説明

薬液充填済み医療用容器

【課題】仕切用弱シール部の両側に強シール部を有するタイプの医療用容器であっても、薬剤室の連通操作時における強シール部と弱シール部との境界部での容器の破断の可能性が少ない医療用容器を提供する。
【解決手段】医療用容器1は、仕切部10により仕切られた第1の薬剤室3と第2の薬剤室4を有する軟質バッグ2と、第1の薬剤室に充填された第1の薬液15と、第2の薬剤室に充填された第2の薬液16と、第1の薬剤室3に連通する排出ポート9とを有する。仕切部10は、中央部に設けられた剥離可能な弱シール部11と、弱シール部11の両側に、弱シール部11の端部に先端部が重なるように設けられ、弱シール部11より幅広である強シール部12,13を有する。各強シール部の先端12a、13aは、弱シール部11の中央方向に向かって延びる略半円状となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、剥離可能な仕切部により2つの薬剤室に区分されるとともに、各薬剤室に薬剤が充填された薬液充填済み医療用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
患者に輸液を行うに先だって、輸液剤の入ったバイアル瓶や軟質バッグ等に、予め輸液剤に配合することが困難な薬剤、例えば、ビタミン剤、抗生物質等の薬剤を混合、溶解させ、薬液を調製することが行われている。そして、このような薬液の調製を無菌的に、また、簡単な操作で行うため、特開2006−280435(特許文献1)の図15に示すような剥離可能な仕切用弱シール部71とその両側に設けられた強シール部75とにより仕切られた複数の薬剤室5,6と有する医療用容器70を本願出願人は、提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−280435
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
薬剤入り医療用容器は、製造された後、高圧蒸気滅菌される。従来のものでは、高圧蒸気滅菌した際、医療用容器の仕切用弱シール部が剥離しにくくなることがあったが、上記の特許文献1のものでは、高圧蒸気滅菌の際に仕切用弱シール部に剥離困難な強シール部が形成されないものとなっており、有効である。
しかし、特許文献1のような弱シール部により仕切られた薬剤室を有する医療用容器は、使用時にいずれかの薬剤室を圧迫することにより、弱シール部を剥離する連通操作が行われる。しかし。特許文献1のものでは、その2室の連通操作時に過剰な押圧力を負荷した場合などに、強シール部と弱シール部との境界部において、容器が破断するおそれがあった。
そこで、本発明の目的は、仕切用弱シール部の両側に強シール部を有するタイプの医療用容器であっても、薬剤室の連通操作時における強シール部と弱シール部との境界部での容器の破断の可能性が少ない薬液充填済み医療用容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 仕切部により仕切られた第1の薬剤室および第2の薬剤室を有する軟質バッグと、前記第1の薬剤室に充填された第1の薬液と、前記第2の薬剤室に充填された第2の薬液と、前記第1の薬剤室に連通するように前記軟質バッグに取り付けられた排出ポートとを有する薬液充填済み医療用容器であって、
前記仕切部は、中央部に設けられた剥離可能な弱シール部と、前記弱シール部の両側に設けられ、前記弱シール部の端部に先端部が重なるように設けられ、かつ、前記弱シール部より幅広であり、実質的に剥離しない強シール部を有し、さらに、前記各強シール部の先端は、前記弱シール部に中央方向に向かって延びる略半円状となっている薬液充填済み医療用容器。
【0006】
(2) 前記各強シール部の先端付近には、前記弱シール部より剥離強度が高く、前記強シール部より剥離強度が低い境界シール部を有している上記(1)に記載の薬液充填済み医療用容器。
(3) 前記弱シール部のシール強度は、2〜6N/10mmであり、前記強シール部の剥離強度は、前記弱シール部のシール強度より、3N/10mm以上大きいものである上記(1)または(2)に記載の薬液充填済み医療用容器。
(4) 前記強シール部の剥離強度は、25N/10mm以上である上記(3)に記載の薬液充填済み医療用容器。
(5) 前記強シール部は、前記第2の薬剤室側のシール際形状が、前記軟質バッグの側辺に向かうにつれて前記第2の薬剤室の上辺に向かって傾斜もしくは上辺に向かう曲線となっているものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の薬液充填済み医療用容器。
(6) 前記軟質バッグは、前記弱シール部の第2の薬剤室側のシール際より前記弱シール部内に延びかつ該弱シール部内にて終端する複数の幅の小さい弱シール非形成部を有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の薬液充填済み医療用容器。
