説明

薄葉紙製品の製造方法ならびに薄葉紙製品

【課題】香り付きティシュペーパーを製造する。
【解決手段】インターフォルダ1に供給する複数の連続シート3A,3Bのうちの一部の連続シート3A’,3B’に香料を塗布して香気を放つ香り付きの連続シートにすることにより、得られる折り畳み積層連続シート30を、所定の層に香り付き連続シート3A’,3B’が配されたものとすることにより解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の原反を折り畳みながら積み重ねて製造される箱詰型ティシュペーパー等の薄葉紙製品に関する。
【背景技術】
【0002】
香り付きのティシュペーパーはよく知られるところである。その製造における香料付与工程は、香料を封入したマイクロカプセルをグリセリンなどの溶媒に分散させた薬液を、後にティシュペーパーとされる原反ロールから繰り出された連続シートに塗布して、行うのが主流となっている。
【0003】
この方法により製造される香り付きティシュペーパーは、使用者がティシュペーパーを取り出すときのカートン箱に形成されたスリットとの摺れや、使用者自身が手にとって掴むことによって、前記マイクロカプセルが壊れて香料が揮発して香りが広がるしくみとなっている。
【0004】
従って、この方法により製造される香り付きティシュペーパーは、香料がマイクロカプセルに封入されているため、最後の一枚まで揮発せずに香りを保持することができるほか、香料自体の酸化がなく経時的な香り変化がないというメリットがある。
【0005】
一方、近年、ティシュペーパーが肌に直接的に触れる用途によく使用されることから、ティシュペーパーに直接的に薬液を直接的に付与せずに、ティシュペーパーを収納する収納箱に香料を付与して、その内部に納められたティシュペーパー群に間接的に香りを付与するように構成した香り付きティシュペーパー製品も知られる。製品時においてティシュペーパーが収納されている収納箱は、一般にカートン箱とも呼ばれ、その上面にティシュペーパー取り出し用の開口が形成されているとともに、この開口にスリットが形成されたフィルムが貼付されている略直方体をなす。このようなカートン箱を組み立てる際に用いるホットメルト糊等に香料を混合して、カートン箱内部に香り成分が揮発して広がるようにして、その中に収納されたティシュペーパー群に香りを間接的に写し、使用時にて香り付きティシュペーパーとして前記スリットから取り出されるように構成したものである。
【特許文献1】特開平2004−115055
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、香料を封入したマイクロカプセル薬液を塗布したティシュペーパー製品は、マイクカプセルを製造するコストが高い。また、使用者はマイクロカプセルを意識して使用するわけではないため、使用時に香りが確実に香るようにするためには、必然的に、ティシュペーパー全体に薬液を付与しておかねばならないし、また収納箱内に収納される一枚一枚の全てのティシュペーパーに薬液を付与しておかなければならない。しかし、実際の使用時には塗布された一部のマイクロカプセルが壊れるだけであって、大部分のマイクロカプセルが壊れることなく使用済みティシュペーパーととともに無駄に廃棄されることになる。従って、費用対効果が良好とはいえずコスト高であるとともに環境面でも好ましいものではない。さらには、薬液塗布工程以後はマイクロカプセルを壊さないように、取り扱う必要があるため、操業速度の低下等の操業上の悪化を招くこともある。
【0007】
一方、カートン箱の組み立てに用いるホットメルト糊に香料を混ぜる方法やカートン箱に直接香料を塗布する方法は、操作が煩雑となるとともに接着剤の接着性に少なからず影響を与えるなど操業トラブルの原因となる可能性がある。また、カートン箱の組み立ては、通常はカートン箱の側面を構成する端面片同士を接着して行われる。そして、カートン箱は比較的丈夫な厚手の紙で構成される。従って、カートン箱形成後は、ホットメルト接着剤は厚手の紙と紙との間に位置されることになるため、実際にはホットメルト接着剤中の香料が効果的に箱内部に広がらず十分にティシュペーパー群に香りが付与されないことがある。特に、気温の低い時期や場所ではホットメルト接着剤が硬化しやすく揮発が不十分となり、香りが十分に付与されないことがある。また、カートン箱の外面に香料成分がしみ出して意図せずにカートン箱そのものが香りを発するおそれもある。
