第1のシリンダー状壁と、第1のシリンダー状壁の端部に接続された第1の頂部とを有する。第2の閉塞体は、第2のシリンダー状壁と、第2のシリンダー状壁の端部に接続された第2の頂部とを有する。蓋体はまた、第1の閉塞体および第2の閉塞体の少なくとも一方に配置されたコネクタを有する。コネクタは、蓋体に試料採取装置およびアプリケータの一方を接続するように適合される。第1の頂部は、第1の閉塞体と第2の閉塞体がほぼ同軸となるように、第2の頂部に接続される。
【0027】
別の態様では、第1の閉塞体は、第1のシリンダー状壁から内向きに延出する第1のねじ領域を有する。第1のねじ領域は、容器の開放端部付近に配置された容器のねじ領域に相補的であり、それに係合する。第2の閉塞体は、第2のシリンダー状壁から内向きに延出する第2のねじ領域を有する。第2のねじ領域は、容器のねじ領域に相補的であり、それに係合する。
【0028】
別の態様では、本発明は、開放端部および開放端部付近にねじ領域を有する容器と、上述の蓋体と、試料採取装置およびアプリケータの一方とを含む収容装置を提供する。蓋体は、容器の開放端部に第1の構成および第2の構成で選択的に接続可能である。コネクタは第2の閉塞体に配置される。試料採取装置およびアプリケータの一方はコネクタに接続され、かつ第1の閉塞体から離れるように第2の閉塞体から延出する。蓋体が容器の開放端部に第1の構成で接続されるとき、第1の閉塞体の第1のねじ領域が容器のねじ領域に係合し、試料採取装置および容器の一方が容器の外側に配置され、そこから離れるように延在する。蓋体が容器の開放端部に第2の構成で接続されるとき、第2の閉塞体の第2のねじ領域は容器のねじ領域に係合し、試料採取装置およびアプリケータの一方は容器の内側に配置される。
【0029】
別の態様では、本発明は、上述の蓋体の1つと、蓋体の第1のねじ領域に係合するねじ領域を有する第1の容器と、蓋体の第2のねじ領域に係合するねじ領域を有する第2の容器とを有する収容装置を提供する。
【0030】
さらに別の態様では、本発明は、収容装置を使用する試料採取方法を提供する。収容装置は、容器と、第1の部分および第1の部分に対向する第2の部分を有する蓋体と、蓋体に接続された試料採取装置とを含む。試料採取装置は、蓋体の第1の部分から離れるように蓋体の第2の部分から延出する。方法は:容器を保持することによって、採取される試料に試料採取装置を当てるステップであって、容器がその開放端部にねじ込まれた蓋体の第1の部分を有する、ステップ;蓋体の第1の部分を容器の開放端部からねじって取り外すステップ;試料採取装置を容器に差し込むステップ;および蓋体の第2の部分を容器の開放端部にねじ込むステップを含む。
【0031】
さらに別の態様では、本発明は容器用の蓋体を提供する。容器は開放端部を有する。蓋体は閉塞体を有する。閉塞体は、第1のシリンダー状部分と、第1の部分に対向する第2のシリンダー状部分とを有する。試料採取装置およびアプリケータの一方は閉塞体に接続され、閉塞体の第1の部分から離れるように閉塞体の第2のシリンダー状部分から延出する。
【0032】
本発明の実施形態は各々、上述の目的および/または態様の少なくとも1つを有するが、必ずしもそれら全てを有しはしない。当然のことながら、上記の目的を実現するための試みから生じた本発明の一部の態様は、これらの目的を満たさなくてもよいし、および/または本書で明確に説明していない他の目的を満たしてもよい。
【0033】
本発明の実施形態の追加的および/または代替的な特徴、態様、および利点は、以下の説明、添付の図面および添付の特許請求の範囲から明らかとなる。
【0034】
本発明、ならびに他の態様およびそのさらなる特徴をより理解するために、添付の図面と併せて使用される以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】容器用の蓋体の斜視図である。
【図2】図1の蓋体の端面図である。
【図3】図1の蓋体の側面図である。
【図4】図2の線A−Aに沿って取った図1の蓋体の断面である。
【図5A】蓋体の一部分が容器にねじ込まれている、図1の蓋体を使用する収容装置の側面図である。
【図5B】蓋体の別の部分が容器にねじ込まれている、図5Aの収容装置の側面図である。
【図6】収容装置の代替的な実施形態の分解側面図である。
【図7】図1の蓋体の代替的な実施形態の断面である。
【図8】図1の蓋体の代替的な実施形態の断面である。
【図9】図1の蓋体の代替的な実施形態の断面である。
【図10】図1の蓋体の代替的な実施形態の断面である。
【図11】図1の蓋体の代替的な実施形態の断面である。
【図12】図12Aは2つの閉塞体を有する図1の蓋体の別の代替的な実施形態の断面であり、2つの閉塞体の組み立て前を示す。図12Bは2つの閉塞体が互いに接続されている図12Aの蓋体の断面である。
【図13A】収容装置の代替的な実施形態の概略的な側面図である。
【図13B】収容装置の代替的な実施形態の概略的な側面図である。
【図13C】収容装置の代替的な実施形態の概略的な側面図である。
【図13D】収容装置の代替的な実施形態の概略的な側面図である。
【図14】収容装置の別の代替的な実施形態の断面である。
【図15】図14の収容装置と使用するための蓋体の代替的な実施形態の断面である。
【図16】図14の収容装置と使用するための蓋体の別の代替的な実施形態の断面である。
【図17】収容装置の代替的な実施形態の側面図である。
【図18】蓋体の別の代替的な実施形態の断面である。
【図19】図19A〜19Cは収容装置の一実施形態を使用するウシからの鼻の試料の採取ステップを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1〜図4を参照して、本発明の態様による容器用の蓋体10を説明する。図1〜図4から理解されるように、蓋体10は、外表面にねじ領域を有する容器と使用するためのものである。蓋体10は、閉塞壁18によって2つのシリンダー状部分14および16に分離された閉塞体12を有する。シリンダー状部分14には、シリンダー状内壁22から内向きに延出するねじ領域20が設けられている。同様に、シリンダー状部分16には、シリンダー状内壁26から内向きに延出するねじ領域24が設けられている。両ねじ領域20および24は、蓋体10が接続される容器のねじ領域を補完するように設計されているので、両部分14および16を容器にねじ込むことができる。各ねじ領域20、24を、一本山ねじを有するものとして示すが、各ねじ領域20、24が、蓋体10が接続される容器のねじ領域を補完するのに必要である場合には、複数のねじ山を有することも考慮できる。蓋体10を容器にねじ込んだり、容器からねじって取り外したりするときなどの蓋体10の取り扱いを容易にするために、閉塞体12の外面28には剛性がある。閉塞体12を、ほぼシリンダー状の外形を有するものとして示すが、他の形状を有し得ることも考慮される。例えば、閉塞体12の外形を多角形として、蓋体の側面が表面に置かれたときにその表面上で蓋体が転がらないようにする。
【0037】
蓋体10は、部分14、16のシリンダー状内壁22、26によって画成された空間に、閉塞壁18を通って閉塞壁18から延出するコネクタ30を有する。コネクタ30は、開放端部32と閉鎖端部34とを備えるほぼシリンダー状の中空体を有する。下記で詳細に説明するように、コネクタ30は、試料採取装置およびアプリケータの一方を接続するように適合されている。そのため、コネクタ30は、試料採取装置またはアプリケータの特定の形状を受け入れるように適合されるように、ほぼシリンダー状以外の形状を有し得ることが考慮される。例えば、接続される試料採取装置が四角形の断面のシャフトを有する場合、コネクタ30は、四角形の断面の中空体を有し得る。コネクタ30は、閉塞壁18を通って部分16まで延在することによって、内部に収容される試料接続装置またはアプリケータの安定性を向上させる相当な長さをシリンダー状の中空体が有することを可能にする。図4から最もよく分かるように、コネクタ30のほぼシリンダー状の中空体は、開放端部32から閉鎖端部34へ先細になっている。ほぼシリンダー状の中空体が先細になっていることによって、成形プロセスを使用して蓋体10が作製されている場合に、型からの蓋体10の取り外しを容易にする。ほぼシリンダー状の中空体が先細になっていることによって、ほぼシリンダー状の中空体が接続部分の直径の変動に適応するために製造上の公差、および差し込まれる試料採取装置またはアプリケータの接続部分のサイズのばらつきも小さくすることが可能となる。
【0038】
蓋体10はまた、対のワイパーシール36、38を備える。図4から最もよく分かるように、ワイパーシール36は、シリンダー状内壁22によって画成された空間にある閉塞壁18から延出する。同様に、ワイパーシール38は、シリンダー状内壁26によって画成された空間にある閉塞壁18から延出する。両ワイパーシール36、38とも、コネクタ30とそれらの対応するシリンダー状内壁22または26との間に、閉塞体12の半径方向に配置される。容器の開放端部は、第1のシリンダー状部分14が容器に接続されるとワイパーシール36とシリンダー状内壁22との間の空間に収容され、かつ第2のシリンダー状部分16が容器に接続されるとワイパーシール38とシリンダー状内壁26との間の空間に収容され、ワイパーシール36または38が、場合によっては、容器の内部表面に接触して容器と蓋体10との間に流体密封シールを形成するようにする。他のタイプのシールを使用し得ることも考えられる。