(7) 前記医療用容器は、前記排出ポートを取り囲むように形成され、前記第1の薬剤室と前記排出ポート間の連通を阻害する剥離可能な連通阻害用弱シール部を備えている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の薬液充填済み医療用容器。
(8) 前記連通阻害弱シール部のシール強度は、4〜20N/10mmである上記(7)に記載の薬液充填済み医療用容器。
【発明の効果】
【0007】
本発明の薬液充填済み医療用容器は、仕切部により仕切られた第1の薬剤室および第2の薬剤室を有する軟質バッグと、第1の薬剤室に充填された第1の薬液と、第2の薬剤室に充填された第2の薬液と、第1の薬剤室に連通するように軟質バッグに取り付けられた排出ポートとを有する薬液充填済み医療用容器である。仕切部は、中央部に設けられた剥離可能な弱シール部と、弱シール部の両側に設けられ、弱シール部の端部に先端部が重なるように設けられ、かつ、弱シール部より幅広であり、実質的に剥離しない強シール部を有し、さらに、各強シール部の先端は、弱シール部に中央方向に向かって延びる略半円状となっている。このため、薬剤室の連通操作時における強シール部と弱シール部との境界部での衝撃応力が集中する部分がなく衝撃応力が分散されるため、強シール部と弱シール部との境界部での容器の破断が極めて少ないものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の実施例である薬剤充填済み医療用容器の正面図である。
【図2】図2は、図1に示した医療用容器のA−A線断面図である。
【図3】図3は、図1に示した医療用容器の弱シール部と強シール部付近の部分拡大図である。
【図4】図4は、比較例の医療用容器の弱シール部と強シール部付近の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の薬液充填済み医療用容器1は、仕切部10により仕切られた第1の薬剤室3および第2の薬剤室4を有する軟質バッグ2と、第1の薬剤室3に充填された第1の薬液15と、第2の薬剤室4に充填された第2の薬液16と、第1の薬剤室3に連通するように軟質バッグ2に取り付けられた排出ポート9とを有する。仕切部10は、中央部に設けられた剥離可能な弱シール部11と、弱シール部11の両側に設けられ、弱シール部11の端部に先端部が重なるように設けられ、かつ、弱シール部11より幅広であり、実質的に剥離しない強シール部12,13を有する。さらに、各強シール部12,13の先端12a、13aは、弱シール部11の中央方向に向かって延びる略半円状となっている。
【0010】
図1に示すように、医療用容器1は、仕切部10により仕切られた第1の薬剤室3と第2の薬剤室4とを有する軟質バッグ2と、第1の薬剤室3に充填された第1の薬液15と、第2の薬剤室4に充填された第2の薬液16と、第1の薬剤室3に取り付けられた排出ポート9とを備えている。
軟質バッグ2は、軟質樹脂製シートにより作製されている。軟質バッグ2は、インフレーション成形法により筒状に成形されたものが好ましい。なお、軟質バッグ2は、例えば、Tダイ法、ブロー成形法、ドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、共押出インフレーション法、共押出Tダイ法、ホットプレス法等の種々の方法により製造されたものでもよい。そして、軟質バッグ2は、製造過程において折り曲げられることにより2つの側辺が形成される。また、必要により軽くプレスすることにより、折り曲げられた側辺を形成してもよい。
【0011】
また、軟質バッグ2は、水蒸気バリヤー性を有することが好ましい。水蒸気バリヤー性の程度としては、水蒸気透過度が、50g/m2・24hrs・40℃・90%RH以下であることが好ましく、より好ましくは10g/m2・24hrs・40℃・90%RH以下であり、さらに好ましくは1g/m2・24hrs・40℃・90%RH以下である。この水蒸気透過度は、JISK7129(A法)に記載の方法により測定される。
このように軟質バッグ2が水蒸気バリヤー性を有することにより、医療用容器1の内部からの水分の蒸散が防止できる。その結果、充填される液体の減少、濃縮を防止することができる。また、医療用容器1の外部からの水蒸気の侵入も防止することができる。
このような軟質バッグ2の形成材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等の各種熱可塑性エラストマーあるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)が挙げられる。そして、使用する樹脂材料は、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)に耐えられる耐熱性、耐水性を有していることが好ましい。
