薬剤ピッキングシステム
【課題】患者に渡す薬剤の間違いを防止するとともに薬剤の在庫管理を行う。
【解決手段】薬剤の保管場所に取り付けられ、一意の端末識別情報が付与されて情報表示が可能な薬用端末と、薬剤を識別可能な薬剤識別情報と、該薬剤の数量とを含む処方せん情報を記憶する手段と、薬剤識別情報と、端末識別情報とが関係付けて記憶する手段と、処方せん情報を特定する処方せん特定情報が入力されると、特定された処方せん情報に含まれる薬剤識別情報と、該薬剤の数量を読み出す手段と、読み出した薬剤識別情報に関係付けられている端末識別情報を特定する手段と、読み出した薬剤の数量の表示と、薬剤のピッキングを行うべき薬用端末の位置を示す表示を行なわせるため画像情報を作成し、特定された端末識別情報が付与された薬用端末に対して送信する手段とを備えた。
【解決手段】薬剤の保管場所に取り付けられ、一意の端末識別情報が付与されて情報表示が可能な薬用端末と、薬剤を識別可能な薬剤識別情報と、該薬剤の数量とを含む処方せん情報を記憶する手段と、薬剤識別情報と、端末識別情報とが関係付けて記憶する手段と、処方せん情報を特定する処方せん特定情報が入力されると、特定された処方せん情報に含まれる薬剤識別情報と、該薬剤の数量を読み出す手段と、読み出した薬剤識別情報に関係付けられている端末識別情報を特定する手段と、読み出した薬剤の数量の表示と、薬剤のピッキングを行うべき薬用端末の位置を示す表示を行なわせるため画像情報を作成し、特定された端末識別情報が付与された薬用端末に対して送信する手段とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者に渡す薬剤の間違いを防止するとともに薬剤の在庫管理を行うことができる薬剤ピッキングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、患者に渡す薬剤の種類の間違いを防止するとともに薬剤の在庫管理を行うために、ボックス収納部におけるボックスを載置するボックス載置部にはそれぞれに固有の位置ナンバーが付されており、ボックスにはICタグが付されており、また、ボックスそれぞれに収容されている薬剤箱にはバーコードが付されている自動薬剤供給システムが知られている。ICタグ情報およびバーコード情報は錠剤位置管理機構部で把握しているため、どこのボックスにどのような薬剤箱が収容されているかを錠剤位置管理機構部が予め把握していると共に、そのボックスがどこのボックス載置部に載置されているかも把握することができるため、患者に渡す薬剤の種類の間違いを防止するとともに薬剤の在庫管理を行うことが可能となる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−215575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の自動薬剤供給システムにあっては、薬剤を格納しておくボックスの数に限りがあるため、在庫管理やピッキングする薬剤の間違いを防止することができる薬剤の種類数が限られてしまう。一般的に処方せんを扱う薬局では、1000種類程度の薬剤を保有しているため、全ての薬剤を特許文献1に記載の自動薬剤供給システムで管理するためには、大規模な自動薬剤供給システムが必要になり、設備のコストが増大してしまうという問題がある。一方、1000種類の薬剤を管理している薬局においても患者に渡す頻度が高い薬剤は300種類程度である。300種類程度であれば特許文献1に記載の自動薬剤供給システムを使用することが可能となり、患者に渡す薬剤の種類の間違いを防止するとともに薬剤の在庫管理を確実に行うことが可能となる。
【0005】
しかしながら、1000種類の薬剤のうち、300種類のみを自動薬剤供給システムで管理を実施した場合でも、残りの700種類の薬剤については、処方される頻度が少ないが依然として人間が管理を行わなければならず、患者に渡す薬剤の種類の間違いを防止するとともに薬剤の在庫管理を確実に行うことができないという問題がある。特に、頻繁に処方されることのない薬剤については、自動薬剤供給システムで管理されている薬剤より種類が多いため、薬剤師であっても在庫の管理や患者に渡す薬剤の種類の間違いを確実に防止するのは困難である。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、薬局で扱う薬剤のうち、自動薬剤供給システムの管理ではない薬剤についても自動薬剤供給システムと同等の管理機能を実現することができる薬剤ピッキングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、薬剤の保管場所に取り付けられ、一意の端末識別情報が付与されて情報表示が可能な薬用端末と、前記薬剤を識別可能な薬剤識別情報と、該薬剤の数量とを含む処方せん情報を記憶する処方せん情報記憶手段と、前記薬剤識別情報と、前記端末識別情報とが関係付けられて記憶された端末情報記憶手段と、前記処方せん情報を特定する処方せん特定情報が入力されると、特定された前記処方せん情報に含まれる前記薬剤識別情報と、該薬剤の数量を前記処方せん情報記憶手段から読み出す処方せん情報読み出し手段と、前記端末情報記憶手段を参照して、前記処方せん情報記憶手段から読み出した前記薬剤識別情報に関係付けられている前記端末識別情報を特定する端末特定手段と、前記処方せん情報記憶手段から読み出した前記薬剤の数量の表示と、薬剤のピッキングを行うべき前記薬用端末の位置を示す表示を行なわせるため画像情報を作成して前記端末特定手段によって特定された前記端末識別情報が付与された前記薬用端末に対して送信するピッキング情報送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明は、ピッキングした薬剤の確認を行うための情報表示が可能な処方確認用端末と、前記処方せん情報読み出し手段により読み出した前記薬剤識別情報と、該薬剤の数量とを前記処方確認用端末に表示させるための画像情報を作成し、作成した前記画像情報を前記処方確認用端末に対して送信する確認情報送信手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明は、ピッキングが終了したこと示す操作を行う操作手段が前記薬用端末に設けられ、該操作手段が操作された際に、ピッキングが終了したこと示す情報を送信する終了情報送信手段と、ピッキング作業の進捗を確認するための情報表示が可能な患者携帯用端末と、前記薬用端末からピッキングが終了したこと示す情報を受信した際に、前記患者携帯用端末にピッキングが終了したことを示す情報を表示するための画像情報を作成し、作成した前記画像情報を前記患者携帯用端末へ送信する進捗情報送信手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明は、前記処方せん情報は、処方せん情報を管理するレセプトコンピュータから受信して、前記処方せん情報記憶手段に記憶することを特徴とする。
【0011】
本発明は、前記薬剤識別情報と、前記端末識別情報を読み取り識別情報読取手段とをさらに備え、前記端末情報記憶手段に記憶される前記薬剤識別情報と、前記端末識別情報は、前記識別情報読取手段によって読み取られた情報を関係付けて記憶することを特徴とする。
【0012】
本発明は、前記識別情報読取手段により充填するべき薬剤の前記薬剤識別情報が読み取られた際に、前記端末情報記憶手段を参照して、充填するべき薬剤の前記薬剤識別情報に関係付けられている前記端末識別情報を特定し、特定した前記端末識別情報が付与された前記薬用端末に位置を示す表示を行わせ、前記識別情報読取手段により読み取った前記薬用端末の前記端末識別情報が、前記充填するべき薬剤の前記薬剤識別情報に関係付けられている前記端末識別情報と一致した場合に、前記薬用端末に薬の充填が正しく行われたことを示す情報を表示する充填情報表示手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明は、前記端末情報記憶手段は、さらに前記薬用端末が取り付けられている前記保管場所に保管されている薬剤の在庫数量が関係付けられ、ピッキングされた数量に応じて、前記在庫数量を減じることを特徴とする。
【0014】
本発明は、前記端末情報記憶手段は、さらに前記薬用端末が取り付けられている前記保管場所に保管されている薬剤の使用期限の情報が関係付けられ、使用期限が近づいた際に、使用期限が近づいた薬剤が保管されている保管場所に取り付けられている前記薬用端末に警報を表示する警報表示手段をさらに備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、患者に渡す薬剤の種類の間違いを防止するとともに薬剤の在庫管理を確実に行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す制御コンピュータ21の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示すハンディターミナル5の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示す処方確認用端末6、薬棚用端末7及び患者携帯用端末8の構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示す処方確認用端末6、薬棚用端末7及び患者携帯用端末8の外観を示す図である。
【図6】図2に示す薬剤情報テーブル224のテーブル構造を示す図である。
【図7】図2に示す薬棚情報管理テーブル225のテーブル構造を示す図である。
【図8】図2に示す処方作業管理情報テーブル226のテーブル構造を示す図である。
【図9】図2に示す処方待ち行列テーブル227のテーブル構造を示す図である。
【図10】レセコン1から制御コンピュータ21へ送信される処方せんの情報の構成を示す図である。
【図11】図2に示す処方せんデータバッファ222の構成を示す図である。
【図12】図1に示す薬剤ピッキングシステムの動作を示すシーケンス図である。
【図13】処方せん情報を受信した制御コンピュータ21の動作を示すフローチャートである。
【図14】薬を保管する動作を示すシーケンス図である。
【図15】薬を薬棚71に保管する動作における制御コンピュータ21の詳細な動作を示すフローチャートである。
【図16】薬棚用端末7の表示部62に表示される画面の一例を示す図である。
【図17】図15に示すステップS15(通常表示処理)の詳細な処理動作を示すフローチャートである。
【図18】薬棚用端末7に表示される表示画面の一例を示す図である。
【図19】薬棚71に薬を充填する動作を示すシーケンス図である。
【図20】図19に示す制御コンピュータ21の詳細な動作を示すフローチャートである。
【図21】薬棚用端末7のLED65が点灯する状態を示す図である。
【図22】図19に示すハンディターミナル5の詳細な動作を示すフローチャートである。
【図23】表示部54に表示されるOK表示の一例を示す図である。
【図24】表示部54に表示されるNG表示の一例を示す図である。
【図25】薬の使用期限が近づいた場合に警告表示を行う動作を示すシーケンス図である。
【図26】図25に示す制御コンピュータ21の詳細な動作を示すフローチャートである。
【図27】図25に示す制御コンピュータ21の詳細な動作を示すフローチャートである。
【図28】薬棚用端末7に表示される警告表示画面の一例を示す図である。
【図29】患者が持ち込んだ処方せんの受付を行う動作を示すシーケンス図である。
【図30】図29に示す制御コンピュータ21の詳細な動作を示すフローチャートである。
【図31】3つの端末(処方確認用端末6、薬棚用端末7、患者携帯用端末8)に情報表示を行う動作を示すシーケンス図である。
【図32】図31に示す制御コンピュータ21が患者携帯用端末8に情報表示する詳細な動作を示すフローチャートである。
【図33】患者携帯用端末8に表示するべき画像データ(画像1)の一例を示す図である。
【図34】薬の説明を表示するための画像データ(画像2)の一例を示す図である。
【図35】図31に示す患者携帯用端末8が制御コンピュータ21から送信された情報を表示する詳細な動作を示すフローチャートである。
【図36】図31に示す制御コンピュータ21が処方確認用端末6に情報表示する詳細な動作を示すフローチャートである。
【図37】処方確認用端末6に表示するべき画像データの一例を示す図である。
【図38】図31に示す処方確認用端末6が制御コンピュータ21から送信された情報を表示する詳細な動作を示すフローチャートである。
【図39】図31に示す制御コンピュータ21が薬棚用端末7に情報表示する詳細な動作を示すフローチャートである。
【図40】薬棚用端末7に表示するべき画像データの一例を示す図である。
【図41】図31に示す薬棚用端末7が制御コンピュータ21から送信された情報を表示する詳細な動作を示すフローチャートである。
【図42】薬棚のピッキングが完了した場合の動作を示すシーケンス図である。
【図43】薬棚のピッキングが完了した場合の動作を示すシーケンス図である。
【図44】図42に示す制御コンピュータ21がピッキング完了通知を受信した場合の詳細な動作を示すフローチャートである。
【図45】図42に示す制御コンピュータ21がピッキング完了通知を受信した場合に、処方確認用端末6に対して表示の更新を行う詳細な動作を示すフローチャートである。
【図46】ピッキング途中であること示す画面表示用の画像データの一例を示す図である。
【図47】ピッキング完了であること示す画面表示用の画像データの一例を示す図である。
【図48】図42に示す制御コンピュータ21がピッキング完了通知を受信した場合に、患者携帯用端末8に対して表示の更新を行う詳細な動作を示すフローチャートである。
【図49】作業完了であること示す画面表示用の画像データの一例を示す図である。
【図50】処方待ち行列テーブル227の更新動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態による薬剤ピッキングシステムを説明する。図1は同実施形態の構成を示すブロック図である。図1に示す薬剤ピッキングシステムは、病院内の薬局や院外処方せんを扱う薬局等に設置される。この図において、符号1は、医師が発行する処方せんの情報を処理するレセプトコンピュータである。符号2は、患者に渡す薬剤の種類の間違いを防止するとともに薬剤の在庫管理を行うTAP(Tablet Picker)であり、薬剤ラックと、レセプトコンピュータ1と情報通信可能に接続された制御コンピュータ21を備えている。符号3は、制御コンピュータ21と情報通信可能に接続され、会計処理等を行うPOSターミナルであり、バーコードリーダ31を備えている。符号4は、制御コンピュータ21と情報通信可能に接続された無線中継機である。符号5は、無線中継機4との間で無線通信を使用して情報通信を行うことが可能なハンディターミナルであり、情報表示、情報入力及びバーコード読み取りなどが可能である。符号6は、ピッキングした処方薬を薬剤師が確認するための処方確認用端末であり、情報表示が可能である。符号61は、処方確認用端末6が取り付けられた処方薬用トレイである。符号7は、TAP2内に納めることができない薬剤を格納する薬棚71の引き出しそれぞれに取り付けられる薬棚用端末であり、情報表示が可能である。符号8は、薬の処方を依頼した患者が携帯する患者携帯用端末であり、情報表示が可能である。
【0018】
次に、図2を参照して、図1に示す制御コンピュータ21の構成を説明する。図2は、図1に示す制御コンピュータ21の構成を示すブロック図である。符号211は、TAP2の処理動作を統括して制御する制御部である。符号212は、モニタ装置を備え、情報表示を行うモニタ表示部であり、ピッキングする薬剤の情報などを表示する。符号213は、処方せん情報等を用紙に印刷する印刷部である。符号214は、薬剤を薬剤ラックに充填する際に使用するハンディバーコードリーダである。符号215は、薬剤箱のバーコードを読み取るバーコードリーダである。符号216は、薬剤ラックからピッキングされた薬剤を取り出す取出口部であり、扉が自動に開閉して、ピッキングされた薬剤を薬剤師が取り出すためのものである。符号217は、制御部211からの指示で指定された薬剤を薬剤ラックから取り出して取出口部216へ運ぶために薬剤ラックを駆動する駆動部である。