【0008】
そこで、本発明の主たる課題は、上記に掲げた従来方法による、操業トラブルや操業速度の低下、あるいはコストや環境面、設計の自由度などの課題を解決した、薄葉紙製品を製造する方法を提供すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決した本発明およびその作用効果は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
それぞれ複数枚のプライからなる複数の連続シートをインターフォルダに供給して、折り畳みながら積み重ねて折り畳み積層連続シートを形成するにあたり、
折り畳み積み重ねに先立って、前記複数の連続シートのうちの一部の連続シートに香料を塗布して香気を放つ香り付きの連続シートにし、
前記折り畳み積層連続シートを、所定の層に香り付き連続シートが配されたものとする、ことを特徴とする薄葉紙製品の製造方法。
【0010】
(作用効果)
本発明では、香り付き連続シートがインターフォルダにて他の香りのない連続シートとともに折り畳み積み重ねられて折り畳み積層連続シートとされる。従って、これを裁断して収納箱に収めることにより、所定の箇所に香り付き薄葉紙が配された折り畳み積層物を備える薄葉紙製品が得られる。
【0011】
そして、本発明における香り付き連続シートは香料が塗布された香気を放つものであるから、これよりなる薄葉紙製品における香り付き薄葉紙も、当然同様に香気を放つ。従って、かかる薄葉紙製品は、当該香り付き薄葉紙から放たれ香気が収納箱内に広がり、他の連続シートからなる香料が塗布されていない薄葉紙にも香りが移るものとなる。この新規な薄葉紙製品における香り付与過程は、従来製品のように外的な作用によりマイクロカプセルが壊れることによって香料が飛散するしくみではないため、香料の無駄が極めて少ない。すなわち、香料が塗布されているのが、一部の薄葉紙のみであるから、使用後に無駄となる香料が少ない。また、香料をマイクロカプセルに封入する必要なく、直接的に連続シートに塗布することができるので、コスト安に製造するこができる。また、マイクロカプセルのような取り扱いの慎重さを必要とせず操業もしやすい。
【0012】
一方、上記本発明の製造方法による薄葉紙製品は、香り付き薄葉紙に隣接するのは収納箱内に納められる他の薄葉紙である。従来の接着剤に香料を混合した製品のように厚手の紙に香料が挟まれることがないため、収納箱内に確実に香りが広がる。また、収納箱外面に香料がしみだして意図せず収納箱が香るということもない。
【0013】
他方、本発明は、インターフォルダに連続的に供給する香り付き連続シートの数の増減によって、折り畳み積層連続シートにおける香り付き連続シートの割合が増減し、もってこれよりなる薄葉紙製品における収納箱内に配置される香り付き薄葉紙の数が増減されることになる。このためインターフォルダに供給する香り付き連続シートと香りなし連続シートの数の割を変化させることによって収納箱内の香りの強さを容易に調整することができる。
【0014】
また、香り付きの連続シートの折り畳み積層連続シートにおける位置を、任意に設定することにより、製品時における香り付与時間等の調整することが可能である。例えば、後に薄葉紙製品としたときに最上層に位置する薄葉紙となる連続シートを香り付き連続シートとすれば、当該製品は使用者が開封して最初に取り出す薄葉紙が、香り付きのものとなり、使用開始後の早い段階で香原が収納箱から取り除かれることになる。反対に、最底部に位置する薄葉紙が香り付きとなるようにすれば、収納箱内に香原が長時間留まることになり、香りを長期間に渡って他の香なし薄葉紙に移すことができる。
【0015】
このように本発明の製造方法は、香り強さなどの設計変更を極めて容易に行うことができ、例えば、気温、湿度、消費者の好み、コストなどを考慮した最適な薄葉紙製品を簡易に製造することが可能である。
【0016】
その他、一部の連続シートに香料Aを塗布したものとして、他の一部の連続シートに香料Bを塗布したものとすれば、収納箱内においてこれら香りAおよびBの混合を図りつつ香料非塗布薄葉紙に香りを移すことも可能となる。
【0017】