【0012】
また、軟質バッグ2の形成材料として、ポリオレフィンが含有されるとき、本発明の有用性が大きいものとなる。したがって、本発明においては、軟質バッグ2の形成材料として、ポリオレフィンを含むものであるのが好ましい。軟質バッグ2の形成材料として、特に好ましいものとして、ポリエチレンまたはポリプロピレンに、スチレン−ブタジエン共重合体やスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマーあるいはエチレン−プロピレン共重合体やエチレン−ブテン共重合体,プロピレン−αオレフィン共重合体等のオレフィン系熱可塑性エラストマーをブレンドし柔軟化した軟質樹脂を挙げることができる。この材料は、高強度で柔軟性に富み、耐熱性(特に滅菌時の耐熱性)、耐水性が高い他、加工性が特に優れ、製造コストの低減を図れる点で好ましい。
【0013】
また、軟質バッグは、前述したような材料よりなる単層構造のもの(単層体)であってもよいし、また種々の目的で、複数の層(特に異種材料の層)を重ねた多層積層体であってもよい。多層積層体の場合、複数の樹脂層を重ねたものであってもよいし、少なくとも1層の樹脂層に金属層を積層したものであってもよい。複数の樹脂層を重ねたものの場合、それぞれ樹脂の利点を併有することができ、例えば、軟質バッグ2の耐衝撃性を向上させたり、対ブロッキング性を付与したりすることができる。また、金属層を有するものの場合、軟質バッグ2のガスバリヤー性等を向上させることができる。例えば、アルミ箔等のフィルムが積層された場合、ガスバリヤー性の向上とともに、遮光性を付与したりすることができる。また、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の酸化物からなる層を形成した場合、ガスバリヤー性の向上とともに、シート状筒状体の透明性を維持することができ、内部の視認性を確保することができる。なお、軟質バッグ2が多層積層体である場合、その内表面部分を形成する材料が、前述した材料であるのが好ましい。
【0014】
軟質バッグ2を構成するシート材(単層または多層積層体)の厚さは、その層構成や用いる素材の特性(柔軟性、強度、水蒸気透過性、耐熱性等)等に応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、通常は、100〜500μm程度であるのが好ましく、200〜360μm程度であるのがより好ましい。
また、医療用容器1の容積は、内部に収納する液体の種類等によって異なるが、通常は、200〜5000ml程度であるのが好ましく、500〜2000ml程度であるのがより好ましい。
また、本発明の実施例の軟質バッグ2の上端部(上辺部)には上端側シール部5が設けられ、軟質バッグ2の下端部(下辺部)には下端側シール部6が設けられている。上端側シール部5と下端側シール部6は、幅広シール部となっている。また、本発明の実施例の軟質バッグ2の側部には、側部シール部7,8が設けられている。そして、強シール部12,13は、その端部が、側部シール部上に重なるように形成されている。
【0015】
軟質バッグ2の上端側シール部5、下端側シール部6、側部シール部7,8は、熱融着(ヒートシール)、高周波融着、超音波融着等により形成されることが好ましく、特に、熱融着により行うことが好ましい。
仕切部10は、図1に示すように、軟質バッグ2の内部空間を仕切るように形成されている。軟質バッグ2は、仕切部10により、第1の薬剤室3と第2の薬剤室4とに仕切られている。
そして、仕切部10は、図1および図3に示すように、中央部に設けられた剥離可能な弱シール部11を有している。また、仕切部10は、弱シール部11の両側に設けられ、弱シール部11の端部に先端部が重なるように設けられ、かつ、弱シール部11より幅広であり、実質的に剥離しない強シール部12,13を有している。そして、各強シール部12,13の先端12a、13aは、図1および図3に示すように、弱シール部11の中央方向に向かって延びる略半円状となっている。強シール部12,13は、押圧・絞り加圧など、仕切部に対する通常の連通操作では剥離しない程度のシール強度でシールされている。また、本発明の実施例において、仕切部10は、軟質バッグ2の第2の薬剤室4が第1の薬剤室3より内容積が大きくなる位置に形成されている。
【0016】
特に、この実施例では、強シール部12は、図1および図3に示すように、中央に未シール部を有する形態となっている。また、先端12aが、弱シール部11の端部(図1における右端、側部シール7側の端部)と重なるように設けられている。さらに、その先端12aより、二股に分かれ、かつ広がるように側部シール部7方向に延びる2つの足部12b,12cを有している。そして、2つの足部12b、12cの端部が、側部シール部7上に位置するものとなっている。よって、強シール部12は、全体において弱シール部11より幅広であり、さらに、バッグの側部シール部7に向かって幅が広くなるものとなっている。