【0019】
符号218は、レセプトコンピュータ(以下、レセコンという)1との間で情報通信を行う通信部である。符号219は、無線中継機4との間で情報通信を行う通信部である。符号220は、各端末に表示するべき画像情報を作成する画像作成部である。符号221は、キースイッチ等で構成する入力部である。符号222は、レセコン1から送信される処方せん情報を蓄える処方せんデータバッファである。符号223は、複数のテーブルを記憶する記憶部であり、薬剤情報テーブル224、薬棚情報管理テーブル225、処方作業管理情報テーブル226及び処方待ち行列テーブル227を記憶する。符号228は、情報を一時的に記憶しておく一時メモリである。なお、図示しないがTAP2内に収められる薬剤と、その場所(薬剤ラック)を関連付けた薬剤ラック管理テーブルも記憶部223にあるものとする。
【0020】
次に、図3を参照して、図1に示すハンディターミナル5の構成を説明する。図3は、図1に示すハンディターミナル5の構成を示すブロック図である。符号51は、ハンディターミナル5の処理動作を統括して制御する制御部である。符号52は、キー入力操作を行うキー入力部である。符号53は、バーコードを読み取るバーコードリーダである。符号54は、ディスプレイ装置から構成する表示部である。符号55は、情報を記憶する記憶部である。符号56は、無線中継機4との間で無線通信を行う通信部である。
【0021】
次に、図4を参照して、図1に示す処方確認用端末6、薬棚用端末7及び患者携帯用端末8の構成を説明する。図4は、図1に示す処方確認用端末6、薬棚用端末7及び患者携帯用端末8の構成を示すブロック図である。符号61は、端末の処理動作を統括して制御する制御部である。符号62は、ディスプレイ装置から構成する表示部である。符号63は、無線中継機4との間で無線通信を行う通信部である。符号64は、キースイッチ等で構成する入力部である。符号65は、薬剤の棚位置を報知するための光を発光するLED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)である。符号66は、LED65の点滅を制御するLED制御部である。符号67は、表示部62に表示するべき画面の画像データを複数記憶するバッファを備える記憶部である。符号68は、所定時間を計時するタイマである。なお、処方確認用端末6、薬棚用端末7及び患者携帯用端末8の構成は、図4に示す構成に限らず、必要に応じて、必要ない構成を省略するようにしてもよい。例えば、LED65、LED制御部66は、光の点滅による報知を行う必要がない端末に備える必要はない。また、記憶部67内に設ける画面用のバッファについても画面の切り換え動作等を行う必要がなく、1つの画面バッファのみで処理動作を実現できる場合には、複数の画面バッファを備えている必要はない。また、端末自身が所定時間を計時する必要がない場合は、タイマ68を備えている必要はない。
【0022】
次に、図5を参照して、図4に示す処方確認用端末6、薬棚用端末7及び患者携帯用端末8の外観について説明する。図5は、図4に示す処方確認用端末6、薬棚用端末7及び患者携帯用端末8の外観を示す図である。各端末は、表示部62の上部にLED65が配置されているともに、下部には各端末を一意に識別することが可能なバーコード69が貼付されている。
【0023】
次に、図6を参照して、図2に示す薬剤情報テーブル224のテーブル構造を説明する。図6は、図2に示す薬剤情報テーブル224のテーブル構造を示す図である。薬剤情報テーブル224は、薬ID、各種コード、薬名称、説明、文字強調属性のフィールドを有している。薬IDは、薬剤ピッキングシステム内において薬を一意に識別可能な識別情報である。各種コードのレセコンコードは、レセコン1内の識別コードである。JANコードは、薬メーカが付番したJANコードである。JANコードの代わりにRSSコードなど別の識別コードを用いてもよい。薬名称は、薬の名称であり、例えば、「スピール膏25cm2」等が格納される。説明は、薬の説明情報であり、例えば、「炎症やアレルギー症状を抑えるお薬です。眠くなることがあるのでご注意ください」等の文字列情報が格納される。文字強調属性は、端末に薬名称を表示する際に、薬名称の文字列のうち、強調して表示する文字を特定する情報である。「有無」は、1のとき強調ありを意味し、0のとき強調なしを意味している。強調ありの場合(有無が1の場合)には、薬名称の文字列のうち、何文字目(From)から何文字目(To)までを強調するかが定義される。図6に示す例では、6〜7文字目が強調されるので、「25」が強調されて表示されることになる。
【0024】
次に、図7を参照して、図2に示す薬棚情報管理テーブル225のテーブル構造を説明する。図7は、図2に示す薬棚情報管理テーブル225のテーブル構造を示す図である。薬棚情報管理テーブル225は、薬ID、棚札ID、在庫数量及び使用期限のフィールドを有している。薬IDは、前述した薬IDと同一である。棚札IDは、薬棚用端末(棚札)7の一意に識別可能な識別情報であり、図5に示すバーコード69によって読み取られた情報である。在庫数量は、薬の在庫数量である。使用期限は、棚に入っている薬の使用期限であり、○○年○○月と定義される。
【0025】
次に、図8を参照して、図2に示す処方作業管理情報テーブル226のテーブル構造を説明する。図8は、図2に示す処方作業管理情報テーブル226のテーブル構造を示す図である。処方作業管理情報テーブル226は、処方せんを一意に識別可能な処方せん番号(以下、処方せん番号を処方せんNoと称する)毎に進捗テーブルが関係付けられている。進捗テーブルは、処方するべき薬の薬IDとピッキング完了フラグが記憶される。ピッキング完了フラグは、0のとき、未了を意味し、1のとき完了を意味する。
【0026】
次に、図9を参照して、図2に示す処方待ち行列テーブル227のテーブル構造を説明する。図9は、図2に示す処方待ち行列テーブル227のテーブル構造を示す図である。処方待ち行列テーブル227は、処方せんNo、患者携帯用端末ID、処方作業中フラグのフィールドを有している。処方せんNoは、前述した処方せんNoと同一である。患者携帯用端末IDは、患者携帯用端末8を一意に識別可能な識別情報であり、図5に示すバーコード69によって読み取られた情報である。処方作業中フラグは、1のとき、作業中を意味し、0のとき、作業待ちを意味する。
【0027】
次に、図10を参照して、レセコン1から制御コンピュータ21へ送信される処方せんの情報について説明する。図10は、レセコン1から制御コンピュータ21へ送信される処方せんの情報の構成を示す図である。処方せんの情報は、処方せんを一意に識別可能な処方せんNo、この処方せんを処方した病院の病院名と医師の医師名、処方対象の患者を一意に識別可能な患者IDと、患者名と、処方された薬の薬レセコンコード、用法・分量と、会計金額が関係付けられた情報となっている。薬レセコンコードと用法分量は、処方された薬の種類の数だけ含まれている。
【0028】
次に、図11を参照して、図2に示す処方せんデータバッファ222の構成を説明する。図11は、図2に示す処方せんデータバッファ222の構成を示す図である。処方せんデータバッファ222は、所定の記憶容量を持ち、レセコン1から非同期に送信される処方せん情報(図10に示す情報)を受信した順にバッファ番号(以下、バッファ番号をバッファNoと称する)を付与して一時蓄える。一時的に蓄えた処方せん情報は、処理済みフラグが関係付けられており、薬の処方と会計処理が終了した情報に1が書き込まれる。処理済みフラグが1である情報は、新たに処方せん情報が受信された場合に新たな処方せん情報で上書きされて消去される。
【0029】
次に、図12〜図50を参照して、図1に示す薬剤ピッキングシステムの動作を説明する。初めに、図12、図13を参照して、制御コンピュータ21がレセコン1から処方せん情報を受け取る動作を説明する。図12は、図1に示す薬剤ピッキングシステムの動作を示すシーケンス図である。制御コンピュータ21は、レセコン1から送信される処方せん情報(図10に示す情報)を通信部218を介して受信し、処方せんデータバッファ22に蓄積する(図12参照)。
【0030】
次に、図13を参照して、処方せん情報を受信した制御コンピュータ21の動作を説明する。図13は、処方せん情報を受信した制御コンピュータ21の動作を示すフローチャートである。まず、制御部211は、レセコン1からの処方せん情報が有ったか否かを判定し(ステップS1)、処方せん情報有った場合、通信部218を介して、処方せん情報を受信して、一時メモリに記憶する(ステップS2)。そして、制御部211は、変数iに0を代入し(ステップS3)、変数iがmax(処方せん情報を記憶することができる最大値)になったか否かを判定する(ステップS4)。この判定の結果、変数iがmaxになっていなければ処方せんデータバッファ番号(以下、処方せんデータバッファ番号を処方せんデータバッファNoと称する)がiの処理済みフラグが1であるかを判定する(ステップS5)。この判定の結果、処方せんデータバッファNoがiの処理済みフラグが1である場合、制御部211は、処方せんデータバッファNoがiの処方せんデータバッファ222に一時メモリの内容をコピーする(ステップS6)。
【0031】
そして、制御部211は、処方せんデータバッファNoがiの処方せんデータバッファ222の処理済みフラグを0にする(ステップS7)。一方、処方せんデータバッファNoがiの処理済みフラグが1でない場合、変数iをインクリメントして(ステップS8)ステップS4に戻り、処理を繰り返す。そして、変数iがmaxになった場合、制御部211は、モニタ表示部212にエラー表示を行う(ステップS9)。このエラー表示は、例えば、「バッファが空いていないのでレセコンからの処方せんデータが受信できませんでした」等の表示を行う。この動作によって、処方せんデータバッファ222にレセコン1から送信された処方せん情報が蓄えられることになる。
【0032】
次に、図14〜図17を参照して、薬を薬棚71に保管する動作を説明する。図14は、薬を保管する動作を示すシーケンス図である。まず作業者は、ハンディターミナル5によって薬箱のバーコード(JANコード)を読み取り、続いて、保管する薬棚71に設置されている薬棚用端末7のバーコード69をハンディターミナル5によって読み取る。これを受けて、ハンディターミナル5は、読み取った2つのバーコードを無線中継機4を介して制御コンピュータ21へ送信する。これを受信すると画像作成部220は、該当する薬棚用端末7の通常表示を行う。
【0033】
次に、図15を参照して、図14に示す薬を薬棚71に保管する動作における制御コンピュータ21の詳細な動作を説明する。図15は、薬を薬棚71に保管する動作における制御コンピュータ21の詳細な動作を示すフローチャートである。まず制御部211は、通信部219を介して、ハンディターミナル5からのリンクデータを受信したか否かを判定し(ステップS11)、リンクデータを受信した場合、ハンディターミナル5が送信した薬箱のバーコード(JANコード)と端末ID(端末のバーコード)を取得する(ステップS12)。そして、制御部211は、薬剤情報テーブル224を参照して、取得した薬箱のJANコードに関係付けられている薬ID、薬名称、薬の説明及び文字強調属性を取得する(ステップS13)。そして、取得した情報に基づいて、薬棚情報管理テーブル225の内容を更新する(ステップS14)。このとき、薬棚情報管理テーブル225の在庫数量は0とし、使用期限は、不明としておく。続いて、画像作成部220は、該当する薬棚用端末7において表示するべき画面データを作成して、薬棚用端末7へ送信する(ステップS15)。これにより、薬棚用端末7の表示部62には通常画面の表示が行われることになる。図16に、薬棚用端末7の表示部62に表示される画面の一例を示す。
【0034】
次に、図17を参照して、図15に示すステップS15(通常表示処理)の詳細な処理動作を説明する。図17は、図15に示すステップS15(通常表示処理)の詳細な処理動作を示すフローチャートである。まず制御部211は、薬剤情報テーブル224から各種情報を取得する(ステップS21)とともに、薬棚情報管理テーブル225から各種情報を取得する(ステップS22)。そして、取得した文字強調属性の有無が1であるか否かを判定する(ステップS23)。この判定の結果、文字強調属性の有無が1であれば、薬名の1文字目から(From−1)文字目までを通常文字として画像作成バッファへセットする(ステップS24)。
【0035】
次に、薬名のFrom文字目からTo文字目を強調文字として画像作成バッファにセットする(ステップS25)。また、薬名の(To+1)文字目から最後までを通常文字として画像作成バッファにセットする(ステップS26)。ここでいう強調文字とは、図16に示す画面例において、「20mg」の「20」のみを大きい文字にしたり、強調文字のフォントを用いたり、文字色を変えて表示することである。薬剤には、用法によっては、「20」mgであったり、「40」mgであったりすることがあり、薬剤名は同一で、容量のみが異なる場合があるが、間違えやすい文字部分のみを強調することによりピッキングの間違いを防止することができる。一方、文字強調属性の有無が1でなければ、薬名を通常文字として画像作成バッファにセットする(ステップS27)。
【0036】
次に、制御部211は、薬IDをバーコードデータ(バーコードの画像)に変換し、画像作成バッファにセットする(ステップS28)。続いて、制御部211は、説明の文字列を画像作成バッファにセットする(ステップS29)。そして、在庫数量、使用期限の文字列を画像作成バッファにセットする(ステップS30、S31)。次に、画像作成部220は、画像作成バッファにセットされたデータに基づいて、表示画面用の画像を作成し(ステップS32)、対象の端末IDを持つ薬棚用端末7へ送信する(ステップS33)。これにより、図18に示す表示画面が対象の薬棚用端末7に表示されることになる。
【0037】
次に、図19〜図24を参照して、薬棚71に薬を充填する動作を説明する。図19は、薬棚71に薬を充填する動作を示すシーケンス図である。まず、ハンディターミナル5によって薬箱のバーコード(JANコード)を読み取り、充填コマンドを発行する。これを受けて、制御コンピュータ21は、この薬を充填するべき引き出しの薬棚用端末7のLED65の点灯命令を出す。これにより、該当する薬棚用端末7のLED65が点灯する。そして、作業者は、LED65が点灯した引き出しに薬を充填し、薬棚用端末7に表示されているバーコードを読み取るともに、使用期限と充填数量をキー入力する。ハンディターミナル5は、読み取ったバーコード(薬ID)と入力された使用期限と充填数量を制御コンピュータ21へ送信する。制御コンピュータ21は、薬箱のバーコードと薬棚用端末7の薬IDとを比較して、正しい充填が行われたか否かを判定する。この判定の結果、但し充填が行われた場合、制御コンピュータ21は、ハンディターミナル5に対してOK表示を行い、正しくない場合は、NG表示を行う。この表示によって、薬を充填する作業者は、充填の正当性を確認することができる。そして、制御コンピュータ21が、LED65の消灯命令と表示の更新を薬棚用端末7へ送信すると、薬棚用端末7の表示が更新されるともに、LED65が消灯する。
【0038】
