説明

薬物送達デバイス用のアセンブリ

薬物送達デバイス用のアセンブリ(1)は、ハウジング(2)、用量部材(22)、案内軌道(42)及びばね部材(26)を含む。用量部材(22)は、薬物(5)の用量を設定するために、ハウジング(2)に対して用量設定方向に回転されるように、そして設定された用量を送達するために、ハウジング(2)に対して用量送達方向に回転されるように適合される。用量部材(22)は案内機構(46)を含む。案内軌道(42)は、案内機構(46)と機械的に協動するように構成される。案内軌道(42)は、連結領域(55)を介して互いに連結される第一のセクション(43A)及び第二のセクション(43B)を含む。第一のセクション(43A)は、案内機構(46)用の角度始動位置(54)を画成し、そして第二のセクション(43B)は、案内機構(46)用の軸停止位置(56)を画成する。用量部材(22)が用量設定方向に回転されるとき、案内機構(46)は、角度始動位置(54)から連結領域(55)に向かって角度的に変位され、ばね部材(26)は捩じり的に付勢され、ここで、ばね部材(26)は、案内機構(46)を角度始動位置(54)に向かって角度的に変位させる傾向にある。案内機構(46)が連結領域(55)を通過したとき、案内機構(46)は第二のセクション(43B)に入り、そして軸停止位置(56)に向かってハウジング(2)に対して近位方向に軸方向に変位される。軸停止位置において、案内機構(46)及び第二のセクション(43B)の機械的協動によって捩じれバイアスの減少が防がれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薬物送達デバイス用のアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
薬物送達デバイスにおいて、しばしば、薬物を含有するカートリッジ内にピストンが供される。ピストンは、薬物の用量を送達するために、ピストンロッドによってカートリッジに対して変位される。
【0003】
薬物送達デバイスは、例えば、特許文献1において述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】EP 1 923 083 A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、新規な、好ましくは、改良された薬物送達デバイス、例えば、高い用量の正確さを有し、及び/又は良好な使用者の安全を有するデバイスの提供を容易にするアセンブリを供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、独立請求項の主題によって達成され得る。更なる特長及び有利な実施態様は従属請求項の主題である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
一つの態様によれば、薬物送達デバイス用のアセンブリが供される。アセンブリはハウジングを含む。アセンブリは用量部材を含む。用量部材は、薬物の用量を設定するために、ハウジングに対して用量設定方向に回転されるように適合される。用量部材は、設定された用量を送達するために、ハウジングに対して用量送達方向に回転されるように適合される。用量送達方向及び用量設定方向は反対の方向であり得る。用量部材は案内機構を含む。アセンブリは案内軌道を含む。
【0008】
案内軌道は、案内機構と機械的に協動するように構成される。案内軌道は、ハウジングに対して軸方向に及び回転的にロックされ得て、又はハウジング中に統合され得る。案内軌道は、第一のセクションを含む。案内軌道は、第二のセクションを含む。第一のセクション及び第二のセクションを含む。第一のセクションは、連結領域を介して互いに連結され得る。連結領域は案内軌道の部分であり得る。
【0009】
第一のセクションは、案内機構に対する角度始動位置を画成し得る。特に、案内機構の角度始動位置は、第一のセクション内に置かれ得る。案内機構は、用量設定が開始される前に角度始動位置にあり得る。第二のセクションは、案内機構に対する軸停止位置を画成し得る。特に、案内機構の軸停止位置は、第二のセクション内に置かれ得る。案内機構は、用量設定が完了された後に軸停止位置にあり得る。アセンブリは、ばね部材を含み得る。用量部材が用量設定方向に回転されるとき、案内機構は、角度始動位置から連結領域に向かって角度的に変位され得る。そうすることによって、ばね部材は捩じり的に付勢され得る。付勢されたばね部材は、案内機構を角度始動位置に向かって角度的に変位させる傾向にあり得る。案内機構が、例えば、外部使用者から供給された力によって、連結領域を通過したとき、案内機構は第二のセクションに入り得る。第二のセクション内で、案内機構は軸停止位置に向かってハウジングに対して近位方向に軸方向に変位され得る。軸停止位置において、案内機構及び第二のセクションの機械的協動によって、ばね部材の捩じれバイアスの減少が防がれ得る。従って、案内機構が軸停止位置にあるとき、もし、外部の力が全くかけられなければ、案内機構はその位置に留められ得る。
【0010】
更なる態様は薬物送達デバイスに関する。薬物送達デバイスは上述の通りアセンブリを都合よく含む。薬物送達デバイスはカートリッジを含み得る。カートリッジは薬物の複数の用量を保持し得る。薬物送達デバイスは注射デバイス、好ましくは、自己注射デバイスであり得る。自己注射デバイスにおいて、注射作用は、例えば、前述のばね部材などのデバイスのエネルギ蓄積部材内に事前に蓄積されたエネルギによって駆動される。
【0011】
薬物送達デバイスはペン型のデバイスであり得る。好ましくは、デバイスは固定された用量のデバイス、つまり、事前に設定された用量、特に、使用者によって変えられ得ない用量を投与するように構成されたデバイスである。好ましくは、薬物送達デバイスによって、薬物の用量の手動設定が可能になる。薬物送達デバイスは薬物の設定された用量の自動的送達を可能にするように構成され得る。従って、容易に取り扱われる薬物送達デバイスが供される。薬物は持続性の又は即効性のインスリン、ヘパリン及び/又は成長ホルモンのような液体薬剤であり得る。
【0012】
実施態様によれば、案内軌道はスロット付き案内軌道である。
【0013】
案内機構が連結領域を通過したとき、案内機構は第二の部分と相互作用し、次いで、近位方向に変位できる。用量部材は案内機構と一緒に近位に変位される。用量部材及び案内機構は一体物として形成され得る。また、案内機構は用量部材に剛直に連結され得る。ハウジングに対する用量部材の近位変位によって、用量が正確に設定されたことが使用者に表わされ得る。
【0014】
好ましくは、用量送達作用は、案内機構が第二のセクションとの機械的相互作用をもたらされたときにのみ、つまり、用量設定作用が正確に実行されたときにのみトリガーされ得る。従って、高い用量の正確さを有する薬物送達デバイスの供与が容易になる。
【0015】
実施態様によれば、軸停止位置において、案内機構は、第二のセクションの軸方向に伸びている壁と隣接する。捩じりバイアスによって、案内機構は第二のセクションの軸方向に伸びている壁と隣接状態に保持される。従って、ばね部材の捩じりバイアスの偶然の減少、ひいてはハウジングに対する用量送達方向への用量部材の回転が防がれる。
【0016】
このようにして、一旦、用量設定作用が完了したら、薬物の用量の偶然の送達が防がれ得る。
【0017】
実施態様によれば、第一のセクションと機械的に協動するとき、ばね部材はハウジングに対して軸方向に、好ましくは、近位方向に事前に付勢される。このように、用量部材は、ばね部材によって軸方向に事前に付勢され得る。ばね部材は、案内機構が、特に、途中で第一のセクションから第二のセクションに向かって連結領域を通過したとき、ばね部材が近位方向に弛緩し得るにように事前に付勢され得る。近位方向に弛緩することによって、ばね部材は、例えば、ばね部材及び用量部材の機械的協動のため、案内機構をハウジングに対して近位方向に動かし得る。