同様に、この実施例では、強シール部13は、中央に未シール部を有する形態となっている。先端13aが、弱シール部11の端部と重なるように設けられている。さらに、その先端13aより、二股に分かれ、かつ広がるように側部シール部8方向に延びる2つの足部13b,13cを有している。そして、2つの足部13b、13cの端部が、側部シール部8上に位置するものとなっている。よって、強シール部13も、全体において弱シール部11より幅広であり、さらに、バッグの側部シール部8に向かって幅が広くなるものとなっている。
【0017】
そして、図1および図3(特に、図3)に示すように、各強シール部12,13の先端12a、13aは、図1および図3に示すように、弱シール部11の中央方向に向かって延びる略半円状となっている。このため、薬剤室の連通操作時における強シール部と弱シール部との境界部での衝撃応力が集中する部分がなく衝撃応力が分散されるため、強シール部と弱シール部との境界部での容器の破断が極めて少ないものとなる。
さらに、図3に示すように、強シール部12は、先端12aの付近には、弱シール部11より剥離強度が高く、強シール部12より剥離強度が低い境界シール部14を有していることが好ましい。この境界シール部14は、強シール部12の外縁の全体に形成されていてもよい。さらに、この境界シール部14は、強シール部12の先端12a(外縁)より、徐々にシール強度が低下するものであってもよい。同様に、強シール部13の先端13aの付近にも、弱シール部11より剥離強度が高く、強シール部13より剥離強度が低い境界シール部を有していることが好ましい。この境界シール部は、強シール部13の外縁の全体に形成されていてもよい。さらに、この境界シール部は、強シール部13の先端13a(外縁)より、徐々にシール強度が低下するものであってもよい。このような、境界シール部は、強シール形成工程において、強シール形成部位およびその周縁部に耐熱シートを配置し、その上から強シール形成用加熱金型を当てることにより、形成することができる。この例では、境界シール部は、耐熱シートを介した伝熱により形成される。
【0018】
そして、強シール部12,13は、第2の薬剤室4側のシール際形状(外縁形状)が、軟質バッグ2の側辺に向かうにつれて第2の薬剤室4の上辺に向かうものとなっている。特に、この実施例では、強シール部12,13の第2の薬剤室4側のシール際形状(外縁形状)は、先端と連続する第1の傾斜部と第1の傾斜部より傾斜角が大きくかつ端部が側部シール部に到達する第2の傾斜部とを有するものとなっている。また、強シール部12,13は、第1の薬剤室3側のシール際形状(外縁形状)が、軟質バッグ2の側辺に向かうにつれて第1の薬剤室3の下辺に向かうものとなっている。特に、この実施例では、強シール部12,13の第1の薬剤室3側のシール際形状(外縁形状)は、先端と連続する第1の傾斜部と第1の傾斜部より傾斜角が大きくかつ端部が側部シール部に到達する第2の傾斜部とを有するものとなっている。
【0019】
弱シール部11は、薬液が充填された第1の薬剤室3もしくは第2の薬剤室4を指等で押圧することにより剥離可能な程度のシール強度を備える。
弱シール部11の長さ(強シール部12,13を除く長さ)は、薬剤室の横幅に対して0.2〜0.8であることが好ましい。特に、0.3〜0.7であることが好ましい。具体的には、弱シール部11の長さは、薬剤室の横幅にもよるが横幅190mmの場合70〜110mm、特に80〜100mmであることが好ましい。弱シール部11の幅は、8〜20mm、特に、10〜15mmであることが好ましい。強シール部の先端部幅は、15〜40mm、特に、20〜30mmであることが好ましく、強シール部の側部シール部における幅長は、20〜80mm、特に、30〜60mmであることが好ましい。また、強シール部12,13の先端12a,13aの半径は、10〜15mmであることが好ましい。
また、強シール部は、実質的に剥離しないもの、言い換えれば、通常の操作では剥離しないものとなっているが、強制剥離可能なものであってもよい。
【0020】
また、軟質バッグ2は、弱シール部11の第1の薬剤室3側および/または第2の薬剤室4側のシール際より弱シール部11内に延びかつ弱シール部11内にて終端する複数の幅の小さい弱シール非形成部31を有していてもよい。また、医療用容器1の高圧蒸気滅菌の際において、弱シール非形成部13は、弱シール部11の他の部分より軟質バッグ2を形成するシート間が広がりにくいものとなっている。このような構成により、高圧蒸気滅菌の際に弱シール部11のシール際の膨らみが適度に抑制されるため、シール際に剥離困難な強シール部が形成されることがない。また、図1に示すように、弱シール非形成部31は、弱シール部11の中央部に設けられており、かつ、両端部には設けられていないものであってもよい。また、この弱シール部11は、中央部領域に弱シール非形成部31を有するものの全体として、ほぼ同じ幅のものとなっている。