【0039】
好ましくは、容器および蓋体10を、容器と蓋体10との間に形成された流体密封シールが、空輸の間などの、容器と蓋体とを有する収容装置の長期保存および輸送から生じ得る広範囲の温度および気圧にわたって流体密封状態を保つように製造する必要がある。閉塞壁18、ねじ領域20、24、およびワイパーシール36、38の1つ以上にエラストマー材料を施して、容器と蓋体10との間に形成されたシールを向上することが考えられる。エラストマー材料は、蓋体10に施した熱可塑性エラストマー(TPE)とする一方、蓋体10は、二重射出成形プロセスを使用することによって成形される。
【0040】
図1〜図4に示す実施形態では、閉塞体12、閉塞壁18、ねじ領域20、24、コネクタ30、およびワイパーシール36、38は全て一体的に形成される。しかしながら、これらの要素の1つ以上を別個に製造し、その後、他の要素に接続し得ることが考えられる。図1〜図4に示す蓋体10は射出成形されるが、他の製造方法、例えば機械加工も考えられる。蓋体10に追加的な特徴を加えることも考えられる。例えば、シリンダー状部分14および16と閉塞壁18との間の接合部の一方または双方にフィレットを加えてシリンダー状部分14および16および/または容器の広がりを防止するのを助けうる。
【0041】
蓋体10の考えられる使用の1つは、遺伝子型決定または疾患検出のための生体液または組織の試料の採取に使用される収容装置の蓋体としてである。そのようなものとして、このタイプに適用するための蓋体10の製造に使用される材料は、採取された試料および収容装置で使用される保存用試薬または輸送/安定化培地と反応せず、材料から試料、試薬または培地へ浸出または脱気されるいずれの化学物質とも反応しない必要がある。一般的に、食品および医療グレードのプラスチックはこれらの条件に適合する。材料はまた、(病原菌を死滅させるための)照射(ガンマ線および電子線滅菌)、高圧蒸気殺菌法、エチレンオキシド、および不活化手順を使用する滅菌にも耐える必要がある。さらに、材料はまた、長期保存にも、試料は4℃でまたは−20℃〜−80℃の冷凍庫および液体窒素で保管または保存されることが多いため低温にも、および一部の処理または抽出プロトコールは例えば50℃〜100℃の範囲の温度でのインキュベーションを必要とすることもあるため高温にも耐える必要がある。最後に、材料は、輸送中に損傷されず、空輸に関連する極端な温度および気圧低下に耐えることができる程度に十分な強度を有する必要がある。このタイプの応用に好適な材料の一部は、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート、および熱可塑性エラストマー材料である。
【0042】
ここで図5Aおよび図5Bを参照して、収容装置50、および収容装置50の使用方法を説明する。収容装置50は、上述の蓋体10、容器、および試料採取装置52を含む。
【0043】
容器は、開放端部と開放端部付近にねじ領域(図示せず)とを有するチューブ54である。チューブ54は二重底56を有する。このタイプのチューブは、収容装置50を使用して、遺伝子型決定または疾患検出のために生体液および組織の試料を採取する応用において有利である。なぜなら、二重底56によって、チューブ54の側面に触れることなくピペットまたは自動リキッドハンドラによって試料に到達するのが容易になる一方、チューブ54の長さによって、標準のラボラックおよびリキッドハンドラでの使用に好適になり、かつ使用者の取り扱いも簡単になるためである。例示的な実施形態では、チューブ54は、Starplex Scientific Inc.製の5mlの二重底バイアルである。完全長のバイアルまたはボトルなどの他のタイプの容器も使用し得ることが考えられる。理解されるように、蓋体10の寸法およびねじ領域20、24の特徴は、選択した容器のタイプおよびそのねじ領域を補完するように適合される。
【0044】
試料採取装置52はシャフト58および試料採取器具60を含む。シャフト58は、一方の端部がコネクタ30のほぼシリンダー状の中空コネクタ本体に収容されているので、試料採取装置52を摩擦嵌合によって蓋体10に接続する。試料採取器具60は、シャフト58の他方の端部に接続される。図示の実施形態では、試料採取器具60はスワブである。試料採取器具60を、採取すべき試料のタイプに好適とするように別のタイプとし得ることが考えられる。他の試料採取器具60の例としてはスポンジ、ブラシ、スパチュラ、ループ、スクレーパ、スプーン、スクープ、圧抵器、毛細管、組織パンチ、吸収性固体マトリクス、例えば吸収紙様の材料、および大口径の針を含む。試料採取装置52は、試料採取装置52が例えば舌圧子である場合のように、単一部品を含むことができることも考えられる。試料採取装置52と蓋体10を一体式に形成できることも考えられる。
【0045】
収容装置50は、好ましくは、剥離式バッキングに封止された可撓性ブリスターにパッケージされているが、他のタイプのパッケージングも考えられる。収容装置50は、好ましくは、図5Aに示すように組み立てられてパッケージされ(すなわち部分16がチューブ54にねじ込まれ、試料採取装置52がコネクタ30に接続される)、収容装置の使用者が試料採取装置52を取り扱う量を少なくしており、それゆえ試料を汚染する危険性が低減している。しかしながら、試料採取装置52を、収容装置50の残りの部分と分離しているパッケージに配置して、それにより、パッケージを短くできることが考えられる。試料採取装置52を組み立て済みの蓋体10とチューブ54とは別に設けることができることも考えられる。
【0046】
多くの応用では、試料は、採取されたら、例えば保存用試薬または輸送もしくは安定化培地などの物質、例えば生体分子安定化組成物または検定用試薬もしくは処理試薬、例えば抽出試薬、またはこれらの機能の2つ以上の組み合わせを有する試薬に浸漬させる必要がある。例えば、採取される試料が核酸を含む生体液である応用では、物質を、2003年12月18日公開の国際公開第2003/104251A2号パンフレットおよび2008年4月10日公開の国際公開第2008/040126A1号パンフレットで説明されているものなどの核酸安定化組成物とし得る(それらの全体を本願明細書に援用する)か、または2006年9月21日公開の国際公開第2006/096973A1号パンフレットで説明されているものなどの、直接増幅する安定化組成物とし得る(その全体を本願明細書に援用する)。収容装置50は、パッケージング前に直接チューブ54の内部に入れられるそのような物質、液体62を含む。蓋体10によって形成された流体密封シールは、液体62がチューブ54から漏れないようにする。あるいは、液体62は、以下説明するように(図5B参照)、チューブ54にある壊れやすい膜、カプセルまたはブラダー内に保管でき、それは試料採取装置52がチューブ54に差し込まれると破裂するので、チューブ54に液体62を放出する。保存用試薬または輸送もしくは安定化培地、またはそれらの一部のような物質は、試料が採取されたら容器の内部に面する蓋体10の表面(例えば閉塞壁18の表面)上で乾燥し得ることも考えられる。この実施形態では、取り付けられた試料採取装置またはアプリケータを使用せずに蓋体を使用することが可能である。乾燥剤、保存用試薬または輸送もしくは安定化培地などの物質は、チューブ54の内側面上で乾燥し得ることも考えられる。
【0047】
試料を採取するために収容装置50を使用する方法を以下説明する。簡単にするために、方法は、液体62が既にチューブ54に存在し、かつ試料採取装置52がコネクタ30に接続されていると仮定して説明する。そうでない場合には、チューブ54に液体62を注いで、試料採取装置52をコネクタ30に接続する追加的なステップが必要であることを理解されたい。試料を空のチューブ54(すなわち液体62を有しないチューブ54)に採取できることも考えられる。
【0048】
収容デバイス50の使用者は、まず、既に図5Aに示す構成にある収容装置50をパッケージングから取り外す。上述のように、収容装置50が図5Aに示す構成にある場合、蓋体10のシリンダー状部分16はチューブ54の開放端部にねじ込まれていて、ねじ領域24がチューブ54のねじ領域に係合し、かつ試料採取装置52が蓋体10の他方の端部から延出している。この構成では、チューブ54の開放端部はワイパーシール38および閉塞壁18に当接しており、それにより、チューブ54と蓋体10との間に流体密封シールを形成する。次いで使用者は、ハンドルまたは採取棒の機能を果たすチューブ54を保持し、試料採取器具60を、採取される試料、例えばヒト、ウシ、ヒツジ、またはイヌの、例えば鼻粘膜に当てる。図19Aは、ウシから鼻の試料を採取するこのステップを示す。理解されているように、試料を採取するために試料採取器具60を試料に当てるのに必要な動作は、試料のソースおよび使用される試料採取器具60のタイプに依存して変化する。例えば、試料採取器具60がブラシである場合にはブラッシング動作が行われ、試料採取器具60がスクレーパである場合にはこすり取る動作が行われ、および試料採取器具60が針または組織パンチである場合には突き刺す動作が行われる。次いで、使用者は、図19Bに示すようにチューブ54から蓋体10をねじって取り外し、図19Cに示すように、試料採取装置52がコネクタ30に接続されるように蓋体10の向きを変えて、試料採取装置52をチューブ54に差し込む。次いで、使用者は、蓋体10のシリンダー状部分14をチューブ54の開放端部にねじ込んで、ねじ領域20がチューブ54のねじ領域に係合するようにする。このとき、収容装置50は、図5Bに示す構成にあり、例えば、検査のために検査室に送られる準備が整っている。この構成では、チューブ54の開放端部がワイパーシール36および閉塞壁18に当接し、それにより、チューブ54と蓋体10との間に流体密封シールを形成する。図5Bから分かるように、収容装置50が直立して保持されているとき、試料採取器具60は液体62に漬かっている。