【0018】
実施態様によれば、第二のセクションは、ハウジングに対して近位方向に第一のセクションよりも遠くに伸びる。特に、軸停止位置は角度始動位置に対して近位に軸方向にオフセットされ得る。案内機構が第一のセクションと機械的に協動するとき、案内機構は、案内機構及び第一のセクションの近位側壁の機械的協動によるばね部材のバイアスによって軸停止位置に向かって軸方向に変位されることを防がれる。
【0019】
実施態様によれば、第一のセクションはハウジングの主縦軸に対して横切るように向けられる。第二のセクションはハウジングの主縦軸に沿って向けられ得る。
【0020】
ばね部材は、コイルばね、好ましくは、螺旋コイルばねであり得るか又はそれを含み得る。ばね部材は、圧縮ばねであり得るか又はそれを含み得る。ばね部材は、事前に付勢された、特に、軸方向に事前に付勢された部材であり得る。案内機構が第一のセクションと相互作用するとき、案内機構と第一のセクションの近位側壁の機械的協動のため、ばね部材は軸方向に弛緩することを防がれる。従って、案内機構が、案内軌道の第一のセクション内に配置されるとき、案内機構の、ひいては用量部材の近位変位が防がれ得る。
【0021】
ハウジングの主縦軸に沿った第二のセクションの軸方向の伸び故に、ばね部材は軸方向に弛緩し得るが、一旦、案内機構が第二のセクションと相互作用するように動かされたら、好ましくは、角度的には弛緩し得ない。そうすることによって、弛緩しているばね部材は案内機構、ひいては用量部材を自動的に近位に変位する。使用者によって開始される用量送達作用はその後可能になり得る。
【0022】
実施態様によれば、設定された用量を送達するために、用量部材はハウジングに対して遠位方向に軸方向に変位できる。案内機構は第二のセクション内で連結領域に向かって遠位に変位できる。案内機構が連結領域を通過したとき、ばね部材の捩じりバイアスが減少され得る。そうすることによって案内機構を第一のセクションに沿って角度始動位置に向かって戻るように角度的に変位させ得る。従って、用量部材はハウジングに対して用量送達方向に回転され得る。用量送達方向への用量部材の動きは、薬物送達デバイス中のカーロリッジに対するピストンの遠位変位に変換され得る。
【0023】
ハウジングに対する用量部材の遠位変位によって、案内機構は、連結領域を介して第一のセクションとの機械的相互作用に戻され得る。
【0024】
一旦、案内機構が連結領域を通過すると、ばね部材の捩じりバイアスの減少が可能となり得て、従って、案内機構が第一のセクションに沿って角度始動位置に向かって変位される。従って、設定された用量の投与のために、用量部材は用量投与方向に回転される。
【0025】
用量部材を遠位に変位させるとき、ばね部材は、一旦、案内機構が連結領域を通過し、そして第二のセクションと機械的に相互作用すると、後の用量設定作用中に、ばね部材が案内機構を再度、第二のセクションに沿って軸方向に変位することが可能となり得るように、軸方向に付勢され得る、つまり、圧縮され得る。このように、同じカートリッジから薬物の用量を自動的に送達するために数回使用可能な薬物送達デバイスが達成される。
【0026】
実施態様によれば、回転部材が供される。用量部材は回転的に回転部材にロックされ得る。用量部材は回転部材に対して軸方向に変位でき得る。回転部材及び用量部材は互いにスプラインされ得る。従って、回転部材は、ハウジングに対して用量設定方向及び用量送達方向への用量部材の回転に従動し得る。好ましくは、回転部材はハウジングに対する軸方向の変位に抗して固定される。
【0027】
実施態様によれば、ピストンロッドが供される。ピストンロッドは、カートリッジに対して遠位にピストンを駆動するように配置され得る。ハウジングに対する用量送達方向への用量部材の回転は、ハウジングに対する遠位方向へのピストンロッドの変位に変換され得る。
【0028】
実施態様によれば、駆動部材が供される。駆動部材は、例えば、回転部材との機械的協動によって、ハウジングに対して用量送達方向への回転部材の回転に従動するように適合され得る。用量送達方向への回転部材の回転は、例えば、駆動部材及びピストンロッドの機械的協動によって、ハウジングに対して遠位方向へのピストンロッドの変位に変換され得る。
【0029】
実施態様によれば、停止部材が供される。用量部材が用量設定方向に回転されるとき、ハウジングに対する用量設定方向への駆動部材の回転は、停止部材及び駆動部材の機械的協動によって防がれ得る。
【0030】
好ましくは、駆動部材及び停止部材は、用量の設定及び送達中に、一方向性摩擦クラッチ機構によって、好ましくは、恒久的に互いに連結される。クラッチ機構は、用量設定方向への回転部材の回転中の、駆動部材と停止部材の間の相対的回転運動を防ぐように構成され得る。クラッチ機構は、用量送達方向への回転部材の回転中の、停止部材と駆動部材の間の相対的回転運動を可能にするように構成され得る。
【0031】
従って、用量送達方向への回転部材の回転は、駆動部材が用量送達方向へ回転するように、駆動部材に移され得る。駆動部材及びピストンロッドは回転的にロックされ得る。好ましくは、駆動部材はピストンロッドにスプラインされる。駆動部材はハウジングにねじで連結され得る。このようにして、用量送達方向への回転部材の回転は、設定された用量を投与するため、ハウジングに対するピストンロッドの軸方向の動き及び回転運動に変換され得る。
【0032】
実施態様によれば、駆動部材及び回転部材は、一方向性摩擦クラッチ機構によって互いに連結される。摩擦クラッチ機構は歯部を含み得る。歯部は複数の歯を有し得る。それぞれの歯が険しい側面を含み得る。それぞれの歯はより険しくない傾斜路を含み得る。第一のセクションの角の広がりは、二つの歯の険しい側面の間の距離によって定められ得て、好ましくは、それに対応し得る。二つの歯はより険しくない傾斜路を介して互いに連結され得る。
【0033】
実施態様によれば、用量部材は、ハウジングに対して用量設定方向に及び用量送達方向に約360度未満、好ましくは180度未満の角度のみ回転できる。その角度は案内軌道の第一のセクションの角の広がりによって定められ得る。
【0034】
二つの歯の険しい側面の間の距離は、用量を設定するとき、駆動部材に対する回転部材の回転に対する回転角度を画成し得る。
【0035】
ある好ましい態様によれば、薬物送達デバイス用のアセンブリが供される。アセンブリはハウジングを含む。アセンブリは、薬物の用量を設定するために、ハウジングに対して用量設定方向に回転されるように、そして設定された用量を送達するために、ハウジングに対して用量送達方向に回転されるように適合される用量部材を含む。用量部材が案内機構を含む。アセンブリは、案内機構と機械的に協動するように構成される案内軌道を含む。案内軌道は連結領域を介して互いに連結される第一のセクション及び第二のセクションを含む。第一のセクションは、案内機構に対する角度始動位置を画成し、そして第二のセクションは案内機構に対する軸停止位置を画成する。アセンブリは、ばね部材を含む。用量部材が用量設定方向に回転されるとき、案内機構は角度始動位置から連結領域に向かって角度的に変位され、そしてばね部材は捩じり的に付勢される。付勢されたばね部材は、案内機構を角度始動位置に向かって角度的に変位させる傾向にある。案内機構が連結領域
を通過したとき、案内機構は第二のセクションに入り、そして軸停止位置に向かってハウジングに対して近位方向に軸方向に変位される。軸停止位置において、案内機構及び第二のセクションの機械的協動によって、捩じれバイアスの減少が防がれる。
【0036】
上述のアセンブリのおかげで、使用者に対して高い安全性を供する、容易に取り扱える薬物送達デバイス、特に、自己注射デバイスの提供が容易になる。
【0037】