特に、この実施例の医療用容器では、弱シール非形成部31は、図1に示すように、シール際に二つの頂点を有し、弱シール部の内側に他の頂点を有する略三角形状のものとなっている。弱シール非形成部は、シール際により形成されるとともに、連続するものとなっている。また、第1の薬剤室3側に形成された弱シール非形成部と第2の薬剤室4側に形成された弱シール非形成部とは、軟質バッグ2の幅方向にずれて形成されている。弱シール部11は全体として両側に刃が形成されたノコギリ刃形状となっている。
【0021】
さらに、この実施例の医療用容器1は、排出ポート9を取り囲むように形成され、第1の薬剤室3と排出ポート9間の連通を阻害する剥離可能な連通阻害用弱シール部20を備えている。この連通阻害用弱シール部20により、医療用容器1は、第1の薬剤室3から隔離された第4室24を有するものとなっている。この第4室24は、本発明の実施例では空き室となっている。しかし、第4室には、所定の液体(例えば、注射用水や生理食塩水)が入れられていてもよい。また、第4室は、乾燥状態でもよいが、滅菌のための微量の液体が充填されていてもよい。さらに、連通阻害用弱シール部20に若干の水蒸気や薬剤が通る通路を形成し、第1の薬剤室3と上記のようなレベルで連通するものであってもよい。連通阻害用弱シール部20は、シート材を帯状に熱シール(熱融着、高周波融着、超音波融着等)することにより形成することができる。
【0022】
連通阻害用弱シール部20は、軟質バッグ2の下端側シール部に両端部が重なるように形成され、両端部間が、弱シール部11方向に延び、排出ポートの上方を取り囲む形態となっている。図1に示すものでは、連通阻害用弱シール部20は、短辺が上側となる台形状に形成されている。また、連通阻害用弱シール部20は、反転したU字形状、排出ポート9が頂点となる三角形状、排出ポート9が底辺となる三角形状、四角形状等の多角形状、略半円形状、略半楕円形状であってもよい。本発明の実施例の連通阻害用弱シール部20には、シール部20のその他の部分より開封し易い易開封部20aを有していることが好ましい。図1に示す実施例において、易開封部20aは、連通阻害用弱シール部20の上端部に排出ポート側に向かって谷部を有するようにシール部を形成することにより形成されている。また、このような易開封部としては、連通阻害用弱シール部の一部を排出ポート側に向かって突出する湾曲シール部、V字状シール部とすることにより形成してもよい。また、易開封部は、その他の部分よりシール幅を幅狭にすることにより形成されていてもよい。また、易開封部としては、連通阻害用弱シール部の一部のシール強度をその他の部分より弱くすることにより形成してもよい。
【0023】
連通阻害用弱シール部20は、本発明の実施例において、仕切部10より剥離しにくいものとなっている。具体的に、連通阻害用弱シール部20のシール強度は、仕切部10の弱シール部の強度より大きく、強シール部の強度より小さいものであることが好ましい。このような構成により、軟質バッグ2内の第1の薬剤室内の薬液と第2の薬剤室内内の薬剤とが混合される前に薬剤が投与されることを防止する。
そして、この実施例の医療用容器1では、上述したように、強シール部12,13が、軟質バッグ2の側辺に向かうにつれて第2の薬剤室4の上辺に向かうものとなっているため、第2の薬剤室4を加圧したとき、上昇した内圧が弱シール部11に集中し易く剥離開始が良好となり、かつ、剥離開始後、第2の薬剤室4内に収容された薬液が強シール部12,13のシール際(上縁)に沿って流れ、そして、弱シール部11に当接するため、弱シール部の剥離進行も確実なものとなり、いわゆる2室の連通操作が良好なものとなる。さらに、弱シール部11の下部に位置する上述した連通阻害用弱シール部20に、弱シール部11を剥離させた流れが当接するため、連通阻害用弱シール部20の剥離も確実なものとなる。
【0024】
なお、強シール部12,13は、実質的に剥離することができないシール部となっていてもよい。強シール部12,13に相当する部分を必ずしも剥がれるシールとする必要はなく、当該部分が強シール部となっていてもよい。なお、仕切部10(弱シール部11)は、帯状に形成されていなくてもよい。例えば、仕切部10(弱シール部11)は、V字形状、半円形状、半楕円形状に形成されていてもよい。また、仕切部10(弱シール部11)は、細く作製されていることにより、剥離しやすいものとなっていてもよい。また、この実施例では、排出ポート3および連通阻害用弱シール部20が軟質バッグ2下部の中央付近に設けられているため、それに対応して弱シール部11も軟質バッグ2の中央付近に設けられている。排出ポート3および連通阻害用弱シール部20が軟質バッグ2の側辺側に寄った位置に設けられる場合には、それに対応して、弱シール部11も軟質バッグ2の横方向の中央付近から側辺側に寄った位置に設けることが好ましい。