【0049】
上記から理解されるように、収容装置50を使用する方法は直感的にでき、訓練を受けていない使用者でも容易に実施できる。収容装置50を使用する方法は非常に単純であり、装置50の使用方法の指示を絵で示すことができる。また、少なくとも、試料採取装置52がコネクタ30に接続されて収容装置50がパッケージされる実施形態では、試料採取手順のいずれの時点でも使用者は試料採取装置52に触る必要がないので、試料の汚染の可能性を低減する。
【0050】
試料が採取されたら(すなわち収容装置50が図5Bに示す構成にある)、開封明示機能を収容装置50に付け加えることができることが考えられる。収容装置50が検査のために検査室に送られる例では、開封明示機能があることによって、検査室の職員は、検査室に届けられる前に試料に手が加えられたかどうかを知ることができる。使用できる開封明示機能の例は、蓋体10およびチューブ54の双方に取り付けられたテープ、シール、ラベル、および蓋体10がチューブ54からねじって取り外されると蓋体10から取り外される1つ以上のプラスチックリングが含まれるが、これらに限定されない。チューブ54は、バーコードや識別番号などの識別情報を含んで、収容装置50の追跡および識別を容易にし得ることも考えられる。
【0051】
閉塞体10にシース64(図5Aに仮想線で示す)を接続できることが考えられる。シース64は、蓋体10の中心付近に接続されるように示すが、蓋体10の端部付近に接続できることも考えられる。試料の採取前(すなわち収容装置50が図5Aに示す構成にある)、シース64は、チューブ54を保持する使用者の手、それゆえチューブ54を覆うように配置され、使用者の手を清浄に保ち、試料の採取中に保護するようにする。試料を採取したら(すなわち収容装置50が図5Bに示す構成にあるとき)、シース64はひっくり返されて、再びチューブ54を覆い(図5Bに示すように)、試料の採取中に汚染された可能性のあるシース64の表面が内側に向くようにする。次いでチューブ54をシース64の内側で取り囲むようにシースを封止し得ることが考えられる。あるいは、採取される試料に試料採取装置52を当てたら、またはその後いつでも収容装置50が図5Bに示す構成になったら、シース64を閉塞体10から取り外して廃棄できる。
【0052】
収容装置50を使用して、物質を表面に塗布することができることが考えられる。このタイプの応用では、試料採取装置52をアプリケータ(図示せず)で置き換える。アプリケータは、試料採取装置52のシャフト58と同類のシャフト、および塗布器具を含む。アプリケータは、試料採取装置52と同じ方法で蓋体10のコネクタ30に接続される。いくつかのタイプの試料採取装置をアプリケータとして使用することも考えられる。
【0053】
収容装置50は、物質を表面に塗布するために使用されるのものであり、収容装置50は、図5Bに示すようにパッケージされる(すなわちアプリケータをチューブ54の内部に入れた状態で)。チューブ54内の液体62は、例えば、局所的に塗布する必要のある薬とし得る。液体62を塗布するために、使用者はまずチューブ54から蓋体10をねじって取り外し、蓋体10をひっくり返してから、図5Aに示すように蓋体10をチューブ54にねじって戻す。次いで、ハンドルまたは採取棒としてチューブ54を使用することにより、使用者は、必要な表面に液体62を塗布する。塗布が完了したら、使用者は収容装置50を廃棄できるか、または使用者はチューブ54から蓋体10をねじって取り外し、図5Bに示すように蓋体10をチューブ54にねじって戻して、収容装置50を再び使用して液体62をさらに塗布することができる。
【0054】
ここで図6〜図18を参照して、蓋体10および収容装置50の種々の代替的な実施形態を説明する。簡単にするために、これらの実施形態の、蓋体10および収容装置50と同様の要素には同じ参照符号を付し、再度詳細に説明することはしない。蓋体10および収容装置50のこれらの代替的な実施形態は、上述のものと同様の方法によって製造でき、上述のものと同様の材料から作製できることを理解されたい。
【0055】
図6は、収容装置70の分解図を示す。収容装置70は、延長部72を加えて、収容装置50と同じ要素を有する。図6では、チューブ54の開放端部74およびねじ領域76を示す。延長部72は一方の端部に凹部78(仮想線で示す)を有してチューブ54の下端部を収容し、それにより、延長部72をチューブ54に接続させる。この実施形態では、使用者は延長部72を、収容装置50のようにチューブ54自体としてではなくハンドルまたは採取棒として使用する。それゆえ、延長部72があることによって使用者は試料を遠くから採取できる。
【0056】
図7〜図12Bは、蓋体の種々の実施形態を示し、それら全てを収容装置50および70と使用し得る。
【0057】
図7は蓋体80の断面を示す。蓋体80はコネクタ30Aを有する。コネクタ30Aは、開放端部32Aと閉鎖端部34Aとを有する、ほぼシリンダー状の中空コネクタ本体を有する。図に示すように、コネクタ30Aは閉塞壁18の一方の側面からのみ延出する。閉鎖端部34Aは閉塞壁18の外表面に対応する。閉鎖端部34Aは閉塞壁18より上方にあり得るかまたは閉塞壁18に窪みを形成し得ることが考えられる。コネクタ30Aに接続された試料採取装置52のシャフト58も図7に(仮想線で)示す。
【0058】
図8は蓋体82の断面を示す。蓋体82は2つのコネクタ30Bおよび30Cを有する。コネクタ30Bおよび30Cの各々は、開放端部32Bまたは32Cと閉鎖端部34Bまたは34Cとをそれぞれ有する、ほぼシリンダー状の中空コネクタ本体を有する。図に示すように、コネクタ30Bは閉塞壁18の一方の側面から延出し、コネクタ30Cは閉塞壁18の他方の側面から延出する。蓋体82は、試料採取装置を蓋体82のいずれの側にも接続できるため、収容装置50および70の組み立てを容易にする。試料採取装置を蓋体82の両側に接続することが考えられる。
【0059】
図9は蓋体84の断面を示す。蓋体84は2つのコネクタ30Dおよび30Eを有する。コネクタ30Dおよび30Eの各々は、開放端部32Dまたは32Eと閉鎖端部34Dまたは34Eとをそれぞれ有する、ほぼシリンダー状の中空コネクタ本体を有する。図に示すように、両コネクタ30Dおよび30Eは閉塞壁18の同じ側面から延出し、ワイパーシール36の半径方向内向きに並んで配置される。蓋体84は、2つの試料採取装置52、または2つのアプリケータ、またはそれらの一方を蓋体84に接続することを可能にする。
【0060】
図10は蓋体86の断面を示す。蓋体86はコネクタ30Fを有する。コネクタ30Fはほぼシリンダー状の中実コネクタ本体を有する。試料採取装置52をコネクタ30Fに接続するために、試料採取装置52のシャフト58は凹部88を有し、その内部にコネクタ30Fを収容できる。
【0061】
図11は蓋体90の断面を示す。蓋体90はコネクタ30Gを有する。コネクタ30Gは、開放端部32Gと閉鎖端部34Gとを有する、ほぼシリンダー状の中空コネクタ本体を有する。コネクタ30Gはまた、コネクタ30Gの内壁に形成された1つ以上の凹部92を有する。試料採取装置52をコネクタ30Gに接続するために、試料採取装置52のシャフト58は1つ以上のタブ94を有する。シャフト58がコネクタ30Gの内部に差し込まれると、1つ以上のタブ94が初めに湾曲し、その後、タブが1つ以上の凹部92に達すると真っ直ぐに戻り、それにより、シャフト58をコネクタ30Gに保持する。
【0062】
