説明

蓋装置

【課題】便器又はビデなどに用いる蓋装置を提供する。
【解決手段】蓋装置120は接続モジュール80により基体60に接続される蓋40を有する。接続モジュール80は蓋40を開ける又は閉めることを許す。駆動装置30は接続モジュール80を駆動し蓋40を自動的に開けさせる又は閉めさせる。ロックモジュール50は駆動装置30を起動しない場合に蓋40を手動で操作できるようにさせる。接続部品82、84は蓋40と結合され、蓋40が自動で開けられた時に蓋40の頂面が使用者に面し、蓋40が手動で開けられた時に蓋40の底面が使用者に面するようにさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に蓋装置に関し、この種の蓋装置は、基体、蓋、及び蓋を基体に接続するための接続モジュールを含む。さらに具体的には、本発明は、便器又はビデなどに用いる蓋装置に関し、この種の蓋装置は、最大限の開閉を柔軟に実現できる便利なものであり、これにより、便器又はビデの蓋は、自動又は手動で開けることができ、また、開けられた時に、蓋の頂面又は底面は裏に面し又は使用者を向く。
【背景技術】
【0002】
蓋装置は、以下の期待する特徴を有し、例えば、自動又は手動で操作され得る柔軟性、及び開けられた時に蓋の頂側又は底側が使用者を向くように位置決められる柔軟性を有する。蓋装置は、魅力的であっても、多くの面において改善する必要が依然としてある。例えば、使用者がロック機構及びアンロック機構を使用して自動又は手動で蓋の開閉を実現できることが望ましい。ここで、ロック機構は、蓋の自動操作を実現するためのものであり、アンロック機構は、蓋の手動操作を実現すると同時に駆動装置の損傷を避けるためのものである。また、蓋が開けられた時に蓋の頂側全体又は底側全体が使用者に面するようになるための接続モジュールがあることも望ましい。まとめて言えば、蓋装置を改善する、及び従来技術の欠点を克服する要求が存在する。
【0003】
従来技術は、米国特許No. 1342505を含む。この特許は、便器蓋に関し、この種の便器蓋は、ヒンジで結合され、これにより、蓋が開けられた時に該蓋はピボット回転を行い、且つ蓋の頂側の面は使用者に面し、背もたれになる。該蓋は、ハンドルを持ち上げることにより手動で開けられ、該ハンドルは、頂側が使用者にずっと面することを確保できるように設置される。使用者の重量が座る位置から離れた時に、蓋は、閉位置に戻す。米国特許No. 1398556は、圧力棒を押すことにより開けられる便器蓋を記載している。使用者の重量が圧力棒に作用することにより、蓋は開状態になる。使用者の重量が離れた後に、蓋は閉位置に戻す。該特許は、便器蓋の底側の面が使用者に面する実施例、及び便器蓋の頂側の面が使用者に面する他の実施例を開示している。
【0004】
米国特許No. 2219044は、レバーを押し下げる、又はボタンを押すことにより自動操作される便器蓋に関する。モータが蓋を開位置まで駆動することにより、蓋の頂側の面は使用者を向く。上昇及び降下レバー、及び制御ロッドがともに蓋にピボット接続され、また、基体にも接続される。該特許は、蓋の開閉がともに完全な自動操作によることを記載している。米国特許公開公報N0. 2006/0005309は、ハンドルによる手動操作、ペダルによる手動操作、又はモータによる自動操作の便器蓋に関する。開けられた時に、便器蓋の底側の面は使用者に面する。この特願には、一つの選択肢としてデュアルシステムも開示されている。
【0005】
他の従来技術は、以下のものを含む。国際公開公報No. WO/2008/029388は、電気駆動機構による自動操作の便器蓋に関する。クラッチシステムが選択的に駆動機構をオフにし、これにより、モータの回転がない場合に蓋に対して手動操作を行うことを許す。開けられた時に、蓋は底側の面が使用者に面する。日本特願No. 2005-95502は、自動的に開閉できる便器蓋を記載している。この蓋は、ヒンジ接続される2つの独立した部分を含む。蓋が開けられた時に、蓋の前の部分は下に折れ、これにより、蓋の前の部分の頂側の面は使用者を向く。
【0006】
