説明

蓋構造

【課題】単純な動作で開閉可能であり、かつ、壊れにくい蓋構造を提供することを目的とする。
【解決手段】上面若しくは底面の一部分と、1つの側面の一部分とに渡って開口部を有する筐体と、筐体の開口部を覆う蓋体と、並行な2本の軸を有する回転アームと、を備え、回転アームのうちの一方の軸は、筐体に対して回転可能に取り付けられており、他方の軸は、蓋体に対して回転可能に取り付けられており、筐体と、蓋体とは、相対的に移動可能なようにガイドを介して接続されており、ガイドは、正円の一部を構成する曲線形状を有しており、回転アームのうちの2本の軸に直交して設けられている軸であって、2本の軸を結ぶ軸の長さと、正円の半径の長さとは等しい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は蓋構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、プリンタの開閉蓋構造を開示している。この開閉蓋構造は、プリンタ本体に形成されている開口部を開閉するための開閉蓋と、同一姿勢を保持したまま、開閉蓋と共に移動する移動部材とを有し、開閉蓋は、プリンタ本体の本体側軸線を中心として開閉可能な開閉蓋フレームと、開閉蓋フレームを覆っている開閉蓋ケースと、開閉蓋ケースを開閉蓋フレームに向けて付勢している付勢部材とを備え、開閉蓋ケースは、本体側軸線に平行な移動部材の部材側軸線を中心として、開閉蓋フレームに接近および離れる方向に旋回可能な状態で、移動側部材に取り付けられていることを特徴とする。
【0003】
これにより、この開閉蓋構造は、開閉蓋の開閉時に、開閉蓋ケースと移動部材の間に大きな隙間が形成されてしまうことがなく、かかる隙間が開閉蓋の開閉に伴って広がることもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−184248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に開示されている開閉蓋構造は、開閉蓋を大きく外側に開放する。従って、開閉蓋の端部と、回動中心との距離が長くなってしまう。その結果、開閉蓋の開放方向に誤って大きな力を加えてしまうと、蓋が壊れてしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、単純な動作で開閉可能であり、かつ、壊れにくい蓋構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明にかかる蓋構造は、上面若しくは底面の一部分と、1つの側面の一部分とに渡って開口部を有する筐体と、筐体の開口部を覆う蓋体と、並行な2本の軸を有する回転アームと、を備え、回転アームのうちの一方の軸は、筐体に対して回転可能に取り付けられており、他方の軸は、蓋体に対して回転可能に取り付けられており、筐体と、蓋体とは、相対的に移動可能なようにガイドを介して接続されており、ガイドは、正円の一部を構成する曲線形状を有しており、回転アームのうちの2本の軸に直交して設けられている軸であって、2本の軸を結ぶ軸の長さと、正円の半径の長さとは等しい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、単純な動作で開閉可能であり、かつ、壊れにくい蓋構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】SDカード蓋200をビデオカメラ本体100に取り付けた状態の斜視図
【図2】SDカード蓋200を開放し、SDカードを挿抜する状態の斜視図
【図3】SDカード蓋200を構成する部品の展開斜視図
【図4】SDカード蓋200の動きを説明するための模式図
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔1.実施の形態1〕
〔1−1.概要〕
本発明をビデオカメラのSDカード蓋開閉機構に適用した実施の形態について、以下、図1〜4を用いて説明する。
【0011】
本実施の形態に関わるSDカード蓋200が取り付けられたビデオカメラの構成について、図1〜3を用いて説明する。図1は、SDカード蓋200をビデオカメラ本体100に取り付けた状態の斜視図である。図2は、SDカード蓋200を開放し、SDカードを挿抜する状態の斜視図である。図3は、SDカード蓋200を構成する部品の展開斜視図である。
【0012】
ビデオカメラ本体100は、光学系、撮像素子、撮像画像をSDカードに記録、保存するための機能を備え、底面と側面との一部分に渡ってSDカード挿抜のための開口部を有する。