図12Bは蓋体100の断面を示す。蓋体100は、互いに接続される2つの閉塞体102、104で構成されている。図12Aは、互いに接続される前の2つの閉塞体102、104の断面を示す。閉塞体102は、シリンダー状壁106と、シリンダー状壁106の端部に接続された頂部108とを有する。シリンダー状壁106から内向きにねじ領域110が延在する。頂部108からは、蓋体80のコネクタ30Aと同様のコネクタ112が延出する。頂部108からは円形断面のワイパーシール114が延出し、閉塞体102の半径方向においてコネクタ112とシリンダー状壁106との間に配置される。蓋体100の取り扱いを容易にするために閉塞体102の外面116を隆起させる。閉塞体104は、シリンダー状壁118と、シリンダー状壁118の端部に接続された頂部120とを有する。シリンダー状壁118から内向きにねじ領域122が延在する。頂部108からは円形断面のワイパーシール124が延出する。蓋体100の取り扱いを容易にするために閉塞体104の外面126を隆起させる。両ねじ領域110および122は、蓋体100が接続される容器のねじ領域を補完するように設計する。蓋体100を形成するために頂部108は頂部120に接続され、両閉塞体102、104が、図12Bに示すようにほぼ同軸となるようにする。頂部108を頂部120に溶接によって、例えば摩擦溶接によって接続し得ることが考えられる。頂部108を頂部120にボンディングすることによって、例えば液状接着剤または両面接着テープによって接続し得ることも考えられる。頂部108を頂部120に機械的な締結によって、例えば、頂部108および120の一方に締結具の雄型部分および頂部108および120の他方に締結具の雌型部分を設けることによって接続し得ることも考えられる。閉塞体102と104とを互いに機械的に締結する、考えられる別の方法は、それらの頂部108および120を互いに当接させて配置された2つの閉塞体102および104の周りでプラスチックチューブを熱収縮させることにある。チューブの内面に接着材を塗布して接続を強化し得ることも考えられる。閉塞体104は閉塞体102と同一であり、蓋体100が上述の蓋体82と似ていることも考えられる。閉塞体102、104の一方または双方を、蓋体100が蓋体84、86および90のいずれか1つに似るように修正し得ることも考えられる。
【0063】
図13A〜図13Dは、収容装置130A〜130Dをそれぞれ示す。収容装置130A〜130Dは、上述の蓋体10の構成と同様の構成を有するが、異なるタイプのコネクタを備える蓋体132A〜132D(その内部の特徴を示すためにその一部分を仮想線で示す)を含む。蓋体132A〜132Dは各々、それぞれ対応するアダプタ136A〜136Dの対応する雌型または雄型コネクタを接続するように適合された雄型または雌型コネクタ134A〜134Dをそれぞれ有する。アダプタ136A〜136Dを使用して、試料採取装置52A〜52Dをそれぞれ接続する。図に示すように、蓋体132A〜132Dの各々は、異なる形状の雄型または雌型コネクタ134A、134B、134C、または134Dを使用して、それらの対応するアダプタ136A、136B、136C、または136Dを接続する。図13A〜13Dはまた、異なるタイプの試料採取装置52A〜52Dを示す。試料採取装置52Aの試料採取器具60Aはスワブである。試料採取装置52Bの試料採取器具60Bは、表面積を大きくするような形状にされたスポンジである。試料採取装置52Cの試料採取器具60Cはブラシである。試料採取装置52Dの試料採取器具60Dは円錐形ブラシである。異なる試料採取装置が同一のアダプタを有することもでき、異なる試料採取装置を蓋体に設け得ることが考えられる。
【0064】
上述の蓋体100の閉塞体102および104は、閉塞体102を閉塞体104に接続するために図13A〜図13Dに関連して上述したものと同様の雄型/雌型コネクタを備え得ることが考えられる。
【0065】
ここで図14を参照して収容装置140を説明する。収容装置140は、上述の試料採取装置52、チューブ142、蓋体144、およびチューブ142内の液体62を含む。チューブ142は開放端部146およびねじ領域148を有する。図に示すように、ねじ領域148は開放端部146の内側に配置される;それゆえ、蓋体144のねじ領域は、以下詳細に説明するように、蓋体144の表面の外側に配置される。収容装置140を備える試料採取方法は、収容装置50で使用された方法と同じである。
【0066】
蓋体140は、閉塞壁155によって2つのシリンダー状部分152および154に分離された閉塞体150を有する。シリンダー状部分152は、その外壁から外向きに延出するねじ領域156を備える。同様に、シリンダー状部分154は、その外壁から外向きに延出するねじ領域158を備える。両ねじ領域156および158は、チューブ142のねじ領域148を補完するように設計されているので、両部分152および154をチューブ142にねじ込むことができる。蓋体140は、図示のようにチューブ142の外側部分を覆うシリンダー状外壁160を有する。蓋体140は、シリンダー状部分152に一体的に形成されたコネクタ162を有し、試料採取装置52のシャフト58を収容する。
【0067】
蓋体140を、図14に示すように単一部品として一体的に形成する代わりに、一緒に結合された2つ以上の別個の部品で作製し得ることが考えられる。
【0068】
図15および図16は、収容装置140と使用し得る蓋体の代替的な実施形態を示す。簡単にするために、蓋体144の要素と同様のこれらの実施形態の要素には同じ参照符号を付し、再度詳細に説明することはしない。
【0069】
図15は、シリンダー状外壁160が取り除かれていることを除いて、蓋体144と同じ特徴を有する蓋体164を示す。図16は、閉塞壁155も取り除かれていることを除いて、蓋体164と同じ特徴を有する蓋体166を示す。
【0070】
ここで図17を参照して収容装置200を説明する。収容装置200は、蓋体10、2つのチューブ54Aおよび54B、および試料採取装置52を含む。チューブ54Aおよび54Bは上述のチューブ54と同様のものである。チューブ54Aおよび54Bは同一でも異なってもよいこと、チューブ54Aおよび54Bの少なくとも一方は、異なるタイプの容器で置き換えられることが考えられる。チューブ54Aを蓋体10の部分14にねじ込み、チューブ54Bを蓋体10の部分16にねじ込む。蓋体80、82、84、86、90、100、および132A〜132Dのいずれか1つを代わりに収容装置200に使用することが考えられる。試料採取装置52を収容装置200とは別個に(すなわち蓋体10に予め組み立てずに)設け得ることも考えられる。試料採取装置52は、上述の蓋体82を使用することによってチューブ54の各々に延在し得ることも考えられる。
【0071】
物質、例えば液体62または別の物質を、チューブ54Aおよび54Bの一方にのみまたはチューブ54Aおよび54Bの双方にもたらすことができる。あるいは、両チューブ54Aおよび54Bを空にすることができる。一実施形態では、チューブ54Aは空であり、試料の採取前、試料採取装置52を保護するために使用される。別の実施形態では、チューブ54Aは、試料が採取される場所を準備するためまたは清浄にするために使用できる溶液を含む。
【0072】
収容装置200を使用するために、蓋体の部分14を、まず蓋体10からねじって取り外す。次いで使用者は、上述のように、ハンドルまたは採取棒としてチューブ54Bを保持し、試料を採取する。その後使用者は、チューブ54Bから蓋体10をねじって取り外す。最後に、使用者は試料採取装置をチューブ54Bに差し込み、蓋体10の部分14をチューブ54Bにねじ込む。任意に、その後使用者は蓋体10の部分16をチューブ54Aにねじ込んでもよい。
【0073】
図18は、上述の収容装置50、70、および200のいずれか1つと使用し得る蓋体210の断面を示す。蓋体210は、2つの閉塞体102Aおよび102Bと、2つのコネクタ212および214とで構成されている。2つの閉塞体102Aおよび102Bは上述の閉塞体102と同様の構造を有する。そのようなものとして、蓋体102の要素に対応する2つの閉塞体102Aおよび102Bの要素には、場合によっては添え字AまたはBを加えて同じ参照符号を付し、再度詳細に説明することはしない。2つの閉塞体102Aおよび102Bは同一であるとして示すが、上述の蓋体100においてそれらは異なり得ることが考えられる。閉塞体102Aおよび102Bは射出成形されるが、他の製造方法を考えることもできる。両閉塞体102Aおよび102Bは同一であるため、それらの作製に同じ型を使用することができる。しかしながら、閉塞体102Aを成形するとき、頂部108Aに接続させるために型にコネクタ212を挿入する。同様に、閉塞体102Bを成形するとき、頂部108Bに接続させるために型にコネクタ214を挿入する。コネクタ212および214は、閉塞体102Aおよび102Bの成形後、それらの各上部108Aおよび108Bに接続できることが考えられる。例えば、コネクタ212および214は、それらの各上部108Aおよび108Bにボンディングされる。図に示すように、コネクタ212および214は各々、雄型−雌型コネクタの一部を形成する。蓋体210を組み立てるために、コネクタ214の雄型部分をコネクタ212の雌型部分に差し込むので、摩擦嵌合によって閉塞体102Aを閉塞体102Bに接続する。コネクタ212および214を、それらの間に異なるタイプの接続を提供するように設計することが考えられる。例えば、コネクタ212および214は各々、プレッシャーファスナー(pressure fastener)(すなわちスナップ)の一部を形成できる。
【0074】
上述の蓋体の実施形態の少なくとも一部では、ねじ領域を別のタイプの係合手段で置き換えることができること、および容器は相補的な係合手段を備えることが考えられる。上述の蓋体の実施形態の少なくとも一部では、ねじ領域を省略できること、および蓋体と容器との間の締まり嵌めまたは中間嵌め(transition fit)によって蓋体を容器に接続できることも考えられる。
【0075】
