説明

薄膜の製造方法及び薄膜

【課題】簡単な構成で、所定厚さの均一な薄膜を得ることが可能な薄膜を製造する薄膜の製造方法及び薄膜を提供する。
【解決手段】変性粘土を主要構成成分とする材料であって、自立膜として利用可能な機械的強度を有する薄膜を製造する方法であって、変性粘土のプレゲル溶媒を加え、変性粘土プレゲルを作製し、その後、極性溶媒を加え、その後、添加物を加えて粘土ペーストを作製し、粘土ペーストの脱気を行い、脱気した粘土ペーストを乾燥して薄膜とし、薄膜を加熱すると共に加圧し、加熱する温度と、加圧する圧力により膜厚を制御し、所定厚さの均一な薄膜を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、変性粘土を主要構成成分とする材料であって、自立膜として利用可能な機械的強度を有する薄膜の製造方法及び薄膜に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、包装材、封止材、絶縁材の技術分野において、従来、ガス遮蔽性が高く、水蒸気遮蔽性が高く、耐水性で、柔軟で、しかも湿潤環境下で使用可能な耐熱性材料の開発が強く要請され、耐水性が高く、しかも、柔軟性が高く、水蒸気バリア性、及びガスバリア性に優れた新素材であって、ガスバリアフィルム等に好適に使用することが可能な新素材・新技術が提供されている(特許文献1)。
【0003】
また、省エネルギーディスプレイとして、液晶、有機ELなどが開発され、電子ペーパー等の用途も含め、ディスプレイ全体のフレキシブル化が次の目標となっており、このための柔軟な、耐熱性透明フィルムが求められ、特に、柔軟性・耐熱性・透明性・ガスバリア性を併せ持つフィルム状材料の開発が強く求められ、柔軟性及び軽量化の実現のために、フィルムを極力薄くすることが望まれており、また、フィルム基板に対しては、表面平滑性、耐薬品性、寸法安定性、あるいは低膨張率性が求められる。
【0004】
また、化粧品及び医薬品分野において、自立膜として利用可能な機械的強度を有する新しい無機層状化合物膜を開発し、実用化することが強く求められ、自立膜として利用可能な機械的強度を有し、透明で、しかも、優れたフレキシビリティーを有し、200℃を超える高温度条件下で使用できる新しいガスバリア膜が開発されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−277078号公報
【特許文献2】特開2007−63118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、変性粘土を主要構成成分とする材料であって、自立膜として利用可能な機械的強度を有する薄膜が製造されているが、ピンホールのないガスバリア性に優れた均一の厚さの膜を調製することは困難であった。
【0007】
また、粘土ペーストの脱気を行い、この粘土ペーストをフィルムを貼り付けた金属板に塗布し、ステンレス製地べらを用い、スペーサーをガイドとして利用し、均一厚の粘土ペースト膜を成型し、トレイを室温で自然乾燥することにより、薄膜を得て、昼夜静置後生成した変性粘土膜をトレイから剥離して、自立した、フレキシビリティーに優れた膜でいたため、所定厚さの均一な薄膜を得ることができなかった。
【0008】
この発明は、かかる実情に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、所定厚さの均一な薄膜を得ることが可能な薄膜を製造する薄膜の製造方法及び薄膜を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。請求項1に記載の発明は、変性粘土を主要構成成分とする材料であって、自立膜として利用可能な機械的強度を有する薄膜を製造する方法であって、
変性粘土のプレゲル溶媒を加え、変性粘土プレゲルを作製し、その後、極性溶媒を加え、その後、添加物を加えて粘土ペーストを作製し、
前記粘土ペーストの脱気を行い、
前記脱気した粘土ペーストを乾燥して薄膜とし、
前記薄膜を加熱すると共に加圧し、
前記加熱する温度と、加圧する圧力により膜厚を制御し、
所定厚さの均一な薄膜を得ることを特徴とする薄膜の製造方法である。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記変性粘土を主要構成成分とする材料は、
(1)変性粘土と添加物から構成される、
(2)変性粘土の全固体に対する重量比が70%以上である、
(3)ガスバリア性を有することを特徴とする請求項1に記載の薄膜の製造方法である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記所定厚さの均一な薄膜は、前記加熱する温度の設定と、前記加圧する圧力の設定により、透明又は半透明にすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の薄膜の製造方法である。
