蚊取り線香を用いた農作物の害虫駆除方法

【課題】農作物生産において使用する農薬の使用量は極めて大きい数値を示しています。したがって、できるだけ早くの農薬使用量削減が求められている。
【課題の解消】本発明は、上記に示した課題の解消を目的に開発されたもので、蚊取り線香の防虫効果を利用して農作物生産に伴う害虫（ダニ等）の駆除に用いることで農薬使用量を削減する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
農作物生産に伴う農薬の使用は環境破壊など、社会問題視されています。本方法は、これらの農薬使用量減少することで、課題の解消を目的としたものである。
【背景技術】
【０００２】
私は農業関係の仕事をしていますが、日頃から減農薬に気を使っています。その日もリンゴ園から取ってきた葉のダニ生息環境を、顕微鏡を用いて調べていました。観察室にはクーラーは無く、何時も蚊に刺されます。そんな関係から廻りに蚊取り線香があります。リンゴの葉を用いてダニの生息状況を観察中、ふと、横を見ると蚊取り線香が煙を出しています。何気なく手に取り、観察中の葉に蚊取り線香の煙を当ててみました。そして再度顕微鏡に葉をセットし、覗いてみました。リンゴハダニ、ナミハダニ、が死んでいます。本、害虫駆除方法は、ダニ生息状況観察中に何気なく起きた出来事から生まれた方法。
特許文献に付きましては、調べましたが本発明に関連した同種の文献はありませんでした。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
農産物を生産する過程において農薬の使用は避けられないものがあります。しかし、農薬の使用は農業生産圃場環境を徐所に破壊していることも事実です。本発明はこれらの課題の解消を目的に、蚊取り線香の防虫作用を利用して農産物栽培をすることで、農薬使用量を軽減する。
【課題を解決するための手段】
【０００４】
蚊取り線香の煙には殺虫作用を持つペレトリンが含まれています。この殺虫物質は昆虫には極めて強い殺虫作用しますが、私たち人間など哺乳類には作用を示さないなどの特徴を持っています。したがって、除虫菊としての使用を含め人畜防虫剤として使用されています。本発明はこれらを人畜防虫剤として使用するのではなく、植物の栽培に伴う害虫の駆除に利用することで農薬使用の軽減をするものである。
【発明の効果】
【０００５】
リンゴ栽培事例を持って説明する。リンゴ栽培においてダニに関する農薬防除は年間に３回前後行われています。蚊取り線香の防虫効果を利用することでダニ剤の使用は無くなる、したがって、ダニ剤使用量が減った分の減農薬栽培が行われたことになります。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００６】
果樹類においても野菜類においても栽培面積が広くなっています。したがって、現在、我々が蚊取り線香を用いる方法では対処しきれないことが考えられます。
多くの蚊取り線香を燃焼させることで発生する煙を煙保存タンク２内に蓄え、その煙を散布ブロアー１とジャバラホース８を用いて農産物に散布する方法である。
【実施例】
【０００７】
図４に示す携帯用蚊取り線香燃焼機６内部に火をつけた蚊取り線香を多数用意し、煙発生装置４内部に設置する。（図１の場合には携帯用蚊取り線香燃焼機は１０個）煙が煙保存タンク２内部に蓄積されるのを待って、散布ブロアー１を駆動させることでジャバラホース８の端から煙（蚊取り線香の燃焼ガス）が噴出する。ホースの端を持って農作物に散布する。
【産業上の利用可能性】
【０００８】
農作物生産に伴う農薬使用量は極めて大きな数値を示し、殺ダニ用農薬は比較的高額で農家の家計を苦しめています。また、農薬による環境汚染の課題解消効果もあります。したがって、多くの農産物生産者に使っていただけるものと考えています。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】煙発生散布装置側面図
【図２】煙発生散布装置正面図
【図３】携帯用蚊取り線香燃焼機平面図
【図４】携帯用蚊取り線香燃焼機側面図
【符号の説明】
１、散布ブロアー２、煙保存タンク
３、移動用レバー４、煙発生装置
５、停止用スタンド６、携帯用蚊取り線香燃焼機
７、車輪８、ジャバラホース
９、蚊取り線香１０、燃焼機固定板

【特許請求の範囲】
【請求項１】
夏期において蚊取り線香は、我々人間や動物が蚊に刺されることから身を守ってくれます。人間や動物が蚊から身を守る効果を得ていますが、本発明は蚊取り線香の防虫効果を利用して植物の栽培に伴う害虫（ダニ等）の駆除に利用する方法である。
先ず、図３、４、に示す、携帯用蚊取り線香燃焼機６内部に、あらかじめ火のついた蚊取り線香９を入れ込む、このようなものを多数作り、図１に示す煙発生散布装置の下部に位置する煙発生装置４の内部に燃焼する構造で設置することで発生した煙は上部に位置する煙保存タンク２内に蓄積される。さらに、蓄積された煙を、栽培されている野菜や果樹などの農産物に散布する散布ブロアー１を用いて煙保存タンク２内の煙を、ジャバラホース８を介して農産物に散布する。このような方法で、蚊取り線香の煙（燃焼気化ガス）を農作物に散布することで、茎や葉などに生息するダニ等などの害虫を駆除するなどの蚊取り線香を用いて植物に生息する害虫を駆除する方法。

【図１】