なお、本発明は、インターフォルダに供給する複数の連続シートのうちの一部を香料が塗布された香り付き連続シートとするものであり、すべての連続シートが香り付き連続シートである形態は含まない。
【0018】
<請求項2記載の発明>
前記インターフォルダが;
原反ロール支持部と折畳機構部とを複数備え、予め製品幅に合わせてスリットが入れられた、複数枚のプライが製品幅の複数倍幅で巻き取られた原反ロールを、前記原反ロール支持部にそれぞれ取り付け、これらの原反ロールから繰り出した複数の連続シートを前記折畳機構部に案内して折り畳みながら積み重ねて一つの連続する折り畳み積層連続シートを形成するように構成された、インターフォルダである請求項1記載の薄葉紙製品の製造方法。
【0019】
(作用効果)
請求項1記載の発明は、特に本請求項に示すインターフォルダに好適である。
【0020】
<請求項3記載の発明>
香料が塗布された連続シートからなる原反ロールを原反ロール支持部に取り付けて、香り付きの連続シートをインターフォルダに供給する請求項2記載の薄葉紙製品の製造方法。
【0021】
(作用効果)
インターフォルダの原反ロール支持部に取り付ける前に、香料が塗布されているので、既存のインターフォルダに新たな香料塗布設備を付与することなく、操業することができる。
【0022】
<請求項4記載の発明>
前記原反ロール支持部から折り畳み機構部に至る経路にて、連続シートに対して香料を塗布して香り付きの連続シートにする請求項2記載の薄葉紙製品の製造方法。
【0023】
(作用効果)
香料を塗布した連続シートがただちに他の連続シートによって積層されることになるため、操業過程における香料の揮発が少なくできる。塗布香料の多くを収納箱内にまで保持することができ香料の無駄をより少なくできる。
【0024】
<請求項5記載の発明>
折り畳み積層連続シートにしたときに最底部に位置される、連続シートを香り付きの連続シートにする請求項1〜4の何れか1項に記載の薄葉紙製品の製造方法。
【0025】
(作用効果)
折り畳み積層連続シートにしたときに最底部に位置される、連続シートを香り付きの連続シートにすれば、後に薄葉紙製品としたときに最底部に位置する薄葉紙を香り付きとすることができ、収納箱内に香原が長時間留まる製品とすることができ、香りを長期間に渡って他の香なし薄葉紙に移すことができる薄葉紙製品を得ることができる。また、従来の接着剤に香料を混合した製品のように厚手の紙に香料が挟まれることがないため、収納箱内に確実に香りが広がる。
【0026】
<請求項6記載の発明>
二枚重ねで一組とした薄葉紙がポップアップ方式で折り畳まれてなる折り畳み積層物が、略直方体の収納箱に収納された薄葉紙製品において、
前記折り畳み積層物を構成する薄葉紙のうちの一部の薄葉紙のみが、香気を放つ香り付き薄葉紙であることを特徴とする薄葉紙製品。
【0027】
(作用効果)
本発明の薄葉紙製品は、当該香り付き薄葉紙から放たれ香気が収納箱内に広がり、他の連続シートからなる香料が塗布されていない薄葉紙にも香りが移るものとなる。この薄葉紙製品における香り付与過程は、従来製品のように外的な作用によりマイクロカプセルが壊れることによって香料が飛散するしくみではないため、香料の無駄が極めて少ない。すなわち、香料が塗布されているのが、一部の薄葉紙のみであるから、使用後に無駄となる香料が少ない。また、香料をマイクロカプセルに封入する必要なく、直接的に連続シートに塗布することができるので、コスト安に製造するこができる。
【0028】
<請求項7記載の発明>
最底部に位置する薄葉紙のみ、または最底部に位置する薄葉紙とそれよりも一層上に位置する薄葉紙のみが、香気を放つ香り付き薄葉紙である請求項6記載の薄葉紙製品。
【0029】
(作用効果)
簡易に製造できる。また、最底部等に位置する薄葉紙が香り付きであると、収納箱内に香原が最後まで留まることになり、香りが長期間にわたって他の香なし薄葉紙に移されることになる。最後の一枚まで香原となる香り付き薄葉紙から香りが付与された薄葉紙を使用することができる。
【0030】
<請求項8記載の発明>
前記香気を放つ香り付き薄葉紙に色又は/及びエンボスが付与されている請求項6又は7の何れか1項に記載の薄葉紙製品。
【0031】
(作用効果)
