説明

【課題】HIV感染患者の免疫再構築を高め、したがってHIV患者の免疫無防備状態に起因するHIV関連日和見症状を治療すること。
【解決手段】本発明は、患者の免疫再構築を高め、したがってHIV患者の免疫無防備状態に起因するHIV関連日和見症状を治療するための、HIV感染患者におけるCCR5アンタゴニストの使用に関する。CXCR4利用ウィルス集団を有する患者は、CD4および/またはCD8細胞数の増加によって利益を得ることにもなるので、本発明ではまた、こうした患者のCCR5アンタゴニストを用いた治療が可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HIV−1などのHIV、および遺伝子関連レトロウィルス感染、ならびに結果として生じる後天性免疫不全症候群、AIDSに感染した患者の免疫再構築を高めるためのCCR5モジュレーター、特にアンタゴニストの使用に関する。本発明は、HIVおよびAIDS患者を治療するためのCCR5アンタゴニストを含有する組合せの使用をさらに含む。
【背景技術】
【0002】
「ケモカイン」という名は、「走化性サイトカイン」の短縮形である。ケモカインは、重要な構造的特徴を一般的に持っており、白血球を誘引する能力があるタンパク質の大きなファミリーを含む。白血球遊走因子と同様に、ケモカインは、炎症と感染に対する体の応答のどちらにも必須のプロセスである、体の種々の組織への白血球の誘引において不可欠な役割を果たす。ケモカインおよびそれらの受容体は炎症性疾患および伝染性疾患の病態生理学の中心となるので、ケモカインおよびそれらの受容体の活性を調節、好ましくは拮抗するのに有効な薬剤は、このような炎症性疾患および伝染性疾患の治療的処置に有用である。
【0003】
ケモカイン受容体CCR5は、炎症性疾患および伝染性疾患を治療する状況では特別重要である。CCR5は、ケモカイン、特にMIP−1αおよびMIP−1βと名付けられたマクロファージ炎症タンパク質(MIP)、ならびに活性化後に調節され、正常T細胞で発現および分泌されるタンパク質(RANTES)の受容体である。
【0004】
後天性免疫不全症候群(AIDS)は、体の免疫系の段階的な破壊ならびに中枢神経系および末梢神経系の進行性の悪化を引き起こす。1980年代初頭に初めて認識されてから、AIDSは急速に広がり、現在人口の比較的限定された部分の範囲内で伝染病の規模に達している。徹底した研究により、原因物質、ヒトTリンパ球向性レトロウィルスIII型(HTLV−III)の発見に至り、現在ではより一般にヒト免疫不全ウィルスまたはHIVと呼ばれている。
【0005】
HIVは、レトロウィルスとして知られているウィルスのクラスのメンバーである。レトロウィルスゲノムは、RNAから構成されており、これは逆転写によってDNAに転換される。次いで、このレトロウィルスDNAは、宿主細胞のクロモソーム中に安定して組み込まれ、宿主細胞の複製プロセスを用いて、新しいレトロウィルス粒子を産生し、他の細胞への感染を進める。HIVは、体の免疫系において決定的な役割を果たすヒトT−4リンパ球(CD4)およびCD8細胞に対して特定の親和性があるようである。白血球のHIV感染は、この白血球集団を激減させる。最終的に、免疫系は、ニューモシスティスカリニ、カポジ肉腫およびリンパ系の癌など種々のHIV関連日和見症状に対して機能しなくなり、かつ効果がなくなる。
【0006】
CD4細胞は、その表面にCCR5補受容体およびCXCR4補受容体の両方を有し、これを用いてHIVが細胞に侵入すると考えられている。しかし、ウィルスの種々の集団が存在しており、これらの集団は細胞侵入に通常利用するであろう補受容体(CCR5またはCXCR4)によって分類することができる。以下、実質的にCCR5ウィルスを含むウィルス集団は、CCR5向性に分類される。実質的にCXCR4ウィルスを含むウィルス集団は、CXCR4向性に分類され、CCR5およびCXCR4ウィルスの両方を含んでいるウィルス集団は、混合向性に分類されるが、二重向性ウィルスは、CCR5またはCXCR4補受容体のいずれかを介してCD4細胞に侵入することができる。
【0007】
以下、CXCR4利用ウィルス集団は、若干のCXCR4ウィルス、好ましくは2%超のCXCR4ウィルス、より好ましくは5%超のCXCR4ウィルス、最も好ましくは10%超のCXCR4ウィルスを含んでいるものに分類される。
【0008】
HIV薬物療法を以前にまったく受けたことのないHIV患者は、未治療患者に分類され、一般にCCR5ウィルスに主に感染しているが、何らかのHIV薬物療法を受けたことのある患者は、治療経験患者に分類される。時間が経つにつれて、治療経験患者は、多くのHIV薬に対する耐性が強まる傾向があり、かつおそらく同時発生的に、CXCR4ウィルスの発生が増加するようである。最終的に、治療経験患者は、免疫系がもはや維持できない場合にはAIDSに進行することになる。Kootら(Ann.intern.Med.1993;118:681〜688)は、ヌクレオシド/ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(NRTI)の投与を受けている約200人の治療経験HIV患者を追跡した2年半の研究について報告した。2クラスの患者、すなわち合胞体形成(SI)ウィルス(CXCR4の形態)に感染した患者およびSIウィルスを持たない患者(すなわちCCR5向性患者集団)が確認された。著者らは、SIウィルスを持つ患者におけるAIDSへの進行の確率は70.8%であったが、SIウィルスを持たない患者におけるAIDSへの進行の確率は15.8%であったことを報告した。さらに、SI変異体の出現は、CD4細胞数の急速な減少の予後徴候であると考えられていた。
【非特許文献1】Kootら(Ann.intern.Med.1993;118:681〜688)
【特許文献1】WO01/90106
【非特許文献2】Combadiereら、J.Leukoc.Biol.、60、147〜152(1996)
【特許文献2】WO99/32468
【特許文献3】WO01/25200
【特許文献4】WO03014105
【特許文献5】WO03/084954
【特許文献6】WO05/033107
【特許文献7】WO03/053435
【特許文献8】WO03/062238
【特許文献9】JP2003171381
【特許文献10】JP2003119137
【特許文献11】WO03/062204
【特許文献12】WO03/047564
【特許文献13】WO03/049690
【特許文献14】WO03/035076
【特許文献15】PCT/IB2006/002735
【特許文献16】WO03016315
【特許文献17】WO05/007681
【特許文献18】WO05/007601
【特許文献19】WO05/009418
【特許文献20】WO05/012288
【特許文献21】WO05/010029
【非特許文献3】Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use by Stahl and Wermuth(Wiley−VCH、2002)
【非特許文献4】Remington’s Pharmaceutical Sciences、19版(Mack Publishing Company、1995)
【非特許文献5】Expert Opinion in Therapeutic Patents、11(6)、981〜986、by Liang and Chen(2001)
【非特許文献6】Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets、Vol.1、by H.Lieberman and L.Lachman(Marcel Dekker、New York、1980)
【特許文献22】米国特許第6,106,864号
【非特許文献7】Pharmaceutical Technology−Online、25(2)、1〜14、by Vermaら(2001)
【特許文献23】WO00/35298
【非特許文献8】J Pharm Sci、88(10)、955〜958、by Finnin and Morgan(1999年10月)
【特許文献24】国際特許出願WO91/11172
【特許文献25】国際特許出願WO94/02518
【特許文献26】国際特許出願WO98/55148
【非特許文献9】Antimicrobial Agents and Chemotherapy、2000年4月、920〜928頁
【特許文献27】WO02/−99383
【特許文献28】US5837464
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、CXCR4ウィルスは、CD4細胞に対してより損傷を与え、例えばCD4細胞の減少を増大させることによりAIDSの発症の時期を早める可能性があると考えられている。それ故に、CCR5向性ウィルスのCD4細胞侵入だけを阻害する薬物は、CXCR4利用ウィルス集団に感染した患者を害することがあるという懸念があった。すなわち、CCR5向性ウィルスの選択的な抑制は、CXCR4向性ウィルスにさらに細胞標的を与えることにより、CD4細胞の感染を促進する可能性があり、それによってウィルス量が増大し、CD4数が減少する。これは、次いで、AIDSおよびHIV関連日和見症状の発症の時期を早める可能性がある。
【0010】
したがって、HIV患者が感染しているウィルス集団の向性を決定するためのアッセイが開発されており、それに応じて適切な治療が提供される。
【0011】
WO01/90106(参照により本明細書に組み込む)に開示されているマラビロック、化学名(N−{(1S)−3−[3−イソプロピル−5−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−4−イル]−エキソ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル}−1−フェニルプロピル)−4,4−ジフルオロシクロヘキサンカルボキサミド)は、CCR5補受容体を介したHIVの侵入を阻害するケモカイン受容体アンタゴニストであり(すなわちマラビロックはCCR5アンタゴニストである)、CCR5向性HIVに感染した患者の治療に必要である。