【0012】
請求項4に記載の発明は、前記所定厚さの均一な薄膜は、前記加熱する温度の設定と、前記加圧する圧力の設定により多孔質にすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄膜の製造方法である。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記変性粘土のプレゲル溶媒が、水であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜の製造方法である。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記極性溶媒が、エタノールあるいはジメチルアセトアミドであることを特徴とする請求項1に記載の薄膜の製造方法である。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項の薄膜を製造する方法を用いて製造したことを特徴とする薄膜である。
【発明の効果】
【0016】
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
【0017】
請求項1に記載の発明では、乾燥した粘土ペーストを加熱すると共に加圧し、加熱する温度と、加圧する圧力により膜厚を制御することで、自立膜として利用可能な機械的強度を有する所定厚さの均一な薄膜を得ることができる。
【0018】
請求項2に記載の発明では、ガスバリア性を有する所定厚さの均一な薄膜を得ることができる。
【0019】
請求項3に記載の発明では、所定厚さの均一な薄膜は、加熱する温度の設定と、加圧する圧力の設定により、透明又は半透明にすることができる。
【0020】
請求項4に記載の発明では、所定厚さの均一な薄膜は、加熱する温度の設定と、加圧する圧力の設定により多孔質にすることができる。
【0021】
請求項5に記載の発明では、変性粘土のプレゲル溶媒が、水であり、粘土と水でプレゲルを調製し、これに極性溶媒を加え、次に、添加物を加え、均一なペーストとすることができる。
【0022】
請求項6に記載の発明では、極性溶媒が、エタノールあるいはジメチルアセトアミドであり、水とエタノール、水とジメチルアセトアミドにより、変性粘土を水で膨潤させ、プレゲルを作り、その後、二種類目の極性溶媒を足す方法を取ることが好適である。
【0023】
請求項7に記載の発明では、請求項1乃至請求項6のいずれか1項の薄膜を製造する方法を用いて製造することで、自立膜として利用可能な機械的強度を有する所定厚さの均一な薄膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】薄膜を製造する方法の工程を示す図である。
【図2】所定厚さの均一な薄膜を得る装置を示す図である。
【図3】所定厚さの均一な薄膜を得る他の装置を示す図である。
【図4】所定厚さの均一な薄膜の加圧時の圧力差と透明度の比較を示す図である。
【図5】所定厚さの均一な薄膜の加圧時の温度差と透明度の比較を示す図である。
【図6】所定厚さの均一な薄膜について加熱する温度の設定と加圧する圧力の設定により多孔質にすることができる条件を示す表の図である。
【図7】所定厚さの均一な薄膜の写真で示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、この発明の薄膜の製造方法及び薄膜の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。
【0026】
図1は薄膜を製造する方法の工程を示す図である。この発明は、変性粘土を主要構成成分とする材料であって、自立膜として利用可能な機械的強度を有する薄膜を製造する方法であり、まず、変性粘土のプレゲル溶媒を作製し(工程A)、この変性粘土のプレゲル溶媒を加え、変性粘土プレゲルを作製する(工程B)。その後、極性溶媒を加え、その後、添加物を加えて粘土ペーストを作製する(工程C)。そして、粘土ペーストの脱気を行い(工程D)、この脱気した粘土ペーストを乾燥し(工程E)、乾燥した粘土ペーストを加熱すると共に加圧し(工程F)、加熱する温度と、加圧する圧力により膜厚を制御し(工程G)、所定厚さの均一な薄膜を得る(工程H)。
【0027】
この発明の膜材は、変性粘土を主要構成成分とする耐水性を有する材料であって、(1)変性粘土と添加物から構成される、(2)変性粘土の全固体に対する重量比が70%以上である、(3)ガスバリア性を有する、及び(4)自立膜として利用可能な機械的強度を有する膜である。
【0028】