これにより、例えばこれらの特許又は特願などにおける従来技術の各種特徴は欠点又は/及び不良の属性、結果又は効果を有することが確定されている。本発明では、これらの問題を認識し解決することにより、今までにない改良を提供する。要するに、本発明は、以下の需要、即ち、使用者が自動又は手動で蓋の開閉を行え、蓋が自動であけられた時に蓋の頂側の面が使用者に面し、蓋が手動であけられた時に蓋の底側の面が使用者に面し、且つ蓋の手動操作による駆動装置の損傷を避けるロックモジュールを有するという需要をより完全に満たすことができる。さらに、本発明は、基体と蓋との間に位置する複数の接続部品を提供し、これらの接続部品は、ピボット点を有し、これにより、使用者は、この蓋を容易に自動又は手動で操作することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、便器又はビデなどに用いる蓋装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一つの側面又は実施例は、改良された蓋装置に関し、この蓋装置は、基体、蓋、及び蓋を基体に接続するための接続モジュールを含む。本発明は、複数の接続部品を含み、各接続部品は、蓋及び基体に接続される接続点を含み、これにより、蓋に対して回転操作を行える。そのうち、一つの接続部品は、ピボット部品内にピボット回転を行い、同時にもう一つの接続部品は、経路(Pathway)中に滑り運動を行う。例えば、蓋が開位置に位置する時に、蓋は、蓋の頂側の表面が使用者に面する、又は使用者から背離するように開けられ得る。
【0009】
もう一つの側面又は実施例によれば、駆動装置が少なくとも一つの接続部品に接続される。駆動機構が接続部品を駆動して軸線に対して回転させ、これにより、蓋を開ける又は閉める。例えば、使用者は、この駆動機構を起動することにより、便器蓋を自動的に開ける又は閉めることができる。接続部品の経路内における滑り運動が選択的に制限されてもよく、これにより、蓋がもう一つの接続部品のピボット点に対して回転することを許可又は阻止する。例えば、蓋の自動操作中において、該接続部品を経路内に制限してもよく、これにより、蓋がもう一つの接続部品のピボット点に対して回転することを許し、且つ、蓋が開位置に位置する時に、蓋の頂側の面は使用者に面するようになる。あるいは、例えば、蓋の手動操作中において、該接続部品の経路内の滑り運動を制限しなくてもよく、これにより、蓋がもう一つの接続部品のピボット点に対して回転することを阻止し、且つ、蓋が開位置に位置する時に、蓋の底側の面は使用者に面するようになる。
【0010】
またもう一つの側面又は実施例では、ロックモジュールが、接続部品のうち一つの一部が経路内に位置することを確保し、これにより、蓋の自動操作を実現する。接続部品がロックモジュールから離脱し、これにより、蓋の手動操作を実現し、また、蓋の駆動装置を損傷することもない。例えば、ロックモジュールからの接続部品の釈放によって、駆動装置を起動しない場合に蓋を開ける又は閉めることができ、これにより、駆動装置が磨損又は損傷を受けることを防止できる。
【0011】
本発明の少なくとも一つの実施例の目的は、蓋装置を提供することにあり、この蓋装置は、基体と、第一表面及び相反の第二表面を有する蓋と、第一及び第二接続部品を有し、基体を蓋に接続するための接続モジュールとを含む。そのうち、第一接続部品は、第一ピボット部品により基体に接続され、且つ、第一接続部品は、第二ピボット部品により蓋に接続される。第二接続部品は、第三ピボット部品により基体に接続され、且つ、第二接続部品は、第四ピボット部品により蓋に接続される。該蓋装置は、さらに、滑り経路を含む。
【0012】
本発明の一つの側面では、滑り経路は蓋の一部であり、且つ、第一及び第二ピボット部品のうちの一つは経路内に滑り可能に設置される。本発明の他の側面では、滑り経路は基体の一部であり、且つ、第三及び第四ピボット部品のうちの一つは経路内に滑り可能に設置される。本発明のまた他の側面では、該滑り経路は、第一及び第二接続部品のうちの少なくとも一つの接続部品の一部であり、該少なくとも一つの接続部品は、少なくとも2つの、滑るように結合される部分を有する。本発明の更なる一つの側面では、該ピボット部品は、ヒンジである。
【0013】
本発明の一つの側面では、さらに、蓋と結合される少なくとも一つの把持部品を含む。本発明の他の側面では、さらに、ロックモジュールを含み、経路内に位置する第一接続部品の一部は、経路内に滑り運動を行えないように釈放可能に制限される。本発明のまたもう一つの側面では、さらに、第一接続部品及び第二接続部品のうちの少なくとも一つに接続される駆動装置を含む。
【0014】
本発明の他の側面では、第一接続部品は、ロッドである。本発明の他の側面では、第二接続部品は、ロッドである。本発明のまたもう一つの側面では、経路は、凹溝である。
【0015】