香り付き薄葉紙にのみ色を付けたり、エンボスを付与したり、これらを併せて行うと、使用者が香料が塗布された香り付き薄葉紙と、香料の塗布されていない薄葉紙とを視覚的に区別できるようになる。従って、使用中に香りに嫌悪感を抱いた時、香り付き薄葉紙のみ排除することが容易にできることになる。色は薄葉紙全体を染めてもよいし、部分的に染めてもよい。また、プリント柄のように幾何学模様に色を付けてもよい。また、エンボスを薄葉紙全体又は部分的に付与してもよい。エンボスの中には、複数枚をプライする際のエンボス、いわゆるプライボンディングエンボスを香り付き薄葉紙にのみ、他の薄葉紙と異なる柄で行ってもよい。さらに、色付き及びエンボスを併せ持つように行ってもよい。
【発明の効果】
【0032】
以上のとおり、本発明によれば、操業トラブルや操業速度の低下、あるいはコストや環境面、設計の自由度などの課題を解決した、薄葉紙製品およびその製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態について詳説する。
図1は、本発明の対象となる折板タイプのインターフォルダ1を示している。図中には、インターフォルダ1の原反ロール支持部2にセットされた二次原反ロールRが示されている。この二次原反ロールRは、必要数が図示平面と直交する方向に横並びでセットされるものであり、本例の場合予めプライマシンによって製品ティシュペーパーの幅にスリットされ、製品ティシュペーパーの複数倍幅、例えば2倍幅で巻き取られた原反ロールRがセットされる。なお、プライマシンとしては例えば、図8に示すように、複数の一次原反ロールJR,JRから繰り出した一次連続シート101,102を重ね合わせて巻き取るとともに輪切り(幅方向に複数に分割)にし、複数枚のプライからなる二次原反ロール110を製造する構造のものが好適に用いられる。
【0034】
二次原反ロールRから繰り出された二次連続シート(以下、単にシートという)3A,3Bは、ガイドローラG1,G1等のガイド手段を介して折畳機構部20へ送り込まれる。
【0035】
折畳機構部20においては、図2にも示すように、折板P,P…が必要数並設され折板群21が形成されており、各折板P,P…に対して各二次原反ロールより繰り出された一対のシート3A,3Bをそれぞれ案内するガイドローラG2,G2やガイド丸棒部材G3,G3がそれぞれ適所に配設され、また折板P,P…の下側には折り畳まれ積み重ねられた積層物30を受けて搬送するコンベア22が配設されている。
【0036】
この種の折板P,P…を用いた折り畳み機構は例えば米国特許4,052,048号特許明細書等によって公知のものであり、一般には折板タイプ又はマルチスタンド方式インターフォルダと呼ばれており、図3に示すように、各シート3A,3B…をZ字状に折り畳みながら、かつ隣接するシート3A,3B…の側端部相互を掛け合わせながら積み重ねるものである。
【0037】
この折り畳み機構の折板との関係を図示したものが図4〜図7である。簡単に説明すると、図4〜図7に示すように、先ず各折板Pに対して一対のシート3A,3Bが案内され、この際これらシート3A,3Bはガイド丸棒部材G3によって側端部相互が重なるように位置をずらされながら案内される。ここに、この折板に案内された時点で側端部が下側に重なっているシートを第1のシート3Aとし、上側に重なっているシートを第2のシート3Bとすると、これらシート3A,3Bは、図3及び図5に示すように第1のシート3Aにおける第2のシートと重なっていない側端部e1が、折板の側板P1によって第2のシート3Bの上側に折り返されるとともに、図3および図6に示すように第2のシート3Bにおける第1のシート3Aと重なっていない側端部e2が、折板PのスリットP2から折板上に引き込まれるようにして下側に折り返され、この際、図3及び図7に示すように、上流の折板Pにおいて折り畳まれ積み重ねられたシート3Aの最上層の折り返し端部e3が、折板PのスリットP2から第2のシート3Bの折り返し部分間に案内される。かくして、各シート3A,3B…はZ字状に折り畳まれるとともに隣接するシート3A,3Bの側端部相互が掛け合わされる。
【0038】
このようにしてインターフォルダ1で製造した折り畳み積層連続シート30は、後段設備において長手方向に所定の間隔をおいて裁断される。
【0039】