【0012】
Phenosense(商標)アッセイ、別名Trofile(商標)アッセイ(Monogram Biosciences、米国カリフォルニア州)は、HIV患者がCCR5向性かどうか判定するのに使用でき、CCR5向性である場合には、マラビロックを投与することができる。マラビロックは、非CCR5向性(すなわちCXCR4向性、二重/混合向性)は適応とせず、マラビロックまたは任意の他のCCR5アンタゴニストは、これらのHIV患者にとって治療的に有益であると考えられないであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明者らは今回、CXCR4利用ウィルス集団に感染した患者にCCR5アンタゴニストを使用することにより、CD4、またはCD8、またはCD4とCD8の両方の細胞数の臨床的に意味のある増加が誘導されることを発見した。
【0014】
この細胞数の増加は、CCR5アンタゴニストの使用により、患者のウィルス向性にかかわらずHIV患者の免疫再構築が向上し得ることを示唆する。免疫再構築を向上させることとは、患者の免疫機能を、HIV関連日和見症状を治療するためのレベルまで回復させることができることを意味する。
【0015】
したがって、CCR5アンタゴニストは、すべてのHIV患者を有益に治療でき、患者のウィルス向性を最初に調べることなく投与することができる。
【0016】
HIV関連日和見症状とは、HIV感染患者が、患者の免疫無防備状態の結果、よりかかりやすい症状である。
【0017】
治療とは、HIV関連日和見症状にかかるリスクを低減させることおよび既存のHIV関連日和見症状と戦う患者の能力を向上させることを含むつもりである。したがって、治療には、HIV関連日和見症状の治療と予防のどちらも含まれる。
【0018】
CD4、またはCD8、またはCD4とCD8の両方の細胞数の増加により、HIV患者におけるAIDSの発症が遅れることもある。
【0019】
したがって、本発明の第1の態様では、HIVに感染した患者の免疫再構築を高めるための医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用を提供している。
【0020】
本発明の第1の態様によれば、免疫再構築の向上は、CD4細胞数の回復によって測定する。CD4細胞数の増加量は、個々の患者によって決まることになり、患者は、達成できるCD4細胞数のレベルが高いほど免疫再構築でますます利益を得る。例えば、CD4細胞数がとても少ない、約10細胞/μLのHIV患者は、約50細胞/μLまで増加させることでやはり臨床的に利益を得ることになる。
【0021】
本発明の第2の態様では、HIVに感染した患者におけるCD4、またはCD8、またはCD4とCD8の両方の細胞数を増加させるための医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用を提供している。
【0022】
本発明の第3の態様では、CXCR4利用ウィルス集団など、HIVに感染した患者において免疫強化剤として使用するための医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用を提供している。
【0023】
本発明の第4の態様では、HIV関連日和見症状を治療するための医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用を提供している。
【0024】
以下の実施形態およびそのすべての組合せは、特に指定のない限り、本発明の第1、第2および第3の態様に関するものであり、それぞれ独立にさらに定義している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の第1から第3の態様の一実施形態では、医薬品はHIV関連日和見症状の治療のためにHIV患者に提供される。
【0026】
他の実施形態では、CCR5アンタゴニストを投与する前の患者のCD4数(すなわち基準CD4数)は、400細胞/μLである。さらに他の実施形態では、基準CD4数は、200細胞/μLである。さらに他の実施形態では、基準CD4数は、50細胞/μLである。
【0027】
さらに他の実施形態では、CCR5アンタゴニストで治療した後の患者のCD4数は、50細胞/μL超まで増加する。さらに他の実施形態では、CCR5アンタゴニストで治療した後の患者のCD4数は、100細胞/μL超まで増加する。さらに他の実施形態では、CCR5アンタゴニストで治療した後の患者のCD4数は、200細胞/μL超まで増加する。さらに他の実施形態では、CCR5アンタゴニストで治療した後の患者のCD4数は、350細胞/μL超まで増加する。さらに他の実施形態では、CCR5アンタゴニストで治療した後の患者のCD4数は、600細胞/μL超まで増加する。
【0028】
さらに他の実施形態では、CCR5アンタゴニストで治療した後のCD4細胞数は、基準細胞数と比較して60%超増加する。さらに他の実施形態では、CD4細胞数の増加は、基準細胞数と比較して100%である。さらに他の実施形態では、CD4細胞数の増加は、基準細胞数と比較して200%である。
【0029】
細胞数の増加は、HIV患者の循環血液中に現れるが、体の他の部分(例えばリンパ腺)で細胞数が増加することもある。
【0030】
さらに他の実施形態では、患者は、治療の経験がある(しかしCCR5アンタゴニストの投与は受けていない)。
【0031】
本発明のさらに他の実施形態では、患者は、CCR5向性ウィルス集団に感染しており、治療の経験があり(しかしCCR5アンタゴニストの投与は受けていない)、低ウィルス量を有している(患者がすでにウィルス学的に応答しており、ウィルス量がおおむね制御下にある場合など)。本発明によれば、CCR5アンタゴニストは今回、CD4細胞数を増加させるための他の薬剤として患者に与えることができ(付加療法)、それによって患者の免疫再構築が高まる。
【0032】
さらに他の実施形態では、HIV患者のHIVウィルス量は、5000コピー/mL超である。さらに他の実施形態では、HIV患者のHIVウィルス量は、1000コピー/mL超である。
【0033】
さらに他の実施形態では、HIV患者のHIVウィルス量は、5000コピー/mL未満である。さらに他の実施形態では、HIV患者のHIVウィルス量は、400コピー/mL未満である。さらに他の実施形態では、HIV患者のHIVウィルス量は、200コピー/mL未満である。さらに他の実施形態では、HIV患者のHIVウィルス量は、50コピー/mL未満である。
【0034】
本発明のさらに他の実施形態では、HIV患者は、CXCR4利用ウィルス集団に感染している。これらの患者は、通常は既存のHIV薬物療法を使用しているであろうし、CCR5アンタゴニストの投与を受けることはない。しかし、本発明によれば、患者既存のHIV薬投与計画にCCR5アンタゴニストを他の薬剤として与えることができる(付加療法)。
【0035】
本発明のさらに他の実施形態では、HIV患者のウィルス集団は、CXCR4ウィルスを2%超含む。本発明のさらに他の実施形態では、HIV患者のウィルス集団は、CXCR4ウィルスを5%超含む。本発明のさらに他の実施形態では、HIV患者のウィルス集団は、CXCR4ウィルスを10%超含む。本発明のさらに他の実施形態では、HIV患者のウィルス集団は、CXCR4ウィルスを15%超含む。本発明のさらに他の実施形態では、HIV患者のウィルス集団は、CXCR4ウィルスを20%超含む。本発明のさらに他の実施形態では、HIV患者のウィルス集団は、CXCR4ウィルスを25%超含む。本発明のさらに他の実施形態では、HIV患者のウィルス集団は、CXCR4ウィルスを30%超含む。本発明のさらに他の実施形態では、HIV患者のウィルス集団は、CXCR4ウィルスを35%超含む。本発明のさらに他の実施形態では、HIV患者のウィルス集団は、CXCR4ウィルスを40%超含む。本発明のさらに他の実施形態では、HIV患者のウィルス集団は、CXCR4ウィルスを45%超含む。本発明のさらに他の実施形態では、HIV患者のウィルス集団は、CXCR4ウィルスを50%超含む。
【0036】
本発明のさらに他の実施形態では、HIV患者は、CCR5向性ウィルス集団に感染している。
【0037】
HIV関連日和見症状には、日和見感染症および悪性疾患がある。
【0038】
HIV関連日和見症状の例には、ニューモシスティスカリニ、トキソプラズマ症、イソポリア症(isoporiasis)、クリプトスポリジウム症、カンジダ症、クリプトコッカス症、ヒストプラスマ症、コクシジオイデス症、結核菌、非結核性マイコバクテリウム感染(non tuberculosis mycobacterium infections)、サルモネラ菌、サイトメガロウィルス、単純疱疹ウィルス、再発性または持続性上気道感染、副鼻腔炎、中耳炎、細菌性髄膜炎、肺炎、敗血症、口腔咽頭カンジダ症、下痢、肝炎、帯状疱疹、平滑筋肉腫、リンパ性間質性肺炎、ノカルジア症、播種性水痘、ならびに脳のトキソプラズマ症、進行性多病巣性白質脳障害、カポジ肉腫、リンパ腫、子宮頚癌、HIV認知症およびHIV消耗症候群がある。
【0039】
より具体的には、HIV関連日和見感染症の例には、ニューモシスティスカリニ、トキソプラズマ症、イソポリア症、クリプトスポリジウム症、カンジダ症、クリプトコッカス症、ヒストプラスマ症、コクシジオイデス症、結核菌、非結核性マイコバクテリウム感染、サルモネラ菌、サイトメガロウィルス、単純疱疹ウィルス、進行性多病巣性白質脳障害、再発性または持続性上気道感染、副鼻腔炎、中耳炎、細菌性髄膜炎、肺炎、敗血症、口腔咽頭カンジダ症、下痢、肝炎、帯状疱疹、平滑筋肉腫、リンパ性間質性肺炎、ノカルジア症、播種性水痘、および脳のトキソプラズマ症がある。
【0040】
悪性疾患の例は、進行性カポジ肉腫、リンパ腫および子宮頚癌である。
【0041】
