説明

薬物送達デバイスにおける使用のための配置

本発明は、その遠位端に開口部(12)を含むカートリッジホルダ(10)、ニードルホルダ(30)及び1つ又はそれ以上の中間エレメント(16、40、44)を含む、薬物送達デバイスに使用するための配置に関し、ここでニードルホルダ(30)がカートリッジホルダ(10)に取り付けられたとき、1つ又はそれ以上の中間エレメント(16、40、44)がカートリッジホルダ(10)の開口部(12)に配置され、それにより開口部(12)内の空き空間の大きさが減少する。さらに本発明は、上記配置を含む薬物送達デバイス、及び薬剤カートリッジ(20)の遠位端に位置するセプタム(22)を安定化するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物送達デバイスに使用するための配置に関する。
【背景技術】
【0002】
薬物送達デバイスは一般的に、医薬品、例えばインスリンの投与のため、また患者による自己投与のための他の医薬品のためのものが知られている。従って、薬物送達デバイスは使用の際に安全でかつ簡単であるべきであり、そして医薬品の正確な用量を投薬するべきである。薬物送達デバイスの多くはペン型注射器であり、これは予め設定した用量の医薬品を投薬することができる。
【0003】
いくつかの場合において、患者が特定の医薬品の正確な体積を得ることが必要となる。大部分の市販の薬物送達デバイスには、不正確な投薬の誤りの原因が多く存在する。一例は、注射後の針からの滴が漏れることであり、従って注射後に針を皮膚中にいれたままにする必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
投薬される用量の正確さを改善するために役立つ薬物送達デバイスにおける使用のための配置を提供することが本開示の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第一の局面によれば、薬物送達デバイスにおける使用のための配置が提供され、ここで該配置はニードルホルダ、カートリッジホルダ及び1つ又はそれ以上の中間エレメントを含む。カートリッジホルダは遠位端に開口部を含む。ニードルホルダはカートリッジホルダに取り付け可能であり、それにより1つ又はそれ以上の中間エレメントがカートリッジホルダの開口部に配置される。1つ又はそれ以上の中間エレメントの配置により、開口部内の空き空間が減少する。
【0006】
中間エレメントはカートリッジホルダ又はニードルホルダに配置され得る。ニードルホルダがカートリッジホルダに取り付けられる場合、1つ又はそれ以上の中間エレメントは開口部の近位端に配置され、それにより開口部内の空き空間が減少する。
【0007】
近位及び遠位という表現は、薬物送達デバイス、アセンブリ及びアセンブリの部分の方向を特定するために使用され、ここで遠位端は液体医薬品が供給される場所であり、そして近位端は薬物送達デバイスの遠位端の反対の端である。
【0008】
カートリッジホルダの遠位端の開口部の近位端は、1つ又はそれ以上の中間エレメントで充填され得る。より多くの中間エレメントが存在する場合、これらの要素は中間エレメント間に重なりや間隙がないように配置される。本配置は、好ましくは開口部の遠位端に平滑な表面を有する中間エレメントを備える。好ましくは、針が通過することができる開口部は1つのみである。
【0009】
好ましい実施態様において、1つ又はそれ以上の中間エレメントの少なくとも1つは、針が通過することができる少なくとも1つの開口部を含む。
【0010】
ニードルホルダは針を含む。ニードルホルダがカートリッジホルダに取り付けられる場合、組立て針は、組み立てられた薬剤カートリッジの遠位端に入りするセプタムを穿刺する。針がセプタムを穿刺することを可能にするため、開口部は針が通過することができる少なくとも1つの中間エレメントに位置する。薬剤カートリッジは、薬剤、好ましくは流体形態の薬剤で充填される容器の形態を有し得る。
【0011】
別の好ましい実施態様において、1つ又はそれ以上の中間エレメントは薬剤カートリッジの遠位端に位置するセプタムのための安定化支持体を形成することができ、これはカートリッジホルダに取り付けられる。
【0012】
従って、開口部の近位端における中間エレメントの配置により、セプタムに安定化支持体がもたらされる。1つ又はそれ以上の中間エレメントの少なくとも1つの表面はセプタムに隣接しており、そしてそれにより堅固な板を形成することによりセプタムを支持している。
【0013】
この堅固な板は、薬剤カートリッジにおいて栓が前方に移動する間にセプタム上に及ぼされる圧力に起因する曲げにセプタムが耐えるようにするか又はこの曲げを低減するようにする。
【0014】
別の好ましい実施態様において、1つ又はそれ以上の中間エレメントはニードルホルダに配置される。
【0015】
1つ又はそれ以上の中間エレメントを配置する多くの可能な方法がある。1つの方法は、ニードルホルダに1つ又はそれ以上の中間エレメントの少なくとも1つを配置することである。
【0016】