次に、図20を参照して、図19に示す制御コンピュータ21の詳細な動作を説明する。図20は、図19に示す制御コンピュータ21の詳細な動作を示すフローチャートである。まず、制御部211は、ハンディターミナル5から充填コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS41)、充填コマンドを受信した場合に、受信データから薬箱のJANコードを取得する(ステップS42)。そして、制御部211は、薬剤情報テーブル224を参照して、該当する薬IDを取得する(ステップS43)。また、制御部211は、薬棚情報管理テーブル225から棚札IDを取得する(ステップS44)。そして、取得した棚札IDを持つ薬棚用端末7に対してLED65を点灯させるLED点灯コマンドを送信する(ステップS45)。これにより、図21に示すように、薬棚用端末7のLED65が点灯する。
【0039】
次に、制御部211は、充填済みコマンドを受信するまで待ち(ステップS46)、受信データから薬ID、使用期限、数量を取得する(ステップS47)。そして、制御部211は、受信した薬IDとテーブルから取得した薬IDとを比較して、一致したか否かを判定する(ステップS48)。この判定の結果、一致していれば、制御部221は、ハンディターミナル(HT)5にOKであることを示す情報を送信し(ステップS49)、薬棚情報管理テーブル225の在庫数量、使用期限を更新する(ステップS50)。そして、前述した通常表示処理を行う(ステップS51)。一方、受信した薬IDとテーブルから取得した薬IDとを比較して、一致していなければ、制御部221は、ハンディターミナル(HT)5にNGであることを示す情報を送信する(ステップS53)。続いて、制御部211は、薬棚用端末7に対してLED65を消灯させるLED−OFFコマンドを送信する(ステップS52)。
【0040】
次に、図22を参照して、図19に示すハンディターミナル5の詳細な動作を説明する。図22は、図19に示すハンディターミナル5の詳細な動作を示すフローチャートである。まず、制御部51は、バーコードリーダ53により薬箱のバーコード(JANコード)を読み取り(ステップS61)、制御コンピュータ21へ送信する(ステップS62)。続いて、制御部51は、バーコードリーダ53により薬棚用端末7に表示されているバーコードを読み取るともに、キー入力部52から入力された使用期限と充填数量を読み取る(ステップS63、S64、S65)。そして、制御部51は、読み取ったバーコード、使用期限、充填数量を制御コンピュータ21へ送信し(ステップS66)、制御コンピュータ21からの返答を待つ(ステップS67)。制御コンピュータ21からの返答がOKであるか否かを判定し(ステップS68)、OKの返答であれば、制御部51は、表示部54にOK表示を行い(ステップS69)、OKの返答でなければ、制御部51は、表示部54にNG表示を行う(ステップS70)。図23に、表示部54に表示されるOK表示の一例を示す。また、図24に表示部54に表示されるNG表示の一例を示す。
【0041】
次に、図25〜図28を参照して、薬の使用期限が近づいた場合に警告表示を行う動作を説明する。図25は、薬の使用期限が近づいた場合に警告表示を行う動作を示すシーケンス図である。まず、制御部211は、毎日所定の時刻に全ての薬に対して使用期限が近づいたか否かの確認を行い、使用期限の月になった薬が存在する場合に薬棚用端末7に警告を含む表示を行う。
【0042】
次に、図26を参照して、図25に示す制御コンピュータ21の詳細な動作を説明する。図26は、図25に示す制御コンピュータ21の詳細な動作を示すフローチャートである。まず、制御部211は、確認時間になったか否かを判定し(ステップS81)、確認時間になっていれば、薬棚情報管理テーブル225を参照して、使用期限と現在日を比較し(ステップS82)、n日(nは自然数であり任意に決められた値である)以下になった否かを判定する(ステップS83)。この判定の結果、n日以下になっていれば、薬棚情報管理テーブル225から薬IDを取得する(ステップS84)。そして、この薬IDを持つ薬棚用端末7に使用期限が近づいていることを示す警告を表示する(ステップS85)。この処理を全ての薬に対して繰り返し行う(ステップS86)。一方、使用期限が近づいていない薬に対しては警告の表示を行わない。
【0043】
次に、図27を参照して、図26のステップS85における制御コンピュータ21の詳細な動作を説明する。図27は、図25に示す制御コンピュータ21の詳細な動作を示すフローチャートである。まず制御部211は、薬剤情報テーブル224から各種情報を取得する(ステップS91)とともに、薬棚情報管理テーブル225から各種情報を取得する(ステップS92)。そして、取得した文字強調属性の有無が1であるか否かを判定する(ステップS93)。この判定の結果、文字強調属性の有無が1であれば、薬名の1文字目から(From−1)文字目までを通常文字として画像作成バッファへセットし、薬名のFrom文字目からTo文字目を強調文字として画像作成バッファにセットする。また、薬名の(To+1)文字目から最後までを通常文字として画像作成バッファにセットする(ステップS94)。強調文字の処理は、図17に示すステップS24〜S26と同様である。一方、文字強調属性の有無が1でなければ、薬名を通常文字として画像作成バッファにセットする(ステップS95)。
【0044】
次に、制御部211は、薬IDをバーコードデータ(バーコードの画像)に変換し、画像作成バッファにセットする(ステップS96)。続いて、制御部211は、説明の文字列を画像作成バッファにセットする(ステップS97)。そして、在庫数量、使用期限の文字列を画像作成バッファにセットする(ステップS98、S99)。続いて、制御部211は、警告文字を反転して画像作成バッファにセットする(ステップS100)。次に、画像作成部220は、画像作成バッファにセットされたデータに基づいて、表示画面用の画像を作成し(ステップS101)、対象の端末IDを持つ薬棚用端末7へ送信する(ステップS102)。これにより、図28に示す警告表示画面が対象の薬棚用端末7に表示されることになる。
【0045】
次に、図29、図30を参照して、薬剤のピッキングを行う動作を説明する。図29は、患者が持ち込んだ処方せんの受付を行う動作を示すシーケンス図である。まず、薬局の受付担当者は、POSターミナル3に接続されたバーコードリーダ31により、処方せんに印刷された処方せんNoのバーコードを読み取る。そして、患者に手渡す患者携帯用端末8の端末IDのバーコードを読み取る。POSターミナル3は、読み取った処方せんNoと患者携帯用端末IDを制御コンピュータ21へ送信する。
【0046】
次に、図30を参照して、図29に示す制御コンピュータ21の詳細な動作を説明する。図30は、図29に示す制御コンピュータ21の詳細な動作を示すフローチャートである。まず、制御部211は、POSターミナル3からデータ送信されたか否かを判定し(ステップS111)、送信された処方せんNoを処方せんデータバッファ222内で検索し(ステップS112)、一致する処方せんNoが処方せんデータバッファ222内に存在するか否かを判定し(ステップS113)、一致するものがなければ全件検索したか否かを判定し(ステップS114)、全件検索しても一致するものがなければエラー表示を行う(ステップS115)。一方、一致するものが見つかった場合、制御部211は、処方作業管理情報テーブル226を作成し、処方せんデータバッファから処方せん情報(図10に示す情報)を取得する(ステップS117)。
【0047】
次に、処方せん情報の薬レセコンコードを用いて、薬剤情報テーブル224から薬の情報を取得する(ステップS118)。これにより、薬ID、薬箱のJANコード、薬の説明及び文字強調属性が特定されることになる。そして、制御部211は、当該薬剤が薬剤ラックテーブルを参照してTAP2内にあるか否かを確認する。ある場合には当該薬剤が入った薬剤ラックを駆動部217で取出口部216に運び、モニタ表示部212にピッキング指示を表示する。TAP2内にない場合には、特定した薬IDを用いて薬棚情報管理テーブル225から薬棚の情報を取得する(ステップS119)。これにより棚札ID、在庫数量及び使用期限が特定されることになる。
【0048】
次に、制御部211は、処方作業管理情報テーブル226の薬IDを登録するともに、ピッキング完了フラグに0をセットする(ステップS120)。そして、制御部211は、全ての処方された薬について終了したかを判定し(ステップS121)、終了していなければ、ステップS118に戻り処理を繰り返す。一方、全ての処方された薬について終了した場合、処方待ち行列テーブル227の最後尾に、処方せんNo、患者携帯用端末ID、処方作業中フラグ(0)を登録する(ステップS122)。
【0049】
次に、図31〜図41を参照して、薬剤のピッキングを行う動作を説明する。図31は、3つの端末(処方確認用端末6、薬棚用端末7、患者携帯用端末8)に情報表示を行う動作を示すシーケンス図である。まず、制御コンピュータ21は、図29に示すシーケンスを実行した後に、処方確認用端末6、薬棚用端末7、患者携帯用端末8のそれぞれに対して、情報表示を行う。
【0050】
次に、図32を参照して、図31に示す制御コンピュータ21が患者携帯用端末8に情報表示する詳細な動作を説明する。図32は、図31に示す制御コンピュータ21が患者携帯用端末8に情報表示する詳細な動作を示すフローチャートである。この時点で、制御コンピュータ21内においては、以下の情報が特定されている。すなわち、処方せんNo、病院名、医師名、患者携帯用端末ID、患者ID、患者名、薬の情報(薬ID、薬箱のJANコード、薬名称、薬説明、文字強調属性)、薬の数量、会計金額、棚札ID、在庫数量、使用期限、ピッキング進捗、待ち行列の順番である。制御部211は、患者携帯用端末IDを特定し(ステップS131)、処方待ち行列をカウントし、対象の処方せんNoより前の行列数を得る(ステップS132)。
【0051】
次に、画像作成部220は、患者名、薬の名称、薬の数量、ピッキング進捗情報、待ち行列数及び会計金額の各情報に基づいて、患者携帯用端末8に表示するべき画像データ(画像1)を作成する(ステップS133)。続いて、画像作成部220は、薬の説明の文字列を表示するための画像データ(画像2)を作成する(ステップS134)。そして、全ての薬について処理したか否かを判定し(ステップS135)、全ての薬について、説明の文字列画像データを作成できるまで処理を繰り返す。画像データが作成できた時点で、画像作成部220は、作成した画像データを患者携帯用端末8へ送信する(ステップS136)。図33に、患者携帯用端末8に表示するべき画像データ(画像1)の一例を示す。また、図34に、薬の説明を表示するための画像データ(画像2)の一例を示す。図34に示す例は、A薬の説明を表示するための画像を示しているが、B薬、C薬についても同様に薬の説明を表示するための画像が作成されて患者携帯用端末8に送信されることになる。
【0052】
次に、図35を参照して、図31に示す患者携帯用端末8が制御コンピュータ21から送信された情報を表示する詳細な動作を説明する。図35は、図31に示す患者携帯用端末8が制御コンピュータ21から送信された情報を表示する詳細な動作を示すフローチャートである。まず、制御部61は、初期化動作として、タイマ68に対して、タイマセットを行う。例えば、5秒間を計時可能なようにセットする。次に、制御部61は、受信データが有ったか否かを判定し(ステップS142)、受信データが有った場合、受信した画像データを画面番号(以下、画面番号を画面Noと称する)に応じて記憶部67のバッファへ記憶する(ステップS143)。そして、1番目の画面であるか否かを判定し(ステップS144)、1番目の画面であれば、表示部62に1番目の画面(図33に示す画面)を表示し、タイマ68を再セットする(ステップS146)。そして、タイムアップするまで(例えば5秒)待機し(ステップS147)、タイムアップした時点で、画面Noをインクリメントして(ステップS148)、表示部62にインクリメントされた画面Noの画像を表示し(ステップS149)、タイマ68を再セットする(ステップS150)。
【0053】
これにより、制御コンピュータ21から送信された複数の画面の画像データが5秒毎に切り換えられて表示されることになる。すなわち、まず、画面1バッファに記憶されている画像データに基づき画面表示が行われ(例えば、図33に示す画面)、5秒後に画面2バッファに記憶されている画像データに基づき画面表示が行われ(例えば、図34に示す画面)、記憶部67に記憶されている画像データの数だけ画面の切り替えが行われ、最後の画面が表示されて、さらに5秒経過すると、1番目の画面に戻って画面の切り替えが繰り返し実行されることになる。患者は、薬のピッキングが行われて手渡されるまでの間に処方された薬の情報を見ながら待つことができるようになる。
【0054】
次に、図36を参照して、図31に示す制御コンピュータ21が処方確認用端末6に情報表示する詳細な動作を説明する。図36は、図31に示す制御コンピュータ21が処方確認用端末6に情報表示する詳細な動作を示すフローチャートである。まず、画像作成部220は、患者名、処方せんNo、薬の数量、ピッキング進捗情報からピッキング途中であることを示す画面の画像データを作成する(ステップS151)。そして、画像作成部220は、作成した画面の画像データを処方確認用端末6へ送信する(ステップS152)。図37に、処方確認用端末6に表示するべき画像データの一例を示す。
【0055】
次に、図38を参照して、図31に示す処方確認用端末6が制御コンピュータ21から送信された情報を表示する詳細な動作を説明する。図38は、図31に示す処方確認用端末6が制御コンピュータ21から送信された情報を表示する詳細な動作を示すフローチャートである。まず、制御部61は、表示データを受信したか否かを判定し(ステップS161)、表示データを受信した場合、受信した表示データに基づいて、表示部62に画面表示を行う(ステップS162)。これにより、処方確認用端末6には、画面表示(図37に示す画面)が行われることになる。
【0056】
次に、図39を参照して、図31に示す制御コンピュータ21が薬棚用端末7に情報表示する詳細な動作を説明する。図39は、図31に示す制御コンピュータ21が薬棚用端末7に情報表示する詳細な動作を示すフローチャートである。まず、制御部211は、患者名を画像作成用バッファにセットする(ステップS171)。続いて、制御部211は、処方せんNoを画像作成用バッファにセットする(ステップS172)。そして、取得した文字強調属性の有無が1であるか否かを判定する(ステップS173)。この判定の結果、文字強調属性の有無が1であれば、薬名の1文字目から(From−1)文字目までを通常文字として画像作成バッファへセットする(ステップS174)。続いて、薬名のFrom文字目からTo文字目を強調文字として画像作成バッファにセットする(ステップS175)。また、薬名の(To+1)文字目から最後までを通常文字として画像作成バッファにセットする(ステップS176)。一方、文字強調属性の有無が1でなければ、薬名を通常文字として画像作成バッファにセットする(ステップS177)。
【0057】
次に、制御部211は、取り出し数量を画像作成バッファにセットする(ステップS178)。そして、画像作成部220は、画像作成バッファにセットされた情報に基づいて、画面表示を行うための画像データを作成し(ステップS179)、該当する棚札IDを持つ薬棚用端末7に対して、作成した画像データを送信する(ステップS180)。図40に、薬棚用端末7に表示するべき画像データの一例を示す。
【0058】
次に、制御部211は、処方せん情報に含まれる全ての薬について処理が終了したか否かを判定し(ステップS181)、終了していなければステップS171へ戻って処理を繰り返す。これにより、図40に示す表示画面が対象の薬棚用端末7のそれぞれに表示されることになる。
【0059】