さらに他の実施形態では、CCR5アンタゴニストは、CCR5結合に対するIC50が1μM未満である(Combadiereら、J.Leukoc.Biol.、60、147〜152(1996)のMIP−1βアッセイによって測定した)。
【0042】
本発明のさらに他の実施形態では、CCR5アンタゴニストは、マラビロック、NCB−9471、PRO−140、CCR5mAb004、TAK−779(WO99/32468)、ZM−688523、4−クロロ−6−フルオロスルホンアミド、TAK−220(WO01/25200)、WO03014105に開示されており、化学名が8−[4−(2−ブトキシエトキシ)フェニル]−1−イソブチル−N−[4−[[(1−プロピル−1H−イマダゾール−5−イル)メチル]スルフィニル]フェニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ベンザコシン−5−カルボキサミドのTAK−652、SC−351125、アンクリビロック(ancriviroc)(以前はSCH−Cとして知られていた)、化学名(4,6−ジメチルプリミジン−5−イル){4−[(3S)−4−{(1R)−2−メトキシ−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}−3−メチルピペラジン−1−イル]−4−メチルピペリジン−1−イル}メタノンのビクロビロック(vicroviroc)、PRO−140、アプリビロック(apliviroc)(以前はGW−873140、Ono−4128、AK−602として知られていた)、AMD−887、INC−B9471、化学名N−メチル−N−((1R,3S,4S)−3−[4−(3−ベンジル−1−エチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピペリジン−1−イルメチル]−4−[3−フルオロフェニル]シクロペンタ−1−イル]−D−バリン)のCMPD−167、1−エンド−{8−[(3S)−3−(アセチルアミノ)−3−(3−フルオロフェニル)プロピル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−カルボン酸メチル、3−エンド−{8−[(3S)−3−(アセトアミド)−3−(3−フルオロフェニル)プロピル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−カルボン酸メチル、1−エンド−{8−[(3S)−3−(アセチルアミノ)−3−(3−フルオロフェニル)プロピル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−カルボン酸エチルおよびN−{(1S)−3−[3−エンド−(5−イソブチリル−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−1−(3−フルオロフェニル)プロピル}アセトアミド)ならびに上記の薬学的に許容できる塩、溶媒和物または誘導体から選択される。最後の4個の化合物は、WO03/084954およびWO05/033107に開示されている。
【0043】
さらに他の実施形態では、CCR5アンタゴニストは、マラビロック、ビクリビロック(vicriviroc)、NCB−9471、PRO−140、CCR5mAb004、8−[4−(2−ブトキシエトキシ)フェニル]−1−イソブチル−N−[4−[[(1−プロピル−1H−イマダゾール−5−イル)メチル]スルフィニル]フェニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ベンザコシン−5−カルボキサミド、1−エンド−{8−[(3S)−3−(アセチルアミノ)−3−(3−フルオロフェニル)プロピル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−カルボン酸メチル、3−エンド−{8−[(3S)−3−(アセトアミド)−3−(3−フルオロフェニル)プロピル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−カルボン酸メチル、1−エンド−{8−[(3S)−3−(アセチルアミノ)−3−(3−フルオロフェニル)プロピル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−カルボン酸エチル、およびN−{(1S)−3−[3−エンド−(5−イソブチリル−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−1−(3−フルオロフェニル)プロピル}アセトアミド)ならびに上記の薬学的に許容できる塩、溶媒和物または誘導体から選択される。
【0044】
さらに他の実施形態では、CCR5アンタゴニストは、マラビロックである。
【0045】
本発明が本明細書に記載した実施形態のすべての組合せを包含することを理解されよう。
【0046】
治療経験患者は、患者ウィルス量を制御するために1種または複数のHIV薬からなる既存のHIV療法を受けているであろう。HIV薬療法の例には、HIVプロテアーゼ阻害剤(PI)、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)、ヌクレオシド/ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(NRTI)、gp120とCD4の相互作用を阻害する薬剤、標的細胞へのHIVの侵入を阻害する他の薬剤(融合阻害剤など)、HIVインテグラーゼの阻害剤、RNA分解酵素H阻害剤、プレニル化阻害剤、HIVカプシドタンパク質の産生に干渉することによって作用する成熟阻害剤があるが、それだけには限定されない。
【0047】
前記のような併用HIV療法では、同じまたは異なる作用機序を有する2個以上の化合物が含まれていてよいことが当業者には理解されよう。したがって、例示にすぎないが、組合せには、CCR5アンタゴニストと1種または複数のNRTI、1種または複数のNRTIとPI、1種または複数のNRTIと別のCCR5アンタゴニスト、PI、PIとNNRTI、NNRTIなどがある。
【0048】
HIVに推奨される治療は、高活性抗レトロウィルス療法、またはHAARTと呼ばれる多剤併用療法である。HAARTは、3種以上のHIV薬を組み合わせている。
【0049】
本発明のさらに他の実施形態では、治療経験患者は、3種以上のHIV薬を含むHAART治療投与計画を受けており、低ウィルス量を有し、患者の免疫再構築を高めるために他の薬剤としてCCR5アンタゴニストを投与されている。
【0050】
通常、HAART療法は、以下の薬物クラス:HIVプロテアーゼ阻害剤(PI)、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)、ヌクレオシド/ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤(NRTI)、および融合阻害剤から選択される。
【0051】
PIの例には、アンプレナビル(141W94)、CGP−73547、CGP−61755、DMP−450(モゼナビル(mozenavir))、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、ロピナビル、TMC−126、アタザナビル、パリナビル、GS−3333、KNI−413、KNI−272、LG−71350、CGP−61755、PD173606、PD177298、PD178390、PD178392、U−140690、ABT−378、DMP−450、AG−1776、MK−944、VX−478、インディナビル、チプラナビル、TMC−114、DPC−681、DPC−684、ホスアンプレナビルカルシウム、WO03/053435に開示されているベンゼンスルホンアミド誘導体、R−944、Ro−03−34649、VX−385、GS−224338、OPT−TL3、PL−100、PPL−100、SM−309515、AG−148、DG−35−VIII、DMP−850、GW−5950X、KNI−1039、L−756423、LB−71262、LP−130、RS−344、SE−063、UIC−94−003、Vb−19038、A−77003、BMS−182193、BMS−186318、SM−309515、JE−2147、GS−9005があるが、それだけには限定されない。
【0052】
NRTIの例には、アバカビル、GS−840、ラミブジン、アデフォビルジピボキシル、β−フルオロ−ddA、ザルシタビン、ジダノシン、スタブジン、ジドブジン、フマル酸テノホビルジソプロキシル、アムドキソビル(amdoxovir)(DAPD)、SPD−754、SPD−756、ラシビール、レバーセット(DPC−817)、MIV−210(FLG)、β−L−Fd4C(ACH−126443)、MIV−310(アロブジン、FLT)、dOTC、DAPD、エンテカビル、GS−7340、エムトリシタビン(FTC)、ツルバダ(テノホビルとエムトリシタビン)があるが、それだけには限定されない。
【0053】
NNRTIの例には、エファビレンツ、HBY−097、ネビラピン、TMC−120(ダピビリン(dapivirine))、TMC−125、エタラビリン、デラビルジン、DPC−083、DPC−961、カプラビリン、リルピビリン(rilpivirine)、TMC−278、エプジコム(アバカビルとラミブジン)、トリジビル(ジドブジンとラミブジンとアバカビル)、コンビビル(ジドブジンとラミブジン)、5−{[3,5−ジエチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]オキシ}ソフタロニトリルあるいはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物または誘導体;GW−678248、GW−695634、MIV−150、カラノライド、およびWO03/062238に開示されているような三環系ピリミジノン誘導体があるが、それだけには限定されない。
【0054】