勿論、異なる態様及び実施態様に関連して上で述べられた特長は、互いにそして以下に述べる特長と組み合わせられ得る。
【0038】
更なる特長及び詳細事項は、添付図面と関連した例示的実施態様の以下の記述から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】薬物送達デバイスの例示的実施態様の部分的断面側面図を模式的に示す。
【図2】図1の薬物送達デバイスの一部の斜視断面図を模式的に示す。
【図3】図2において示された薬物送達デバイスの部分の断面側面図を模式的に示す。
【図4】薬物送達デバイスの例示的実施態様の斜視断面図を模式的に示す。
【図5】図4の薬物送達デバイスの一部の斜視断面図を模式的に示す。
【図6】図4の薬物送達デバイスの別の部分の斜視断面図を模式的に示す。
【図7】用量を設定する際の図4の薬物送達デバイスの一部の斜視断面図を模式的に示す。
【図8】設定された用量を投与する際の図4の薬物送達デバイスの一部の斜視断面図を模式的に示す。
【0040】
類似のエレメント、同じ種類のエレメント及び等しく作用するエレメントには、図において同じ参照符号が付与され得る。
【0041】
図1において、薬物送達デバイス1が示される。薬物送達デバイス1はハウジング2を含む。薬物送達デバイス1はカートリッジホルダ3を含む。薬物送達デバイス1はカートリッジ4を含む。カートリッジ4はカートリッジホルダ3中に留められる。カートリッジホルダ3はハウジング2に取り付けられる。また、カートリッジホルダ3はなしで済ますことができ、そしてカートリッジ4はデバイス1のハウジング2に直接固定され得る。
【0042】
カートリッジ4は薬物5の複数の用量を保持し得る。薬物5は、好ましくは、例えば、即効性の又は持続性のインスリンのようなインスリン、ヘパリン及び/又は成長ホルモンを含む液体薬剤である。カートリッジ4は出口6を有する。薬物5はカートリッジ4から出口6を通って投与され得る。出口6は膜によって覆われ得る。膜はカートリッジ4の保存中に外部の影響に抗して薬物5を保護し得る。薬物送達デバイス1はピストン9を含む。ピストン9はカートリッジ4中に可動なように留められる。ピストン9は薬物5の用量を投与するためにハウジング2に対して動かされる。
【0043】
薬物送達デバイス1はピストンロッド10を含む。ピストンロッド10は、カートリッジ4に対して遠位方向にピストン9を駆動するように配置される。薬物送達デバイス1は用量部材22を含む。用量部材は用量設定グリップ22Aを含み得る。用量設定グリップ22Aは用量部材22に対する回転運動に抗して固定され得る。用量部材22は用量ボタン12を含み得る。用量ボタン12は使用者によって押されるように構成され得る。用量ボタン12は用量部材22に対する軸方向の動きに抗して固定され得る。好ましくは、用量ボタン12は、図4に関連してより詳細に述べられるスナップ嵌合連結を用いて用量部材22に固定され得る。
【0044】
薬物送達デバイス1及びハウジング2は、矢印7によって表される遠位端、及び矢印8によって表される近位端を有する。薬物送達デバイス1の用語「遠位端」は、薬物送達デバイス1の投与端に最も近くに配置される又は配置されることになる薬物送達デバイス1のその端又はその部品を表す。デバイス1の用語「近位端」は、デバイス1の投与端から最も遠く離れて配置される又は配置されることになるデバイス1のその端又はその部品を表す。
【0045】
薬物送達デバイス1は注射デバイスであり得る。薬物送達デバイス1はペン型デバイス、特に、ペン型注射器であり得る。デバイス1は廃棄可能な又は再使用可能なデバイスであり得る。好ましくは、デバイス1は、薬物5の固定された用量、つまり、使用者によって変更され得ない事前に設定された用量を投与するように構成される。
【0046】
好ましくは、デバイス1は自己注射デバイス、つまり、デバイス1のエネルギ蓄積部材中に蓄積されるエネルギによって、薬物5の設定された用量の自動的な送達を可能にするデバイスである。薬物送達デバイス1は非電気的に駆動されるデバイスであり得る。
【0047】
薬物送達デバイス1は、針を含む(明確には示されていない)ニードルアセンブリを含み得る。ニードルアセンブリはカートリッジホルダ3の遠位端に解除可能に取り付けられ得る。膜は、カートリッジ4から薬物5の用量を投与するために針によって突き刺され得る。また、薬物送達デバイス1は針無デバイスであり得る。
【0048】
ハウジング2は、薬物送達デバイス1の安全で快適な取り扱いを可能にするように設計され得る。ハウジング2は薬物送達デバイス1の内部部品、例えば、ピストンロッド10又は用量部材22を収容し、固定し、保護し及び/又は案内するように構成され得る。好ましくは、ハウジング2は、液体、埃、ごみのような汚染物質への内部部品の暴露を制限し又は防ぐ。ハウジング2は単一の又は複数部分の部品であり得る。ハウジング2は、図1において示された通り、チューブ状の形を含み得る。また、ハウジング2は非チューブ状の形を含み得る。
【0049】
カートリッジホルダ3は、例えば、ねじ連結によって、ハウジング2に、好ましくは、解除可能に固定され得る。カートリッジホルダ3は、カートリッジ4を機械的に安定させる。カートリッジホルダ3には、カートリッジ4をカートリッジホルダ3に固定するための、好ましくは、解除可能に固定するための、(図1において明確には示されていない)固定部材、例えば、スナップ手段が供えられ得る。
【0050】
ピストン9はカートリッジ4内に留められる。ピストン9はカートリッジ4に対して動き得る。ピストン9はカートリッジ4を近位にシールし得る。カートリッジ4に対する遠位方向へのピストン9の動きによって、カートリッジ4から出口6を通して薬物5が投与されることになる。
【0051】
ピストンロッド10は薬物送達デバイス1のハウジング2を通して操作される。ピストンロッド10は、例えば、薬物5を投与する目的で、薬物送達デバイス1を通して軸方向の動きを移すように設計され得る(より詳細には、図2及び3も参照)。特に、ピストンロッド10は力をピストン9に移すように設計され、そうすることによって、ピストン9をカートリッジ4及びハウジング2に対して遠位方向に変位する。このようにして、薬物5の用量は、出口6が開かれたとき、例えば、膜が前述の通り、針によって突き刺されたとき、カートリッジ4から投与され得る。投与された用量のサイズは、ハウジング2に対して遠位方向にピストン9がそれだけ変位される距離によって定められる。
【0052】
ベアリング部材11はピストン9を前進するよう、ピストン9とピストンロッド10の間に配置され得る。ベアリング部材11はピストンロッド10と一緒にハウジング2に対して変位され得る。ピストンロッド10はベアリング部材11に対して回転でき得る。ベアリング部材11はピストンロッド10に軸方向にロックされ得る。
【0053】
ピストンロッド10は柔軟な又は剛性材料で作られ得る。ピストンロッド10は円形の又は非円形の断面を有し得る。ピストンロッド10は単純な棒又は親ねじなどであり得る。ピストンロッド10は単一の又は複数部品の構造であり得る。
【0054】
薬物送達デバイス1は駆動機構を含む。駆動機構は図2及び3の描写に関連して詳細に述べられる。用量部材22は駆動機構の部分であり得る。用量部材22はハウジング2に対して回転できる。用量部材22は、薬物5の設定された用量を設定するために、ハウジング2に対して用量設定方向に回転され得る。用量部材22は、薬物5の用量を送達するとき、ハウジング2に対して用量送達方向に回転され得る。用量設定方向は時計回りであり得て、そして用量送達方向は、例えば、反時計回りであり得る。用量部材22は、後ほどより詳細に述べられるが、用量を設定しそして投与するとき、ハウジング2に対して少なくとも部分的に軸方向に変位でき得る。
【0055】