本発明の他の側面では、さらに、第一及び第二末端を有する経路を含む。そのうち、該蓋は、閉位置を有し、閉位置においては、蓋は、基体の取り付け面から前へ延伸し、また基体の取り付け面と略平行であるように位置決められる。蓋の第一表面は、基体から背離し、且つ蓋は、交替する第一及び第二開位置を有する。該交替する第一及び第二開位置においては、蓋は、基体の取り付け面と略垂直であるように位置決められる。蓋の閉位置においては、経路内に位置する第一接続部品の一部は、経路の第一末端に接近するように設置される。蓋の第一開位置においては、経路内の第一接続部品の一部は、経路の第一末端に接近するように設置され、且つ、蓋の第一表面は、前へ面し且つ基体から背離する。また、蓋の第二開位置においては、経路内に位置する第一接続部品の一部は、経路の第二末端に接近するように設置され、且つ、蓋の第二表面は、前へ面し且つ基体から背離する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】蓋装置を有する便器の透視図である。
【図2】図1に示す便器の蓋が閉位置に位置する時の側面図である。
【図3】図1に示す便器の蓋が第一開位置に位置する時の側面図である。
【図4】図1に示す便器の蓋が第二開位置に位置する時の側面図である。
【図5】蓋装置の一つの実施例の透視図である。
【図6】蓋装置のもう一つの実施例の透視図である。
【図7】接続モジュールの一つの実施例の透視図である。
【図8】蓋が閉位置に位置する時に図7に示す接続モジュールを有する蓋装置の一つの実施例の一部の側断面図である。
【図9】蓋が第一開位置に位置する時に図7に示す接続モジュールを有する蓋装置の一つの実施例の一部の側断面図である。
【図10】蓋が第二開位置に位置する時に図7に示す接続モジュールを有する蓋装置の一つの実施例の一部の側断面図である。
【図11】蓋が閉位置に位置する時にロックモジュールを含む蓋装置の実施例の一部の側断面図である。
【図12】蓋が部分的に第一開位置に位置する時に図11に示す蓋装置の側断面図である。
【図13】蓋が第一開位置に位置する時に図11に示す蓋装置の側断面図である。
【図14】蓋が部分的に第二開位置に位置する時に図11に示す蓋装置の側断面図である。
【図15】蓋のより多くの部分が第二開位置に位置する時に図11に示す蓋装置の側断面図である。
【図16】蓋が第二開位置に位置する時に図11に示す蓋装置の側断面図である。
【図17】接続モジュールのもう一つの実施例の透視図である。
【図18】蓋が閉位置に位置する時に図17に示す接続モジュールを有する蓋装置の実施例の一部の側断面図である。
【図19】接続モジュールのもう一つの実施例の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
要求に基づいて、ここで本発明の詳細な実施例を記述するが、ここで開示の実施例は本発明の典型的な例だけであることを理解すべきであり、本発明は各種の形式で実現され得る。よって、ここで開示の具体的な細部は、限定と解釈され得ず、請求の範囲の基礎とされ、且つ、当業者が任意の適切な方式で本発明を多様に実施できることを示す代表的な基礎とされ得る。
【0018】
図1に示すのは、蓋装置20を有する便器25の実施例である。図1乃至図4に示すのは、蓋40が例えば便器25の使用過程における異なる位置にある例である。蓋40が閉位置にある時に、蓋40は、便器25を覆い、これにより、蓋40の第一表面42は、便器25から背離し、外へ面する。図3に示すように、蓋40が第一開位置にある時に、第一表面42は、基本的には空間28に面する。図4に示すように、蓋40が第二開位置にある時に、第一表面42の背面は、基本的には空間28に面する。
【0019】
図5に示すのは、20が付けられる蓋装置の実施例である。蓋装置20は、蓋40、基体60、及び接続モジュール80を含む。蓋装置20は、例えば、便器又はビデ等の設備又は容器の開閉可能な蓋として用いられてもよい。
【0020】
図6に示すのは、120が付けられる蓋装置のもう一つの実施例である。蓋装置120は、蓋40、基体60、及び接続モジュール80を含み、さらに、駆動装置30を含む。蓋装置120の蓋40を開ける及び閉める操作は、自動、手動又は両者の結合であってもよい。図示の蓋装置120の実施例は、自動及び手動的に操作されてもよい。例えば、蓋装置120は、自動的に蓋40を開ける及び閉めることができ、手動的に蓋40を開ける又は閉めることができ、手動的に蓋40を開けまた自動的に蓋40を閉めることができ、或いは、自動的に蓋40を開けまた手動的に蓋40を閉めることができる。
【0021】