gp120を阻害する薬剤および融合阻害剤の例には、BMS−806、BMS−488043、5−{(1S)−2−[(2R)−4−ベンゾイル−2−メチル−ピペラジン−1−イル]−1−メチル−2−オキソ−エトキシ}−4−メトキシピリジン−2−カルボン酸メチルアミドおよび4−{(1S)−2−[(2R)−4−ベンゾイル−2−メチル−ピペラジン−1−イル]−1−メチル−2−オキソ−エトキシ}−3−メトキシ−N−メチル−ベンズアミド、エンフュービルタイド(T−20)、シフュービルタイド(sifuvirtide)、SP−01A、T1249、PRO542、TNX−355、2F5、2G12、BMS−378806、BMS−488043、PRO−2000、DEBIO−025、PS−Ons、D5、TR−290999、TR−291144、AMD−3100、可溶性CD4、JP2003171381に開示されている化合物、およびJP2003119137に開示されている化合物があるが、それだけには限定されない。
【0055】
HIVインテグラーゼ阻害剤の例には、L−000870810 GW−810781、WO03/062204に開示されている1,5−ナフチリジン−3−カルボキサミド誘導体、WO03/047564に開示されている化合物、WO03/049690に開示されている化合物、およびWO03/035076に開示されている5−ヒドロキシピリミジン−4−カルボキサミド誘導体、MK−0518、およびGS−9137(JTK−303)、PCT/IB2006/002735に開示されている化合物、(WO03016315に開示されている5−(1,1−ジオキソ−1,2−チアジナン−2−イル)−N−(4−フルオロベンジル)−8−ヒドロキシ−1,6−ナフチリジン−7−カルボキサミド−)、GSK−364735があるが、それだけには限定されない。
【0056】
プレニル化阻害剤の例には、スタチン(例えばアトルバスタチン)などのHMG CoA還元酵素阻害剤があるが、それだけには限定されない。
【0057】
成熟阻害剤の例には、3−O−(3’,3’−ジメチルスクシニル)ベツル酸(betulic acid)(別名PA−457)およびαHGAがある。
【0058】
HIV特徴日和見症状の治療を向上させるための本発明の任意の態様に基づくCCR5アンタゴニストと併せて使用する他の治療薬には、以下のものがある。
− 抗感染薬(抗菌薬および抗真菌薬を含む)。抗菌薬の例には、アトバコン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、トリメトプリム、トロバフロキサシン、ピリメタミン、ダウノルビシン、プリマキンを加えたクリンダマイシン、フルコナゾール、パステル(pastill)、オルニジル、エフロルニチンペンタミジン、リファブチン、スピラマイシン、イントラコナゾール−R51211、トリメトレキセート、ダウノルビシン、組換え型ヒトエリスロポエチン、組換え型ヒト成長ホルモン、酢酸メゲストロール、テステロン、および全経腸栄養があるが、それだけには限定されない。抗真菌薬の例には、アニデュラファンギン、C31G、カスポファンギン、DB−289、フルコナゾール、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミカファンギン、ポサコナゾール、およびボリコナゾールがあるが、それだけには限定されない。
− インターフェロン、ペグ化インターフェロン(例えばペグインターフェロンα−2aおよびペグインターフェロンα−2b)、持続型インターフェロン(例えばアルブミン−インターフェロンα)、ラミブジン、リバビリン、エムトリシタビン、ビラミジン(viramidine)、セルゴシビル、バロピシタビン(valopicitabine)、HCV−086、HCV−796、EMZ702、BILN2061、IDN6566、NM283、SCH6およびVX−950、WO05/007681に開示されているようなセリン阻害剤、WO05/007601に開示されているようなアリールチオ尿素誘導体、WO05/009418に開示されているようなプリンヌクレオシド類似体、WO05/012288に開示されているようなイミダゾール誘導体、WO05/010029に開示されているようなアザペプチド系大環状誘導体など肝炎の治療に有用な薬剤。
− インターフェロン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、パクリタキセル、メタロマトリックスプロテアーゼ、A−007、ベバシズマブ、BMS−275291、ハロフジノン、インターロイキン−12、リツキシマブ、ポルフィマーナトリウム、レビマスタット(rebimastat)、COL−3などAIDS関連カポジ肉腫の治療に有用な薬剤。
− ホミビルセン、オキセタノシンG、シドフォビル、サイトメガロウィルス免疫グロビン、フォスカーネットナトリウム、Isis2922、バラシクロビル、バルガンシクロビル、ガンシクロビルなどサイトメガロウィルス(CMV)の治療に有用な薬剤。
− アシクロビル、ペンシクロビル、ファムシクロビル、ME−609など単純疱疹ウィルス(HSV)の治療に有用な薬剤。
【0059】
本発明の範囲内には、本発明に基づくCCR5アンタゴニストと以下のものからなる群からそれぞれ独立に選択される1種または複数の別の治療薬の組合せも含まれている。
− 増殖阻害剤、例えばヒドロキシ尿素。
− AD−439、AD−519、αインターフェロン、AS−101、ブロピリミン、エースマンナン、CL246,738、EL10、FP−21399、γインターフェロン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(例えばサルグラモスチム)、IL−2、免疫グロブリン静脈内、IMREG−1、IMREG−2、イムチオールジエチルジチオカルバメート、α−2インターフェロン、メチオニン−エンケファリン、MTP−PE、レミューン、rCD4、組換え型可溶性ヒトCD4、インターフェロンα−2、SK&F106528、可溶性T4チモペンチン、腫瘍壊死因子(TNF)、ツカレソール、組換え型ヒトインターフェロンβ、インターフェロンα n−3などの免疫調節薬。
− タキキニン受容体モジュレーター(例えばNK1アンタゴニスト)および種々の形態のインターフェロンまたはインターフェロン誘導体。
− CXCR4アンタゴニスト(例えばAMD070およびAMD3100)またはCD4アンタゴニスト(例えばTNX−355)など他のケモカイン受容体アゴニスト/アンタゴニスト。
− tat(転写トランス活性化因子)またはnef(負の制御因子)の阻害剤などウィルス転写またはRNA複製を実質的に阻害、中断または低減させる薬剤。
− TatまたはNefなど、逆転写酵素以外のウィルスによって発現される1種または複数のタンパク質の翻訳を実質的に阻害、中断または低減させる(それだけには限らないが、タンパク質発現の下向き調節または1種もしくは複数のタンパク質の拮抗作用を含む)薬剤。
− ラパマイシンなど、細胞活性化または細胞周期に干渉する薬剤。
【0060】
例えば、さらに免疫刺激を与えるためまたは初期のおよび基本的なHIV感染に伴う痛みおよび炎症を治療するために、他の治療薬を本発明のすべての態様に基づくCCR5アンタゴニストと一緒に使用することができる。
【0061】
本発明のすべての態様に基づくCCR5アンタゴニストと一緒に使用するための他の組合せには、サルメテロール、プロピオン酸フルチカゾンなどのコルチコステロイドアゴニスト、モンテルカストなどのLTD4アンタゴニスト、臭化チオトロピウムなどのムスカリン様アンタゴニスト、シロミラストまたはロフルミラストなどのPDE4阻害剤、セレコキシブ、バルデコキシブまたはレフェコキシブなどのCOX−2阻害剤、ガバペンチンまたはプレガバリンなどのα−2−δリガンド、REBIFなどのβ−インターフェロン、TNF−α阻害剤(例えばアダリムマブ)などのTNF受容体モジュレーターなどのβアドレナリン受容体アゴニストがある。
【0062】
上記の組合せの場合、投与形態に関しては、別々にまたは互いに一緒に、またそれらの投与時間に関しては、同時にまたは順次、CCR5アンタゴニストおよび別の治療薬を投与することができる。したがって、1つの成分薬の投与を、他の成分薬の投与の前、それと同時、またはその後に行うことができる。
【0063】
本明細書に列挙されているCCR5アンタゴニストの薬学的に許容できる塩には、その酸付加および塩基塩がある。
【0064】
適当な酸付加塩は、非毒性塩を形成する酸から生成する。例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グロクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物塩、臭化水素酸塩/臭化物塩、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/二水素リン酸塩、ピログルタミン酸塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩およびキシノホ酸塩がある。
【0065】
適当な塩基塩は、非毒性塩を形成する塩基から生成する。例には、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リジン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミンおよび亜鉛塩がある。
【0066】
酸および塩基の半塩、例えば、半硫酸塩および半カルシウム塩も生成してもよい。
【0067】
適当な塩の概説については、参照により本明細書に組み込む、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use by Stahl and Wermuth(Wiley−VCH、2002)を参照のこと。
【0068】
CCR5アンタゴニストは、単独でまたは1種もしくは複数の他の治療化合物と併せて投与することができる。一般に、CCR5アンタゴニストは、1種または複数の薬学的に許容できる賦形剤に関連した製剤として投与することになる。「賦形剤」という用語は、本明細書において本発明の化合物以外の任意の成分を説明するのに使用している。賦形剤の選択は、特定の投与方法、溶解度および安定性に対する賦形剤の効果、ならびに投与形態の性質などの要素に大幅に依存するはずである。
