説明

蛇口用給水ホースの連結装置

【課題】蛇口を損傷させずに簡便に設置することができる蛇口用ホースの連結装置を提供する。
【解決手段】蛇口挿入部(101)入口に掛け段差(104)を形成し、その掛け段差(104)上面に支持壁(104a)を形成し、上記支持壁(104a)に通穴を形成し、その通穴と連続する案内溝を連結管(1)の外周面の両側に縦方向で形成し、上記通穴にはアーチ型に曲がり、その両端部外側面に雄ねじ(401)を形成した輪状(4)を挿入し、上記連結管(1)の雄ねじ部にねじ結合される締結ナット(5)が上記輪状(4)の雄ねじ(401)にねじ結合されるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は蛇口用給水ホースの連結装置に関し、もっと具体的には首が直角に曲がった蛇口に給水ホースを連結する時に用いられ、アーチ型に形成された輪状を蛇口の首にかけて設置することで強い水圧や外力の作用にも容易に離脱しない堅固な連結状態を維持するようにした蛇口用給水ホースの連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に蛇口用給水ホースの連結装置は、蛇口の入り口部分に給水ホースを連結する時、その連結が簡便にできるだけでなく、連結された給水ホースが強い水圧や外力の作用にも容易に外れないようにするために使われる。
そして従来の蛇口用給水ホースの連結装置は、主に、下部に給水ホースを堅固に固定するための雄ねじ部を有する連結管が形成され、その下端部にホース連結部を一体で形成してあり、そのホース連結部に給水ホースを取り付け、給水ホースの外部に内径と外径が伸縮できるように形成された固定装置を挟み込み、上記固定装置を覆うように形成した固定ナットを上記連結管の雄ねじ部にねじ結合していた。
【0003】
したがって、上記雄ねじ部と固定ナットのねじ結合によって、固定ナットによって覆われた固定装置の外径が縮まり、連結管のホース連結部に取り付けた給水ホースを外部から強く圧迫して、給水ホースがホース連結部から抜けることを防止するように構成してある。
【0004】
一方、連結管の上部には蛇口の入り口が挿入される挿入部が形成してあるが、その内部には主にゴムパッキンを設置して挿入部に挿入される蛇口との密着力と水密性を高めてある。連結管の外側面には外周面から内部に貫通した多数のねじが設置してあり、連結管の挿入部に挿入された蛇口の入り口を上記ねじを利用して締め付け、ねじによる強い摩擦力を利用して蛇口を挿入した連結管が外れないように構成してある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のような従来の蛇口用給水ホースの連結装置は、蛇口の入り口を挿入する連結管が、強い水圧や外力によって容易に外れないようにするため、連結管の挿入部外側面に放射状に設置した多数のねじを強く締めるドライバーのような工具が必ず必要であることから設置に不便であるという問題点があった。
【0006】
また、上記のように、ねじを強く締める過程で蛇口の入り口の周辺に、ねじ締めによる擦り傷が発生し、蛇口の美観が損傷される問題点もあった。
【0007】
同時にねじを利用して固定する方式であるため、多数のねじが外部に露出することで美観上好ましくないだけでなく、長期間使用時、ねじの腐蝕によっても美観がさらに悪くなる。ねじの腐蝕がひどい場合には、ねじを緩めることが難しくなり、蛇口用給水ホースの連結装置を蛇口から取り外し、新しいものに入れ替る作業が難しいという問題点もあった。
【0008】
本発明は、上記のような従来の問題点を解消するために案出したものであり、本発明の目的は、蛇口を損傷させずに簡便に設置することができるだけではなく、強い水圧や外力の作用にも容易に離脱しない堅固な連結状態を維持するようにした蛇口用給水ホースの連結装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記のような目的を果たすために、本発明は、上部に蛇口挿入部(101)を形成し、下部に雄ねじ部(102)を形成し、下端部にホース連結部(103)を形成した連結管(1)と;上記雄ねじ部(102)にねじ結合され、傾いた内周面を形成した固定ナット(2)と;上記ホース連結部(103)に取り付けたホースの外周面に挟み込み、上記固定ナット(2)によって圧縮されながらホースを固定する固定装置(3)で構成された蛇口用給水ホースの連結装置において、上記連結管(1)の蛇口挿入部(101)入口には連結管(1)の外径より大きい外径を持った掛け段差(104)を形成し、その掛け段差(104)上面に支持壁(104a)を形成し、上記支持壁(104a)の始端面及び終端面の前側には上記掛け段差(104)を縦方向に貫通する通穴(104b)を形成し、その通穴(104b)と連続する案内溝(105)を連結管(1)の外周面の両側に縦方向に形成し、上記通穴(104b)にはアーチ型に曲がり、その両端部外側面に雄ねじ(401)を