蓋40は、開口の蓋として使用されてもよく、例えば、便器上の便器蓋として使用されてもよい。蓋40は、工業標準に符合する任意の材料で製造されてもよく、例えば、プラスチック、セラミック又は金属で製造されてもよい。図5又は図6に示すように、蓋40は、第一表面42及び第二表面44を有する。蓋40が閉位置にある(図2)時に、第一表面42の背面は、覆われている設備に面し、即ち、第一表面42は、外に面し、空間28に面する。例えば、第一表面42は、便器蓋40の頂面であってもよく、便器蓋40が閉位置に位置する時に、該頂面の背面は、便器25に面し、即ち、該頂面は、上へ面する。蓋40が閉位置にある(図2)時に、第二表面44は、裏に面し、即ち、覆われている設備を向く。例えば、第二表面44は、便器蓋40の底面であってもよく、便器蓋40が閉位置にある時に、該底面は、下に面し、便器25を向く。蓋40は、図3に示すように、一つ又は複数の把持部品52を有してもよい。把持部品52は、例えば、取っ手、突起又は窪みであってもよい。把持部品52は、蓋40上の任意の必要がある位置に設置されてもよい。該把持部品52は、一体成型の蓋40の一部、又は独立した部品であってもよい。
【0022】
基体60は、蓋装置20、120を設備又は容器、例えば、便器又はビデ(図2)に接続するために用いられる。基体60は、工業標準に符合する任意の材料、例えば、プラスチック、セラミック又は金属で製造されてもよい。図5又は図6に示すように、少なくとも一つの接続部品62が、基体60を設備に接続する。接続部品62は、例えば、クリップ、柱、ねじ釘、又はボルトであってもよい。或いは、接続62は、粘着剤であってもよい。接続部品62は、一体成型の基体60の一部、又は独立した部品であってもよい。基体60のサイズ及び形状は、駆動装置30を収納できるよう構成されてもよい。駆動装置30は、工業標準に符合する任意のもの、例えば、モータ又はアクチュエータであってもよい。或いは、駆動装置30は、基体60の外部に設けられてもよく、例えば、基体60の上方又は下方に取り付けられてもよい。
【0023】
図5及び図6は、蓋40を基体60に接続する接続モジュール80を示す。接続モジュール80は、図7に示すように、複数の接続部品、例えば、第一接続部品82及び第二接続部品84を含む。或いは、接続モジュール80は、三つ以上の接続部品を有してもよい。第一接続部品82及び第二接続部品84は、工業基準に符合する任意の材料、例えば、金属、プラスチック又は複合材料で製造されてもよい。第一ピボット部品64が、第一接続部品82の第一基体部分86をピボット接続方式で基体60に接続する。蓋40中の経路(Pathway)46が、ピボット可能及び滑り可能に第一接続部品82の第一蓋部分88(図8)を受容する。経路46は、任意の種類の受容的な経路、例えば、チャネル、キャビテ、狭い溝、又は凹溝であってもよい。図示の実施例の経路46は、凹溝である。経路46は、第一ストッパー47及び第二ストッパー49(図8)を有する。第一ストッパー47は、第一蓋部分88を阻止し、第一蓋部分88が経路46中の第一位置51(図9)を滑り越えることを防止する。第二ストッパー49は、第一蓋部分88を阻止し、第一蓋部分88が経路46中の第二位置53(図10)を滑り超えることを防止する。第一ストッパー47及び第二ストッパー49は、例えば、蓋40の複数の部分、又は経路嵌入部品の終端部分により形成される端壁であってもよい。第二ピボット部品66が、第二接続部品84の第二基体部分90をピボット接続方式で基体60に接続する。蓋40の第三ピボット部品48が、第二接続部品84の第二蓋部分92をピボット接続方式で蓋40に接続する。第一、第二、及び第三ピボット部品64、66、及び48のうちのいずれか一つは、蓋40又は基体60の一部である。経路46は、蓋40、基体60、又は接続モジュール80の一部である。構造の一部として該構造と一体成型され、又は該構造の付加部品とされる。例えば、第一、第二、第三ピボット部品64、66、48、及び経路46のうちの何れか一つは、蓋40又は基体60と一体成型されてもよく、或いは、独立した部品として蓋40又は基体60に接続されてもよい。例えば、第一、第二、第三ピボット部品64、66、48のうちの何れか一つは、蓋40又は基体60に接続される又は取り付けられる、独立したヒンジであってもよい。例えば、経路64は、蓋40又は基体60に接続される独立した部品中に形成される経路であってもよい。或いは、例えば、経路64は、第一又は第二接続部品82、84の一部であってもよく、該一部は、第一又は第二接続部品82、84の他の一部と伸縮可能に結合される。例えば、第一及び第二接続部品82、84は、ともに、伸縮可能に結合される接続部品であってもよい。
【0024】