【0069】
CCR5アンタゴニストの送達に適した医薬組成物およびその組合せおよびそれらの調製方法は、当業者に容易に明らかになるであろう。こうした組成物およびそれらの調製方法は、例えば、参照により本明細書に組み込む、Remington’s Pharmaceutical Sciences、19版(Mack Publishing Company、1995)に見つけることができる。
【0070】
適当な投与方法には、経口、非経口、局所、吸入/鼻腔内、直腸/膣内、および目/耳への投与がある。
【0071】
CCR5アンタゴニストおよびその組合せは、経口的に投与することができる。経口投与には、化合物が胃腸管に侵入する嚥下、および/または頬、舌、または口から直接血流に化合物が侵入する舌下投与が含まれていてよい。
【0072】
経口投与に適した製剤には、錠剤、マルチもしくはナノ微粒子、液体、または粉末を含む軟または硬カプセル剤、トローチ剤(液体充填を含む)、チューズ(chews)、ゲル剤、速分散剤形、フィルム、腔坐剤、スプレー剤、および頬/粘膜付着性パッチなどの固体、半固体および液体系がある。
【0073】
液体製剤には、懸濁剤、液剤、シロップ剤およびエリキシル剤がある。こうした製剤は、軟または硬カプセル剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース製)中の充填剤として使用でき、担体、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、または適当な油、および1種もしくは複数の乳濁化剤および/または懸濁化剤を通常含む。液体製剤は、固体の溶解によって、例えば、サッシェから調製することもできる。
【0074】
CCR5アンタゴニストおよびその組合せは、参照により本明細書に組み込む、Expert Opinion in Therapeutic Patents、11(6)、981〜986、by Liang and Chen(2001)に記載されているものなどの速溶解、速崩壊剤形で使用することもできる。
【0075】
錠剤剤形では、投与量に応じて、薬物は、剤形の1重量%〜80重量%、より一般には剤形の5重量%〜60重量%を構成してよい。薬物とは別に、錠剤は一般に崩壊剤を含む。崩壊剤の例には、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、カルボキシルメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、α化デンプンおよびアルギン酸ナトリウムがある。一般に、崩壊剤は、剤形の1重量%〜25重量%、好ましくは5重量%〜20重量%を占めることになる。
【0076】
結合剤は一般に、錠剤に粘着特性を付与するために使用される。適当な結合剤には、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖類、ポリエチレングリコール、天然および合成ゴム、ポリビニルピロリドン、α化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースがある。錠剤は、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水物など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプンおよび第二リン酸カルシウム二水和物などの希釈剤も含んでいてよい。
【0077】
錠剤は、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80などの界面活性剤、ならびに二酸化ケイ素およびタルクなどの潤滑剤も含んでいてもよい。存在する場合、界面活性剤は、錠剤の0.2重量%〜5重量%を占めていてよく、潤滑剤は、錠剤の0.2重量%〜1重量%を占めていてよい。
【0078】
錠剤は一般に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリルフマル酸ナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムの混合物などの滑剤も含む。滑剤は一般に、錠剤の0.25重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜3重量%を占める。
【0079】
他の考えられる成分には、酸化防止剤、着色剤、矯味矯臭剤、防腐剤および味覚マスキング剤がある。
【0080】
例示的な錠剤は、約80%以下の薬物、約10重量%〜約90重量%の結合剤、約0重量%〜約85重量%の希釈剤、約2重量%〜約10重量%の崩壊剤、および約0.25重量%〜約10重量%の滑剤を含む。
【0081】
錠剤ブレンドは、直接的にまたはローラーによって圧縮して錠剤を形成することができる。あるいは錠剤ブレンドまたはブレンドの一部分は、製錠する前に湿式、乾式、もしくは溶融造粒、溶融凝固、または押出し成形してもよい。最終製剤は、1種または複数の層を含んでいてよく、かつコーティングしていてもしていなくてもよく、さらにカプセル化していてもよい。
【0082】
錠剤の製剤は、参照により本明細書に組み込む、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets、Vol.1、by H.Lieberman and L.Lachman(Marcel Dekker、New York、1980)で論じられている。
【0083】
ヒトまたは家畜使用のための摂取可能な経口フィルムは、通常、急速溶解または粘膜付着性であってよい柔軟な水溶性または水膨潤性薄膜剤形であり、通常、式(I)の化合物、膜形成ポリマー、結合剤、溶媒、湿潤剤、可塑剤、安定剤または乳化剤、粘度調整剤および溶媒を含む。製剤中のいくつかの成分は、2つ以上の機能を果たすことがある。
【0084】
式(I)の化合物は、水溶性または不溶性であってよい。水溶性化合物は、一般に溶質の1重量%〜80重量%、より一般には20重量%〜50重量%を占める。より溶けにくい化合物は、組成物のより大きな割合、一般に溶質の88重量%以下を占めることもある。あるいは、式(I)の化合物は、多成分ビーズの形態であってよい。
【0085】
膜形成ポリマーは、天然多糖類、タンパク質、または合成親水コロイドから選択でき、一般に0.01〜99重量%の範囲、より一般には30〜80重量%の範囲で存在する。
【0086】
他の考えられる成分には、酸化防止剤、着色剤、矯味矯臭剤および調味料、防腐剤、唾液刺激剤、冷却剤、補助溶媒(油を含む)、皮膚軟化剤、増量剤、消泡、界面活性剤ならびに味覚マスキング剤がある。
【0087】
本発明によるフィルムは通常、可剥性裏支持体または裏紙上にコーティングした薄い水性フィルムの蒸発乾燥によって調製する。これは、乾燥器またはトンネル、通常複合コータードライヤー中で、あるいは凍結乾燥または真空引きによって行うことができる。
【0088】
経口投与のための固形製剤は、即時放出および/または調整放出になるように調製することができる。調整放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的および計画放出がある。
【0089】
本発明の目的に適した調整放出製剤は、参照により本明細書に組み込む、米国特許第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散ならびに浸透および被覆粒子など他の適当な放出技術の詳細は、参照により本明細書に組み込む、Pharmaceutical Technology−Online、25(2)、1〜14、by Vermaら(2001)に見られる。制御放出を達成するためのチューインガムの使用は、参照により本明細書に組み込む、WO00/35298に記載されている。
【0090】
CCR5アンタゴニストおよびその組合せも、直接血流、筋肉、または内臓に投与することができる。非経口投与に適した手段には、静脈内、動脈内、腹膜内、髄腔内、心室内、尿管内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液内および皮下がある。非経口投与に適した装置には、針(顕微針を含む)注射器、針なし注射器および注入法がある。
【0091】
非経口製剤は通常、塩、炭水化物および緩衝剤(好ましくはpH3〜9)などの賦形剤を含んでいてよい水溶液であるが、いくつかの用途では、無菌の非水性溶液として、あるいは無菌で発熱物質不含の水などの適当なビヒクルと併せて使用する乾燥形態としてより適切に調製することもできる。
【0092】
例えば、凍結乾燥による無菌条件下での非経口製剤の調製は、当業者によく知られている標準的な製薬技術を用いて容易に達成することができる。非経口液剤の調製に使用されている式(I)の化合物の溶解度は、溶解促進剤の取込みなど適切な製剤技術を用いて増大させることができる。
【0093】
非経口投与用製剤は、即時放出および/または調整放出になるように調製することができる。調整放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的および計画放出がある。したがって本発明の化合物は、有効化合物の調整放出をもたらす注入デポー剤として投与するための懸濁液あるいは固体、半固体、または揺変性液として調製することもできる。こうした製剤の例には、薬物充填ポリ(dl−乳−coグリコール)酸(PGLA)マイクロスフェアを含む薬物コーティングステントおよび半固体および懸濁剤がある。
【0094】