【0013】
〔1−2.SDカード蓋の構成〕
SDカード蓋200と、ビデオカメラ本体100との取り付け方法について、図3を用いて説明する。
【0014】
SDカード蓋200は、蓋体210と回転アーム210を有している。蓋体210には、凸部210aと、軸受け部210bが設けられている。また、回転アーム220は、回転軸220aと、長さLのリンク220cと、凸部220bとを有している。一方、ビデオカメラ本体100には、半径Lの円弧状のガイド溝100aと、軸受け部100bとが設けられている。蓋体210と回転アーム220は、軸受け210bと凸部220bを介して回転可能に取り付けられる。また、回転アーム220とビデオカメラ本体100とは、回転軸220aと軸受け部100bを介して回転可能に取り付けられる。さらに蓋体210とビデオカメラ本体100とは、凸部210aとガイド溝100aを介して摺動可能な状態で取り付けられる。
【0015】
これにより、蓋体210はビデオカメラ本体100に対して大きく開放することなく、ビデオカメラ本体100の側面形状に沿う形で蓋を開放することが可能である。
【0016】
〔1−3.SDカード蓋の開閉状態〕
SDカード蓋200の開閉時の動きを、図4を用いて説明する。図4(a)は、SDカード蓋200が閉まった状態、図4(b)は開閉途中の状態、図4(c)は開放した状態である。回転アーム220は回転軸220aを軸に回転し、蓋体210は、ガイド溝100aと係合する凸部210aと、凸部220bと係合する軸受け部210bとを支持されることにより並行移動する形で開閉する。開閉時のいかなる状態においてもSDカード蓋200がビデオカメラ本体100から大きく開放することがない。
【0017】
〔1−4.まとめ〕
SDカード蓋200はビデオカメラ本体100から大きく開放することがない。仮に、凸部210aとガイド溝100aとが係合していないとする。この場合には、蓋体210は、軸受け部210bを軸として凸部210aが外側に開いた状態の全開状態となってしまう。この場合には、蓋体210の開放時に使用者が力を加える位置から軸受け部210bの長さが、本実施の形態のような構成における長さよりも長くなってしまう。この長さが長くなってしまうと、蓋体210の取付部にかかるモーメントが大きくなってしまう。その結果、使用者が蓋体210の開放時に誤って、大きな力を加えてしまうと、SDカード蓋200を破壊してしまう恐れがある。
【0018】
そこで、本実施の形態にかかるSDカード蓋200は、凸部210aとガイド溝100aとを係合させ、さらに、回転アーム220のリンク220cの長さLと、ガイド溝100aの半径の長さLとが同一となるようにした。これにより、蓋体210が開放状態となっている場合に、使用者が蓋体に与えるモーメントが小さくなり、破壊に対する強度が高まる。さらに、リンク220cの長さLとガイド溝100aの半径Lとを同一にすることにより、蓋体210はスムーズな運動を行うことができ、指先を当てるだけの単純な動作で蓋体210を開閉することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の撮像装置に適用できる。
【符号の説明】
【0020】
100 ビデオカメラ本体
200 SDカード蓋
210 蓋体
220 回転アーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面若しくは底面の一部分と、1つの側面の一部分とに渡って開口部を有する筐体と、
前記筐体の開口部を覆う蓋体と、
並行な2本の軸を有する回転アームと、を備え、
前記回転アームのうちの一方の軸は、前記筐体に対して回転可能に取り付けられており、他方の軸は、前記蓋体に対して回転可能に取り付けられており、
前記筐体と、前記蓋体とは、相対的に移動可能なようにガイドを介して接続されており、
前記ガイドは、正円の一部を構成する曲線形状を有しており、
前記回転アームのうちの2本の軸に直交して設けられている軸であって、前記2本の軸を結ぶ軸の長さと、前記正円の半径の長さとは等しい、
蓋構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−248783(P2012−248783A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121368(P2011−121368)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】