本発明の上述の実施形態の修正および改良は、当業者には明らかとなる。上述の説明は、限定ではなく例示を意図したものである。それゆえ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器用の蓋体であって、前記容器が開放端部を有し、前記蓋体が:
閉塞体であって、
第1のシリンダー状部分;および
前記第1のシリンダー状部分に対向する第2のシリンダー状部分
を含む閉塞体と;
前記第1のシリンダー状部分および前記第2のシリンダー状部分の少なくとも一方に配置されたコネクタであって、前記蓋体に試料採取装置およびアプリケータの一方を接続するように適合されている、コネクタと
を含む、蓋体。
【請求項2】
前記第1のシリンダー状部分が第1のねじ領域を有し;
前記第2のシリンダー状部分が第2のねじ領域を有し;および
前記第1および第2のねじ領域が、前記容器の前記開放端部付近に配置された前記容器のねじ領域に相補的であり、それと係合する、請求項1に記載の蓋体。
【請求項3】
前記第1のシリンダー状部分が第1のシリンダー状内壁を有し;
前記第2のシリンダー状部分が第2のシリンダー状内壁を有し;および
前記閉塞体が、前記第1のシリンダー状部分を前記第2のシリンダー状部分から分離する閉塞壁をさらに含む、請求項2に記載の蓋体。
【請求項4】
前記第1のねじ領域が前記第1のシリンダー状内壁から内向きに延出し;および
前記第2のねじ領域が前記第2のシリンダー状内壁から内向きに延出する、請求項3に記載の蓋体。
【請求項5】
前記コネクタが前記閉塞壁から延出する、請求項4に記載の蓋体。
【請求項6】
前記コネクタが中空コネクタ本体を有し、前記中空コネクタ本体が、前記試料採取装置および前記アプリケータの一方のシャフトを収容するための開放端部と、閉鎖端部とを有する、請求項5に記載の蓋体。
【請求項7】
前記中空コネクタ本体の内部が前記開放端部から前記閉鎖端部へ先細になる、請求項6に記載の蓋体。
【請求項8】
前記中空コネクタ本体が前記閉塞壁を通って延在する、請求項6または7に記載の蓋体。
【請求項9】
前記コネクタが、前記第1のシリンダー状内壁によって画成された空間に延在し;および
前記閉塞体が:
前記第1のシリンダー状内壁によって画成された前記空間にある前記閉塞壁から延出する、円形断面の第1のワイパーシールであって、前記コネクタと前記第1のシリンダー状内壁との間に前記閉塞体の半径方向に配置されている第1のワイパーシール;および
前記第2のシリンダー状内壁によって画成された空間にある前記閉塞壁から延出する、円形断面の第2のワイパーシール
をさらに含む、請求項5〜8のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項10】
前記コネクタが、前記蓋体に第1の試料採取装置および第1のアプリケータの一方を接続するように適合された第1のコネクタであり;および
前記蓋体が、前記第1のシリンダー状部分および前記第2のシリンダー状部分の少なくとも一方に配置された第2のコネクタをさらに含み、前記第2のコネクタが、前記蓋体に第2の試料採取装置および第2のアプリケータの一方を接続するように適合されている、請求項2〜9のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項11】
前記閉塞体に接続され、かつその外部に延在するシースをさらに含む、請求項2〜10のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項12】
前記閉塞体が、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート、および熱可塑性エラストマー(TPE)の少なくとも1つから作製されている、請求項2〜11のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項13】
開放端部および前記開放端部付近にねじ領域を有する容器;
請求項2〜12のいずれか一項に記載の蓋体であって、前記蓋体が、前記容器の前記開放端部に第1の構成および第2の構成で選択的に接続可能であり、前記コネクタが、前記閉塞体の前記第2のシリンダー状部分に配置されている、蓋体;および
前記コネクタに接続され、かつ前記閉塞体の前記第1のシリンダー状部分から離れるように前記閉塞体の前記第2のシリンダー状部分から延出する試料採取装置およびアプリケータの一方;
を含む、収容装置であって、
前記蓋体を前記容器の前記開放端部に前記第1の構成で接続するとき:
前記蓋体の前記第1のねじ領域が前記容器の前記ねじ領域に係合し、および
前記試料採取装置および前記アプリケータの一方が前記容器の外部に配置され、それから離れるように延出し;および
前記蓋体を前記容器の前記開放端部に前記第2の構成で接続するとき:
前記蓋体の前記第2のねじ領域が前記容器の前記ねじ領域に係合し、および
前記試料採取装置および前記アプリケータの一方が前記容器の内側に配置される、収容装置。
【請求項14】
前記容器がチューブおよびバイアルの一方である、請求項13に記載の収容装置。
【請求項15】
前記試料採取装置および前記アプリケータの一方が前記試料採取装置であり;
前記試料採取装置がシャフトおよび試料採取器具を含み;および
前記シャフトが、前記コネクタに接続された第1の端部と、前記試料採取器具に接続された第2の端部とを有する、請求項13または14に記載の収容装置。
【請求項16】
前記試料採取器具が、スワブ、スポンジ、ブラシ、スパチュラ、ループ、スクレーパ、スプーン、スクープ、圧抵器、毛細管、組織パンチ、吸収性固体マトリクス、および大口径の針の1つである、請求項15に記載の収容装置。
【請求項17】
前記容器内に物質をさらに含む、請求項13〜16のいずれか一項に記載の収容装置。
【請求項18】
前記物質が生体分子安定化組成物である、請求項17に記載の収容装置。
【請求項19】
前記生体分子安定化組成物が核酸安定化組成物である、請求項18に記載の収容装置。
【請求項20】
前記蓋体を前記容器の前記開放端部に接続すると、前記容器と前記蓋体との間に流体密封シールが形成される、請求項13〜19のいずれか一項に記載の収容装置。
【請求項21】
前記閉塞体に接続されたシースをさらに含み、前記蓋体を前記容器の前記開放端部に前記第1の構成で接続するとき、前記シースが前記容器を少なくとも部分的に覆う、請求項13〜20のいずれか一項に記載の収容装置。
【請求項22】
前記試料採取装置および前記アプリケータの一方に対向する前記容器の端部に選択的に接続された延長部をさらに含む、請求項13〜21のいずれか一項に記載の収容装置。
【請求項23】
容器用の蓋体であって、前記容器が開放端部を有し、前記蓋体が:
第1の閉塞体であって、
第1のシリンダー状壁;および
前記第1のシリンダー状壁の端部に接続された第1の頂部
を含む第1の閉塞体と;
第2の閉塞体であって、
第2のシリンダー状壁;および
前記第2のシリンダー状壁の端部に接続された第2の頂部
を含む第2の閉塞体と;
前記第1の閉塞体および前記第2の閉塞体の少なくとも一方に配置されたコネクタであって、前記蓋体に試料採取装置およびアプリケータの一方を接続するように適合されている、コネクタと
を含み、
前記第1の頂部が、前記第1の閉塞体と第2の閉塞体がほぼ同軸となるように前記第2の頂部に接続されている、蓋体。
【請求項24】
前記第1の閉塞体が、前記第1のシリンダー状壁から内向きに延出する第1のねじ領域をさらに含み、前記第1のねじ領域が、前記容器の前記開放端部付近に配置された前記容器のねじ領域に相補的であり、それと係合し;および、前記第2の閉塞体が、前記第2のシリンダー状壁から内向きに延出する第2のねじ領域をさらに含み、前記第2のねじ領域が前記容器の前記ねじ領域に相補的であり、それと係合する、請求項23に記載の蓋体。
【請求項25】
前記コネクタが前記第1の頂部から延出する、請求項24に記載の蓋体。
【請求項26】
前記コネクタが中空コネクタ本体を有し、前記中空コネクタ本体が、前記試料コネクタおよび前記アプリケータの一方のシャフトを収容するための開放端部と、閉鎖端部とを有する、請求項24または25に記載の蓋体。
【請求項27】
前記中空コネクタ本体の内部が前記開放端部から前記閉鎖端部へ先細になる、請求項26に記載の蓋体。
【請求項28】
前記コネクタが、前記第1のシリンダー状壁によって画成された空間に延在し;
前記第1の閉塞体が、前記第1のシリンダー状壁によって画成された前記空間にある前記第1の頂部から延出する、円形断面の第1のワイパーシールをさらに含み、前記第1のワイパーシールが、前記コネクタと前記第1のシリンダー状壁との間に前記第1の閉塞体の半径方向に配置され;および
前記第2の閉塞体が、前記第2のシリンダー状壁によって画成された空間にある前記第2の頂部から延出する、円形断面の第2のワイパーシールをさらに含む、請求項24〜27のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項29】
前記コネクタが、前記蓋体に第1の試料採取装置および第1のアプリケータの一方を接続するように適合された第1のコネクタであり;および
前記蓋体が、前記第1の閉塞体および前記第2の閉塞体の少なくとも一方に配置された第2のコネクタをさらに含み、前記第2のコネクタが、前記蓋体に第2の試料採取装置および第2のアプリケータの一方を接続するように適合されている、請求項24〜28のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項30】