次に、図41を参照して、図31に示す薬棚用端末7が制御コンピュータ21から送信された情報を表示する詳細な動作を説明する。図41は、図31に示す薬棚用端末7が制御コンピュータ21から送信された情報を表示する詳細な動作を示すフローチャートである。まず、制御部61は、受信データが有ったか否かを判定し(ステップS191)、受信データが有った場合、画像データであるか否かを判定する(ステップS192)。この判定の結果、受信したデータが画像データであった場合、受信した画像データを表示部62に表示する(ステップS196)。
【0060】
一方、画像データでない場合、制御部61は、LED ONコマンドであるか否かを判定する(ステップS193)。この判定の結果、LED ONコマンドであれば、LED65を点灯するようLED制御部66へ指示を出す。これを受けて、LED制御部66は、LED65を点灯する(ステップS197)。また、受信したデータがLED ONコマンドでない場合、制御部61は、LED OFFコマンドであるか否かを判定する(ステップS194)。この判定の結果、LED OFFコマンドであれば、LED65を消灯するようLED制御部66へ指示を出す。これを受けて、LED制御部66は、LED65を消灯する(ステップS195)。これにより、薬棚用端末7には、画面表示(図40に示す画面)が行われるともに、LED65が点灯することになる。
【0061】
次に、図42〜図50を参照して、薬剤のピッキングを行う動作を説明する。図42は、薬棚のピッキングが完了した場合の動作を示すシーケンス図である。ピッキング作業者は、各薬棚からの薬剤のピッキングが完了した時点で、各薬棚71に取り付けられている薬棚用端末7の入力部64を操作して、ピッキング完了を知らせる操作を行う。これを受けて、制御部61は、制御コンピュータ21に対してピッキング完了通知を行う。ピッキング完了通知を受けた制御コンピュータ21は、処方確認用端末6、薬棚用端末7、患者携帯用端末8のそれぞれに対して、ピッキング完了動作を行う。薬棚用端末7に対して、LED OFFコマンドを送信して、LED65を消灯させるとともに、通常表示に戻させる。処方確認用端末6に対しては、各薬のピッキングが終わる度にチェックマークを表示し、全てのピッキングが終了した時点で完了表示を行わせる。また、患者携帯用端末8に対しては、各薬のピッキングが終わる度にピッキング進捗情報の更新を行い、全てのピッキングが終了した時点で完了表示を行わせる。
【0062】
なお、図42に示すピッキング完了時のシーケンスでは、各薬棚用端末7の入力部64を操作されたのを受けて、ピッキング完了通知を制御コンピュータ21へ送信するようにしたが、図43に示すように、ハンディターミナル5によって各薬棚用端末7に表示された処方せんNoを読み取ることにより、ハンディターミナル5が読み取った処方せんNoとともに、ピッキング完了通知を制御コンピュータ21へ送信するようにしてもよい。
【0063】
次に、図44を参照して、図42に示す制御コンピュータ21がピッキング完了通知を受信した場合に、薬棚用端末7に対して表示の更新を行う詳細な動作を説明する。図44は、図42に示す制御コンピュータ21がピッキング完了通知を受信した場合の詳細な動作を示すフローチャートである。制御部211は、ピッキング完了通知を受信したか否かを判定し(ステップS201)、ピッキング完了通知を受信した場合、ピッキング完了通知の送信元の端末IDを取得する(ステップS202)。そして、制御部211は、薬棚情報管理テーブル225より薬IDを取得する(ステップS203)。続いて、制御部211は、処方作業管理情報テーブル226から処方せんNoを取得し(ステップS204)、処方せんデータバッファ222からピッキング数量を取得する(ステップS205)。
【0064】
次に、制御部211は、薬棚情報管理テーブル225の在庫数量を減算する。在庫数量の減算は、現在庫数量からピッキング数量を減算することにより行う。これにより、ピッキングされた数量に応じて、薬棚71内に保管されている在庫数量が更新されることになる。そして、ピッキング完了通知を送信した薬棚用端末7に対して、通常表示を実行する(ステップS207)とともに、LED OFFコマンドを送信する(ステップS208)。これにより、薬棚用端末7は、LED65が消灯するとともに、表示部62の表示が通常表示に戻ることになる。なお、ステップS202、S203、S204は、図43に示すシーケンスを適用する場合には不要である。
【0065】
次に、図45を参照して、図42に示す制御コンピュータ21がピッキング完了通知を受信した場合に、処方確認用端末6に対して表示の更新を行う詳細な動作を説明する。図45は、図42に示す制御コンピュータ21がピッキング完了通知を受信した場合に、処方確認用端末6に対して表示の更新を行う詳細な動作を示すフローチャートである。まず、この時点で、図44に示す処理動作が終了しており、処方せんNoの特定はできているので、制御部211は、特定した処方せんNoに基づき処方作業管理情報テーブル226の該当する薬IDのピッキング完了フラグを1にすることにより進捗テーブルを更新する(ステップS211)。続いて、制御部211は、進捗テーブル全てが完了したか否かを判定する(ステップS212)。この判定の結果、完了していなければ、画像作成部220は、患者名、処方せんNo、薬の数量、ピッキング進捗情報によりピッキング途中であること示す画面表示用の画像データを作成する(ステップS213)。図46に、ピッキング途中であること示す画面表示用の画像データの一例を示す。
【0066】
一方、進捗テーブル全てが完了した場合、画像作成部220は、患者名、処方せんNo、薬の数量、ピッキング進捗情報によりピッキング完了であること示す画面表示用の画像データを作成する(ステップS214)。図47に、ピッキング完了であること示す画面表示用の画像データの一例を示す。そして、画像作成部220は、作成した画面表示用の画像データを処方確認用端末6に送信する(ステップS215)。これにより、処方確認用端末6には、図46または図47に示す画面表示用画像データに基づいた画面表示が行われることになる。
【0067】
次に、図48を参照して、図42に示す制御コンピュータ21がピッキング完了通知を受信した場合に、患者携帯用端末8に対して表示の更新を行う詳細な動作を説明する。図48は、図42に示す制御コンピュータ21がピッキング完了通知を受信した場合に、患者携帯用端末8に対して表示の更新を行う詳細な動作を示すフローチャートである。まず、この時点で、図44に示す処理動作が終了しており、処方せんNoの特定はできているので、制御部211は、特定した処方せんNoに基づき、患者携帯用端末IDを処方待ち行列テーブル227から取得する(ステップS221)。続いて、制御部211は、処方作業管理情報テーブル226からピッキング進捗情報を取得する(ステップS222)。そして、制御部211は、全ての薬のピッキングが終了したか否かを判定する(ステップS223)。この判定の結果、終了していなければ、画像作成部220は、患者名、薬の名称、薬の数量、ピッキング進捗情報、待ち行列数、会計金額を各テーブルから特定し、作業中であること示す画面表示用の画像データを作成する(ステップS224)。そして、画像作成部220は、作成した画面表示用の画像データを患者携帯用端末8へ送信する(ステップ225)。
【0068】
一方、全ての薬のピッキングが終了した場合、画像作成部220は、患者名、薬の名称、薬の数量、会計金額を各テーブルから特定し、作業完了であること示す画面表示用の画像データを作成する(ステップS226)。図49に、作業完了であること示す画面表示用の画像データの一例を示す。そして、画像作成部220は、作成した画面表示用の画像データを患者携帯用端末8に送信する(ステップS227)。これにより、患者携帯用端末8には図49に示す画面表示用画像データに基づいた画面表示が行われることになる。続いて、制御部221は、処方待ち行列テーブル227を更新する(ステップS228)。処方待ち行列テーブル227の更新は、図50に示すように、ピッキング完了通知の受信を契機として、全ての薬のピッキングが完了したかを確認し、完了していれば、該当する処方せんNoの情報を削除する。図50に示す例では、処方せんNoが001234の情報が削除されて、処方せんNoが005678の処方作業中フラグが1となる。
【0069】
なお、図1に示す構成においては、制御コンピュータ21をTAP2が備えているものとして説明したが、レセコン1と接続された制御コンピュータ21のみを備えおり、薬剤を自動で供給するTAP2の機能は必ずしも備えていなくてもよい。すなわち、薬剤を自動で供給するシステムを全く備えておらず、薬局に複数の薬棚71のみが備えられており、各棚の引き出しに取り付けられた薬棚用端末7、POSターミナル3、無線中継機4、ハンディターミナル5、処方確認用端末6及び患者携帯用端末8のみの構成であってもよい。また、制御コンピュータ21は、レセプトコンピュータ1の機能を備えていてもよい。さらに、必要に応じて、処方確認用端末6、患者携帯用端末8が必要ない場合は、省略してもよい。
【0070】
また、薬棚用端末7の位置を示すためにLED65を点灯する例を説明したが、LED65を省略して、表示部62が点滅するなどして、薬剤をピッキングするべき薬棚用端末7の位置を示すようにしてもよい。このようにすることにより、LED65を点灯させるための構成を省略することができるため、薬棚用端末7の構成を簡単にすることができ、コストを低減することができる。
【0071】
また、管理対象の薬剤は、メーカから搬送するための梱包箱内に収められた状態で薬局内で保管されている場合には、梱包箱に薬棚用端末7を取り付けて、前述した処理動作によって薬棚71と同様に管理処理を行うようにしてもよい。薬棚用端末7はどこにでも取り付け可能であるため、予め決められた管理対象に対して薬棚用端末7を取り付けることにより、前述した処理動作によって薬棚71と同様に管理処理を行うことが可能となる。
【0072】
また、前述した説明においては、管理対象の情報の単位を1つの処方せんNoで管理する例を説明したが、同一の患者に対する複数の処方せんが薬局に持ち込まれた場合、この複数の処方せんに対して、1つの受付番号を発番し、この受付番号単位で管理を行うようにしてもよい。この場合でも、1つの処方せんで複数の薬剤が処方された場合と同等であるので、前述した処理動作によって同様に管理処理を実現することができる。
【0073】
以上説明したように、制御コンピュータからの指示に応じて、各管理対象(薬棚71、処方薬用トレイ61、薬剤を受け取るべき患者)に対して、情報表示が可能な端末を取り付け、または携帯させて、薬剤師が行うピッキング作業の進捗に合わせて、端末に表示する情報を変化させて、ピッキング作業を確実に遂行できるようにしたため、薬局で扱う薬剤のうち、自動薬剤供給システムの管理ではない薬剤についても自動薬剤供給システムと同等の管理機能を実現することができ、患者に渡す薬剤の種類の間違いを防止するとともに薬剤の在庫管理を確実に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
薬剤師の手作業によって、薬剤をピッキングすることが不可欠な用途に適用できる。
【符号の説明】
【0075】
1・・・レセプトコンピュータ、2・・・TAP、21・・・制御コンピュータ、211・・・制御部、212・・・モニタ表示部、213・・・印刷部、214・・・ハンディバーコードリーダ、215・・・バーコードリーダ、216・・・取出口(扉)部、217・・・駆動部、218・・・通信部、219・・・通信部、220・・・画像作成部、221・・・入力部、222・・・処方せんデータバッファ、223・・・記憶部、224・・・薬剤情報テーブル、225・・・薬棚情報管理テーブル、226・・・処方作業管理情報テーブル、227・・・処方待ち行列テーブル、228・・・一時メモリ、3・・・POSターミナル、4・・・無線中継機、5・・・ハンディターミナル、51・・・制御部、52・・・キー入力部、53・・・バーコードリーダ、54・・・表示部、55・・・記憶部、56・・・通信部、6・・・処方確認用端末、7・・・薬棚用端末、8・・・患者携帯用端末、61・・・制御部、62・・・表示部、63・・・通信部、64・・・入力部、65・・・LED、66・・・LED制御部、67・・・記憶部、68・・・タイマ、69・・・バーコード
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者に渡す薬剤の間違いを防止するとともに薬剤の在庫管理を行うことができる薬剤ピッキングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、患者に渡す薬剤の種類の間違いを防止するとともに薬剤の在庫管理を行うために、ボックス収納部におけるボックスを載置するボックス載置部にはそれぞれに固有の位置ナンバーが付されており、ボックスにはICタグが付されており、また、ボックスそれぞれに収容されている薬剤箱にはバーコードが付されている自動薬剤供給システムが知られている。ICタグ情報およびバーコード情報は錠剤位置管理機構部で把握しているため、どこのボックスにどのような薬剤箱が収容されているかを錠剤位置管理機構部が予め把握していると共に、そのボックスがどこのボックス載置部に載置されているかも把握することができるため、患者に渡す薬剤の種類の間違いを防止するとともに薬剤の在庫管理を行うことが可能となる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−215575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の自動薬剤供給システムにあっては、薬剤を格納しておくボックスの数に限りがあるため、在庫管理やピッキングする薬剤の間違いを防止することができる薬剤の種類数が限られてしまう。一般的に処方せんを扱う薬局では、1000種類程度の薬剤を保有しているため、全ての薬剤を特許文献1に記載の自動薬剤供給システムで管理するためには、大規模な自動薬剤供給システムが必要になり、設備のコストが増大してしまうという問題がある。一方、1000種類の薬剤を管理している薬局においても患者に渡す頻度が高い薬剤は300種類程度である。300種類程度であれば特許文献1に記載の自動薬剤供給システムを使用することが可能となり、患者に渡す薬剤の種類の間違いを防止するとともに薬剤の在庫管理を確実に行うことが可能となる。
【0005】
しかしながら、1000種類の薬剤のうち、300種類のみを自動薬剤供給システムで管理を実施した場合でも、残りの700種類の薬剤については、処方される頻度が少ないが依然として人間が管理を行わなければならず、患者に渡す薬剤の種類の間違いを防止するとともに薬剤の在庫管理を確実に行うことができないという問題がある。特に、頻繁に処方されることのない薬剤については、自動薬剤供給システムで管理されている薬剤より種類が多いため、薬剤師であっても在庫の管理や患者に渡す薬剤の種類の間違いを確実に防止するのは困難である。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、薬局で扱う薬剤のうち、自動薬剤供給システムの管理ではない薬剤についても自動薬剤供給システムと同等の管理機能を実現することができる薬剤ピッキングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、薬剤の保管場所に取り付けられ、一意の端末識別情報が付与されて情報表示が可能な薬用端末と、前記薬剤を識別可能な薬剤識別情報と、該薬剤の数量とを含む処方せん情報を記憶する処方せん情報記憶手段と、前記薬剤識別情報と、前記端末識別情報とが関係付けられて記憶された端末情報記憶手段と、前記処方せん情報を特定する処方せん特定情報が入力されると、特定された前記処方せん情報に含まれる前記薬剤識別情報と、該薬剤の数量を前記処方せん情報記憶手段から読み出す処方せん情報読み出し手段と、前記端末情報記憶手段を参照して、前記処方せん情報記憶手段から読み出した前記薬剤識別情報に関係付けられている前記端末識別情報を特定する端末特定手段と、前記処方せん情報記憶手段から読み出した前記薬剤の数量の表示と、薬剤のピッキングを行うべき前記薬用端末の位置を示す表示を行なわせるため画像情報を作成して前記端末特定手段によって特定された前記端末識別情報が付与された前記薬用端末に対して送信するピッキング情報送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明は、ピッキングした薬剤の確認を行うための情報表示が可能な処方確認用端末と、前記処方せん情報読み出し手段により読み出した前記薬剤識別情報と、該薬剤の数量とを前記処方確認用端末に表示させるための画像情報を作成し、作成した前記画像情報を前記処方確認用端末に対して送信する確認情報送信手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明は、ピッキングが終了したこと示す操作を行う操作手段が前記薬用端末に設けられ、該操作手段が操作された際に、ピッキングが終了したこと示す情報を送信する終了情報送信手段と、ピッキング作業の進捗を確認するための情報表示が可能な患者携帯用端末と、前記薬用端末からピッキングが終了したこと示す情報を受信した際に、前記患者携帯用端末にピッキングが終了したことを示す情報を表示するための画像情報を作成し、作成した前記画像情報を前記患者携帯用端末へ送信する進捗情報送信手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明は、前記処方せん情報は、処方せん情報を管理するレセプトコンピュータから受信して、前記処方せん情報記憶手段に記憶することを特徴とする。