その後、裁断された積層物は収納箱に箱詰めされるが、収納箱への箱詰め作業は、展開状態の収納箱を、上面にティシュペーパー取出口が位置するようにして側面が開口された状態に組み立てるとともに、この側面開口部から前記コンベア22上を流れてくる裁断された積層物を挿入することにより行われる。従って、コンベア22上の積層物において最下層に位置していたティシュペーパーが、箱詰めされた製品時においては最底部に位置される。
【0040】
かくして、最上位のティシュペーパーを引き取ると次のティシュペーパーが引き出されるいわゆるポップアップ式のティシュペーパー製品が製造される。
【0041】
本発明は、上述のようなインターフォルダ1において、折り畳み積み重ねに先立って、複数の連続シート3A,3B、3A,3B…のうちの一部の連続シートに香料を塗布して香気を放つ香り付きの連続シートにして、所定の層に香り付き連続シートが配された折り畳み積層連続シートを形成する。上述したインターフォルダ1の操業機構からも明らかなとおり、折畳機構部20の各折板P,P…には、それぞれ対応する二次原反ロールRから繰り出されたそれぞれ連続シート3A,3B、3A,3B…が供給される。従って、折板P,P…に供給する何れかのあるいは一部の連続シートを香料が塗布された香り付きのものとすれば、所定の層に香り付き連続シートが配された折り畳み積層連続シート30が形成される。かかる折り畳み積層連続シート30から形成されるティシュペーパー製品は、上述の箱詰め作業からして、収納箱内のティシュペーパーのうちの一部のみが香料が塗布された香気を放つ香り付きティシュペーパーとされたものとなる。
【0042】
製品時において何番目に取り出されるティシュペーパーを香り付きティシュペーパーにするかは、いずれの折板P,Pに供給する連続シート3A,3B…を香料が塗布されたものとするかの選択により定まる。例えば、上述の折畳機構部20では、最も上流がわ(図2において左方)に位置する折板P1から最も下流に位置する折板PXに向かって、順次連続シートが積み重ねられるため、折り畳み積層連続シート30とされたときには、最上流の折板P1に供給した連続シートが最底部(ベルトコンベア22に最も近い位置)に位置され、反対に最下流の折板PXに供給された連続シートが、最上層に位置されることになる。従って、最上流折板P1に供給する連続シート3A,3Bを香料が塗布された香りつきのものとすれば、製品時には最底部およびそれよりも一層上のティシュペーパー(最後およびその一つ前に取り出されるティシュペーパー)が香り付きのものとされたティシュペーパー製品となる。
【0043】
ここで、折り畳み積層に先立って、何れか一部の連続シートに香料を塗布する方法としては、予め香料が塗布された連続シートよりなる二次原反ロールRをインターフォルダ1の何れかの原反ロール支持部に取り付けるようにするのが簡易ではあるが、例えば、図1に示すように、何れかの原反ロール支持部2から折畳機構部20へ至るシート案内経路に、特に望ましくは図示しないスリッター装置の出側から折畳機構部20へ至るシート案内経路に、香料塗布装置10を設けて、連続的に香料を塗布するようにすることも可能である。
【0044】
この例の香料塗布装置10は、一方のロール11外周面に香料を連続的に供給するように構成した一対のロール11,12を有し、このロール11,12間でシート3A,3Bを挟み印刷様にして香料を塗布する。かくして、原反ロール支持部2から折畳機構部20へ移送される途中のあるシート3A,3Bに、香料が塗布される。特にこの場合、前述のとおりプライマシンにエンボス接合手段を備え付けないことで、プライマシンの処理速度を低下させずに処理の安定化を図ることができるようになる。なお、香料塗布装置は、連続シートの幅方向にわたって香料を散布する形態にしてもよい。この際のインターフォルダの運転速度としては、150m/分以下、特に120〜140m/分とするのが望ましい。
【0045】
(その他)
いうまでもないが、本発明は上記例のような折板タイプのインターフォルダだけでなく、他のタイプ、例えばロールタイプのインターフォルダにも適用することができる。また、本発明は例えば、製品ティシュペーパーと同幅の原反ロールをセットするタイプのものや、製品ティシュペーパー幅の2倍以上の幅を有し、これを折畳に先立ってインターフォルダに設けたスリッターにより製品ティッシュ幅の連続シートに分割するタイプ、いわゆるロータリー方式インターフォルダ等、公知のインターフォルダに対しても適用することができる。ただし、本発明は上記図示例のように予めプライマシンによって製品ティシュペーパーの幅にスリットされ、製品ティシュペーパーの複数倍の幅で巻き取られた原反ロールRがセットされるタイプのインターフォルダに特に好適である。