前記第1の閉塞体および前記第2の閉塞体の少なくとも一方に接続され、かつその外部に延在するシースをさらに含む、請求項24〜29のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項31】
前記第1および第2の閉塞体が、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート、および熱可塑性エラストマー(TPE)の少なくとも1つで作製されている、請求項24〜30のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項32】
前記第1の頂部が前記第2の頂部に、溶接、ボンディング、および機械的な締結の1つによって接続される、請求項24〜31のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項33】
開放端部および前記開放端部付近にねじ領域を有する容器と;
請求項24〜32のいずれか一項に記載の蓋体であって、前記蓋体が、前記容器の前記開放端部に第1の構成および第2の構成で選択的に接続可能であり、前記コネクタが前記第2の閉塞体に配置されている、蓋体と;
前記コネクタに接続され、かつ前記第1の閉塞体から離れるように前記第2の閉塞体から延出する試料採取装置およびアプリケータの一方と;
を含む収容装置であって、
前記蓋体を前記容器の前記開放端部に前記第1の構成で接続するとき:
前記第1の閉塞体の前記第1のねじ領域が前記容器の前記ねじ領域に係合し、かつ
前記試料採取装置および前記アプリケータの一方が前記容器の外側に配置され、それから離れるように延出し;および
前記蓋体を前記容器の前記開放端部に前記第2の構成で接続するとき:
前記第2の閉塞体の前記第2のねじ領域が前記容器の前記ねじ領域に係合し、かつ
前記試料採取装置および前記アプリケータの一方が前記容器の内側に配置される、収容装置。
【請求項34】
前記容器がチューブおよびバイアルの一方である、請求項33に記載の収容装置。
【請求項35】
前記試料採取装置および前記アプリケータの一方が前記試料採取装置であり;
前記試料採取装置がシャフトおよび試料採取器具を含み;および
前記シャフトが、前記コネクタに接続された第1の端部と、前記試料採取器具に接続された第2の端部とを有する、請求項33または34に記載の収容装置。
【請求項36】
前記試料採取器具が、スワブ、スポンジ、ブラシ、スパチュラ、ループ、スクレーパ、スプーン、圧抵器、毛細管、組織パンチ、吸収性固体マトリクス、および大口径の針の1つを含む、請求項35に記載の収容装置。
【請求項37】
前記容器内に物質をさらに含む、請求項33〜36のいずれか一項に記載の収容装置。
【請求項38】
前記物質が生体分子安定化組成物である、請求項37に記載の収容装置。
【請求項39】
前記生体分子安定化組成物が核酸安定化組成物である、請求項38に記載の収容装置。
【請求項40】
前記蓋体を前記容器の前記開放端部に接続すると、前記容器と前記蓋体との間に流体密封シールが形成される、請求項33〜39のいずれか一項に記載の収容装置。
【請求項41】
前記第1の閉塞体および前記第2の閉塞体の少なくとも一方に接続されたシースをさらに含み、前記蓋体を前記容器の前記開放端部に前記第1の構成で接続するとき、前記シースが前記容器を少なくとも部分的に覆う、請求項33〜40のいずれか一項に記載の収容装置。
【請求項42】
前記試料採取装置および前記アプリケータの一方に対向する前記容器の端部に選択的に接続された延長部をさらに含む、請求項33〜41のいずれか一項に記載の収容装置。
【請求項43】
収容装置を使用する試料採取方法であって、前記収容装置が、容器と、第1のシリンダー状部分および前記第1のシリンダー状部分に対向する第2のシリンダー状部分を有する蓋体と、前記蓋体に接続された試料採取装置とを含み、前記試料採取装置が、前記蓋体の前記第1のシリンダー状部分から離れるように前記蓋体の前記第2のシリンダー状部分から延出する、方法において:
前記容器を保持することによって前記試料採取装置を、採取される前記試料に当てるステップであって、前記容器が、その開放端部にねじ込まれた前記蓋体の前記第1のシリンダー状部分を有する、ステップ;
前記容器の前記開放端部から前記蓋体の前記第1のシリンダー状部分をねじって取り外すステップ;
前記試料採取装置を前記容器に差し込むステップ;および
前記蓋体の前記第2のシリンダー状部分を前記容器の前記開放端部にねじ込むステップ
を含む方法。
【請求項44】
前記試料採取装置を前記容器に差し込むステップが、前記試料採取装置の端部を、前記容器に収容されている物質に浸漬することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記収容装置が、前記蓋体に接続されかつその外部に延在するシースを含み、前記方法が:
前記試料採取装置を当てる前に、前記容器を少なくとも部分的に覆うように前記シースを配置するステップ
をさらに含む、請求項43または44に記載の方法。
【請求項46】
採取される前記試料に前記試料採取装置を当てた後、前記シースを取り外すステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記蓋体の前記第2のシリンダー状部分を前記容器の前記開放端部にねじ込んだ後、前記シースを取り外すステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記蓋体の前記第2のシリンダー状部分を前記容器の前記開放端部にねじ込んだ後、前記容器を少なくとも部分的に覆うように前記シースを配置するステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項49】
前記容器を少なくとも部分的に覆うように前記シースを配置するステップの後、前記容器が前記シースで取り囲まれるように前記シースを封止するステップをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
請求項2〜12および請求項24〜32のいずれか一項に記載の蓋体;
開放端部および前記開放端部付近にねじ領域を有する第1の容器であって、前記第1の容器の前記ねじ領域が前記蓋体の前記第1のねじ領域に係合している、第1の容器と;
開放端部および前記開放端部付近にねじ領域を有する第2の容器であって、前記第2の容器の前記ねじ領域が前記蓋体の前記第2のねじ領域に係合している、第2の容器と
を含む収容装置。
【請求項51】
前記コネクタに接続された試料採取装置およびアプリケータの一方をさらに含む、請求項50に記載の収容装置。
【請求項52】
容器用の蓋体であって、前記容器が開放端部を有し、前記蓋体が:
閉塞体であって、
第1のシリンダー状部分;および
前記第1のシリンダー状部分に対向する第2のシリンダー状部分
を含む閉塞体と;
前記閉塞体に接続され、かつ前記閉塞体の前記第1のシリンダー状部分から離れるように前記閉塞体の前記第2のシリンダー状部分から延出する試料採取装置およびアプリケータの一方と
を含む蓋体。
【請求項53】
前記第1のシリンダー状部分が第1のねじ領域を有し;
前記第2のシリンダー状部分が第2のねじ領域を有し;および
前記第1および第2のねじ領域が、前記容器の前記開放端部付近に配置された前記容器のねじ領域に相補的であり、それと係合する、請求項52に記載の蓋体。
【請求項54】
前記第1のシリンダー状部分が第1のシリンダー状内壁を有し;
前記第2のシリンダー状部分が第2のシリンダー状内壁を有し;
前記閉塞体が、前記第1のシリンダー状部分を前記第2のシリンダー状部分から分離する閉塞壁をさらに含み;および
前記試料採取装置および前記アプリケータの一方が前記閉塞壁に接続される、請求項53に記載の蓋体。
【請求項55】
前記第1のねじ領域が前記第1のシリンダー状内壁から内向きに延出し;および
前記第2のねじ領域が前記第2のシリンダー状内壁から内向きに延出する、請求項54に記載の蓋体。
【請求項56】
前記閉塞体に接続され、かつその外部に延在するシースをさらに含む、請求項52〜55のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項57】
前記閉塞体が、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート、および熱可塑性エラストマー(TPE)の少なくとも1つで作製されている、請求項52〜56のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項1】
容器用の蓋体であって、前記容器が開放端部を有し、前記蓋体が:
閉塞体であって、
第1のシリンダー状部分;および
前記第1のシリンダー状部分に対向する第2のシリンダー状部分
を含む閉塞体と;
前記第1のシリンダー状部分および前記第2のシリンダー状部分の少なくとも一方に配置されたコネクタであって、前記蓋体に試料採取装置およびアプリケータの一方を接続するように適合されている、コネクタと
を含む、蓋体。
【請求項2】