【0011】
本発明は、前記薬剤識別情報と、前記端末識別情報を読み取り識別情報読取手段とをさらに備え、前記端末情報記憶手段に記憶される前記薬剤識別情報と、前記端末識別情報は、前記識別情報読取手段によって読み取られた情報を関係付けて記憶することを特徴とする。
【0012】
本発明は、前記識別情報読取手段により充填するべき薬剤の前記薬剤識別情報が読み取られた際に、前記端末情報記憶手段を参照して、充填するべき薬剤の前記薬剤識別情報に関係付けられている前記端末識別情報を特定し、特定した前記端末識別情報が付与された前記薬用端末に位置を示す表示を行わせ、前記識別情報読取手段により読み取った前記薬用端末の前記端末識別情報が、前記充填するべき薬剤の前記薬剤識別情報に関係付けられている前記端末識別情報と一致した場合に、前記薬用端末に薬の充填が正しく行われたことを示す情報を表示する充填情報表示手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明は、前記端末情報記憶手段は、さらに前記薬用端末が取り付けられている前記保管場所に保管されている薬剤の在庫数量が関係付けられ、ピッキングされた数量に応じて、前記在庫数量を減じることを特徴とする。
【0014】
本発明は、前記端末情報記憶手段は、さらに前記薬用端末が取り付けられている前記保管場所に保管されている薬剤の使用期限の情報が関係付けられ、使用期限が近づいた際に、使用期限が近づいた薬剤が保管されている保管場所に取り付けられている前記薬用端末に警報を表示する警報表示手段をさらに備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、患者に渡す薬剤の種類の間違いを防止するとともに薬剤の在庫管理を確実に行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す制御コンピュータ21の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示すハンディターミナル5の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示す処方確認用端末6、薬棚用端末7及び患者携帯用端末8の構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示す処方確認用端末6、薬棚用端末7及び患者携帯用端末8の外観を示す図である。
【図6】図2に示す薬剤情報テーブル224のテーブル構造を示す図である。
【図7】図2に示す薬棚情報管理テーブル225のテーブル構造を示す図である。
【図8】図2に示す処方作業管理情報テーブル226のテーブル構造を示す図である。
【図9】図2に示す処方待ち行列テーブル227のテーブル構造を示す図である。
【図10】レセコン1から制御コンピュータ21へ送信される処方せんの情報の構成を示す図である。
【図11】図2に示す処方せんデータバッファ222の構成を示す図である。
【図12】図1に示す薬剤ピッキングシステムの動作を示すシーケンス図である。
【図13】処方せん情報を受信した制御コンピュータ21の動作を示すフローチャートである。
【図14】薬を保管する動作を示すシーケンス図である。
【図15】薬を薬棚71に保管する動作における制御コンピュータ21の詳細な動作を示すフローチャートである。
【図16】薬棚用端末7の表示部62に表示される画面の一例を示す図である。
【図17】図15に示すステップS15(通常表示処理)の詳細な処理動作を示すフローチャートである。
【図18】薬棚用端末7に表示される表示画面の一例を示す図である。
【図19】薬棚71に薬を充填する動作を示すシーケンス図である。
【図20】図19に示す制御コンピュータ21の詳細な動作を示すフローチャートである。
【図21】薬棚用端末7のLED65が点灯する状態を示す図である。
【図22】図19に示すハンディターミナル5の詳細な動作を示すフローチャートである。
【図23】表示部54に表示されるOK表示の一例を示す図である。
【図24】表示部54に表示されるNG表示の一例を示す図である。
【図25】薬の使用期限が近づいた場合に警告表示を行う動作を示すシーケンス図である。
【図26】図25に示す制御コンピュータ21の詳細な動作を示すフローチャートである。
【図27】図25に示す制御コンピュータ21の詳細な動作を示すフローチャートである。
【図28】薬棚用端末7に表示される警告表示画面の一例を示す図である。
【図29】患者が持ち込んだ処方せんの受付を行う動作を示すシーケンス図である。
【図30】図29に示す制御コンピュータ21の詳細な動作を示すフローチャートである。
【図31】3つの端末(処方確認用端末6、薬棚用端末7、患者携帯用端末8)に情報表示を行う動作を示すシーケンス図である。
【図32】図31に示す制御コンピュータ21が患者携帯用端末8に情報表示する詳細な動作を示すフローチャートである。
【図33】患者携帯用端末8に表示するべき画像データ(画像1)の一例を示す図である。
【図34】薬の説明を表示するための画像データ(画像2)の一例を示す図である。
【図35】図31に示す患者携帯用端末8が制御コンピュータ21から送信された情報を表示する詳細な動作を示すフローチャートである。
【図36】図31に示す制御コンピュータ21が処方確認用端末6に情報表示する詳細な動作を示すフローチャートである。
【図37】処方確認用端末6に表示するべき画像データの一例を示す図である。
【図38】図31に示す処方確認用端末6が制御コンピュータ21から送信された情報を表示する詳細な動作を示すフローチャートである。
【図39】図31に示す制御コンピュータ21が薬棚用端末7に情報表示する詳細な動作を示すフローチャートである。
【図40】薬棚用端末7に表示するべき画像データの一例を示す図である。
【図41】図31に示す薬棚用端末7が制御コンピュータ21から送信された情報を表示する詳細な動作を示すフローチャートである。
【図42】薬棚のピッキングが完了した場合の動作を示すシーケンス図である。
【図43】薬棚のピッキングが完了した場合の動作を示すシーケンス図である。
【図44】図42に示す制御コンピュータ21がピッキング完了通知を受信した場合の詳細な動作を示すフローチャートである。
【図45】図42に示す制御コンピュータ21がピッキング完了通知を受信した場合に、処方確認用端末6に対して表示の更新を行う詳細な動作を示すフローチャートである。
【図46】ピッキング途中であること示す画面表示用の画像データの一例を示す図である。
【図47】ピッキング完了であること示す画面表示用の画像データの一例を示す図である。
【図48】図42に示す制御コンピュータ21がピッキング完了通知を受信した場合に、患者携帯用端末8に対して表示の更新を行う詳細な動作を示すフローチャートである。
【図49】作業完了であること示す画面表示用の画像データの一例を示す図である。
【図50】処方待ち行列テーブル227の更新動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態による薬剤ピッキングシステムを説明する。図1は同実施形態の構成を示すブロック図である。図1に示す薬剤ピッキングシステムは、病院内の薬局や院外処方せんを扱う薬局等に設置される。この図において、符号1は、医師が発行する処方せんの情報を処理するレセプトコンピュータである。符号2は、患者に渡す薬剤の種類の間違いを防止するとともに薬剤の在庫管理を行うTAP(Tablet Picker)であり、薬剤ラックと、レセプトコンピュータ1と情報通信可能に接続された制御コンピュータ21を備えている。符号3は、制御コンピュータ21と情報通信可能に接続され、会計処理等を行うPOSターミナルであり、バーコードリーダ31を備えている。符号4は、制御コンピュータ21と情報通信可能に接続された無線中継機である。符号5は、無線中継機4との間で無線通信を使用して情報通信を行うことが可能なハンディターミナルであり、情報表示、情報入力及びバーコード読み取りなどが可能である。符号6は、ピッキングした処方薬を薬剤師が確認するための処方確認用端末であり、情報表示が可能である。符号61は、処方確認用端末6が取り付けられた処方薬用トレイである。符号7は、TAP2内に納めることができない薬剤を格納する薬棚71の引き出しそれぞれに取り付けられる薬棚用端末であり、情報表示が可能である。符号8は、薬の処方を依頼した患者が携帯する患者携帯用端末であり、情報表示が可能である。
【0018】
次に、図2を参照して、図1に示す制御コンピュータ21の構成を説明する。図2は、図1に示す制御コンピュータ21の構成を示すブロック図である。符号211は、TAP2の処理動作を統括して制御する制御部である。符号212は、モニタ装置を備え、情報表示を行うモニタ表示部であり、ピッキングする薬剤の情報などを表示する。符号213は、処方せん情報等を用紙に印刷する印刷部である。符号214は、薬剤を薬剤ラックに充填する際に使用するハンディバーコードリーダである。符号215は、薬剤箱のバーコードを読み取るバーコードリーダである。符号216は、薬剤ラックからピッキングされた薬剤を取り出す取出口部であり、扉が自動に開閉して、ピッキングされた薬剤を薬剤師が取り出すためのものである。符号217は、制御部211からの指示で指定された薬剤を薬剤ラックから取り出して取出口部216へ運ぶために薬剤ラックを駆動する駆動部である。
【0019】
符号218は、レセプトコンピュータ(以下、レセコンという)1との間で情報通信を行う通信部である。符号219は、無線中継機4との間で情報通信を行う通信部である。符号220は、各端末に表示するべき画像情報を作成する画像作成部である。符号221は、キースイッチ等で構成する入力部である。符号222は、レセコン1から送信される処方せん情報を蓄える処方せんデータバッファである。符号223は、複数のテーブルを記憶する記憶部であり、薬剤情報テーブル224、薬棚情報管理テーブル225、処方作業管理情報テーブル226及び処方待ち行列テーブル227を記憶する。符号228は、情報を一時的に記憶しておく一時メモリである。なお、図示しないがTAP2内に収められる薬剤と、その場所(薬剤ラック)を関連付けた薬剤ラック管理テーブルも記憶部223にあるものとする。
【0020】
次に、図3を参照して、図1に示すハンディターミナル5の構成を説明する。図3は、図1に示すハンディターミナル5の構成を示すブロック図である。符号51は、ハンディターミナル5の処理動作を統括して制御する制御部である。符号52は、キー入力操作を行うキー入力部である。符号53は、バーコードを読み取るバーコードリーダである。符号54は、ディスプレイ装置から構成する表示部である。符号55は、情報を記憶する記憶部である。符号56は、無線中継機4との間で無線通信を行う通信部である。
【0021】
次に、図4を参照して、図1に示す処方確認用端末6、薬棚用端末7及び患者携帯用端末8の構成を説明する。図4は、図1に示す処方確認用端末6、薬棚用端末7及び患者携帯用端末8の構成を示すブロック図である。符号61は、端末の処理動作を統括して制御する制御部である。符号62は、ディスプレイ装置から構成する表示部である。符号63は、無線中継機4との間で無線通信を行う通信部である。符号64は、キースイッチ等で構成する入力部である。符号65は、薬剤の棚位置を報知するための光を発光するLED(Light Emitting Diode;発光ダイオード)である。符号66は、LED65の点滅を制御するLED制御部である。符号67は、表示部62に表示するべき画面の画像データを複数記憶するバッファを備える記憶部である。符号68は、所定時間を計時するタイマである。なお、処方確認用端末6、薬棚用端末7及び患者携帯用端末8の構成は、図4に示す構成に限らず、必要に応じて、必要ない構成を省略するようにしてもよい。例えば、LED65、LED制御部66は、光の点滅による報知を行う必要がない端末に備える必要はない。また、記憶部67内に設ける画面用のバッファについても画面の切り換え動作等を行う必要がなく、1つの画面バッファのみで処理動作を実現できる場合には、複数の画面バッファを備えている必要はない。また、端末自身が所定時間を計時する必要がない場合は、タイマ68を備えている必要はない。
【0022】
次に、図5を参照して、図4に示す処方確認用端末6、薬棚用端末7及び患者携帯用端末8の外観について説明する。図5は、図4に示す処方確認用端末6、薬棚用端末7及び患者携帯用端末8の外観を示す図である。各端末は、表示部62の上部にLED65が配置されているともに、下部には各端末を一意に識別することが可能なバーコード69が貼付されている。
【0023】
次に、図6を参照して、図2に示す薬剤情報テーブル224のテーブル構造を説明する。図6は、図2に示す薬剤情報テーブル224のテーブル構造を示す図である。薬剤情報テーブル224は、薬ID、各種コード、薬名称、説明、文字強調属性のフィールドを有している。薬IDは、薬剤ピッキングシステム内において薬を一意に識別可能な識別情報である。各種コードのレセコンコードは、レセコン1内の識別コードである。JANコードは、薬メーカが付番したJANコードである。JANコードの代わりにRSSコードなど別の識別コードを用いてもよい。薬名称は、薬の名称であり、例えば、「スピール膏25cm2」等が格納される。説明は、薬の説明情報であり、例えば、「炎症やアレルギー症状を抑えるお薬です。眠くなることがあるのでご注意ください」等の文字列情報が格納される。文字強調属性は、端末に薬名称を表示する際に、薬名称の文字列のうち、強調して表示する文字を特定する情報である。「有無」は、1のとき強調ありを意味し、0のとき強調なしを意味している。強調ありの場合(有無が1の場合)には、薬名称の文字列のうち、何文字目(From)から何文字目(To)までを強調するかが定義される。図6に示す例では、6〜7文字目が強調されるので、「25」が強調されて表示されることになる。
【0024】
次に、図7を参照して、図2に示す薬棚情報管理テーブル225のテーブル構造を説明する。図7は、図2に示す薬棚情報管理テーブル225のテーブル構造を示す図である。薬棚情報管理テーブル225は、薬ID、棚札ID、在庫数量及び使用期限のフィールドを有している。薬IDは、前述した薬IDと同一である。棚札IDは、薬棚用端末(棚札)7の一意に識別可能な識別情報であり、図5に示すバーコード69によって読み取られた情報である。在庫数量は、薬の在庫数量である。使用期限は、棚に入っている薬の使用期限であり、○○年○○月と定義される。