【0046】
なお、本発明において用いられる香料としては、塗布のみで香気を放つ既知の香料を用いることができる。好適には揮発性のものである。具体例としては、例えば、メントール、ミント、ラベンダー、ローズマリーなどのハーブ系の香り成分、バラの香り成分、柑橘系の香り成分、ヒノキの香り成分など天然系の香料、あるいは合成系の香料などが挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、箱詰めティシュペーパーのほか、インターフォルダを用いて積層物を作成したのち収納箱に収める種の製品、例えば、キッチンペーパー、ペーパータオル等にも利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係るインターフォルダの側面図である。
【図2】折畳機構部の正面図である。
【図3】折り畳み方を示す縦断面図である。
【図4】折板部分の要部拡大斜視図である。
【図5】折り畳み方を示す要部拡大斜視図である。
【図6】折り畳み方を示す要部拡大斜視図である。
【図7】折り畳み方を示す要部拡大斜視図である。
【図8】従来のプライマシンの概略図である。
【符号の説明】
【0049】
1…インターフォルダ、2…原反ロール支持部、R…二次原反ロール、3A,3B…二次連続シート、10…香料塗布装置、20…折畳機構部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ複数枚のプライからなる複数の連続シートをインターフォルダに供給して、折り畳みながら積み重ねて折り畳み積層連続シートを形成するにあたり、
折り畳み積み重ねに先立って、前記複数の連続シートのうちの一部の連続シートに香料を塗布して香気を放つ香り付きの連続シートにし、
前記折り畳み積層連続シートを、所定の層に香り付き連続シートが配されたものとする、ことを特徴とする薄葉紙製品の製造方法。
【請求項2】
前記インターフォルダが;
原反ロール支持部と折畳機構部とを複数備え、予め製品幅に合わせてスリットが入れられた、複数枚のプライが製品幅の複数倍幅で巻き取られた原反ロールを、前記原反ロール支持部にそれぞれ取り付け、これらの原反ロールから繰り出した複数の連続シートを前記折畳機構部に案内して折り畳みながら積み重ねて一つの連続する折り畳み積層連続シートを形成するように構成された、インターフォルダである請求項1記載の薄葉紙製品の製造方法。
【請求項3】
香料が塗布された連続シートからなる原反ロールを原反ロール支持部に取り付けて、香り付きの連続シートをインターフォルダに供給する請求項2記載の薄葉紙製品の製造方法。
【請求項4】
前記原反ロール支持部から折り畳み機構部に至る経路にて、連続シートに対して香料を塗布して香り付きの連続シートにする請求項2記載の薄葉紙製品の製造方法。
【請求項5】
折り畳み積層連続シートにしたときに最底部に位置される、連続シートを香り付きの連続シートにする請求項1〜4の何れか1項に記載の薄葉紙製品の製造方法。
【請求項6】
二枚重ねで一組とした薄葉紙がポップアップ方式で折り畳まれてなる折り畳み積層物が、略直方体の収納箱に収納された薄葉紙製品において、
前記折り畳み積層物を構成する薄葉紙のうちの一部の薄葉紙のみが、香気を放つ香り付き薄葉紙であることを特徴とする薄葉紙製品。
【請求項7】
最底部に位置する薄葉紙のみ、または最底部に位置する薄葉紙とそれよりも一層上に位置する薄葉紙のみが、香気を放つ香り付き薄葉紙である請求項6記載の薄葉紙製品。
【請求項8】
前記香気を放つ香り付き薄葉紙に色又は/及びエンボスが付与されている請求項6又は7の何れか1項に記載の薄葉紙製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−61256(P2007−61256A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−249003(P2005−249003)
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【出願人】(390029148)大王製紙株式会社 (2,041)
【Fターム(参考)】