ハウジング2に対して用量送達方向に用量部材22が回転させられる原因となる力は、駆動機構によってピストンロッド10に移され得る。好ましくは、駆動機構は、用量部材22がハウジング2に対して用量設定方向に回転されるとき、ハウジング2に対してピストンロッド10が静止したままに留まるように構成される。用量の正確さはこのようにして増大され得る。
【0056】
図2は、図1の薬物送達デバイスの一部の斜視断面図を模式的に示す。特に、図2は、前に述べられた薬物送達デバイス1の駆動機構を説明する。
【0057】
図3は、図2において示された薬物送達デバイスの部分の断面側面図を模式的に示す。
【0058】
駆動機構は上述の通り用量部材22を含む。駆動機構は駆動部材14を含む。駆動機構は回転部材15を含む。駆動機構は停止部材16を含む。
【0059】
駆動機構は薬物送達デバイス1のハウジング2内に配置される。回転部材15は用量部材22の内部に少なくとも部分的に配置され得る。 回転部材15は用量部材22に回転的にロックされ得る。好ましくは、回転部材15は用量部材22にスプラインされる。このように、回転部材15は薬物5の用量を設定するためにハウジング2に対して用量設定方向への用量部材22の回転に従動する(矢印35Aを参照)。回転部材15は、薬物5の設定された用量を送達するために、ハウジング2に対して用量送達方向への用量部材22の回転に従動する。回転部材15は、後ほどより詳細に述べられるが、ハウジング2に対する軸方向の変位に抗して固定され得る。用量部材22は回転部材15に対して軸方向に変位できる(矢印34を参照)。
【0060】
駆動部材14はハウジング2に対して回転できる。用量部材22、駆動部材14及び回転部材15は、好ましくは、用量を送達するとき、共通回転軸の回りに回転するように構成される。回転軸はハウジング2の主縦軸であり得る。好ましくは、回転軸はピストンロッド10に沿って、特に、ピストンロッド10の伸びの主方向に沿って伸びる。
【0061】
駆動部材14は回転部材15と隣接する及び/又は係合するように配置され得る。回転部材15は、一方向性クラッチ機構、特に、摩擦クラッチ機構、例えば、摺動クラッチによって駆動部材14に連結される。クラッチ機構は、回転部材15がハウジング2に対して用量設定方向に回転されるとき、例えば、薬物の用量を設定するとき、駆動部材14に対する回転部材15の回転運動を可能にするように構成される。クラッチ機構は、回転部材15がハウジング2に対して用量送達方向に回転されるとき、例えば、薬物5の設定された用量を送達するとき、駆動部材14に対する回転部材15の回転運動を防ぐように構成される。従って、駆動部材14は、薬物5の設定された用量を送達するとき、ハウジング2に対する用量送達方向への回転部材15の回転運動に従動する。
【0062】
駆動部材14は歯部を含む(図3における歯部28を参照)。歯28は、例えば、駆動部材14の近位端セクションに配置され得る。回転部材15は歯部を含む(図3における歯部29を参照)。歯29は、例えば、回転部材15の遠位端セクションに配置され得る。特に、歯29は、駆動部材14に面する回転部材15の一つの端セクションに配置される。歯29及び歯28は互いに嵌め合うように構成され得る。歯28は複数の歯(図3における歯30)を含む。歯29は複数の歯(図3における歯31を参照)を含む。歯30及び歯31は回転軸に沿って伸び得る。回転軸はハウジング2の主縦軸に沿って向けられ得る。
【0063】
歯30及び歯31のそれぞれの歯は、特に、回転軸に対して方位角方向に沿って傾斜路の形であり得る。歯30、歯31のそれぞれの歯の傾斜路は、険しい側面30A、31Aをそれぞれの歯30、31の次の歯の険しい側面に連結し得る。この険しい側面30A、31Aは回転軸に平行に伸びる。
【0064】
二つの歯30、31の険しい側面30A、31Aが隣接し、そして回転部材15がハウジング2に対して用量送達方向に更に回転されるとき、険しい側面30A、31Aは隣接した状態に留まり、そのため駆動部材14は回転部材15の回転に従動する。回転部材15がハウジング2に対して用量設定方向に回転されるとき、回転部材15の歯29は歯28の歯30の傾斜路に沿って摺動し、従って、回転部材15は駆動部材14に対して回転し得る。険しい側面30Aと歯30の間の距離によって回転部材15のひいては駆動部材14の最小回転角度が定められ得る。
【0065】
駆動部材14はピストンロッド10を係合し得る。駆動部材14は、好ましくは、ピストンロッド10にスプラインされる。ピストンロッド10は(明確には示されていない)案内切欠きを含み得る。駆動部材14は案内切欠きを係合するための(明確には示されていない)対応する案内リブを含み得る。駆動部材14及びピストンロッド10のスプラインされた連結によってピストンロッド10に対する駆動部材14の相対的な回転運動、及びその逆が防がれ得る。従って、駆動部材14及びピストンロッド10は恒久的に回転的にロックされ得る。ピストンロッド10及び駆動部材14は互いに対して軸方向に変位され得る。
【0066】
駆動部材14は、力、好ましくは、トルクをピストンロッド10に移すように構成される。移された力によって、ピストンロッド10がハウジング2に対して回転されることになり得る。追加的に又は代わりに、移された力によって、薬物5の設定された用量を送達するために、ピストンロッド10がハウジング2に対して遠位方向に変位されることになり得る。ピストンロッド10はねじ山13を含む。ねじ山13はピストンロッド10の外表面に配置され得る。嵌め合っているねじ又はねじの部分が、ハウジング2及びピストンロッド10のねじ係合のためにハウジング2の内部に供され得る。ピストンロッド10の回転運動は、ピストンロッド10及びハウジング2のねじ係合の故に、ハウジング2に対する遠位方向へのピストンロッド10の軸方向の動きに変換され得る。
【0067】
駆動部材14は停止部材16と回転部材15の間に配置される。停止部材16は、回転部材15が用量設定方向に回転されるとき、ハウジング2に対する用量設定方向への駆動部材14の回転運動を防ぐように構成される。従って、用量を設定するとき、回転部材15は駆動部材14に対して及び停止部材16に対して回転し得る。停止部材16は、好ましくは、ハウジング2に対する回転に抗して固定される。停止部材16はハウジング2にスプラインされ得る。
【0068】
停止部材16は、一方向性クラッチ機構、例えば、摺動クラッチを用いて駆動部材14に連結される。クラッチ機構によって、回転部材15がハウジングに対して用量設定方向に回転するとき、つまり、薬物5の用量を設定するとき、停止部材16に対する駆動部材14の回転運動が防がれる。クラッチ機構によって、回転部材15がハウジングに対して用量送達方向に回転するとき、つまり、薬物5の用量を送達するとき、停止部材16に対する駆動部材14の回転運動が可能になる。
【0069】
停止部材16は、好ましくは、用量を設定するとき、及び送達するとき、駆動部材14と隣接し又は係合するように配置され得る。停止部材16は歯部(図3における歯部32を参照)を含む。停止部材16の歯部32は、駆動部材14に面する一つの端セクション、例えば、停止部材16の近位端セクションに配置され得る。歯部32は複数の歯24を含む。歯24は、好ましくは、傾斜路の形をしている。歯24は停止部材16の周囲に沿って配列され得る。
【0070】
駆動部材14は更なる歯部(図3における歯部33を参照)を含む。歯部33は、好ましくは、駆動部材14の遠位端セクションに配置される。そうすることによって、駆動部材14の歯28及び歯部33は反対側に配列され得る。歯部33は複数の歯25を含む。
【0071】
歯部33は、回転部材15の歯29に従うように構成され得る。歯部32及び歯部33は、薬物5の用量を設定するとき、ハウジング2に対する、そして停止部材16に対する駆動部材14の回転を防ぐために協動するように構成され得る。
【0072】