1つ又はそれ以上の中間エレメントはニードルホルダの近傍に位置してもニードルホルダに挿入されてもよく、又はニードルホルダと一体的に形成されてもよい。
【0017】
1つ又はそれ以上の中間エレメントは円筒形であるかもしれない。円筒形の中間エレメントはニードルホルダの中心に位置し得る。中間エレメントの中心に、針が通過できる開口部が存在していてもよい。
【0018】
ニードルホルダがカートリッジホルダに取り付けられる場合、ニードルホルダの円筒形中間エレメントはカートリッジホルダの遠位端の開口部に嵌入される。それにより、1つの開口部のみを針が通過できるままであるように開口部が減少され得る。
【0019】
一般に、1つ又はそれ以上の中間エレメントはカートリッジホルダの遠位端の開口部と同じ形状を有し得るということが言える。1つ又はそれ以上の中間エレメントと開口部との適合した形状により、1つ又はそれ以上の中間エレメントとカートリッジホルダとの間に密閉された表面が形成される。
【0020】
別の実施態様によれば、1つ又はそれ以上の中間エレメントはカートリッジホルダに配置される。
【0021】
中間エレメントの少なくとも1つはカートリッジホルダに配置され得る。セプタムのための安定化支持体を形成する別の可能な方法は、1つの中間エレメントをニードルホルダに配置し、そして別の中間エレメントをカートリッジホルダに配置して、両方の中間エレメントがセプタムに隣接しかつ安定化するために共同するようにすることであり得る。
【0022】
1つ又はそれ以上の中間エレメントはカートリッジホルダの近傍に位置していても、カートリッジホルダに挿入されても、又はニードルホルダと一体的に形成されてもよい。
【0023】
別の実施態様において、カートリッジホルダの遠位端における表面は、カートリッジホルダの遠位端に位置する開口部に対して傾斜している。
【0024】
この傾斜した表面はセプタムに向かって伸びてセプタムに達する。それ故、開口部内の空き空間は減少する。さらなる中間エレメントがニードルホルダに配置され得る。このさらなる中間エレメントは、軸に添った開口部内の空き空間をさらに減少させることができる。
【0025】
別の好ましい実施態様において、カートリッジホルダの傾斜した表面は、薬剤カートリッジ中への針の挿入を平易にするよう構成される。
【0026】
ニードルホルダをカートリッジホルダに配置することは、カートリッジホルダの傾斜した表面を用いることにより平易にされ得る。この傾斜した表面は、針が開口部を通って組み立てられた薬剤カートリッジのセプタムを穿刺するように導く。
【0027】
1つの好ましい実施態様によれば、1つ又はそれ以上の中間エレメントの1つはグリッドである。グリッドは繊維を含み得る。
【0028】
グリッドは例えば開口部の近位端に位置し得る。グリッドは組み立てられた薬剤カートリッジのセプタムに隣接する。グリッドの位置に起因して、セプタムは安定化支持を受けている。
【0029】
別の好ましい実施態様において、グリッドは、針が開口部を通過する場合に針を避ける繊維を含む。
【0030】
天然繊維も合成繊維も使用し得る。合成繊維は石油化学製品のような合成材料から製造される。
【0031】
別の好ましい実施態様において、1つ又はそれ以上の中間エレメントは、低い圧縮率を有する材料を含む。
【0032】
中間エレメントの低い圧縮率により、セプタムは安定化支持を得ることができる。この安定化効果は、1つ又はそれ以上の中間エレメントの圧縮率が低下した場合にさらに増強される。
【0033】
一実施態様において、1つ又はそれ以上の中間エレメントは、栓が本配置に取り付けられた薬剤カートリッジ内を前方に移動する間にセプタムにかかる圧力による曲げにセプタムが耐えるのを補助するように形成される。
【0034】
医薬品の1回分の用量を投薬するために、使用者は栓を遠位方向に押す。栓の移動によりセプタムに圧力がかかる。それによりセプタムは圧力下で屈曲する。曲げに起因して、医薬品の投薬された用量は常に正確ではなくなる。中間エレメントは、曲げに耐えるか又は少なくとも曲げを低減するようにセプタムを支持している。これによりさらなる用量の正確性がもたらされる。
【0035】
別の好ましい実施態様において、ニードルホルダ及びカートリッジホルダはねじ係合される。
【0036】
ニードルホルダはその近位端において内側ねじ山を含み、そしてカートリッジホルダはその遠位端に外側ねじ山を含む。ニードルホルダとカートリッジホルダとを組み立てるために、両方のねじ山が係合される。
【0037】
別の好ましい実施態様において、薬物送達デバイスは、ニードルホルダに含まれる組立て針を通して液体医薬品を投薬するよう構成される。
【0038】
ニードルホルダは、針及び針のための保護的ケーシングとしてのニードルキャップを含む。薬物送達デバイスを使用するために、ニードルキャップを外す。ニードルホルダに含まれる針は、薬剤カートリッジのセプタムを穿刺し、それにより薬剤カートリッジ中に含有される液体医薬品が投薬されることが可能となる。
【0039】
本開示の第二の局面によれば、薬剤カートリッジの遠位端に位置するセプタムを安定化するための方法が提供され、該薬剤カートリッジは、遠位端に開口部を含むカートリッジホルダ、ニードルホルダ及び1つ又はそれ以上の中間エレメントを含む配置に位置する。本方法は以下の工程を含む:
ニードルホルダをカートリッジホルダに取り付けることにより、カートリッジホルダの遠位端の開口部に1つ又はそれ以上の中間エレメントを配置する。1つ又はそれ以上の中間エレメントの位置は、開口部内の空き空間の大きさが減少するように決定され、そして1つ又はそれ以上の中間エレメントの少なくとも1つは、針が通過する少なくとも1つの開口部を含む。それにより1つ又はそれ以上の中間エレメントはセプタムのための安定化支持体を形成している。
【0040】
好ましい実施態様において、1つ又はそれ以上の中間エレメントの1つはグリッドであり、これは開口部に挿入されるか又は注射される。
【0041】
グリッドはニードルホルダ又はカートリッジホルダに配置される。これは挿入されても注射されてもよい。グリッドは注入されてもよいし、グリッドを含むニードルホルダ又はカートリッジホルダが射出成形により製造されていてもよい。
【0042】
別の好ましい実施態様において、グリッドはカートリッジホルダにおける開口部の近位端面に配置される。
【0043】
グリッドを配置するための1つの可能な方法は、グリッドをカートリッジホルダ中に挿入することであり、ここでグリッドは開口部の近位端面に隣接する。
【0044】
本明細書において使用される用語「薬剤」は、好ましくは少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含有する医薬製剤を意味し、
一実施態様では、薬学的に活性な化合物は1500Daまでの分子量を有し、かつ/又はペプチド、タンパク質(proteine)、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体、ホルモン若しくはオリゴヌクレオチド、若しくは上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
さらなる実施態様では、薬学的に活性な化合物は、糖尿病又は糖尿病に関連する合併症、例えば糖尿病性網膜症、血栓塞栓性障害、例えば深部静脈若しくは肺血栓塞栓症、急性冠動脈症候群(ACS)、アンギナ、心筋梗塞、癌、黄斑変性、炎症、枯草熱、アテローム性硬化症、及び/又は関節リウマチの処置及び/又は予防のために有用であり、
さらなる実施態様では、薬学的に活性な化合物は、糖尿病又は糖尿病に関連する合併症、例えば糖尿病性網膜症の処置及び/又は予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
さらなる実施態様では、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン又はヒトインスリンアナログ若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)又はそのアナログ若しくは誘導体、又はエキセンジン(exedin)−3又はエキセンジン(exedin)−4若しくはエキセンジン(exedin)−3若しくはエキセンジン(exedin)−4のアナログ若しくは誘導体を含む。
【0045】
インスリンアナログは、例えばGly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;位置B28のプロリンがAsp、Lys、Leu、Val又はAlaで置き換えられており、そして位置B29のLysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0046】
インスリン誘導体は、例えばB29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0047】
エキセンジン−4は例えばエキセンジン−4(1−39)、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2のペプチド配列を意味する。
【0048】
エキセンジン−4誘導体は、例えば以下の化合物のリストから選択される:
H−(Lys)4−des Pro36,des Pro37 エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−des Pro36,des Pro37 エキセンジン−4(1−39)−NH2、
des Pro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Met(O)14、Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Met(O)14 Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Met(O)14 Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
des Pro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Met(O)14 Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