CCR5アンタゴニストの製剤も局所、真皮(内)、または経皮的に皮膚または粘膜に投与する。この目的のための通常の製剤には、ゲル剤、ヒドロゲル、ローション剤、液剤、クリーム剤、軟膏剤、粉剤、包帯剤、発泡体、フィルム、皮膚パッチ、オブラート、植込錠、スポンジ、ファイバー、絆創膏およびマイクロエマルジョンがある。リポソームも使用することができる。通常の担体には、アルコール、水、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールがある。浸透増強剤を含んでもよい−例えば、参照により本明細書に組み込む、J Pharm Sci、88(10)、955〜958、by Finnin and Morgan(1999年10月)を参照のこと。
【0095】
局所投与の他の手段には、電気穿孔法、イオン導入法、音波泳動法、超音波導入法および顕微針または針なし(例えばPowderject(商標)、Bioject(商標)など)注入による送達がある。
【0096】
局所投与用製剤は、即時放出および/または調整放出になるように調製することができる。調整放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的および計画放出がある。
【0097】
CCR5アンタゴニストおよびその組合せは、通常乾燥粉末吸入器から乾燥粉末(単独で、例えば、ラクトースとのドライブレンド中の混合物として、あるいは例えば、ホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合した混合成分粒子として)の形態で、1,1,1,2−テトラフルオロエタンもしくは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなどの適当な噴射剤を使用したもしくはしていない加圧型容器、ポンプ、スプレー剤、アトマイザー(好ましくは微細なミストを生成するために電気流体力学を用いたアトマイザー)、またはネブライザーからのエアゾールスプレーとして、あるいは経鼻滴剤として、鼻腔内にまたは吸入によって投与することもできる。鼻腔内使用の場合、粉末は、生物学的接着剤、例えば、キトサンまたはシクロデキストリンを含んでいてよい。
【0098】
加圧型容器、ポンプ、スプレー剤、アトマイザー、またはネブライザーは、例えば、エタノール、水性エタノール、または有効成分の分散、溶解、もしくは放出遅延に適した代替薬剤、溶媒としての噴射剤およびトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、もしくはオリゴ乳酸などの任意の界面活性剤を含む本発明の化合物の溶液または懸濁液を含む。
【0099】
乾燥粉末製剤または懸濁剤での使用の前に、製剤を吸入による送達に適したサイズ(通常5ミクロン未満)に超微粉砕する。これは、スパイラルジェットミル、流動層ジェットミル、ナノ粒子を生成するための超臨界流体処理、高圧均質化、または噴霧乾燥などの任意の適切な微粉砕法によって達成することができる。
【0100】
吸入器または吹入器中で使用するカプセル剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースで作製された)、ブリスターおよびカートリッジは、本発明の化合物の粉末ミックス、ラクトースまたはデンプンなどの適当な粉末基剤およびl−ロイシン、マンニトール、またはステアリン酸マグネシウムなどの性能改質剤を含むように調製することができる。ラクトースは、無水物または一水和物の形態であってよく、後者が好ましい。他の適当な賦形剤には、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロースおよびトレハロースがある。
【0101】
微細なミストを生成するために電気流体力学を用いたアトマイザーで使用するのに適した液剤は、1動作につき本発明の化合物1μg〜20mgを含むことができ、動作体積は、1μl〜100μlに異なっていてよい。通常の製剤は、式Iの化合物、プロピレングリコール、無菌水、エタノールおよび塩化ナトリウムを含んでいてよい。プロピレングリコールの代わりに使用できる代替溶媒には、グリセリンおよびポリエチレングリコールがある。
【0102】
メントールおよびレボメントールなどの適当な香味料、またはサッカリンもしくはサッカリンナトリウムなどの甘味料は、吸入/鼻腔内投与するための本発明の製剤に加えてもよい。
【0103】
吸入/鼻腔内投与用製剤は、例えば、PGLAを用いて即時放出および/または調整放出になるように調製することができる。調整放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的および計画放出がある。
【0104】
乾燥粉末吸入器およびエアゾールの場合、単位用量は、定量を送達するバルブを用いて決定される。本発明による単位は通常、本発明の化合物1μg〜10mgを含む定量または「一吹き(puff)」が投与されるように整える。全1日量は通常1μg〜200mgの範囲になり、単一用量で、あるいはより普通には、1日を通した分割量として投与し得る。
【0105】
CCR5アンタゴニストおよび組合せは、例えば、坐剤、ペッサリー、膣リング、殺菌剤または浣腸剤の形態で直腸または膣に投与することができる。ココアバターは、従来の坐剤基剤であるが、種々の代替物を適宜使用してもよい。
【0106】
直腸/膣投与のための製剤は、即時放出および/または調整放出になるように調製することができる。調整放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的および計画放出がある。
【0107】
CCR5アンタゴニストおよびその組合せは通常、等張のpH調整した無菌食塩水中の超微粉砕した懸濁液または溶液の滴剤の形態で目または耳に直接投与することもできる。目および耳への投与に適した他の製剤には、軟膏剤、ゲル剤、生分解性(例えば吸収ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生分解性(例えばシリコーン)植込錠、オブラート、レンズおよびニオソームもしくはリポソームなどの微粒子または小胞システムがある。架橋ポリアクリル酸などのポリマー、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース系ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、もしくはメチルセルロース、またはヘテロ多糖ポリマー、例えば、ジェランガムは、塩化ベンザルコニウムなどの防腐剤と一緒に組み込むことができる。こうした製剤も、イオン導入法によって送達することができる。
【0108】
目/耳への投与のための製剤は、即時放出および/または調整放出になるように調製することができる。調整放出製剤には、遅延、持続、パルス、制御、標的および計画放出がある。
【0109】
CCR5アンタゴニストおよびその組合せは、前述の投与方法のいずれかで使用するためにそれらの溶解度、溶解速度、味覚マスキング、生物学的利用能および/または安定性を向上させるために、シクロデキストリンおよびその適当な誘導体またはポリエチレングリコール含有ポリマーなどの可溶性巨大分子単位と併用してもよい。
【0110】
例えば、薬物−シクロデキストリン複合体は、ほとんどの投与形態および投与経路で一般に有用であることが判明している。包接錯体と非包接錯体のどちらも使用することができる。薬物と直接複合体を生成することに代わる方法として、シクロデキストリンを補助添加剤、すなわち担体、希釈剤、または可溶化剤として使用することができる。これらの目的で最も一般に使用されているものは、α−、β−およびγ−シクロデキストリンであり、その例は、参照により本明細書に組み込む、国際特許出願WO91/11172、WO94/02518およびWO98/55148に見つけることができる。
【0111】
例えば、特定の疾患または症状を治療する目的で有効化合物の組合せを投与することが望ましい限り、少なくともその1種が本発明による化合物を含む2種以上の医薬組成物を、組成物の同時投与に適したキットの形態で好都合に組み合わせ得ることは、本発明の範囲内である。
【0112】
したがって、本発明のキットは、少なくともその1種が本発明による式(I)の化合物を含む2種以上の別々の医薬組成物、ならびに容器、分割されたボトル、または分割されたホイル包みなど前記組成物を別々に保持する手段を含む。こうしたキットの例は、錠剤、カプセル剤などの包装に使用する普通のブリスターパックである。
【0113】
本発明のキットは、異なる投与形態、例えば、経口および非経口で投与する、異なる投与間隔で個々の組成物を投与する、あるいは互いに対して個々の組成物を滴定するのに特に適している。服薬遵守を助けるため、キットは通常、投与のための使用法を含み、またいわゆる記憶補助を備えていてもよい。
【0114】
本発明の他の態様では、有益な量のCCR5アンタゴニストを投与することを含む、CXCR4ウィルスを2%超含むCXCR4利用ウィルス集団に感染した患者のHIVを治療する方法を提供している。他の実施形態では、患者のウィルス集団は、CXCR4ウィルスを5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%または50%超含む。患者は、未治療であっても治療経験があってもよい。他の実施形態では、CCR5アンタゴニストは、マラビロックである。
【0115】
本発明のさらに他の態様では、CCR5アンタゴニストを投与することを含む、CXCR4利用ウィルス集団に感染したHIV患者におけるCD4、またはCD8、またはCD4とCD8の両方の数を増加させる方法を提供している。
【0116】
本発明のさらに他の態様では、有益な量のCCR5アンタゴニストを投与することを含む、CXCR4ウィルスを2%超含むCXCR4利用ウィルス集団に感染したHIV患者におけるCD4数を増加させる方法を提供している。他の実施形態では、患者のウィルス集団は、CXCR4ウィルスを5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%または50%超含む。患者は、未治療であっても治療経験があってもよい。他の実施形態では、CCR5アンタゴニストは、マラビロックである。
【0117】