【0025】
次に、図8を参照して、図2に示す処方作業管理情報テーブル226のテーブル構造を説明する。図8は、図2に示す処方作業管理情報テーブル226のテーブル構造を示す図である。処方作業管理情報テーブル226は、処方せんを一意に識別可能な処方せん番号(以下、処方せん番号を処方せんNoと称する)毎に進捗テーブルが関係付けられている。進捗テーブルは、処方するべき薬の薬IDとピッキング完了フラグが記憶される。ピッキング完了フラグは、0のとき、未了を意味し、1のとき完了を意味する。
【0026】
次に、図9を参照して、図2に示す処方待ち行列テーブル227のテーブル構造を説明する。図9は、図2に示す処方待ち行列テーブル227のテーブル構造を示す図である。処方待ち行列テーブル227は、処方せんNo、患者携帯用端末ID、処方作業中フラグのフィールドを有している。処方せんNoは、前述した処方せんNoと同一である。患者携帯用端末IDは、患者携帯用端末8を一意に識別可能な識別情報であり、図5に示すバーコード69によって読み取られた情報である。処方作業中フラグは、1のとき、作業中を意味し、0のとき、作業待ちを意味する。
【0027】
次に、図10を参照して、レセコン1から制御コンピュータ21へ送信される処方せんの情報について説明する。図10は、レセコン1から制御コンピュータ21へ送信される処方せんの情報の構成を示す図である。処方せんの情報は、処方せんを一意に識別可能な処方せんNo、この処方せんを処方した病院の病院名と医師の医師名、処方対象の患者を一意に識別可能な患者IDと、患者名と、処方された薬の薬レセコンコード、用法・分量と、会計金額が関係付けられた情報となっている。薬レセコンコードと用法分量は、処方された薬の種類の数だけ含まれている。
【0028】
次に、図11を参照して、図2に示す処方せんデータバッファ222の構成を説明する。図11は、図2に示す処方せんデータバッファ222の構成を示す図である。処方せんデータバッファ222は、所定の記憶容量を持ち、レセコン1から非同期に送信される処方せん情報(図10に示す情報)を受信した順にバッファ番号(以下、バッファ番号をバッファNoと称する)を付与して一時蓄える。一時的に蓄えた処方せん情報は、処理済みフラグが関係付けられており、薬の処方と会計処理が終了した情報に1が書き込まれる。処理済みフラグが1である情報は、新たに処方せん情報が受信された場合に新たな処方せん情報で上書きされて消去される。
【0029】
次に、図12〜図50を参照して、図1に示す薬剤ピッキングシステムの動作を説明する。初めに、図12、図13を参照して、制御コンピュータ21がレセコン1から処方せん情報を受け取る動作を説明する。図12は、図1に示す薬剤ピッキングシステムの動作を示すシーケンス図である。制御コンピュータ21は、レセコン1から送信される処方せん情報(図10に示す情報)を通信部218を介して受信し、処方せんデータバッファ22に蓄積する(図12参照)。
【0030】
次に、図13を参照して、処方せん情報を受信した制御コンピュータ21の動作を説明する。図13は、処方せん情報を受信した制御コンピュータ21の動作を示すフローチャートである。まず、制御部211は、レセコン1からの処方せん情報が有ったか否かを判定し(ステップS1)、処方せん情報有った場合、通信部218を介して、処方せん情報を受信して、一時メモリに記憶する(ステップS2)。そして、制御部211は、変数iに0を代入し(ステップS3)、変数iがmax(処方せん情報を記憶することができる最大値)になったか否かを判定する(ステップS4)。この判定の結果、変数iがmaxになっていなければ処方せんデータバッファ番号(以下、処方せんデータバッファ番号を処方せんデータバッファNoと称する)がiの処理済みフラグが1であるかを判定する(ステップS5)。この判定の結果、処方せんデータバッファNoがiの処理済みフラグが1である場合、制御部211は、処方せんデータバッファNoがiの処方せんデータバッファ222に一時メモリの内容をコピーする(ステップS6)。
【0031】
そして、制御部211は、処方せんデータバッファNoがiの処方せんデータバッファ222の処理済みフラグを0にする(ステップS7)。一方、処方せんデータバッファNoがiの処理済みフラグが1でない場合、変数iをインクリメントして(ステップS8)ステップS4に戻り、処理を繰り返す。そして、変数iがmaxになった場合、制御部211は、モニタ表示部212にエラー表示を行う(ステップS9)。このエラー表示は、例えば、「バッファが空いていないのでレセコンからの処方せんデータが受信できませんでした」等の表示を行う。この動作によって、処方せんデータバッファ222にレセコン1から送信された処方せん情報が蓄えられることになる。
【0032】
次に、図14〜図17を参照して、薬を薬棚71に保管する動作を説明する。図14は、薬を保管する動作を示すシーケンス図である。まず作業者は、ハンディターミナル5によって薬箱のバーコード(JANコード)を読み取り、続いて、保管する薬棚71に設置されている薬棚用端末7のバーコード69をハンディターミナル5によって読み取る。これを受けて、ハンディターミナル5は、読み取った2つのバーコードを無線中継機4を介して制御コンピュータ21へ送信する。これを受信すると画像作成部220は、該当する薬棚用端末7の通常表示を行う。
【0033】
次に、図15を参照して、図14に示す薬を薬棚71に保管する動作における制御コンピュータ21の詳細な動作を説明する。図15は、薬を薬棚71に保管する動作における制御コンピュータ21の詳細な動作を示すフローチャートである。まず制御部211は、通信部219を介して、ハンディターミナル5からのリンクデータを受信したか否かを判定し(ステップS11)、リンクデータを受信した場合、ハンディターミナル5が送信した薬箱のバーコード(JANコード)と端末ID(端末のバーコード)を取得する(ステップS12)。そして、制御部211は、薬剤情報テーブル224を参照して、取得した薬箱のJANコードに関係付けられている薬ID、薬名称、薬の説明及び文字強調属性を取得する(ステップS13)。そして、取得した情報に基づいて、薬棚情報管理テーブル225の内容を更新する(ステップS14)。このとき、薬棚情報管理テーブル225の在庫数量は0とし、使用期限は、不明としておく。続いて、画像作成部220は、該当する薬棚用端末7において表示するべき画面データを作成して、薬棚用端末7へ送信する(ステップS15)。これにより、薬棚用端末7の表示部62には通常画面の表示が行われることになる。図16に、薬棚用端末7の表示部62に表示される画面の一例を示す。
【0034】
次に、図17を参照して、図15に示すステップS15(通常表示処理)の詳細な処理動作を説明する。図17は、図15に示すステップS15(通常表示処理)の詳細な処理動作を示すフローチャートである。まず制御部211は、薬剤情報テーブル224から各種情報を取得する(ステップS21)とともに、薬棚情報管理テーブル225から各種情報を取得する(ステップS22)。そして、取得した文字強調属性の有無が1であるか否かを判定する(ステップS23)。この判定の結果、文字強調属性の有無が1であれば、薬名の1文字目から(From−1)文字目までを通常文字として画像作成バッファへセットする(ステップS24)。
【0035】
次に、薬名のFrom文字目からTo文字目を強調文字として画像作成バッファにセットする(ステップS25)。また、薬名の(To+1)文字目から最後までを通常文字として画像作成バッファにセットする(ステップS26)。ここでいう強調文字とは、図16に示す画面例において、「20mg」の「20」のみを大きい文字にしたり、強調文字のフォントを用いたり、文字色を変えて表示することである。薬剤には、用法によっては、「20」mgであったり、「40」mgであったりすることがあり、薬剤名は同一で、容量のみが異なる場合があるが、間違えやすい文字部分のみを強調することによりピッキングの間違いを防止することができる。一方、文字強調属性の有無が1でなければ、薬名を通常文字として画像作成バッファにセットする(ステップS27)。
【0036】
次に、制御部211は、薬IDをバーコードデータ(バーコードの画像)に変換し、画像作成バッファにセットする(ステップS28)。続いて、制御部211は、説明の文字列を画像作成バッファにセットする(ステップS29)。そして、在庫数量、使用期限の文字列を画像作成バッファにセットする(ステップS30、S31)。次に、画像作成部220は、画像作成バッファにセットされたデータに基づいて、表示画面用の画像を作成し(ステップS32)、対象の端末IDを持つ薬棚用端末7へ送信する(ステップS33)。これにより、図18に示す表示画面が対象の薬棚用端末7に表示されることになる。
【0037】
次に、図19〜図24を参照して、薬棚71に薬を充填する動作を説明する。図19は、薬棚71に薬を充填する動作を示すシーケンス図である。まず、ハンディターミナル5によって薬箱のバーコード(JANコード)を読み取り、充填コマンドを発行する。これを受けて、制御コンピュータ21は、この薬を充填するべき引き出しの薬棚用端末7のLED65の点灯命令を出す。これにより、該当する薬棚用端末7のLED65が点灯する。そして、作業者は、LED65が点灯した引き出しに薬を充填し、薬棚用端末7に表示されているバーコードを読み取るともに、使用期限と充填数量をキー入力する。ハンディターミナル5は、読み取ったバーコード(薬ID)と入力された使用期限と充填数量を制御コンピュータ21へ送信する。制御コンピュータ21は、薬箱のバーコードと薬棚用端末7の薬IDとを比較して、正しい充填が行われたか否かを判定する。この判定の結果、但し充填が行われた場合、制御コンピュータ21は、ハンディターミナル5に対してOK表示を行い、正しくない場合は、NG表示を行う。この表示によって、薬を充填する作業者は、充填の正当性を確認することができる。そして、制御コンピュータ21が、LED65の消灯命令と表示の更新を薬棚用端末7へ送信すると、薬棚用端末7の表示が更新されるともに、LED65が消灯する。
【0038】
次に、図20を参照して、図19に示す制御コンピュータ21の詳細な動作を説明する。図20は、図19に示す制御コンピュータ21の詳細な動作を示すフローチャートである。まず、制御部211は、ハンディターミナル5から充填コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS41)、充填コマンドを受信した場合に、受信データから薬箱のJANコードを取得する(ステップS42)。そして、制御部211は、薬剤情報テーブル224を参照して、該当する薬IDを取得する(ステップS43)。また、制御部211は、薬棚情報管理テーブル225から棚札IDを取得する(ステップS44)。そして、取得した棚札IDを持つ薬棚用端末7に対してLED65を点灯させるLED点灯コマンドを送信する(ステップS45)。これにより、図21に示すように、薬棚用端末7のLED65が点灯する。
【0039】
次に、制御部211は、充填済みコマンドを受信するまで待ち(ステップS46)、受信データから薬ID、使用期限、数量を取得する(ステップS47)。そして、制御部211は、受信した薬IDとテーブルから取得した薬IDとを比較して、一致したか否かを判定する(ステップS48)。この判定の結果、一致していれば、制御部221は、ハンディターミナル(HT)5にOKであることを示す情報を送信し(ステップS49)、薬棚情報管理テーブル225の在庫数量、使用期限を更新する(ステップS50)。そして、前述した通常表示処理を行う(ステップS51)。一方、受信した薬IDとテーブルから取得した薬IDとを比較して、一致していなければ、制御部221は、ハンディターミナル(HT)5にNGであることを示す情報を送信する(ステップS53)。続いて、制御部211は、薬棚用端末7に対してLED65を消灯させるLED−OFFコマンドを送信する(ステップS52)。
【0040】
次に、図22を参照して、図19に示すハンディターミナル5の詳細な動作を説明する。図22は、図19に示すハンディターミナル5の詳細な動作を示すフローチャートである。まず、制御部51は、バーコードリーダ53により薬箱のバーコード(JANコード)を読み取り(ステップS61)、制御コンピュータ21へ送信する(ステップS62)。続いて、制御部51は、バーコードリーダ53により薬棚用端末7に表示されているバーコードを読み取るともに、キー入力部52から入力された使用期限と充填数量を読み取る(ステップS63、S64、S65)。そして、制御部51は、読み取ったバーコード、使用期限、充填数量を制御コンピュータ21へ送信し(ステップS66)、制御コンピュータ21からの返答を待つ(ステップS67)。制御コンピュータ21からの返答がOKであるか否かを判定し(ステップS68)、OKの返答であれば、制御部51は、表示部54にOK表示を行い(ステップS69)、OKの返答でなければ、制御部51は、表示部54にNG表示を行う(ステップS70)。図23に、表示部54に表示されるOK表示の一例を示す。また、図24に表示部54に表示されるNG表示の一例を示す。
【0041】
次に、図25〜図28を参照して、薬の使用期限が近づいた場合に警告表示を行う動作を説明する。図25は、薬の使用期限が近づいた場合に警告表示を行う動作を示すシーケンス図である。まず、制御部211は、毎日所定の時刻に全ての薬に対して使用期限が近づいたか否かの確認を行い、使用期限の月になった薬が存在する場合に薬棚用端末7に警告を含む表示を行う。
【0042】
次に、図26を参照して、図25に示す制御コンピュータ21の詳細な動作を説明する。図26は、図25に示す制御コンピュータ21の詳細な動作を示すフローチャートである。まず、制御部211は、確認時間になったか否かを判定し(ステップS81)、確認時間になっていれば、薬棚情報管理テーブル225を参照して、使用期限と現在日を比較し(ステップS82)、n日(nは自然数であり任意に決められた値である)以下になった否かを判定する(ステップS83)。この判定の結果、n日以下になっていれば、薬棚情報管理テーブル225から薬IDを取得する(ステップS84)。そして、この薬IDを持つ薬棚用端末7に使用期限が近づいていることを示す警告を表示する(ステップS85)。この処理を全ての薬に対して繰り返し行う(ステップS86)。一方、使用期限が近づいていない薬に対しては警告の表示を行わない。
【0043】
次に、図27を参照して、図26のステップS85における制御コンピュータ21の詳細な動作を説明する。図27は、図25に示す制御コンピュータ21の詳細な動作を示すフローチャートである。まず制御部211は、薬剤情報テーブル224から各種情報を取得する(ステップS91)とともに、薬棚情報管理テーブル225から各種情報を取得する(ステップS92)。そして、取得した文字強調属性の有無が1であるか否かを判定する(ステップS93)。この判定の結果、文字強調属性の有無が1であれば、薬名の1文字目から(From−1)文字目までを通常文字として画像作成バッファへセットし、薬名のFrom文字目からTo文字目を強調文字として画像作成バッファにセットする。また、薬名の(To+1)文字目から最後までを通常文字として画像作成バッファにセットする(ステップS94)。強調文字の処理は、図17に示すステップS24〜S26と同様である。一方、文字強調属性の有無が1でなければ、薬名を通常文字として画像作成バッファにセットする(ステップS95)。
【0044】