駆動装置30は、第一、第二、第三ピボット部品64、66、48のうちの少なくとも一つに接続されてもよい(図6)。例えば、駆動装置30は、第一ピボット部品64のみに接続されてもよく、又は、第二ピボット部品66のみに接続されてもよく、又は、第一ピボット部品64及び第二ピボット部品66に同時に接続されてもよい。或いは、例えば、駆動装置30は、第三ピボット部品48又は経路46のみに接続されてもよく、又は、第三ピボット部品48及び経路46に同時に接続されてもよい。これにより、駆動装置30は、第一接続部品82及び第二接続部品84のうちの一つに回転力を与え、又は、第一接続部品82及び第二接続部品84に同時に回転力を与えることができる。複数の駆動装置30は、第一、第二、第三ピボット部品64、66、48、及び経路46のうちの任意の組合せに接続されてもよい。
【0025】
図11乃至図16は、220が付けられる蓋装置のもう一つの実施例を示す。蓋装置220は、さらに、ロックモジュール50を含む。ロックモジュール50は、少なくとも一つの、第一蓋部分88との結合に適した結合部品55を有する。ロックモジュール50は、例えば、金属、プラスチック又はゴムなどの工業標準に符合する任意の材料により製造されてもよい。結合部品55は、剛性的であってもよく、例えば、金属又は硬いプラスチックにより作られてもよい。或いは、結合部品55は、磁性的又は可撓性的であってもよく、例えば、柔らかいプラスチック又は柔らかいゴムにより作られてよい。結合部品55は、一体成型のロックモジュール50の一部であってもよく、又は、結合部品55は、ロック基体57に接続される独立した部品であってもよい。蓋40中のロックモジュール50は、第一蓋部分88を選択的に制限することができる。例えば、ロック位置においては、ロックモジュール50は、第一蓋部分88を制限し、第一蓋部分88が経路6内においてストッパー49へ滑ることを阻止する。アンロック位置においては、ロックモジュール50は、第一蓋部品88を制限せず、第一蓋部分88が経路46内においてストッパー49へ滑ることを許す。
【0026】
図17及び図18は、320が付けられる蓋装置のもう一つの実施例を示す。蓋装置320は、接続モジュール180を含み、接続モジュール180は、複数の接続部品を含み、例えば、第一接続部品182及び第二接続部品184を含む。第一接続部品182及び第二接続部品184は、例えば、金属、プラスチック又は複合材料などの工業標準に符合する任意の材料により作られてもよい。第一ピボット部品64が、第一接続部品182の第一基体部分186をピボット接続方式で基体60に接続する。蓋140の第三ピボット部品148が、第一接続部品182の第一蓋部品192をピボット接続方式で蓋140に接続する。第二ピボット部品66が、第二接続部品184の第二基体部分190をピボット接続方式で基体60に接続する。蓋140中の経路146は、第二接続部品184の第二蓋部分188を滑り可能に受容する。第一ストッパー147が、第二蓋部分188を制限し、第二蓋部分188が経路146中の第一位置151を滑り越えることを制限する。ロックモジュール50は、第二蓋部分188が経路146中の第二位置153に位置する第二ストッパー149へ滑ることを選択的に制限する。
【0027】
図19は、280が付けられる接続モジュールのもう一つの実施例を示す。接続モジュール280は、第一ピボット部品64及び第四ピボット部品68に接続される第一接続部品282、及び、第二及び第三ピボット部品66、48に接続される第二接続部品84を有する。第一接続部品282は、伸縮可能に第一蓋部分228に結合される経路246内の第一基体部分290を有する。或いは、第二接続部品84は、経路246を有する伸縮式部品であってもよく、又は、第一及び第二接続部品282、84は、ともに、経路246を有する伸縮式部品であってもよい。経路246は、選択可能にロックモジュール50を含んでもよい。
【0028】
蓋装置20は、使用者が手動で蓋40を開ける又は閉めることを許す。使用者は、把持部品520を外へ引くことによって、手動で蓋40を第一開位置まで開けることができ、この時に、第一表面42は、空間28に面する。把持部品52に与えた引っ張り力により、蓋40は、上昇し、また、第三ピボット部品48の軸線に対して回転する。第一蓋部分88が第一ストッパー47へ押され、第一蓋部分88が第二ストッパー49からさらに離れる方向に滑ることが制限される。使用者は、蓋の一部を外へ引くことにより、手動で蓋40を第二開位置まで開けることができ、この時に、第一表面42の背面は空間28に面し且つ第二表面44は空間28に面する。例えば、使用者は、蓋40を基体60から最大限に持ち上げることができ、基体60は、通常、便器の前の部分と思われる。蓋40の一部に作用する引っ張り力により、蓋40は、上昇するが、第三ピボット部品48の軸線に対して回転することがない。蓋40が第二開位置まで開けられる時に、第一蓋部分88は、経路46内において第一位置53にある第二ストッパー49へ滑る。第一蓋部分88は第二ストッパー49の制限で第一位置51からさらに離れる方向へ滑ることができない時に、蓋40を開けるための更なる移動は阻止される。