仕切部10により区分される第1の薬剤室3と第2の薬剤室4との容積比は、1:1〜1:5であることが好ましい。
また、医療用容器1の第1の薬剤室3の容積はできるだけ小さい方がよい。このような構成であれば、第2の薬剤室4を圧迫したとき(例えば、押圧したときあるいは絞ったとき)、ワンアクションで連通阻害用弱シール部20が容易に剥離するものとなる。
【0025】
この実施例の医療用容器1は、仕切部10の弱シール部11は、いずれか一方の薬剤室を手指等で強く圧迫したとき(例えば、押圧したときあるいは絞ったとき)に剥離して第1の薬剤室3と第2の薬剤室4とを連通可能なものである。また、弱シール部11は、第2の薬剤室4を圧迫したとき、連通阻害用弱シール部20より剥離しやすいものである。
また、実施例の強シール部12,13は、弱シール部11および連通阻害用弱シール部20より剥離しにくいものとなっている。
弱シール部11の剥離強度としては、輸送中に2つ折り梱包形態の軟質バッグ2に対して加えられる圧力では剥離せず、軟質バッグ2を手指などで強く圧迫した(絞った)ときに剥離する程度であることが好ましい。弱シール部11は、軟質バッグ2を融着することにより形成されることが好ましい。融着としては、熱融着、高周波融着、超音波融着などであることが好ましい。軟質バッグ2は、このように仕切部10に区分された2つの薬剤室3,4を有しているため、異なる成分の薬剤を無菌的に軟質バッグ2内で混合することができる。また、強シール部12,13は、通常の使用方法では剥離しないことが好ましい。また、強シール部12,13は、軟質バッグ2を熱融着、高周波融着、超音波融着などにより融着することにより形成されることが好ましい。なお、強シール部12,13は、剥離不能な強シール部であってもよい。
【0026】
具体的には、弱シール部11のシール強度(初期の剥離強度)は、1〜10N/10mm、特に、2〜6N/10mmであることが好ましい。シール強度がこの範囲内であれば、輸送や保管中等に誤って弱シール部が剥離することがなく、また、弱シール部を剥離する作業も容易である。強シール部のシール強度(初期の剥離強度)は、25N/10mm以上であることが好ましい。弱シール部11と強シール部12,13とのシール強度差(初期の剥離強度差)としては、強シール部のシール強度が、弱シール部のシール強度(初期の剥離強度)より、3N/10mm以上、特に、3〜30N/10mm、より好ましくは、4〜25N/10mm大きいものであることが好ましい。このようにすることにより、いずれかの薬剤室を押圧した際、仕切部10の全体が一気に剥離することを抑制し、少なくとも弱シール部からの剥離を確実なものとできる。
具体的には、弱シール部11のシール強度(初期の剥離強度)が、2〜3N/10mmであり、連通阻害用弱シール部20のシール強度(初期の剥離強度)が、4〜18N/10mmであり、強シール部12,13のシール強度(初期の剥離強度)が、25N/10mm以上であることが好ましい。
また、仕切部10は、図1に示すように、連通阻害用弱シール部20の上方、特に、鉛直方向上方となる位置に設けられていることが好ましい。また、強シール部12,13は、図示するように、連通阻害用弱シール部20の鉛直方向上方となる位置の両側に設けられていることが好ましい。このような位置に仕切部10が設けられていることにより、仕切部10が剥離した際、軟質バッグ2の連通阻害用弱シール部20が形成されている部分が大きく膨らむため連通阻害用弱シール部20が剥離しやすくなる。
【0027】
また、連通阻害用弱シール部20は、連通阻害用弱シール部のシール強度が、弱シール部11と同等もしくは弱シール部11のシール強度より若干強くすることにより構成することとができる。連通阻害用弱シール部のシール強度(初期の剥離強度)は、4〜20N/10mm、好ましくは、6〜18N/10mmであることが好ましい。弱シール部と連通阻害用弱シール部とのシール強度差(初期の剥離強度差)としては、容器や各シール部の形状の影響も考えられるため一概には言えないが、連通阻害用弱シール部のシール強度が、弱シール部のシール強度(初期の剥離強度)より、0.1〜10N/10mm、特に、1〜5N/10mm大きいものであることが好ましい。このようにすることにより、いずれかの薬剤室を圧迫した際、連通阻害用弱シール部が仕切部10より先に剥離することを抑制し、少なくとも弱シール部11部分からの剥離が確実なものとなる。
剥離強度の具体的な測定方法としては、以下のようにして行うことができる。医療用容器を、各測定対象シール部を含む部分を容器の幅方向に10mmの長さに切断して、それぞれの切断片のシール部を引張速度300mm/分で剥離させた際の測定値の平均値である。
また、医療用容器1は、連通阻害用弱シール部20の上端と薬剤排出ポートの上端との間の長さ(最短距離)に対する弱シール部11の横方向の長さは、0.2〜3であることが好ましく、更に0.5〜2であることが好ましい。特に、0.7〜1.5であることが好ましい。また、連通阻害用弱シール部20の幅(帯幅)は、2〜20mm、特に、4〜12mmであることが好ましい。