本発明のさらに他の態様では、有益な量のCCR5アンタゴニストを投与することを含む、CXCR4ウィルスを2%超含むCXCR4利用ウィルス集団に感染したHIV患者におけるCD8数を増加させる方法を提供している。他の実施形態では、患者のウィルス集団は、CXCR4ウィルスを5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%または50%超含む。患者は、未治療であっても治療経験があってもよい。他の実施形態では、CCR5アンタゴニストは、マラビロックである。
【0118】
本発明のさらに他の態様では、CCR5アンタゴニストを投与することを含む、CXCR4ウィルスを2%超含むCXCR4利用ウィルス集団に感染したHIV患者におけるCD4およびCD8数を増加させる方法を提供している。他の実施形態では、患者のウィルス集団は、CXCR4ウィルスを5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%または50%超含む。患者は、未治療であっても治療経験があってもよい。他の実施形態では、CCR5アンタゴニストは、マラビロックである。
【0119】
本発明のさらに他の態様では、有益な量のCCR5アンタゴニストを患者に投与することを含む、CXCR4利用ウィルス集団に感染したHIV患者の免疫再構築を高める方法を提供している。他の実施形態では、患者のウィルス集団は、CXCR4ウィルスを2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%または50%超含む。患者は、未治療であっても治療経験があってもよい。他の実施形態では、CCR5アンタゴニストは、マラビロックである。
【0120】
本発明のさらに他の態様では、有益な量のCCR5アンタゴニストを患者に投与することを含む、CXCR4利用ウィルス集団に感染したHIV患者のHIV関連日和見感染症を治療する方法を提供している。他の実施形態では、患者のウィルス集団は、CXCR4ウィルスを2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%または50%超含む。患者は、未治療であっても治療経験があってもよい。他の実施形態では、CCR5アンタゴニストは、マラビロックである。
【0121】
本発明の他の態様では、CXCR4ウィルスを2%超含むCXCR4利用ウィルス集団に感染した患者におけるCD4、またはCD8、またはCD4とCD8の両方の細胞数を増加させるためのCCR5アンタゴニストの使用を提供している。
【0122】
本発明の他の態様では、CXCR4ウィルスを2%超含むCXCR4利用ウィルス集団に感染した患者における免疫再構築を高めるCCR5アンタゴニストの使用を提供している。
【0123】
「医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用」を定義している上記すべての本発明の態様および実施形態において、「...に使用するCCR5アンタゴニスト」の対応する態様および実施形態も本発明の範囲内であることが理解されよう。
【0124】
例えば、本発明の他の態様では、CXCR4利用ウィルス集団に感染したHIV患者におけるCD4、またはCD8、またはCD4とCD8の両方の細胞数を増加させるのに使用するCCR5アンタゴニストを提供している。他の実施形態では、患者のウィルス集団は、CXCR4ウィルスを2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%または50%超含む。患者は、未治療であっても治療経験があってもよい。他の実施形態では、CCR5アンタゴニストは、マラビロックである。
【0125】
HIV−1についての表現型アッセイは、Antimicrobial Agents and Chemotherapy、2000年4月、920〜928頁に記載されている。
【0126】
次に、添付の実施例を参照することにより本発明を一例として説明する。
【実施例】
【0127】
以下のプロトコルに従ってCXCR4利用ウィルス集団に感染した治療経験HIV−1患者を選択し、最適基礎療法(OBT)単独の第1グループをOBT+マラビロック1日1回およびOBT+マラビロック1日2回のグループと比較した。
【0128】
選択基準
試験に登録された患者は:
(a)16歳以上であった;
(b)Monogram Bioscience Phenosense(商標)アッセイ(WO02/−99383;US5837464)によって決定した非R5向性(CXCR4利用ウィルス集団)に感染していた、または未定向性表現型であった;
(c)無作為化の前に少なくとも4週間安定した抗ウィルス投与計画で治療していた;
(d)Roxhe Amplicor HIV−1 Monitor(version 1.5)によって測定したHIV−1 RNA数が少なくとも5,000コピー/mLであった
(e)(i)以前に少なくとも3カ月の、4種類の抗レトロウィルス薬クラス:NTRI、NNRTI、プロテアーゼ阻害剤および融合阻害剤のうちの3種類から少なくとも1種の薬剤を用いた抗レトロウィルス経験をした(すなわち3クラスを経験した);あるいは
(ii)4種類の抗レトロウィルス薬クラスのうちの2種類のメンバーに実証された耐性があった(すなわち2クラス耐性であった)。
【0129】
試験治療
適格患者を、患者が受けた薬物投与計画に基づいて3つのグループに無作為に割り付けた。
グループ1:最適基礎療法(OBT)(そのうち少なくとも1個が有効であり、1個だけがNNRTIである3〜6種の抗レトロウィルス薬[低用量レトナビルを数に入れない])+マラビロック 150mg 1日1回経口摂取(QD)。
グループ2:最適基礎療法(上記の通り)+マラビロック 150mg 1日2回経口摂取(BID)。
グループ3:最適基礎療法(上記の通り)+プラセボ。
【0130】
その最適基礎療法にプロテアーゼ阻害剤(PI)またはデラビルジン(NNRTI)を含まない患者を無作為化して、1日1回または2回マラビロック300mg用量を与えた。
【0131】
患者を、HIV−1 RNA数が100,000コピー/mL超または未満かどうかによって層別化し、最適基礎療法の一環としてエンフュービルタイドを与えた。これらの患者を、3つの患者グループの間に均等に割り当てた。
【0132】
各患者についてウィルス量(VL)とCD4数のいくつかの測定値を取ってから、マラビロックまたはプラセボを用いた任意の治療を開始した。これらの測定値の平均を取って、各患者の基準値とした。ウィルス量およびCD4数に関するすべての患者の基準値の平均を表1に示す。すべての患者のウィルス量およびCD4数の中央値(治療開始前)も表1に示す。
【0133】
24週間治療後、エンドポイント(以下に述べた通り)を測定した。
(a)各患者について、HIV−1ウィルス量の基準からの変化(log[底10]のスケールで)を測定した。これらの値の平均(すべての患者についてのウィルス量の平均変化)を表2に示す。
(b)(i)400および(ii)50 HIV−1 RNAコピー/mL未満の患者の割合。
(c)基準から少なくとも0.5または1.0 log10コピー/mLのウィルス量が減少した患者の割合。
(d)各患者について、CD4およびCD8細胞数の基準からの変化を測定した。これらの値の平均を表2に示す。
【0134】
標準的な技法である蛍光活性化細胞選別(FACS)によって細胞数を測定した。
【0135】
【表1】

【0136】
表1からわかるように、すべての患者グループが同様のCD4細胞数で始めた。
【0137】
【表2】

【0138】
結果
表1の治療前測定値からわかるように、各治療グループのCD4数の中央値は、45細胞/μL未満であり、平均基準ウィルス量は、5[log10]カウント/mL超であった。表2に示す通り、基準からのウィルス量変化は、マラビロック1日1回および1日2回グループ(−1.2log10)とプラセボグループ(−0.97log10)で類似していた。有害な臨床的事象および臨床検査事象、有害事象および死による中止が3つすべてのグループで同様の頻度で発生した。リンパ腫または腺癌の症例はなかった。
【0139】
プラセボと比較して、マラビロックを1日1回および2回投与した患者において、CD4およびCD8細胞数が臨床的に有意味(かつ統計的に有意)に増加した。表1に示す通り、3つすべての治療グループの平均基準CD4数は、100mL未満であり、1日2回マラビロックグループ(96.4細胞/μL)およびプラセボグループ(98.6細胞/μL)と比較して1日1回マラビロックグループ(85細胞/μL)は僅かに低いが、統計的には低くなかった。表2に示す通り、平均CD4変化は、プラセボの+35.4細胞/μLと比較して、マラビロック1日1回および2回グループ:+59.6細胞/μL(1日1回)および+62.2細胞/μL(1日2回)でより大きかった。平均CD8細胞変化も、プラセボ(+150.0細胞/μL)と比較して、マラビロックグループ+384.5細胞/μL(1日1回)および+338.8細胞/μL(1日2回)でより大きかった。したがって、プラセボグループと比較すると両方のマラビロックグループの増加のサイズに臨床的に有意味な数値差がある。これは、最適基礎治療単独と比較して患者CD4、またはCD8、またはCD4とCD8の両方の細胞数の臨床的に有意味な増加を誘導するために、マラビロックをCXCR4利用ウィルス集団に感染したHIV患者に与えることができることを示す。これは、マラビロックがHIV患者の免疫再構築を高め、したがってHIV関連日和見症状の治療または予防に使用できることを示唆する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
HIVに感染した患者の免疫再構築を高めるための医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項2】
HIVに感染した患者におけるCD4、またはCD8、またはCD4とCD8の両方の細胞数を増加させるためのCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項3】