【0029】
また、選択可能に、蓋40の操作は、駆動装置30を含む蓋装置120の自動化により実現されてもよい。蓋装置120が行う自動操作過程において、例えばボタン、スイッチ、制御ロッド又はセンサ等の起動装置(図示せず)からの第一信号を受信した後に、駆動装置30は起動される。駆動装置30は、接続モジュール80を駆動し、これにより、第一接続部品82は、第一ピボット部品64の軸線に対して回転し、また、第二接続部品84は、第二ピボット部品66の軸線に対して回転する。第一蓋部分88は、第一ストッパー47により制限され、経路46内において第二ストッパー49からさらに離れる方向へ滑ることができなくなる。蓋40は、第一接続部品82及び第二接続部品84の回転方向と相反の方向に、第三ピボット部品48の軸線に対して回転する。第一開位置において、蓋40の第一表面42は、該装置の開口の外の空間28に面し、例えば、便器25の使用者を向く。例えば、蓋40を自動で開けた時に、使用者は、便器25に座り、且つ、相対的に清潔である第一表面42にもたれることができる。
【0030】
蓋40を自動的に閉めるために、駆動装置30は、第二信号を受信した後に、起動され、これにより、第一接続部品82及び第二接続部品84は、それぞれ、開けられた時の回転方向と相反の方向に回転する。蓋40は、開けられた時の回転方向と相反の方向に回転することにより、当初の閉位置に戻す。この位置においては、第一表面42は、覆われている装置の外部、例えば、便器25の上方の空間28に面する。
【0031】
蓋40は、手動で上げる又は下げることができる。蓋40を手動で開けるために、使用者は、蓋40の一部に手で接触し、また、設備から外への方向に沿って蓋40に力を与える。例えば、使用者は、便器蓋40の前の部分を握り、且つ便器25から離れる方向に沿って上へ持ち上げる。第一接続部品82は、第一ピボット部品64の軸線に対して回転し、且つ第二接続部品84は、第二ピボット部品66の軸線に対して回転する。第一蓋部分88は、第二位置53へ、第二ストッパー49により制限されるまで滑る。蓋40は、第三ピボット部品48の軸線に対して基本的に固定される位置に停留する。完全に開けられた位置においては、蓋40の第二表面44は、該設備の開口の外部の空間28に面し、例えば、便器25の使用者に面する。例えば、便器25の使用過程において、使用者による任意の飛び散り物又は無方向の物すべては、第二表面44に落ちるので、第一表面42を相対的に清潔に保持することができる。或いは、例えば、使用者は、蓋40の後ろにある把持部品52を握り、また便器25から離れる方向に上へ持ち上げることにより、蓋40は、接続モジュール80に対して回転し、これにより、前に蓋40を自動的に開けることについて述べたように、蓋40は、便器25の使用者に面するようになる。
【0032】
蓋40を手動で閉めるために、使用者は、蓋の一部に接触し、且つ設備に向けて力を与える。例えば、使用者は、蓋40の前の部分と思われる箇所を握り、且つ便器25に向けて下へ引く。第一蓋部分88は、経路46内において、第一ストッパー47で制限されるまで、第一位置51へ滑る。使用者は、蓋40を導いて閉位置に戻すことができるのみならず、蓋40を部分的に閉めた後に蓋40を放し、蓋40を重力の作用で閉位置に戻させることもできる。或いは、使用者は、蓋40の後ろの部分と思われる箇所を握り、且つ便器25に向けて下へ押す又は引くことにより、蓋40は、前に蓋40を自動的に閉めることについて述べたように、接続モジュール80に対して回転する。
【0033】