ハウジング2に対する用量設定方向への駆動部材14の回転が防がれるため、用量設定方向への駆動部材14の回転が要求されるであろう、ハウジング2に対する近位方向へのピストンロッド10の動きが防がれる。これは用量の正確さを増すために役立ち得る。
【0073】
前に述べられた通り、停止部材16はハウジング2に対する回転運動に抗して固定される。しかしながら、停止部材16は、図2における矢印35Bによって表される通り、ハウジング2に対して軸方向に変位でき得る。この目的のために、停止部材16は複数の案内部材、例えば、案内取っ手17を含み得る。案内取っ手17は対応する案内スロット18と係合し得る。案内スロット18は軸方向に伸び得る。案内スロット18はハウジング2中に供され得る。
【0074】
案内取っ手17は、ハウジング2に対する停止部材16の回転運動を防ぐように案内スロット18と協動し、ここでハウジング2に対する停止部材16の軸方向の動きが可能になる。
【0075】
駆動機構は、弾性部材19、例えば、ばねを更に含む。弾性部材19は用量設定中及び用量送達中に付勢され得る。弾性部材19は、用量を設定するとき及び用量を送達するとき、駆動部材14を停止部材16及び回転部材15と恒久的な機械的協動状態、例えば、係合状態に保持するための力を供し得る。
【0076】
駆動機構は、支持部材20を含む。支持部材20はハウジング2に対する軸方向の動き及び回転運動に抗して固定され得る。支持部材20はハウジング2と一体的に形成され得る。支持部材20は、例えば、半径方向に内側に向けられた突出しであり得る。回転部材15は支持部材20中の開口部を通して伸び得る。支持部材20は、弾性部材19によってかけられる力に対する対抗力を供し得る。他方、対抗力は遠位ベアリング表面によって供され得る。
【0077】
駆動機構はばね部材26を含む。ばね部材26は、例えば、螺旋コイルばねのようなコイルばねを含み得る。ばね部材26は圧力ばねを含み得る。ばね部材26は回転部材15の周りに少なくとも部分的に配置され得る。ばね部材26の近位端は用量部材22と協動し得る。ばね部材26の遠位端はハウジング2と協動し得て、特に、半径方向に内側に向けて突き出ている支持部材20を圧迫し得る。
【0078】
好ましくは、ばね部材26は捩じれたわみ性を供する。ばね部材は、用量設定中に付勢され、好ましくは、捩じれ的に付勢される。好ましくは、ばね部材26は軸方向のたわみ性を供する。好ましくは、ばね部材26は、薬物5の用量を設定する前に、ハウジング2に対して近位方向に事前に付勢される。ばね部材26の機能を、図6〜8の描写に関連して後ほど述べる。
【0079】
回転部材15は突出部分21を含む。突出部分21、例えば、フランジ部分は回転部材15から半径方向に外側に向かって突き出得る。突出部分21は支持部材20に隣接するように構成され得る。
【0080】
駆動部材14、回転部材15、停止部材16及び用量部材22は各々スリーブを含み得るか又はスリーブとして具現化され得る。ピストンロッド10は、該スリーブの少なくとも一つ又はそれ以上、又は全てを通して配置され得る、及び/又は駆動され得る。
【0081】
図4は、薬物送達デバイスの例示的実施態様の斜視断面図を模式的に示す。
【0082】
この実施態様によれば、内部スリーブ23はハウジング2内に配置される。内部スリーブ23はハウジング2に対する併進運動及び回転運動に抗して固定され得る。駆動機構(図2及び3を参照)は内部スリーブ23内に配置され得る。
【0083】
用量部材22は、後ほどより詳細に述べられるが、用量を設定しそして送達するために、特に、制限された状態で、内部スリーブ23に対して回転的に及び軸方向に変位でき得る。用量部材22は、案内軌道42及び案内機構46を用いて内部スリーブ23に固定される(図5及び6も参照)。案内軌道42は、好ましくは、内部スリーブ23の内表面に配置される。また、案内軌道42はハウジング2の内表面に配置される。この場合、内部スリーブ23は不要物であり得る。案内軌道42及び案内機構46の機能を、図5〜8の描写に関連して述べる。
【0084】
用量設定グリップ22Aは用量部材22の近位端セクションに配置され得る。用量設定グリップ22Aは、薬物5の用量を設定するべく、ハウジング2に対して用量設定方向に用量部材22を回転するために使用者によって掴まれるように構成され得る。用量設定グリップ22Aは、その内に用量部材22が配置されるスリーブであり得る。
【0085】
用量設定グリップ22Aは用量部材22に対する回転運動に抗して固定される。用量部材22は用量設定グリップ22Aに対して軸方向に変位できる。好ましくは、用量設定グリップ22Aは用量部材22にスプラインされる。
【0086】
用量設定グリップ22Aは、例えば、スナップ嵌合連結を用いてハウジング2に固定され得る。用量設定グリップ22Aは係合手段39Aを含み得る。係合手段39Aは、例えば、用量設定グリップ22Aの外表面に配置された突出しを含み得る。ハウジング2は、嵌め合っている係合手段39B、例えば、案内スロットを含み得る。嵌め合っている係合手段39Bはハウジング2の内表面に配置され得る。係合手段39A及び嵌め合っている係合手段39Bの機械的協動のため、用量設定グリップ22Aはハウジング2に軸方向に固定される。用量設定グリップ22Aは、好ましくは、制限された状態のみで、ハウジング2に対して回転できる。ハウジング2に対する用量設定グリップ22Aの回転角度は、嵌め合っている係合手段39B、例えば、案内スロットの角の広がりによって定められ得る。代わりに又は追加的に、回転角度は、図5及び6に関連して述べられる、案内軌道42の第一のセクション43Aの軸方向の伸びによって定められ得る。
【0087】
用量ボタン12は用量部材22の近位端セクションに配置され得る。用量ボタン12は用量部材22に軸方向にロックされ得て、そして用量部材22は用量ボタン12に対して回転でき得る。用量ボタン12は係合手段63を含む。係合手段63は、例えば、突出しを含み得る。用量部材22は嵌め合っている係合手段64を含み得る。係合手段64は、例えば、ぎざぎざを含み得る。係合手段63及び嵌め合っている係合手段64の機械的協動のため、用量ボタン12は用量部材22に軸方向に固定される。しかしながら、用量部材22は用量ボタン12に対して、特に、用量を送達するとき、回転できる。
【0088】
図5は、図4の薬物送達デバイスの一部の斜視断面図を模式的に示す。特に、図5は内部スリーブ23の内表面を示す。また、図5は用量部材22の外表面を示す。
【0089】
図6は、図4の薬物送達デバイスの別の部分の斜視断面図を模式的に示す。特に、図6は用量部材22の外表面を示す。
【0090】
用量部材22は案内機構46(図6を参照)を含む。案内機構46は用量部材22の外表面に配置され得る。好ましくは、案内機構46は用量部材22の遠位端セクションに配置される。
【0091】
案内機構46は用量部材22から半径方向に外側に向かって突き出る。案内機構46は、例えば、取っ手であり得る。案内機構46はピン状であり得る。好ましくは、案内機構46は用量部材22と一体的に形成される。また、案内機構46は用量部材22に強固に連結され得る。案内機構46は用量部材22に対する併進運動及び回転運動に抗して固定される。
【0092】
内部スリーブ23は、上述の通り、案内軌道42を含む。案内軌道42はハウジング2に対する併進運動及び回転運動に抗して固定される。好ましくは、案内軌道42は内部スリーブ23の部分である。案内軌道42は、例えば、スロット付き案内軌道であり得る。案内軌道42はL−状に形づくられ得て、又はL−状の形の部分を含み得る。好ましくは、案内軌道42は内部スリーブ23内に機械加工され又は成形される。
【0093】
案内軌道42は、案内機構46と機械的に協動するように構成される。特に、案内機構46は、後ほどより詳細に述べられるが、薬物5の用量を設定しそして送達するために案内軌道42に沿って案内される。案内軌道42は案内機構46を留め得て、そしてハウジング2に対して、特に、角度的に並びに軸方向に用量部材22の動きの範囲の限界を定め得る。