この発明では、耐水性の高い有機粘土と、必要に応じて少量の耐水性の高い添加物を、溶剤に分散させ、ダマを含まない均一な分散液を得た後、この分散液を、表面が平坦な支持体に塗布し、分散媒である溶剤を、適宜の固液分離方法で分離し、膜状に成形した後、これを加熱・加圧することにより支持体から剥離することにより、変性粘土結晶が配向し、耐水性が高く、柔軟性に優れ、ガスバリア性に優れ、耐熱性も高い変性粘土膜が得られる。
【0029】
この場合、固液分離方法としては、例えば、遠心分離、ろ過、真空乾燥、凍結真空乾燥又は加熱蒸発法などが例示されるが、これらに制限されるものではない。
【0030】
この発明においては、好適な変性粘土と添加物、変性粘土と添加物の混合比率、分散液の固液比、好適な支持体材料、好適な分散方法等を任意に設定することが可能であり、それにより、膜の柔軟性、耐水性及び耐熱性を向上させた膜材を得ることができる。
【0031】
すなわち、この発明では、耐水性の高い変性粘土及び少量の耐水性の高い添加物を用い、表面を平坦に成型し、変性粘土を配向して緻密に積層し、内部クラックやダマに起因する不均一性を最小限に抑え、均一な厚さで自立膜として利用可能な機械的強度を得るための好適な製造条件を採用することが重要である。それにより、耐水性を有し、熱安定性、ガスバリア性に優れたフレキシブルな膜を自立膜として得ることができる。
【0032】
この発明で用いる変性粘土に用いられる粘土としては、天然あるいは合成物、好適には、例えば、雲母、バーミキュライト、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、マガディアイト、アイラライト、カネマイト、イライト、セリサイトのうちの1種以上、更に好適には、それらの天然あるいは合成物の何れかあるいはそれらの混合物が例示される。
【0033】
この発明で用いる変性粘土に用いる有機カチオンとして第四級アンモニウムカチオンあるいは第四級ホスホニウムカチオンを用いるものが例示される。その際、変性粘土における有機カチオン組成が30重量パーセント未満である場合が例示される。この発明では、変性粘土にシリル化剤を反応させたものである場合が例示される。その際、粘土とシリル化剤の総重量に対するシリル化剤組成が30重量パーセント未満である場合が例示される。
【0034】
この発明の変性粘土に含まれる有機物としては、第四級アンモニウムカチオンあるいは第四級ホスホニウムカチオンがあげられる。第四級アンモニウムカチオンとしては、特に限定されるものではないが、ジメチルジオクタデシルタイプ、ジメチルステアリルベンジルタイプ、トリメチルステアリルタイプが例示される。また、類似の有機物として第四級ホスホニウムカチオンが例示される。これらの有機物は、原料粘土のイオン交換によって粘土に導入される。このイオン交換は、例えば、原料粘土を、大過剰の有機物を溶解した水に分散し、一定時間攪拌し、遠心分離あるいはろ過により固液分離し、水により洗浄を繰り返すことにより行われる。これらのイオン交換プロセスは1回のみの場合もあり、複数回繰り返す場合もある。複数回繰り返すことによって、粘土に含まれるナトリウム、カルシウムなどの交換性イオンが有機物によって交換される比率が高くなる。用いる有機物及び交換比率によって変性粘土の極性にバリエーションを持たせることができ、異なる極性の変性粘土はそれぞれ好適な添加物及び好適な溶剤が異なる。このとき、第四級アンモニウムカチオンの導入に用いられる試薬として、第四級アンモニウムカチオン塩化物が用いられることが一般的である。第四級アンモニウムカチオンの導入とともに混入する塩素は、水洗浄により薄められるが、水洗浄を繰り返してもその濃度を150ppm以下にすることは困難である。しかし、エレクトロニクス用途などでは、塩素の混入を著しく嫌うものがあり、そのため、塩素濃度を150ppm以下に抑えなければならないことがある。そのような場合は、第四級アンモニウム塩化物を用いず、塩素を含まない他の試薬、例えば、第四級アンモニウム臭化物、第四級アンモニウムカチオン水酸化物を用いなければならない。
【0035】
この発明の変性粘土に含まれるシリル化剤としては、特に制限されるものではないが、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシランを例示することができる。粘土へのシリル化剤の導入方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、原料粘土と、原料粘土に対して2重量パーセントのシリル化剤を混合し、それらをボールミルにより一時間ミルすることによって製造される(鬼形正信、近藤三二、Clay Science、第9巻、 第5号、 299−310(1995)参照)。
【0036】