蓋装置20、120は、選択可能に、ロックモジュール50を含んでもよい。蓋40を第一開位置まで開けた時に、結合部品55は、第一蓋部分88を制限し、これにより、第一蓋部分88は、第二位置53へ滑ることができなくなる。蓋40は第三ピボット部品48の軸線に対して回転し、これにより、第一表面42は、蓋40が第一開位置にある時に、空間28に面するようになる。蓋40を第二開位置まで開けるために、結合部品55は、第一蓋部分88が第二位置53へ滑ることができないよう第一蓋部分88を制限する位置に停止する。例えば、結合部品55は、第一蓋部品88の滑り運動を許すために、経路46から大体離脱することができる。或いは、結合部品55は、ある程度の可撓性を有してもよく、これにより、第一蓋部分88からの力は、第一蓋部分88が結合部品55を滑り超えて第二位置53へ滑ることを許すために、結合部品55に十分な変形を生成させることができる。例えば、結合部品55は、磁性を有してもよい。手動操作過程において、使用者が最初に蓋40に与えた力は、結合部品55が第一蓋部分88に与えた制限力を克服したため、第一蓋部分88は、ロックモジュール55から離脱し、これにより、第一蓋部分88は、経路46内に滑ることができる。自動操作過程において、駆動装置30により与えられた、第一蓋部分88に伝達された力は、第一蓋部分88を結合部品55から離脱させる方向に施されず、且つこの力の強度は、第一蓋部分88を結合部品55から離脱させるできる程度に及ばない。
【0034】
経路46が蓋40の一部である実施例では、経路46は、蓋40上又は蓋40中に設置され、ロックモジュール50は、自動操作過程において経路46中の第一蓋部分88の滑り運動を制限できるよう、サイズが制限され、且つ、十分な制限力を提供できるように構成される。しかし、蓋40及び経路46は、蓋40が閉位置にある時に蓋40の重心が経路46の前に位置するように構成されれば、ロックモジュール50の使用は必ずしも必要ではない。
【0035】
蓋40を手動で開けた後に、蓋40は、前に述べたように、自動的に閉められてもよい。或いは、蓋40を自動で開けた後に、蓋40は、前に述べたように、手動的に閉められてもよい。
【0036】
本発明の好適な実施例は、蓋装置20であり、それは、基体60と、第一表面42、第二表面44、経路46、第三ピボット部品48及びロックモジュール50を含む蓋40と、第一接続部品82と、第二接続部品84とを含む。第一接続部品82中では、第一接続部品82の第一基体部分86は、第一ピボット部品64により基体60に接続され、第一接続部品82の第一蓋部分88は、経路46と滑り可能に結合され、第一接続部品82の第一蓋部分88は、ロックモジュール50により釈放可能に制限される。第二接続部品84では、第二接続部品84の第二基体部分90は、第二ピボット部品66により基体60に接続され、且つ第二接続部品84の第二蓋部分92は、第三ピボット部品にピボット可能に接続される。且つ、選択可能な駆動装置30は、第一接続部品82及び第二接続部品84のうち少なくとも一つに接続される。
【0037】
本発明の選択可能な実施例は、蓋装置20であり、そのうち、第一接続部品82はロックモジュール50により釈放可能に制限され、駆動装置30は第一接続部品82に接続され、これにより、第一選択部品82は、蓋40を開ける又は閉めるために、駆動装置30からの力を伝達することができ、そのうち、蓋40は開位置に位置する時に、蓋40の第一表面42は、空間28に面し、該空間28は、蓋40が閉位置に位置する時に、蓋40が所在する区域の上にある。
【0038】
本発明のもう一つの選択可能な実施例は、蓋装置20であり、そのうち、第一接続部品82は、ロックモジュール50により釈放可能に制限され、駆動装置30は、第二接続部品84に接続され、これにより、第二接続部品84は、蓋40を開ける又は閉めるために、駆動装置30からの力を伝達することができ、そのうち、蓋40は開位置にある時に、蓋40の第一表面42は、空間28に面し、該空間28は、蓋40が閉位置にある時に蓋40が所在する区域の上に位置する。
【0039】
本発明のまたもう一つの選択可能な実施例は、蓋装置20であり、そのうち、第一選択部品82は、ロックモジュール50により釈放可能に制限され、駆動装置30は、第一接続部品82及び第二接続部品84に接続され、これにより、第一接続部品82及び第二接続部品84は、蓋40を開ける又は閉めるために、駆動装置30からの力を伝達することができ、そのうち、蓋40は開位置にある時に、蓋40の第一表面42は、空間28に面し、該空間28は、蓋40が閉位置にある時に蓋40が所在する区域の上にある。
【0040】
本発明のもう一つの選択可能な実施例は、蓋装置20であり、そのうち、第一接続部品82は、ロッドである。
【0041】
本発明のまた一つの選択可能な実施例は、蓋装置20であり、そのうち、第二接続部品85は、ロッドである。
【0042】
本発明のまたもう一つの選択可能な実施例は、蓋装置20であり、そのうち、経路46は、凹溝である。
【0043】