des Pro36[Met(O)14 Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
ここで基−Lys6−NH2はエキセンジン−4誘導体のC末端に結合され得る;
【0049】
又は配列
H−(Lys)6−des Pro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
des Asp28 Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−des Pro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5des Pro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
des Pro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−des Pro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−des Asp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−des Pro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
des Met(O)14 Asp28 Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5 des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−des Pro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−des Asp28 Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
のエキセンジン−4誘導体;
又は上述のエキセンジン−4誘導体のいずれか1つの薬学的に許容しうる塩若しくは溶媒和物。
【0050】
ホルモンは、例えば脳下垂体ホルモン若しくは視床下部ホルモン、又はRote Liste、ed.2008、Chapter 50に列挙されるような調節活性ペプチド及びそれらのアンタゴニスト、例えばゴナドトロピン(Gonadotropine)(ホリトロピン、ルトロピン、コリオゴナドトロピン(Choriongonadotropin)、メノトロピン)、ソマトロピン(Somatropine)(Somatropin)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、リュープロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンである。
【0051】
多糖類は、例えばグルコサミノグリカン(glucosaminoglycane)、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン若しくは超低分子量ヘパリン若しくはその誘導体、又は上述の多糖類の硫酸化、例えばポリ−硫酸化形態、及び/又はその薬学的に許容しうる塩である。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容しうる塩の例はエノキサパリンナトリウムである。
【0052】
薬学的に許容しうる塩は、例えば酸付加塩及び塩基性塩である。酸付加塩は、例えばHCl塩又はHBr塩である。塩基性塩は、例えばアルカリ又はアルカリ金属から選択されるカチオン、例えばNa+、若しくはK+、若しくはCa2+、又はアンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)、[ここでR1〜R4は互いに独立して:水素、場合により置換されたC1−C6−アルキル基、場合により置換されたC2−C6−アルケニル基、場合により置換されたC6−C10−アリール基、又は場合により置換されたC6−C10−ヘテロアリール基を意味する]を有する塩である。薬学的に許容しうる塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」 17.ed. Alfonso R. Gennaro(Ed.)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985及びEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載される。
【0053】
薬学的に許容しうる溶媒和物は例えば水和物である。
【0054】
以下において、本発明は図面を参照してさらに詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】カートリッジを含むカートリッジホルダ及びカートリッジホルダの開口部に配置された中間エレメントを含む組み立てられたニードルホルダの断面図を示す。