前記第1のシリンダー状部分が第1のねじ領域を有し;
前記第2のシリンダー状部分が第2のねじ領域を有し;および
前記第1および第2のねじ領域が、前記容器の前記開放端部付近に配置された前記容器のねじ領域に相補的であり、それと係合する、請求項1に記載の蓋体。
【請求項3】
前記第1のシリンダー状部分が第1のシリンダー状内壁を有し;
前記第2のシリンダー状部分が第2のシリンダー状内壁を有し;および
前記閉塞体が、前記第1のシリンダー状部分を前記第2のシリンダー状部分から分離する閉塞壁をさらに含む、請求項2に記載の蓋体。
【請求項4】
前記第1のねじ領域が前記第1のシリンダー状内壁から内向きに延出し;および
前記第2のねじ領域が前記第2のシリンダー状内壁から内向きに延出する、請求項3に記載の蓋体。
【請求項5】
前記コネクタが前記閉塞壁から延出する、請求項4に記載の蓋体。
【請求項6】
前記コネクタが中空コネクタ本体を有し、前記中空コネクタ本体が、前記試料採取装置および前記アプリケータの一方のシャフトを収容するための開放端部と、閉鎖端部とを有する、請求項5に記載の蓋体。
【請求項7】
前記中空コネクタ本体の内部が前記開放端部から前記閉鎖端部へ先細になる、請求項6に記載の蓋体。
【請求項8】
前記中空コネクタ本体が前記閉塞壁を通って延在する、請求項6または7に記載の蓋体。
【請求項9】
前記コネクタが、前記第1のシリンダー状内壁によって画成された空間に延在し;および
前記閉塞体が:
前記第1のシリンダー状内壁によって画成された前記空間にある前記閉塞壁から延出する、円形断面の第1のワイパーシールであって、前記コネクタと前記第1のシリンダー状内壁との間に前記閉塞体の半径方向に配置されている第1のワイパーシール;および
前記第2のシリンダー状内壁によって画成された空間にある前記閉塞壁から延出する、円形断面の第2のワイパーシール
をさらに含む、請求項5〜8のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項10】
前記コネクタが、前記蓋体に第1の試料採取装置および第1のアプリケータの一方を接続するように適合された第1のコネクタであり;および
前記蓋体が、前記第1のシリンダー状部分および前記第2のシリンダー状部分の少なくとも一方に配置された第2のコネクタをさらに含み、前記第2のコネクタが、前記蓋体に第2の試料採取装置および第2のアプリケータの一方を接続するように適合されている、請求項2〜9のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項11】
前記閉塞体に接続され、かつその外部に延在するシースをさらに含む、請求項2〜10のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項12】
前記閉塞体が、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート、および熱可塑性エラストマー(TPE)の少なくとも1つから作製されている、請求項2〜11のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項13】
開放端部および前記開放端部付近にねじ領域を有する容器;
請求項2〜12のいずれか一項に記載の蓋体であって、前記蓋体が、前記容器の前記開放端部に第1の構成および第2の構成で選択的に接続可能であり、前記コネクタが、前記閉塞体の前記第2のシリンダー状部分に配置されている、蓋体;および
前記コネクタに接続され、かつ前記閉塞体の前記第1のシリンダー状部分から離れるように前記閉塞体の前記第2のシリンダー状部分から延出する試料採取装置およびアプリケータの一方;
を含む、収容装置であって、
前記蓋体を前記容器の前記開放端部に前記第1の構成で接続するとき:
前記蓋体の前記第1のねじ領域が前記容器の前記ねじ領域に係合し、および
前記試料採取装置および前記アプリケータの一方が前記容器の外部に配置され、それから離れるように延出し;および
前記蓋体を前記容器の前記開放端部に前記第2の構成で接続するとき:
前記蓋体の前記第2のねじ領域が前記容器の前記ねじ領域に係合し、および
前記試料採取装置および前記アプリケータの一方が前記容器の内側に配置される、収容装置。
【請求項14】
前記容器がチューブおよびバイアルの一方である、請求項13に記載の収容装置。
【請求項15】
前記試料採取装置および前記アプリケータの一方が前記試料採取装置であり;
前記試料採取装置がシャフトおよび試料採取器具を含み;および
前記シャフトが、前記コネクタに接続された第1の端部と、前記試料採取器具に接続された第2の端部とを有する、請求項13または14に記載の収容装置。
【請求項16】
前記試料採取器具が、スワブ、スポンジ、ブラシ、スパチュラ、ループ、スクレーパ、スプーン、スクープ、圧抵器、毛細管、組織パンチ、吸収性固体マトリクス、および大口径の針の1つである、請求項15に記載の収容装置。
【請求項17】
前記容器内に物質をさらに含む、請求項13〜16のいずれか一項に記載の収容装置。
【請求項18】
前記物質が生体分子安定化組成物である、請求項17に記載の収容装置。
【請求項19】
前記生体分子安定化組成物が核酸安定化組成物である、請求項18に記載の収容装置。
【請求項20】
前記蓋体を前記容器の前記開放端部に接続すると、前記容器と前記蓋体との間に流体密封シールが形成される、請求項13〜19のいずれか一項に記載の収容装置。
【請求項21】
前記閉塞体に接続されたシースをさらに含み、前記蓋体を前記容器の前記開放端部に前記第1の構成で接続するとき、前記シースが前記容器を少なくとも部分的に覆う、請求項13〜20のいずれか一項に記載の収容装置。
【請求項22】
前記試料採取装置および前記アプリケータの一方に対向する前記容器の端部に選択的に接続された延長部をさらに含む、請求項13〜21のいずれか一項に記載の収容装置。
【請求項23】
容器用の蓋体であって、前記容器が開放端部を有し、前記蓋体が:
第1の閉塞体であって、
第1のシリンダー状壁;および
前記第1のシリンダー状壁の端部に接続された第1の頂部
を含む第1の閉塞体と;
第2の閉塞体であって、
第2のシリンダー状壁;および
前記第2のシリンダー状壁の端部に接続された第2の頂部
を含む第2の閉塞体と;
前記第1の閉塞体および前記第2の閉塞体の少なくとも一方に配置されたコネクタであって、前記蓋体に試料採取装置およびアプリケータの一方を接続するように適合されている、コネクタと
を含み、
前記第1の頂部が、前記第1の閉塞体と第2の閉塞体がほぼ同軸となるように前記第2の頂部に接続されている、蓋体。
【請求項24】
前記第1の閉塞体が、前記第1のシリンダー状壁から内向きに延出する第1のねじ領域をさらに含み、前記第1のねじ領域が、前記容器の前記開放端部付近に配置された前記容器のねじ領域に相補的であり、それと係合し;および、前記第2の閉塞体が、前記第2のシリンダー状壁から内向きに延出する第2のねじ領域をさらに含み、前記第2のねじ領域が前記容器の前記ねじ領域に相補的であり、それと係合する、請求項23に記載の蓋体。
【請求項25】
前記コネクタが前記第1の頂部から延出する、請求項24に記載の蓋体。
【請求項26】
前記コネクタが中空コネクタ本体を有し、前記中空コネクタ本体が、前記試料コネクタおよび前記アプリケータの一方のシャフトを収容するための開放端部と、閉鎖端部とを有する、請求項24または25に記載の蓋体。
【請求項27】
前記中空コネクタ本体の内部が前記開放端部から前記閉鎖端部へ先細になる、請求項26に記載の蓋体。
【請求項28】
前記コネクタが、前記第1のシリンダー状壁によって画成された空間に延在し;
前記第1の閉塞体が、前記第1のシリンダー状壁によって画成された前記空間にある前記第1の頂部から延出する、円形断面の第1のワイパーシールをさらに含み、前記第1のワイパーシールが、前記コネクタと前記第1のシリンダー状壁との間に前記第1の閉塞体の半径方向に配置され;および
前記第2の閉塞体が、前記第2のシリンダー状壁によって画成された空間にある前記第2の頂部から延出する、円形断面の第2のワイパーシールをさらに含む、請求項24〜27のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項29】
前記コネクタが、前記蓋体に第1の試料採取装置および第1のアプリケータの一方を接続するように適合された第1のコネクタであり;および
前記蓋体が、前記第1の閉塞体および前記第2の閉塞体の少なくとも一方に配置された第2のコネクタをさらに含み、前記第2のコネクタが、前記蓋体に第2の試料採取装置および第2のアプリケータの一方を接続するように適合されている、請求項24〜28のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項30】
前記第1の閉塞体および前記第2の閉塞体の少なくとも一方に接続され、かつその外部に延在するシースをさらに含む、請求項24〜29のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項31】
前記第1および第2の閉塞体が、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート、および熱可塑性エラストマー(TPE)の少なくとも1つで作製されている、請求項24〜30のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項32】