また、この発明で用いる添加物としては、セルロイド、フェノール樹脂、アルキド樹脂、ユリア樹脂、酢酸セルロース、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、ポリエチレン、ポリウレタン樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリアミド樹脂、不飽和ポリエステル、ケイ素樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボナート、ポリアセタール、ポリイミド、ポリスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタラート、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミドのうちの1種以上が例示される。
【0037】
エポキシ樹脂が、石油由来樹脂ではなく、生物由来樹脂を用いることができる。これによって、膜の環境に対する負荷を小さくすることができる。具体的には、リグニン由来エポキシ、あるいはスクロース由来エポキシを用いることが可能である。
【0038】
シリル化粘土を調製する場合のシリル化剤には、種々のものが市販されており、その中には反応性官能基を有するものがある。例えば、エポキシ基、アクリル基、アミノ基、ハロゲン基などである。このような反応性末端を有するシリル化剤を用いて調製されたシリル化粘土は、その末端に反応性末端を有し、製膜中あるいは製膜後の処理によって、付加反応、縮合反応、重合反応等の化学反応を行わせ、新たな化学結合を生じさせて、光透過性、ガスバリア性、水蒸気バリア性あるいは機械的強度を改善することが可能である。特に、シリル化粘土がエポキシ末端を有する場合、製膜中あるいは製膜後の処理でエポキシ反応させ、粘土間に共有結合を形成させることが可能である。
【0039】
上述のように、種々の異なる反応性末端を有するシリル化粘土が調製できることから、ある反応性末端を有するシリル化粘土Aと別の反応性末端を有するシリル化粘土Bを混合し、これを原料として製膜し、製膜中あるいは製膜後の処理で粘土Aと粘土Bのそれぞれの反応性末端同士を化学結合させることが可能であり、これにより、光透過性、ガスバリア性、水蒸気バリア性あるいは機械的強度を改善することが可能である。ここで、シリル化粘土Aの末端がエポキシ基であり、シリル化粘土Bの末端がアミノ基であることが例示される。
【0040】
この発明で用いる変性粘土は、有機溶剤によく分散する場合がある。このような添加物と変性粘土とは、互いの親和性があり、両者を有機溶剤中で混合すると、容易に結合し、複合化する。この場合の膜の製造方法においては、最初に、有機溶剤に変性粘土及び添加物を加えた、均一な分散液を調製しなければならない。この分散液の調製方法としては、変性粘土を分散させてから添加物を加える方法、添加物を含む溶液に変性粘土を分散させる方法並びに変性粘土及び添加物を同時に上記分散媒に加えて分散液とする方法、変性粘土及び添加物をそれぞれ別に分散液とし、それらを混合する方法などが例示されるが、分散の容易さから、変性粘土を有機溶剤に分散させてから、添加物を加えるか、変性粘土及び添加物をそれぞれ別に分散液とし、それらを混合することが好ましい。
【0041】
この場合、先ず、変性粘土を、溶剤に加え、希薄で均一な変性粘土分散液を調製する。この変性粘土分散液における変性粘土濃度は、好適には0.3から15重量パーセント、より好ましくは、1から10重量パーセントである。
【0042】
また、変性粘土の濃度が濃過ぎる場合、変性粘土が良好に分散しないため、ダマが発生しやすく、均一な膜ができないという問題がある。また、変性粘土の濃度が濃過ぎる場合、乾燥時に収縮によるクラックや表面荒れ、膜厚の不均一性等が生じるという問題がある。
【0043】
次に、添加物あるいはそれを含む溶液を秤量して、変性粘土分散液に加え、変性粘土及び添加物を含む均一な分散液を調製する。この場合、変性粘土及び添加物は、ある種の有機溶剤によく分散する。また、変性粘土及び添加物は、互いに親和性があるので、両者は、溶剤中で混合すると、容易に相互作用し、複合化する。
【0044】
粘土添加物複合体を作製する場合に、純粋な溶媒に好分散する粘土とこれと同一な溶媒に溶解する添加物を使うことが一般的である。しかし、粘土の分散液に用いる溶媒と添加物を溶解する溶媒がお互いに混合可能であれば、混合溶媒を用いることが可能である。粘土の分散液に用いる溶媒と添加物を溶解する溶媒は同一である必要はなく、これらの組合せとしては、例えば、水とメタノール、水とエタノール、水とジメチルアセトアミド、水とジメチルホルムアミドなどがある。このような場合、まず変性粘土を水で膨潤させ、プレゲルを作り、その後、二種類目の極性溶媒を足す方法を取ることが好適である。