【図2】カートリッジを含むカートリッジホルダ及び組み立てられたニードルホルダの断面図を示し、カートリッジホルダは傾斜した表面を有し、そしてニードルホルダにおける中間エレメントはカートリッジホルダの開口部に配置される。
【図3】カートリッジを含むカートリッジホルダ及び組み立てられたニードルホルダの断面図を示し、カートリッジホルダは、カートリッジホルダの遠位端の開口部の近位端面に位置するグリッドを有し、そしてニードルホルダは、カートリッジホルダの開口部に配置された別の中間エレメントを有する。
【発明を実施するための形態】
【0056】
本開示に従う配置のいくつかの好ましい実施態様は、ここで図1、図2及び図3を参照して考察される。同一の参照記号は同一か又は同等の構成要素を示す。
【0057】
図1は、カートリッジホルダ10及び組み立てられたニードルホルダ30の断面図を示す。ニードルホルダ30及びカートリッジホルダ10はねじ係合されている50。薬剤カートリッジ20はカートリッジホルダ10に取り付けられている。
【0058】
薬剤カートリッジ20は、薬剤カートリッジ20の遠位端にわたって曲げられたキャップ24を含み、ここでキャップ24は薬剤カートリッジ20の遠位端26にセプタム22を保持している。
【0059】
ニードルホルダ30は、中間エレメント40、針34、及び針34の遠位端を覆って設置されたニードルキャップ32を含む。針34の近位端はセプタム22を穿刺し、それにより針34は薬剤カートリッジ20に含有される流体医薬品と接触する。
【0060】
中間エレメント40は、カートリッジホルダ10の遠位端の開口部12に配置される。中間エレメント40の中央に、針34が通過する開口部42が示される。カートリッジホルダ10の遠位端の開口部12の内側面領域は、ニードルホルダ30に位置する中間エレメント40の側面領域と接触している。
【0061】
中間エレメント40の近位端面はセプタム22に隣接している。それにより、セプタム22のための安定化支持が達成され、これは栓(図に示されていない)が薬剤カートリッジ20において前方に移動される間にセプタム22に及ぼされる圧力による曲げにセプタム22が耐えるために役立つ。
【0062】
図2は、図1に示される配置と類似しているが、カートリッジホルダ10がカートリッジホルダ10の遠位端において開口部12の近位端に対して傾斜しており、それにより開口部12内の空き空間が減少するという点が異なる配置を示す。第一の中間エレメント16が傾斜しており、カートリッジホルダ10に位置する。
【0063】
さらに、傾斜した表面16は、針34が開口部12を通るよう導き、そして組み立てられた薬剤カートリッジ20のセプタム22を穿刺するために役立つ。
【0064】
さらに、第二の中間エレメント40はニードルホルダ30の中央に位置する。ニードルホルダ30における中間エレメント40の近位縁は傾斜16と隣接している。さらに、中間エレメント40の近位端面はセプタム22に隣接している。
【0065】
それにより、セプタム22の安定化支持が達成され、栓(示されていない)が薬剤カートリッジ20において前方に移動する間にセプタム22に及ぼされる圧力による曲げにセプタム22が耐えるために役立つ。
【0066】
図3は、図1に示される配置と類似しているが、カートリッジホルダ10に位置する第一の中間エレメントがグリッド44である点が異なる配置を示す。グリッド44は、カートリッジホルダ10の遠位端の開口部12の近位端に位置する。
【0067】
ニードルホルダ30はその中央に第二の中間エレメント40を含み、その近位端面はグリッド44を支持し、かつ隣接している。
【0068】
第一の中間エレメント44及び第二の中間エレメント40の配置により、セプタム22のための安定化支持が達成され、これは栓(示されていない)が薬剤カートリッジ20内を前方に移動する間に、セプタム22がセプタム22にかかる圧力による曲げに耐えるのを補助する。
【0069】
本実施例及び実施態様は、限定でなく例とみなされるべきであり、そして本発明は、本明細書に示される詳細に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及び等価物内で改変され得る
【符号の説明】
【0070】
参照数字
10 カートリッジホルダ
12 カートリッジホルダの遠位端の開口部
14 開口部の近位端面
16 カートリッジホルダの遠位端の傾斜した表面
20 薬剤カートリッジ
22 セプタム
24 キャップ
26 薬剤カートリッジの遠位端
30 ニードルホルダ
32 ニードルキャップ
34 針
40 中間エレメント
42 ニードル用開口部
44 グリッド
50 ねじ山

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠位端に開口部(12)を含むカートリッジホルダ(10)、ニードルホルダ(30)及び1つ又はそれ以上の中間エレメント(16、40、44)を含み、ここでニードルホルダ(30)がカートリッジホルダ(10)に取り付けられたとき、1つ又はそれ以上の中間エレメント(16、40、44)がカートリッジホルダ(10)の開口部(12)に配置され、それにより開口部(12)内の空き空間の大きさが減少する、薬物送達デバイスに使用するための配置。