形成した輪状(4)を挿入して上記連結管(1)の雄ねじ部(102)にねじ結合された締結ナット(5)が上記輪状(4)の雄ねじ(401)に同時にねじ結合されるように構成したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記蛇口挿入部(101)内部には埋設溝(101a)を形成し、その内部に円筒状の連結装置(6)を挿入して、この連結装置(6)の上部が蛇口の入り口内部に挿入されるようにすることもできる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、連結管上部に、輪状を蛇口の首にかけて設置するため蛇口を損傷させず、簡便に設置することができるだけではなく、強い水圧や外力の作用にも容易に離脱しない堅固な連結状態を維持することができ、使用が非常に便利になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の望ましい実施形態の組み立て状態斜視図である。
【図2】本発明の望ましい実施形態の分解斜視図である。
【図3】本発明の望ましい実施形態の側面側からの断面図である。
【図4】本発明の望ましい実施形態の正面側からの断面図である。
【図5】本発明の望ましい実施形態の使用状態を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の望ましい実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0014】
図面の中で、同等の構成要素は、どの図面でも同じ符号を使っており、本発明の要旨に不必要な公知機能または公知構成に対する詳細な説明は略してある。
【0015】
まず、図1に示したように、本発明は、蛇口に繋ぐ連結管(1)と、上記連結管(1)に取り付けたホースを固定するための固定装置(3)と固定ナット(2)、そして連結管(1)に繋いだ蛇口から連結管(1)が抜けることを防止するための輪状(4)と、その輪状(4)を固定するための締結ナット(5)で構成される。各構成要素の構造的な特徴とそれによる作用をさらに詳しく説明すれば次のようである。
【0016】
本発明の連結管(1)は、上部に蛇口挿入部(101)を形成してあり、その蛇口挿入部(101)に蛇口(7)の入り口部分を挿入できるようにしてある。蛇口から供給された水が蛇口挿入部(101)から漏水することを防止するためには、蛇口挿入部(101)内部に漏水防止用パッキン(107)を挿入してから、蛇口の入り口部分を蛇口挿入部(101)に挿入するのが好ましい。
【0017】
この時、上記蛇口挿入部(101)内部には埋設溝(101a)を形成し、その内部に円筒状の連結装置(6)を挿入し、この連結装置(6)の上部が蛇口の入り口内部に挿入されるようにすることで、蛇口挿入部(101)内部に挿入された蛇口の入り口部分が、蛇口挿入部(101)内で緊密に結合されて漏水を抑制することができるようになる。これは蛇口の入り口の部分外径が蛇口挿入部(101)の内径と正確に一致せずに漏水発生の可能性がある場合に設置することが好ましく、上記連結装置(6)の設置は使用者が選択的に適用することができるものである。
【0018】
上記蛇口挿入部(101)入口には、連結管(1)の外径より大きい外径を持った掛け段差(104)が形成してあり、その掛け段差(104)上面には支持壁(104a)が形成してある。上記支持壁(104a)の始端面及び終端面の前側には掛け段差(104)を縦方向に貫通する通穴(104b)が形成してあり、その通穴(104b)の下部には通穴(104b)と連続する案内溝(105)が連結管(1)の外周面の両側に縦方向に形成してある。
【0019】
そして、アーチ型に曲がり、両端部外側面には雄ねじ(401)を形成した輪状(4)を上記通穴(104b)に挿入し、連結管(1)の下部に形成した雄ねじ部(102)にねじ結合する締結ナット(5)を利用して上記輪状(4)の雄ねじ(401)とねじ結合するようにして、輪状(4)は締結ナット(5)とのねじ結合によって固定され、使用者が願う高さで固定することができるようにしてある。
【0020】
上記連結管(1)の掛け段差(104)上面に形成した支持壁(104a)の始まる地点及び終わる地点に通穴(104b)が形成してあり、その通穴(104b)に輪状(4)が出入りするため、連結管(1)の外周面の両側に縦方向に形成した案内溝(105)だけではなく、支持壁(104a)も輪状(4)の一側面と密着するため、輪状(4)が通穴(104b)を出入りする時、輪状(4)を案内して安定的な昇降ができるようにしてある。
【0021】
図3で図示したように、連結管(1)の蛇口挿入部(101)に蛇口(7)の入り口を挿入した状態で、上記輪状(4)のアーチ型に曲がった部分が蛇口(7)の入り口が縦方向で曲がる前方、つまり横方向に形成された首部分の上部に位置するようにし、輪状(4)と連結管(1)の雄ねじ部(102)に締結ナット(5)をねじ結合すれば、輪状(4)が下向きに引かれながら連結管(1)の蛇口挿入部(101)に挿入した蛇口(7)の入り口を上部から下部に向かい強く圧迫する。