理解すべきは、以上に記述した実施例に対して各種の修正を行ってもよく、且つ、これらの修正は、当業者にとっては自明であり、例えば、蓋装置及び/又は他の部品に対しての変化及び修正は、ここで単独で開示の又は保護されたい特徴の組合せ、これらの特徴を明確に含む他の組合せ、又は、選択可能な他の類の蓋装置を含む。例えば、蓋装置は、三つ以上の接続部品、又は、二つ以上の駆動装置を有してもよい。同様に、材料及び構造の面においては、多くの可能な変化も存在する。例えば、蓋の外表面は、模様を有してもよいし、充填材料を有してもよいし、又は、布などの材料とともに構成されてもよい。これらの修正及び/又は組合せは、本発明の関連する技術に属し、また、請求の範囲にも含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋装置であって、
基体と、
第一表面及び相反の第二表面を有する蓋と、
前記基体を前記蓋に接続する第一及び第二接続部品を有する接続モジュールと、
を含み、
前記第一接続部品は、第一ピボット部品により前記基体に接続され、且つ前記第一接続部品は、第二ピボット部品により前記蓋に接続され、
前記第二接続部品は、第三ピボット部品により前記基体に接続され、且つ前記第二接続部品は、第四ピボット部品により前記蓋に接続され、
前記蓋装置は、さらに、滑り経路を含む、蓋装置。
【請求項2】
前記滑り経路は、前記蓋の一部であり、且つ前記第一ピボット部品及び前記第二ピボット部品のうちの一つは、前記経路中に滑り可能に設置される、請求項1に記載の蓋装置。
【請求項3】
前記滑り経路は、前記基体の一部であり、且つ前記第三ピボット部品及び前記第四ピボット部品のうちの一つは、前記経路中に滑り可能に設置される、請求項1に記載の蓋装置。
【請求項4】
前記滑り経路は、前記第一接続部品及び前記第二接続部品のうちの少なくとも一つの接続部品の一部であり、前記第一接続部品及び前記第二接続部品のうちの前記少なくとも一つの接続部品は、滑るように結合される少なくとも2つの部分を有する、請求項1に記載の蓋装置。
【請求項5】
前記各ピボット部品は、ヒンジである、請求項1に記載の蓋装置。
【請求項6】
さらに、前記蓋と結合される少なくとも一つの把持部品を含む、請求項1に記載の蓋装置。
【請求項7】
さらに、ロックモジュールを含み、
前記経路中に位置する前記第一接続部品の一部は、前記経路中に滑り運動を行えないように、前記ロックモジュールにより釈放可能に制限される、請求項1に記載の蓋装置。
【請求項8】
さらに、前記第一接続部品及び前記第二接続部品のうちの少なくとも一つに接続される駆動装置を含む、請求項1に記載の蓋装置。
【請求項9】
前記第一接続部品はロッドである、請求項1に記載の蓋装置。
【請求項10】
前記第二接続部品はロッドである、請求項1に記載の蓋装置。
【請求項11】
前記経路は凹溝である、請求項1に記載の蓋装置。
【請求項12】
前記経路は、第一末端及び第二末端を有し、
前記蓋は閉位置を有し、前記閉位置においては、前記蓋は、前記基体の取り付け面から前へ延伸しまた前記基体の前記取り付け面と略平行であるように位置決められ、前記蓋の前記第一表面は前記基体から背離し、且つ前記蓋は、交替する第一開位置及び第二開位置を有し、前記交替する第一開位置及び第二開位置においては、前記蓋は、前記基体の前記取り付け面と略垂直であるように位置決められ、
前記蓋の前記閉位置においては、前記経路中に位置する前記第一接続部品の前記一部は、前記経路の前記第一末端に接近するように設置され、
前記蓋の前記第一開位置においては、前記経路中に位置する前記第一接続部品の前記一部は、前記経路の前記第一末端に接近するように設置され、且つ前記蓋の前記第一表面は、前に面しまた前記基体から背離し、
前記蓋の前記第二開位置においては、前記経路中に位置する前記第一接続部品の前記一部は、前記経路の前記第二末端に接近するように設置され、且つ前記蓋の前記第二表面は、前に面しまた前記基体から背離する、請求項1に記載の蓋装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2013−510599(P2013−510599A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538183(P2012−538183)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【国際出願番号】PCT/CN2010/078801
【国際公開番号】WO2011/060710
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(508312142)シャンハイ コーラー エレクトロニクス リミテッド (5)
【Fターム(参考)】