【0094】
案内軌道42は第一のセクション43Aを含む。第一のセクション43Aは、ハウジング2の主縦軸に対して横切って、好ましくは、直角に伸びる。好ましくは、第一のセクション43Aはハウジング2の主縦軸から見て角度方向に沿って伸びる。第一のセクション43Aの角の広がりは係合手段39B、例えば、案内スロットの角の広がり未満又はそれと同じであり得る。
【0095】
第一のセクション43Aは近位側壁57を含む。第一のセクションは遠位側壁58を含む。近位側壁57及び遠位側壁58は軸方向に伸びている端壁59によって連結される。
【0096】
案内軌道42は第二のセクション43Bを含む。好ましくは、第二のセクション43Bはハウジング2の主縦軸に沿って伸びる。好ましくは、第二のセクション43Bは第一のセクション43Aに対して直角に伸びる。第二のセクション43Bは、第一の軸方向に伸びている側壁60及び第二の軸方向に伸びている側壁61を含む。側壁60、61は近位端壁62によって連結される。
【0097】
連結領域55は第一のセクション43Aと第二のセクション43Bの間に配置される。第一のセクション43A及び第二のセクション43Bは連結領域55を介して互いに連結される。案内機構46が連結領域55と機械的に相互作用するとき、第一のセクション43Aから第二のセクション43Bへの及びその逆の案内機構46の遷移が可能である。第一のセクション43Aから第二のセクション43Bへの及びその逆の遷移は、連結領域55を介した場合とは別に、案内機構46及び第一のセクション43Aの近位側壁57、又は第二のセクション43Bの軸方向に伸びている側壁61の機械的協動ののせいで阻止され得る。
【0098】
第一のセクション43Aは案内機構46ための角度始動位置54を画成し得る。特に、案内機構46の角度始動位置54は第一のセクション43A内に置かれ得る。角度始動位置54において、案内機構46は軸方向に伸びている端壁59と隣接し得る。薬物5の用量を設定する前に、案内機構46は角度始動位置に位置付けられ得る。
【0099】
第二のセクション43Bは案内機構46ための軸停止位置56を画成し得る。特に、案内機構46の軸停止位置56は第二のセクション43B内に置かれ得る。軸停止位置56において、案内機構46は近位端壁62と隣接し得る。用量が完了される前に、案内機構46は軸停止位置56に位置付けられ得る。
【0100】
好ましくは、第二のセクション43Bはハウジング2に対して近位方向に第一のセクション43Aよりも更に遠くまで伸びる。従って、軸停止位置56は、近位に軸方向に、そして好ましくは、角度的に角度始動位置54に対してオフセットされ得る。その結果、案内機構46が第一のセクション43Aから第二のセクション43B内に案内されるとき、案内機構46、ひいては用量部材22はハウジング2に対して近位に変位され得る。
【0101】
第一のセクション43Aは、前述の通り近位側壁57を含む。図3に関連して述べられた、軸方向に付勢されたばね部材26は、案内機構46が第一のセクション43Aと協動するとき、案内機構46を近位側壁57に抗して押し得る。近位側壁57はハウジング2に対して近位方向への案内機構46の、ひいては、用量部材22の変位を制限し得る。従って、案内機構46が43Aと機械的に協動するとき、案内機構46は、案内機構46と近位側壁57の機械的協動によって軸停止位置56に向かって軸方向に変位されることを防がれる。案内機構46が第一のセクション43Aと相互作用するとき、案内機構46は、ハウジング2に対して角度的にのみ変位でき得る。
【0102】
第二のセクション43Bは、上述の通り、軸方向に伸びている側壁60、61を含む。案内機構46は、第二のセクション43Bと機械的に協動しているとき、一つの側壁、特に、第一のセクション43Aに角度的により近くに配置されている側壁61に隣接し得る。軸方向に伸びている側壁61は角度始動位置54に向かう案内機構46の角度変位を制限し得る。案内機構46が第二のセクション43Bと相互作用するとき、案内機構46はハウジング2に対して軸方向にのみ変位でき得る。
【0103】
薬物5の用量を設定するために、案内機構46は、角度始動位置54から連結領域55を介してそして軸停止位置56に向かって案内され得る。薬物5の設定された用量を送達するために、案内機構46は軸停止位置56から連結領域55を介してそして角度始動位置54に向かって戻るように案内され得る。従って、用量を設定しそして送達するために、案内機構46は同じ経路に沿うが案内軌道42に沿って反対方向に案内される。用量を設定しそして送達する操作を図7及び8に関連して述べる。
【0104】
図7は、用量を設定する際の図4の薬物送達デバイスの一部の斜視断面図を模式的に示す。
【0105】
薬物5の用量を設定するために、使用者は用量設定グリップ22Aを掴み得る。使用者は用量設定グリップ22A(矢印40Aを参照)、ひいては、用量設定グリップ22Aと回転的にロックされる用量部材22(矢印40Bを参照)を回転し得る。そうすることによって、案内機構46は、図5及び6におけるカートリッジ44によって表される通り、連結領域55に向かって第一のセクション43Aに沿って角度始動位置54から離れて角度的に変位される。
【0106】
用量部材22の回転のせいで、ばね部材26は捩じり的に付勢される。捩じり的に付勢されたばね部材26は、案内機構46を角度的に変位させ角度始動位置54に向かって戻す傾向にあり得る。従って、使用者が、用量が完全に設定される前に、特に、案内機構46が連結領域55を通過して第二のセクション43Bと機械的に相互作用する前に、用量設定グリップ22Aを解除するとき、用量部材22は反対方向に回転され、そのため、案内機構46は、捩じり的に弛緩しているばね部材26のせいで、自動的に角度始動位置54内に戻るよう変位される。このようにして、薬物5の用量の正確でない、特に、完全でない投与が防がれ得る。
【0107】
用量設定グリップ22A、ひいては用量部材22は、案内機構46が連結領域55内を通過するまで、用量設定方向に更に回転できる。用量設定グリップ22A、ひいては用量部材22は約360度未満の角度でのみ、好ましくは、180度未満の角度だけ、ハウジング2に対して用量設定方向に回転でき得る。用量設定グリップ22A、特に、用量部材22は、例えば、用量を設定するために、ハウジング2に対して45度だけ回転される。用量部材22が回転される角度は第一のセクション43Aの角の広がりによって定められ得る。第一のセクション43Aの角の広がりは、回転部材15の二つの歯31の険しい側面31Aの間の距離によって定められ得て、好ましくは、それに対応し得る。従って、薬物5の用量を設定するために、回転部材15及び用量部材22はほぼ同じ角度を回転され得る(矢印40Cを参照)。
【0108】
回転部材15は、駆動部材14に対して及び停止部材16に対して回転する。ピストンロッド10が駆動部材14に連結され、好ましくはスプラインされるので、ピストンロッド10は、停止部材16及び駆動部材14の機械的相互作用によってハウジング2に対して動かされることを防がれる。このようにして用量の正確さが増大され得る。
【0109】
案内機構46が第一のセクション43Aと相互作用するとき、用量部材22の近位変位は、図5に関連して述べられた通り、案内機構46及び第一のセクション43Aの近位側壁57の機械的協動のため防がれる。案内機構46が第一のセクション43Aと相互作用するとき、薬物送達デバイス1は非送達モードにある。
【0110】
一旦、連結領域55を通過すると、案内機構46は第二のセクション43Bと協動し得る。次いで、ばね部材26は近位方向に弛緩され得る(図6、矢印47を参照)。そうすることにより、用量部材22、ひいては46(図5及び6における矢印45を参照)は、ハウジング2に対して及び用量設定グリップ22Aに対して近位方向に自動的に変位される(矢印41)。特に、案内機構46は軸停止位置56に向かって第二のセクション43Bに沿って動かされる。