【0045】
粘土膜の耐熱性を高いものにするためには、極力有機化合物量を少なくする必要がある。しかし、有機溶媒に分散させるためには、通常、粘土に30重量パーセント程度有機カチオンを導入した粘土を用いることが一般的である。このような有機化粘土は、耐熱性が300℃以下であることが一般的である。そこで、優れた耐熱性の粘土膜を作製するために、有機物導入量の少ない粘土を用い、水分散液を用いる場合がある。一方、添加物として水溶性のものを用いる場合、作製した粘土膜の耐水性が劣る傾向がある。そのため、添加物は、水と混合可能な極性溶媒に溶解するものを用い、粘土と水でプレゲルを調製し、これに極性溶媒を加え、次に、添加物を加え、均一なペーストとすることが好適に用いられる。
【0046】
添加物の、全固体に対する重量割合は、30パーセント未満であり、好ましくは5パーセントから20パーセントである。
【0047】
用いる溶剤であるが、変性粘土が分散し、添加物が溶解するものであれば特に限定されることはなく、種々の極性の溶剤を用いることが可能であり、例示すれば、水、エチルアルコール、エーテル、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン、トルエンなどをあげることができる。
【0048】
このとき、添加物の割合が低過ぎる場合、使用の効果が現れず、添加物の割合が高過ぎる場合、得られる膜の耐熱性が低下する。分散方法としては、できるだけ激しく分散できる方法であれば特に限定されるものではないが、攪拌翼を備えた攪拌装置、振とう攪拌装置、ホモジナイザー等を用いる方法があり、特に、小さなダマをなくすためには、分散の最終段階でホモジナイザーを用いる方法が好ましい。ダマが分散液に残存している場合、膜表面の荒れあるいは膜組成の不均一の原因となる。
【0049】
この発明の膜において、必要に応じて秤量した補強材を、変性粘土分散液に加え、均一な分散液を調製する。補強材として、鉱物繊維、グラスウール、炭素繊維、セラミックス繊維、植物繊維、有機高分子繊維樹脂のうちの一種以上を用いることができる。補強材は、これらの繊維が布状になっている場合がある。布は、織物になっている場合と不織布になっている場合がある。補強材が布の場合は、分散液には混合せず、布を支持体上に置いておき、分散液をその上から塗布するような工程を用いることができる。補強材の全固体に対する重量割合は、30パーセント以下であり、好ましくは1パーセントから10パーセントである。このとき、補強材の割合が低過ぎる場合、添加の効果が現れず、補強材の割合が高すぎる場合、調製した膜中で補強材と粘土の分布が不均一になり、結果として、得られる粘土膜の均一性が低下し、やはり添加効果が薄れる。なお、補強材と添加物の添加順序は、どちらが先と決まっているわけではなく、どちらを先に加えてもよい。
【0050】
次に、分散液を必要に応じ脱気処理する。脱気処理の方法としては、例えば、真空引き、加熱、遠心などによるがあるが、真空引きを含む方法がより好ましい。次に、分散液を支持体表面に一定厚みで塗布する。
【0051】
次に、分散媒である溶剤をゆっくりと蒸発させ、残部を膜状に成形する。これらの方法のうち、例えば、加熱蒸発法を用いる場合、分散液を、平坦なトレイ、例えば、真鍮、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)などのトレイなどの支持体に塗布し、水平を保った状態で、強制送風式オーブン中において、30℃から90℃の温度条件下、好ましくは30℃から50℃の温度条件下で、10分から3時間程度、好ましくは20分から1時間、乾燥して、添加物複合有機粘土膜を得る。
【0052】
このとき、膜材料との剥離性が十分でない場合は、膜が支持体に貼りついた状態になり、剥離させることが困難になるという問題点がある。剥離性を良くするために、支持体表面に何らかの表面加工をすることがある。例えば、金属材料上へのフッ素膜加工などである。支持体表面はできるかぎり平坦であることが望ましい。平坦でない場合には、膜表面に支持体表面の荒れが転写され、膜表面の平滑性が低下する原因となる。
【0053】
分散液を、事前に脱気処理しない場合は、得られる複合無機層状化合物膜に気泡に由来する孔ができ易くなるという問題が生ずる場合がある。複合変性粘土膜に気泡が含まれる場合、膜の均一性が低下する他、光の内部散乱の原因となり、膜が曇るという問題点がある。また、乾燥条件は、液体分を蒸発によって取り除くのに十分であるように設定される。このとき、温度が低過ぎると、乾燥に時間がかかるという問題がある。また、温度が高過ぎると、分散液の対流が起こり、膜が均一な厚みにならず、また、変性粘土粒子の配向度が低下するという問題がある。
【0054】