次に、制御部211は、薬IDをバーコードデータ(バーコードの画像)に変換し、画像作成バッファにセットする(ステップS96)。続いて、制御部211は、説明の文字列を画像作成バッファにセットする(ステップS97)。そして、在庫数量、使用期限の文字列を画像作成バッファにセットする(ステップS98、S99)。続いて、制御部211は、警告文字を反転して画像作成バッファにセットする(ステップS100)。次に、画像作成部220は、画像作成バッファにセットされたデータに基づいて、表示画面用の画像を作成し(ステップS101)、対象の端末IDを持つ薬棚用端末7へ送信する(ステップS102)。これにより、図28に示す警告表示画面が対象の薬棚用端末7に表示されることになる。
【0045】
次に、図29、図30を参照して、薬剤のピッキングを行う動作を説明する。図29は、患者が持ち込んだ処方せんの受付を行う動作を示すシーケンス図である。まず、薬局の受付担当者は、POSターミナル3に接続されたバーコードリーダ31により、処方せんに印刷された処方せんNoのバーコードを読み取る。そして、患者に手渡す患者携帯用端末8の端末IDのバーコードを読み取る。POSターミナル3は、読み取った処方せんNoと患者携帯用端末IDを制御コンピュータ21へ送信する。
【0046】
次に、図30を参照して、図29に示す制御コンピュータ21の詳細な動作を説明する。図30は、図29に示す制御コンピュータ21の詳細な動作を示すフローチャートである。まず、制御部211は、POSターミナル3からデータ送信されたか否かを判定し(ステップS111)、送信された処方せんNoを処方せんデータバッファ222内で検索し(ステップS112)、一致する処方せんNoが処方せんデータバッファ222内に存在するか否かを判定し(ステップS113)、一致するものがなければ全件検索したか否かを判定し(ステップS114)、全件検索しても一致するものがなければエラー表示を行う(ステップS115)。一方、一致するものが見つかった場合、制御部211は、処方作業管理情報テーブル226を作成し、処方せんデータバッファから処方せん情報(図10に示す情報)を取得する(ステップS117)。
【0047】
次に、処方せん情報の薬レセコンコードを用いて、薬剤情報テーブル224から薬の情報を取得する(ステップS118)。これにより、薬ID、薬箱のJANコード、薬の説明及び文字強調属性が特定されることになる。そして、制御部211は、当該薬剤が薬剤ラックテーブルを参照してTAP2内にあるか否かを確認する。ある場合には当該薬剤が入った薬剤ラックを駆動部217で取出口部216に運び、モニタ表示部212にピッキング指示を表示する。TAP2内にない場合には、特定した薬IDを用いて薬棚情報管理テーブル225から薬棚の情報を取得する(ステップS119)。これにより棚札ID、在庫数量及び使用期限が特定されることになる。
【0048】
次に、制御部211は、処方作業管理情報テーブル226の薬IDを登録するともに、ピッキング完了フラグに0をセットする(ステップS120)。そして、制御部211は、全ての処方された薬について終了したかを判定し(ステップS121)、終了していなければ、ステップS118に戻り処理を繰り返す。一方、全ての処方された薬について終了した場合、処方待ち行列テーブル227の最後尾に、処方せんNo、患者携帯用端末ID、処方作業中フラグ(0)を登録する(ステップS122)。
【0049】
次に、図31〜図41を参照して、薬剤のピッキングを行う動作を説明する。図31は、3つの端末(処方確認用端末6、薬棚用端末7、患者携帯用端末8)に情報表示を行う動作を示すシーケンス図である。まず、制御コンピュータ21は、図29に示すシーケンスを実行した後に、処方確認用端末6、薬棚用端末7、患者携帯用端末8のそれぞれに対して、情報表示を行う。
【0050】
次に、図32を参照して、図31に示す制御コンピュータ21が患者携帯用端末8に情報表示する詳細な動作を説明する。図32は、図31に示す制御コンピュータ21が患者携帯用端末8に情報表示する詳細な動作を示すフローチャートである。この時点で、制御コンピュータ21内においては、以下の情報が特定されている。すなわち、処方せんNo、病院名、医師名、患者携帯用端末ID、患者ID、患者名、薬の情報(薬ID、薬箱のJANコード、薬名称、薬説明、文字強調属性)、薬の数量、会計金額、棚札ID、在庫数量、使用期限、ピッキング進捗、待ち行列の順番である。制御部211は、患者携帯用端末IDを特定し(ステップS131)、処方待ち行列をカウントし、対象の処方せんNoより前の行列数を得る(ステップS132)。
【0051】
次に、画像作成部220は、患者名、薬の名称、薬の数量、ピッキング進捗情報、待ち行列数及び会計金額の各情報に基づいて、患者携帯用端末8に表示するべき画像データ(画像1)を作成する(ステップS133)。続いて、画像作成部220は、薬の説明の文字列を表示するための画像データ(画像2)を作成する(ステップS134)。そして、全ての薬について処理したか否かを判定し(ステップS135)、全ての薬について、説明の文字列画像データを作成できるまで処理を繰り返す。画像データが作成できた時点で、画像作成部220は、作成した画像データを患者携帯用端末8へ送信する(ステップS136)。図33に、患者携帯用端末8に表示するべき画像データ(画像1)の一例を示す。また、図34に、薬の説明を表示するための画像データ(画像2)の一例を示す。図34に示す例は、A薬の説明を表示するための画像を示しているが、B薬、C薬についても同様に薬の説明を表示するための画像が作成されて患者携帯用端末8に送信されることになる。
【0052】
次に、図35を参照して、図31に示す患者携帯用端末8が制御コンピュータ21から送信された情報を表示する詳細な動作を説明する。図35は、図31に示す患者携帯用端末8が制御コンピュータ21から送信された情報を表示する詳細な動作を示すフローチャートである。まず、制御部61は、初期化動作として、タイマ68に対して、タイマセットを行う。例えば、5秒間を計時可能なようにセットする。次に、制御部61は、受信データが有ったか否かを判定し(ステップS142)、受信データが有った場合、受信した画像データを画面番号(以下、画面番号を画面Noと称する)に応じて記憶部67のバッファへ記憶する(ステップS143)。そして、1番目の画面であるか否かを判定し(ステップS144)、1番目の画面であれば、表示部62に1番目の画面(図33に示す画面)を表示し、タイマ68を再セットする(ステップS146)。そして、タイムアップするまで(例えば5秒)待機し(ステップS147)、タイムアップした時点で、画面Noをインクリメントして(ステップS148)、表示部62にインクリメントされた画面Noの画像を表示し(ステップS149)、タイマ68を再セットする(ステップS150)。
【0053】
これにより、制御コンピュータ21から送信された複数の画面の画像データが5秒毎に切り換えられて表示されることになる。すなわち、まず、画面1バッファに記憶されている画像データに基づき画面表示が行われ(例えば、図33に示す画面)、5秒後に画面2バッファに記憶されている画像データに基づき画面表示が行われ(例えば、図34に示す画面)、記憶部67に記憶されている画像データの数だけ画面の切り替えが行われ、最後の画面が表示されて、さらに5秒経過すると、1番目の画面に戻って画面の切り替えが繰り返し実行されることになる。患者は、薬のピッキングが行われて手渡されるまでの間に処方された薬の情報を見ながら待つことができるようになる。
【0054】
次に、図36を参照して、図31に示す制御コンピュータ21が処方確認用端末6に情報表示する詳細な動作を説明する。図36は、図31に示す制御コンピュータ21が処方確認用端末6に情報表示する詳細な動作を示すフローチャートである。まず、画像作成部220は、患者名、処方せんNo、薬の数量、ピッキング進捗情報からピッキング途中であることを示す画面の画像データを作成する(ステップS151)。そして、画像作成部220は、作成した画面の画像データを処方確認用端末6へ送信する(ステップS152)。図37に、処方確認用端末6に表示するべき画像データの一例を示す。
【0055】
次に、図38を参照して、図31に示す処方確認用端末6が制御コンピュータ21から送信された情報を表示する詳細な動作を説明する。図38は、図31に示す処方確認用端末6が制御コンピュータ21から送信された情報を表示する詳細な動作を示すフローチャートである。まず、制御部61は、表示データを受信したか否かを判定し(ステップS161)、表示データを受信した場合、受信した表示データに基づいて、表示部62に画面表示を行う(ステップS162)。これにより、処方確認用端末6には、画面表示(図37に示す画面)が行われることになる。
【0056】
次に、図39を参照して、図31に示す制御コンピュータ21が薬棚用端末7に情報表示する詳細な動作を説明する。図39は、図31に示す制御コンピュータ21が薬棚用端末7に情報表示する詳細な動作を示すフローチャートである。まず、制御部211は、患者名を画像作成用バッファにセットする(ステップS171)。続いて、制御部211は、処方せんNoを画像作成用バッファにセットする(ステップS172)。そして、取得した文字強調属性の有無が1であるか否かを判定する(ステップS173)。この判定の結果、文字強調属性の有無が1であれば、薬名の1文字目から(From−1)文字目までを通常文字として画像作成バッファへセットする(ステップS174)。続いて、薬名のFrom文字目からTo文字目を強調文字として画像作成バッファにセットする(ステップS175)。また、薬名の(To+1)文字目から最後までを通常文字として画像作成バッファにセットする(ステップS176)。一方、文字強調属性の有無が1でなければ、薬名を通常文字として画像作成バッファにセットする(ステップS177)。
【0057】
次に、制御部211は、取り出し数量を画像作成バッファにセットする(ステップS178)。そして、画像作成部220は、画像作成バッファにセットされた情報に基づいて、画面表示を行うための画像データを作成し(ステップS179)、該当する棚札IDを持つ薬棚用端末7に対して、作成した画像データを送信する(ステップS180)。図40に、薬棚用端末7に表示するべき画像データの一例を示す。
【0058】
次に、制御部211は、処方せん情報に含まれる全ての薬について処理が終了したか否かを判定し(ステップS181)、終了していなければステップS171へ戻って処理を繰り返す。これにより、図40に示す表示画面が対象の薬棚用端末7のそれぞれに表示されることになる。
【0059】
次に、図41を参照して、図31に示す薬棚用端末7が制御コンピュータ21から送信された情報を表示する詳細な動作を説明する。図41は、図31に示す薬棚用端末7が制御コンピュータ21から送信された情報を表示する詳細な動作を示すフローチャートである。まず、制御部61は、受信データが有ったか否かを判定し(ステップS191)、受信データが有った場合、画像データであるか否かを判定する(ステップS192)。この判定の結果、受信したデータが画像データであった場合、受信した画像データを表示部62に表示する(ステップS196)。
【0060】
一方、画像データでない場合、制御部61は、LED ONコマンドであるか否かを判定する(ステップS193)。この判定の結果、LED ONコマンドであれば、LED65を点灯するようLED制御部66へ指示を出す。これを受けて、LED制御部66は、LED65を点灯する(ステップS197)。また、受信したデータがLED ONコマンドでない場合、制御部61は、LED OFFコマンドであるか否かを判定する(ステップS194)。この判定の結果、LED OFFコマンドであれば、LED65を消灯するようLED制御部66へ指示を出す。これを受けて、LED制御部66は、LED65を消灯する(ステップS195)。これにより、薬棚用端末7には、画面表示(図40に示す画面)が行われるともに、LED65が点灯することになる。
【0061】
次に、図42〜図50を参照して、薬剤のピッキングを行う動作を説明する。図42は、薬棚のピッキングが完了した場合の動作を示すシーケンス図である。ピッキング作業者は、各薬棚からの薬剤のピッキングが完了した時点で、各薬棚71に取り付けられている薬棚用端末7の入力部64を操作して、ピッキング完了を知らせる操作を行う。これを受けて、制御部61は、制御コンピュータ21に対してピッキング完了通知を行う。ピッキング完了通知を受けた制御コンピュータ21は、処方確認用端末6、薬棚用端末7、患者携帯用端末8のそれぞれに対して、ピッキング完了動作を行う。薬棚用端末7に対して、LED OFFコマンドを送信して、LED65を消灯させるとともに、通常表示に戻させる。処方確認用端末6に対しては、各薬のピッキングが終わる度にチェックマークを表示し、全てのピッキングが終了した時点で完了表示を行わせる。また、患者携帯用端末8に対しては、各薬のピッキングが終わる度にピッキング進捗情報の更新を行い、全てのピッキングが終了した時点で完了表示を行わせる。
【0062】
なお、図42に示すピッキング完了時のシーケンスでは、各薬棚用端末7の入力部64を操作されたのを受けて、ピッキング完了通知を制御コンピュータ21へ送信するようにしたが、図43に示すように、ハンディターミナル5によって各薬棚用端末7に表示された処方せんNoを読み取ることにより、ハンディターミナル5が読み取った処方せんNoとともに、ピッキング完了通知を制御コンピュータ21へ送信するようにしてもよい。
【0063】
次に、図44を参照して、図42に示す制御コンピュータ21がピッキング完了通知を受信した場合に、薬棚用端末7に対して表示の更新を行う詳細な動作を説明する。図44は、図42に示す制御コンピュータ21がピッキング完了通知を受信した場合の詳細な動作を示すフローチャートである。制御部211は、ピッキング完了通知を受信したか否かを判定し(ステップS201)、ピッキング完了通知を受信した場合、ピッキング完了通知の送信元の端末IDを取得する(ステップS202)。そして、制御部211は、薬棚情報管理テーブル225より薬IDを取得する(ステップS203)。続いて、制御部211は、処方作業管理情報テーブル226から処方せんNoを取得し(ステップS204)、処方せんデータバッファ222からピッキング数量を取得する(ステップS205)。
【0064】
次に、制御部211は、薬棚情報管理テーブル225の在庫数量を減算する。在庫数量の減算は、現在庫数量からピッキング数量を減算することにより行う。これにより、ピッキングされた数量に応じて、薬棚71内に保管されている在庫数量が更新されることになる。そして、ピッキング完了通知を送信した薬棚用端末7に対して、通常表示を実行する(ステップS207)とともに、LED OFFコマンドを送信する(ステップS208)。これにより、薬棚用端末7は、LED65が消灯するとともに、表示部62の表示が通常表示に戻ることになる。なお、ステップS202、S203、S204は、図43に示すシーケンスを適用する場合には不要である。
【0065】
次に、図45を参照して、図42に示す制御コンピュータ21がピッキング完了通知を受信した場合に、処方確認用端末6に対して表示の更新を行う詳細な動作を説明する。図45は、図42に示す制御コンピュータ21がピッキング完了通知を受信した場合に、処方確認用端末6に対して表示の更新を行う詳細な動作を示すフローチャートである。まず、この時点で、図44に示す処理動作が終了しており、処方せんNoの特定はできているので、制御部211は、特定した処方せんNoに基づき処方作業管理情報テーブル226の該当する薬IDのピッキング完了フラグを1にすることにより進捗テーブルを更新する(ステップS211)。続いて、制御部211は、進捗テーブル全てが完了したか否かを判定する(ステップS212)。この判定の結果、完了していなければ、画像作成部220は、患者名、処方せんNo、薬の数量、ピッキング進捗情報によりピッキング途中であること示す画面表示用の画像データを作成する(ステップS213)。図46に、ピッキング途中であること示す画面表示用の画像データの一例を示す。
【0066】