【0111】
案内機構46が軸停止位置56にあるとき、それは近位端壁62と隣接する。従って、案内機構46が軸停止位置56にあるとき、ハウジング2に対する近位方向への用量部材22の更なる変位が防がれる。用量設定グリップ22Aに対する用量部材22の近位変位のため、用量ボタン12は用量設定グリップ22Aに対して近位に変位される。この近位変位によって、設定された用量を投与するために、使用者がその中に遠位に用量ボタン12を押し込み得る位置に用量ボタン12がもたらされ得る。ここで用量設定作用は完了され得て、そしてデバイス1は用量送達モードにあり得る。設定された用量の送達のための、特に、用量ボタン12の、ひいては用量部材22の遠位変位は、案内機構46が軸停止位置56にあるときにのみ、可能になり得る。
【0112】
第二のセクション43Bにおいて、案内機構46は軸方向に伸びている側壁61と協動する。特に、用量設定方向への用量部材22の回転中に蓄積された、ばね部材26の捩じりバイアスによって、案内機構46は第二のセクション43Bの軸方向に伸びている側壁61と隣接状態を保持させられ得る。
【0113】
ばね部材26の捩じりバイアスの減少は、案内機構46及び軸方向に伸びている側壁61の機械的協動のために防がれ得る。従って、角度始動位置54に向かう案内機構46の角度変位、従って用量設定方向とは逆の方向、例えば、用量送達方向への用量部材22の回転は、案内機構46及び第二のセクション43Bの軸方向に伸びている側壁61の相互作用のために防がれ得る。このようにして、意図しない薬物の送達が防がれ得る。一旦、案内機構46が第二のセクション43Bと相互作用すると、使用者は用量設定グリップ22Aを解除し得る。
【0114】
案内機構46及び第二のセクション43Bの軸側壁60の機械的協動のせいで、案内機構46の角度変位、及び用量設定グリップ22Aのひいては用量部材22の、ハウジング2に対する用量設定方向への更なる回転は、一旦、案内機構46が第二のセクション43Bと機械的に相互作用すると、防がれ得る。
【0115】
図8は、設定された用量を投与する際の図4の薬物送達デバイスの一部の斜視断面図を模式的に示す。
【0116】
薬物5の設定された用量を投与するために、使用者は用量部材22の用量ボタン12上を、それをハウジング2に対して、特に、用量設定グリップ22Aに対して遠位方向にそれを変位するために、押し得る。前述の通り、用量ボタン12は用量部材22に対する軸方向の動きに抗して固定される。しかしながら、用量部材22は用量ボタン12に対して回転し得る。
【0117】
用量ボタン12を遠位に押すとき、用量部材22はハウジング2に対して及び用量設定グリップ22Aに対して遠位方向に変位される。特に、用量部材22は、薬物5の用量を設定するとき、用量部材22が近位に変位された距離と同じ、用量を送達するための距離だけ遠位に変位される。用量部材22が遠位に変位されるとき、ばね部材26は、軸方向に(再度)付勢され得る。
【0118】
用量部材22の遠位変位中に、案内機構46は軸端位置から離れて、そして連結領域55に向かって第二のセクション43Bに沿って案内され、ここで、ばね部材26の捩じりバイアスの減少が、そうすることにより、前述の通り、案内機構46及び第二のセクション43Bの軸方向に伸びている側壁61の機械的協動のため、防がれる。
【0119】
案内機構46が連結領域55を通過したとき、案内機構46は第一のセクション43Aと機械的に相互作用し得て、例えば、遠位側壁58と隣接し得る。軸方向に伸びている側壁61のせいで、案内機構46が第二のセクション43Bと機械的に協動していたときに弛緩が防がれた、捩じり的に付勢されたばね部材26は、一旦、案内機構46が第一のセクション43Aに入ると、弛緩し得る。このように、ばね部材26は案内機構46を、第一のセクション43Aに沿って、角度始動位置54に向かって自動的に角度的に変位する。
【0120】
用量部材22は、ばね部材26中に事前に蓄積されたエネルギによってハウジング2に対して用量送達方向に自動的に回転される(矢印50を参照)。用量部材22は、薬物5の用量を設定するために用量部材22が用量設定方向に回転されたのと同じ角度だけ、用量送達方向に回転される。上記の通り、用量部材22の回転角度は第一のセクション43Aの角の広がりによって定められる。案内機構46が角度始動位置54に達したとき、案内機構46は軸端壁59に隣接する。その結果、用量部材22は、案内機構46が角度始動位置54にあるとき、更に用量送達方向に回転することを防がれる。
【0121】
用量部材22が用量送達方向に回転するとき、矢印51によって表される通り、回転部材15は用量送達方向に回転する。駆動部材14はハウジング2に対して及び停止部材16に対して用量送達方向への回転部材15の回転に従動する(矢印52を参照)。回転部材15の、ひいては、駆動部材14の回転角度は、それぞれの歯30、31の険しい側面30A、31Aの間の距離によって定められる。
【0122】
用量送達方向への駆動部材14の回転は、用量送達方向へのピストンロッド10の回転に変換される。ピストンロッド10の回転は、例えば、ピストンロッド10及びハウジング2のねじ連結によって、ハウジング2に対する遠位方向へのピストンロッド10の動きに変換される(矢印53を参照)。従って、ピストン9はカートリッジ4に対して遠位方向に変位される。
【0123】
上述の薬物送達デバイス1は高い用量の正確さを供し得る。薬物送達デバイス1は、例えば、30IU又はそれ以上の、例えば、50IU又はそれ以上の用量を設定しそして送達するように構成され得て、そうすることによって高い用量の正確さを供する。また、薬物送達デバイス1は良好な用量の正確さを有しながら、5IU又はそれ以下の用量、又はその間の如何なる用量をも供し得る。もし、デバイス1が1IU未満の用量のために設計されるとすれば、駆動部材14及び回転部材15のそれぞれの歯部28、29の歯30、31の数は増大されねばならない。
【0124】
他の実施例は以下の請求項の範囲内にある。異なる実施例のエレメントは、本明細書に特に記述されていない実施例を形成するように組合せられ得る。
【符号の説明】
【0125】
1 薬物送達デバイス
2 ハウジング
3 カートリッジホルダ
4 カートリッジ
5 薬物
6 出口
7 遠位端
8 近位端
9 ピストン
10 ピストンロッド
11 ベアリング部材
12 用量ボタン
13 ねじ山
14 駆動部材
15 回転部材
16 停止部材
17 案内機構
18 案内スロット
19 弾性部材
20 支持部材
21 突出部分
22 用量部材
22A 用量設定グリップ
23 内部スリーブ
24 歯
25 歯
26 ばね部材
27 案内切り欠き
28 歯部
29 歯部
30 歯
30A 険しい側面
31 歯
31A 険しい側面
32 歯部
33 歯部
34 矢印
35A 矢印
35B 矢印
36 矢印
37 矢印
38 キャップ
39A 係合手段
39B 係合手段
40 矢印
41 矢印
42 案内軌道
43A 第一のセクション
43B 第二のセクション
44 矢印
45 矢印
46 案内機構
47 矢印
48 矢印
49 矢印
50 矢印
51 矢印
52 矢印
53 矢印
54 角度始動位置
55 連結領域
56 軸停止位置
57 近位側壁
58 遠位側壁
59 軸端壁
60 軸側壁
61 軸側壁
62 近位端壁
63 係合手段
64 係合手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物送達デバイス用のアセンブリであって:
−ハウジング(2)、
−薬物(5)の用量を設定するために、ハウジング(2)に対して用量設定方向に回転されるように、そして設定された用量を送達するために、ハウジング(2)に対して用量送達方向に回転されるように適合された用量部材(22)、ここで、用量部材(22)が案内機構(46)を含んでなり、