HIV関連日和見症状を治療するための医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項4】
HIV関連日和見症状を治療するための請求項1または2に記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項5】
前記HIV関連日和見症状がニューモシスティスカリニ、トキソプラズマ症、イソポリア症、クリプトスポリジウム症、カンジダ症、クリプトコッカス症、ヒストプラスマ症、コクシジオイデス症、結核菌、非結核性マイコバクテリウム感染、サルモネラ菌、サイトメガロウィルス、単純疱疹ウィルス、進行性多病巣性白質脳障害、カポジ肉腫、リンパ腫、子宮頚癌、HIV認知症、HIV消耗症候群、再発性または持続性上気道感染、副鼻腔炎、中耳炎、細菌性髄膜炎、肺炎、敗血症、口腔咽頭カンジダ症、下痢、肝炎、帯状疱疹、平滑筋肉腫、リンパ性間質性肺炎、ノカルジア症、播種性水痘、および脳のトキソプラズマ症から選択される、請求項3または4に記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項6】
前記CCR5アンタゴニストの投与前に前記患者の基準CD4数が200細胞/μL未満である、請求項1から5のいずれかに記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項7】
前記患者の基準CD4数が50細胞/μL未満である、請求項6に記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項8】
前記CCR5アンタゴニストで治療した後の前記患者のCD4数が50細胞/μL超である、請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項9】
前記CCR5アンタゴニストで治療した後の前記患者のCD4細胞数が100細胞/μL超である、請求項1から8のいずれか一項に記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項10】
前記CCR5アンタゴニストで治療した後の前記患者のCD4細胞数が200細胞/μL超である、請求項1から9のいずれか一項に記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項11】
前記CCR5アンタゴニストで治療した後の前記患者のCD4細胞数が350細胞/μL超である、請求項1から10のいずれか一項に記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項12】
前記患者のCD4数が前記CCR5アンタゴニストで治療した後に60%超増加する、請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項13】
前記患者のCD4数が前記CCR5アンタゴニストで治療した後に100%超増加する、請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項14】
前記患者のCD4数が前記CCR5アンタゴニストで治療した後に200%超増加する、請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項15】
前記患者は治療経験がある、請求項1から14のいずれかに記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項16】
前記治療経験患者のウィルス量が5000コピー/mL未満である、請求項15に記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項17】
前記患者のウィルス量が400コピー/mL未満である、請求項15に記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項18】
前記患者のウィルス量が50コピー/mL未満である、請求項15に記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項19】
前記治療経験HIV患者が3種以上のHIV薬を含む既存のHAART治療投与計画を受けている、請求項15から18のいずれかに記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項20】
前記患者がCXCR4利用ウィルス集団に感染している、請求項1から19のいずれか一項に記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項21】
前記患者のウィルス集団がCXCR4ウィルスを2%超含む、請求項20に記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項22】
前記患者のウィルス集団がCXCR4ウィルスを5%超含む、請求項20に記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項23】
前記患者のウィルス集団がCXCR4ウィルスを10%超含む、請求項20に記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項24】
前記患者のウィルス集団がCXCR4ウィルスを20%超含む、請求項20に記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項25】
前記患者のウィルス集団がCXCR4ウィルスを50%超含む、請求項20に記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項26】
前記患者がCCR5向性ウィルス集団に感染している、請求項1から19のいずれかに記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項27】
前記患者がCCR5向性ウィルス集団に感染しており、かつ前記患者は治療経験があり、低ウィルス量および低CD4細胞数を有しており、かつCD4細胞数を増加させるために患者の既存のHIV療法に加えてCCR5アンタゴニストを与える、請求項1から19のいずれかに記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項28】
前記患者のウィルス量が400コピー/mL未満であり、CD4細胞数が200細胞/μL未満である、請求項27に記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項29】
前記CCR5アンタゴニストが、マラビロック、ビクリビロック(vicriviroc)、NCB−9471、PRO−140、8−[4−(2−ブトキシエトキシ)フェニル]−1−イソブチル−N−[4−[[(1−プロピル−1H−イマダゾール−5−イル)メチル]スルフィニル]フェニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ベンザコシン−5−カルボキサミド、1−エンド−{8−[(3S)−3−(アセチルアミノ)−3−(3−フルオロフェニル)プロピル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−カルボン酸メチル、3−エンド−{8−[(3S)−3−(アセトアミド)−3−(3−フルオロフェニル)プロピル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−カルボン酸メチル、1−エンド−{8−[(3S)−3−(アセチルアミノ)−3−(3−フルオロフェニル)プロピル]−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−3−イル}−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−カルボン酸エチル、およびN−{(1S)−3−[3−エンド−(5−イソブチリル−2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクト−8−イル]−1−(3−フルオロフェニル)プロピル}アセトアミド)およびその薬学的に許容できる塩、溶媒和物または誘導体から選択される、請求項1から28のいずれか一項に記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項30】
前記CCR5アンタゴニストがマラビロックまたはその薬学的に許容できる塩もしくは溶媒和物である、請求項1から29のいずれか一項に記載の医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項31】
前記患者のウィルス向性の事前の決定を要することなく前記CCR5アンタゴニストの投与が指示される、患者のHIV感染を治療する医薬品の調製におけるCCR5アンタゴニストの使用。
【請求項32】
CXCR4利用ウィルス集団に感染したHIV患者におけるCD4、またはCD8、またはCD4とCD8の両方の細胞数を増加させるのに使用するCCR5アンタゴニスト。
【請求項33】
有益な量のCCR5アンタゴニストを患者に投与することを含む、CXCR4利用ウィルス集団に感染したHIV患者の免疫再構築を高める方法。
【請求項34】
有益な量のCCR5アンタゴニストを患者に投与することを含む、CXCR4利用ウィルス集団に感染したHIV患者におけるCD4、またはCD8、またはCD4とCD8の両方の細胞数を増加させる方法。
【請求項35】
有益な量のCCR5アンタゴニストを患者に投与することを含む、CXCR4利用ウィルス集団に感染したHIV患者のHIV関連日和見症状を治療するための方法。

【公開番号】特開2007−332141(P2007−332141A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−154664(P2007−154664)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】