この発明の膜の厚さについては、分散液に用いる固体重量を増減することによって、任意の厚さの膜を得ることができる。厚みについては、薄く成膜した方が表面平滑性に優れる傾向がある。その他、膜が厚くなることによって、柔軟性が低下するという問題があり、厚みは0.2ミリメートル以下であることが望ましい。
【0055】
この発明において、変性粘土粒子の積層を高度に配向させるとは、変性粘土粒子の単位構造層(厚さ約1ナノメートルから1.5ナノメートル)を、層面の向きを一にして積み重ね、層面に垂直な方向に、高い周期性を持たせることを意味する。このような変性粘土粒子の配向を得るためには、変性粘土及び添加物を含む、希薄で均一な分散液を支持体に塗布し、分散媒である液体をゆっくりと蒸発させ、変性粘土粒子が緻密に積層した膜状に成形することが重要である。
【0056】
この製膜の好適な製造条件を示すと、変性粘土分散液中の変性粘土の濃度は、好ましくは0.3から15重量パーセント、より好ましくは、1から10重量パーセントであり、また、加熱乾燥法による乾燥条件は、用いる溶剤の種類によるが、室温から90℃の温度条件下、より好ましくは、30℃から50℃の温度条件下で、10分から3時間程度の乾燥、より好ましくは、20分から1時間程度の乾燥である。
【0057】
また、添加物複合変性粘土膜がトレイなどの支持体から自然に剥離しない場合は、好適には、例えば、約80℃から200℃の温度条件下で乾燥し、剥離を容易にして自立膜を得る。乾燥時間は一時間あれば十分である。このとき、温度が低過ぎる場合には、剥離が起こりにくいという問題がある。また、温度が高過ぎる場合には、添加物が劣化し、結果として、膜の着色が起る、機械的強度が低減する、及びガスバリア性が低減する等の問題が生じる。
【0058】
この発明の変性粘土膜は、その表面を処理することにより、表面特性を変え、耐水性・高遮湿性を向上させることが可能である。表面処理としては、均一にできるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、被覆層作製法がある。
【0059】
被覆層作製による方法としては、フッ素系膜、シリコン系膜、ポリシロキサン膜、フッ素含有オルガノポリシロキサン膜、アクリル樹脂膜、塩化ビニル樹脂膜、ポリウレタン樹脂膜、高撥水メッキ膜、金属蒸着膜、カーボン蒸着膜などを表面に形成する方法が例示される。この場合、膜作製法として、湿式法、乾式法、蒸着法、噴霧法等の方法があげられる。表面に作製された被覆層は疎水性であり、そのため、結果として、変性粘土膜表面の撥水性が実現する。この処理は、用途に応じて、粘土膜の片面のみ、あるいは両面とも行うことができる。表面処理法としては、他に、シリル化、イオン交換などの化学処理によって表面改質を行う方法があげられる。
【0060】
この表面処理により、以上述べた撥水性、防水性の向上の他に、膜強度を高める補強効果、表面における光散乱を押さえ、光沢を与え、外見を美麗にするとともに、透明度を高める表面平坦化効果が期待できる。一方、被覆層を有機高分子とする場合、粘土膜の常用温度範囲が被覆層の材料の常用温度範囲によって規定される場合がある。そのため、用途によって、表面処理に用いる材料の選定や膜厚が注意深く選択される。
【0061】
この発明の粘土膜自体は、変性粘土を主原料(70重量%〜)として用い、基本構成として、好適には、例えば、層厚約1から2nm、粒子径〜5μm、分子の大きさ〜数nmの天然又は合成の低分子・高分子の添加物が〜30重量%の構成、が例示される。この粘土膜は、例えば、厚さ約1から1.5nmの変性粘土層状結晶を同じ向きに配向させて緻密に積層することで作製される。
【0062】
得られた膜は、膜厚が3〜100μm、好適には3〜80μmであり、ガスバリア性能は、室温における酸素ガスの透過係数は、1.28×10−9cm−1cmHg−1未満であり、面積は100×40cm以上に大面積化することが可能であり、高耐熱性を有し、150℃で1時間加熱処理後もガスバリア性の低下はみられず、高耐水性を有し、室温で1時間水に浸漬後もガスバリア性の低下はみられず、高耐熱水性を有し、150℃の水に1時間浸漬後もガスバリア性の低下がみられず、膜の垂直方向への体積抵抗率は10メガオーム以上である。
【0063】
この発明は、脱気した粘土ペーストを乾燥して薄膜とし、この薄膜を加熱すると共に加圧し、加熱する温度と、加圧する圧力により膜厚を制御し、所定厚さの均一な薄膜を得る。
【0064】
この所定厚さの均一な薄膜を得る方法としては、図2に示すように、下金型1と上金型2との間に乾燥して薄膜Pを配置し、この下金型1と上金型2を加熱し、この加熱した下金型1と上金型2によって乾燥して薄膜Pを加熱すると共に加圧する。この加熱する温度と、加圧する圧力を制御し、この加熱する温度と、加圧する圧力により膜厚を制御し、所定厚さの均一な薄膜を得る。