【請求項2】
1つ又はそれ以上の中間エレメント(16、40、44)のうち少なくとも1つは、針(34)が通過することのできる少なくとも1つの開口部(42)を含む、請求項1に記載の配置。
【請求項3】
1つ又はそれ以上の中間エレメント(16、40、44)は、カートリッジホルダ(10)に取り付けられた薬剤カートリッジ(20)の遠位端に位置するセプタム(22)のための安定化支持体を形成することができる、請求項1又は2に記載の配置。
【請求項4】
1つ又はそれ以上の中間エレメント(40、44)がニードルホルダ(30)に配置される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の配置。
【請求項5】
1つ又はそれ以上の中間エレメント(16、44)がカートリッジホルダ(10)に配置される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の配置。
【請求項6】
カートリッジホルダ(10)の遠位端の表面が、カートリッジホルダ(10)の遠位端に位置する開口部(12)に対して傾斜している(16)、請求項1〜5のいずれか1項に記載の配置。
【請求項7】
カートリッジホルダ(10)の傾斜した表面(16)は、薬剤カートリッジ(20)中への針(34)の挿入を平易にするように構成される、請求項6に記載の配置。
【請求項8】
1つ又はそれ以上の中間エレメントの1つがグリッド(44)である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の配置。
【請求項9】
グリッド(44)は、針(34)が開口部(12)を通して挿入されるとき、針(34)を避ける繊維を含む、請求項8に記載の配置。
【請求項10】
1つ又はそれ以上の中間エレメント(16、40、44)は、低い圧縮率を有する材料を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の配置。
【請求項11】
1つ又はそれ以上の中間エレメント(16、40、44)は、栓が配置に取り付けられた薬剤カートリッジ(20)内を前方に移動する間、セプタム(22)がセプタム(22)にかかる圧力による曲げに耐えるのを補助するように形成される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の配置。
【請求項12】
ニードルホルダ(30)及びカートリッジホルダ(10)がねじ係合される(50)、請求項1〜11のいずれか1項に記載の配置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の配置を含む薬物送達デバイスであって、ニードルホルダ(30)に含まれる組立て針(34)を通して液体医薬品を投薬するように構成される、上記薬物送達デバイス。
【請求項14】
薬剤カートリッジ(20)の遠位端に位置するセプタム(22)を安定化するための方法であって、薬剤カートリッジ(20)はカートリッジホルダ(10)を含む配置にあり、カートリッジホルダ(10)は遠位端の開口部(12)、ニードルホルダ(30)及び1つ又はそれ以上の中間エレメント(16、40、44)を含み:
1つ又はそれ以上の中間エレメント(16、40、44)を備える工程、ニードルホルダ(30)をカートリッジホルダ(10)に取り付けることによりカートリッジホルダ(10)の遠位端の開口部(12)内に1つ又はそれ以上の中間エレメント(16、40、44)を配置する工程を含み、それにより1つ又はそれ以上の中間エレメント(16、40、44)の位置は、開口部(12)内の空き空間の大きさが減少するように決定され、そして1つ又はそれ以上の中間エレメント(16、40、44)の少なくとも1つは、針(34)が通過している少なくとも1つの開口部(42)を含んでおり、そしてここでそれにより1つ又はそれ以上の中間エレメント(16、40、44)がセプタム(22)のための安定化支持体を形成している、上記方法。
【請求項15】
1つ又はそれ以上の中間エレメントのうちの1つは、開口部(12)中に挿入される又は注射されるグリッド(44)である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
グリッド(44)が、カートリッジホルダ(10)の開口部の近位端面(14)に配置される、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−507216(P2013−507216A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533635(P2012−533635)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際出願番号】PCT/EP2010/065445
【国際公開番号】WO2011/045386
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】