軟質バッグ2の薬剤室3,4には、薬剤が収納されている。薬剤室3,4には共存することにより沈殿が生じたり、経時的にあるいは一時的な加熱による着色・分解等の配合変化が生じたりすることがある成分を分離して収納するなど、異なった成分のものが収容されていることが好ましい。このような薬剤(輸液剤)としては、例えば、腹膜透析液、経中心静脈輸液剤、経末梢静脈用注射剤、液状栄養剤などのように2つ以上の薬剤を輸液の際に混合する必要のあるものが好ましい。また、輸液剤としては、例えば生理食塩水、電解質溶液、リンゲル液、高カロリー輸液、ブドウ糖液、注射用水、アミノ酸電解質溶液などが挙げられるが、これに限定されるものではない。例えば、薬剤室の一方にブドウ糖電解質液、他方にアミノ酸液を収納し、さらに両室にビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、パンテノール、ニコチン酸アミドなどの水溶性ビタミン等を、安定性等を考慮して適宜振り分け収納することができる。
【0028】
そして、この実施例の医療用容器1では、第1の薬剤室3の圧迫による仕切部10および連通阻害用弱シール部20の剥離作業性と第2の薬剤室4の圧迫による仕切部10および連通阻害用弱シール部20の剥離作業性に差違を有している。ここでいう剥離作業性の差違における優劣は、両薬剤室を個別に圧迫した際に、どちらの薬剤室を圧迫した方が容易に仕切部10および連通阻害用弱シール部20を剥離できたかの比較結果である。
この実施例の本発明の医療用容器1では、第1の薬剤室3、第2の薬剤室4のいずれを圧迫することによっても、仕切部10、連通阻害用弱シール部20の順にワンアクションで、剥離するものとなっている。しかし、本発明の医療用容器1では、上述したように、第1の薬剤室3の圧迫による仕切部10および連通阻害用弱シール部20の剥離作業性と第2の薬剤室4の圧迫による仕切部10および連通阻害用弱シール部20の剥離作業性に差違を有している。これは、薬剤室の変形の容易性、薬剤室の大きさ、薬剤室内に充填される薬剤量などに起因する。そして、作業性の優劣は、第1の薬剤室3、第2の薬剤室4のいずれを圧迫した方が、ワンアクションでの仕切部と連通阻害部の連続剥離性が良好であるかが判断基準となる。
また、軟質バッグ2の一端側シール部5には、ハンガー等に吊り下げるための孔(吊り下げ部)25が設けられていることが好ましい。
【0029】
また、軟質バッグ2には、図1に示すように、排出ポート9を取り付け可能なポート取付部が形成されている。また、排出ポート9として公知のものを使用することが好ましく、例えば、筒状ポート部材とその開口を封止するとともに針管を挿通可能なシール部材を備えるものが好ましい。具体的に、排出ポートとしては、図1および図2に示すように、両端側が開口した筒状部材17と、筒状部材17の片方の開口部を封止するシール部材19を有する蓋部18とからなるものであることが好ましい。
また、シール部材は、自己閉塞性を有し、針管を弾性体から抜き取った後は、その穿刺孔が閉塞し、薬液の漏れを防止するものであることが好ましい。シール部材の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミドなどの可撓性高分子材料、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー等の熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマー)、天然ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムのような各種ゴム材料等の弾性材料、あるいはこれらのうちの任意の2以上を組み合わせたものが挙げられ、シール性、再シール性の点からは弾性材料を含有しているものが好ましい。また、ポートとしては、円筒状、楕円筒状の成形品であることが好ましい。
【実施例】
【0030】
次に、本発明の医療用容器の実施例及び比較例について説明する。
(実施例1)
シート状筒状体として、ポリプロピレンにスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体をブレンドし柔軟化した軟質樹脂をインフレーション成形により肉厚330μmの円筒状[折れ径(横幅210mm)]に成形したチューブ状筒状体を用いた。
上記のシートを300mm長に裁断し、排出ポート装着部、注入ポート装着部および薬剤注入部を除き上端をシート上端から幅20〜30mmおよび下端をシート下端から幅20〜30mm、金型温度225℃、時間4秒の条件で片面加熱金型を用いてヒートシールして周縁部を有する容器本体を作製した。