【0065】
また、図3に示すように、送り出しロール11から乾燥して薄膜Pを送り出し、巻き取りロール12に巻き取る。この乾燥して薄膜Pを加熱した一対の加圧ローラ13,14の間を通し、加熱した一対の加圧ローラ13,14によって乾燥して薄膜Pを加熱すると共に加圧し、この加熱する温度と、加圧する圧力を制御し、この加熱する温度と、加圧する圧力により膜厚を制御し、所定厚さの均一な薄膜を得ることができる。
【0066】
この図2及び図3の装置において、この加熱する温度は、5℃〜300℃が好ましく、加圧する圧力は、0.1tf/cm〜2.0tf/cmが好ましい。図2の装置においては、シート状の所定厚さの均一な薄膜を得ることができ、図3の装置においては、長尺状の所定厚さの均一な薄膜を得ることができる。
【0067】
この所定厚さの均一な薄膜は、加熱する温度の設定と、加圧する圧力の設定により、透明又は半透明にすることができ、図4及び図5は透明度の測定結果を示す。
【0068】
図4は所定厚さの均一な薄膜の加圧時の圧力差と透明度の比較であり、条件は、薄膜の厚さが50mm、加熱する温度が150℃で、5秒間、薄膜Pを加熱すると共に加圧した。加圧する圧力は、0.2tf/cm〜1.30tf/cmの範囲で透明又は半透明になり、加圧する圧力が大きくなるに従い透明度が向上した。透明度は1〜10段階に区分し、目視で評価した。
【0069】
図5は所定厚さの均一な薄膜の加圧時の温度差と透明度の比較であり、条件は、薄膜の厚さが50mm、加圧する圧力は、0.6tf/cmで、5秒間、薄膜Pを加熱すると共に加圧した。加熱する温度は、30℃〜240℃の範囲で透明又は半透明になり、加熱する温度が高くなるに従い透明度が向上した。透明度は1〜10段階に区分し、目視で評価した。
【0070】
また、所定厚さの均一な薄膜は、加熱する温度の設定と、加圧する圧力の設定により多孔質にすることができ、5℃〜300℃が好ましく、加圧する圧力は、0.1tf/cm〜2.0tf/cmが好ましく、気孔率が、20〜70%であり、膜の孔の大きさが、約1〜20μmであり、加熱する温度を低くし、加圧する圧力を小さくすると、気孔率が増加し、膜の孔の大きさが大きくなり、加熱する温度を高くし、加圧する圧力を大きくすると、気孔率が低下し、膜の孔の大きさが小さくなる。
【0071】
図6は所定厚さの均一な薄膜について加熱する温度の設定と加圧する圧力の設定により多孔質にすることができる条件を示し、図7は所定厚さの均一な薄膜の写真で示す平面図である。図7において、白く見える部分が発砲して多孔質になっている。資料#270−8は金型に乗せてピンセットで少し押さえた状態で圧力を掛けない場合には、白く見える部分が発砲しない状態であり、多孔質になっていない。
【0072】
この発明では、乾燥した粘土ペーストを加熱すると共に加圧し、加熱する温度と、加圧する圧力により膜厚を制御することで、自立膜として利用可能な機械的強度を有する所定厚さの均一な薄膜を得ることができ、この薄膜は、フレキシビリティーに優れ、ピンホールが存在せず、高温においても、気体・液体のバリア性を保持することを可能とするものである。
【0073】
また、この発明の薄膜は、その電気絶縁性を生かして電気絶縁膜として広範に用いることが可能で、そのイオン伝導性を生かして、燃料電池隔膜として広範に用いることが可能である。
【0074】
したがって、この発明の薄膜は、高温条件下でフレキシビリティーに優れ、ガスバリア性、水蒸気バリア性に優れた自立膜として、広範に使用することができ、高温においても、化学的に安定で、耐水性を保つことが可能な、柔軟な包装材料・封止材料・絶縁材料・燃料電池隔膜材料などとして用いることができる。また、添加物変性粘土と相互作用し、フレキシビィリティー、強度、耐水性の点で優れた薄膜を生成する。そのため、変性粘土薄膜の引っ張り、捩れ等による容易な破壊が抑えられ、それにより、自立膜として利用可能な優れた特性を有する変性粘土膜が得られる。
【0075】
更に、この発明の薄膜は、例えば、LCD用基板フィルム、有機EL用基板フィルム、電子ペーパー用基板フィルム、電子デバイス用封止フィルム、PDP用フィルム、LED用フィルム、光通信用部材、各種機能性フィルムの基板フィルム、ICタグ用フィルム、その他電子機器用フレキシブルフィルム、燃料電池用封止フィルム、太陽電池用フィルム、食品包装用フィルム、飲料包装用フィルム、医薬品包装用フィルム、日用品包装用フィルム、工業製品包装用フィルム、その他各種製品包装用フィルム等として用いることが可能である。更に、この発明の薄膜は、二酸化炭素及び水素を含むガス種に対するガスバリアシール材として広範に用いることが可能である。
【0076】