一方、進捗テーブル全てが完了した場合、画像作成部220は、患者名、処方せんNo、薬の数量、ピッキング進捗情報によりピッキング完了であること示す画面表示用の画像データを作成する(ステップS214)。図47に、ピッキング完了であること示す画面表示用の画像データの一例を示す。そして、画像作成部220は、作成した画面表示用の画像データを処方確認用端末6に送信する(ステップS215)。これにより、処方確認用端末6には、図46または図47に示す画面表示用画像データに基づいた画面表示が行われることになる。
【0067】
次に、図48を参照して、図42に示す制御コンピュータ21がピッキング完了通知を受信した場合に、患者携帯用端末8に対して表示の更新を行う詳細な動作を説明する。図48は、図42に示す制御コンピュータ21がピッキング完了通知を受信した場合に、患者携帯用端末8に対して表示の更新を行う詳細な動作を示すフローチャートである。まず、この時点で、図44に示す処理動作が終了しており、処方せんNoの特定はできているので、制御部211は、特定した処方せんNoに基づき、患者携帯用端末IDを処方待ち行列テーブル227から取得する(ステップS221)。続いて、制御部211は、処方作業管理情報テーブル226からピッキング進捗情報を取得する(ステップS222)。そして、制御部211は、全ての薬のピッキングが終了したか否かを判定する(ステップS223)。この判定の結果、終了していなければ、画像作成部220は、患者名、薬の名称、薬の数量、ピッキング進捗情報、待ち行列数、会計金額を各テーブルから特定し、作業中であること示す画面表示用の画像データを作成する(ステップS224)。そして、画像作成部220は、作成した画面表示用の画像データを患者携帯用端末8へ送信する(ステップ225)。
【0068】
一方、全ての薬のピッキングが終了した場合、画像作成部220は、患者名、薬の名称、薬の数量、会計金額を各テーブルから特定し、作業完了であること示す画面表示用の画像データを作成する(ステップS226)。図49に、作業完了であること示す画面表示用の画像データの一例を示す。そして、画像作成部220は、作成した画面表示用の画像データを患者携帯用端末8に送信する(ステップS227)。これにより、患者携帯用端末8には図49に示す画面表示用画像データに基づいた画面表示が行われることになる。続いて、制御部221は、処方待ち行列テーブル227を更新する(ステップS228)。処方待ち行列テーブル227の更新は、図50に示すように、ピッキング完了通知の受信を契機として、全ての薬のピッキングが完了したかを確認し、完了していれば、該当する処方せんNoの情報を削除する。図50に示す例では、処方せんNoが001234の情報が削除されて、処方せんNoが005678の処方作業中フラグが1となる。
【0069】
なお、図1に示す構成においては、制御コンピュータ21をTAP2が備えているものとして説明したが、レセコン1と接続された制御コンピュータ21のみを備えおり、薬剤を自動で供給するTAP2の機能は必ずしも備えていなくてもよい。すなわち、薬剤を自動で供給するシステムを全く備えておらず、薬局に複数の薬棚71のみが備えられており、各棚の引き出しに取り付けられた薬棚用端末7、POSターミナル3、無線中継機4、ハンディターミナル5、処方確認用端末6及び患者携帯用端末8のみの構成であってもよい。また、制御コンピュータ21は、レセプトコンピュータ1の機能を備えていてもよい。さらに、必要に応じて、処方確認用端末6、患者携帯用端末8が必要ない場合は、省略してもよい。
【0070】
また、薬棚用端末7の位置を示すためにLED65を点灯する例を説明したが、LED65を省略して、表示部62が点滅するなどして、薬剤をピッキングするべき薬棚用端末7の位置を示すようにしてもよい。このようにすることにより、LED65を点灯させるための構成を省略することができるため、薬棚用端末7の構成を簡単にすることができ、コストを低減することができる。
【0071】
また、管理対象の薬剤は、メーカから搬送するための梱包箱内に収められた状態で薬局内で保管されている場合には、梱包箱に薬棚用端末7を取り付けて、前述した処理動作によって薬棚71と同様に管理処理を行うようにしてもよい。薬棚用端末7はどこにでも取り付け可能であるため、予め決められた管理対象に対して薬棚用端末7を取り付けることにより、前述した処理動作によって薬棚71と同様に管理処理を行うことが可能となる。
【0072】
また、前述した説明においては、管理対象の情報の単位を1つの処方せんNoで管理する例を説明したが、同一の患者に対する複数の処方せんが薬局に持ち込まれた場合、この複数の処方せんに対して、1つの受付番号を発番し、この受付番号単位で管理を行うようにしてもよい。この場合でも、1つの処方せんで複数の薬剤が処方された場合と同等であるので、前述した処理動作によって同様に管理処理を実現することができる。
【0073】
以上説明したように、制御コンピュータからの指示に応じて、各管理対象(薬棚71、処方薬用トレイ61、薬剤を受け取るべき患者)に対して、情報表示が可能な端末を取り付け、または携帯させて、薬剤師が行うピッキング作業の進捗に合わせて、端末に表示する情報を変化させて、ピッキング作業を確実に遂行できるようにしたため、薬局で扱う薬剤のうち、自動薬剤供給システムの管理ではない薬剤についても自動薬剤供給システムと同等の管理機能を実現することができ、患者に渡す薬剤の種類の間違いを防止するとともに薬剤の在庫管理を確実に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
薬剤師の手作業によって、薬剤をピッキングすることが不可欠な用途に適用できる。
【符号の説明】
【0075】
1・・・レセプトコンピュータ、2・・・TAP、21・・・制御コンピュータ、211・・・制御部、212・・・モニタ表示部、213・・・印刷部、214・・・ハンディバーコードリーダ、215・・・バーコードリーダ、216・・・取出口(扉)部、217・・・駆動部、218・・・通信部、219・・・通信部、220・・・画像作成部、221・・・入力部、222・・・処方せんデータバッファ、223・・・記憶部、224・・・薬剤情報テーブル、225・・・薬棚情報管理テーブル、226・・・処方作業管理情報テーブル、227・・・処方待ち行列テーブル、228・・・一時メモリ、3・・・POSターミナル、4・・・無線中継機、5・・・ハンディターミナル、51・・・制御部、52・・・キー入力部、53・・・バーコードリーダ、54・・・表示部、55・・・記憶部、56・・・通信部、6・・・処方確認用端末、7・・・薬棚用端末、8・・・患者携帯用端末、61・・・制御部、62・・・表示部、63・・・通信部、64・・・入力部、65・・・LED、66・・・LED制御部、67・・・記憶部、68・・・タイマ、69・・・バーコード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤の保管場所に取り付けられ、一意の端末識別情報が付与されて情報表示が可能な薬用端末と、
前記薬剤を識別可能な薬剤識別情報と、該薬剤の数量とを含む処方せん情報を記憶する処方せん情報記憶手段と、
前記薬剤識別情報と、前記端末識別情報とが関係付けられて記憶された端末情報記憶手段と、
前記処方せん情報を特定する処方せん特定情報が入力されると、特定された前記処方せん情報に含まれる前記薬剤識別情報と、該薬剤の数量を前記処方せん情報記憶手段から読み出す処方せん情報読み出し手段と、
前記端末情報記憶手段を参照して、前記処方せん情報記憶手段から読み出した前記薬剤識別情報に関係付けられている前記端末識別情報を特定する端末特定手段と、
前記処方せん情報記憶手段から読み出した前記薬剤の数量の表示と、薬剤のピッキングを行うべき前記薬用端末の位置を示す表示を行なわせるため画像情報を作成して前記端末特定手段によって特定された前記端末識別情報が付与された前記薬用端末に対して送信するピッキング情報送信手段と
を備えたことを特徴とする薬剤ピッキングシステム。
【請求項2】
ピッキングした薬剤の確認を行うための情報表示が可能な処方確認用端末と、
前記処方せん情報読み出し手段により読み出した前記薬剤識別情報と、該薬剤の数量とを前記処方確認用端末に表示させるための画像情報を作成し、作成した前記画像情報を前記処方確認用端末に対して送信する確認情報送信手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の薬剤ピッキングシステム。
【請求項3】
ピッキングが終了したこと示す操作を行う操作手段が前記薬用端末に設けられ、該操作手段が操作された際に、ピッキングが終了したこと示す情報を送信する終了情報送信手段と、
ピッキング作業の進捗を確認するための情報表示が可能な患者携帯用端末と、
前記薬用端末からピッキングが終了したこと示す情報を受信した際に、前記患者携帯用端末にピッキングが終了したことを示す情報を表示するための画像情報を作成し、作成した前記画像情報を前記患者携帯用端末へ送信する進捗情報送信手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の薬剤ピッキングシステム。
【請求項4】
前記処方せん情報は、処方せん情報を管理するレセプトコンピュータから受信して、前記処方せん情報記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1に記載の薬剤ピッキングシステム。
【請求項5】
前記薬剤識別情報と、前記端末識別情報を読み取り識別情報読取手段とをさらに備え、
前記端末情報記憶手段に記憶される前記薬剤識別情報と、前記端末識別情報は、前記識別情報読取手段によって読み取られた情報を関係付けて記憶することを特徴とする請求項1に記載の薬剤ピッキングシステム。
【請求項6】
前記識別情報読取手段により充填するべき薬剤の前記薬剤識別情報が読み取られた際に、前記端末情報記憶手段を参照して、充填するべき薬剤の前記薬剤識別情報に関係付けられている前記端末識別情報を特定し、特定した前記端末識別情報が付与された前記薬用端末に位置を示す表示を行わせ、前記識別情報読取手段により読み取った前記薬用端末の前記端末識別情報が、前記充填するべき薬剤の前記薬剤識別情報に関係付けられている前記端末識別情報と一致した場合に、前記薬用端末に薬の充填が正しく行われたことを示す情報を表示する充填情報表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の薬剤ピッキングシステム。
【請求項7】
前記端末情報記憶手段は、さらに前記薬用端末が取り付けられている前記保管場所に保管されている薬剤の在庫数量が関係付けられ、ピッキングされた数量に応じて、前記在庫数量を減じることを特徴とする請求項1に記載の薬剤ピッキングシステム。
【請求項8】
前記端末情報記憶手段は、さらに前記薬用端末が取り付けられている前記保管場所に保管されている薬剤の使用期限の情報が関係付けられ、使用期限が近づいた際に、使用期限が近づいた薬剤が保管されている保管場所に取り付けられている前記薬用端末に警報を表示する警報表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の薬剤ピッキングシステム。
【請求項1】
薬剤の保管場所に取り付けられ、一意の端末識別情報が付与されて情報表示が可能な薬用端末と、
前記薬剤を識別可能な薬剤識別情報と、該薬剤の数量とを含む処方せん情報を記憶する処方せん情報記憶手段と、
前記薬剤識別情報と、前記端末識別情報とが関係付けられて記憶された端末情報記憶手段と、
前記処方せん情報を特定する処方せん特定情報が入力されると、特定された前記処方せん情報に含まれる前記薬剤識別情報と、該薬剤の数量を前記処方せん情報記憶手段から読み出す処方せん情報読み出し手段と、
前記端末情報記憶手段を参照して、前記処方せん情報記憶手段から読み出した前記薬剤識別情報に関係付けられている前記端末識別情報を特定する端末特定手段と、
前記処方せん情報記憶手段から読み出した前記薬剤の数量の表示と、薬剤のピッキングを行うべき前記薬用端末の位置を示す表示を行なわせるため画像情報を作成して前記端末特定手段によって特定された前記端末識別情報が付与された前記薬用端末に対して送信するピッキング情報送信手段と
を備えたことを特徴とする薬剤ピッキングシステム。
【請求項2】
ピッキングした薬剤の確認を行うための情報表示が可能な処方確認用端末と、
前記処方せん情報読み出し手段により読み出した前記薬剤識別情報と、該薬剤の数量とを前記処方確認用端末に表示させるための画像情報を作成し、作成した前記画像情報を前記処方確認用端末に対して送信する確認情報送信手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の薬剤ピッキングシステム。
【請求項3】
ピッキングが終了したこと示す操作を行う操作手段が前記薬用端末に設けられ、該操作手段が操作された際に、ピッキングが終了したこと示す情報を送信する終了情報送信手段と、
ピッキング作業の進捗を確認するための情報表示が可能な患者携帯用端末と、
前記薬用端末からピッキングが終了したこと示す情報を受信した際に、前記患者携帯用端末にピッキングが終了したことを示す情報を表示するための画像情報を作成し、作成した前記画像情報を前記患者携帯用端末へ送信する進捗情報送信手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の薬剤ピッキングシステム。
【請求項4】
前記処方せん情報は、処方せん情報を管理するレセプトコンピュータから受信して、前記処方せん情報記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1に記載の薬剤ピッキングシステム。
【請求項5】
前記薬剤識別情報と、前記端末識別情報を読み取り識別情報読取手段とをさらに備え、
前記端末情報記憶手段に記憶される前記薬剤識別情報と、前記端末識別情報は、前記識別情報読取手段によって読み取られた情報を関係付けて記憶することを特徴とする請求項1に記載の薬剤ピッキングシステム。
【請求項6】
前記識別情報読取手段により充填するべき薬剤の前記薬剤識別情報が読み取られた際に、前記端末情報記憶手段を参照して、充填するべき薬剤の前記薬剤識別情報に関係付けられている前記端末識別情報を特定し、特定した前記端末識別情報が付与された前記薬用端末に位置を示す表示を行わせ、前記識別情報読取手段により読み取った前記薬用端末の前記端末識別情報が、前記充填するべき薬剤の前記薬剤識別情報に関係付けられている前記端末識別情報と一致した場合に、前記薬用端末に薬の充填が正しく行われたことを示す情報を表示する充填情報表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の薬剤ピッキングシステム。
【請求項7】
前記端末情報記憶手段は、さらに前記薬用端末が取り付けられている前記保管場所に保管されている薬剤の在庫数量が関係付けられ、ピッキングされた数量に応じて、前記在庫数量を減じることを特徴とする請求項1に記載の薬剤ピッキングシステム。
【請求項8】
前記端末情報記憶手段は、さらに前記薬用端末が取り付けられている前記保管場所に保管されている薬剤の使用期限の情報が関係付けられ、使用期限が近づいた際に、使用期限が近づいた薬剤が保管されている保管場所に取り付けられている前記薬用端末に警報を表示する警報表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の薬剤ピッキングシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【公開番号】特開2011−78701(P2011−78701A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−235518(P2009−235518)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]