そして、熱金型と熱金型受け台を用いて、シート状筒状体の上端部及び下端部に加熱プレスにより図1に示す形状の上端側シール部および下端側シール部を形成した。また、熱金型と熱金型受け台を用いて、図1に示すような形態の弱シール部(幅約15mm)およびその側部に図1に示すような強シール部(先端部幅約25mm、側部における幅約50mm)を有する軟質バッグを作製した。なお、弱シール強度は3.5N/10mm、また、弱シール部と重なる部分に形成される強シール部の端部は、半径12mmのほぼ半円状のものであり、シール強度は35N/10mm、かつ図3に示すような形態の軟質バッグを作製した。
【0031】
(比較例1)
シート状筒状体として、ポリプロピレンにスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体をブレンドし柔軟化した軟質樹脂をインフレーション成形により肉厚300μmの円筒状[折れ径(横幅210mm)]に成形したチューブ状筒状体を用いた。
上記のシートを300mm長に裁断し、排出ポート装着部、注入ポート装着部および薬剤注入部を除き上端をシート上端から幅20〜30mmおよび下端をシート下端から幅20〜30mm、金型温度225℃、時間4秒の条件で片面加熱金型を用いてヒートシールして周縁部を有する容器本体を作製した。
また、弱シール部と重なる部分に形成される強シール部の端部は、図4に示すように、直線状であり、かつ、角部がR5により面取りされた形状とした以外は、実施例1と同様の形態のものとした。
【0032】
(実験)
上記実施例1および比較例1の軟質バッグを5個準備し、仕切部部分にて、横に幅10mmに切断した切断片を作製した。
そして、切断片の一方に測定ゲージを取付け、他方を瞬間的に手で引っ張ることにより、弱シール部と強シール部との境界部の衝撃引張破断強度を測定した。
その結果、実施例1のものでは、平均値が、8.0N/10mmであり、比較例1のものでは、平均値が、2.6N/10mmであった。
【符号の説明】
【0033】
1 薬液充填済み医療用容器
2 軟質バッグ
3 第1の薬剤室
4 第2の薬剤室
5 上端側シール部
6 下端側シール部
9 排出ポート
10 仕切部
11 弱シール部
12 強シール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕切部により仕切られた第1の薬剤室および第2の薬剤室を有する軟質バッグと、前記第1の薬剤室に充填された第1の薬液と、前記第2の薬剤室に充填された第2の薬液と、前記第1の薬剤室に連通するように前記軟質バッグに取り付けられた排出ポートとを有する薬液充填済み医療用容器であって、
前記仕切部は、中央部に設けられた剥離可能な弱シール部と、前記弱シール部の両側に設けられ、前記弱シール部の端部に先端部が重なるように設けられ、かつ、前記弱シール部より幅広であり、実質的に剥離しない強シール部を有し、さらに、前記各強シール部の先端は、前記弱シール部に中央方向に向かって延びる略半円状となっていることを特徴とする薬液充填済み医療用容器。
【請求項2】
前記各強シール部の先端付近には、前記弱シール部より剥離強度が高く、前記強シール部より剥離強度が低い境界シール部を有している請求項1に記載の薬液充填済み医療用容器。
【請求項3】
前記弱シール部のシール強度は、2〜6N/10mmであり、前記強シール部の剥離強度は、前記弱シール部のシール強度より、3N/10mm以上大きいものである請求項1または2に記載の薬液充填済み医療用容器。
【請求項4】
前記強シール部の剥離強度は、25N/10mm以上である請求項3に記載の薬液充填済み医療用容器。
【請求項5】
前記強シール部は、前記第2の薬剤室側のシール際形状が、前記軟質バッグの側辺に向かうにつれて前記第2の薬剤室の上辺に向かって傾斜もしくは上辺に向かう曲線となっているものである請求項1ないし4のいずれかに記載の薬液充填済み医療用容器。
【請求項6】
前記軟質バッグは、前記弱シール部の第2の薬剤室側のシール際より前記弱シール部内に延びかつ該弱シール部内にて終端する複数の幅の小さい弱シール非形成部を有する請求項1ないし5のいずれかに記載の薬液充填済み医療用容器。
【請求項7】
前記医療用容器は、前記排出ポートを取り囲むように形成され、前記第1の薬剤室と前記排出ポート間の連通を阻害する剥離可能な連通阻害用弱シール部を備えている請求項1ないし6のいずれかに記載の薬液充填済み医療用容器。
【請求項8】
前記連通阻害弱シール部のシール強度は、4〜20N/10mmである請求項7に記載の薬液充填済み医療用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−20059(P2012−20059A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−161946(P2010−161946)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】