【0022】
したがって、蛇口(7)の入り口を挿入した連結管(1)が任意に抜けることを防止することだけではなく、蛇口挿入部(101)に挿入した蛇口の入り口を通じて水が供給される過程において蛇口挿入部(101)で漏水することも防止することができるようになる。
一方、輪状(4)を利用して蛇口(7)と連結管(1)の間の結合力を強め、輪状(4)のアーチ部が蛇口(7)の首にかかった状態をもっと安定的に維持するようにするためには、図1ないし図2で図示したように、輪状(4)のアーチ部は一側を突出形成して面積を拡張した形状を取るのが望ましいが、これに限定するものではない。
【0023】
上記のように、蛇口(7)の入り口に連結管(1)を挿入して設置する作業が完了すれば、その連結管(1)の下端部に形成したホース連結部(103)にホースを取り付けて連結することができる。ホース連結部(103)に取り付けたホース(8)が水圧や外部に作用する力によって任意に抜けることを防止するためには、図3ないし図4で図示したように、ホース(8)の端部を、連結管(1)のホース連結部(103)の周壁に形成した多数の切開溝と、内径と外径の伸縮が可能な固定装置(3)とで挟み込んだ状態で連結管(1)のホース連結部(103)に取り付けるようになる。
【0024】
そして、ホース(8)を挟み込み、上記固定装置(3)と一緒に、ホースに取り付けてある固定ナット(2)を、連結管(1)に形成してある雄ねじ部(102)にねじ結合することによって、固定装置(3)は固定ナット(2)内部に位置するようになる。
【0025】
したがって、連結管(1)の雄ねじ部(102)にねじ結合された固定ナット(2)が、ねじ結合によって上部に移動すれば固定ナット(2)の内壁下部に形成された傾いた内壁により、ホース(8)を挟み込んだ固定装置(3)の外壁は圧迫され、固定装置(3)の外径と内径が縮まり、その過程で固定装置(3)が連結管(1)のホース連結部(103)に取り付けたホースの外周面を強く圧迫して、ホース(8)がホース連結部(103)で任意に抜けることを防止することができるようになる。
【0026】
以上では、本発明の望ましい実施形態に対して図示して説明したが、本発明は上述した特定の実施形態に限定されるものではなく、当該の発明が属する技術分野で通常の知識を持った者によって多様な変形実施や応用が可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0027】
1:連結管、101:蛇口挿入部、102:雄ねじ部、103:ホース連結部、104:掛け段差、104a:支持壁、104b:通穴、105:案内溝、2:固定ナット、3:固定装置、4:輪状、401:雄ねじ、5:締結ナット、7:蛇口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に蛇口挿入部(101)を形成し、下部に雄ねじ部(102)を形成し、下端部にホース連結部(103)を形成した連結管(1)と;上記雄ねじ部(102)にねじ結合されて、傾いた内周面を形成した固定ナット(2)と;上記ホース連結部(103)に取り付けたホースの外周面を挟み込み上記固定ナット(2)によって圧縮されながらホースを固定する固定装置(3)で構成された蛇口用給水ホースの連結装置において、
上記連結管(1)の蛇口挿入部(101)入口には連結管(1)の外径より大きい外径を持った掛け段差(104)が形成してあり、その掛け段差(104)上面に支持壁(104a)を形成し、上記支持壁(104a)の始端面及び終端面の前に、上記掛け段差(104)を縦方向に貫通する通穴(104b)を形成し、その通穴(104b)と連続する案内溝(105)を連結管(1)の外周面の両側に縦方向に形成し、
上記通穴(104b)には、アーチ型に曲がり、その両端部外側面に雄ねじ(401)を形成した輪状(4)を挿入し、上記連結管(1)の雄ねじ部(102)にねじ結合される締結ナット(5)が上記輪状(4)の雄ねじ(401)にねじ結合されるように構成したことを特徴にする蛇口用給水ホースの連結装置。
【請求項2】
請求項1において、上記蛇口挿入部(101)内部には埋設溝(101a)を形成し、その内部に円筒状の連結装置(6)を挿入して、この連結装置(6)の上部が蛇口の入り口内部に挿入されるようにした蛇口用給水ホースの連結装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−226631(P2011−226631A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126191(P2010−126191)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(510152781)
【Fターム(参考)】