−案内機構(46)と機械的に協動するように構成された案内軌道(42)、ここで、案内軌道(42)が連結領域(55)を介して互いに連結される第一のセクション(43A)及び第二のセクション(43B)を含み、ここで、第一のセクション(43A)が案内機構(46)用の角度始動位置(54)を画成し、そして第二のセクション(43B)が案内機構(46)用の軸停止位置(56)を画成し、及び
−ばね部材(26)、
を、含んでなり、
ここで、用量部材(22)が用量設定方向に回転されるとき、案内機構(46)が角度始動位置(54)から連結領域(55)に向かって角度的に変位され、ばね部材(26)が捩じり的に付勢され、ここで、ばね部材(26)が案内機構(46)を角度始動位置(54)に向かって角度的に変位させる傾向にあり;そしてここで、案内機構(46)が連結領域(55)を通過したとき、案内機構(46)が第二のセクション(43B)に入り、そして軸停止位置(56)に向かってハウジング(2)に対して近位方向に軸方向に変位され、そして軸停止位置において、案内機構(46)及び第二のセクション(43B)の機械的協動によって、捩じれバイアスの減少が防がれる、
アセンブリ。
【請求項2】
第一のセクション(43A)と機械的に協動しているとき、ばね部材(26)が、案内機構(46)が連結領域(55)を通過したとき、ばね部材(26)が近位方向に弛緩し、そうすることによって案内機構(46)をハウジング(2)に対して近位方向に軸方向に動かすように、ハウジング(2)に対して軸方向に事前に付勢される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
軸停止位置(56)において、案内機構(46)が、ばね部材(26)の捩じりバイアスの減少、ひいてはハウジング(2)に対して、用量部材(22)の用量送達方向への回転が防がれるように、第二のセクション(43B)の軸方向に伸びている壁と隣接する、請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
案内軌道(43)がハウジング(2)に対して、併進変位及び回転変位に抗して固定され、そして、第一のセクション(43A)がハウジング(2)の主縦軸に対して横切るように走行し、そして第二のセクション(43B)が主縦軸に沿って伸びる、請求項1〜3の何れか1項に記載のアセンブリ。
【請求項5】
第二のセクション(43B)が、軸停止位置(56)が、角度始動位置(54)に対して近位に軸方向にオフセットされるように、ハウジング(2)に対して近位方向に第一のセクション(43A)よりも遠くに伸び、そして、案内機構(46)が第一のセクション(43A)と機械的に協動するとき、案内機構(46)が、案内機構(46)の第一のセクション(43A)近位側壁との機械的協動によって、軸停止位置(56)に向かって軸方向に変位されることを防がれる、請求項1〜4の何れか1項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
設定された用量を送達するために、用量部材(22)がハウジング(2)に対して遠位方向に軸方向に変位でき、ここで案内機構(46)が第二のセクション(43B)内で連結領域(55)に向かって遠位に変位でき、そして、案内機構(46)が連結領域(55)を通過したとき、ばね部材(26)の捩じりバイアスが減少され、そうすることによって案内機構(46)を第一のセクション(43A)に沿って角度始動位置(54)に向かって戻るように角度的に変位させ、そして用量部材(22)をハウジング(2)に対して用量送達方向に回転させる、請求項1〜5の何れか1項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
案内機構(46)が案内軌道(42)の第一のセクション(43A)内に配置されるとき、用量部材(22)の遠位変位が防がれる、請求項1〜6の何れか1項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
用量部材(22)が回転的に回転部材(15)にロックされ、そして、用量部材(22)が回転部材(15)に対して軸方向に変位できる、回転部材(15)を含んでなる、請求項1〜7の何れか1項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
ハウジング(2)に対して用量部材(22)の用量送達方向への回転が、ハウジング(2)に対してピストンロッド(10)の遠位方向への変位に変換される、ピストンロッド(10)を含んでなる、請求項1〜8の何れか1項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のアセンブリであって、
−ハウジング(2)に対して回転部材(15)の用量送達方向への回転に従動するように適合される駆動部材(14)、ここで駆動部材(14)の用量送達方向への回転が、駆動部材(14)及びピストンロッド(10)の機械的協動によって、ハウジング(2)に対してピストンロッド(10)の遠位方向への変位に変換され、及び
−停止部材(16);
を、含んでなり、
用量部材(22)が用量設定方向に回転されるとき、ハウジング(2)に対して駆動部材(14)の用量設定方向への回転が、停止部材(16)及び駆動部材(14)の機械的協動によって防がれる、
アセンブリ。
【請求項11】
駆動部材(14)及び回転部材(15)が、第一の一方向性摩擦クラッチ機構によって互いに連結され、ここで、第一の摩擦クラッチ機構が、複数の歯(30)を有する歯部(28)を含んでなり、ここで、それぞれの歯(30)が険しい側面を含み、第一のセクション(43A)の角の広がりが、二つの歯(30)の険しい側面の間の距離に対応する、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
駆動部材(14)及び停止部材(16)が、用量設定方向への回転部材(15)の回転中に、駆動部材(14)と停止部材(16)の間の相対的な回転運動を防ぐように、そして用量送達方向への回転部材(15)の回転中に停止部材(16)と駆動部材(14)の間の相対的な回転運動を可能にするように構成される、第二の一方向性摩擦クラッチ機構によって互いに連結される、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
用量部材(22)が、用量設定方向に及び用量送達方向にハウジング(2)に対して約360度未満の角度のみ回転でき、ここで、その角度が案内軌道(42)の第一のセクション(43A)の角の広がりによって定められる、請求項1〜12の何れか1項に記載のアセンブリ。
【請求項14】
案内軌道(42)がスロット付き案内軌道である、請求項1〜13の何れか1項に記載のアセンブリ。
【請求項15】
請求項1〜14の何れか1項に記載のアセンブリ及びカートリッジ(4)を含む薬物送達デバイス(1)であって、カートリッジ(4)が薬物(5)の複数の用量を保持し、薬物送達デバイス(1)が自己注射デバイスである、薬物送達デバイス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2013−505801(P2013−505801A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531349(P2012−531349)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【国際出願番号】PCT/EP2010/064330
【国際公開番号】WO2011/039163
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】