また、この発明の薄膜は、透明または半透明なガスバリア材として用いられ、半径8ミリに曲げても、クラックなど発生せず、フレキシブルデバイスに広範に使用が可能であるという特徴を有し、薄膜は、イオン伝導性があることから、燃料電池隔膜に用いることが可能である。
【0077】
この発明の膜は、フレキシビリティー、加工性に優れていることから、ロールトゥーロールプロセスの適用も可能と考えられ、ケイ酸塩が主成分であることから、プラスチック材料よりも耐放射線性に優れており、ガンマ線、電子線等を用いた放射線殺菌を用いる医薬品包装材料として有望である。この発明の薄膜は、他材料への接着が容易であり、一般的な接着剤を用いることが可能であり、表面コーティングが可能であり、表面コーティング及びラミネートすることにより、ガスバリア性・水蒸気バリア性・耐水性・耐熱性・難燃性等の向上が可能である。この発明の薄膜は、プラスチックフィルムとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリイミドが例示される。表面コーティングされる材料としては、金属、金属酸化物、セラミックス、プラスチック、プラスチック発泡材、木材、石膏ボード、ゴムなどが例示される。この発明の薄膜の表面コーティングにより、抗酸化性、耐食性、耐候性、ガスバリア性、水蒸気バリア性、耐水性、耐熱性、耐薬品性、防炎性等を向上させることが可能である。
【0078】
この発明は、変性粘土粒子の積層を高度に配向させた構造を有する変性粘土を主要構成成分とする膜材料を利用することにより、ガスバリア性、水蒸気バリア性、柔軟性、耐熱性、電気絶縁性、内部の視認性及び軽量性の全ての要件を満たす新規膜材を作製し、提供することを可能とする。
【産業上の利用可能性】
【0079】
この発明は、変性粘土を主要構成成分とする材料であって、自立膜として利用可能な機械的強度を有する薄膜の製造方法及び薄膜に適用でき、簡単な構成で、所定厚さの均一な薄膜を得ることが可能である。
【符号の説明】
【0080】
A 変性粘土のプレゲル溶媒を作製する工程
B 変性粘土プレゲルを作製する工程
C 粘土ペーストを作製する工程
D 粘土ペーストの脱気を行う工程
E 脱気した粘土ペーストを乾燥する工程
F 乾燥した粘土ペーストを加熱すると共に加圧する工程
G 加熱する温度と、加圧する圧力により膜厚を制御する工程
H 所定厚さの均一な薄膜を得る工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変性粘土を主要構成成分とする材料であって、自立膜として利用可能な機械的強度を有する薄膜を製造する方法であって、
変性粘土のプレゲル溶媒を加え、変性粘土プレゲルを作製し、その後、極性溶媒を加え、その後、添加物を加えて粘土ペーストを作製し、
前記粘土ペーストの脱気を行い、
前記脱気した粘土ペーストを乾燥して薄膜とし、
前記薄膜を加熱すると共に加圧し、
前記加熱する温度と、加圧する圧力により膜厚を制御し、
所定厚さの均一な薄膜を得ることを特徴とする薄膜の製造方法。
【請求項2】
前記変性粘土を主要構成成分とする材料は、
(1)変性粘土と添加物から構成される、
(2)変性粘土の全固体に対する重量比が70%以上である、
(3)ガスバリア性を有することを特徴とする請求項1に記載の薄膜の製造方法。
【請求項3】
前記所定厚さの均一な薄膜は、前記加熱する温度の設定と、前記加圧する圧力の設定により、透明又は半透明にすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の薄膜の製造方法。
【請求項4】
前記所定厚さの均一な薄膜は、前記加熱する温度の設定と、前記加圧する圧力の設定により多孔質にすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄膜の製造方法。
【請求項5】
前記変性粘土のプレゲル溶媒が、水であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜の製造方法。
【請求項6】
前記極性溶媒が、エタノールあるいはジメチルアセトアミドであることを特徴とする請求項1に記載の薄膜の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項の薄膜を製造する方法を用いて製造したことを特徴とする薄膜。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−162406(P2011−162406A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−28385(P2010−28385)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(596086262)株式会社立花商店 (8)
【Fターム(参考)】