前記第1の頂部が前記第2の頂部に、溶接、ボンディング、および機械的な締結の1つによって接続される、請求項24〜31のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項33】
開放端部および前記開放端部付近にねじ領域を有する容器と;
請求項24〜32のいずれか一項に記載の蓋体であって、前記蓋体が、前記容器の前記開放端部に第1の構成および第2の構成で選択的に接続可能であり、前記コネクタが前記第2の閉塞体に配置されている、蓋体と;
前記コネクタに接続され、かつ前記第1の閉塞体から離れるように前記第2の閉塞体から延出する試料採取装置およびアプリケータの一方と;
を含む収容装置であって、
前記蓋体を前記容器の前記開放端部に前記第1の構成で接続するとき:
前記第1の閉塞体の前記第1のねじ領域が前記容器の前記ねじ領域に係合し、かつ
前記試料採取装置および前記アプリケータの一方が前記容器の外側に配置され、それから離れるように延出し;および
前記蓋体を前記容器の前記開放端部に前記第2の構成で接続するとき:
前記第2の閉塞体の前記第2のねじ領域が前記容器の前記ねじ領域に係合し、かつ
前記試料採取装置および前記アプリケータの一方が前記容器の内側に配置される、収容装置。
【請求項34】
前記容器がチューブおよびバイアルの一方である、請求項33に記載の収容装置。
【請求項35】
前記試料採取装置および前記アプリケータの一方が前記試料採取装置であり;
前記試料採取装置がシャフトおよび試料採取器具を含み;および
前記シャフトが、前記コネクタに接続された第1の端部と、前記試料採取器具に接続された第2の端部とを有する、請求項33または34に記載の収容装置。
【請求項36】
前記試料採取器具が、スワブ、スポンジ、ブラシ、スパチュラ、ループ、スクレーパ、スプーン、圧抵器、毛細管、組織パンチ、吸収性固体マトリクス、および大口径の針の1つを含む、請求項35に記載の収容装置。
【請求項37】
前記容器内に物質をさらに含む、請求項33〜36のいずれか一項に記載の収容装置。
【請求項38】
前記物質が生体分子安定化組成物である、請求項37に記載の収容装置。
【請求項39】
前記生体分子安定化組成物が核酸安定化組成物である、請求項38に記載の収容装置。
【請求項40】
前記蓋体を前記容器の前記開放端部に接続すると、前記容器と前記蓋体との間に流体密封シールが形成される、請求項33〜39のいずれか一項に記載の収容装置。
【請求項41】
前記第1の閉塞体および前記第2の閉塞体の少なくとも一方に接続されたシースをさらに含み、前記蓋体を前記容器の前記開放端部に前記第1の構成で接続するとき、前記シースが前記容器を少なくとも部分的に覆う、請求項33〜40のいずれか一項に記載の収容装置。
【請求項42】
前記試料採取装置および前記アプリケータの一方に対向する前記容器の端部に選択的に接続された延長部をさらに含む、請求項33〜41のいずれか一項に記載の収容装置。
【請求項43】
収容装置を使用する試料採取方法であって、前記収容装置が、容器と、第1のシリンダー状部分および前記第1のシリンダー状部分に対向する第2のシリンダー状部分を有する蓋体と、前記蓋体に接続された試料採取装置とを含み、前記試料採取装置が、前記蓋体の前記第1のシリンダー状部分から離れるように前記蓋体の前記第2のシリンダー状部分から延出する、方法において:
前記容器を保持することによって前記試料採取装置を、採取される前記試料に当てるステップであって、前記容器が、その開放端部にねじ込まれた前記蓋体の前記第1のシリンダー状部分を有する、ステップ;
前記容器の前記開放端部から前記蓋体の前記第1のシリンダー状部分をねじって取り外すステップ;
前記試料採取装置を前記容器に差し込むステップ;および
前記蓋体の前記第2のシリンダー状部分を前記容器の前記開放端部にねじ込むステップ
を含む方法。
【請求項44】
前記試料採取装置を前記容器に差し込むステップが、前記試料採取装置の端部を、前記容器に収容されている物質に浸漬することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記収容装置が、前記蓋体に接続されかつその外部に延在するシースを含み、前記方法が:
前記試料採取装置を当てる前に、前記容器を少なくとも部分的に覆うように前記シースを配置するステップ
をさらに含む、請求項43または44に記載の方法。
【請求項46】
採取される前記試料に前記試料採取装置を当てた後、前記シースを取り外すステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記蓋体の前記第2のシリンダー状部分を前記容器の前記開放端部にねじ込んだ後、前記シースを取り外すステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記蓋体の前記第2のシリンダー状部分を前記容器の前記開放端部にねじ込んだ後、前記容器を少なくとも部分的に覆うように前記シースを配置するステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項49】
前記容器を少なくとも部分的に覆うように前記シースを配置するステップの後、前記容器が前記シースで取り囲まれるように前記シースを封止するステップをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
請求項2〜12および請求項24〜32のいずれか一項に記載の蓋体;
開放端部および前記開放端部付近にねじ領域を有する第1の容器であって、前記第1の容器の前記ねじ領域が前記蓋体の前記第1のねじ領域に係合している、第1の容器と;
開放端部および前記開放端部付近にねじ領域を有する第2の容器であって、前記第2の容器の前記ねじ領域が前記蓋体の前記第2のねじ領域に係合している、第2の容器と
を含む収容装置。
【請求項51】
前記コネクタに接続された試料採取装置およびアプリケータの一方をさらに含む、請求項50に記載の収容装置。
【請求項52】
容器用の蓋体であって、前記容器が開放端部を有し、前記蓋体が:
閉塞体であって、
第1のシリンダー状部分;および
前記第1のシリンダー状部分に対向する第2のシリンダー状部分
を含む閉塞体と;
前記閉塞体に接続され、かつ前記閉塞体の前記第1のシリンダー状部分から離れるように前記閉塞体の前記第2のシリンダー状部分から延出する試料採取装置およびアプリケータの一方と
を含む蓋体。
【請求項53】
前記第1のシリンダー状部分が第1のねじ領域を有し;
前記第2のシリンダー状部分が第2のねじ領域を有し;および
前記第1および第2のねじ領域が、前記容器の前記開放端部付近に配置された前記容器のねじ領域に相補的であり、それと係合する、請求項52に記載の蓋体。
【請求項54】
前記第1のシリンダー状部分が第1のシリンダー状内壁を有し;
前記第2のシリンダー状部分が第2のシリンダー状内壁を有し;
前記閉塞体が、前記第1のシリンダー状部分を前記第2のシリンダー状部分から分離する閉塞壁をさらに含み;および
前記試料採取装置および前記アプリケータの一方が前記閉塞壁に接続される、請求項53に記載の蓋体。
【請求項55】
前記第1のねじ領域が前記第1のシリンダー状内壁から内向きに延出し;および
前記第2のねじ領域が前記第2のシリンダー状内壁から内向きに延出する、請求項54に記載の蓋体。
【請求項56】
前記閉塞体に接続され、かつその外部に延在するシースをさらに含む、請求項52〜55のいずれか一項に記載の蓋体。
【請求項57】
前記閉塞体が、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート、および熱可塑性エラストマー(TPE)の少なくとも1つで作製されている、請求項52〜56のいずれか一項に記載の蓋体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2012−526966(P2012−526966A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510084(P2012−510084)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【国際出願番号】PCT/CA2010/000748
【国際公開番号】WO2010/130055
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(507306090)ディーエヌエー ジェノテック インク (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【国際出願番号】PCT/CA2010/000748
【国際公開番号】WO2010/130055
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(507306090)ディーエヌエー ジェノテック インク (4)
【Fターム(参考)】
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